説明

画像検索装置、画像検索方法、および画像検索プログラム

【課題】 画像データを保存する記憶媒体の大容量化が進み、大量の画像データの中からユーザーの所望する画像データを検索することが困難になっている。そこで、扱う画像データの枚数が多くなっても所望の画像を容易に素早く見つけ出す画像検索装置を提供する。
【解決手段】 本発明を実施しうるプログラムによってCPU10が画像が印刷された枚数を示す印刷枚数情報を含む画像の属性情報をSDRAM12に読み込む。
CPU10は属性情報に基づいて保存された画像をグループ分けし、
グループ分けされたグループ毎に印刷枚数情報を解析し、
グループ分けと解析結果に基づいて画像あるいは画像に関する情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の属性情報を用いた画像の検索・表示方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、デジタルカメラが普及し、デジタルカメラで撮影した画像データをパーソナルコンピュータや印刷装置に設置された記憶媒体に取り込み、保存、印刷、加工などが行われるようになった。さらに、画像データを保存する記憶媒体の大容量化が進み、大量の画像データが保存されるようになっている。そのため大量の画像データの中からユーザーの所望する画像データを検索することが困難になっており、ユーザーの所望する画像を容易に検索できる方法が求められている。
【0003】
特開平11−234604では、デジタルカメラ等によって記録された画像記録媒体の画像ファイルに対して行われた操作の履歴情報に基づいて画像を抽出可能とする画像検索方法が提案されている。これによれば、画像ファイルに対して特別にキー情報を付与する手間無く画像を検索できる。また、特開2001−160938では、デジタルカメラダイレクトプリントシステムにおいて、画像の出力回数に応じてデジタルカメラ側でソート、表示する画像データ整理方法が提案されている。
【特許文献1】特開平11−234604号公報
【特許文献2】特開2001−160938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来例では、装置が扱う画像データの枚数が多くなると履歴情報のみ、出力回数のみで画像データをソートしても、ユーザーの所望の画像データを見つけ出すのは困難であった。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、扱う画像データの枚数が多くなっても所望の画像を容易に素早く見つけ出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
内部記録媒体あるいは外部記録媒体から画像と前記画像が印刷された枚数を示す印刷枚数情報を含む前記画像の属性情報とを読み込む読み込み手段と、
前記属性情報に基づいて前記画像をグループ分けするグループ分け手段と、
前記グループ分け手段によってグループ分けされたグループ毎に前記印刷枚数情報を解析する解析手段と、
前記グループ分けと前記解析手段の解析結果に基づいて画像あるいは画像に関する情報を表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、画像データの操作履歴情報に基づいて画像データのグループ分けを行い、グループに含まれる画像のトータル印刷枚数、各画像データの印刷枚数に基いて画面の表示を行う。その結果大量の画像データを扱う場合にも、特別にキー情報を付与する手間無く、所望の画像データをユーザーの記憶に訴えて容易に素早く抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施例1)
図1に本実施例のカメラダイレクト プリント・ストレージ システムの構成図を示す。
【0009】
図1の1は光学的画像形成装置であるデジタルカメラ、2は、デジタル画像を印刷用紙に出力したり、保存する為のダイレクト プリント・ストレージ装置、画像出力部には昇華型プリンタ、画像記録保存部にはハードディスクドライブ17が搭載されている。
【0010】
3は、デジタルカメラ1とダイレクト プリント・ストレージ装置2の間でデータをやり取りする為のケーブル、本実施例では、データ通信にUSBプロトコルを用いているのでUSBケーブルになる。
【0011】
4は、ダイレクト プリント・ストレージ装置のプリント機能を使うかストレージ機能を使うかの切替を行う為のモード切替スイッチ。
【0012】
例えば、デジタルカメラで撮影した画像を本ダイレクト プリント・ストレージ装置に保存する場合、4のモード切替スイッチをストレージ側にスライドさせる。そしてデジタルカメラ1の操作部材と液晶画面に表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を用い所望の画像を選択し画像転送を実行する。
【0013】
画像転送が実行されるとUSBプロトコルにしたがってデジタルカメラとダイレクト プリント・ストレージ装置がネゴシエーションを行い画像の転送が始まる。そのデータはUSBケーブル3を通して通信される。
【0014】
