説明

画像形成装置

【課題】転写工程での装置側の抵抗値や記録媒体のの抵抗値が環境によって変動しても、転写率の低下を抑制でき、併せて記録媒体が平滑度の低いものでも、その凹部での二次転写率を向上可能で、更には交流を印加された部材間でのリークも防止する。
【解決手段】トナー像を担持する回転体と記録媒体とを挟持して電気作用により記録媒体への転写を行う転写装置と、挟持範囲より記録媒体搬送方向下流側に配された記録媒体除電用の除電部材とを備える画像形成装置において、回転体の外周に当接する転写部材を接地し、回転体の内周に当接する転写対向部材に、トナー像と同極性であって定電流制御された直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、除電部材にも交流電圧又は直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、転写対向部材に印加する交流電圧と除電部材に印加する交流電圧若しくは交番電圧の交流成分の周波数を等しくし、位相のズレを四半周期以下に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの機能を併せ持った複合機等の電子写真式画像形成装置に関し、特に、各色の静電潜像を作成して、電荷を有するトナーで前記静電潜像を現像することで単色のトナー像を作成し、各単色のトナー像を順次中間転写ベルトや中間転写ドラムである中間転写体に一次転写することで中間転写体上にカラー像を作成し、このカラー像を記録媒体(以下、用紙ともいう)に二次転写することで、記録媒体上にカラー画像を作成する画像形成装置に関するものである。また、カラー画像の二次転写だけでなく、原稿読取とPC上で構築した文字情報や図形情報を合成する場合のように中間転写体への一次転写、記録媒体への二次転写を経る画像形成装置にも等しく本発明が適用される。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、中間転写ベルト(中間転写体)に一次転写されたトナー像を、二次転写ニップ部に搬送される記録媒体上に二次転写することが公知である。例えば、4つの感光体ドラム(像担持体)が中間転写ベルトに対向するように並設され、それら4つの感光体ドラムでそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が形成される様式の画像形成装置では、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像が、複数のローラ部材によって張架・支持された中間転写ベルト上に重ねて転写される(一次転写)。さらに、中間転写ベルト上に担持された合成カラートナー像が、中間転写ベルトと二次転写ローラ(二次転写部材)との当接位置(二次転写ニップ部)で、記録媒体上に転写される(二次転写)。
【0003】
このような中間転写ベルトを用いた転写装置において、環境変動によって転写率が低下する事態を回避する工夫がとられている。例えば特許文献1や特許文献2によれば、二次転写ローラを接地し、中間転写ベルトの背面(内周面側)に配置した二次転写対向ローラを介してトナー像と同じ極性の電流を一定量流すことで、中間転写ベルトと記録媒体との間にトナー像が中間転写ベルトと反発するような方向の転写電界を形成して、この転写電界によりトナー像を中間転写ベルト上から記録媒体上に転写する。このように中間転写ベルト側から定電流を与える場合は、高湿環境のために記録媒体の抵抗値が下がったとしても、与えられた電流はまず中間転写ベルトと記録媒体に転写電界を形成し、その後に記録媒体に流れるため、二次転写ローラにトナー像と逆の極性の電流を与えて記録媒体と中間転写ベルトとの間にトナー像が記録媒体側に引き付けられるような方向に形成する転写電界に比べて、記録媒体の抵抗変化による影響を受け難く、安定して形成できるようになり、良好な転写性能を期待できる。
【0004】
このような転写装置では、二次転写対向ローラによりトナー像と同極性のバイアスを印加して、トナー像を中間転写ベルトから記録媒体へ転写するので、二次転写対向ローラは斥力ローラとしての機能を有している。また、この場合、二次転写対向ローラ(斥力ローラ)の抵抗を高くして、二次転写ローラの抵抗を低く設定することにより、中間転写ベルトを伝って漏れる電流がなくなり、斥力ローラに印加した電流がそのまま中間転写ベルトから記録媒体へ向かう転写電流となるので、転写率が安定する。
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された技術のもと、エンボス紙等の表面の平滑度が低い記録媒体に画像を形成する場合、記録媒体の表面の凹部の転写電位が凸部の転写電位と比して低くなり、この凹部にトナーの転写が十分行われずに画像の白抜けが発生するという問題がある。そこで、このように表面平滑度が低い記録媒体に画像を形成する場合の転写性能を向上させるために、特許文献3では、転写前に記録媒体の転写面をトナー極性と逆極性に帯電し、転写時に二次転写ローラに直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳した転写バイアスを印加することが提案されている。特許文献1や特許文献2の背景技術に照らすと、特許文献3の提案技術において、記録媒体の転写面をトナー極性と逆極性に帯電することに代え、二次転写対向ローラにトナー像と同じ極性の電流を与えて中間転写ベルトと記録媒体との間にトナー像が中間転写ベルトと反発するような方向の転写電界を形成するよう、変更することも考えられる。
