説明

画像形成装置

【課題】取り忘れ情報を前回のユーザーに通知することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ログイン/ログアウト処理を実行するログイン/ログアウト処理部92と、処理部92によってログアウト処理が行われたときに原稿又は画像形成媒体が有ることを有無センサー110,120が検出した場合に原稿等の取り忘れ情報を記憶する記憶部80と、処理部92によって次回のログイン処理が行われた場合にユーザー認証部91によるユーザー識別情報と前回のログイン/ログアウト処理時のユーザー識別情報とを比較して、両ユーザー識別情報の一致/不一致を判定する判定部95と、両ユーザー識別情報の不一致が判定された場合に前回のログイン/ログアウト処理時のユーザーに取り忘れ情報を送信部100に送信させる送信制御部94と、両ユーザー識別情報の一致が判定された場合に取り忘れ情報を報知部73に報知させる報知制御部97と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の画像形成媒体に画像を形成するコピー機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コピー機においては、ユーザーが、自動原稿搬送装置(ADF)の原稿載置部や読取りガラス面の上に原稿を載置して、用紙等にコピーを行った際に、原稿をADFの原稿集積部や読取りガラス面の上から取り忘れ、原稿が長い間放置されてしまう場合がある。
また、プリンタにおいても、画像が形成された後に排紙集積部に排出された用紙等の画像形成媒体が、排紙集積部から取り忘れられ、長い間放置されてしまう場合がある。
【0003】
このような原稿又は画像形成媒体の取り忘れを防ぐために、コピー機におけるADFの原稿集積部や読取りガラス面の上の原稿又はプリンタにおける排紙集積部の上の画像形成媒体の有無を検出するセンサーを設け、このセンサーにより原稿又は画像形成媒体が所定時間以上放置されていることが検出された場合に、LAN等の通信ネットワークを介して原稿又は画像形成媒体の取り忘れ情報をログインユーザーに送信し、通知するようにした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−67457号公報
【特許文献2】特開2009−100024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に開示された画像形成装置においては、原稿又は画像形成媒体の取り忘れ情報を送信し、通知するためのトリガーとして、所定時間の経過を用いている。そのため、所定時間の経過前に前回のログインユーザーとは別のユーザー(次回のログインユーザー、又は、取り忘れに気付いた更に別のユーザーも含む)が取り忘れた原稿又は画像形成媒体を取り除いてしまった場合に、前回のログインユーザーに取り忘れ情報を送信して通知することができない可能性がある。
【0006】
本発明は、取り忘れ情報を前回のログインユーザーに一層確実に送信し、通知することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、原稿又は画像が形成された画像形成媒体が配置される配置部に原稿又は画像形成媒体が有るか否かを検出する有無センサーと、ユーザーの識別情報を認証するユーザー認証部と、前記ユーザー認証部によるユーザーの識別情報の認証に基づいてログイン処理及びログアウト処理を実行するログイン/ログアウト処理部と、前記ログイン/ログアウト処理部によってログアウト処理が行われたときに、原稿又は画像形成媒体が有ることを前記有無センサーが検出した場合に、前記配置部からの原稿又は画像形成媒体の取り忘れを検知したことを示す取り忘れ情報を記憶する記憶部と、前記ログイン/ログアウト処理部によって次回のログイン処理が行われた場合に、前記ユーザー認証部によるユーザー識別情報と前回のログイン/ログアウト処理時のユーザー識別情報とを比較して、両ユーザー識別情報が一致しているか又は不一致であるかを判定する判定部と、所定の送信を行う送信部と、両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定した場合に、前回のログイン/ログアウト処理時のユーザーに対して前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を、前記送信部に送信させる送信制御部と、所定の報知を行う報知部と、両ユーザー識別情報が一致していると前記判定部が判定した場合に、前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、前記報知制御部は、両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定した場合に、前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を前記報知部に報知させることが好ましい。
【0009】
また、両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定し、前記取り忘れ情報が送信され且つ報知された後に、前記記憶部から前記取り忘れ情報を消去する情報消去部を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取り忘れ情報を前回のログインユーザーに一層確実に送信し、通知することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
【図3】コピー機1に接続されるメールサーバー300を説明するための図である。
