説明

画像形成装置

【課題】像担持体の回転周期および回転周期の高次成分の振れに起因する周期的に発生する濃度むらを取り除く。
【解決手段】濃度むら補正の必要がある場合は、検出用パッチを作成して濃度むらを検出する。検出した濃度むらデータを感光体回転周期で抽出する。抽出した感光体回転周期の濃度むらから、感光体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して、感光体の回転周期に起因する濃度むら成分を抽出する。メモリに記憶した感光体1周分の濃度むらデータから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとして記憶する。作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御(補正)して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、帯電装置によって感光体(像担持体)を一様に帯電させ、入力した画像データに基づいて露光装置により感光体に潜像を形成し、現像装置によって潜像にトナーを付着させて画像を形成している。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置は印刷業界にも普及し始めており、高速出力かつ高画質化への要求が急速に高まっている。このような要求に対応するため、高速出力対応の画像形成装置には様々な技術が搭載されている。
【0004】
高画質化への要求項目のなかでは、頁内濃度均一性への要望が強く、ユーザーが画像形成装置を選定する際の判断基準になっている。頁内の濃度むらは、帯電の不均一性による帯電むら、露光装置の露光むら、感光体の感度むら、現像ローラの抵抗むら、トナーの帯電むら、転写ローラの転写むら等、様々な要因によって発生するものであり、様々な補正技術が提案されている。
【0005】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、現像ローラ(現像スリーブ)と感光体間の電位差による電界を利用して感光体上にトナーを付着させている。この電界は、現像ギャップによって変化することが一般に知られている。即ち、現像ギャップが変動するということは濃度変動が生ずることを意味する。このような像担持体や現像ローラの回転振れ起因による濃度むらは周期的に発生するため視認が容易であり、クレーム対象となる場合が多い。更に、これらに加えて、中間転写ベルトの振れや感光体の感度むら等に起因する濃度むらがあり、大きな周期的な濃度むらから細かい濃度むらが複雑に混在して発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今までの像担持体の回転振れ等に起因する濃度むらの補正技術は、濃度むらを補正するために感光体1周分の濃度むらのプロフィルを計測したときと、感光体と現像ローラの位相関係が変わらなければ有効であったが、プリントジョブ終了後、再度、プリントジョブを実行するとき、感光体と現像ローラの位相関係が変わると濃度むらのプロファイルが変わり、濃度むらの補正効果が得られないだけでなく、かえって新たな濃度むらを作ってしまうという問題がある。
【0007】
たとえ、感光体と現像ローラの回転周期を整数倍になるように制御して濃度むらのプロファイルが繰り返し同じになる様に制御しても、感光体と現像ローラの回転速度が異なったりすると、プリントジョブ毎に感光体と現像ローラの停止する位置が異なったりして、常に同じ位相関係にすることは難しいという問題がある。
【0008】
したがって、単に濃度むらを計測して感光体の回転周期で切り出しただけでは濃度むらを完全に取り除くことができず、十分な補正効果が得られないといった問題があった。
【0009】
ここで、従来の濃度むら補正方法の一例について図20を参照して説明する。
従来の、感光体の回転振れによる濃度むらを補正する方法は、まず、濃度むら補正の必要があるかどうかを判断する。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合や、ユーザーモードによって選択できるようになっている。濃度むら補正の必要があると判断された場合、検知パターンを作成し、濃度むらを検出する。この場合の検出手段は、濃度センサでも良いし、出力した紙上の濃度でも構わない。検出した濃度むらのデータは感光体周期で平均処理され、この濃度むらを除去するように位相と振幅が調整され、現像バイアスにフィードバックされる。フィードバックされる現像バイアスは、感光体の位置を基準として現像ローラとの位相関係を考慮して周期的に印加される(補正する)。以上のように、感光体周期で現像バイアスを補正することで感光体の回転振れによる濃度偏差を低減している。
【0010】
図21に、上記のような従来の濃度むら補正を実施するための構成をブロック図にて示す。ここでは2つの構成例を(a)図および(b)図に示す。
図21(a)において、濃度むらデータ記憶手段には、特定の画像形成条件下における基準となる濃度むらデータが記憶されている。濃度むらデータは、例えば、予め装置で形成された画像を、濃度センサで検出したデータである。具体的には、感光体5周分を含むパッチを濃度センサで読み取ったデータが保存されている。なお、上記濃度むらデータ記憶手段の濃度むらデータとして、出力された紙上の濃度を光学的に測定する構成であっても構わない。
【0011】
CPUは、上記記憶手段の濃度むらデータを現像バイアス用に対応させて補正データに変換する。補正データは、感光体回転位置検出信号に同期して、D/A変換器によりアナログ信号に変換され、現像バイアス高圧電源により、現像ローラに補正バイアスが印加され、出力画像の制御を行う。
【0012】
図21(b)に示す、現像バイアス高圧電源をPWM制御する方式の場合、補正データは、感光体回転位置検出信号に同期して、CPUによりPWM制御され、現像バイアス高圧電源により、現像ローラに補正バイアスが印加され、出力画像の制御を行う。
【0013】
上記説明した従来の濃度むら補正方法による補正結果の一例を図22に示す。
図22のグラフは、縦軸が濃度むら、横軸が時間(感光体回転方向位置)である。白抜きの線は制御無し(補正無し)の場合、黒色の線は制御1回(補正1回)の場合を示す。
【0014】
特開平9−62042号公報(特許文献1)には、画像に周期的に発生する縞状の濃度むらを包括的に減少させる目的で、電子写真方式または静電記録方式の画像形成装置について開示されている。この画像形成装置は、画像濃度の周期的な濃度変動データを予め格納する第一の変動データ格納手段と、上記濃度変動データに基づいて画像形成条件を制御する第一の制御手段とを有し、第一の変動データ格納手段は、少なくとも現像剤担持体の1周期に対応する濃度変動データを格納し、第一の制御手段は、帯電電圧、露光光量、現像電圧及び転写電圧のうち少なくとも1つを制御することを特徴としており、像担持体の回転周期に合わせて上記制御手段で濃度補正を行う補正方法が開示されている。
【0015】
しかしながら、上記のような従来の技術では、像担持体の回転周期の振れ(変動)に起因する濃度むらに対して、充分な補正効果が得られないといった問題は解消できていない。
【0016】