本実施例のダイレクト プリント・ストレージ装置についてもう少し説明する。
【0015】
図1の5は、本発明において外部記録媒体に対応するコンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)、SDメモリーカード(登録商標)(SD)、メモリースティック(登録商標)(MS)等のカード型記録媒体と画像データをやり取りする為の複合カードスロット。6は、本ダイレクト プリント・ストレージ装置2に保存されている画像データを表示したり、装置の操作を行う為のGUIを表示するLCDモニタ。7は、本装置の電源スイッチ、8の各種スイッチは本装置の操作部材である。
【0016】
図2に本発明の画像検索装置に対応しうるダイレクト プリント・ストレージ装置のブロック図を説明する。10は本装置全体を制御したり、予想印刷時間を算出したり、印刷順番を決定したり、デジタル画像の処理を行ったり、USB通信の制御やLCDの制御を行うためのCPU。11は本装置を制御するためのプログラムやLCDモニタ6に表示するGUI用のアイコンデータや画像合成を行う為のフレームデータ等を格納するFlash Memory。本発明を実施しうるプログラムもこのFlash Memory11に格納されている。12は、プログラム動作時や画像処理時に使用したりLCDモニタ6に表示するデータを格納する為のワークメモリとしてのSDRAM。13は、昇華型プリンタ部分のサーマルヘッド及びLFモータ(紙送りモータ)、UDモータ(ヘッド昇降モータ)を制御する為のヘッド・モータ制御IC、14は昇華型プリンタの主要部品であるサーマルヘッド。15は、LFモータ、UDモータを駆動するモータドライバー。16は、LCDモニタ6を駆動する為のLCDドライバ。17は、本発明の内部記録媒体に相当し、本装置の画像データや様々な履歴情報等を記録保存するためのハードディスクドライブ(HDD)である。18はUSBのプロトコルデータを振り分ける為のUSB HUBでカードメモリーコントローラとUSB Aコネクターに接続されている。19はUSBインターフェイスを有するカードメモリコントローラーで複合カードスロット5に接続されている。
【0017】
CPU10とFlash Memory11、SDRAM12、HDD17はバスを介して互いに接続されている。画像を取り込む際には、CPU10の制御に基づき、カードメモリコントローラ19またはUSBコネクタAから画像データが読み出され、HDD17に対して転送され、記録される。LCDモニタ6にGUI画面や画像を表示する際には、まずCPU10がHDD17またはUSB HUB18から画像データを読み込み、各種処理をしてSDRAMに格納する。さらにCPU10は表示用画像データをSDRAM12から読み出してLCDドライバ16に送り、これによってLCDモニタ6に表示がされる。
【0018】
本実施例での操作履歴情報に関して説明する。ダイレクト プリント・ストレージシステムにおいて、画像データを扱う際に操作としては、撮影、保存、印刷、加工等の操作がある。その操作の中でユーザが設定したり装置が自動的に設定する情報の例を列挙する。撮影では、撮影日時、ISO感度、記録画素数、撮像装置識別情報。保存では、保存日時、保存ファイル名、保存ディレクトリ名。印刷では、印刷日時、印刷枚数、用紙サイズ(ワイドサイズ、ポストカードサイズ、DSC Lサイズ、クレジットカードサイズ等)、印刷スタイル(フチ無し、フチ有り、8分割、2アップ、4アップ、フィックスド等)、印刷時間。加工では、加工日時、加工方法(トリミング、画像合成、カレンダー作成等)。これらの操作履歴情報は、自動的に装置が取得し、画像ファイルとは別に設けたファイルや、画像ファイルのヘッダに画像の属性情報として記録することができる。
【0019】
図3に画像ファイルとは別に設けたファイルに操作履歴情報を画像に関連付けて記録した際のファイルの一部分のイメージ図を示す。操作履歴情報はすべて後述するグループ分け操作履歴情報として利用することが可能である。
【0020】
次に、印刷枚数情報について説明する。印刷枚数とは、画像が過去に印刷された累積の枚数である。印刷枚数は前述した操作履歴情報の一種であるが、本発明では印刷枚数の情報をグループ分け操作履歴情報とは別に利用する。印刷枚数が多い画像は気に入った画像であったり、特に必要とする画像であったりと、画像データの操作のうち印刷というのは印刷制御装置においては最もユーザーの意思を反映している。すなわち、印刷枚数はユーザーの画像に対する記憶の強さを示す指標であると言える。そこで、本発明では印刷枚数情報をグループ分け操作履歴情報と組み合わせて利用することで、ユーザーの記憶に訴えすばやく所望の画像を抽出する。
【0021】
図4はグループ分け操作履歴情報を利用したグループ分けの基準を設定するGUI画面である。本実施例では、撮影日時と保存ディレクトリの2つのグループ分け操作履歴情報を利用する例を示す。図のグループ分け操作履歴情報の決定GUI画面には、撮影日時と保存ディレクトリの2つの操作履歴情報のどちらかをラジオボタンで選択可能になっている(101)。図では、撮影日時が選択されており、撮影日時のようにグループ分けの基準を更に詳細に設定できる場合は、プルダウンメニューで選択できるようになっている(102)。この例では、グループ分けの基準として撮影月(1ヶ月)が選択されている。この状態で右上の決定ボタン(103)を操作部材8で選択し押下すると、撮影された月毎に画像データがグループ化される。その後、図5に示すようなGUI画面が表示される。