【0006】
また感光体から記録媒体への転写に関しては、トナー飛散及びオゾン発生を防止すると共に転写不良や再転写のない良好な画像を得るために、転写ローラと分離ローラの間に絶縁シートを配設し、転写ローラから記録媒体を介した感光体への直流分絶対値と、分離ローラから記録媒体を介した感光体への直流分絶対値と、転写ローラと分離ローラの間の直流分絶対値との互いの関係を所定のように制御することを提案する特許文献4において、好ましい構成として、転写ローラや分離ローラに供給される電圧を直流に交流を重畳したものとし、それらの交流電圧を同一周波数且つほぼ同一位相とすることが述べられている。この提案では、トナーと異なる極性の定直流に交流を重畳した電圧を転写ローラ/分離ローラに印加するとなっている。一般的に感光体の基層は導電性で、感光体周囲には転写手段があるだけでなく、帯電手段や現像手段もあるので、帯電や現像とも感光体の基層の間に電流が流れるため、感光体において転写の方向だけに一定電流にしようとすることは不可能である。
【0007】
一方、このように転写された記録媒体を除電して中間転写ベルトから分離するために、記録媒体背面(トナー像載置面の裏面)に近接して除電分離装置を設けることが知られている(例えば特許文献5)。このような除電分離装置では、分離除電針に0μA又はトナーと逆極性で二次転写バイアスよりも遥かに小さな値の定電流制御された直流(DC)に交流(AC)を重畳した分離バイアスを、中間転写ベルトよりも二次転写ローラに近い位置に置かれた分離除電針に印加することで、分離除電のための放電による異常画像が防止でき、且つ分離除電のための放電による電流が二次転写電流と干渉することを抑制でき、転写性能の安定化が期待できる。しかしながら、特許文献5の提案技術では、二次転写ローラにも二次転写対向ローラにも交流電圧が印加されていないので、エンボス紙のような表面平滑度の低い記録媒体を用いた場合には、記録媒体の凹部にトナーの転写が十分行われずに画像の白抜けが発生することになる。これを回避するために、二次転写ローラに、DC電圧とAC電圧を重畳した転写バイアスを印加すると、二次転写バイアスの交流成分と分離バイアスの交流成分が干渉して、更に分離除電針と二次転写ローラとの間で周期的に変動する電界が大きくなる瞬間が生じ、分離除電針と二次転写ローラの間でリークが生じ易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、中間転写ベルトの内周側に位置する二次転写対向ローラ(斥力ローラ)や、中間転写ベルトや、中間転写ベルトの外周側に位置する二次転写ローラの各抵抗値が環境によって変動しても、また記録媒体の抵抗値がその種類によって異なったり、記録媒体の抵抗値が環境によって変動しても、二次転写率の低下を抑制することができ、併せて記録媒体がエンボス紙のように表面凹凸の大きな平滑度が低いものであっても、その凹部での二次転写率を向上させることができ、更には交流を印加された部材間でのリークを防止可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、二次転写電界に交番電界が印加されている場合には、電流の直流成分が一定になるバイアスを中間転写体の裏から印加すると、平滑度の高い記録媒体はもとより、エンボス紙など平滑度が低く二次転写ニップにおいて中間転写体と接触できない部分が生じる記録媒体でも、記録媒体表面の中間転写体に密着可能な平滑部分においては、二次転写対向ローラや中間転写ベルト(中間転写体)や二次転写ローラの抵抗値(装置側の抵抗値)が環境によって変動したり、記録媒体の抵抗値がその種類によって異なったり、記録媒体の抵抗値が環境によって変動しても、二次転写工程における転写率の低下を避けることができることを見出した。また、エンボス紙など平滑度が低く二次転写ニップにおいて中間転写体と接触できない凹部においては、交番電界を印加することで、転写率が向上することにより、濃度低下やしろ抜けが改善することを見出した。
【0010】
