説明

画像比較装置及び方法、並びにプログラム

【課題】符号化の際に適用される符号化パラメータが異なる場合でも、高精度な画像比較を実現することができるようにする。
【解決手段】コードブロックサイズ比較部108は、コードブロックサイズの包含関係を調べる。比較対象コードブロック決定部109は、コードブロックの包含関係に基づいて比較対象コードブロックを決定する。ゼロビットプレーン数比較部110は、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数を比較し、特定画像と比較対象コードストリームの画像の一致若しくは不一致を判定する。本発明は、例えば、画像比較装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像比較装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、符号化の際に適用される符号化パラメータが異なる場合でも、高精度な画像比較を実現することができるようにした画像比較装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば映像コンテンツの検索などの目的のために、特定画像を検索クエリとして、未知の映像コンテンツの中から特定画像と略々一致する画像を検索する技術が必要とされている。例えば、映像コンテンツから短時間フレーム毎に特徴量を抽出して特徴ベクトルを構成し、その特徴ベクトルと特定画像の特徴ベクトルとを比較することにより、映像コンテンツの中から特定画像と略々一致する画像を検索する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年、デジタルカメラやデジタルカムコーダといった商品の普及に伴い、画像が直接デジタルで撮影され、画像圧縮を施されて記録されることが多くなっている。また、テレビジョン番組をデジタル化した上で画像圧縮を施し、アーカイブとして保存することも行われている。さらに、2004年にデジタルシネマの規格化において画像圧縮方式としてJPEG2000方式が採用されることが決定され、多くの映画フィルムがデジタル化された上、JPEG2000方式に従って圧縮符号化されて利用される流れとなっている。
【0004】
そこで、今後は、特にJPEG2000方式に従って圧縮符号化された多数の画像から特定画像と略々一致する画像を検索するニーズが一層高まることが予想される。また、JPEG2000方式に従って圧縮符号化された映像コンテンツの中から特定画像と略々一致する画像を検索したりするニーズが一層高まることが予想される。しかしながら、特許文献1などの従来の技術では、検索前に画像や映像コンテンツを完全に復号する必要があるため、処理全体の演算量が多くなるという問題があった。
【0005】
このため、例えば、JPEG2000方式などに従って圧縮符号化された画像を完全に復号することなく、特定画像との一致判定や類似度判定を行う画像比較装置及びその方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、特許文献2には、JPEG2000方式などに従って圧縮符号化された映像コンテンツを完全に復号することなく、特定画像と略々一致する画像を検索する画像検索装置及びその方法、並びにプログラム及び記録媒体を開示している。
【0006】
この特許文献2に記載された技術においては、JPEG2000のコードストリームからコードブロック毎のゼロビットプレーン数を抽出する第1の特徴量抽出手段と、上記コードストリームから符号化パラメータを抽出する符号化パラメータ抽出手段と、上記符号化パラメータに基づいて、特定画像に対してウェーブレット変換及び量子化を施した後、量子化係数をコードブロックに分割し、コードブロック毎のゼロビットプレーン数を抽出する第2の特徴量抽出手段と、上記コードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数と、上記特定画像のコードブロック毎のゼロビットプレーン数とを同一位置のコードブロック同士で比較し、比較結果に応じて上記コードストリームと上記特定画像とが略々一致するか否かを判定する比較手段とを備えている。
【0007】
上記特許文献2に記載された技術によれば、JPEG2000方式などに従って圧縮符号化された映像コンテンツを完全に復号することなく、コードストリームと特定画像を比較することができる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−45565号公報
【特許文献2】特開2006−285615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、コードストリームから符号化パラメータを抽出して、そのパラメータに基づいて特定画像を圧縮符号化する必要があった。従って、両者間で解像度レベル数やコードブロックのサイズ等の符号化パラメータが異なると、ゼロビットプレーン数の一体一の対応が取れないために、比較ができなくなる恐れがあった。
【0010】
本発明は上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、解像度レベル数やコードブロックサイズ等の符号化パラメータが異なる画像同士でも、高精度な比較を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定する画像比較装置であって、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する符号化パラメータ特定手段と、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定する符号化パラメータ設定手段と、前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、前記符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記符号化パラメータ設定手段により設定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する判定手段とを備える画像比較装置である。
【0012】
前記符号化パラメータはコードブロックサイズを含み、前記符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、前記符号化パラメータ設定手段は、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズを設定し、前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズと、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズとを比較し、前記第1のコードストリームのコードブロックと、前記第2のコードストリームのコードブロックとの包含関係を特定し、前記判定手段は、前記包含関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行うことができる。
【0013】
前記符号化パラメータは、ウェーブレット変換の分割レベル数を含み、前記符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数を特定し、前記符号化パラメータ設定手段は、前記第2のコードストリームの分割レベル数を設定し、前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数と、前記第2のコードストリームの分割レベル数とを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンドを特定し、前記判定手段は、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンド内の互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行うことができる。
【0014】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが所定の閾値以上存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定することができる。
【0015】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上であるコードブロックが存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定することができる。
【0016】
本発明の一側面は、また、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定する画像比較装置の画像比較方法であって、前記画像比較装置の符号化パラメータ特定手段が、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、前記画像比較装置の第1のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、前記画像比較装置の符号化パラメータ設定手段が、前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定し、前記画像比較装置の第2のゼロビットプレーン数検出手段が、前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、前記画像比較装置の符号化パラメータ比較手段が、特定された前記符号化パラメータと、設定された前記符号化パラメータとを比較し、前記画像比較装置の判定手段が、比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で検出された前記ゼロビットプレーン数を比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する画像比較方法である。
【0017】