【0022】
図5のGUI画面を説明する。グループの中で最も印刷枚数の多い画像をグループ代表画像として、そのグループ代表画像のサムネイルを各グループに対応したタブウインドウのインデックス部分に表示する。そのサムネイル画像はお互いに重なり合うことは無い。グループ代表画像のサムネイルの配置順は、各グループに含まれる画像のトータル印刷枚数の多い順に左から右に表示する(201)。各ウインドウのインデックス部分にはグループ代表画像のサムネイル画像とそのグループに含まれる画像の撮影年月(202)、そのグループに含まれる画像のトータル印刷枚数(203)が表示される。GUI画面の右上には現在タブウインドウに表示されているサムネイル一覧の属するグループ名が表示される(204)。グループ内に印刷された画像がまったく無い場合のインデックス部分には、印刷ゼロアイコン(205)を付ける。タブウインドウ内には現在選択されているグループに属する画像のサムネイルが表示されており、印刷枚数の多い順に左から右、上から下に表示され、サムネイルの右下には印刷枚数が表示されている(206)。印刷されたことが無い画像には印刷ゼロアイコン(205)を付ける。印刷枚数の同じ画像は撮影日が新しい順に表示されている。操作部材8でカーソル(207)を移動することで選択することが可能である。更に、右端のメニュー一覧には、現在選択している画像に対して実行可能な操作が表示されていて、これもカーソル(208)を操作部材8で選択することで実行可能である。この実行可能な操作には印刷に係る操作も含む。
【0023】
図4のグループ分けの基準決定GUI画面で保存ディレクトリを選択した際のサムネイル一覧表示を図6に示す。基本的にはグループ分けの基準が撮影月から画像が保存されているディレクトリになっただけで、サムネイル一覧のGUI画面は殆ど変わらない。違うのは、グループ名表示が撮影月からディレクトリ名(301)に変更になっている点。それと、現在タブウインドウに表示しているサムネイル一覧のグループ名がディレクトリ名(302)で表示されている点である。
【0024】
図7を用いて上記実施例の本装置内での画像表示に関わる処理フローを説明する。図7のフローはCPU10がFlash Memory11に格納されたプログラムをSDRAM12に読み出し、演算処理や制御を行うことにより実現される。CPU10はまず、Flash Memory11に格納された本発明を実施しうるプログラムを起動すると、HDD17に記録されている画像の操作履歴情報をSDRAM12に読み込む。続いてグループ分け操作履歴情報決定GUI画面をLCDモニタ6に表示する(S701)。
【0025】
ユーザはキー操作によって、グループ分け操作履歴情報として何を利用するのかをGUI画面から選択し、決定ボタン103を押下する(S702)。グループ分け操作履歴情報を利用した更に詳細なグループ分けの基準が選択できる場合には、更に詳細なグループ分けの基準を選択する。ここでは、「撮影月」を選択する。するとグループ分けの基準として何が選択されたかを装置が判定し(S703)、選択されたグループ分けの基準に基づいてCPU10により次の処理が行われる。グループ分けの基準として「撮影月」が選択されるとS711に進み、装置内の画像を「撮影月」を基準としてソートし、グループ分けする。このときグループ分け操作履歴情報として撮影日時を利用することで「撮影月」でのグループ分けを可能にしている。グループ分けした各「撮影月」内のトータル印刷枚数を算出する(S712)。各「撮影月」内に含まれる画像を印刷枚数の多い順に整理する(S713)。このとき印刷枚数の同じ画像は撮影日が新しい順に整理する。各「撮影月」内の画像の中で最も印刷枚数の多い画像を、その「撮影月」の代表画像として設定する(S714)。このS712〜S714の少なくとも1つが本発明における解析手段に対応する。次に、LCDモニタ6にGUI画面を表示する為に、以下の手順でSDRAM12上の表示用の領域(いわゆる、ビデオラムに変わるメモリ領域)に画像を配置する。この時、画像ファイルはJPG圧縮されてHDD17に保存されているので、画像を配置する前には対応する画像のファイルをHDD17から読み出して、CPU10でJPG伸張とリサイズを行い所定の位置に配置することになる。LCD6への表示手順はまず、各「撮影月」のトータル印刷枚数の多い順に各代表画像のサムネイルをインデックス部分に表示する(S715)。インデックス部分には、各「撮影月」のトータル印刷枚数も表示する(S716)。次に初期画面としてトータル印刷枚数の最も多い「撮影月」の画像をタブウインドウに表示する(S717)。タブウインドウの表示は、グループ内の画像のサムネイルを印刷枚数の多い順にしたがって左から右、上から下に並べて配置する。印刷枚数の同じ画像は撮影日が新しい順に配置する。このS715〜S717の少なくとも1つが本発明における表示制御手段に対応し、S712〜714での解析結果に基づいた処理を行っている。以上で初期画面表示を終え、この後はユーザのグループ選択に応じてタブウインドウに表示するグループを切り替える。