【図4】コピー機1の原稿取り忘れ情報の通知又は表示及び消去を含む動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機について説明する。まず、コピー機1の全体構成について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0013】
図1に示すように、コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部(配置部)16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0014】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面(配置部)22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0015】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0016】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0017】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が形成されるタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0018】
画像形成部40は、感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
【0019】
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0020】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0021】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0022】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0023】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。図3は、コピー機1に接続されるメールサーバー300を説明するための図である。
図2に示すように、コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
【0024】
原稿搬送部10における原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gの有無を検出する第1原稿有無センサー110が設けられている。また、原稿読取部20の第2読取面22aにも、画像が読み取られる原稿Gの有無を検出する第2原稿有無センサー120が設けられている。第1原稿有無センサー110及び第2原稿有無センサー120としては、光学センサーが使用される。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作パネル70と、記憶部80と、制御部90と、インターフェース部(送信部)100とを備える。
【0025】
操作パネル70は、操作部71と、ユーザーの識別情報を読み取るユーザー識別情報読取部72と、表示部(報知部)73と、を有する。
操作部71は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、コピー部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、コピー倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、コピー動作を実行させるために操作される。操作部71は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に送信する。
【0026】
ユーザー識別情報読取部72は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)リーダー等のカードリーダーである。ユーザー識別情報読取部72は、複数のユーザーが所有する認証用カード130に記憶されているユーザー毎に異なる識別情報を読み取る。認証用カード130は、例えば、ICカードやIDカードである。
表示部73は、操作に係る各種情報などを表示すると共に、後述する原稿取り忘れ情報を例えば文字などにより表示する。
【0027】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0028】
また、記憶部80は、ユーザーの識別情報(属性情報)を予め記憶する。ユーザーの識別情報は、例えば、ユーザー名、所属部署、電話番号、内線番号、メールアドレス等の個人データである。
さらに、記憶部80は、後述する書込読出部93によって書き込まれたユーザーの識別情報及び原稿取り忘れ情報を一時的に記憶する一時記憶領域81を有する。
【0029】
インターフェース部100には、図3に示すように、ユーザーの識別情報の一つであるメールアドレスを保存するメールアカウント301を有するメールサーバー300が、LAN等の通信ネットワークNWを介して接続される。インターフェース部100は、メールサーバー300との間で、所定の送受信を行う。メールアカウント301は、コピー機1を使用する複数のユーザー毎に設定されている。
【0030】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作パネル70等を制御する。