本発明は、従来の画像形成装置における上述の問題を解決し、像担持体と現像ローラの位相関係が変わっても、混在する濃度むらから像担持体の回転周期および回転周期の高次成分の振れに起因する周期的に発生する濃度むらを取り除くことのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の課題は、本発明により、像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転方向の濃度むらを抽出する第1の抽出手段、該第1の抽出手段で抽出した前記像担持体の回転方向の濃度むらから像担持体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して回転周期成分のみの濃度むらを抽出する第2の抽出手段および該抽出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら抽出手段と、前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段とを具備し、前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することにより解決される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、感光体と現像ローラの位相関係が変わっても、混在する濃度むらから感光体の回転周期および回転周期の高次成分の振れに起因する濃度むらを取り除くことが可能となった。したがって、濃度むらのない、ページ内での画像濃度が均一な高品位な出力画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
【図2】その画像形成装置の作像部付近を示す拡大図である。
【図3】濃度センサとしてのトナー付着量検知センサを説明する模式図である。
【図4】感光体の回転振れによる濃度むらの一例を示すグラフである。
【図5】濃度むら検出用パターンの一例を示す模式図である。
【図6】濃度むら補正を行う第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施例における補正処理を示すフローチャートである。
【図8】濃度むら補正を行う第2実施例の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施例における補正処理を示すフローチャートである。
【図10】濃度むら補正を行う第3実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施例における補正処理を示すフローチャートである。
【図12】感光体1周分の濃度むらデータの一例と、このデータを解析して抽出した、感光体回転周波数のn次成分(n=1〜4)の正弦波に分解したグラフである。
【図13】感光体回転周波数のn次成分(n=1〜4)の正弦波に分解したデータと、これを合成した波形(制御テーブル波形)の一例を示すグラフである。
【図14】濃度むら補正を行う第4実施例の構成を示すブロック図である。
【図15】第4実施例における補正処理を示すフローチャートである。
【図16】濃度むら補正を行う第5実施例の構成を示すブロック図である。
【図17】第5実施例における補正処理を示すフローチャートである。
【図18】感光体の基本回転周期を1としたときのn次成分の位相誤差について示すグラフである。
【図19】制御テーブルを用いた補正の一例を示すグラフである。
【図20】濃度むら補正方法の従来例を示すフローチャートである。
【図21】その補正を実施する構成を示すブロック図である。
【図22】図20で説明した補正方法による補正結果の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例における概略構成を示す断面図である。また、図2は、その画像形成装置の作像部付近を示す拡大図である。これらの図に示すように、本実施形態の画像形成装置は複写装置として構成され、中央に装置本体100、その下部に記録紙を供給する給紙部200が配置され、装置本体100の上方にスキャナ(画像読取部)300、スキャナ300の上方に自動原稿搬送装置(ADF)400を配置している。
【0021】
装置本体100内には、転写体たる無端状の中間転写ベルト101を複数の張架ローラによって張架している転写手段たる転写ユニットが配設されている。中間転写ベルト101は、伸びの少ないポリイミド樹脂に電気抵抗を調整するためのカーボン粉末を分散せしめた材料からなっており、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ102、二次転写バックアップローラ103、従動ローラ104、4つの一次転写ローラ105(Y,C,M,K)によって張架されながら、駆動ローラ102の回転によって矢印で示す図中時計回りに無端移動せしめられる。このように走行する中間転写ベルト101の上部走行辺には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(Y,C,M,K)の各作像ユニット110が横に並んで配置されている。すなわち、4つの画像形成手段110を並設してタンデム作像部を構成している。
【0022】
本実施形態では、各作像ユニット110Y,C,M,Kは、装置本体に着脱可能なプロセスユニットとして設けている。各作像ユニット110は、中間転写ベルト101に接する潜像担持体としての感光体ドラム111を具備している。この感光体ドラム111の周りには、帯電手段、現像装置、クリーニング装置、除電手段等が配置される。各作像ユニット110は、扱うトナーの色が異なるのみで構成は同一である。なお図の煩雑を避けるため、図2において一番右側の黒作像ユニット110Kのみに、感光体ドラム111、現像装置112及びクリーニング装置113の符号を付して示してある。なお、符号114は、感光体111近傍の温度及び湿度を検知するための温湿度センサである。
【0023】
また、本実施形態においては、各色感光体111の回転位置を検出する回転位置検出手段(図示せず)が設けられている。該回転位置検出手段としては、本実施形態では、感光体111の軸に、スリットを有する検出板が嵌装されている。この検出板は感光体111と連動して回転し、その検出板の上記スリットを透過型のフォトインタラプタで検知する構成である。ただし、回転位置検出手段の構成はこれに限らず、ロータリエンコーダ等、回転位置を検出できるものであれば任意な構成を採用可能である。
【0024】
イエロー、シアン、マゼンタ、黒4つの作像ユニット110Y,C,M,Kの上方には、光書込ユニット120が配設されている。光書込ユニット120は、画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって4つの半導体レーザー(図示せず)を駆動して4つの書込光(図に2点鎖線で示す)を出射する。そして、各作像ユニット110Y,C,M,Kの感光体111をそれぞれ書込光によって暗中にて走査して、感光体111の表面にY,C,M,K用の静電潜像を書き込む。
【0025】
本実施形態では光書込ユニットとして、半導体レーザーから出射したレーザー光を図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで光走査を行うものを用いている。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
【0026】
感光体111上に書き込まれた静電潜像は現像装置内に存在するトナーが静電的付着力によって感光体上に付着し、現像される。その後中間転写ベルト101上に順次トナー像を重ね合わせ、所望の画像を形成する。
【0027】
