説明

画像復元方法

【課題】本発明は、十分に復元された復元像を得ることができる画像復元方法を提供する。
【解決手段】ステップ101〜104でn次元の理想像モデルの初期値を設定すると共に、n次元のPSFモデルの初期値として周波数空間でデルタ関数となる分布を設定し、ステップ105で制限条件と終了条件を与えた後、ステップ106〜114で理想像モデルを実空間あるいは周波数空間で像とPSFモデルにより修正し、実空間の理想像モデルに対して実空間の制限を加え、PSFモデルを実空間あるいは周波数空間で像と理想像モデルにより修正し、周波数空間のPSFモデルに対して周波数空間の制限を加えた後実空間に変換し、実空間のPSFモデルに対して実空間の制限を加える処理を、ステップ115で所定の終了条件を満たすまで繰返し実行し、最終的な理想像モデルを復元像として生成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡あるいは共焦点顕微鏡などの光学機器により取得した画像の画質を改善する画像復元方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡あるいは共焦点顕微鏡などの光学機器により物体を観察した場合、観察画像は、元の物体に比べて光学機器のボケ分だけ劣化することが知られている。つまり、このときの観察画像の強度分布gは、元の物体の輝度分布fと光学機器の点像分布関数(PSF)hの畳込み(convolution)にノイズnが加わった、
【0003】
【数1】


で表現することができる。
【0004】そして、このようなノイズnが加わった画像から数値計算を用いて光学機器によるボケを取り除き、理想的な像を得る技術は、像の「復元」あるいは「デコンボリューション(deconvolution)」と呼ばれている。
【0005】ところで、光学顕微鏡では、深さ方向を等間隔で変位させつつ、試料像を撮像し、3次元画像(=積層画像)を得る光学切片法(optical sectioning)が用いられている。ところが、光学顕微鏡のPSFは水平方向に比べて深さ方向に大きく広がっているので、積層画像の中の各画像は試料の輝度分布を正確に反映した断面像にはならず、その上下から漏れてくるボケが重畳している。
【0006】そこで、従来、光学顕微鏡のPSFを基に積層画像からボケを取り除き、理想的な3次元像を「復元」する計算処理が行われてきた。ここで用いられるPSFは、理論値あるいは測定値である。
【0007】しかし、光学顕微鏡の場合、実際のPSFと理論値は必ずしも一致せず、また正確なPSFの実測も困難である。そこで、「ブラインドデコンボリューション」という像復元の手法が検討されている。この手法は、1つの画像から理想像とPSFの両方を復元するもので、PSFが未知であっても理想像を復元できるという長所がある。
【0008】ここで、ブラインドデコンボリューションは、交互法(alternative method)というアルゴリズムで実行される。つまり、このような交互法では、初めに、理想像モデルfとPSFモデルhに初期値を与え、次に、2つのモデルの畳込みが測定された実際の像gになるように両者を交互に修正するとともに、これらの過程を繰り返す。この過程で、モデルには適当な制限条件が加えられ、この交互修正を最適化ループとして何度か繰り返すうちに、2つのモデルは最適化されていく。
【0009】図4は、従来の交互法を、さらに説明するためのもので、まず、ステップ401で、光学機器で測定した実際の像gを読み込む。次に、402で、実際の像gを、実空間から周波数空間へ変換する。これは畳込みの計算を、周波数空間で積として効率よく計算するためである。変換は一般に高速フーリエ変換(FFT)で行われる。以下、実空間のものは、小文字(g,f,h)で記し、周波数のものは、大文字(G,F,H)で記す。
【0010】次に、403で、理想像モデルFの初期値として、測定された実際の像Gを設定し、ステップ404で、PSFモデルhの初期値として、インパルス即ち実空間のDiracのデルタ関数を設定する。そして、ステップ405で、制限条件と終了条件を与える。この場合、制限条件は、PSFの空間周波数には上限、即ちバンドリミットがあるので、このバンドリミットより与えることが可能であるが、現実は、その値は不明なので像のスペクトルから推定して値を設定する。
【0011】図5(a)(b)(c)は、バンドリミットの決め方を説明するもので、ここでは、物体、PSFおよび像のスペクトルの関係を簡単のために1次元で表している。物体のスペクトル501は通常、測定に使用する光学機器のPSFのスペクトル502より高周波の成分を含んでいる。よって、測定された像のスペクトル504は、PSFのスペクトル502のバンドリミット503と同じバンドリミット505をもつと考えられるから、この時の像のスペクトル504から推定して設定する。なお、3次元像の場合、3軸のバンドリミットを設定しておく。このバンドリミットは後述するステップ412で実行される。また、終了条件は一般に、最適化ループの繰り返し回数である。これは後述のステップ415で判断される。
【0012】図4に戻って、ステップ406で、PSFモデルhを、実空間から周波数空間へ変換する。次いで、ステップ407で、PSFモデルHとの積が実際の像Gになるように、理想像モデルFを修正する。この場合、理想像モデルFの修正には、これまでに以下のような更新式が提案されている。・差分
【0013】
【数2】