また、図2に示すように、制御部90は、ユーザー認証部91と、ログイン/ログアウト処理部92と、書込読出部93と、通信制御部(送信制御部)94と、判定部95と、報知制御部としての表示制御部97と、情報消去部98とを備える。
ユーザー認証部91は、ユーザー識別情報読取部72により読み取られたユーザーの識別情報を認証する。
【0031】
ログイン/ログアウト処理部92は、ユーザー認証部91においてユーザーの識別情報を認証することに基づいてログイン処理を実行すると共に、ログアウト処理を実行する。ログイン/ログアウト処理部92は、コピー機1に入力されたユーザー識別情報と、記憶部80に予め記憶されるユーザーの識別情報とが一致する場合に、コピー機1へのログイン処理を実行する。また、ログイン/ログアウト処理部92は、ユーザーの操作に基づいて、コピー機1からのログアウト処理を実行する。
【0032】
書込読出部93は、ログイン/ログアウト処理部92によってログイン処理が行われた場合に、記憶部80の一時記憶領域81にユーザーの識別情報を書き込むことと、記憶部80の一時記憶領域81に書き込まれたユーザーの識別情報を読み出すこととが可能である。すなわち、書込読出部93は、ログイン処理が行われた後からログアウト処理が行われるまでのユーザーログイン中において、ユーザーの識別情報の書き込み及び読み出しが可能になる。
【0033】
また、書込読出部93は、ログイン/ログアウト処理部92によってログアウト処理が実行されたときに、原稿が有ることを第1原稿有無センサー110及び/又は第2原稿有無センサー120が検出した場合に、原稿の取り忘れを検知し、ログインしたユーザーの識別情報と共に、原稿取り忘れ情報を記憶部80の一時記憶領域81に記憶させる。
【0034】
通信制御部94は、ログイン/ログアウト処理部92によってログイン処理が行われた場合に、インターフェース部100を介してメールアカウント301にログインユーザーのメールアドレスを含む識別情報を書き込むことと、インターフェース部100を介してメールアカウント301に保存されるユーザーのメールアドレスを含む識別情報を読み出すこととが可能になる。すなわち、通信制御部94は、ログイン処理が行われた後からログアウト処理が行われるまでのユーザーログイン中において、ユーザーのメールアドレスを含む識別情報の書き込み及び読み出しが可能になる。
【0035】
通信制御部94は、インターフェース部100を介してメールアカウント301にアクセスして、ユーザーの識別情報を書き込む場合には、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を使用する。一方、通信制御部94は、インターフェース部100を介してメールアカウント301にアクセスして、ユーザーの識別情報を読み出す場合には、POP3を使用する。
【0036】
また、通信制御部94は、書込読出部93によって記憶部80から読み出されたユーザーの識別情報を、インターフェース部100を介してメールアカウント301に保存する場合に、ログイン/ログアウト処理部92によって認証されたユーザーの識別情報をメールアカウント301に保存させる。
【0037】
判定部95は、ログイン/ログアウト処理部92によってログイン処理が行われた場合に、ユーザー認証部91により認証されたユーザーの識別情報と、前回のログイン/ログアウト処理時に認証されたユーザーの識別情報とを比較して、両ユーザーの識別情報が一致しているか不一致であるかを判定する。
すなわち、判定部95は、ログイン/ログアウト処理部92によって次回(今回)のログイン処理が実行されたときに、原稿が有ることを第1原稿有無センサー110及び/又は第2原稿有無センサー120が検出した場合に、前回のログアウト処理時において記憶部80の一時記憶領域81に記憶され且つ書込読出部93により読み出されるユーザーの識別情報と、今回のユーザーの識別情報とが一致しているか否かを判定する。
【0038】
ここで、判定部95において両ユーザーの識別情報が不一致であると判定された場合に、書込読出部93は、記憶部80の一時記憶領域81に記憶された前回のログインユーザーの識別情報及び原稿取り忘れ情報の読み出しを行う。
また、判定部95において両ユーザーの識別情報が不一致であると判定された場合に、通信制御部94は、メールアカウント301に保存される複数のユーザーのメールアドレスの中からいずれか1つのメールアドレスを選択し、その選択されたユーザーに対して原稿取り忘れ情報を、インターフェース部100からLAN等の通信ネットワークNWを介してエクスポート(送信)し、通知する。つまり、通信制御部94は、書込読出部93によって記憶部80の一時記憶領域81から読み出された前回のログインユーザーの識別情報に含まれるメールアドレス及び原稿取り忘れ情報を、インターフェース部100を介してメールアカウント301に書き込む。
【0039】
表示制御部97は、判定部95において両ユーザーの識別情報が一致していると判定された場合及び判定部95において両ユーザーの識別情報が不一致であると判定された場合のいずれにおいても、書込読出部93によって記憶部80の一時記憶領域81から読み出された原稿取り忘れ情報を前回のログインユーザーの識別情報と共に操作パネル70の表示部73に表示させるように制御する。
【0040】
情報消去部98は、書込読出部93によって記憶部80の一時記憶領域81から読み出された前回のログインユーザーの識別情報及び原稿取り忘れ情報を消去する。つまり、情報消去部98は、両ユーザー識別情報が不一致であると判定部95が判定し、取り忘れ情報が送信され且つ報知された後に、記憶部80から原稿取り忘れ情報を消去する。
【0041】
