説明

画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラム

【課題】仮想空間に配置されるキャラクタの様子を、ユーザにとって視認しやすくするのに好適な画像生成装置等を提供する。
【解決手段】画像生成装置200は、以下のように構成する。生成部201は、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する。検出部202は、主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する。割当部203は、検出された変位のうち、大きさが上位の変位を副キャラクタに割り当てる。変更部204は、副キャラクタに割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に配置されるキャラクタの様子を、ユーザにとって視認しやすくするのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが体を動かしてプレイするゲームが遊技場等で広く普及している。例えば、特許文献1には、ステップを踏むタイミング等をガイドし、プレイヤが音楽に合わせて踏み台を踏むことで、ダンス感覚を体感できるダンスゲーム装置が開示されている。近年では、ステップだけでなく、手や体全体を使った動きが求められるダンスゲームもある。このようなゲームでは、画面に表示されたキャラクタがダンスを行い、プレイヤは同じような動作を求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、ステップ以外にも様々な動きが求められるダンスゲームの場合、プレイヤはキャラクタのどの部分の動きに注目してよいか、わからないことがある。特に、ゲームの初心者においては、振り付けの主だった部分をわかりやすく提示してほしいという要望もある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、仮想空間に配置されるキャラクタの様子を、ユーザにとって視認しやすくするのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る画像生成装置は、生成部と、検出部と、割当部と、変更部と、を備え、以下のように構成する。なお、以下では、画面内を移動するオブジェクトが示す方向に従って、ステップを踏むダンスゲームを例に、説明する。
【0007】
生成部は、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する。
【0008】
例えば、主キャラクタとは、仮想空間に配置されるオブジェクトであり、ダンスゲームにおいて、ユーザが求められるダンスを踊って見せるものである。副キャラクタとは、主キャラクタと共に仮想空間に配置されるオブジェクトであり、主キャラクタと同様の動きを行うものである。また、視点とは、仮想空間に配置された仮想カメラの位置である。すなわち、生成部は、主キャラクタと副キャラクタがダンスを踊る様子を、仮想カメラから撮影した画像を生成する。
【0009】
検出部は、主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する。
【0010】
ここで、部位とは、主キャラクタの腕、脚、及び胴体などの身体の部位を示す。また、変位は、各部位に設定される基準点が動いた距離により求まるとする。例えば、腕には、手首や肘の部分に基準点が設定されているとし、腕の変位は、仮想空間上で肘や手首が移動した距離とする。
【0011】
例えば、主キャラクタが、腕を伸ばして、体の側面において上から下へ移動させる動作を行ったとする。検出部は、当該動作の始点となる位置から終点となる位置まで、腕の基準点に設定されている手首が移動した距離を求める。
【0012】
割当部は、検出された変位のうち、大きさが上位の変位を副キャラクタに割り当てる。
【0013】
例えば、主キャラクタが、楽曲に合わせて両腕、両脚を動かしたとする。検出部が各部位の変位を求めると、割当部は、それらの中から最も大きい変位を副キャラクタに割り当てる。
【0014】
変更部は、副キャラクタに割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する。
【0015】
例えば、変更部は、副キャラクタに割り当てられた変位に対応する動作が、仮想カメラから最も見やすいように、副キャラクタの向きを変える。
【0016】
本発明によれば、2つのキャラクタに同じ動作をさせ、一方のキャラクタには、最も動きの大きな動作が視認しやすいように、向きを変えさせることにより、注目すべき動作をわかりやすく提示することができる。
【0017】
また、変更部は、副キャラクタの向きを、当該変位を視点から見込む角度が大きくなるように、変更するようにしてもよい。
【0018】
ここで、見込む角度とは、キャラクタの部位の変位の始点及び終点と視点との3点を頂点とする三角形において、当該視点における三角形の内角である。例えば、主キャラクタが、腕を伸ばして、体の側面において上(始点)から下(終点)へ移動させる動作を行った場合、変更部は、見込む角度を当該動作の始点、終点、及び仮想カメラの位置から求め、動作の見込む角度が最も大きくなるように、副キャラクタの向きを変更する。
【0019】
本発明によれば、最も動作の大きい部位が見やすいように、自動的に向きを設定することができる。
【0020】
仮想空間内には、副キャラクタが2つ配置され、変更部は、2つの副キャラクタの向きを、互いに直交するように、変更するようにしてもよい。
【0021】
2つの副キャラクタは、主キャラクタと共に仮想空間に配置され、主キャラクタと同様の動きを行う仮想空間上のオブジェクトである。すなわち、変更部は、一方の副キャラクタの向きを変更し、当該一方の副キャラクタの向きと90度をなす向きに、他方の副キャラクタの向きを変更する。
【0022】
本発明によれば、最も動作の大きい部位の動きを、最も見やすい向きからだけでなく、他の方向からも確認することができる。
【0023】
あるいは、仮想空間内には、副キャラクタが2つ配置され、変更部は、2つの副キャラクタの向きを、互いに対称になるように、変更するようにしてもよい。
【0024】
例えば、仮想空間において、画面正面から見て右から、第1の副キャラクタ、主キャラクタ、第2の副キャラクタの順に横一列に配置され、仮想カメラが主キャラクタの正面中央から一定の距離に配置され、仮想カメラの撮影方向は主キャラクタの方向を向いているとする。変更部は、第1の副キャラクタの向きと仮想カメラの撮影方向がなす角度を求め、当該角度を、第2の副キャラクタの向きと撮影方向とがなす角度となるように、第2の副キャラクタの向きを変更する。
【0025】
本発明によれば、最も動作の大きい部位の動きを、最も見やすい向きからだけでなく、他の方向からも確認することができる。
【0026】
また、仮想空間内には、副キャラクタが複数配置され、割当部は、検出された変位のうち、大きさが上位の変位を、互いに重複しないように割り当てるようにしてもよい。
【0027】
例えば、主キャラクタのほかに、副キャラクタが2つ仮想空間に配置されているとする。検出部が主キャラクタの各部位の変位を求めた後、割当部は、最も大きい変位を一方の副キャラクタに割り当て、2番目に大きい変位を他方の副キャラクタに割り当てる。そして、変更部は、一方の副キャラクタの向きを、最も変位の大きな動作が見やすいように変更し、他方の副キャラクタの向きを、2番目に変位の大きな動作が見やすいように変更する。