本発明はこのような見地に基づくものであり、上記課題は、トナー像を担持する回転体と記録媒体とを挟持して電気作用を利用して記録媒体への転写を行う転写装置と、前記挟持範囲の記録媒体搬送方向下流側に配された記録媒体除電のための除電部材とを備える画像形成装置において、前記回転体の外周に当接する転写部材を接地し、前記回転体の内周に当接する転写対向部材に、トナー像と同極性であって定電流制御された直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、前記除電部材にも交流電圧又は直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、その際、前記転写対向部材に印加する交流電圧と前記除電部材に印加する交流電圧若しくは交番電圧の交流成分の周波数を等しくし、位相のズレを四半周期以下に調整することによって、解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、エンボス紙のように平滑度が低い記録媒体の、像担持体に密着可能な平滑部分においても、また像担持体と接触できない凹部においても、濃度低下や白抜けが改善し、また分離に際して印加した交番電界との干渉による不具合も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】分離除電装置を備える場合の二次転写ニップ近傍の側方断面図である。
【図4a】分離除電針に印加するバイアスと二次転写ローラ芯金に印加するバイアスと両バイアスの電位差の周期的変化を示すグラフであり、分離除電バイアスと二次転写バイアスの周波数が異なる例のグラフである。
【図4b】分離除電針に印加するバイアスと二次転写ローラ芯金に印加するバイアスと両バイアスの電位差の周期的変化を示すグラフであり、分離除電バイアスと二次転写バイアスの周波数が同じで位相が1/2周期ズレる例のグラフである。
【図4c】分離除電針に印加するバイアスと二次転写ローラ芯金に印加するバイアスと両バイアスの電位差の周期的変化を示すグラフであり、分離除電バイアスと二次転写バイアスの周波数が同じで位相が±1/4周期以上にズレる例のグラフである。
【図4d】分離除電針に印加するバイアスと二次転写ローラ芯金に印加するバイアスと両バイアスの電位差の周期的変化を示すグラフであり、分離除電バイアスと二次転写バイアスの周波数が同じで位相が±1/4周期以下にズレる例のグラフである。
【図4e】分離除電針に印加するバイアスと二次転写ローラ芯金に印加するバイアスと両バイアスの電位差の周期的変化を示すグラフであり、分離除電バイアスと二次転写バイアスの周波数と位相が同じ例のグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、画像形成装置としてのフルカラープリンタ100の概略構成を示すものである。図1において、プリンタ100は、その中央にプリンタ本体300を備え、その下方に給紙部200を、上方に画像スキャナー部400、原稿自動送り装置(以下、ADFという)500を有している。プリンタ本体300において、互いに異なる4色(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:K)のトナーを用いる4組の画像形成ユニットを並列して備える画像作像部10があり、その下方には、これら画像形成ユニットで形成されたトナー像が転写されるための中間転写体としての中間転写ベルト50を備える転写手段としての中間転写ユニット5が備えられている。つまり、プリンタ100は、4組の画像形成ユニットを中間転写ベルト50の移動方向に沿って並設したタンデム型の画像形成装置である。
【0014】
各画像形成ユニットは、感光体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと、各感光体ドラムの表面を帯電ローラによって帯電する帯電装置12(図の明瞭化のため感光体ドラム1Yに対するものにだけ符号を付す)とを備えている。また、ADF500で搬送された原稿を画像スキャナー部400で読み取った画像情報や不図示のPCから伝えられた画像情報に基づいて、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの帯電された表面をレーザ光により露光することで各表面に潜像を形成する画像情報露光装置3を備えている。また、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の潜像をトナー像化する画像形成手段としての現像装置13(図の明瞭化のため感光体ドラム1Yに対するものにだけ符号を付す)と、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面をクリーニングする感光体クリーニング装置14(図の明瞭化のため感光体ドラム1Yに対するものにだけ符号を付す)とを各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周囲に備えている。
【0015】
上記4組の画像形成ユニットの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kは、不図示の感光体ドラム駆動装置によって図中矢印方向に回転駆動される。尚、ブラック用の感光体ドラム1Kと、カラー用の感光体ドラム1Y、1M、1Cとを独立に回転駆動できるようにしてもよく、そうすることにより、例えば、モノクロ画像を形成するときにはブラック用の感光体ドラム1Kのみを回転駆動し、カラー画像を形成するときには4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kを同時に回転駆動することができる。