記録紙は、レジストローラ対109によって所定のタイミングで二次転写器を構成するローラ107と対向ローラ103のニップ部(二次転写位置)へ送られ、中間転写ベルト101上で重ね合された各色成分画像(4色成分のトナー像)が一括して記録紙上に転写されながら、搬送ベルト106によって搬送される。その後定着ユニット108を通過し、トナー画像が定着されてカラー印刷画像となり、機外へと排出される。
【0028】
また、装置には記憶手段として図示しない不揮発性メモリおよび揮発性メモリが搭載されており、これには各センサからの出力や補正制御結果などの様々な情報が記憶されている。
【0029】
本実施形態では、タンデム作像部の最下流(中間転写ベルト101の搬送方向)に位置している黒作像ユニット110Kの下流側に位置して、濃度センサとしてのトナー付着量検知センサ30が配設されている。トナー付着量検知センサとしては適宜な構成のものを使用可能であるが、本実施形態では図3に示すような光学センサを用いている。
【0030】
図3(a)は黒トナーの付着量を検知するの黒トナー付着量検知センサの構成を、(b)は黒以外のトナーの付着量を検知するカラートナー付着量検知センサの構成を示している。(a)図に示すように、黒トナー付着量検知センサ30Kは、発光ダイオード(LED)等からなる発光素子31と、正反射光を受光する受光素子32とから構成されている。発光素子31は中間転写ベルト101上に光を照射し、この照射光は中間転写ベルト101によって反射される。受光素子32は、この反射光のうちの正反射光を受光する。
【0031】
一方、(b)図に示すように、カラートナー付着量検知センサ30Cは、発光ダイオード(LED)等からなる発光素子31と、正反射光を受光する受光素子32aと、拡散反射光を受光する受光素子32bとから構成されている。発光素子31は、黒トナー付着量検知センサの場合と同様、中間転写ベルト101上に光を照射し、この照射光は、中間転写ベルト表面によって反射される。正反射受光素子32aは、この反射光のうちの正反射光を受光し、拡散反射光受光素子32bは、反射光のうち拡散反射光を受光する。
【0032】
本実施形態では、発光素子31として、発光される光のピーク波長が950nmであるGaAs赤外発光ダイオードを用いており、受光素子32,32a,32bとしては、ピーク受光感度が800nmであるSiフォトトランジスタなどを用いているが、ピーク波長およびピーク受光感度がこれと異なるものでも構わない。また、黒トナー付着量検知センサ30K及びカラートナー付着量検知センサ30Cと、検知対象物である中間転写ベルト101のベルト表面との間には、5mm程度の距離(検出距離)を設けて配設されている。本実施形態では、トナー付着量検知センサ30を中間転写ベルト近傍に設け、中間転写ベルト101上のトナー付着量に基づいて作像条件を決定するが、感光体111上や転写搬送ベルト106上に配設されていても構わない。トナー付着量センサ30からの出力は付着量変換アルゴリズムによって付着量に変換される。付着量変換アルゴリズムについては従来技術と同様であるため説明を省略する。
【0033】
図4に、感光体の回転振れによる濃度むらの一例をグラフにて示す。
図4のグラフは、縦軸が濃度センサ出力、横軸が時間である。本願発明者らは、副走査方向の濃度むらが感光体回転に起因していることを確認するために、図1に示す画像形成装置を用いて、図5に示すような副走査方向に細長く一様な濃度である帯状パターンを作像し、濃度センサ(トナー付着量センサ30)で帯状パターンを測定した。帯状パターンの副走査方向長さは、感光体周長よりも十分長くしている。本実験で用いた感光体径はφ100mm、プロセス線速は440mm/s、帯電,現像,LD(書込み)パワーをそれぞれ−700V,−500V,70%とし、シアン100%の帯状パターンを作像している。
【0034】
上記帯状パターンをシアン色で形成しているため、(A)図ではセンサ出力はカラートナー付着量検知センサ30Cの拡散反射出力である。このグラフより、パターン部に濃度変動が発生していることが確認できる。
【0035】
(B)図のグラフは、(A)図のパターン部の濃度センサ出力を、感光体回転位置検出信号を基準として感光体周期で切り出し、感光体5周分を平均化したものである。(B)図を見ると、感光体周期で周期的な変動が発生していることが確認できる。濃度センサ出力の変動は、トナー付着量の変動を意味するため、感光体周期で画像濃度の変動が発生していることが良くわかる。
【0036】
次に、本実施形態の画像形成装置における、濃度むら補正を実施するための構成と方法について、5つの実施例により説明する。
【0037】
[実施例1]
図6は、実施例1における、濃度むら補正を実施するための構成を示すブロック図である。
【0038】
図6において、濃度むら補正手段は、大きく分けて感光体の回転方向の濃度むらを計測する濃度むら計測手段と、回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する濃度むら抽出手段とからなる。
【0039】
濃度むら計測手段は、感光体の基準となる回転位置を検出する手段41、感光体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段42、検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0040】
濃度むら抽出手段は、記憶した濃度むらから感光体回転周期毎の濃度むらを抽出する第1の抽出手段44、抽出した感光体回転周期の濃度むらから回転周期に起因しない濃度むらを除去して回転周期成分のみの濃度むらを抽出する第2の抽出手段45、各抽出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。なお、この記憶手段43は、本例では濃度むら計測手段の記憶手段と共通に用いる構成となっている。
【0041】
電圧制御手段は、大きく分けて制御テーブルを作成する手段と現像バイアス出力を制御する手段とからなる。
制御テーブル作成手段は、抽出した濃度むらプロファイルをもとに現像バイアスを補正する制御テーブルを作成する手段54、作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段55で構成される。
【0042】
また、現像バイアス出力を制御する手段は、記憶した制御テーブルデータを基に出力する電圧をD/A変換する手段、現像バイアスを出力する高圧電源で構成される。高圧電源の出力をPWM制御信号によって制御する場合は、現像バイアス出力を制御する手段は、記憶した制御テーブルデータを基に出力する電圧を制御するためのPWM制御信号を生成する手段、現像バイアスを出力する高圧電源で構成される。
【0043】
具体的には、現像バイアス出力を制御する手段は、CPU51、D/A変換器52、現像バイアス高圧電源53、記憶手段であるメモリから構成されており、濃度センサ検出信号(濃度むら検出手段42)および感光体回転位置検出信号(感光体回転位置検出手段41)のデータから濃度むら補正用信号(補正データ)を生成し、感光体回転位置検出信号に基づいて、現像ローラに印加する現像バイアスを制御する。電圧制御手段を制御するCPU51は、現像バイアス出力(D/A変換出力またはPWM制御信号出力)、濃度センサ検出信号入力(A/D変換)、感光体回転位置検出信号入力、制御テーブル演算処理、記憶手段であるメモリへのリード/ライト、補正回数カウント、タイマによる時間計測、温湿度センサ検出信号入力(A/D変換)等の制御を実行している。濃度むらデータおよび濃度むら補正用データは、濃度むらデータ記憶手段43および制御テーブル記憶手段55に逐次保存される。
