画像生成装置、画像生成方式、画像生成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
【課題】前後の印刷ジョブがステープル印刷であっても、後の印刷ジョブが前の印刷ジョブより先に印刷ができ、前後の印刷ジョブともにステープル印刷を実行することが可能な画像生成装置の提供。
【解決手段】前の印刷ジョブ印刷中の後の印刷ジョブの指示検知手段(S2とS3)と、後印刷ジョブの前印刷ジョブの追い越し可否判断手段(S4)と、追い越しでステープルトレイの蓄積用紙の空排出手段(S6)と、前印刷ジョブを中断し、後印刷ジョブの先行印刷手段(S7、S8)と、後印刷ジョブ完了後に、空排出用紙の給紙先への再セットを促す画面表示手段(S23〜S31)と、給紙先への用紙再セットの検知手段(S30)と、前印刷ジョブの印刷枚数の係数手段(S13)と、給紙先の再セット用紙の、前印刷ジョブの枚数分、ステープルトレイへの白紙排出手段(S30、S47)と、前印刷ジョブの残り頁の印刷手段(S48、S49)とを有する。
【解決手段】前の印刷ジョブ印刷中の後の印刷ジョブの指示検知手段(S2とS3)と、後印刷ジョブの前印刷ジョブの追い越し可否判断手段(S4)と、追い越しでステープルトレイの蓄積用紙の空排出手段(S6)と、前印刷ジョブを中断し、後印刷ジョブの先行印刷手段(S7、S8)と、後印刷ジョブ完了後に、空排出用紙の給紙先への再セットを促す画面表示手段(S23〜S31)と、給紙先への用紙再セットの検知手段(S30)と、前印刷ジョブの印刷枚数の係数手段(S13)と、給紙先の再セット用紙の、前印刷ジョブの枚数分、ステープルトレイへの白紙排出手段(S30、S47)と、前印刷ジョブの残り頁の印刷手段(S48、S49)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストコンピュータ等からの指示に従いステープル印刷も可能なページプリンタのような画像生成装置、画像生成方式、画像生成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、印刷ジョブの追い越しおよび割り込みと、ステープル印刷とを両立させた画像生成装置、画像生成方式、画像生成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回線を介して複数のコンピュータにネットワーク接続されているプリンタ、コピー機等の画像生成装置が広く利用されている。これら画像生成装置は、ネットワーク接続されている複数の端末からの印刷ジョブを制御し、画像形成を行う。このような画像生成装の中には、ステープル(ホチキス止め)印刷が可能なタイプのものがある。
【0003】
かかるステープル印刷が可能な画像生成装置において、ステープル印刷を行う場合には、例えばA3版の一枚目の用紙の左半分には第1の印刷ジョブを実行し、次いで右半分に第2の印刷ジョブを実行後、印刷済みのA3版用紙をステープルトレイに搬送し、ここで半分に折り曲げてA4版の大きさとする。次いで二枚目の用紙の左半分に第3の印刷ジョブを実行し、右半分には第4の印刷ジョブを実行後、印刷済みのA3版用紙をステープルトレイに搬送し、ここで半分に折り曲げてA4版の大きさとし、前記一枚目の用紙の上に二枚目の用紙を重ねる。以下順次、所定の印刷ジョブと折曲げと積み重ねとを実行し、ステープルトレイ上で所定の枚数に達したらステープル作業を行い、一冊の印刷物が完成する。
【0004】
ところで特許文献1には、資源(リソース、印刷用紙)の供給待ち状態により、印刷ジョブの追い越し可否(「先行する前の印刷ジョブ」中に、「後行の後の印刷ジョブ」が追い越して後の印刷ジョブを先行実施できるか否か)を判定して、印刷ジョブの実行順序を決定する画像生成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、前の印刷ジョブがステープル印刷である場合、ステープルトレイは前の印刷ジョブによって使用されている。そのため、印刷ジョブの追い越し機能を有している画像生成装置であっても、後の印刷ジョブがステープル印刷であれば、前の印刷ジョブより先に印刷することができないという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、前後の印刷ジョブがステープル印刷であっても、後の印刷ジョブが前の印刷ジョブより先に印刷ができ、前後の印刷ジョブともにステープル印刷を実行することが可能な画像生成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の発明は、ステープル印刷が可能な画像生成装置において、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する手段(図2の印刷データ解釈部32および図3のステップS2とステップS3)と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する手段(ステップS4)と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する手段(ステップS6)と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する手段(ステップS7〜ステップS8)と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する手段(図1、図9の操作パネル21および図4のステップS23〜ステップS31)と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する手段(ステップS30)と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする手段(図3のステップS13)と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する手段(ステップS30および図5のステップS47)と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する手段(図5のステップS48とステップS49)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先をシフト動作する手段(図10)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出する手段(図5のステップS47)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項4記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に印刷シート(仕切り紙)を排出する手段(図5のステップS47)を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0008】
また、請求項5記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先とは別の排紙先へ後の印刷ジョブを排出する手段(図10)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項6記載の発明は、
請求項1に記載の画像生成装置において、印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出し、その白紙にスタンプをする手段(段落0021)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項7記載の発明は、
