説明

画像生成方法および装置、画像処理方法および装置並びにプログラム

【課題】 シャープネス処理およびノイズ除去処理等の画像データの像構造を変換する処理を効率よく行う。
【解決手段】 入力デバイス11において、CTFチャートおよびベタ画像の撮像または読み取りを行い、CTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBを得、これをデバイス情報Dとしてメモリ13に記憶する。入力デバイス11において画像データS0が得られると、画像データS0を得た入力デバイス11に対応するデバイス情報Dをメモリ13から読み出し、画像データS0に付与して情報付与済みの画像データS1を得、これを記録手段15においてメディア等に記録する。このため、画像データS1に付与されたデバイス情報Dを参照すれば、入力デバイス11のデバイス特性を効率よく得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データを出力する画像生成方法および装置、この画像生成方法および装置において生成された画像データに対して周波数処理を施す画像処理方法および装置、並びに画像生成方法および画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スキャナや画像読取装置等の入力デバイスで取り込んだ画像データに、階調調整や鮮鋭度補正(シャープネス)等の所定の画像処理を施し、画像処理を施した画像データをモニタやプリンタ等の出力デバイスにおいて出力して再生画像を得る画像再生システムが各種の用途に用いられている。通常、このような画像再生システムにおいては、画像読取装置等の入力デバイスと、所定の画像処理を施す画像処理装置と、再生画像を出力する出力デバイスとは、互いに1対1で対応している。ところが、近年のコンピュータやワークステーション等の発達により、複数種類の入力デバイスおよび/または出力デバイスに対応するオープンシステム、例えば、画像読取装置で読み取った画像データをワークステーションによって画像処理して、これをプリンタおよびCRT等に出力して画像を再生できるシステムや、一枚の原画像を画像読取装置およびデジタルカメラにより取り込み、得られた画像データをワークステーションにおいて個々に画像処理して再生画像を出力できるシステム等が増加している。
【0003】このようなオープンシステムにおいては、入力デバイスおよび出力デバイスの種類によらず、同じ原画像を処理した場合には、安定して同じ再生画像が得られることが要求される。しかしながら、入力デバイスや出力デバイスの特性は、装置の種類毎に異なるのが通常であり、複数種類の入力デバイスや出力デバイスからなるオープンシステムにおいては、同じ原画像を用いて画像を再生しても、入力デバイスや出力デバイスによって、再生画像の像構造が変わってしまうという問題がある。
【0004】このため、入力デバイスのMTF特性(空間周波数伝達特性)に基づいて、入力デバイスにおいて得られた画像データに対してシャープネス処理を施しておき、その画像データを出力デバイスにおいて出力する際には、出力デバイスのMTF特性に基づいてその画像データに対してシャープネス処理を施すことにより、出力デバイスに応じた鮮鋭度を有する処理済み画像データを得る画像処理方法が本出願人により提案されている(特開平10−51641号公報)。また、MTF特性のみならず、画像のノイズ特性を表すウィナースペクトルにも基づいて、画像データに対してシャープネス処理やノイズ除去処理を施す方法も提案されている(特表平11−51318号公報)。
【0005】上記特開平10−51641号公報および特表平11−51318号公報に記載された方法においては、MTF特性およびウィナースペクトルにより表されるノイズ特性(以下デバイス特性とする)を1次元の情報として持ち、画像データにより表される画像のX方向およびY方向について同じようにデバイス特性を補正する等方的な処理を行っている。
【0006】ところで、入力デバイスのデバイス特性は、入力デバイスの構造上の理由により、主走査方向と副走査方向とで異なる。例えば、入力デバイスがスキャナの場合、主走査方向はCCDを用いたラインセンサにより読み取り、副走査方向はラインセンサを移動して読み取ることにより2次元の画像を表す画像データを得ている。したがって、主走査方向についてのデバイス特性はラインセンサに依存し、副走査方向のデバイス特性はラインセンサを移動する機構に依存することとなる。
【0007】したがって、上記特開平10−51641号公報および特表平11−51318号公報に記載された方法のように、1次元的なデバイス特性に基づいて等方的な処理を施したのでは、得られる画像においては、主走査方向と副走査方向とで同程度のシャープネス強調やノイズ除去しか行うことができず、結果として主走査方向と副走査方向とでシャープネスの程度やノイズの程度が異なるものとなってしまう。
【0008】このため、入力デバイスに起因する画像の主走査方向および副走査方向のデバイス特性の相違を考慮して、主走査方向および副走査方向におけるシャープネスの特性に基づいて、主走査方向および副走査方向で強調の程度が異なる非等方的なシャープネス処理を行う方法が提案されている(特開平10−200710号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、非等方的なシャープネス処理を行う場合には、画像の主走査方向および副走査方向についてのMTF特性やノイズ特性というデバイス特性を測定する必要がある。しかしながら、画像データに対してシャープネス処理を行う毎に、デバイス特性を測定していたのでは、シャープネス処理の効率が非常に悪いものとなる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、効率よくシャープネス処理等の像構造変換処理を行うことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による画像生成方法は、複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、該一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報を付与して情報付与済み画像データを得、該情報付与済み画像データを出力することを特徴とするものである。