【0016】
中間転写ベルト50は、二次転写対向ローラ51および支持ローラ54、55といった複数の支持ローラに掛け回されている。これら支持ローラの一つ(通常、支持ローラ54)を不図示の駆動モータによって回転駆動することにより、中間転写ベルト50を図中時計方向に無端移動させることができる。ローラ56は中間転写ベルト50の外周面に当接するテンションローラである。
【0017】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから中間転写ベルト50にトナー像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト50を間に挟んで各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向するように一次転写ローラ15(図の明瞭化のため感光体ドラム1Yに対するものにだけ符号を付す)が設けられている。中間転写ユニットを構成するこの一次転写ローラ15は、モノクロ画像を形成するときは、カラー用の感光体ドラム1Y、1M、1Cから離間するように部分的に揺動させられ、画像形成自体を行わないときは全ての感光体ドラムから離間するように、接離機構を備えている。
【0018】
転写体としての中間転写ベルト50は、一次転写ローラ15によって押圧されることにより、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して圧接し、それぞれの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの対向部で一次転写ニップを形成している。
【0019】
また、中間転写ベルト50を介して二次転写対向ローラ51に対して対向する位置には、中間転写ベルト50に所定のニップ圧で当接され、中間転写ベルト50上に形成されたトナー像を記録媒体である用紙に転写する二次転写ローラ52を備えている。
【0020】
上述のような構成のプリンタ100で、カラー画像を形成するとき、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kは、図中矢印方向に回転駆動され、このとき、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面は、帯電装置12によって所定の極性、例えば、マイナス極性に帯電される。次いで、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの帯電面に、画像情報露光装置3から出射する光変調されたレーザ光を照射して、これによって、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面に静電潜像を形成する。即ち、レーザ光が照射され感光体表面部分の電位の絶対値が低下した部分が静電潜像(画像部)となり、レーザ光が照射されず電位の絶対値が高く保たれた部分が地肌部となる。次いで、静電潜像が、現像装置13に収納され所定の極性に帯電されたトナーによって、現像されて、トナー像として可視化される。
【0021】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された各色のトナー像は、各一次転写ニップ部で、一次転写ローラ15にトナーの極性(本例ではマイナス)とは逆極性の電圧をバイアス印加することで形成される転写電界と、中間転写ベルト50を介した一次転写ローラ15と感光体ドラム1の間の挟持圧力との両作用により、中間転写ベルト50上に順次重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト50上に4色のトナー像からなるフルカラートナー像が形成される。
【0022】
中間転写ベルト50に転写されずに各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置14によって掻き取られ、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K表面が清掃される。尚、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから除去したトナーを、不図示のトナーリサイクル装置を用いて現像装置に搬送して、トナーリサイクルすることも可能である。
【0023】
一方、給紙部200の給紙トレイ21a〜21dのいずれかから用紙が、中間転写ベルト50と二次転写ローラ52との間に、所定のタイミングで搬送される。このとき、中間転写ベルト50上に重ね合わされたフルカラートナー像は、二次転写ローラ52と二次転写対向ローラ51との間に形成された二次転写ニップ部で用紙上に一括転写される。フルカラートナー像が転写された用紙は定着装置7により加熱・加圧されて、トナー像が用紙上に定着される。その後、像定着された用紙は排紙部から排紙トレイ8へ排出されるか、反転ユニット9を介して裏面に画像形成されるべく備えられる。中間転写ベルト50上に残留した転写残トナーは、中間転写体クリーニング装置によって掻き取られ、ベルト表面が清掃される。