【0044】
次に、実施例1における濃度むら補正処理について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、濃度むら補正の必要があるか判断する(S1)。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合などに、ユーザーモードによって選択できるようになっている。あるいは、使用環境が大きく変わった場合や、朝一の起動時等、予め濃度むら補正の必要があると判断されている条件において実行されるようになっている。
【0045】
濃度むら補正の必要があると判断された場合、帯状のパターン(検出用パッチ)を作成し(S2)、濃度むら検出手段42で濃度むらを検出する。この場合の検出は(濃度むら検出手段42としては)、濃度センサ(図1のトナー付着量検知センサ30)でも良いし、出力した紙上の画像濃度を検出する構成(図示せず)でも構わない。
【0046】
検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期で抽出される(S4)。
次に、抽出した感光体回転周期の濃度むらから、感光体の回転周期に起因しない濃度むら成分をできる限り除去して、感光体の回転周期に起因する濃度むら成分を抽出する(S5)。例えば、帯状のパターンを作成し、濃度むらを検出するとき、感光体と現像ローラの位相関係を変えて検出した濃度むらデータを重ね合わせて平均化処理する方法や、感光体回転周期で抽出した濃度むらデータをFFT(高速フーリエ変換)あるいは直交検波等の処理をして、感光体基本回転周波数のn次成分の振幅と位相を求めて、感光体基本回転周期のn次成分の合成波形から、感光体周期に起因する濃度むら成分のみを抽出する方法がある。
【0047】
抽出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の濃度むらデータは、メモリ(濃度むら記憶手段43)に記憶される(S6)。
記憶した感光体1周分の濃度むらデータから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとしてメモリ(制御テーブル記憶手段55)に記憶する(S7,S8)。高圧電源を制御するパラメータとして、PWM制御する場合はPWM制御信号のduty値あるいはCPUのレジスタに設定するカウント値、アナログ制御する場合は、高圧電源を制御する電圧設定値等が考えられる。
【0048】
作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御(補正)して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する(S9)。
【0049】
[実施例2]
図8は、実施例2における、濃度むら補正を実施するための構成を示すブロック図である。
【0050】
図8において、濃度むら補正手段は、大きく分けて感光体の回転方向の濃度むらを計測する濃度むら計測手段と、回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する濃度むら抽出手段、更に、感光体と現像ローラの位置関係を変える変更制御手段とからなる。
【0051】
濃度むら計測手段は、感光体の基準となる回転位置を検出する手段41、感光体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段42、検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0052】
平均濃度抽出手段は、感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらを抽出する手段44B、感光体回転周期毎に抽出した濃度むらのプロファイルを重ね合わせる濃度むら加算手段47および重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転の平均濃度むらプロファイルを算出する平均濃度むら算出手段48、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0053】
更に、感光体と現像ローラの位置関係を変える変更制御手段46は、感光体の回転方向の濃度むらを複数回数計測するとき、計測毎に感光体と現像ローラの位置関係を変える。例えば、計測開始前に感光体または現像ローラのいずれか一方を少し回転させる。
【0054】
電圧制御手段および制御テーブル作成手段は、上述した実施例1と同一であるため説明を省略する。
次に、実施例2における濃度むら補正処理について図9のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
まず、濃度むら補正の必要があるか判断する(S11)。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合、ユーザーモードによって選択できるようになっている。あるいは、使用環境が大きく変わった場合や、朝一の起動時等、予め濃度むら補正の必要があると判断されている条件において実行されるようになっている。
【0056】
濃度むら補正の必要があると判断された場合、帯状のパターン(検出用パッチ)を作成し(S12)、濃度むらを検出する。この場合の検出手段は、第1実施例の場合と同じく、濃度センサでも良いし、紙上の画像濃度を検出する構成でも構わない。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する(S13)。
【0057】
濃度むらを検出してデータを記憶した後、感光体と現像ローラの位置関係を変えて再度同様の方法で帯状のパターンを作成し、濃度むらを検出する。感光体と現像ローラの位置関係を変えるために、例えば、感光体と現像ローラを一旦停止させてどちらか一方を少し回転させ、再び感光体と現像ローラを駆動させた後、帯状パターンを作成して濃度むらを検出する。感光体と現像ローラの位置関係を変える方法はこの方法に限定するものではなく、位置関係を変えることができる方法であれば何でもよい。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する。
【0058】
このようにして予め設定した所定回数になるまで、感光体と現像ローラの位置関係を変えて、計測毎に少なくとも感光体1周分の濃度むらを検出して記憶する。フローではS14で回数をチェックし、S15で感光体と現像ローラの位置関係の変更を行う。
【0059】
検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期で抽出され(S16)、メモリ43に記憶される(S17)。
感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらプロファイルを抽出し、感光体回転周期毎に抽出した、毎回、感光体と現像ローラの位相が異なる濃度むらのプロファイルを重ね合わせる(S18)。そして、重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転分の平均濃度むらプロファイルを算出する(S19)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の平均濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S20)。