【0026】
グループ分けの基準として「保存ディレクトリ」が選択されると、S702からS721に進む。基本的にはグループ分けの基準が撮影月から画像が保存されているディレクトリになっただけあり、S721では装置内の画像を「保存ディレクトリ」を基準にソートし、グループ分けする。このときグループ分け操作履歴情報として保存ディレクトリを利用している。以下、S722〜S727ではS712〜S717と同様の処理を「撮影月」ではなく「保存ディレクトリ」で行う。
【0027】
以上説明したように、本実施例では画像データに対する操作を行う際に装置が自動的に取得した情報を用いることで、ユーザが明示的にグループ名を付けたり、画像データにキーワードを付加することなく容易に画像データのグループ分けが可能になる。更に、グループ単位での表示、グループ内の画像サムネイル表示に印刷枚数を用いることでユーザの記憶に訴え素早く所望の画像を抽出することが可能になる。
【0028】
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1とダイレクト プリント・ストレージ システムとしてのシステム構成、構成ブロック図は同一である。また、ダイレクト プリント・ストレージシステムの一連の画像操作の中で撮影、保存、印刷、加工等の操作履歴情報を元に画像データをグループ分けする手段、グループ分け操作履歴情報の決定GUI画面(図4)は同一であるので説明を省略する。
【0029】
図8の撮影月でグループ分けされた際のサムネイル一覧について説明する。第1の実施例と異なる点は、グループ分け操作履歴情報やグループ分けの基準の決定後のグループ単位での画像表示用GUI画面である。グループ分けの基準として、図4で撮影月が選択された場合、実施例2では、図8のような表示になる。大きいウインドウ全体の約1/4の領域にグループに対応して撮影月が互いに異なる小ウインドウ(401)が表示され、この4つの小ウインドウは重なることが無い。大きいウインドウ内に4個の小ウインドウ(401)が左から右、上から下の順でグループ内のトータル画像印刷枚数が多い順に表示される。小ウインドウ(401)のインデックス部分にはそのグループの中で一番印刷枚数の多い画像を代表画像として表示するとともに、そのグループに含まれる画像のトータル印刷枚数を表示する(402)。小ウインドウ(401)は各グループ毎の表示領域であり、そのグループに属する画像のサムネイルが印刷枚数順に奥行き方向にすこしずつズレながら重ねて表示されている。小ウインドウ(401)内には上下方向の矢印アイコン(403)があり、この矢印を選択することでカーソル(404)が移動しそのグループに属する画像のサムネイルが選択され最前面に表示される。小ウインドウ(401)は画像が選択されていない場合はグレーアウトされている。GUI画面の右上には現在選択されている小ウインドウ(401)に対応するグループ名(405)が表示されている。この場合、撮影月でグループ分けされているので2005/10と表示されている。更に、右端のメニュー一覧には、現在選択している画像に対して実行可能な機能が表示されていて、これもカーソル(406)を操作部材8で操作して選択することで実行可能である。各グループの代表画像は一番印刷枚数の多い画像である。大きいウインドウ内での小ウインドウ(401)の表示順はグループ内のトータルの印刷枚数が多い順に左から右、上から下である。小ウインドウ(401)内のサムネイル一覧の表示順も各画像の印刷枚数の多い順に手前方向から奥行き方向である。
【0030】
図9に、図4のグループ分け操作履歴情報の決定GUI画面で保存ディレクトリを選択した際のサムネイル一覧表示を示す。基本的にはグループ分けの基準が撮影月から画像が保存されているディレクトリになっただけで、サムネイル一覧のGUI画面は殆ど変わらない。違うのは、グループ名表示が撮影月からディレクトリ名(502)に変更になっている点。それと、GUI画面の右上に表示した現在選択されている小ウインドウに対応するグループ名がディレクトリ名(501)で表示されている点である。
【0031】
更に、本発明では図10のような表示も可能である。図10は図4でグループ分けの基準として撮影月が選択された場合の表示例である。大きいウインドウ(601)内にはグループに対応した小ウインドウ(602)が表示され、小ウインドウ(602)はグループ分けの基準である撮影月の早い順に左から右、上から下の順で表示されている。
【0032】
代表画像表示ウインドウ(603)には各グループに対応した代表画像が表示され、代表画像と共に、対応するグループに含まれるトータル印刷枚数と対応するグループ名が表示されている。代表画像は各グループの中で一番印刷枚数の多い画像である。代表画像表示ウインドウ(603)内の代表画像は、対応するグループに含まれるトータル印刷枚数の多い順で左から右へ並んでいる。カーソル(604)を操作部材8で操作して代表画像表示ウインドウ(603)に表示された代表画像を選択することで、対応するグループの小ウインドウが選択状態になる。選択された小ウインドウは大きいウインドウ(601)上の見える範囲に表示され、選択されていない小ウインドウはグレーアウトされる。