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前後の印刷ジョブのジョブ属性を比較する手段(図2の印刷データ解釈部32、ステップS4)を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0009】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前の印刷ジョブの印刷中にエラーの発生および種類を検知する手段(図7のステップS62〜ステップS68)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
用紙が再セットされたことを判断するために、空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面にボタンを表示する手段(図9)と、
画面上のボタン押下により、前の印刷ジョブを再開する手段(図3のステップS10〜ステップS15)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0010】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出した用紙を再セットする給紙先を選択する画面を表示する手段(図9)と、
選択画面で選択した給紙先の設定を保存および取得する手段(ステップS29〜ステップS30)と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段(ステップS28および図9)と、
選択画面で選択した給紙先からステープルトレイへ白紙排出する手段(ステップS14)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0011】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出する排紙先を選択する画面を表示する手段(図10)と、
選択画面で選択した排紙先の設定を保存および取得する手段(ステップS27〜ステップS30)と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段(ステップS28)と、
ステープルトレイから選択画面で選択した排紙先へ空排出する手段(図10およびステップS22)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項12記載の発明は、ステープル印刷が可能な画像生成装置における画像生成方法であって、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する処理と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する処理と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する処理と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する処理と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する処理と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する処理と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする処理と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する処理と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する処理と
を行うことを特徴とする画像生成方法。
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムである。
また、請求項14記載の発明は、請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムを記録および実行可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、前後の印刷ジョブの属性(ステープル印刷)に依存することなく、印刷ジョブの追い越しや割り込みを実現することができる。
請求項2記載の発明によれば、ユーザーが排紙先を選択することができる。
請求項3記載の発明によれば、印刷の再開時における白紙を確保することができる。
請求項4記載の発明によれば、印刷の再開時における印刷シートを確保することができる。
請求項5記載の発明によれば、後の印刷ジョブ完了品と前の印刷ジョブ完了品とを区別することができる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、スタンプにより印刷ジョブを容易に区別できる。
請求項7記載の発明によれば、前後の印刷ジョブ属性の比較により確実に印刷ジョブの追い越し可否を判断できる。
請求項8記載の発明によれば、エラーの発生および種類を検知し、その対策を確実に判断できる。
請求項9記載の発明によれば、再セットを促す画面表示と再開のボタン押下により、ユーザーは確実に前の印刷ジョブを再開できる。
請求項10記載および請求項11記載の発明によれば、ユーザーは再セットの際に、給紙先から好みの白紙を選択できる。
【0014】
また、請求項12〜14記載の発明によっても、前後の印刷ジョブの属性(ステープル印刷)に依存することなく、印刷ジョブの追い越しや割り込みを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示すハードウェアの構成図である。
【図2】同実施形態の全体構成を示すソフトウェアの構成図である。
【図3】同実施形態の全体の流れを示すフローチャートである。
【図4】同実施形態において、空排出から再セットまでの流れを給紙先および排紙先の状態を取得することにより実現する方法と、表示画面内のボタン押下により実現する方法とを示すフローチャートである。
【図5】同実施形態において、印刷ジョブの追い越しを実行するとき、前の印刷ジョブと後の印刷ジョブがどのように処理されるかを説明する図である。
【図6】同実施形態において、印刷ジョブ属性(例として優先度)によって、印刷ジョブの追い越し可否判定を説明するフローチャートである。
【図7】同実施形態において、エラー発生(例として紙なし)によって、印刷ジョブの追い越し可否判定を説明するフローチャートである。
【図8】同実施形態において、用紙再セット催促画面の表示例を示す図である。
【図9】同実施形態において、用紙を再セットする給紙先の選択画面の表示例を示す図である。
【図10】同実施形態において、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する排紙先の選択画面の表示例を示すである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
なお、本実施形態を適用する画像生成装置(プリンタ)の外観図を、図8の一部に示す(後述)。
本実施形態の全体構成は、図1のハードウェア(H/W)構成図に示すように、画像生成装置1とホストコンピュータ(ホストPC)2とを備えてなる。