【0060】
ここで、例えば、感光体と現像ローラの回転周期が整数倍で回転駆動している場合、整数倍で一致するところでは感光体と現像ローラが作る回転周期の濃度むらが重なり合い切り分けができない。感光体と現像ローラの位置関係を変えて、毎回、位相が異なる濃度むらプロファイルを重ね合わせて平均化処理することにより感光体回転周期以外の濃度むら成分の振幅が相殺し合うことで感光体回転周期の濃度むら成分が抽出される。感光体回転周期以外の濃度むら成分の振幅を相殺する割合を高めるために、できる限り多くの感光体回転周期の濃度むらプロファイルから算出することが望ましい。
【0061】
記憶した感光体1周分の平均濃度むらプロファイルから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとしてメモリ55に記憶する(S21,S22)。高圧電源53を制御するパラメータとして、PWM制御する場合はPWM制御信号のduty値あるいはCPUのレジスタに設定するカウント値、アナログ制御する場合は、高圧電源を制御する電圧設定値等が考えられる。そして、作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する(S23)。
【0062】
[実施例3]
図10は、実施例3における、濃度むら補正を実施するための構成を示すブロック図である。
【0063】
図10において、濃度むら補正手段は、大きく分けて感光体の回転方向の濃度むらを計測する濃度むら計測手段と、回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する濃度むら抽出手段とからなる。
【0064】
濃度むら計測手段は、感光体の基準となる回転位置を検出する手段41、感光体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手42段、検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0065】
濃度むら抽出手段は、記憶した濃度むらから感光体回転周期の濃度むらを抽出する手段44C、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段49、その濃度むらのn次成分の振幅および位相から感光体1回転の濃度むらプロファイルを算出する濃度むら算出手段50、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0066】
電圧制御手段および制御テーブル作成手段は、上述した実施例1および実施例2と同一であるため説明を省略する。
次に、実施例3における濃度むら補正処理について図11のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
まず、濃度むら補正の必要があるか判断する(S31)。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合、ユーザーモードによって選択できるようになっている。あるいは、使用環境が大きく変わった場合や、朝一の起動時等、予め濃度むら補正の必要があると判断されている条件において実行されるようになっている。
【0068】
濃度むら補正の必要があると判断された場合、帯状のパターン(検出用パッチ)を作成し(S32)、濃度むらを検出して記憶する(S33)。この場合の検出手段は、濃度センサでも良いし、紙上の画像濃度を検出する構成でも構わない。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期で抽出される(S34)。
【0069】
次に、抽出した感光体回転周期の濃度むらから、感光体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して、感光体の回転周期に起因する濃度むら成分を抽出する。具体的な方法としては、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する(S35)。抽出する方法としては、感光体回転周期で抽出した濃度むらプロファイルをFFT(高速フーリエ変換)あるいは直交検波等の演算処理をして、感光体基本回転周波数のn次成分の振幅と位相を算出する。
【0070】
図12(a)に、感光体1周分の濃度むらデータの一例を示す。このデータを解析して抽出した、感光体回転周波数のn次成分(n=1〜4)の正弦波に分解したグラフを図12(b)に示す。
【0071】
そして、算出したn次成分の振幅と位相から感光体周期に起因する濃度むら成分のみを抽出した合成波形を求め、濃度むらプロファイルとする(S36)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S37)。
【0072】
図13(a)及び(b)に、感光体回転周波数のn次成分(n=1〜4)の正弦波に分解したデータと、これを合成した波形すなわち制御テーブル波形を求めたグラフの一例を示す。
【0073】
記憶した感光体1周分の濃度むらプロファイルから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとしてメモリ55に記憶する(S38,S39)。高圧電源を制御するパラメータとして、PWM制御する場合はPWM制御信号のduty値あるいはCPUのレジスタに設定するカウント値、アナログ制御する場合は、高圧電源を制御する電圧設定値等が考えられる。そして、作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する(S40)。
【0074】
[実施例4]
図14は、実施例4における、濃度むら補正を実施するための構成を示すブロック図である。
【0075】
図14において、濃度むら補正手段は、大きく分けて感光体の回転方向の濃度むらを計測する濃度むら計測手段と、回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段および回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段を含む濃度むら抽出手段とからなる。
【0076】
濃度むら計測手段は、感光体の基準となる回転位置を検出する手段41、感光体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段42、検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0077】
回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段は、記憶した濃度むらから感光体回転周期の濃度むらを抽出する手段44D、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段49、その濃度むらのn次成分の振幅および位相から感光体1回転の濃度むらプロファイルを算出する濃度むら算出手段50、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0078】