本発明の一側面は、さらに、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定するコンピュータを、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する符号化パラメータ特定手段と、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定する符号化パラメータ設定手段と、前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、前記符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記符号化パラメータ設定手段により設定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する判定手段として機能させるプログラムである。
【0018】
本発明の他の側面は、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定する画像比較装置であって、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第1の符号化パラメータ特定手段と、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第2の符号化パラメータ特定手段と、前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、前記第1の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記第2の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する判定手段とを備える画像比較装置である。
【0019】
前記符号化パラメータはコードブロックサイズを含み、前記第1の符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、前記第2の符号化パラメータ特定手段は、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズと、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズとを比較し、前記第1のコードストリームのコードブロックと、前記第2のコードストリームのコードブロックとの包含関係を特定し、前記判定手段は、前記包含関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行うことができる。
【0020】
前記符号化パラメータは、ウェーブレット変換の分割レベル数を含み、前記第1の符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数を特定し、前記第2の符号化パラメータ特定手段は、前記第2のコードストリームの分割レベル数を特定し、前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数と、前記第2のコードストリームの分割レベル数とを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンドを特定し、前記判定手段は、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンド内の互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行うことができる。
【0021】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが所定の閾値以上存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定することができる。
【0022】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上であるコードブロックが存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定することができることができる。
【0023】
本発明の他の側面は、また、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定する画像比較装置の画像比較方法であって、前記画像比較装置の第1の符号化パラメータ特定手段が、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、前記画像比較装置の第1のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、前記画像比較装置の第2の符号化パラメータ特定手段が、前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、前記画像比較装置の第2のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、前記画像比較装置の符号化パラメータ比較手段が、特定された前記符号化パラメータと、特定された前記符号化パラメータとを比較し、前記画像比較装置の判定手段が、比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で前記ゼロビットプレーン数を比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する画像比較方法である。
【0024】
本発明の他の側面は、さらに、画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定するコンピュータを、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第1の符号化パラメータ特定手段と、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第2の符号化パラメータ特定手段と、前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、前記第1の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記第2の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する判定手段として機能させるプログラムである。
【0025】
本発明の一側面においては、第1のコードストリームが解析され、第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータが特定され、第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数が検出され、特定画像がJPEG2000方式に従って符号化され、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータが設定され、特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数が検出され、特定された符号化パラメータと、設定された符号化パラメータとが比較され、比較され、特定された互いの符号化パラメータの関係に従って、第1のコードストリームと第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で検出されたゼロビットプレーン数が比較され、ゼロビットプレーン数が一致する場合、第1のコードストリームの符号化前の画像が特定画像と一致すると判定され、ゼロビットプレーン数が一致しない場合、第1のコードストリームの符号化前の画像が特定画像と一致しないと判定される。
【0026】
本発明の他の側面においては、第1のコードストリームが解析され、第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータが特定され、第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数が検出され、第2のコードストリームが解析され、第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータが特定され、第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数が検出され、特定された符号化パラメータと、特定された符号化パラメータとが比較され、比較され、特定された互いの符号化パラメータの関係に従って、第1のコードストリームと第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士でゼロビットプレーン数が比較され、ゼロビットプレーン数が一致する場合、第1のコードストリームと第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定され、ゼロビットプレーン数が一致しない場合、第1のコードストリームと第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、画像を比較ことができる。特に、解像度レベル数やコードブロックサイズ等の符号化パラメータが異なる画像同士でも、高精度な比較を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】JPEG2000コードストリームのデータベースに対する特定画像の検索を説明するための図である。
【図2】JPEG2000方式におけるウェーブレット変換処理後のサブバンドの一例を示す図である。
【図3】同一位置にあるコードブロック同士の比較を説明するための図である。
【図4】特許文献2(特開2006−285615号公報)に記載された画像比較装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】コードブロックとビットプレーンとの関係を示す図である。
【図6】本発明を適用した画像比較装置の主な構成例を示すブロック図である。
【図7】コードブロックの包含関係の例を示す図である。
【図8】コードブロックの包含関係の例を示す図である。
【図9】コードブロックサイズが異なる場合のゼロビットプレーンの比較の様子の例を説明する図である。
【図10】比較処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図11】比較処理の流れの例を説明する、図10に続くフローチャートである。
【図12】比較処理の流れの例を説明する、図11に続くフローチャートである。