・ウィーナフィルタ付き差分
【0014】
【数3】


・逆フィルタ
【0015】
【数4】


・ウィーナフィルタ
【0016】
【数5】


【0017】次に、ステップ408で、理想像モデルFを、周波数空間から実空間へ変換する。これは、ステップ409で実空間の非負制限を理想像モデルfに適用するためである。変換は一般に高速逆フーリエ変換(IFFT)で行われる。
【0018】ステップ409で、理想像モデルfに、非負制限を加える。つまり、負の要素値を0で置き換え、それ以外の要素値はそのまま残す。理想像は光の強度分布であるから負の値をとらないからである。さらに、理想像モデルfの総和が変化しないように補正する例もある。
【0019】その後、ステップ410〜414で、理想像モデルとPSFモデルを入れ変えて上述したステップ406〜409と同様の処理をすることで、PSFモデルを修正する。
【0020】なお、ステップ412でのPSFモデルHに対する周波数空間の制限条件は、バンドリミットである。つまり、各軸のバンドリミットより周波数の大きい成分を0で置き換え、それ以外の成分はそのまま残す。また、ステップ414での実空間のPSFモデルhに対する制限条件としては、非負制限の他に、要素値の和を1に規格化する例もある。これは、像形成におけるエネルギー保存則を成立させるためである。
【0021】その後、ステップ415で、最適化ループであるステップ406〜414の繰り返し回数がステップ405で設定した回数に達したら、処理を終了し、ステップ416で、最適化ループであるステップ406〜414による修正を経た理想像モデルfが、実際の像gからボケを除去した復元像として出力される。
【0022】以上の例ではモデルを周波数空間で修正していたが、実空間で修正する方法もある。その場合、処理の順序が若干変わって図6に示すようになる。この場合、ステップ610とステップ611は、図4のステップ410とステップ411sの順序が反対になる点が異なるだけでステップ601〜615での個々の処理は、上述した図4と同じなので、ここでの説明は省略する。なお、このような実空間での修正では、以下のような更新式が提案されている。
・積(multiplicative method)
【0023】
【数6】