【0028】
本発明によれば、注目すべき複数の動作のそれぞれを、見やすい方向から確認することができる。
【0029】
本発明の第2の観点に係る画像生成方法は、生成部と、検出部と、割当部と、変更部と、を備える画像生成装置が実行する画像生成方法であって、以下のように構成する。
【0030】
生成工程において、生成部が、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する。
【0031】
検出工程において、検出部が、主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する。
【0032】
割当工程おいて、割当部が、検出された変位のうち、大きさが上位の変位を副キャラクタに割り当てる。
【0033】
変更工程において、変更部が、副キャラクタに割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する。
【0034】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記画像生成装置として機能させ、コンピュータに上記画像生成方法を実行させるように構成する。
【0035】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0036】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、仮想空間に配置されるキャラクタの様子を、ユーザにとって視認しやすくするのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る画像生成装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】情報処理装置に接続可能なマット型コントローラの概要構成を示す模式図である。
【図3】実施形態1のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図4】実施形態1に係る画像生成装置の概要構成を示す図である。
【図5】主キャラクタ及び副キャラクタと仮想カメラとの位置関係を説明するための図である。
【図6】主キャラクタの各部位の変位を説明するための図である。
【図7】見込む角度を説明するための図である。
【図8】見込む角度を説明するための図である。
【図9】見込む角度を説明するための図である。
【図10】実施形態1のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図11】実施形態1の画像生成装置の各部が行う画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】見込む角度を説明するための図である。
【図13】回転可能な方向を説明するための図である。
【図14】実施形態2のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図15】実施形態2の画像生成装置の各部が行う画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】主キャラクタ、第1の副キャラクタ、及び第2の副キャラクタと仮想カメラとの位置関係を説明するための図である。
【図17】実施形態3のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図18】実施形態3の第2の副キャラクタの向きを説明するための図である。
【図19】実施形態3の第2の副キャラクタの向きを説明するための図である。
【図20】実施形態3のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図21】実施形態3の画像生成装置の各部が行う画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】実施形態4の第2の副キャラクタの向きを説明するための図である。
【図23】実施形態4のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図24】実施形態4の画像生成装置の各部が行う画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】実施形態5の複数の副キャラクタの向きを説明するための図である。
【図26】実施形態5のゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図27】実施形態5の画像生成装置の各部が行う画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の画像生成装置は、仮想空間に配置される主キャラクタの動作を、ユーザにとって視認しやすくするために、主キャラクタと同じ動作をする他のキャラクタ(以下、「副キャラクタ」という)の向きを制御した画像を生成するものである。副キャラクタの向きを制御する手法は複数あり、各手法を採用した画像生成装置を実施形態1乃至5として説明する。
【0040】
実施形態1の画像生成装置は、副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御する。
実施形態2の画像生成装置は、実施形態1において、副キャラクタの向きを連続的に変更させるように制御する。
実施形態3の画像生成装置は、2つの副キャラクタの向きを制御するものであって、一方の副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御し、他方の副キャラクタの向きを当該一方副キャラクタの向きと直交するように制御する。
実施形態4の画像生成装置は、2つの副キャラクタの向きを制御するものであって、一方の副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御し、他方の副キャラクタの向きを当該一方の副キャラクタの向きと対称となるように制御する。
実施形態5の画像生成装置は、複数の副キャラクタに動作の変位の大きさが上位のものから割り当て、各副キャラクタの向きを、割り当てられた変位に対応する動作が見やすいように制御する。
【0041】
(情報処理装置の概要構成)
まず、これらの実施形態の画像生成装置が実現される典型的な情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0042】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係る画像生成装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0043】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マット型コントローラ111と、を備える。
【0044】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0045】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記憶され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記憶されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記憶される。