【図13】本発明を適用した画像比較装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図14】比較処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。
【図15】比較処理の流れの、他の例を説明する、図14に続くフローチャートである。
【図16】比較処理の流れの、他の例を説明する、図15に続くフローチャートである。
【図17】本発明を適用した画像比較装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
【図18】解像度レベル数が異なる場合の同定の様子の例を説明する図である。
【図19】比較処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。
【図20】比較処理の流れの、さらに他の例を説明する、図19に続くフローチャートである。
【図21】比較処理の流れの、さらに他の例を説明する、図20に続くフローチャートである。
【図22】本発明を適用したパーソナルコンピュータの主な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(画像比較装置:コードブロックサイズが異なる場合の特定画像とコードストリームの比較)
2.第2の実施の形態(画像比較装置:コードブロックサイズが異なる場合のコードストリーム同士の比較)
3.第3の実施の形態(画像比較装置:解像度レベルが異なる場合のコードストリーム同士の比較)
4.第4の実施の形態(パーソナルコンピュータ)
【0030】
<1.第1の実施の形態>
[画像検索の概要]
本発明は、画像検索を行うシステム、例えば図1に示されるように、データベースDBに記憶保持されているJPEG2000(Joint Photographic Experts Group 2000)コードストリームの中から、特定画像QUと同一の画像Dを検索するシステムにおいて、JPEG2000コードストリームの画像と、特定画像とを比較し、同定する装置に関する。
【0031】
最初に画像比較の概要を説明する。
【0032】
JPEG2000コードストリームは、画像データがJPEG2000方式で符号化されて得られるコードストリーム(符号化データ)である。JPEG2000方式の符号化においては、ウェーブレット変換が採用されている。
【0033】
ウェーブレット変換は、画像の垂直方向と水平方向に対して、画像データを低域成分と高域成分に分ける分析フィルタリング処理を行う。つまり、分析フィルタリング処理は、画像データを、水平方向および垂直方向に高域な成分(HH)と、水平方向に高域で垂直方向に低域な成分(HL)と、水平方向に低域で垂直方向に高域な成分(LH)と、水平方向および垂直方向に低域な成分(LL)の4つの成分(サブバンド)に分割する。
【0034】
なお、各成分(サブバンド)に含まれるウェーブレット係数(係数データ)は、その帯域の画像データでもある。ウェーブレット変換では、このような分析フィルタリング処理が、分析フィルタリング処理により得られた水平方向および垂直方向に低域な成分(LL)に対して、再帰的に所定回数繰り返される。つまり、分析フィルタリング処理がN回繰り返し行われることにより、N階層のサブバンドに分けられた係数データが得られる。
【0035】
図2は、3回分析フィルタリング処理を行う場合のウェーブレット変換結果の例を示す図である。図2に示されるように、この場合、3階層10個のサブバンドが生成される。このサブバンドの階層数を分割レベル数と称する。つまり、図2の例の場合、分割レベル数は3である。上述したように、分析フィルタリング処理は、水平方向および垂直方向に低域な成分(LL)に対して再帰的に実行されるので、1階層目の水平方向および垂直方向に低域な成分(1LL)と、2階層目の水平方向および垂直方向に低域な成分(2LL)は、さらに分割されている。
【0036】
上述したように、各サブバンドの係数データは、画像データでもあり、図2に示されるように、そのエネルギーの多くが低域成分に集中する。つまり、ベースバンドの画像データは、ウェーブレット変換により、より低域な成分(より狭い範囲に)その多くのエネルギーを集中させることができる。JPEG2000方式の符号化は、このようなウェーブレット変換を行うことにより、符号化効率を向上させることができる。
【0037】
通常、ウェーブレット変換は、低域フィルタと高域フィルタから構成されるフィルタバンクを用いて実現される。この低域フィルタおよび高域デジタルフィルタは、通常複数タップ長のインパルス応答(フィルタ係数)により実現されるので、フィルタリングが行えるだけの入力画像を予めバッファリングするバッファも必要になる。
【0038】
JPEG2000方式の符号化においては、このようなサブバンド毎の係数データが、さらに小さな領域であるコードブロック毎に分割される。さらに、そのコードブロック毎の係数データは、ビットの位毎のビットプレーンに展開される。
【0039】
ビットプレーンは、コードブロック毎の係数データを、ビット深度方向に1ビット毎、つまり位毎に分割(スライス)したものである。つまり、ビットプレーンは、コードブロック内係数データの互いに同一の位のビット(係数ビット)の集合である。
【0040】
つまり、各係数データのビット深度がMビットとすると、コードブロック毎の係数データは、M枚の絶対値のビットプレーンと、1枚の符号のビットプレーンとに展開される。ここで、絶対値のビットプレーンの要素(係数データの中の1ビット)は全て「0」か「1」の値をとる。また、符号を示すビットプレーンの要素は、係数の値が正であることを示す値、係数の値が0であることを示す値、または係数の値がマイナスを示す値のいずれかをとる。
【0041】
ところで、一般的に、所定のビット深度の係数データにおいて、その上位ビットの値は「0」になりやすい。MSB側から連続する、全要素の値が「0」のビットプレーンをゼロビットプレーンと称する。
【0042】
2つの画像が一致する場合、各係数データの値は互いに同一となる。つまり、位置が同じコードブロック同士のゼロビットプレーン数も一致する。
【0043】
本発明の画像比較装置は、図3に示されるように、特定画像と、JPEG2000コードストリームとで、互いに同じ位置のコードブロック同士のゼロビットプレーン数を比較することにより、一致判定を行う。
【0044】
[従来の画像比較装置の構成]
次に、従来の画像比較装置について説明する。図4は、特許文献2(特開2006−285615号公報)に記載された画像比較装置の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
図4に示されるように、従来の画像比較装置10の符号化パラメータ抽出部11は、入力される比較対象コードストリーム(矢印20)から符号化パラメータを抽出する。ウェーブレット変換部13は、その符号化パラメータを用いて(矢印22)、入力される特定画像(矢印23)をウェーブレット変換する。
【0046】
量子化部14は、その符号化パラメータを用いて(矢印22)、ウェーブレット係数(矢印24)を量子化する。コードブロック化部15は、その符号化パラメータを用いて(矢印22)、量子化係数(矢印25)をコードブロックに分割する(コードブロック化する)。
【0047】
ゼロビットプレーン数検出部12は、入力される比較対象コードストリーム(矢印20)から、比較するコードブロックのゼロビットプレーン数を求める。ゼロビットプレーン数検出部16は、コードブロック毎の係数データ(矢印26)から、比較するコードブロックのゼロビットプレーン数を求める。
【0048】
ゼロビットプレーン数比較部17は、比較対象コードストリームのコードブロックのゼロビットプレーン数(矢印21)と、特定画像のコードブロックのゼロビットプレーン数(矢印27)とを比較し、その比較結果に基づいて、比較対象コードストリームと特定画像が一致するか否かを判定する。
【0049】
JPEG2000規格では、量子化ステップサイズ△bは、以下の式(1)によって算出される。式(1)において、Rbは画像信号のダイナミックレンジ、bはサブバンド、εbは指数値、μbは仮数値を示す。同様に、最大許容ビットプレーン数Mbは式(2)によって求められる。
【0050】
=2Rb−εb(1+μ/211) ・・・(1)
=G+εb−1 ・・・(2)
【0051】
これより、量子化ステップサイズの値が変われば、その因子の1つであるεが変わるので、Mの値も変わる。従って、JPEG2000エンコード時の量子化パラメータの値の違いによって、全ビットプレーン数が変化することになる。
【0052】
図5はウェーブレット変換後に生成されるサブバンド、コードブロック、ビットプレーンの関係を図示したものである。コードブロックのサイズは通常64×64または32×32であるが、図では説明の都合上4×3としている。量子化係数値は、符号(±)と絶対値情報とに分けられ、後者は2進数表現によって生成されるビットプレーンに展開される。
【0053】
上述したように、MSB(Most Significant Bit)からLSB(Least Significant Bit)に至るビットプレーンの中で、MSBから連続する、全ての要素の値が「0」であるビットプレーンをゼロビットプレーンと称する。従って図5の例の場合、ゼロビットプレーン数は、「2」である。
【0054】
以上のような従来の方法では、互いに同じ位置のコードブロックを1つずつ比較するので、その比較するコードブロックの大きさが、比較対象コードストリームと特定画像とで互いに同一でなければならなかった。
【0055】
しかしながら、特定画像のコードブロックのサイズを、比較対象コードストリームのコードブロックサイズと一致させることが望ましくない場合も考えられる。例えば、画像比較後に特定画像をJPEG2000方式で符号化する場合、その用途等によっては、比較対象コードストリームのコードブロックサイズが特定画像にとって最適なサイズとならないことも考えられる。そのような場合、画像比較用に特定画像を、比較対象コードストリームのコードブロックサイズでコードブロック化した後、改めて、符号化用に特定画像を所望のコードブロックサイズでコードブロック化しなければならず、処理が煩雑になる恐れもあった。
【0056】
[画像比較装置の構成]
図6は、本発明を適用した画像比較装置の主な構成例を示すブロック図である。
【0057】