・最尤法(maximum likelihood estimation)(ref.7)
【0024】
【数7】


【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このようなブラインドデコンボリューションは不適切(ill−posed)な逆問題で、解の唯一性は保証されていない。つまり、1つの実際の像になる理想像モデルとPSFモデルの組み合わせが無数に存在し、最終的に復元される2つのモデルは、モデルの初期値にも影響される。
【0026】このため、上述したステップ404に示すように、PSFモデルの初期値として実空間のデルタ関数を取ると、理想像モデルの復元が十分に進行しない傾向が見られた。
【0027】これを図7を参照して説明すると、実空間のデルタ関数は、図7(a)に示すように、周波数空間ですべての成分が1に等しいフラットな分布701になる。ここからPSFモデルを出発すると、最適化ループを経るごとにPSFモデルは真のPSF703に対して上から(各周波数成分が大きい方から)近づいてゆく傾向がある。このため、最終的なPSFモデル、即ち復元PSF702の各周波数成分は、図7(b)に示すように対応する真のPSF703より大きいまま収束することが多い。つまり、理想像モデルはPSFモデルとの畳込みが実際の像になるように最適化されてゆくので、図7R>7(c)に示すように、最終的な理想像モデル、即ち復元像704の各周波数成分は、対応する真の物体705より小さくなり、実空間で見れば、細部が十分に復元されていない復元像になるという問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、十分に復元された復元像を得ることができる画像復元方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、物体と点像分布関数(PSF)の畳込みとして取得されたn次元の像から、PSFによるボケを除去したn次元の復元像を得るための画像復元方法において、n次元の理想像モデルに初期値として前記n次元の像を設定するとともに、n次元のPSFモデルに初期値として周波数空間でデルタ関数となる分布を設定した後、前記理想像モデルを実空間あるいは周波数空間の像とPSFモデルとにより修正し、実空間の前記理想像モデルに対して実空間の制限を加え、前記PSFモデルを実空間あるいは周波数空間の像と理想像モデルとにより修正し、周波数空間の前記PSFモデルに対して周波数空間の制限を加えた後、実空間に変換し、実空間の前記PSFモデルに対して実空間の制限を加えるような処理を所定の終了条件を満たすまで繰り返し実行し、最終的な理想像モデルを復元像として生成するようにしている。
【0029】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記理想像モデルの初期値として、実際の像を設定している。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記理想像モデルと前記PSFモデルに対する実空間の制限が非負制限である。
【0030】この結果、本発明によれば、周波数空間でデルタ関数となる分布をPSFモデルの初期値にしてブラインドデコンボリューションを実施するが、この場合、周波数空間のデルタ関数は、実空間でフラットな分布、つまり完全なボケに対応したものになるので、この周波数空間のデルタ関数からPSFモデルを出発すると、最適化ループを経るごとにPSFモデルは、真のPSFに対して各周波数成分が小さい方から近づくようになり、対応する復元像の各周波数成分は、対応する真の物体より小さくならず、実空間で見ると、像の復元を細部まで十分に進行させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)この第1の実施の形態は、周波数空間でモデルを更新する例を示すもので、ここでは、落射蛍光共焦点レーザ走査顕微鏡(EFCLSM)の画像復元に適用した例を示している。
【0032】図1は、本発明による画像復元方法の処理の流れを示しており、ここでは、EFCLSMで光学切片法により測定した3次元画像(積層画像)ファイルを読み込み、それを画像処理し、ボケを除去した復元像を表示する、あるいは画像ファイルとして出力するプログラムである。ただし、画像処理の部分以外は従来の技術でも説明した一般的な内容であるから説明を省略する。
【0033】まず、ステップ101で、3次元画像ファイルを読み込み、実際の像gの3次元複素数データ配列の実部に代入する。ここでは、虚部に0を代入する。つまり、後で高速フーリエ変換(FFT)を行うため、x,y,z各軸のデータ点数が2の累乗になっていないときは、足りないデータ点に0詰めして、点数を2の累乗にしておく。また、実際の像gの全要素値の和Σgを求めておき、後のステップ109で使用する。
【0034】次に、ステップ102で、実空間の実際の像gを、FFTで周波数空間の実際の像Gに変換する。次いで、103で、理想像モデルFを、実際の像Gと同じ大きさの3次元複素数データ配列として用意し、その初期値として周波数空間の実際の像Gの値を代入し、ステップ104で、PSFモデルHを、実際の像Gと同じ大きさの3次元複素数データ配列として用意し、その初期値として、周波数空間のデルタ関数を代入する。
【0035】
【数8】