【0012】なお、本発明による画像生成方法においては、前記出力を、前記画像データのハードディスクや、CD−R、MO、メモリカード等の記録媒体への記録としてもよい。
【0013】また、本発明による画像生成方法においては、前記CTFチャート画像を、前記一の入力デバイスにおいて取得される画像データにより表される画像の所定方向(例えば主走査方向)および/または該所定方向に略直交する直交方向(例えば副走査方向)についてのものとしてもよい。
【0014】「CTFチャート画像」とは、特定の周波数で描かれた等間隔の線からなるCTFチャートを入力デバイスにおいて撮像または読み取ることにより得られた画像をいう。
【0015】「ベタ画像」とは、全面グレーの原稿を入力デバイスにおいて撮像または読み取ることにより得られた画像をいう。
【0016】「デバイス情報」としては、CTFチャート画像および/またはベタ画像を表す画像データをそのまま用いてもよいが、データ容量を考慮すると、CTFチャート画像および/またはベタ画像の一部を切り出した小画像を表す小画像データであることが好ましい。なお、CTFチャート画像の一部を切り出す場合には、その方向を考慮して、CTFチャート画像の所定方向および/またはこれに略直交する直交方向に延在する長方形の小領域とすることが好ましい。
【0017】本発明による画像処理方法は、本発明による画像生成方法において生成された前記情報付与済み画像データに付与された前記デバイス情報を取得し、該デバイス情報に基づいて、前記一の入力デバイスのデバイス特性を取得することを特徴とするものである。
【0018】「デバイス特性」とは、画像データを得た入力デバイスの主走査方向および副走査方向におけるMTF特性やウィナースペクトルにより表されるシャープネス特性および/またはノイズ特性をいう。
【0019】なお、本発明による画像処理方法においては、前記デバイス特性に基づいて、前記情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像データを得るようにすることが好ましい。
【0020】「像構造変換処理」とは、シャープネス処理および/またはノイズ除去処理をいう。
【0021】本発明による画像生成装置は、複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、該一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報を付与して情報付与済み画像データを得るデバイス情報付与手段と、該情報付与済み画像データを出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】なお、本発明による画像生成装置においては、前記出力手段を、前記画像データを記録媒体に記録する手段としてもよい。
【0023】また、本発明による画像生成装置においては、前記CTFチャート画像を、前記一の入力デバイスにおいて取得される画像データにより表される画像の所定方向および/または該所定方向に略直交する直交方向についてのものとしてもよい。
【0024】さらに、本発明による画像生成装置においては、前記デバイス情報を、前記CTFチャート画像および/または前記ベタ画像の一部を切り出した小画像を表す小画像データとしてもよい。
【0025】本発明による画像処理装置は、本発明による画像生成方法において生成された前記情報付与済み画像データに付与された前記デバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、該デバイス情報に基づいて、前記一の入力デバイスのデバイス特性を取得するデバイス特性取得手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0026】なお、本発明による画像処理装置においては、前記デバイス特性に基づいて、前記情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像データを得る画像処理手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0027】なお、本発明による画像生成方法および画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の画像生成方法および装置によれば、複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、その一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報が付与される。このため、デバイス情報を参照すれば、その画像データを得た入力デバイスのデバイス特性を取得することができる。
【0029】また、デバイス情報をCTFチャート画像および/またはベタ画像の一部を切り出した小画像とすることにより、デバイス情報のデータ容量を小さくすることができる。
【0030】本発明の画像処理方法および装置によれば、本発明による画像生成方法および装置において生成された情報付与済み画像データに付与されたデバイス情報を取得し、このデバイス情報に基づいて、画像データを得た入力デバイスのデバイス特性を取得するようにしたため、効率よくその入力デバイスのデバイス特性を取得することができる。