図6に示される画像比較装置100は、画像比較装置10と同様に、特定画像をJPEG2000方式で符号化した場合に得られるコードストリームにおける、コードブロック毎のゼロビットプレーン数と、比較対象コードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数とを比較し、両者が一致するか否かによって、比較対象コードストリームの符号化前の画像が特定画像と一致するか否かを判定する装置である。
【0058】
ただし、画像比較装置100は、比較対象コードストリームの符号化パラメータを用いずに特定画像のゼロビットプレーン数を算出する。つまり、特定画像がJPEG2000方式で符号化されるときに使用される符号化パラメータと、比較対象コードストリームが生成された時の符号化パラメータは互いに独立している。したがって、これらの符号化パラメータは、その値が互いに異なることも考えられる。
【0059】
例えば、比較対象コードストリームと特定画像とで符号化パラメータを共有しないので、コードブロックサイズが互いに異なる場合も考えられる。画像比較装置100は、両者のコードブロックの包含関係を求め、その関係に従って比較するコードブロックを決定することにより、このような場合であっても、比較対象コードストリームと特定画像〜生成されるコードストリームのビットプレーン数を適切に比較することができる。
【0060】
なお、コードブロック毎のゼロビットプレーン数が得られれば良いので、画像比較装置100は、実際には、特定画像を最後まで符号化しない。より具体的に説明すると、通常のJPEG2000方式の場合、画像データは、ウェーブレット変換され、量子化され、コードブロック化され、ビットプレーン展開され、エントロピ符号化される。これに対して、画像比較装置100は、後述するように、エントロピ符号化の前で特定画像の符号化をやめる。
【0061】
図6に示されるように、画像比較装置100は、ウェーブレット変換部101、量子化部102、コードブロック化部103、ビットプレーン展開部104、およびゼロビットプレーン数検出部105を有する。
【0062】
ウェーブレット変換部101は、入力される特定画像の画像データ(矢印121)を、ウェーブレット変換する。量子化部102は、ウェーブレット変換部101により生成されたウェーブレット係数(矢印122)を量子化する。
【0063】
コードブロック化部103は、量子化部102により生成された量子化係数(矢印123)を所定のコードブロックサイズでコードブロック化する。コードブロック化部103は、このコードブロックサイズをコードブロックサイズ比較部108に通知する。つまり、コードブロック化部103は、特定画像をJPEG2000方式で符号化する際のコードブロックサイズを設定する。
【0064】
ビットプレーン展開部104は、コードブロック化部103により生成されたコードブロック(矢印124)をビットプレーン展開する。
【0065】
ゼロビットプレーン数検出部105は、ビットプレーン展開部104において展開されたビットプレーン(矢印126)に含まれるゼロビットプレーンを数え、各コードブロックのゼロビットプレーン数を算出する。つまり、ゼロビットプレーン数検出部105は、特定画像がJPEG2000方式に従って得られるコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する。
【0066】
また、画像比較装置100は、コードストリーム解析部106およびゼロビットプレーン数検出部107を有する。
【0067】
コードストリーム解析部106は、入力される比較対象コードストリーム(矢印131)を解析し、コードブロックサイズを調べる。つまり、コードストリーム解析部106は、比較対象コードストリームのコードブロックサイズを特定する。
【0068】
ゼロビットプレーン数検出部107は、比較対象コードストリーム(矢印132)のコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する。JPEG2000方式の場合、係数データはビットプレーン毎に符号化される。したがって、ゼロビットプレーン数検出部107は、比較対象コードストリームのビットプレーン毎の値を解析することにより、ゼロビットプレーンを特定することができる。ゼロビットプレーン数検出部107は、そのゼロビットプレーンを数える。なお、ヘッダ等にゼロビットプレーン数が記述されている場合、ゼロビットプレーン数検出部107がその情報を利用するようにしてもよい。
【0069】
さらに、画像比較装置100は、コードブロックサイズ比較部108、比較対象コードブロック決定部109、およびゼロビットプレーン数比較部110を有する。
【0070】
コードブロックサイズ比較部108は、コードブロック化部103が特定画像の量子化係数をコードブロック化した時のコードブロックサイズ(矢印125)と、コードストリーム解析部106により調べられた比較対象コードストリームのコードブロックサイズ(矢印133)とを比較し、その包含関係を特定する。
【0071】
比較対象コードブロック決定部109は、コードブロックサイズ比較部108により特定されたコードブロックの包含関係(矢印141)に基づいて、比較するコードブロックである比較対象コードブロックを決定する。
【0072】
ゼロビットプレーン数比較部110は、その決定(矢印142)に従って、比較対象コードブロックについて、特定画像のゼロビットプレーン数(矢印127)と、比較対象コードストリームのゼロビットプレーン数(矢印134)とを比較する。なお、このようにゼロビットプレーン数を比較するコードブロック(比較対象コードブロック)は、特定画像および比較対象コードストリームの全てのコードブロックであってもよいし、一部のコードブロックであってもよい。
【0073】
ゼロビットプレーン数比較部110は、その比較結果に従って特定画像と比較対象コードストリームとが一致するか否かを判定し、その判定結果を出力する(矢印143)。ゼロビットプレーン数比較部110は、比較したコードブロック全てにおいて、ゼロビットプレーン数が特定画像と比較対象コードストリームとで一致する場合、特定画像と比較対象コードストリームとが一致すると判定する。逆に、ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが1つでも存在する場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、特定画像と比較対象コードストリームとが一致しないと判定する。
【0074】
[コードブロック包含関係]
コードブロックの包含関係の例について説明する。例えば、一方のコードブロックサイズが128×32であり、他方のコードブロックサイズが32×32であるとする。この場合、128×32のコードブロックに含まれる同位置のコードブロックは32×32の4個分になる。つまり、図7に示されるように、1個のX0に対して、水平方向に並ぶY0、Y1、Y2、およびY3が対応することになる。
【0075】
また、例えば、一方のコードブロックサイズが64×64であり、他方のコードブロックサイズが32×32であるとする。この場合、64×64のコードブロックに含まれる同位置のコードブロックは32×32の4個分になる。つまり、図8に示されるように、1個のX0に対して、垂直・水平に2つずつ並ぶ、Y0、Y1、Y2、およびY3が対応することになる。
【0076】
コードブロックサイズ比較部108は、コードブロックサイズを比較することにより、このようなコードブロックの包含関係を調べる。
【0077】
比較対象コードブロック決定部109は、この包含関係に従って、比較対象コードブロックを決定する。例えば、図7の例の場合、一方の比較対象コードブロックとしてX0を決定した場合、X0に対応するY0乃至Y3を他方の比較対象コードブロックとして決定する。
【0078】
[ゼロビットプレーン比較]
次に、このようにコードブロックサイズが互いに異なる場合のゼロビットプレーン比較の様子の例を図9を参照して説明する。
【0079】
図9に示されるように、コードブロックY0乃至Y3のゼロビットプレーン数(ZBP)をそれぞれ1、3、2、4とする。また、コードブロックX0のゼロビットプレーン数(ZBP)を1とする。
【0080】
JPEG2000のビットプレーン展開の性質上、最も有意の係数があるビットプレーンは変わらない。従って、コードブロックサイズが特定画像と比較対象コードストリームとで異なる場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、コードブロックサイズが大きい方の1個のコードブロックのゼロビットプレーン数と、コードブロックサイズが小さい方の複数個のコードブロック内で1番ゼロビットプレーン数が小さい値とを比較すれば良い。
【0081】
[比較処理の流れ]
次に、図10乃至図12のフローチャートを参照して、以上のような画像の比較処理の流れの例を説明する。
【0082】
画像比較装置100に、画像を比較する特定画像と比較対象コードストリームとが入力されると比較処理が開始される。比較処理が開始されると、ウェーブレット変換部101は、ステップS101において、特定画像をウェーブレット変換する。ステップS102において、量子化部102は、係数データを量子化する。
【0083】
ステップS103において、コードブロック化部103は、係数データを所定のコードブロックサイズでコードブロック化する。ステップS104において、ビットプレーン展開部104は、コードブロック毎の係数データをビットプレーン展開する。ステップS105において、ゼロビットプレーン数検出部105は、特定画像の各コードブロックゼロビットプレーン数を検出する。
【0084】
ステップS106において、コードストリーム解析部106は、比較対象コードストリームを解析し、コードブロックサイズを調べる。コードブロックサイズは例えばコードストリームのヘッダ等に記述されている。ステップS107において、ゼロビットプレーン数検出部107は、比較対象コードストリームの各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0085】
ステップS108において、コードブロックサイズ比較部108は、ステップS103の処理において採用された特定画像のコードブロックサイズと、ステップS106において調べられた比較対象コードストリームのコードブロックサイズとを比較する。