【0033】
各グループ毎の表示領域である小ウインドウ(602)内の表示方法は図8の小ウインドウ(401)と同様なので説明を省略する。画面の右上には現在選択されている小ウインドウに対応するグループ名(605)が表示されている。右端のメニュー一覧には現在選択している画像に対して実行可能な機能が表示されていて、これもカーソル(606)を操作部材8で操作して選択することで実行可能である。
【0034】
図10では、代表画像表示ウインドウ(603)内での代表画像と小ウインドウ(602)内の各画像が印刷枚数順に表示され,大きいウインドウ(601)内での小ウインドウ(602)はグループ分けの基準の順に並んでいる。また、代表画像は各グループで最も印刷枚数の多い画像が選ばれている。しかし本発明はこれ限るものではなく、代表画像、小ウインドウ(602)、グループ内の各画像のうち少なくとも1つが印刷枚数順に並んでいるか、代表画像がグループ内での各画像の印刷枚数に基づいて選ばれていれば良い。これは本発明が図7で示したようにグループ分けをした後で印刷枚数を解析しているために可能なことであり、情報と印刷枚数に基づいた表示を適宜組み合わせることにより、ユーザはよりすばやく所望の画像を抽出することが可能になる。
【0035】
(実施例3)
画像の印刷には、1枚の用紙に1つの画像を印刷するいわゆる写真プリントや、1枚の用紙に複数の画像を印刷するインデックスプリント、文書の中に画像を埋め込んだものなど様々な方式がある。また、紙やDVD/CD−Rレーベル、OHPフィルム等、記録媒体も一様ではない。これらの印刷方式の違いによって、場合によっては印刷されたことがユーザーの意思を反映しているとはいえないものがある。例えば、1枚の写真用紙に1つの画像を印刷した写真プリントと、一枚の用紙に複数の画像を印刷したインデックスプリントでは、前者が鑑賞用、後者が見出し用と、目的が異なっている。後者のインデックスプリントで印刷された画像には、ユーザーが意識せずに印刷された画像もあり、印刷枚数が同じ1枚であってもユーザーの意思を反映する程度には大きな差があるといえる。
【0036】
このような目的、記録媒体等の印刷方式の違いに応じて、ユーザーの意思を反映していないと考えられる印刷方式での印刷は図7のS712〜S714、S722〜S724で解析する「印刷枚数」には含まない構成とすることができる。また、「印刷方式によらず全ての印刷枚数で画像を解析する」、「画像の解析に使うと設定された印刷方式の印刷枚数で画像を解析する」を選択可能な構成とすることもできる。
【0037】
この場合の印刷方式は、操作履歴情報の一つとして画像ファイルとは別に設けたファイルや画像ファイルのヘッダに記録されているものが利用できる。記録のされ方は印刷方式毎の印刷枚数が記録されていても、1枚の印刷毎の記録方式が記録されていてもよい。画像の解析に使う印刷方式はユーザーからの指示によって設定するか、あらかじめ設定しておくものとする。このとき、次のいずれの設定も可能である。印刷方式によらず全ての印刷枚数で画像を解析する、画像の解析に使う印刷方式を一つあるいは複数設定する、画像の解析に使わない印刷方式を1つあるいは複数設定する。GUI画面上に表示する画像を解析する際には、記録された印刷方式の情報から画像の解析に使うと設定された印刷方式の印刷枚数を算出し、それを用いて画像を整理する。例えば、「画像の解析に使うと設定された印刷方式で画像を解析する」とし、画像の解析に使う印刷方式を「写真プリント」と設定した場合、GUI画面で表示される画像の解析は写真プリントで印刷された枚数のみ反映される。インデックスプリント等の画像の解析に使うと設定されていない印刷方式での印刷枚数は反映されない。
【0038】
実施例3によれば、よりユーザーの意思を反映して素早く所望の画像を抽出することができる。
【0039】
なお、本発明のGUI画面表示はストレージ装置本体に取り付けられたディスプレイに限られたものではなく、ストレージ装置と通信可能なデジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ等のディスプレイに表示しても良い。また、カメラダイレクト プリント・ストレージ装置に限らず、画像を保存する記憶媒体を有する装置であればどの装置にも本発明を適用できる。
【0040】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0041】
本発明ではユーザーの意思を反映した数値として印刷枚数を用い、実施例1〜3では印刷枚数の多い順に画像を整理しているが、逆に印刷枚数の少ない順に整理しても良い。印刷枚数の少ない順に整理することで、未印刷の画像を優先して抽出できるなどのユーザーの意思を反映した抽出が可能となる。
【0042】