さらに、回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段は、感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらを抽出する手段44E、感光体回転周期毎に抽出した濃度むらのプロファイルを重ね合わせる濃度むら加算手段47、重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転の平均濃度むらプロファイルを算出する平均濃度むら算出手段48、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0079】
電圧制御手段および制御テーブル作成手段は、上述した実施例1〜3と同一であるため説明を省略する。
次に、実施例4における濃度むら補正処理について図15のフローチャートを参照して説明する。
【0080】
まず、濃度むら補正の必要があるか判断する(S41)。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合、ユーザーモードによって選択できるようになっている。あるいは、使用環境が大きく変わった場合や、朝一の起動時等、予め濃度むら補正の必要があると判断されている条件において実行されるようになっている。
【0081】
濃度むら補正の必要があると判断された場合、帯状のパターン(検出用パッチ)を作成し(S42)、濃度むらを検出して記憶する(S43)。この場合の検出手段は、濃度センサでも良いし、紙上の画像濃度を検出する構成でも構わない。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する。
【0082】
濃度むらを検出および記憶した後、再度同様の方法で帯状のパターンを作成し、濃度むらを検出する。前回と同様に検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する。
【0083】
このようにして予め設定した所定回数になるまで、計測毎に少なくとも感光体1周分の濃度むらを検出して記憶する。フローではS44で検出・記憶回数をチェックしている。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期で抽出され(S45)、メモリ43に記憶される(S46)。
【0084】
感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらプロファイルを抽出し、感光体回転周期毎に抽出した濃度むらのプロファイルを重ね合わせる(S47)。そして、重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転分の平均濃度むらプロファイルを算出する(S48)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の平均濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S49)。
【0085】
次に、記憶した感光体1周分の平均濃度むらプロファイルから、感光体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して、感光体の回転周期に起因する濃度むら成分を抽出する。具体的な方法としては、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する(S50)。抽出する方法としては、感光体回転周期で抽出した濃度むらプロファイルをFFT(高速フーリエ変換)あるいは直交検波等の演算処理をして、感光体基本回転周波数のn次成分の振幅と位相を算出する。
【0086】
そして、算出したn次成分の振幅と位相から感光体周期に起因する濃度むら成分のみを抽出した合成波形を求め、濃度むらプロファイルとする(S51)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S52)。
【0087】
記憶した感光体1周分の濃度むらプロファイルから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとしてメモリに記憶する(S53,S54)。高圧電源を制御するパラメータとして、PWM制御する場合はPWM制御信号のduty値あるいはCPUのレジスタに設定するカウント値、アナログ制御する場合は、高圧電源を制御する電圧設定値等が考えられる。
【0088】
そして、作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する(S55)。
【0089】
[実施例5]
図16は、実施例5における、濃度むら補正を実施するための構成を示すブロック図である。
【0090】
図16において、濃度むら補正手段は、大きく分けて感光体の回転方向の濃度むらを計測する濃度むら計測手段と、回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段および回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段を含む濃度むら抽出手段と、更に、感光体と現像ローラの位置関係を変える変更制御手段とからなる。
【0091】
濃度むら計測手段は、感光体の基準となる回転位置を検出する手段41、感光体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段42、検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0092】
回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段は、記憶した濃度むらから感光体回転周期の濃度むらを抽出する手段44F、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段49、濃度むらのn次成分の振幅および位相から感光体1回転の濃度むらプロファイルを算出する濃度むら算出手段50、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0093】
さらに、回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段は、感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらを抽出する手段44G、感光体回転周期毎に抽出した濃度むらのプロファイルを重ね合わせる濃度むら加算手段47、重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転の平均濃度むらプロファイルを算出する平均濃度むら算出手段48、算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段43で構成される。
【0094】
電圧制御手段および制御テーブル作成手段は、上述した実施例1〜4と同一であるため説明を省略する。
次に、実施例5における濃度むら補正処理について図17のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
まず、濃度むら補正の必要があるか判断する(S61)。これは、感光体交換や、何らかの理由で感光体検出位置がずれたりした場合、ユーザーモードによって選択できるようになっている。あるいは、使用環境が大きく変わった場合や、朝一の起動時等、予め濃度むら補正の必要があると判断されている条件において実行されるようになっている。
【0096】