【0024】
なお、中間転写ベルト50やこれに内包される一次転写ローラ15、二次転写対向ローラ51、更に図示しないが一次帯電用電源、二次帯電用電源、中間転写体クリーニング装置等を含んで構成される中間転写ユニットは、ユニット筐体58に取り纏められて、プリンタ本体300に対して着脱自在に構成されており、既述のように、感光体ドラム1に加圧当接し、あるいは離間するために接離機構を備えた一次転写ローラ15は、中間転写ユニット内で変位可能になっている。そして二次転写ローラ52を含む二次転写ユニットは、不図示の接離機構によって、二次転写対向ローラ51に対して接離可能に変位でき、中間転写ユニットに対して、更にはプリンタ本体300に対して、着脱自在に構成されている。
【0025】
次に図2において、一次転写ニップと二次転写ニップのそれぞれに電圧印加する構成の一例について詳細に説明する。図2では用紙Pが二次転写ローラ52と二次転写対向ローラ51とに挟持され中間転写ベルト50から画像を転写されている状態である。
【0026】
一次帯電用電源である直流高圧電源60は、一次転写ローラ15に、トナーの極性(本例ではマイナス)とは逆極性の電圧をバイアス印加する定電流電源である。色ごとに備えられている。一次転写ローラ15を支承するホルダ62の一方の内部には、一次転写ローラ15の軸部(芯金)の端面に接触する接続端子を備えた高圧コネクタ(図示せず)が備えられ、高圧電線(ハーネス)64を介して直流高圧電源60と電気接続している。
【0027】
一方、二次帯電用電源は、トナーの極性と同極性の定電流直流に定電圧交流(サイン波)を重畳した電流を、二次転写対向ローラ51にバイアス印加する高圧電源84である。ユニット筐体58に取り付けられ二次転写対向ローラ51を支承するホルダ74の一方の内部に備えられた高圧コネクタ(図示せず)と、高圧電線(ハーネス)76とを介して、高圧電源84は、二次転写対向ローラ51の軸部芯金の端面に電気接続していて、二次帯電用高圧電源84を中間転写ベルト50の内周領域に配することで、内周領域の有効な空間利用ができ、また印加する二次転写対向ローラ51の近くに電源を配置することで、高圧電源と印加される対向ローラとを繋ぐ高圧線を短くでき、コネクタ部材を減らすことが可能である。一方、二次転写ユニット筐体82に取り付けられ二次転写ローラ52を支承するホルダ78の一方の内部には、二次転写ローラ52の軸部(芯金)の端面に接触する接続端子を備えた高圧コネクタ(図示せず)が備えられ、ハーネスを介して二次転写ローラ52の芯金を接地している。なお、二次転写用電源84の交流分によって一次転写用直流が不安定化する事態を回避するために、一次転写用電源60と二次転写用電源84の間に交番電界遮蔽板(金属製間仕切り)を配したり、一次転写用電源60を中間転写ベルト50の内周領域内で二次転写用電源84から遠ざけたりするのがよい。既述のように、モノクロ画像形成時に、接離機構によって一次転写ローラ15が感光体ドラムから離間するようになっており、中間転写ベルト内周領域のスペース的制約があるので、遮蔽板の配設が優先される。
【0028】
また一次帯電用直流高圧電源60、二次帯電用高圧電源84は、信号線を介してプリンタ本体300に設置された制御板(図示せず)に接続されている。ちなみに二次転写ユニット筐体82には、図示しないが、二次転写ローラ52に対するクリーニング機構、潤滑剤供給機構、紙粉取りブラシ等が取り付けられている。
【0029】
プロセススピード282mm/秒で駆動する中間転写ベルト50は、PI(ポリイミド)樹脂を主たる材質として単層で構成され、厚みが80μm、幅が320mmとなっているが、フッ化ビニルデンやエチレン-四フッ化エチレン共重合体を用いることもでき、複数層に構成してもよく、表面に離型層をコートしてもよい。そして中間転写ベルト50は、23℃50%環境下でのベルト裏面側の表面抵抗率が109.5〜1011.5Ω/□(ダイアインスツルメンツ社製のハイレスタIPとそれに付属するHRSプローブを用いて印加電圧100V、10秒値として求められた)、体積抵抗率10〜1010Ωcm(表面抵抗率測定と同じ測定器を用いて印加電圧500V、10秒値として求められた)程度に設定されている。中間転写ベルトの抵抗が高いことにより、交流電圧同士の干渉により発生し得る電流の経路に抵抗層が存在することになって、干渉により発生し得る電流を小さくでき、干渉によるリークの危険が小さくなる。
【0030】
一次転写ローラ15は、8mm径の芯金に、NBR(ニトリルゴム)とECO(エピルロールヒドリン)の共重合体で成る弾性抵抗層を設けて、外径18mm、長さ302mmに形成されている。このローラの抵抗は、23℃50%環境下で107.00〜108.25Ω程度に設定されている。トナーと逆極性の定電流直流高圧電源60を用いて芯金にバイアス印加するが、それはカラー印刷時に+20〜+35μAの定電流が流れるように制御されている。