画像生成装置1は、制御部10と、画像生成装置1の操作を行う操作パネル21と、本体エンジン22と、ステープル・用紙の折曲げを行うフィニッシャー23と、本発明に係る画像生成プログラムを記録したプログラム媒体(本発明に係る記録媒体)24とを備えてなる。
【0017】
制御部10は、ホストコンピュータ(ホストPC)2との通信制御を行う通信制御部11と、データの一時格納するRAM12と、設定情報等を格納した不揮発性メモリ(NV−RAM)13と、画像生成装置1全体の制御を司るCPU14と、CPU14が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM15、ハードディスク(HDD)16と、本体エンジン22の制御を行うエンジン制御部17と、操作パネル21の制御を行う操作パネル制御部18と、プログラム媒体24の制御を行う媒体制御部19とを備えてなる。
【0018】
次に、図2を参照しつつ、本実施形態のソフトウェア(S/W)の全体構成について説明する。なお、点線で囲んだ箇所が、ソフトウェアに相当する。
図2に示すように、通信インタフェース(通信I/F)25は画像生成装置1の一部を構成し、通信インタフェース25からの信号がソフトウェアからなる通信制御部31により処理され、ジョブ属性(例えば優先度)、画像からなる印刷データを作成する。印刷データ解釈部32は、作成された印刷データによりジョブ属性と印刷データ(画像)を作成する。
印刷データ描画部(PDL)33は、作成されたジョブ属性と印刷データ(画像)からジョブ属性と画像データを作成する。
印刷制御部34は、ジョブ属性、画像データおよびエンジン状態の取得命令および装置情報の取得命令をエンジン制御部17に送り、エンジン制御部17は、これに基づいて本体エンジン22およびフィニッシャー23を制御して、作動させる処理を行い、印刷が実行され印刷結果40を排出する。
【0019】
また、印刷制御部34は、操作パネル制御部18に、入力画面表示処理と設定値の取得命令を送り、操作パネル制御部18は、入力画面表示およびNV-RAM13から取得した設定値を操作パネル21に表示させる。
以上が本実施形態のソフトウェアの全体構成である。
【0020】
次に、図3のフローチャートを参照しつつ、本実施形態の全体の流れを説明する。なお、図3以降において、前の印刷ジョブを「Job1」、後の印刷ジョブを「Job2」と表現する。
図3に示すように、通信制御部11を介してJob1を受信すると(ステップS1)、Job1の印刷が開始される(ステップS2)。途中、Job2が受信される(ステップS3)。Job1の途中でJob2の追い越しが可能かどうか判断し、可能であれば(ステップS4:Yes)、途中まで進んだJob1用の用紙の総印刷枚数を保存し(ステップS5)、その総印刷枚数を排紙先に空排出する(ステップS6)。
【0021】
次いで、ジョブの区切りが分かるようにしたジョブ区切り処理(例えば、シフト動作、合紙(白紙)、仕切り紙(印刷シート)、排紙先変更、スタンプ(マーキング)など)を行い(ステップS7)、Job2の印刷の開始から完了までを行い(ステップS8)、更にJob2に対してもジョブ区切り処理を行う(ステップS9)。
次いで、ステップS6で空排出してあったJob1用の用紙を再セットする用紙再セット催促画面表示を操作パネル21に対して行い(ステップS10)、用紙が印刷可能状態に再セットされているかどうか判断する(ステップS11)。
【0022】
用紙が再セットされたなら(ステップS11:Yes)、ステップS10で行われた用紙再セット催促画面表示を消去すると共に(ステップS12)、Job1用の用紙の印刷枚数を取得する(ステップS13)。次いで、ステープルトレイへ白紙を排出し(ステップS14)、ステップS2で途中まで印刷済みのJob1の残りの印刷を完了する(ステップS15)。
これに対し、ステップS4において追い越し不可の場合には(ステップS4:No)、Job2を受信したにも拘らず、引き続きJob1の印刷が完了するまで続行し(ステップS16)、Job1の印刷が完了したら、続いてジョブ2の印刷を開始し完了するまで行う(ステップS17)。
【0023】
次に、ステップS6の空排出からステップS11の用紙再セットまでの流れを、図4に基づいて説明する。
図4に示すように、「ジョブ追い越しが決定」した場合(ステップS4:Yes)には、排紙先指定の設定情報を取得し(ステップS21)、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する(ステップS22)。このステップS22では、指定された排出先へ排出自動の場合には、印刷ジョブに付随する情報(ジョブ属性)から判断する。次いで、Job2の印刷が開始され完了すると(ステップS23)、給紙先指定の設定情報を取得し(ステップS24)、給紙先指定が自動でなければ(ステップS25:No)、給紙先指定の用紙サイズを取得する(ステップS26)。そして、印刷ジョブの用紙サイズを一致する場合には(ステップS26:Yes)、白紙排出する給紙先を決定し(ステップS27)、用紙再セットの催促画面を表示する(ステップS28)と共に、排紙先から用紙が取り除かれたか否かを確認し、取り除かれるまで待機する(ステップS29:No)。
【0024】
用紙が取り除かれていれば(ステップS29:Yes)、給紙先に用紙がセットされたか否かを確認し、用紙がセットされるまで待機し(ステップS30:No)、用紙がセットされたら(ステップS30:Yes)、用紙再セットの催促画面表示を消去する(ステップS31)。なお、ステップS29とステップS30においては、催促画面に表示される「印刷再開」ボタンの押下を判断基準としてもよい。
一方、ステップS25において、給紙先指定が自動の場合には(ステップS25:Yes)、ジョブ属性から給紙先の情報を取得し(ステップS32)、以下、ステップS27に移行する。また、ステップS26において印刷ジョブの用紙サイズと一致しない場合も(ステップS26:No)、ステップS32に移行する。
【0025】
次に、図5を参照しつつ、本実施形態において、印刷ジョブの追い越しを実行するとき、前の印刷ジョブと後の印刷ジョブがどのように処理されるかを説明する。
図5の左上に示すように、印刷前にはJob1とJob2は受信されておらず、印刷スプール41にはジョブが入っていない(ステップS41)。次いで、Job1が受信され(ステップS42)、Job1の印刷中にJob2が受信されると(ステップS43)、印刷スプール41に格納されたJob1とJob2の順序を入れ替える(ステップS44)。そして、Job2の印刷を行うと共にJob1の印刷は停止し(ステップS45)、Job2の印刷が完了するまで続行する(ステップS46)。Job2の印刷が完了したら、用紙再セットとして前後を入れ替えたJob1を元に戻し、Job1の印刷枚数分だけ白紙ページを追加する(ステップS47)。そして、Job1の印刷を再開し(ステップS48)、Job1の印刷が完了するまで印刷を続行する(ステップS49)。
【0026】
次に、図6を参照しつつ、本実施形態において、印刷ジョブ属性(例えば、優先度)によって、印刷ジョブの追い越し可否を判定する場合を説明する。
図6に示すように、Job1の印刷中にJob2を受信する(ステップS51)。すると、ジョブ属性に付随しているジョブ属性の優先度を取得し(ステップS52)、Job2の優先度がJob1の優先度を上回っていれば(ステップS53:Yes)、Job2を先に印刷する(ステップS54)。
また、ステップS53において、Job2の優先度がJob1の優先度を下回っていれば(ステップS53:No)、Job1を先に印刷する(ステップS55)。
【0027】