【0036】ここで、実空間のPSFモデルhの全要素値の和は、自動的に1になる。次に、ステップ105で、制限条件と終了条件を与える。このうちの制限条件は、実際の像Gから推定して、PSFモデルHに対する3軸のバンドリミットを設定する。また、終了条件として、最適化ループの繰り返し回数Nを設定する。
【0037】ステップ106で、実空間のPSFモデルhをFFTで周波数空間のPSFモデルHに変換する。ただし、初期値を周波数空間で与えているので、1回目は必要ない。次に、ステップ107で、修正されたPSFモデルHとの積が実際の像Gになるように、理想像モデルFの各成分を次式の差分による更新式で修正する。
【0038】
【数9】


【0039】そして、ステップ108で、周波数空間の理想像モデルFを、IFFTで実空間の理想像モデルfに変換し、ステップ109で、実空間の理想像モデルfに非負制限を加える。この場合、まず理想像モデルfの、負の実部を持つ要素値を0で置き換え、それ以外の要素値は実部を複素数の絶対値で置き換え、虚部を0にする。次に、理想像モデルfの総和が変化しないように、ステップ101で求めたΣgを使って次式のような規格化を行う。
【0040】
【数10】


【0041】次に、ステップ110で、実空間の理想像モデルfをFFTで周波数空間の理想像モデルFに変換する。次いで、ステップ111で、修正された理想像モデルFとの積が実際の像Gになるように、PSFモデルHの各成分を次式の差分による更新式で修正する。
【0042】
【数11】


【0043】次に、ステップ112で、周波数空間のPSFモデルHにバンドリミットを加える。即ち、ステップ105で設定した各軸のバンドリミットより周波数の大きい成分を0で置き換え、それ以外の成分はそのまま残す。
【0044】次に、ステップ113で、周波数空間のPSFモデルHを、IFFTで実空間のPSFモデルhに変換し、ステップ114で、実空間のPSFモデルhに非負制限を加える。この場合、まずPSFモデルhの、負の実部を持つ要素値を0で置き換え、それ以外の要素値は実部を複素数の絶対値で置き換え、虚部を0にする。次に、PSFモデルhの全要素値の和が1になるように、次式のような規格化を行う。
【0045】
【数12】


【0046】その後、最適化ループであるステップ106〜114の繰り返し回数がステップ105で設定した回数Nに達したら、ステップ115で、処理を終了し、ステップ116で、最適化ループであるステップ106〜114により繰り返し修正された理想像モデルfの実部が、実際の像gからボケを除去した復元像として出力され、復元の画像処理を終了する。
【0047】従って、このようにすれば、周波数空間でデルタ関数となる分布をPSFモデルの初期値にしたブラインドデコンボリューションが実施されるが、この場合、周波数空間のデルタ関数は、実空間でフラットな分布、つまり完全なボケに対応したものになるので、そこから出発したPSFモデルがシャープになり過ぎることはない。これにより、図2(a)に示すように、PSFモデルを周波数空間のデルタ関数201から出発すると、最適化ループを経るごとにPSFモデルは、図2(b)に示すように真のPSF203に対して基本的に下から(各周波数成分が小さい方から)近づくようになり、復元PSF202の各周波数成分も、対応する真のPSF203より小さい方向で収束する傾向になる。この結果、図2(c)に示すように、対応する復元像204の各周波数成分は、対応する真の物体205より小さくならないので、実空間で見ると、像の復元を細部まで十分に進行させることができる。つまり、周波数空間でデルタ関数となる分布をPSFモデルの初期値に設定したのち、周波数空間でモデルを更新するブラインドデコンボリューションを実施することにより、像の復元を細部まで進行させることができるようになり、細部まで十分に復元された復元像を生成できる。
【0048】なお、本発明は、更新式や他の制限条件、終了条件などに関係なく、すべての交互法によるブラインドデコンボリューションに有効である。例えば、本実施例は、ステップ107,ステップ111の更新式に(式2)を用いたが、それを(式3)〜(式5)などに置き換えてもよい。なお、(式5)のような更新式を使用した場合は、理想像モデルの初期値を設定する必要はない。
(第2の実施の形態)第1の実施の形態では、周波数空間でモデルを更新する方法を述べたが、この第2の実施の形態では、実空間でモデルを更新する方法の場合である。
【0049】図3は、画像復元方法の処理の流れを示しており、この場合、ステップ304にPSFモデルhの初期値として、周波数空間でデルタ関数となるような実空間の分布
【0050】
【数13】