【0031】したがって、そのデバイス特性に基づいて、情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施すことにより、像構造が変換された処理済み画像データを効率よく得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態による画像生成装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態による画像生成装置は、フイルムに記録された画像を読み取る等により画像データS0を取得する複数の入力デバイス11(11a,11b,11c…)と、入力デバイス11において取得されたCTFチャート画像を表すCTFチャート画像データSCおよびベタ画像を表すベタ画像データSBに基づいて、そのCTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBを得た入力デバイス11のデバイス情報Dを生成するデバイス情報生成手段12と、デバイス情報Dを入力デバイス11の種類毎に記録するメモリ13と、入力デバイス11において取得された画像データS0に、その画像データS0を得た入力デバイス11に対応するデバイス情報Dを付与して、デバイス情報Dが付与された画像データS1を得るデバイス情報付与手段14と、画像データS1をハードディスクや、CD−R、MO、メモリカード等のメディアに記録する記録手段15とを備える。
【0033】入力デバイス11としては、原稿が担持する画像や各種の被写体を光電的に読み取って、デジタル画像データとして出力できる公知のデバイスがすべて利用可能であり、例えば、走査露光や面露光によって原稿の反射光や透過光を光電的に読み取るスキャナやフイルムスキャナ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等が例示される。
【0034】なお、本実施形態においては、入力デバイス11は、同じ種類のデバイスを複数(例えば、異なるおよび/または同じ機種のスキャナを複数台等)有するものであってもよく、異なる種類のデバイスを複数種(例えば、画像読取装置とデジタルカメラ等)有するものであってもよく、あるいは両者であってもよい。
【0035】デバイス情報生成手段12は、CTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBに基づいて、そのCTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBを得た入力デバイス11のデバイス情報Dを取得する。
【0036】ここで、CTFチャート画像データSCは、特定の周波数で描かれた等間隔の線からなるCTFチャートを入力デバイス11において撮像または読み取ることにより得られる。なお、入力デバイス11は、得られる画像のX方向(例えば主走査方向)およびY方向(例えば副走査方向)によって、MTF特性やノイズ特性が異なるものとなる。したがって、本実施形態においては、図2に示すようにX方向に線が延在するCTFチャートC1およびY方向に線が延在するCTFチャートC2を用意し、双方のCTFチャートC1,C2を撮像または読み取ることにより、2つのCTFチャート画像データSCx,SCyを得るものとする。なお、参照符号としては単にSCのみを用いるものとする。
【0037】ベタ画像データSBは、全面グレーの原稿を入力デバイス11において撮像または読み取ることにより得られる。
【0038】なお、CTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBをそのままデバイス情報Dとしてもよいが、CTFチャート画像およびベタ画像の一部の領域を切り出した小画像を表す小画像データをデバイス情報Dとすることが好ましい。例えば、CTFチャート画像データSCx,SCyについては、図2のCTFチャートC1,C2のそれぞれ破線で囲まれる領域A1,A2を表すCTFチャート画像データSCx,SCyをデバイス情報Dとする。また、ベタ画像データSBについては、図3に示すベタ画像B1の破線で囲まれる正方形の領域A3を表すベタ画像データSBをデバイス情報Dとする。これにより、デバイス情報Dのデータ容量を低減することができる。
【0039】メモリ13は、デバイス情報Dを入力デバイス11の種類毎に記憶する。
【0040】デバイス情報付与手段14は、画像データS0を得た入力デバイス11のデバイス情報Dをメモリ13から読み出し、読み出されたデバイス情報Dをその画像データS0のヘッダに記述することにより、デバイス情報Dを画像データS0に付与して、デバイス情報Dが付与された画像データS1を得る。なお、画像データS0のヘッダには、その画像データS0を得た入力デバイス11の種類を表す情報が付与されているため、画像データS0のヘッダに記述された情報に基づいて、画像データS0を得た入力デバイス11の種類を認識することができる。
【0041】なお、デバイス情報Dは画像データS0のヘッダに記述するのみならず、画像データS0のファイル名が001.jpgの場合にデバイス情報Dのファイル名をCTFチャート画像データSCについて001C.jpg、ベタ画像データSBについて001B.jpgとする等、画像データS0とデバイス情報Dとのファイル名を関連付けることにより、デバイス情報Dを画像データS0に付与してもよい。または外部からの指示により、付与するデバイス情報Dを選択するようにしてもよい。
【0042】次いで、本実施形態の動作について説明する。図4は本実施形態による画像生成装置の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、入力デバイス11毎のデバイス情報Dが既に取得されてメモリ13に記憶されているものとする。まず、入力デバイス11において画像データS0が取得される(ステップS1)。続いて、画像データS0のヘッダに記述された入力デバイス11の種類を表す情報に基づいて、画像データS0を得た入力デバイス11に対応するデバイス情報Dがメモリ13から読み出される(ステップS2)、読み出されたデバイス情報Dは、画像データS0に付与されて画像データS1が得られる(ステップS3)。画像データS1は、記録手段15においてメディアに記録され(ステップS4)、処理を終了する。
【0043】次いで、本発明による画像処理装置の実施形態について説明する。図5は、本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図5R>5に示すように、本実施形態による画像処理装置は、上記本実施形態による画像生成装置において生成された画像データS1に対して像構造を変換する処理を含む画像処理を施すものであり、画像データS1の入力を受け付ける入力手段21と、画像データS1に付与されたデバイス情報Dに基づいて、画像データS1を得た入力デバイスのデバイス特性Tを取得するデバイス特性取得手段22と、デバイス特性取得手段22において取得されたデバイス特性Tに基づいて、画像データS1に対して像構造を変換するためのシャープネス処理およびノイズ除去処理とともに、色補正処理および階調変換処理を施して処理済み画像データS2を得る画像処理手段23と、処理済み画像データS2を出力する出力デバイス24とを備える。