【0086】
ステップS109において、コードブロックサイズ比較部108は、コードブロックサイズが一致したか否かを判定し、一致していないと判定された場合、図11のステップS121に処理を進める。
【0087】
図11のステップS121において、コードブロックサイズ比較部108は、特定画像と比較対象コードストリームとの間の、コードブロックの包含関係を決定する。ステップS122において、比較対象コードブロック決定部109は、ステップS121において決定されたコードブロックの包含関係に従って、ゼロビットプレーン数を比較するコードブロックである比較対象コードブロックを特定する。
【0088】
ステップS123において、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数を比較する。ステップS124において、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数が、特定画像と比較対象コードストリームにおいて一致したか否かを判定する。一致しなかったと判定された場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、処理をステップS125に進め、特定画像と比較対象コードストリームとが不一致であると判定する。不一致との判定結果を出力すると、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較処理を終了する。
【0089】
また、図11のステップS124において、特定画像と比較対象コードストリームにおいて、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数が一致したと判定された場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、処理をステップS126に進める。ステップS126において、比較対象コードブロック決定部109は、比較予定のコードブロックがまだ他に存在するか否かを判定する。
【0090】
比較予定のコードブロックが存在すると判定された場合、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS127に進め、ステップS121の処理により決定されたコードブロックの包含関係に従って比較対象コードブロックを変更する。比較対象コードブロックが変更されると、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS123に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0091】
以上のように、比較対象コードブロック決定部109およびゼロビットプレーン数比較部110は、ステップS123乃至ステップS127の処理を繰り返し、全ての比較予定のコードブロックを比較する。途中ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが発見された場合、ステップS125の処理により不一致と判定され、比較処理が終了される。
【0092】
不一致判定が行われず、ステップS126において、比較予定のコードブロックが他に存在しないと判定された場合、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS128に進める。ステップS128において、ゼロビットプレーン数比較部110は、特定画像と比較対象コードストリームとが一致すると判定する。一致との判定結果を出力すると、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較処理を終了する。
【0093】
また、図10のステップS109において、コードブロックサイズが一致したと判定された場合、コードブロックサイズ比較部108は、図12のステップS141に処理を進める。
【0094】
この場合、従来と同様にゼロビットプレーン数の比較が行われる。
【0095】
つまり、図12のステップS141において、比較対象コードブロック決定部109は、ゼロビットプレーン数を比較するコードブロックである比較対象コードブロックを特定する。
【0096】
ステップS142において、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数を比較する。ステップS143において、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数が、特定画像と比較対象コードストリームにおいて一致したか否かを判定する。一致しなかったと判定された場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、処理をステップS144に進め、特定画像と比較対象コードストリームとが不一致であると判定する。不一致との判定結果を出力すると、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較処理を終了する。
【0097】
また、図12のステップS143において、特定画像と比較対象コードストリームにおいて、比較対象コードブロックのゼロビットプレーン数が一致したと判定された場合、ゼロビットプレーン数比較部110は、処理をステップS145に進める。ステップS145において、比較対象コードブロック決定部109は、比較予定のコードブロックがまだ他に存在するか否かを判定する。
【0098】
比較予定のコードブロックが存在すると判定された場合、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS146に進め、比較対象コードブロックを変更する。比較対象コードブロックが変更されると、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS142に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0099】
以上のように、比較対象コードブロック決定部109およびゼロビットプレーン数比較部110は、ステップS142乃至ステップS146の処理を繰り返し、全ての比較予定のコードブロックを比較する。途中ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが発見された場合、ステップS144の処理により不一致と判定され、比較処理が終了される。
【0100】
不一致判定が行われず、ステップS145において、比較予定のコードブロックが他に存在しないと判定された場合、比較対象コードブロック決定部109は、処理をステップS147に進める。ステップS147において、ゼロビットプレーン数比較部110は、特定画像と比較対象コードストリームとが一致すると判定する。一致との判定結果を出力すると、ゼロビットプレーン数比較部110は、比較処理を終了する。
【0101】
以上のようにコードブロックの包含関係を調べ、その包含関係に従って比較対象コードブロックを決定し、ゼロビットプレーン数の比較を行うことにより、画像比較装置100は、特定画像と比較対象コードストリームとでコードブロックサイズが異なっていても、より容易かつ高精度に、画像の同定を行うことができる。
【0102】
つまり、このような画像比較装置100を図1を参照して説明したような画像検索システムに適用することにより、ユーザは、より容易かつ高精度に画像検索を行うことができる。
【0103】
なお、以上においては、ゼロビットプレーン数が互いに異なるコードブロックが1つでも存在する場合、特定画像と比較対象コードストリームが不一致であると判定するように説明したが、この不一致判定の基準は任意である。例えば、ロバスト性を向上させ、ノイズ等による誤判定を抑制するように、ゼロビットプレーン数が互いに異なるコードブロックの数が所定の閾値以上に達する場合、特定画像と比較対象コードストリームが不一致であると判定するようにしてもよい。
【0104】
また、例えば、ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上あるコードブロックが1つでも存在する場合、特定画像と比較対象コードストリームが不一致であると判定するようにしてもよい。
【0105】
これらのようにすることにより、画像比較装置は、ゼロビットプレーン数の違いをある程度許容することができ、完全に同一でなくても類似度の高い画像を一致判定することができる。
【0106】
もちろん複数の条件を組み合わせることも可能である。例えば、ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上あるコードブロックの数が所定の閾値以上に達する場合、特定画像と比較対象コードストリームが不一致であると判定するようにしてもよい。また、例えば、ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上あるコードブロックの数が1つでも存在する場合、若しくは、ゼロビットプレーン数が互いに異なるコードブロックの数が所定の閾値以上に達する場合、特定画像と比較対象コードストリームが不一致であると判定するようにしてもよい。
【0107】
<2.第2の実施の形態>
[画像比較装置の構成]
また、以上においては、画像比較装置100が、ベースバンドの特定画像と、符号化された比較対象コードストリームとを比較するように説明したが、これに限らず、例えば、コードストリーム同士を比較するようにしてもよい。
【0108】
図13は、本発明を適用した画像比較装置の他の構成例を示すブロック図である。
【0109】
図13に示される画像比較装置200は、特定画像が符号化された特定コードストリームと比較対象コードストリームとを比較し、一致不一致の判定を行う。
【0110】
図13に示されるように、画像比較装置200は、基本的に図6に示される画像比較装置100と同様の構成を有する。ただし、画像比較装置200には、特定画像の代わりに特定コードストリームが入力されるので、画像比較装置100のウェーブレット変換部101乃至コードブロック化部103の代わりにコードストリーム解析部201を有する。
【0111】