次に、図7を参照しつつ、本実施形態において、エラー発生(例えば、用紙なし)によって、印刷ジョブの追い越し可否を判定する場合を説明する。
図7に示すように、Job1の印刷中に(ステップS61)、紙なし(但し、ステープル印刷が不可となるエラーは除く)が発生すると(ステップS62)、Job1の印刷を停止して(ステップS63)、Job2を受信し(ステップS64)。ジョブ属性からJob2の給紙先を取得する(ステップS65)。
そして、Job2の印刷が可能であれば(ステップS66:Yes)、Job2を先に印刷する(ステップS67)。また、ステップS66において、Job2の印刷が不可であれば(ステップS66:No)、Job1の印刷が可能の場合には(ステップS68:Yes)、Job1を印刷する(ステップS69)。ステップS68において、Job1の印刷が不可の場合には(ステップS68:No)、ステップS66に戻り、ステップS66:NoからステップS68:Noのループが所定回数繰り返されると、紙なしである旨の表示を、操作パネル21に行う。
【0028】
次に、図8を参照しつつ、本実施形態において、「用紙なし」となり、再セットを催促する画面の表示例を説明する。
図8に示すように、操作パネル21には、「排紙先に用紙が残っています。印刷を再開するには、排紙先に残っている用紙をインサーターにセットしてください」と表示する。このとき、空排出した排紙先がフィニッシャー・シフトトレイである旨を表示する。本実施形態では、上記文字表示に併せて画像生成装置1の概略表示を併せて行う。なお、符号23はフィニッシャー、26は排紙トレイ、27はインサーター、28は給紙トレイに相当する部分である。
【0029】
次に、図9を参照しつつ、本実施形態において、用紙を再セットする給紙先の選択画面の表示例を説明する。
「用紙なし」となり給紙を行う場合には、図9に示す給紙先選択画面が操作パネル21に表示される。
給紙先には、「自動・手差し・トレイ1〜トレイ4・大量給紙トレイ・インサーター上・インサーター下」の9種類が表示される。ユーザーは操作パネル21の右上の「設定」を順次タッチすることにより、9種類の給紙先の何れかを選択することができる。
【0030】
次に、図10を参照しつつ、本実施形態において、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する排紙先の選択画面の表示例を説明する。
追い越し印刷を可能とする場合には、空排出先を「自動」で決定することも可能であるが、ユーザーの好みに応じて予め空排出を設定することも可能である。
ユーザーが予め空排出を設定する場合には、図10に示すように、「自動とフィニッシャー・トレイ1とフィニッシャー・トレイ2」の3種類の何れかを選択することが可能である。
選択する場合には、図10に示す操作パネル21の「設定」を順次タッチすることにより、3種類の何れかを選択する。
【0031】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 画像生成装置
2 ホストコンピュータ(ホストPC)
10 制御部
21 操作パネル
22 本体エンジン
23 フィニッシャー
24 プログラム媒体
40 印刷結果
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2003−131831号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストコンピュータ等からの指示に従いステープル印刷も可能なページプリンタのような画像生成装置、画像生成方式、画像生成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、印刷ジョブの追い越しおよび割り込みと、ステープル印刷とを両立させた画像生成装置、画像生成方式、画像生成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回線を介して複数のコンピュータにネットワーク接続されているプリンタ、コピー機等の画像生成装置が広く利用されている。これら画像生成装置は、ネットワーク接続されている複数の端末からの印刷ジョブを制御し、画像形成を行う。このような画像生成装の中には、ステープル(ホチキス止め)印刷が可能なタイプのものがある。
【0003】
かかるステープル印刷が可能な画像生成装置において、ステープル印刷を行う場合には、例えばA3版の一枚目の用紙の左半分には第1の印刷ジョブを実行し、次いで右半分に第2の印刷ジョブを実行後、印刷済みのA3版用紙をステープルトレイに搬送し、ここで半分に折り曲げてA4版の大きさとする。次いで二枚目の用紙の左半分に第3の印刷ジョブを実行し、右半分には第4の印刷ジョブを実行後、印刷済みのA3版用紙をステープルトレイに搬送し、ここで半分に折り曲げてA4版の大きさとし、前記一枚目の用紙の上に二枚目の用紙を重ねる。以下順次、所定の印刷ジョブと折曲げと積み重ねとを実行し、ステープルトレイ上で所定の枚数に達したらステープル作業を行い、一冊の印刷物が完成する。
【0004】
ところで特許文献1には、資源(リソース、印刷用紙)の供給待ち状態により、印刷ジョブの追い越し可否(「先行する前の印刷ジョブ」中に、「後行の後の印刷ジョブ」が追い越して後の印刷ジョブを先行実施できるか否か)を判定して、印刷ジョブの実行順序を決定する画像生成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、前の印刷ジョブがステープル印刷である場合、ステープルトレイは前の印刷ジョブによって使用されている。そのため、印刷ジョブの追い越し機能を有している画像生成装置であっても、後の印刷ジョブがステープル印刷であれば、前の印刷ジョブより先に印刷することができないという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、前後の印刷ジョブがステープル印刷であっても、後の印刷ジョブが前の印刷ジョブより先に印刷ができ、前後の印刷ジョブともにステープル印刷を実行することが可能な画像生成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の発明は、ステープル印刷が可能な画像生成装置において、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する手段(図2の印刷データ解釈部32および図3のステップS2とステップS3)と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する手段(ステップS4)と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する手段(ステップS6)と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する手段(ステップS7〜ステップS8)と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する手段(図1、図9の操作パネル21および図4のステップS23〜ステップS31)と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する手段(ステップS30)と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする手段(図3のステップS13)と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する手段(ステップS30および図5のステップS47)と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する手段(図5のステップS48とステップS49)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先をシフト動作する手段(図10)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出する手段(図5のステップS47)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項4記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に印刷シート(仕切り紙)を排出する手段(図5のステップS47)を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0008】