【0031】
二次転写対向ローラ(斥力ローラ)51は、16mm径の芯金に、NBR(ニトリルゴム)とECO(エピルロールヒドリン)の共重合体で成る弾性抵抗層を設けて、外径24mm、長さ302mmに形成されている。このローラの抵抗は、23℃50%環境下で107.00〜108.25Ω程度に設定されている。このような抵抗層により、交流電圧同士の干渉により発生し得る電流の経路に抵抗層が存在することになって、干渉により発生し得る電流を小さくでき、干渉によるリークの危険が小さくなる。既述のように、トナーと同極性で定電流制御された直流と定電圧制御された交流を重畳した電圧を、高圧電源84を用いて、芯金にバイアス印加するが、それはカラー印刷時に直流分が−30〜−50μAで、交流分が図4に示すようなものに制御されている。
【0032】
二次転写ローラ52は、接地された16mm径の芯金に、NBR(ニトリルゴム)とECO(エピルロールヒドリン)の共重合体で成る弾性抵抗層を設けて、更にフッ素系樹脂の離型性表層を備えて、外径24mm、長さ312mmに形成されている。このローラの抵抗は、23℃50%環境下で107.25Ω以下に設定されている。
【0033】
なお、二次転写対向ローラ51や二次転写ローラ52の抵抗値は、接地された金属平板の上にローラを乗せた状態で、測定用の電源よりローラ芯金に1kVの電圧を印加した場合に金属平板に流れる電流を測定して、その電流値をオームの式に代入して求めた値である。
【0034】
図2の例では、中間転写ベルト50の内周側にある二次転写対向ローラ51に、トナーの極性と同極性の定電流制御された直流と定電圧制御された交流とを重畳した電圧をバイアス印加する。このような構成において、未定着トナー像を転写された記録媒体を中間転写ベルト50から分離するためにバイアス印加することが公知であり実行されていて、このバイアス印加は二次転写ニップ部の記録媒体搬送方向のすぐ下流側に設けられた分離除電装置によって行われる。このような分離除電装置を備えた画像形成装置では、その分離除電針に印加される交流たる分離除電バイアスと、分離除電装置の記録媒体搬送方向のすぐ上流側に配された二次転写対向ローラに印加される交流バイアスとにおいて干渉が生じ、これら交流間の電位差のピークが大きくなる瞬間に、分離除電針と二次転写対向ローラの間でリークが生じ易くなる。そこで、そのような不具合を防止する構成を図3において説明する。
【0035】
二次転写ニップ部には、中間転写ベルト50の回動に伴って中間転写ベルト50上の未定着トナー像が搬送されるとともに、タイミングを合わせて用紙Pも送り込まれる。この結果、二次転写ニップ部では、中間転写ベルト50の未定着トナー像載置面と用紙表面とが二次転写対向ローラ51と二次転写ローラ52によって挟持される。その際、直流と交流を重畳する高圧電源84によって、二次転写対向ローラ51(の芯金)に、したがって中間転写ベルト50の内周面にトナーの極性と同極性の、即ち、マイナスの電圧がバイアス印加されると共に、中間転写ベルト50と用紙Pの間に交番電界が形成される。
【0036】
二次転写ニップ部の用紙搬送方向すぐ下流側に分離除電装置30が配されている。この分離除電装置30は、二次転写ローラ52に対向した第1部材31と、この第1部材31と一体をなし中間転写ベルト50から分離された用紙Pを案内するガイド面33を有する第2部材32と、第1部材31と第2部材32によって挟持され、第1部材31と第2部材32によって形成される孔部34内において保持された分離除電針35と、分離除電針35に接続され分離除電針35に電圧を印加する電圧印加手段36とを有している。この電圧印加手段36は、交流電源である。電圧印加手段36を、直流と交流を重畳した交番電圧源とすることも可能である。分離除電針35は、0.1mm厚のステンレス板を幅約3mm、奥行約8mmの鋸形状に形成したもので、紙種を問わず、印刷時には図4に示す交流成分が印加される。
【0037】
図3中で、aは分離除電針35の放電点から中間転写ベルト50への空間距離(本例では阻害するものがないので距離そのもの)である。bは、分離除電針35の放電点から二次転写ローラ52への空間距離(絶縁カバーである第1部材31が放電を阻害しているので、これを避けた距離)、cは分離除電針35の放電点から二次転写ローラ52への距離である。ここで、良好な分離性能を得るためには転写位置から分離位置が遠くないことが望ましい。そこで、分離除電針35と二次転写ローラ52との距離を近付けることが望ましい。二次転写対向ローラ51にトナーと同極性の電流を与えるやり方では、中間転写ベルト50と分離除電針35との間にある用紙Pが転写電流と除電電流の干渉を防ぐ。このため、放電点を二次転写ニップ出口に近付け、良好な分離性能を得ると共に、安定して安定した転写性能が得られるというメリットがある。しかし、放電点と二次転写ニップ出口の空間距離を1kV/mm以下にすると、リークとか雷放電と呼ばれる異常放電が発生するので、近くするにも限界がある。