濃度むら補正の必要があると判断された場合、帯状のパターン(検出用パッチ)を作成し(S62)、濃度むらを検出して記憶する(S63)。この場合の検出手段は、濃度センサでも良いし、紙上の画像濃度を検出する構成でも構わない。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する。
【0097】
濃度むらを検出して記憶した後、感光体と現像ローラの位置関係を変えて再度同様の方法で帯状のパターンを作成し、濃度むらを検出する。感光体と現像ローラの位置関係を変えるために、例えば、感光体と現像ローラを一旦停止させてどちらか一方を少し回転させ、再び感光体と現像ローラを駆動させた後、帯状パターンを作成して濃度むらを検出する。感光体と現像ローラの位置関係を変える方法はこの方法に限定するものではなく、位置関係を変えることができる方法であれば何でもよい。検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体回転方向の位置がわかるようにして記憶する。
【0098】
このようにして予め設定した所定回数になるまで、感光体と現像ローラの位置関係を変えて、計測毎に少なくとも感光体1周分の濃度むらを検出して記憶する。フローではS64で回数をチェックし、S65で感光体と現像ローラの位置関係の変更を行う。
【0099】
検出した濃度むらデータは感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期で抽出され(S66)、メモリ43に記憶される(S67)。
感光体複数回転分の記憶した濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして感光体回転周期毎の濃度むらプロファイルを抽出し、感光体回転周期毎に抽出した、毎回、感光体と現像ローラの位相が異なる濃度むらのプロファイルを重ね合わせる(S68)。そして、重ね合わせた濃度むらプロファイルから感光体1回転分の平均濃度むらプロファイルを算出する(S69)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の平均濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S70)。
【0100】
次に、記憶した感光体1周分の平均濃度むらから、感光体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して、感光体の回転周期に起因する濃度むら成分を抽出する。具体的な方法としては、抽出した感光体回転周期の濃度むらから感光体回転方向の回転位置検出信号を基準にして、感光体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する(S71)。抽出する方法としては、感光体回転周期で抽出した濃度むらプロファイルをFFT(高速フーリエ変換)あるいは直交検波等の演算処理をして、感光体基本回転周波数のn次成分の振幅と位相を算出する。
【0101】
そして、算出したn次成分の振幅と位相から感光体周期に起因する濃度むら成分のみを抽出した合成波形を求め、濃度むらプロファイルとする(S72)。算出した感光体の回転周期に起因する感光体1周分の濃度むらプロファイルは、メモリ43に記憶される(S73)。
【0102】
記憶した感光体1周分の濃度むらプロファイルから、濃度むらに応じて現像ローラに印加する現像バイアスを制御するために、現像高圧電源の出力電圧を制御するパラメータに変換して制御テーブルとしてメモリに記憶する(S74,S75)。高圧電源を制御するパラメータとして、PWM制御する場合はPWM制御信号のduty値あるいはCPUのレジスタに設定するカウント値、アナログ制御する場合は、高圧電源を制御する電圧設定値等が考えられる。
【0103】
そして、作成した制御テーブルに基づいて、濃度むらに応じて感光体回転周期で現像バイアスを制御して、感光体回転周期に起因する濃度むらを除去した出力画像を形成する(S76)。
【0104】
図18に、感光体の基本回転周期を1としたときのn次成分の位相誤差について示す。グラフの横軸は次数を、縦軸は位相誤差である。
このグラフは、図1に示す画像形成装置において、現像バイアスを制御するために現像高圧電源53に一定周波数変調をかけたPWM制御信号を入力したときのn次成分の位相誤差を算出した結果である。一定周波数は、感光体の基本回転周波数を1としたとき、1,2,・・・・,10倍となる周波数をかけたものである。
【0105】
グラフに示されるように、1次から5次までは位相誤差がほとんど見られないが、6次より高次の高調波においては位相が動いてしまい現像バイアスを制御できないことがわかる。そこで、予め設定した位相誤差以下となるn次高調波以下の成分のみを用いて制御テーブルを作成することで、感光体回転周期の濃度むらを除去できるとともに、新たな濃度むらを作ることなく最適な補正を行うことができるので好適である。この例では(この周波数特性の場合には)、位相誤差の少ない1次から5次成分の合成波形で制御テーブルを作成する。
【0106】
上記各実施例で説明したように、濃度むら検出手段で検出した濃度むらデータに基づいて、感光体回転周期に起因する濃度むら成分のみを補正するテーブルを作成し、その補正テーブルに基づいて、感光体回転周期で現像バイアスを変化させて出力画像を作像するようにして、感光体回転周期以外の濃度むらを取り除く制御としたので、感光体と現像ローラの位相関係が変わっても、混在する濃度むらから感光体の回転周期および回転周期の高次成分の振れに起因する濃度むらを取り除くことが可能となった。したがって、濃度むらのない、ページ内での画像濃度が均一な高品位な出力画像を得ることができる。
【0107】
図19に制御テーブルを用いた補正の一例を示す。
図19(a),(b)の各グラフは、縦軸が濃度むら(ドラム周期平均を平均値で割った割合)、横軸は時間(秒)である。また、実線は検出波形、一点鎖線は再生波形である。グラフ(a)に示す、予め設定した一定値の現像バイアスを印加した波形(補正なし)を、制御テーブルを用いて補正した結果が(b)のグラフである。
【0108】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、濃度むら補正を行なう電圧制御手段の構成は図示した構成に限らず、適宜な構成を採用可能である。また、濃度センサの構成も任意であり、感光体や中間転写ベルト上でトナー付着量を検知するものに限らず、紙上の画像濃度を検出する構成でも良い。濃度むら検出用のパターンも図示例に限るものではない。現像装置の構成も任意である。
【0109】
また、画像形成装置の構成も任意であり、タンデム式における各色プロセスカートリッジの並び順などは任意である。また、タンデム式に限らず、一つの感光体の周囲に複数の現像装置を配置したものや、リボルバ型現像装置を用いる構成も可能である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機、あるいはモノクロ装置にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としては複写機に限らず、プリンタやファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0110】
12 現像装置
13,14 現像ローラ
30 トナー付着量検知センサ(濃度センサ)
41 感光体回転位置検出手段
42 濃度むら検出手段
43 濃度むら記憶手段
44 濃度むら抽出手段
45 第2の抽出手段
46 変更制御手段
47 濃度むら加算手段