【0044】デバイス特性取得手段22は、画像データS1に付与されているデバイス情報Dを取得し、取得したデバイス情報Dに基づいて、画像データS1を得た入力デバイス11のデバイス特性Tを取得する。具体的には、デバイス情報Dに含まれるCTFチャート画像データSCに基づいて、入力デバイス11のX方向およびY方向のMTF特性を取得する。また、デバイス情報Dに含まれるベタ画像データSBに基づいて、入力デバイスのX方向およびY方向のノイズ特性を取得する。このMTF特性およびノイズ特性がデバイス特性Tとされる。
【0045】画像処理手段23は、デバイス特性Tに基づいて、画像データS1に対してX方向およびY方向のMTF特性およびノイズ特性を考慮したシャープネス処理およびノイズ除去処理を施すとともに、色補正処理および階調変換処理を画像データS1に対して施して処理済み画像データS2を得る。例えばX方向およびY方向のMTF特性に基づいて、画像データS1を得た入力デバイス11においては、X方向の鮮鋭度がY方向の鮮鋭度よりも高いということが分かった場合には、Y方向についてのシャープネスの強調度をX方向よりも強くした非等方的なシャープネス処理を施す。また、X,Y両方向について鮮鋭度が同程度であることが分かった場合には、等方的なシャープネス処理を施す。
【0046】さらに、X方向およびY方向のノイズ特性に基づいて、画像データS1を得た入力デバイス11においては、X方向のノイズがY方向のノイズよりも多いことが分かった場合には、X方向についてはスムージングの程度をY方向よりも強くしてノイズ除去処理を施す。また、X,Y両方向についてノイズ量が同程度であることが分かった場合には、スムージングの程度をX,Y両方向について同程度としてノイズ除去処理を施す。
【0047】出力デバイス24としては、処理済み画像データS2から可視像あるいは潜像を形成する各種の画像出力媒体すべて利用可能であり、感光体等の感光材料を用いた各種のプリンタ、感熱記録材料を用いるサーマルプリンタ、CRTモニタや液晶モニタ等の各種のモニタ等が例示される。
【0048】次いで、本実施形態による画像処理装置の動作について説明する。図6は、本実施形態による画像処理装置の動作を示すフローチャートである。まず、入力手段21において画像データS1の入力が受け付けられる(ステップS11)。続いて、デバイス特性取得手段22において、画像データS1に付与されたデバイス情報Dに基づいて、画像データS1を得た入力デバイス11のデバイス特性Tが取得される(ステップS12)。そして、画像処理手段23において、デバイス特性Tに基づいて画像データS1に対して像構造を変換するためのシャープネス処理およびノイズ除去処理を含む画像処理が施されて処理済み画像データS2が得られる(ステップS13)。処理済み画像データS2は出力デバイス24において出力され(ステップS14)、処理を終了する。
【0049】このように、本実施形態によれば、入力デバイス11において取得された画像データS0に対して、その入力デバイス11に対応するデバイス情報Dを付与するようにしたため、デバイス情報Dを参照すれば、その画像データS0を得た入力デバイス11のデバイス特性Tを取得することができる。したがって、画像データS0を得た入力デバイス11のデバイス特性Tを効率よく取得することができ、その結果、画像データS1に対する像構造を変換する処理を効率よく行うことができる。
【0050】なお、上記実施形態においては、デバイス情報Dとして、CTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBの双方を含むものとしているが、画像処理手段23において、シャープネス処理およびノイズ除去処理のいずれか一方のみを行う場合には、CTFチャート画像データSCおよびベタ画像データSBのいずれか一方のみを含むものとしてもよい。
【0051】また、上記実施形態においては、2つのCTFチャートC1,C2を撮像または読み取ることにより2つのCTFチャート画像データSCx,SCyを取得しているが、2つのCTFチャートC1,C2のいずれか一方のみを撮像または読み取ることにより、X方向およびY方向のいずれか一方のみのCTFチャート画像データSCを得るようにしてもよい。
【0052】また、上記実施形態においては、X方向およびY方向について処理を行っているが、例えば、X方向に対して斜め45度に傾いた方向およびこれに直交する方向のように、X方向およびY方向とは異なる方向の組み合わせについて処理を行うようにしてもよい。
【0053】さらに、上記実施形態においては、デバイス情報Dから2次元的なデバイス特性Tを取得して、2次元的なシャープネス処理およびノイズ除去処理を施しているが、画像処理手段23において等方的な処理のみを行う場合には、デバイス情報Dに基づいて、X方向またはY方向についてのみのデバイス特性Tを取得し、このデバイス特性Tに基づいて、等方的に像構造を変換する処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像生成装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】CTFチャートを示す図
【図3】ベタ画像を示す図
【図4】本発明の実施形態による画像生成装置の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック
【図6】本発明の実施形態による画像処理装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
11 入力デバイス
12 デバイス情報生成手段
13 メモリ
14 デバイス情報付与手段
15 記録手段
21 入力手段