次に、本実施形態におけるコピー機1の動作について説明する。図4は、コピー機1の原稿取り忘れ情報の通知又は表示及び消去を含む動作について説明するためのフローチャートである。
【0042】
ステップST11において、ログイン/ログアウト処理部92は、ユーザー識別情報読取部72により読み取られたユーザーの識別情報をユーザー認証部91で認証することに基づいて、ログイン処理を実行する。
【0043】
ステップST12において、第1原稿有無センサー110により原稿搬送部10における原稿集積部16の上に、又は、第2原稿有無センサー120により原稿読取部20の第2読取面22aの上に原稿Gが有るか否か(原稿Gの取り忘れの有無)が検出される。
検出の結果、原稿Gが無い場合(NO)には、処理は、ステップST17に進む。一方、原稿Gが有る場合(YES)には、処理は、ステップST13に進む。
【0044】
ステップST13において、書込読出部93は、前回のログアウト処理時において記憶部80の一時記憶領域81に記憶されている前回のユーザーの識別情報を読み出す。判定部95は、読み出された前回のユーザーの識別情報と今回のユーザーの識別情報とを比較して、両ユーザーの識別情報が一致しているか又は不一致であるかを判定する。
判定部95による判定の結果、両ユーザーの識別情報が不一致であると判定された場合(NO)には、処理は、ステップST14を経由してステップST15に進む。一方、両ユーザーの識別情報が一致していると判定された場合(YES)には、ステップST14を経由せずに、ステップST15に進む。
【0045】
ステップST14において、通信制御部94は、書込読出部93によって記憶部80の一時記憶領域81から読み出された前回のログインユーザーの識別情報に含まれるメールアドレス及び原稿取り忘れ情報を、インターフェース部100を介してメールアカウント301に書き込む。つまり、通信制御部94は、メールアカウント301に保存される複数のユーザーのメールアドレスの中からいずれか1つのメールアドレスを選択し、その選択されたユーザーに対して原稿取り忘れ情報をインターフェース部100からLAN等の通信ネットワークNWを介してエクスポート(送信)し、通知する。通知後、処理は、ステップST15に進む。
【0046】
ステップST15において、表示制御部97は、書込読出部93によって記憶部80の一時記憶領域81から読み出された原稿取り忘れ情報及び前回のログインユーザーの識別情報を、操作パネル70の表示部73に表示させる。表示後、処理は、ステップST16に進む。
【0047】
ステップST16において、情報消去部98は、ステップST15の表示処理後のログインユーザーの識別情報及び原稿取り忘れ情報を記憶部80の一時記憶領域81から消去(クリア)する。
【0048】
ステップST17において、制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部71等の動作を制御する。これによって、原稿搬送、原稿読取り、用紙搬送、画像形成、転写、定着という一連のコピー動作が開始される。
【0049】
ステップST18において、設定された部数のコピーが終了したときに、制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部71等の動作を停止し、コピー動作を完了する。
【0050】
ステップST19において、コピー動作が完了した後、ユーザーの操作に基づいて、ログイン/ログアウト処理部92は、コピー機1からのログアウト処理を実行する。
【0051】
ステップST20において、ログアウト処理後に第1原稿有無センサー110により原稿搬送部10における原稿集積部16の上に原稿Gが有るか否か(原稿Gの取り忘れの有無)、又は、第2原稿有無センサー120により原稿読取部20の第2読取面22aの上に原稿Gが有るか否か(原稿Gの取り忘れの有無)が検出される。
検出の結果、原稿Gが無い場合(NO)には、全ての処理を終了する。一方、原稿Gが有る場合(YES)には、処理は、ステップST21に進む。
【0052】
ステップST21において、今回のログインユーザーの識別情報と共に原稿取り忘れ情報が記憶部80の一時記憶領域81に書き込まれ、次のログイン処理が行われるまで保存される。
【0053】
以上説明したように、本実施形態のコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態のコピー機1は、原稿搬送部10における原稿集積部16の上、又は、原稿読取部20の第2読取面22aの上に原稿Gが有るか否かを検出する第1原稿有無センサー110及び第2原稿有無センサー120と、ユーザーの識別情報を認証するユーザー認証部91と、ユーザー認証部91によるユーザーの識別情報の認証に基づいてログイン処理及びログアウト処理を実行するログイン/ログアウト処理部92と、ログイン/ログアウト処理部92によってログアウト処理が行われたときに、原稿Gが有ることを第1原稿有無センサー110又は第2原稿有無センサー120が検出した場合に、原稿集積部16又は原稿読取部20の第2読取面22aからの原稿Gの取り忘れを検知したことを示す取り忘れ情報を記憶する記憶部80と、ログイン/ログアウト処理部92によって次回のログイン処理が行われた場合に、ユーザー認証部91によるユーザー識別情報と前回のログイン/ログアウト処理時のユーザー識別情報とを比較して、両ユーザー識別情報が一致しているか又は不一致であるかを判定する判定部95と、両ユーザー識別情報が不一致であると判定部95が判定した場合に、前回のログイン/ログアウト処理時のユーザーに対して記憶部80に記憶された取り忘れ情報をインターフェース部100に送信させる通信制御部94と、両ユーザー識別情報が一致していると判定部95が判定した場合に、記憶部80に記憶された取り忘れ情報を表示部73に報知させる表示制御部97と、を備える。