コードストリーム解析部201は、コードストリーム解析部106と同様に、入力される特定コードストリーム(矢印221)を解析し、コードブロックサイズを調べる。ゼロビットプレーン数検出部105は、特定コードストリーム(矢印222)の各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0112】
コードブロックサイズ比較部108は、コードストリーム解析部201により調べられた特定コードストリームのコードブロックサイズ(矢印223)と、コードストリーム解析部106により調べられた比較対象コードストリームのコードブロックサイズ(矢印133)とを比較し、その包含関係を調べる。
【0113】
[比較処理の流れ]
次に、図14乃至図16のフローチャートを参照して、この場合の比較処理の流れの例を説明する。この場合も、図10乃至図12を参照して説明した第1の実施の形態の場合と基本的に同様の処理が行われる。
【0114】
ただし、図10のステップS101乃至ステップS105の処理の代わりに、図14のステップS201およびステップS202の処理が行われる。
【0115】
ステップS201において、コードストリーム解析部201は、特定コードストリームを解析し、コードブロックサイズを調べる。コードブロックサイズは例えばコードストリームのヘッダ等に記述されている。
【0116】
ステップS202において、ゼロビットプレーン数検出部105は、特定コードストリームの各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0117】
図14のステップS203乃至ステップS206の各処理は、図10のステップS106乃至ステップS109の各処理と同様に行われる。ただし、図14のステップS205において、コードブロックサイズ比較部108は、ステップS201において調べられた特定コードストリームのコードブロックサイズと、ステップS203において調べられた比較対象コードストリームのコードブロックサイズとを比較する。
【0118】
また、ステップS206において、特定コードストリームと比較対象コードストリームとで、コードブロックサイズが一致してないと判定された場合、コードブロックサイズ比較部108は、処理を図15のステップS221に進める。
【0119】
図15のステップS221乃至ステップS228の各処理は、図11のステップS121乃至ステップS128の各処理と同様に実行される。
【0120】
また、図14のステップS206において、特定コードストリームと比較対象コードストリームとで、コードブロックサイズが一致すると判定された場合、コードブロックサイズ比較部108は、処理を図16のステップS241に進める。
【0121】
図16のステップS241乃至ステップS247の各処理は、図12のステップS141乃至ステップS147の各処理と同様に実行される。
【0122】
つまり、この場合、従来と同様にゼロビットプレーン数の比較が行われる。
【0123】
以上のように、画像比較装置200は、特定コードストリームと比較対象コードストリームとのコードブロックの包含関係を調べ、その包含関係に従って比較対象コードブロックを決定し、ゼロビットプレーン数の比較を行う。このようにすることにより、画像比較装置200は、特定コードストリームと比較対象コードストリームとでコードブロックサイズが異なっていても、より容易かつ高精度に、画像の同定を行うことができる。
【0124】
つまり、画像比較装置200は、JPEG2000方式で符号化されたコードストリーム同士を比較し、両者の画像の一致若しくは不一致を判定することができる。そしてこのような画像比較装置200を、図1を参照して説明したような画像検索システムに適用することにより、ユーザは、より容易かつ高精度に画像検索を行うことができる。
【0125】
なお、画像比較装置200の場合も、画像比較装置100の場合と同様に、画像の不一致判定の基準は任意である。
【0126】
<3.第3の実施の形態>
[画像比較装置の構成]
以上においては、符号化パラメータのコードブロックサイズが互いに異なる場合の画像比較について説明したが、コードブロックサイズ以外の符号化パラメータが変化する場合も、上述したようなより容易かつ高速な画像比較を行うことができる。
【0127】
例えば、ウェーブレット変換の解像度レベル数(分割レベル数)が互いに異なるコードストリーム同士において画像比較を行うようにしてもよい。
【0128】
図17は、本発明を適用した画像比較装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
【0129】
図17に示される画像比較装置300は、互いに解像度レベル数が異なるウェーブレット変換が施された特定コードストリームと比較対象コードストリームとを比較し、一致不一致の判定を行う。なお、以下においては、特定コードストリームと比較対象コードストリームとでコードブロックサイズは互いに等しいものとする。
【0130】
図17に示されるように、画像比較装置300は、基本的に図13に示される画像比較装置300と同様の構成を有する。ただし、画像比較装置300は、画像比較装置200のコードストリーム解析部201の代わりにコードストリーム解析部301を有する。
【0131】
コードストリーム解析部301は、入力される特定コードストリーム(矢印321)を解析し、解像度レベルを調べる。ゼロビットプレーン数検出部105は、特定コードストリーム(矢印322)の各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0132】
また、画像比較装置300は、画像比較装置200のコードストリーム解析部106の代わりにコードストリーム解析部306を有する。
【0133】
コードストリーム解析部306は、入力される比較対象コードストリーム(矢印131)を解析し、解像度レベルを調べる。ゼロビットプレーン数検出部107は、比較対象コードストリーム(矢印132)の各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0134】
さらに、画像比較装置300は、画像比較装置200のコードブロックサイズ比較部108の代わりに、解像度レベル比較部308を有する。解像度レベル比較部308は、コードストリーム解析部301により調べられた特定コードストリームの解像度レベル(矢印323)と、コードストリーム解析部306により調べられた比較対象コードストリームの解像度レベル(矢印333)とを比較し、共通するサブバンドを調べる。
【0135】
比較対象コードブロック決定部109は、解像度レベル比較部308により検出された、特定コードストリームと比較対象コードストリームに共通する解像度レベル(サブバンド)において(矢印341)、ゼロビットプレーン数を比較する比較対象コードブロックを決定する。
【0136】
ゼロビットプレーン数比較部110は、その決定(矢印142)に従って、比較対象コードブロックについて、特定画像のゼロビットプレーン数(矢印127)と、比較対象コードストリームのゼロビットプレーン数(矢印134)とを比較する。
【0137】
ゼロビットプレーン数比較部110は、その比較結果に従って特定画像と比較対象コードストリームとが一致するか否かを判定し、その判定結果を出力する(矢印143)。
【0138】
[解像度レベル]
図18は、解像度レベル数が異なる場合の同定の様子の例を説明する図である。
【0139】
例えば、図18に示されるように、特定コードストリーム361の分割レベル数が3であり、比較対象コードストリーム362の分割レベル数が3である場合、サブバンド2LH、2HL、2HH、1LH、1HL、および1HHは、両者に共通する。比較対象コードブロック決定部109は、これらのサブバンド群363に含まれるコードブロックを比較対象とする。
【0140】
換言するに、比較対象コードブロック決定部109は、特定コードストリームと比較対象コードストリームの両者に共通しないサブバンド2LL、1HH、1HL、1LH、および1LLのコードブロックを比較対象としない。
【0141】
[比較処理の流れ]
次に、図19乃至図21のフローチャートを参照して、この場合の比較処理の流れの例を説明する。この場合も、図14乃至図16を参照して説明した第2の実施の形態の場合と基本的に同様の処理が行われる。
【0142】
図19のステップS301において、コードストリーム解析部301は、特定コードストリームを解析し、解像度レベルを調べる。解像度レベルは例えばコードストリームのヘッダ等に記述されている。
【0143】
ステップS302において、ゼロビットプレーン数検出部105は、図14のステップS202の場合と同様に、特定コードストリームの各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0144】
ステップS303において、コードストリーム解析部306は、比較対象コードストリームを解析し、解像度レベルを調べる。解像度レベルは例えばコードストリームのヘッダ等に記述されている。
【0145】
ステップS304において、ゼロビットプレーン数検出部107は、図14のステップS204の場合と同様に、比較対象コードストリームの各コードブロックのゼロビットプレーン数を検出する。
【0146】
ステップS305において、解像度レベル比較部308は、ステップS301において調べられた特定コードストリームの解像度レベルと、ステップS303において調べられた比較対象コードストリームの解像度レベルとを比較する。
【0147】
ステップS306において、解像度レベル比較部308は、解像度レベルが一致したか否かを判定し、一致していないと判定された場合、図20のステップS321に処理を進める。
【0148】
図20のステップS321において、解像度レベル比較部308は、特定コードストリームと比較対象コードストリームとの間で共通する解像度レベル(サブバンド)を決定する。ステップS322において、比較対象コードブロック決定部109は、ステップS321において決定された、共通する解像度レベル(サブバンド)において、ゼロビットプレーン数を比較するコードブロックである比較対象コードブロックを特定する。
【0149】
図20のステップS323乃至ステップS328の各処理は、図15のステップS223乃至ステップS228の各処理と同様に実行される。
【0150】
ただし、ステップS327において、比較対象コードブロック決定部109は、ステップS321において決定された、共通する解像度レベルにおいて、比較対象コードブロックを変更する。
【0151】