そこで、分離除電針35と二次転写ローラ52との近接位置に絶縁性材料でなる第1部材31を置いて空間距離をcからbへ遠くすることで、異常放電が起きないようにしている。また、放電点と中間転写ベルト50の空間距離aが近いと、用紙Pが中間転写ベルトより小さい小サイズの場合に、用紙Pが在る領域外の放電が中間転写ベルト50に直接向かい、除電電流と二次転写電流が干渉して二次転写電界に影響がでる。そこで、分離除電針35の放電点から中間転写ベルト50までの空間距離aが分離除電針35の放電点から二次転写ローラ52までの空間距離bよりも長くなるようにする。このようにすることで、用紙Pのサイズが小さく中間転写ベルト50と分離除電針35との間に用紙Pがない領域があっても、この領域では、分離除電針35は中間転写ベルトより空間距離の短い二次転写ローラ52へ向けてより放電し、その分中間転写ベルト50に向かって放電する割合が減少する。即ち、分離除電針35の放電による電流を二次転写ローラ52へ多く分配することで、中間転写ベルト50に流れる除電電流を減少させる。その結果、除電電流の転写電流への干渉を抑制して、干渉によるリークの危険が小さくなり、安定した転写性能を得ることができる。
【0038】
分離除電針35に印加される交流電圧、又は交番電圧の交流成分の周波数は、二次転写対向ローラ51に印加される重畳電圧の交流成分の周波数に等しく、位相のズレが四半周期以下であるように制御されている。つまり、分離除電針35からの高圧交流出力を生成するにあたり、外部より入力されるクロックを分周回路に介した後、波形成形を行い高圧交流出力を生成し、二次転写対向ローラ51からの高圧交流出力を生成するにあたり、分離除電針35からの高圧交流出力を生成するために使用した外部入力クロックにて分周回路及び位相調整回路を介した後、波形成形を行い高圧交流出力を生成する高圧電源において、分離除電針35からの高圧交流出力波形と二次転写対向ローラ51からの高圧交流出力波形の位相を四半周期以下にずらして出力する。
【0039】
分離除電針35に印加するバイアスの交流成分と二次転写対向ローラ(斥力ローラ)51の芯金に印加するバイアスの交流成分と、両者の電位差の周期的変化を図4に示す。a〜eのいずれも、分離除電針35に印加するバイアスは12kV(PtoP)、二次転写対向ローラ芯金に印加するバイアスは8kV(PtoP)として、周波数や位相がそれぞれのグラフ中に示す通りである。
【0040】
図4aは、分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスの周波数が異なる場合である。分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差は、分離除電針35に印加するバイアスの周波数と二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスの周波数の相違により、うねり状に大きくなったり小さくなったりするが、うねりが最大となる時の両者の電位差は両者のピーク電圧の半分の和である10kVになる。
【0041】
図4b〜図4eでは、分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスの周波数が同じであるが、位相のズレが異なっている。図4bは位相が半周期、すなわち最大にズレる場合を示す。分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差は、山の頂上と谷の底が重なるので、両者のピーク電圧の半分の和である10kVになる。図4cは位相が四半周期以上半周期未満の間でズレる場合を示す。分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差は、半周期ズレた図4bの山頂と谷底までほどではないが、山の部分と谷の部分が重なるので、大きくなる。図4dは位相が四半周期未満でズレる場合を示す。分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差は、同位相の図4eの山頂と山頂、谷底と谷底とまではいかないが、山と山、谷と谷が重なるので、小さくなる。図4eは位相が同位相、すなわちズレない場合を示す。分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差は、山頂と山頂、谷底と谷底が重なるので、小さくなり、両者のピーク電圧の半分の差である2kVになる。
【0042】
以上より、分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差を小さくするには、両者が同一周波数で位相のズレが四半周期以下とする場合であることが分かる。電位差が小さいことで、分離除電針と二次転写対向ローラの間の周期的に変動する電界を常に小さくでき、分離除電針と二次転写対向ローラの間のリークを防止できる。なお、分離除電針35に印加するバイアスと二次転写対向ローラ51の芯金に印加するバイアスとの電位差が最小になるのは、両者が同一周波数で同位相の場合である。