上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステムまたは装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0043】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0044】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0045】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が考えられる。また、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0046】
有線/無線通信を用いたプログラムの供給方法としては、次のような方法が考えられる。すなわち、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムそのもの、もしくはプログラムデータファイルを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータにプログラムデータファイルをダウンロードするような方法である。
【0047】
ここで、プログラムデータファイルは、本発明を形成するコンピュータプログラムを圧縮され自動インストール機能を含むファイル等も含む。
【0048】
この場合、プログラムデータファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに配置することも可能である。
【0049】
つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムデータファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるサーバ装置も本発明に含む。
【0050】
また、上述の実施形態の機能を実現するプログラムを暗号化し記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件を満たしたユーザに対して暗号化を解く鍵情報を、ネットワークを介してダウンロードさせることによって供給するような方法も考えられる。その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて本発明を実現することも可能である。
【0051】
コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。
【0052】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納される場合にも本発明に含まれる。また、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】カメラダイレクト プリント・ストレージシステムの構成を説明する図
【図2】実施例のダイレクト プリント・ストレージ装置のブロック図
【図3】画像ファイルとは別に設けたファイルに操作履歴情報を記録した際のファイルの一部分のイメージ図
【図4】グループ分けの要因となる操作履歴情報の設定画面
【図5】撮影日時でグループ分けされた際のサムネイル一覧を説明する図
【図6】保存されているディレクトリでグループ分けされた際のサムネイル一覧を説明する図
【図7】実施例1の装置内での画像表示に関わる処理フロー
【図8】実施例2の撮影月でグループ分けされた際のサムネイル一覧を説明する図
【図9】実施例2のディレクトリでグループ分けされた際のサムネイル一覧を説明する図
【図10】実施例2の撮影月でグループ分けされた際のサムネイル一覧の他の例を説明する図
【符号の説明】
【0054】
1 デジタルカメラ
2 ダイレクト プリント・ストレージ装置
3 USBケーブル
4 モード切替スイッチ
5 複合カードスロット
6 LCDモニタ
7 電源スイッチ
8 各種スイッチ
10 CPU
11 Flash Memoery
12 SDRAM
13 ヘッド・モータ制御IC
14 サーマルヘッド
15 モータドライバ
16 LCDドライバ
17 HDD
18 USB HUB
19 カードメモリコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部記録媒体あるいは外部記録媒体から画像と前記画像が印刷された枚数を示す印刷枚数情報を含む前記画像の属性情報とを読み込む読み込み手段と、
前記属性情報に基づいて前記画像をグループ分けするグループ分け手段と、
前記グループ分け手段によってグループ分けされたグループ毎に前記印刷枚数情報を解析する解析手段と、
前記グループ分けと前記解析手段の解析結果に基づいて画像あるいは画像に関する情報を表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする画像検索装置。
【請求項2】