また、請求項5記載の発明は、請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先とは別の排紙先へ後の印刷ジョブを排出する手段(図10)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項6記載の発明は、
請求項1に記載の画像生成装置において、印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出し、その白紙にスタンプをする手段(段落0021)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項7記載の発明は、
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前後の印刷ジョブのジョブ属性を比較する手段(図2の印刷データ解釈部32、ステップS4)を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0009】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前の印刷ジョブの印刷中にエラーの発生および種類を検知する手段(図7のステップS62〜ステップS68)を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
用紙が再セットされたことを判断するために、空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面にボタンを表示する手段(図9)と、
画面上のボタン押下により、前の印刷ジョブを再開する手段(図3のステップS10〜ステップS15)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0010】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出した用紙を再セットする給紙先を選択する画面を表示する手段(図9)と、
選択画面で選択した給紙先の設定を保存および取得する手段(ステップS29〜ステップS30)と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段(ステップS28および図9)と、
選択画面で選択した給紙先からステープルトレイへ白紙排出する手段(ステップS14)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
【0011】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出する排紙先を選択する画面を表示する手段(図10)と、
選択画面で選択した排紙先の設定を保存および取得する手段(ステップS27〜ステップS30)と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段(ステップS28)と、
ステープルトレイから選択画面で選択した排紙先へ空排出する手段(図10およびステップS22)と
を有することを特徴とする画像生成装置である。
また、請求項12記載の発明は、ステープル印刷が可能な画像生成装置における画像生成方法であって、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する処理と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する処理と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する処理と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する処理と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する処理と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する処理と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする処理と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する処理と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する処理と
を行うことを特徴とする画像生成方法。
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムである。
また、請求項14記載の発明は、請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムを記録および実行可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、前後の印刷ジョブの属性(ステープル印刷)に依存することなく、印刷ジョブの追い越しや割り込みを実現することができる。
請求項2記載の発明によれば、ユーザーが排紙先を選択することができる。
請求項3記載の発明によれば、印刷の再開時における白紙を確保することができる。
請求項4記載の発明によれば、印刷の再開時における印刷シートを確保することができる。
請求項5記載の発明によれば、後の印刷ジョブ完了品と前の印刷ジョブ完了品とを区別することができる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、スタンプにより印刷ジョブを容易に区別できる。
請求項7記載の発明によれば、前後の印刷ジョブ属性の比較により確実に印刷ジョブの追い越し可否を判断できる。
請求項8記載の発明によれば、エラーの発生および種類を検知し、その対策を確実に判断できる。
請求項9記載の発明によれば、再セットを促す画面表示と再開のボタン押下により、ユーザーは確実に前の印刷ジョブを再開できる。
請求項10記載および請求項11記載の発明によれば、ユーザーは再セットの際に、給紙先から好みの白紙を選択できる。
【0014】
また、請求項12〜14記載の発明によっても、前後の印刷ジョブの属性(ステープル印刷)に依存することなく、印刷ジョブの追い越しや割り込みを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示すハードウェアの構成図である。
【図2】同実施形態の全体構成を示すソフトウェアの構成図である。