【0043】
なお、図5に示すような構成のプリンタにおける二次転写ニップにも、本発明を適用することが可能である。このプリンタは、1つの感光体1の周囲に、Y,M,C,Bk用の現像装置13Y,13M,13C,13Bkを有している。画像形成を行う場合、まず、感光体1の表面を帯電装置12によって一様に帯電させた後、感光体1の表面に対してY用の画像データに基づいて変調されたレーザ光ーを照射して,感光体1の表面にY用の静電潜像を形成する。そして、このY用の静電潜像を現像装置13Yによって現像してYトナー像を得た後、これを中間転写ベルト20上に一次転写する。その後、感光体1の表面上の転写残トナーをドラムクリーニング装置14によって除去した後、感光体1の表面を帯電装置12によって再び一様に帯電させる。次に、感光体1の表面に対して、M用の画像データに基づいて変調されたレーザー光を照射して、感光体1の表面にM用の静電潜像を形成した後、これを現像装置13Mによって現像してMトナー像を得る。そして、このMトナー像を中間転写べルト50上のYトナー像に重ね合わせて一次転写する。以降、同様にして、感光体1上でCトナー像、Kトナー像を順次現像して、ベルト上のYMトナー像上に順次重ね合わせて一次転写していく。これにより、中間転写ベルト50上に4色重ね合わせトナー像を形成する。
【0044】
その後、中間転写ベルト50上の4色重ね合わせトナー像を、二次転写ニップで用紙の表面に一括二次転写して、用紙上にフルカラー画像を形成する。そして、定着装置7によって用紙にフルカラー画像を定着せしめた後、用紙を機外に排出する。
【0045】
このような構成のプリンタにおける二次転写バイアス電源84および除電装置の電源を、第1実施形態と同様に構成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
15 一次転写ローラ
50 中間転写ベルト
51 二次転写対向ローラ
52 二次転写ローラ
58 中間転写ユニット筐体
60 一次帯電用直流高圧電源
62 ホルダ
64 高圧電線(ハーネス)
74 ホルダ
76 高圧電線(ハーネス)
78 ホルダ
80 高圧電線(ハーネス)
82 二次転写ユニット筐体
84 二次転写用重畳高圧電源
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2000−019854号公報
【特許文献2】特開2004−184875号公報
【特許文献3】特開2006−267486号公報
【特許文献4】特開平7−114273号公報
【特許文献5】特開2005−181863号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する回転体と記録媒体とを挟持して電気作用を利用して記録媒体への転写を行う転写装置と、前記挟持範囲の記録媒体搬送方向下流側に配された記録媒体除電のための除電部材とを備える画像形成装置において、
前記回転体の外周に当接する転写部材を接地し、前記回転体の内周に当接する転写対向部材に、トナー像と同極性であって定電流制御された直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、前記除電部材にも交流電圧又は直流に交流を重畳した交番電圧を印加し、その際、前記転写対向部材に印加する交流電圧と前記除電部材に印加する交流電圧若しくは交番電圧の交流成分の周波数を等しくし、位相のズレを四半周期以下に調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記除電部材の放電点と前記回転体との空間距離が、前記除電部材の放電点と前記転写部材との距離よりも長く設定されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記転写対向部材に印加される交番電圧の交流成分が定電圧制御されたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記転写対向部材が、少なくとも芯金の周囲に抵抗層のある層構成を有するローラであって、芯金に電圧印加されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記転写対向部材を金属平板において測る芯金と金属平板の間の抵抗が10Ω以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記回転体の内周面側の表面抵抗率が109.5〜1011.5Ω/□、体積抵抗率10〜1010Ωcmであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−83951(P2013−83951A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203805(P2012−203805)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】