48 平均濃度むら算出手段
49 解析手段
50 濃度むら算出手段
51 CPU
52 DA変換器
53 現像バイアス高圧電源
54 制御テーブルを作成する手段
55 制御テーブル記憶手段
100 装置本体
101 中間転写ベルト
110 作像ユニット
111 感光体ドラム(像担持体)
112 現像装置
115 現像ローラ(現像剤担持体)
120 光書込ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【特許文献1】特開平9−62042号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、
前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転方向の濃度むらを抽出する第1の抽出手段、該第1の抽出手段で抽出した前記像担持体の回転方向の濃度むらから像担持体の回転周期に起因しない濃度むら成分を除去して回転周期成分のみの濃度むらを抽出する第2の抽出手段および該抽出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら抽出手段と、
前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段と
を具備し、
前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、
前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、
前記濃度むら計測手段により複数回の濃度むらを計測する際に、計測毎に前記像担持体と前記現像手段の回転方向の相対位置関係を変更させる変更制御手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転方向の濃度むらを抽出する抽出手段、前記像担持体の回転周期毎の濃度むらを重ね合わせて像担持体1周期分の平均濃度むらを算出する算出手段および該算出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる平均濃度むら抽出手段と、
前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段と
を具備し、
前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、
前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段、前記濃度むらのn次成分の振幅および位相から像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを算出する算出手段および該算出した像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら抽出手段と、
前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段と
を具備し、
前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、
前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周回毎の濃度むらを抽出する手段、該抽出した像担持体回転周期の濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段、前記濃度むらのn次成分の振幅および位相から像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを算出する算出手段および該算出した像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された前記像担持体複数回転分の濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周期毎の濃度むらを重ね合わせる濃度むら加算手段、該重ね合わせた濃度むらから像担持体1周期の平均濃度むらを算出する手段および該算出した平均濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段と、
前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の平均濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段と
を具備し、
前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
像担持体上に形成した静電潜像に現像手段よりトナーを付与してトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写・定着して出力する画像形成装置において、
前記像担持体の回転方向の位置を検出する回転位置検出手段、前記像担持体の回転方向の濃度むらを検出する濃度むら検出手段および該検出手段で検出した濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる濃度むら計測手段と、
前記濃度むら計測手段により複数回の濃度むらを計測する際に、計測毎に前記像担持体と前記現像手段の回転方向の相対位置関係を変更させる変更制御手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周回毎の濃度むらを抽出する手段、該抽出した像担持体回転周期の濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の振幅および位相を抽出する解析手段、前記濃度むらのn次成分の振幅および位相から像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを算出する算出手段および該算出した像担持体1周期分の周期成分のみの濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる回転周期に起因する周期成分の濃度むらを抽出する手段と、
前記濃度むら記憶手段に記憶された前記像担持体複数回転分の濃度むらから前記回転位置検出手段で検出された位置を基準にして前記像担持体の回転周期毎の濃度むらを重ね合わせる濃度むら加算手段、該重ね合わせた濃度むらから像担持体1周期の平均濃度むらを算出する手段および該算出した平均濃度むらを記憶する濃度むら記憶手段からなる回転周期に起因する平均濃度むらを抽出する手段と、
前記記憶手段に記憶した像担持体1周期分の平均濃度むら情報に基づいて前記現像手段に印加する電圧を算出する制御テーブルを作成する手段および該作成した制御テーブルを記憶する制御テーブル記憶手段からなる制御テーブル作成手段と
を具備し、
前記制御テーブル記憶手段に記憶された制御テーブルに基づいて、現像手段に印加する電圧を制御して出力画像であるトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体の回転周期を1としたときの濃度むらのn次成分の位相が予め設定した位相誤差より大きくなる高周波成分を除去して前記制御テーブルを作成することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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