【図3】同実施形態の全体の流れを示すフローチャートである。
【図4】同実施形態において、空排出から再セットまでの流れを給紙先および排紙先の状態を取得することにより実現する方法と、表示画面内のボタン押下により実現する方法とを示すフローチャートである。
【図5】同実施形態において、印刷ジョブの追い越しを実行するとき、前の印刷ジョブと後の印刷ジョブがどのように処理されるかを説明する図である。
【図6】同実施形態において、印刷ジョブ属性(例として優先度)によって、印刷ジョブの追い越し可否判定を説明するフローチャートである。
【図7】同実施形態において、エラー発生(例として紙なし)によって、印刷ジョブの追い越し可否判定を説明するフローチャートである。
【図8】同実施形態において、用紙再セット催促画面の表示例を示す図である。
【図9】同実施形態において、用紙を再セットする給紙先の選択画面の表示例を示す図である。
【図10】同実施形態において、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する排紙先の選択画面の表示例を示すである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
なお、本実施形態を適用する画像生成装置(プリンタ)の外観図を、図8の一部に示す(後述)。
本実施形態の全体構成は、図1のハードウェア(H/W)構成図に示すように、画像生成装置1とホストコンピュータ(ホストPC)2とを備えてなる。
画像生成装置1は、制御部10と、画像生成装置1の操作を行う操作パネル21と、本体エンジン22と、ステープル・用紙の折曲げを行うフィニッシャー23と、本発明に係る画像生成プログラムを記録したプログラム媒体(本発明に係る記録媒体)24とを備えてなる。
【0017】
制御部10は、ホストコンピュータ(ホストPC)2との通信制御を行う通信制御部11と、データの一時格納するRAM12と、設定情報等を格納した不揮発性メモリ(NV−RAM)13と、画像生成装置1全体の制御を司るCPU14と、CPU14が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM15、ハードディスク(HDD)16と、本体エンジン22の制御を行うエンジン制御部17と、操作パネル21の制御を行う操作パネル制御部18と、プログラム媒体24の制御を行う媒体制御部19とを備えてなる。
【0018】
次に、図2を参照しつつ、本実施形態のソフトウェア(S/W)の全体構成について説明する。なお、点線で囲んだ箇所が、ソフトウェアに相当する。
図2に示すように、通信インタフェース(通信I/F)25は画像生成装置1の一部を構成し、通信インタフェース25からの信号がソフトウェアからなる通信制御部31により処理され、ジョブ属性(例えば優先度)、画像からなる印刷データを作成する。印刷データ解釈部32は、作成された印刷データによりジョブ属性と印刷データ(画像)を作成する。
印刷データ描画部(PDL)33は、作成されたジョブ属性と印刷データ(画像)からジョブ属性と画像データを作成する。
印刷制御部34は、ジョブ属性、画像データおよびエンジン状態の取得命令および装置情報の取得命令をエンジン制御部17に送り、エンジン制御部17は、これに基づいて本体エンジン22およびフィニッシャー23を制御して、作動させる処理を行い、印刷が実行され印刷結果40を排出する。
【0019】
また、印刷制御部34は、操作パネル制御部18に、入力画面表示処理と設定値の取得命令を送り、操作パネル制御部18は、入力画面表示およびNV-RAM13から取得した設定値を操作パネル21に表示させる。
以上が本実施形態のソフトウェアの全体構成である。
【0020】
次に、図3のフローチャートを参照しつつ、本実施形態の全体の流れを説明する。なお、図3以降において、前の印刷ジョブを「Job1」、後の印刷ジョブを「Job2」と表現する。
図3に示すように、通信制御部11を介してJob1を受信すると(ステップS1)、Job1の印刷が開始される(ステップS2)。途中、Job2が受信される(ステップS3)。Job1の途中でJob2の追い越しが可能かどうか判断し、可能であれば(ステップS4:Yes)、途中まで進んだJob1用の用紙の総印刷枚数を保存し(ステップS5)、その総印刷枚数を排紙先に空排出する(ステップS6)。
【0021】
次いで、ジョブの区切りが分かるようにしたジョブ区切り処理(例えば、シフト動作、合紙(白紙)、仕切り紙(印刷シート)、排紙先変更、スタンプ(マーキング)など)を行い(ステップS7)、Job2の印刷の開始から完了までを行い(ステップS8)、更にJob2に対してもジョブ区切り処理を行う(ステップS9)。
次いで、ステップS6で空排出してあったJob1用の用紙を再セットする用紙再セット催促画面表示を操作パネル21に対して行い(ステップS10)、用紙が印刷可能状態に再セットされているかどうか判断する(ステップS11)。
【0022】
用紙が再セットされたなら(ステップS11:Yes)、ステップS10で行われた用紙再セット催促画面表示を消去すると共に(ステップS12)、Job1用の用紙の印刷枚数を取得する(ステップS13)。次いで、ステープルトレイへ白紙を排出し(ステップS14)、ステップS2で途中まで印刷済みのJob1の残りの印刷を完了する(ステップS15)。
これに対し、ステップS4において追い越し不可の場合には(ステップS4:No)、Job2を受信したにも拘らず、引き続きJob1の印刷が完了するまで続行し(ステップS16)、Job1の印刷が完了したら、続いてジョブ2の印刷を開始し完了するまで行う(ステップS17)。
【0023】
次に、ステップS6の空排出からステップS11の用紙再セットまでの流れを、図4に基づいて説明する。
図4に示すように、「ジョブ追い越しが決定」した場合(ステップS4:Yes)には、排紙先指定の設定情報を取得し(ステップS21)、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する(ステップS22)。このステップS22では、指定された排出先へ排出自動の場合には、印刷ジョブに付随する情報(ジョブ属性)から判断する。次いで、Job2の印刷が開始され完了すると(ステップS23)、給紙先指定の設定情報を取得し(ステップS24)、給紙先指定が自動でなければ(ステップS25:No)、給紙先指定の用紙サイズを取得する(ステップS26)。そして、印刷ジョブの用紙サイズを一致する場合には(ステップS26:Yes)、白紙排出する給紙先を決定し(ステップS27)、用紙再セットの催促画面を表示する(ステップS28)と共に、排紙先から用紙が取り除かれたか否かを確認し、取り除かれるまで待機する(ステップS29:No)。
【0024】
用紙が取り除かれていれば(ステップS29:Yes)、給紙先に用紙がセットされたか否かを確認し、用紙がセットされるまで待機し(ステップS30:No)、用紙がセットされたら(ステップS30:Yes)、用紙再セットの催促画面表示を消去する(ステップS31)。なお、ステップS29とステップS30においては、催促画面に表示される「印刷再開」ボタンの押下を判断基準としてもよい。
一方、ステップS25において、給紙先指定が自動の場合には(ステップS25:Yes)、ジョブ属性から給紙先の情報を取得し(ステップS32)、以下、ステップS27に移行する。また、ステップS26において印刷ジョブの用紙サイズと一致しない場合も(ステップS26:No)、ステップS32に移行する。
【0025】