【0054】
そのため、原稿取り忘れを送信し、通知するためのトリガーとして、ユーザー認証部91によるユーザー認証を用いることにより、取り忘れた原稿が存在する間にコピー機1を使用したユーザーを明確にすることができる。これにより、原稿取り忘れ情報を、前回のログインユーザーに一層確実に送信し通知することができる。
【0055】
また、本実施形態のコピー機1においては、表示制御部97は、両ユーザー識別情報が不一致であると判定部95が判定した場合に、記憶部80に記憶された取り忘れ情報を表示部73に表示させる。そのため、両ユーザー識別情報が不一致である場合も、取り忘れ情報を表示部73に表示させることにより、今回のログインユーザーが取り忘れた原稿を、他のユーザーが誤って持ち去ることを防ぐことができる。
【0056】
また、本実施形態のコピー機1は、両ユーザー識別情報が不一致であると判定部95が判定し、取り忘れ情報が送信され且つ報知された後に、記憶部80から取り忘れ情報を消去する情報消去部98を更に備える。そのため、取り忘れ情報の送信及び表示後に記憶部80の一時記憶領域81から取り忘れ情報を消去することにより、記憶部80の一時記憶領域81としては、記憶容量の小さいものを用いることが可能となる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、報知部は、所定の表示を行う表示部73に制限されず、所定の音声を出力するスピーカー、所定の発光を行う発光ダイオードや電球等の発光部でもよい。
配置部は、原稿集積部16及び第2読取面22aに制限されず、例えば、読み取り前の原稿が配置される原稿載置部11、画像が形成された用紙(画像形成媒体)が配置される排紙集積部35であってもよい。
【0058】
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0059】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1やプリンタに限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能及びスキャナー機能を備える複合機であってもよく、ファクシミリであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される画像形成媒体は、用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…コピー機(画像形成装置)、16…原稿集積部(配置部)、22a…第2読取面(配置部)、73…表示部(報知部)、80…記憶部、81…一時記憶領域、91…ユーザー認証部、92…ログイン/ログアウト処理部、94…通信制御部(送信制御部)、95…判定部、97…表示制御部(報知制御部)、98…情報消去部、100…インターフェース部(送信部)、110…第1原稿有無センサー(有無センサー)、120,…第2原稿有無センサー(有無センサー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿又は画像が形成された画像形成媒体が配置される配置部に原稿又は画像形成媒体が有るか否かを検出する有無センサーと、
ユーザーの識別情報を認証するユーザー認証部と、
前記ユーザー認証部によるユーザーの識別情報の認証に基づいてログイン処理及びログアウト処理を実行するログイン/ログアウト処理部と、
前記ログイン/ログアウト処理部によってログアウト処理が行われたときに、原稿又は画像形成媒体が有ることを前記有無センサーが検出した場合に、前記配置部からの原稿又は画像形成媒体の取り忘れを検知したことを示す取り忘れ情報を記憶する記憶部と、
前記ログイン/ログアウト処理部によって次回のログイン処理が行われた場合に、前記ユーザー認証部によるユーザー識別情報と前回のログイン/ログアウト処理時のユーザー識別情報とを比較して、両ユーザー識別情報が一致しているか又は不一致であるかを判定する判定部と、
所定の送信を行う送信部と、
両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定した場合に、前回のログイン/ログアウト処理時のユーザーに対して前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を、前記送信部に送信させる送信制御部と、
所定の報知を行う報知部と、
両ユーザー識別情報が一致していると前記判定部が判定した場合に、前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記報知制御部は、両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定した場合に、前記記憶部に記憶された前記取り忘れ情報を前記報知部に報知させる
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
両ユーザー識別情報が不一致であると前記判定部が判定し、前記取り忘れ情報が送信され且つ報知された後に、前記記憶部から前記取り忘れ情報を消去する情報消去部を更に備える
請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−74333(P2013−74333A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209766(P2011−209766)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】