22 デバイス特性取得手段
23 画像処理手段
24 出力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、該一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報を付与して情報付与済み画像データを得、該情報付与済み画像データを出力することを特徴とする画像生成方法。
【請求項2】 前記出力は、前記画像データの記録媒体への記録であることを特徴とする請求項1記載の画像生成方法。
【請求項3】 前記CTFチャート画像は、前記一の入力デバイスにおいて取得される画像データにより表される画像の所定方向および/または該所定方向に略直交する直交方向についてのものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像生成方法。
【請求項4】 前記デバイス情報は、前記CTFチャート画像および/または前記ベタ画像の一部を切り出した小画像を表す小画像データであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画像生成方法。
【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項記載の画像生成方法において生成された前記情報付与済み画像データに付与された前記デバイス情報を取得し、該デバイス情報に基づいて、前記一の入力デバイスのデバイス特性を取得することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】 前記デバイス特性に基づいて、前記情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像データを得ることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】 複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、該一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報を付与して情報付与済み画像データを得るデバイス情報付与手段と、該情報付与済み画像データを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項8】 前記出力手段は、前記画像データを記録媒体に記録する手段であることを特徴とする請求項7記載の画像生成装置。
【請求項9】 前記CTFチャート画像は、前記一の入力デバイスにおいて取得される画像データにより表される画像の所定方向および/または該所定方向に略直交する直交方向についてのものであることを特徴とする請求項7または8記載の画像生成装置。
【請求項10】 前記デバイス情報は、前記CTFチャート画像および/または前記ベタ画像の一部を切り出した小画像を表す小画像データであることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の画像生成装置。
【請求項11】 請求項1から4のいずれか1項記載の画像生成方法において生成された前記情報付与済み画像データに付与された前記デバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、該デバイス情報に基づいて、前記一の入力デバイスのデバイス特性を取得するデバイス特性取得手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】 前記デバイス特性に基づいて、前記情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像データを得る画像処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
【請求項13】 複数種類の入力デバイスのうちの一の入力デバイスにおいて取得された画像データに対して、該一の入力デバイスにおいて取得されたCTFチャート画像および/またはベタ画像に基づいて得られるデバイス情報を付与して情報付与済み画像データを得る手順と、該情報付与済み画像データを出力する手順とを有する画像生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】 前記出力する手順は、前記出力された画像データを記録媒体に記録する手順である請求項13記載のプログラム。
【請求項15】 前記CTFチャート画像は、前記一の入力デバイスにおいて取得される画像データにより表される画像の所定方向および/または該所定方向に略直交する直交方向についてのものであることを特徴とする請求項13または14記載のプログラム。
【請求項16】 前記デバイス情報は、前記CTFチャート画像および/または前記ベタ画像の一部を切り出した小画像を表す小画像データであることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項17】 請求項1から4のいずれか1項記載の画像生成方法において生成された前記情報付与済み画像データに付与された前記デバイス情報を取得する手順と、該デバイス情報に基づいて、前記一の入力デバイスのデバイス特性を取得する手順とを有する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項18】 前記デバイス特性に基づいて、前記情報付与済み画像データに対して像構造変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像データを得る手順をさらに有する請求項17記載のプログラム。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開2003−283837(P2003−283837A)
【公開日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−83514(P2002−83514)
【出願日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】