次に、図5を参照しつつ、本実施形態において、印刷ジョブの追い越しを実行するとき、前の印刷ジョブと後の印刷ジョブがどのように処理されるかを説明する。
図5の左上に示すように、印刷前にはJob1とJob2は受信されておらず、印刷スプール41にはジョブが入っていない(ステップS41)。次いで、Job1が受信され(ステップS42)、Job1の印刷中にJob2が受信されると(ステップS43)、印刷スプール41に格納されたJob1とJob2の順序を入れ替える(ステップS44)。そして、Job2の印刷を行うと共にJob1の印刷は停止し(ステップS45)、Job2の印刷が完了するまで続行する(ステップS46)。Job2の印刷が完了したら、用紙再セットとして前後を入れ替えたJob1を元に戻し、Job1の印刷枚数分だけ白紙ページを追加する(ステップS47)。そして、Job1の印刷を再開し(ステップS48)、Job1の印刷が完了するまで印刷を続行する(ステップS49)。
【0026】
次に、図6を参照しつつ、本実施形態において、印刷ジョブ属性(例えば、優先度)によって、印刷ジョブの追い越し可否を判定する場合を説明する。
図6に示すように、Job1の印刷中にJob2を受信する(ステップS51)。すると、ジョブ属性に付随しているジョブ属性の優先度を取得し(ステップS52)、Job2の優先度がJob1の優先度を上回っていれば(ステップS53:Yes)、Job2を先に印刷する(ステップS54)。
また、ステップS53において、Job2の優先度がJob1の優先度を下回っていれば(ステップS53:No)、Job1を先に印刷する(ステップS55)。
【0027】
次に、図7を参照しつつ、本実施形態において、エラー発生(例えば、用紙なし)によって、印刷ジョブの追い越し可否を判定する場合を説明する。
図7に示すように、Job1の印刷中に(ステップS61)、紙なし(但し、ステープル印刷が不可となるエラーは除く)が発生すると(ステップS62)、Job1の印刷を停止して(ステップS63)、Job2を受信し(ステップS64)。ジョブ属性からJob2の給紙先を取得する(ステップS65)。
そして、Job2の印刷が可能であれば(ステップS66:Yes)、Job2を先に印刷する(ステップS67)。また、ステップS66において、Job2の印刷が不可であれば(ステップS66:No)、Job1の印刷が可能の場合には(ステップS68:Yes)、Job1を印刷する(ステップS69)。ステップS68において、Job1の印刷が不可の場合には(ステップS68:No)、ステップS66に戻り、ステップS66:NoからステップS68:Noのループが所定回数繰り返されると、紙なしである旨の表示を、操作パネル21に行う。
【0028】
次に、図8を参照しつつ、本実施形態において、「用紙なし」となり、再セットを催促する画面の表示例を説明する。
図8に示すように、操作パネル21には、「排紙先に用紙が残っています。印刷を再開するには、排紙先に残っている用紙をインサーターにセットしてください」と表示する。このとき、空排出した排紙先がフィニッシャー・シフトトレイである旨を表示する。本実施形態では、上記文字表示に併せて画像生成装置1の概略表示を併せて行う。なお、符号23はフィニッシャー、26は排紙トレイ、27はインサーター、28は給紙トレイに相当する部分である。
【0029】
次に、図9を参照しつつ、本実施形態において、用紙を再セットする給紙先の選択画面の表示例を説明する。
「用紙なし」となり給紙を行う場合には、図9に示す給紙先選択画面が操作パネル21に表示される。
給紙先には、「自動・手差し・トレイ1〜トレイ4・大量給紙トレイ・インサーター上・インサーター下」の9種類が表示される。ユーザーは操作パネル21の右上の「設定」を順次タッチすることにより、9種類の給紙先の何れかを選択することができる。
【0030】
次に、図10を参照しつつ、本実施形態において、ステープルトレイに蓄積された用紙を空排出する排紙先の選択画面の表示例を説明する。
追い越し印刷を可能とする場合には、空排出先を「自動」で決定することも可能であるが、ユーザーの好みに応じて予め空排出を設定することも可能である。
ユーザーが予め空排出を設定する場合には、図10に示すように、「自動とフィニッシャー・トレイ1とフィニッシャー・トレイ2」の3種類の何れかを選択することが可能である。
選択する場合には、図10に示す操作パネル21の「設定」を順次タッチすることにより、3種類の何れかを選択する。
【0031】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 画像生成装置
2 ホストコンピュータ(ホストPC)
10 制御部
21 操作パネル
22 本体エンジン
23 フィニッシャー
24 プログラム媒体
40 印刷結果
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2003−131831号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル印刷が可能な画像生成装置において、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する手段と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する手段と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する手段と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する手段と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する手段と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する手段と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする手段と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する手段と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先をシフト動作する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に印刷シートを排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先とは別の排紙先へ後の印刷ジョブを排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出し、その白紙にスタンプをする手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前後の印刷ジョブのジョブ属性を比較する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前の印刷ジョブの印刷中にエラーの発生および種類を検知する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
用紙が再セットされたことを判断するために、空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面にボタンを表示する手段と、
画面上のボタン押下により、前の印刷ジョブを再開する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出した用紙を再セットする給紙先を選択する画面を表示する手段と、