を設定する。また、上述した図1のステップ102、ステップ107、108に対応するステップ302、ステップ307、308は除かれ、さらに、ステップ310とステップ311の順序が反対になるものの、その他のステップ301、ステップ303〜306、ステップ309〜315での個々の処理は、上述した図1の対応するステップと同じなので、ここでの説明は省略する。また、この場合も、上述した(式6)〜(式7)の更新式を用いる。
【0051】このようにしても、上述したのと同様な効果が期待できる。なお、上述した第1および第2の実施の形態では、落射蛍光共焦点レーザ走査顕微鏡に適用した例を述べたが、(式1)のような畳込みで形成されるすべての画像に適用できることは言うまでもない。また復元する画像は、上記のような3次元像に限らず、他の次元でも可能である。例えば2次元の画像を復元するには、2次元の実際の像gに対して、2次元の理想像モデルとPSFモデルを上記と同様の方法で最適化すればよい。
【0052】なお、本発明には、以下の発明も含まれる。
(1)請求項1記載の画像復元方法において、PSFモデルに対する周波数空間の制限がバンドリミットである。
(2)請求項1記載の画像復元方法において、繰り返しの処理が所定の回数に達したことを終了条件とする。
(3)請求項1記載の画像復元方法において、像を取得する装置が共焦点顕微鏡である。
(4)請求項1記載の画像復元方法において、像を取得する装置が顕微鏡である。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、周波数空間でデルタ関数となる分布をPSFモデルの初期値に設定したのち、ブラインドデコンボリューションを実施することにより、像の復元を細部まで進行させることができ、細部まで十分に復元された復元像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するためのフローチャート。
【図2】第1の実施の形態での復元PSFと復元像を説明するための図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を説明するためのフローチャート。
【図4】従来の画像復元方法の一例を説明するためのフローチャート。
【図5】従来の画像復元方法でのバンドリミットの決め方を説明する図。
【図6】従来の画像復元方法の他の例を説明するためのフローチャート。
【図7】従来例での復元PSFと復元像を説明するための図。
【符号の説明】
201…デルタ関数、
202…復元PSF、
203…真のPSF、
204…復元像、
205…真の物体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 物体と点像分布関数(PSF)の畳込みとして取得されたn次元の像から、PSFによるボケを除去したn次元の復元像を得るための画像復元方法において、n次元の理想像モデルに初期値として前記n次元の像を設定するとともに、n次元のPSFモデルに初期値として周波数空間でデルタ関数となる分布を設定した後、前記理想像モデルを実空間あるいは周波数空間の像とPSFモデルとにより修正し、実空間の前記理想像モデルに対して実空間の制限を加え、前記PSFモデルを実空間あるいは周波数空間の像と理想像モデルとにより修正し、周波数空間の前記PSFモデルに対して周波数空間の制限を加えた後、実空間に変換し、実空間の前記PSFモデルに対して実空間の制限を加えるような処理を所定の終了条件を満たすまで繰り返し実行し、最終的な理想像モデルを復元像として生成することを特徴とする画像復元方法。
【請求項2】 前記理想像モデルの初期値として、実際の像を設定することを特徴とする請求項1記載の画像復元方法。
【請求項3】 前記理想像モデルと前記PSFモデルに対する実空間の制限が非負制限であることを特徴とする請求項1記載の画像復元方法。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−4363(P2000−4363A)
【公開日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−170044
【出願日】平成10年6月17日(1998.6.17)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】