ステップS325において不一致と判定された場合、若しくは、ステップS328において一致すると判定された場合、比較処理は終了される。
【0152】
また、図19のステップS306において、特定コードストリームと比較対象コードストリームとで、解像度レベルが一致すると判定された場合、解像度レベル比較部308は、処理を図21のステップS341に進める。
【0153】
図21のステップS341乃至ステップS347の各処理は、図16のステップS241乃至ステップS247の各処理と同様に実行される。
【0154】
つまり、この場合、従来と同様にゼロビットプレーン数の比較が行われる。
【0155】
以上のように、画像比較装置300は、特定コードストリームと比較対象コードストリームとでウェーブレット変換の分割レベル数(解像度レベル)が異なる場合であっても、共通する解像度レベルを検出し、その共通する解像度レベルにおいて、ゼロビットプレーン数の比較を行う。このようにすることにより、画像比較装置300は、特定コードストリームと比較対象コードストリームとで解像度レベルが異なる場合であっても、より容易かつ高精度に、画像の同定を行うことができる。
【0156】
つまり、画像比較装置300は、互いに解像度レベルが異なるJPEG2000方式で符号化されたコードストリーム同士を比較し、両者の画像の一致若しくは不一致を判定することができる。そしてこのような画像比較装置300を、図1を参照して説明したような画像検索システムに適用することにより、ユーザは、より容易かつ高精度に画像検索を行うことができる。
【0157】
なお、画像比較装置300の場合も、画像比較装置100の場合と同様に、画像の不一致判定の基準は任意である。
【0158】
また、第1の実施の形態のように、特定コードストリームの代わりにベースバンドの特定画像が入力されるようにしてもよい。その場合、第1の実施の形態の場合と同様に、その特定画像が、ウェーブレット変換され、量子化され、コードブロック化されて、ビットプレーン展開されてから、ゼロビットプレーン数の比較が行われる。
【0159】
さらに、特定コードストリーム(特定画像)と、比較対象コードストリームとでコードブロックサイズが互いに異なるようにしてもよい。その場合、画像比較装置は、第3の実施の形態において説明したように、共通する解像度レベル(サブバンド)を決定し、その共通する解像度レベルのコードブロックについて、第1の実施の形態や第2の実施の形態において説明したように、包含関係を求め、その包含関係に従って比較対象コードブロックを決定するようにすればよい。
【0160】
このように、画像比較装置は、複数の符号化パラメータが互いに異なる場合であっても、画像の同定を容易かつ高速に行うことができる。なお、以上においては、符号化パラメータの例としてコードブロックサイズと解像度レベルについて説明したが、これら以外の符号化パラメータが異なるようにしてもよい。
【0161】
<4.第4の実施の形態>
[パーソナルコンピュータ]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図22に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
【0162】
図22において、パーソナルコンピュータ400のCPU401は、ROM(Read Only Memory)402に記憶されているプログラム、または記憶部413からRAM(Random Access Memory)403にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM403にはまた、CPU401が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0163】
CPU401、ROM402、およびRAM403は、バス404を介して相互に接続されている。このバス404にはまた、入出力インタフェース410も接続されている。
【0164】
入出力インタフェース410には、キーボード、マウスなどよりなる入力部411、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部412、ハードディスクなどより構成される記憶部413、モデムなどより構成される通信部414が接続されている。通信部414は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0165】
入出力インタフェース410にはまた、必要に応じてドライブ415が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア421が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部413にインストールされる。
【0166】
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0167】
この記録媒体は、例えば、図22に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア421により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM402や、記憶部413に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0168】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0169】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0170】
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
【0171】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0172】
本発明は、任意の装置やシステムに適用可能であるが、例えば、デジタルシネマ用編集装置、アーカイブシステム、放送局の画像伝送装置、画像データベース、医用画像の記録システム、ネットワークサーバ、インターネット上の画像伝送装置、無線伝送装置、映画館からの2次映像配信装置、ノンリニア編集装置、ゲーム機、テレビ受像機システム、HDDレコーダ、PC上のオーサリング・ツールまたはそのソフトウェア・モジュール等に適用することができる。
【符号の説明】
【0173】
100 画像比較装置, 101 ウェーブレット変換部, 102 量子化部, 103 コードブロック化部, 104 ビットプレーン展開部, 105 ゼロビットプレーン数検出部, 106 コードストリーム解析部, 107 ゼロビットプレーン数検出部, 108 コードブロックサイズ比較部, 109 比較対象コードブロック決定部, 110 ゼロビットプレーン数比較部, 200 画像比較装置, 201 コードストリーム解析部, 300 画像比較装置, 301 コードストリーム解析部, 306 コードストリーム解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定する画像比較装置であって、
前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する符号化パラメータ特定手段と、
前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定する符号化パラメータ設定手段と、
前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記符号化パラメータ設定手段により設定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、
前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する判定手段と
を備える画像比較装置。
【請求項2】
前記符号化パラメータはコードブロックサイズを含み、
前記符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、
前記符号化パラメータ設定手段は、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズを設定し、
前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズと、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズとを比較し、前記第1のコードストリームのコードブロックと、前記第2のコードストリームのコードブロックとの包含関係を特定し、
前記判定手段は、前記包含関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行う
請求項1に記載の画像比較装置。
【請求項3】
前記符号化パラメータは、ウェーブレット変換の分割レベル数を含み、
前記符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数を特定し、
前記符号化パラメータ設定手段は、前記第2のコードストリームの分割レベル数を設定し、
前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数と、前記第2のコードストリームの分割レベル数とを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンドを特定し、
前記判定手段は、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンド内の互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行う
請求項1に記載の画像比較装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが所定の閾値以上存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する
請求項1に記載の画像比較装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上であるコードブロックが存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する