選択画面で選択した給紙先の設定を保存および取得する手段と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段と、
選択画面で選択した給紙先からステープルトレイへ白紙排出する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出する排紙先を選択する画面を表示する手段と、
選択画面で選択した排紙先の設定を保存および取得する手段と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段と、
ステープルトレイから選択画面で選択した排紙先へ空排出する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項12】
ステープル印刷が可能な画像生成装置における画像生成方法であって、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する処理と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する処理と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する処理と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する処理と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する処理と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する処理と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする処理と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する処理と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する処理と
を行うことを特徴とする画像生成方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムを記録および実行可能な記録媒体。
【請求項1】
ステープル印刷が可能な画像生成装置において、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する手段と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する手段と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する手段と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する手段と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する手段と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する手段と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする手段と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する手段と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先をシフト動作する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に印刷シートを排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先とは別の排紙先へ後の印刷ジョブを排出する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブを区別するために、空排出した排紙先に白紙を排出し、その白紙にスタンプをする手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前後の印刷ジョブのジョブ属性を比較する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6に記載の画像生成装置において、
印刷ジョブの追い越し可否を判定するために、前の印刷ジョブの印刷中にエラーの発生および種類を検知する手段を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
用紙が再セットされたことを判断するために、空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面にボタンを表示する手段と、
画面上のボタン押下により、前の印刷ジョブを再開する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出した用紙を再セットする給紙先を選択する画面を表示する手段と、
選択画面で選択した給紙先の設定を保存および取得する手段と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段と、
選択画面で選択した給紙先からステープルトレイへ白紙排出する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8に記載の画像生成装置において、
空排出する排紙先を選択する画面を表示する手段と、
選択画面で選択した排紙先の設定を保存および取得する手段と、
空排出した用紙を給紙先へ再セットを促す画面に給紙先を表示する手段と、
ステープルトレイから選択画面で選択した排紙先へ空排出する手段と
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項12】
ステープル印刷が可能な画像生成装置における画像生成方法であって、前後の印刷ジョブがステープル印刷である場合に、
前の印刷ジョブ印刷中に後の印刷ジョブの指示を検知する処理と、
後の印刷ジョブが前の印刷ジョブを追い越すことが可能か否かを判断する処理と、
追い越す場合には、ステープルトレイに蓄積されている用紙を空排出する処理と、
前の印刷ジョブを中断し、後の印刷ジョブを先に印刷する処理と、
後の印刷ジョブ印刷完了後に、前記空排出した用紙を給紙先への再セットを促す画面を表示する処理と、
給紙先に用紙が再セットされたことを検知する処理と、
前の印刷ジョブとして印刷された枚数をカウントする処理と、
給紙先に再セットした用紙を、前の印刷ジョブの印刷枚数分、ステープルトレイへ白紙排出する処理と、
前の印刷ジョブの残りページを印刷する処理と
を行うことを特徴とする画像生成方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至請求項11の画像生成装置を制御するプログラムを記録および実行可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−201615(P2010−201615A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46141(P2009−46141)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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