前記属性情報は前記画像のファイルとは別ファイルに前記画像と関連付けて記録されている情報であることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記属性情報は前記画像に付加されたヘッダ情報であることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記画像検索装置は更に、前記グループ分け手段でグループ分けに用いる基準をユーザーに選択させる選択手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、各グループの代表画像として前記各グループに属する画像の中で最も印刷枚数の多い画像を表示することを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記グループ分けされた画像を各グループ毎に表示するためのグループ表示領域を用い、前記グループ表示領域を対応するグループに属する画像のトータル印刷枚数の多い順あるいは少ない順に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記グループ分け手段によってグループ分けされた各グループの代表画像を、前記各グループに含まれる画像のトータル印刷枚数の多い順あるいは少ない順に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記グループ分け手段によってグループ分けされた画像を各グループ内で印刷枚数の多い順あるいは少ない順に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記グループ分け手段によってグループ分けされたグループの代表画像と、前記グループに含まれる画像のトータル印刷枚数を示す情報との少なくとも一方を表示することを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
前記グループ分け手段によってグループ分けされた各グループに対応したタブウインドウを用いたグラフィカルユーザインターフェース画面を表示させるものであって、
タブウインドウのインデックス部分には対応するグループの代表画像と対応するグループに含まれる画像のトータル印刷枚数を示す情報との少なくとも一方を表示させ、
タブウインドウのウインドウ部分には対応するグループに含まれる画像を表示させ、
前記タブウインドウのインデックス部分を選択することによって対応するウインドウ部分を最前面に表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、
前記グループ分け手段によってグループ分けされた画像を各グループ毎に表示するためのグループ表示領域、前記グループ分けされた各グループの代表画像、前記グループ分けされた各グループに含まれる画像のうち少なくとも1つを印刷枚数に基づいて左から右、上から下に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、
表示領域、前記グループ分けされた各グループの代表画像、前記グループ分けされた各グループに含まれる画像のうち少なくとも1つを印刷枚数に基づいて奥行き方向にずらして積み上げた形に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項13】
前記解析手段は特定の印刷方式での印刷枚数情報に限って解析することを特徴とする請求項1記載の画像検索装置。
【請求項14】
内部記録媒体あるいは外部記録媒体から画像と前記画像が印刷された枚数を示す印刷枚数情報を含む前記画像の属性情報とを読み込む読み込み手段と、
前記属性情報に基づいて前記画像をグループ分けするグループ分け手段と、
前記グループ分け手段によってグループ分けされたグループ毎に前記印刷枚数情報を解析する解析手段と、
前記グループ分けと前記解析手段の解析結果に基づいて画像あるいは画像に関する情報を表示させる表示制御手段と、
前記画像を印刷させる印刷制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項15】
前記印刷制御手段は、前記表示制御手段により表示された前記画像を選択することで印刷が行える、あるいは印刷に係る操作を行えるようにすることを特徴とする請求項14記載の印刷制御装置。
【請求項16】
画像と前記画像の属性情報とを読み込む読み込みステップと、
前記属性情報に基づいて前記画像をグループ分けするグループ分けステップと、
前記属性情報のうち画像が過去に印刷された枚数を示す印刷枚数情報を前記グループ分けステップによってグループ分けされたグループ毎に解析する解析ステップと、
前記解析ステップの解析結果に基づいた表示をさせる表示制御ステップとを有することを特徴とする画像検索方法。
【請求項17】
コンピュータに、画像と前記画像の属性情報とを読み込む読み込みステップと、
前記属性情報に基づいて前記画像をグループ分けするグループ分けステップと、
前記属性情報のうち画像が過去に印刷された枚数を示す印刷枚数情報を前記グループ分けステップによってグループ分けされたグループ毎に解析する解析ステップとを実行させるための画像検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−304694(P2007−304694A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130165(P2006−130165)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】