請求項1に記載の画像比較装置。
【請求項6】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定する画像比較装置の画像比較方法であって、
前記画像比較装置の符号化パラメータ特定手段が、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、
前記画像比較装置の第1のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、
前記画像比較装置の符号化パラメータ設定手段が、前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定し、
前記画像比較装置の第2のゼロビットプレーン数検出手段が、前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、
前記画像比較装置の符号化パラメータ比較手段が、特定された前記符号化パラメータと、設定された前記符号化パラメータとを比較し、
前記画像比較装置の判定手段が、比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で検出された前記ゼロビットプレーン数を比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する
画像比較方法。
【請求項7】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームと特定画像とを比較して、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致するか否かを判定するコンピュータを、
前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する符号化パラメータ特定手段と、
前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記特定画像をJPEG2000方式に従って符号化し、第2のコードストリームを生成する際に用いられる符号化パラメータを設定する符号化パラメータ設定手段と、
前記特定画像がJPEG2000方式に従って符号化して得られる前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記符号化パラメータ設定手段により設定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、
前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する判定手段
として機能させるプログラム。
【請求項8】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定する画像比較装置であって、
前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第1の符号化パラメータ特定手段と、
前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第2の符号化パラメータ特定手段と、
前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記第1の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記第2の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、
前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する判定手段と
を備える画像比較装置。
【請求項9】
前記符号化パラメータはコードブロックサイズを含み、
前記第1の符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、
前記第2の符号化パラメータ特定手段は、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズを特定し、
前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームのコードブロックサイズと、前記第2のコードストリームのコードブロックサイズとを比較し、前記第1のコードストリームのコードブロックと、前記第2のコードストリームのコードブロックとの包含関係を特定し、
前記判定手段は、前記包含関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行う
請求項8に記載の画像比較装置。
【請求項10】
前記符号化パラメータは、ウェーブレット変換の分割レベル数を含み、
前記第1の符号化パラメータ特定手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数を特定し、
前記第2の符号化パラメータ特定手段は、前記第2のコードストリームの分割レベル数を特定し、
前記符号化パラメータ比較手段は、前記第1のコードストリームの分割レベル数と、前記第2のコードストリームの分割レベル数とを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンドを特定し、
前記判定手段は、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで共通するサブバンド内の互いに対応するコードブロック同士で、前記ゼロビットプレーン数の比較を行う
請求項8に記載の画像比較装置。
【請求項11】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数が一致しないコードブロックが所定の閾値以上存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定する
請求項8に記載の画像比較装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前記ゼロビットプレーン数の差が所定の閾値以上であるコードブロックが存在する場合、前記第1のコードストリームの符号化前の画像が前記特定画像と一致しないと判定することができる
請求項8に記載の画像比較装置。
【請求項13】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定する画像比較装置の画像比較方法であって、
前記画像比較装置の第1の符号化パラメータ特定手段が、前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、
前記画像比較装置の第1のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、
前記画像比較装置の第2の符号化パラメータ特定手段が、前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定し、
前記画像比較装置の第2のゼロビットプレーン数検出手段が、前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出し、
前記画像比較装置の符号化パラメータ比較手段が、特定された前記符号化パラメータと、特定された前記符号化パラメータとを比較し、
前記画像比較装置の判定手段が、比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で前記ゼロビットプレーン数を比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する
画像比較方法。
【請求項14】
画像をJPEG2000方式に従って符号化して得られた第1のコードストリームおよび第2のコードストリームを比較し、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで符号化前の画像が一致するか否かを判定するコンピュータを、
前記第1のコードストリームを解析し、前記第1のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第1の符号化パラメータ特定手段と、
前記第1のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第1のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記第2のコードストリームを解析し、前記第2のコードストリームを生成する際に使用された符号化パラメータを特定する第2の符号化パラメータ特定手段と、
前記第2のコードストリームのコードブロック毎のゼロビットプレーン数を検出する第2のゼロビットプレーン数検出手段と、
前記第1の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータと、前記第2の符号化パラメータ特定手段により特定された前記符号化パラメータとを比較する符号化パラメータ比較手段と、
前記符号化パラメータ比較手段により比較され、特定された互いの前記符号化パラメータの関係に従って、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームの互いに対応するコードブロック同士で、前記第1のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数と、前記第2のゼロビットプレーン数検出手段により検出された前記ゼロビットプレーン数とを比較し、前記ゼロビットプレーン数が一致する場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致すると判定し、前記ゼロビットプレーン数が一致しない場合、前記第1のコードストリームと前記第2のコードストリームとで、符号化前の画像が一致しないと判定する判定手段
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−223237(P2011−223237A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89326(P2010−89326)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】