【0046】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、等の処理を行う。
【0047】
コントローラ105は、インターフェース104を介して接続される。コントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0048】
外部メモリ106は、インターフェース104を介して着脱自在に接続される。外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶させることができる。
【0049】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記憶させる。フレームメモリに記憶された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0050】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記憶される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0051】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0052】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0053】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0054】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0055】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0056】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである場合には、音声処理部110は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCM(Pulse Code Modulation)データに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential PCM)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0057】
マット型コントローラ111は、インターフェース104を介して接続される。本発明において、情報処理装置100に複数のマット型コントローラ111を接続することも可能である。マット型コントローラ111は、プレイヤがゲームプレイの際に行う操作入力を受け付ける。図2は、マット型コントローラ111の外観を示す説明図である。以下、本図を参照してマット型コントローラ111を説明する。
【0058】
図2は、床面に設置されたマット型コントローラ111を真上から眺めたときのマット型コントローラ111の概略図である。マット型コントローラ111の所定領域には、“左”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111L、“右”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111R、“上”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111U、“下”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111D、がそれぞれ配置されている。プレイヤは、ボタン111L、111R、111U、111Dを任意のタイミングで押圧することができる。CPU 101は、ボタン111L、111R、111U、111Dのそれぞれについて、ボタンが押圧されている状態であるか否かを判別する。
【0059】
本実施形態では、マット型コントローラ111は4個のボタン111L、111R、111U、111Dを備えているが、ボタンの数は4個に限定されず、3個以下あるいは5個以上でもよい。
【0060】
また、マット型コントローラ111に代えて、赤外線カメラ等を使用することによりプレイヤの体全体の動きを捉えることで、ゲームプレイの操作入力としてもよい。
【0061】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0062】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0063】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0064】
以下、上記情報処理装置100において実現される実施形態1乃至5に係る画像生成装置の概要構成について、図1乃至27を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1乃至5に係る画像生成装置が以下に示すダンスゲームの画像を生成する。
【0065】
(ゲームの概要)
まず、各実施形態の画像生成装置が生成するゲーム画像にかかるダンスゲームについて説明する。
【0066】
図3のダンスゲームのゲーム画像は、複数種類の目標オブジェクトMO1〜MO4が、演奏される楽曲のリズム等に同調して、移動レーンLa(オブジェクトの種類に応じたレーン)に沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動し、消えて行く様子を示している。目標オブジェクトMO1〜MO4は、異なる向きの矢印シンボルを表している。右向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO1は、プレイヤに右方向にステップを踏むように指示するものである。同様に、下向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO2は後方に、上向きの矢印のシンボルである目標オブジェクトMO3は前方に、左向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO4は左方向に、ステップを踏むことを指示するものである。これらの目標オブジェクトMO1〜MO4は、移動レーンLaの下端(起点)から出現して、移動レーンLaを上方向に移動し、移動レーンLaの上端(終点)にて消滅する。
【0067】
また、ダンスゲームのゲーム画像には、各目標オブジェクトMO1〜MO4と同じ形状の判定オブジェクトHO1〜HO4が所定の領域(判定エリアHA1)に固定されて表示される。プレイヤは、目標オブジェクトMO1〜MO4が判定オブジェクトHO1〜HO4に完全に重なったタイミング(以下、「重複タイミング」という)で、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向にステップを踏むことが求められる。すなわち、目標オブジェクトMO1が判定オブジェクトHO1に完全に重なったタイミングで、ボタン111Rを押圧することが求められる。同様に、目標オブジェクトMO2が判定オブジェクトHO2に完全に重なったタイミングで、ボタン111Dを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO3が判定オブジェクトHO3に完全に重なったタイミングで、ボタン111Uを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO4が判定オブジェクトHO4に完全に重なったタイミングで、ボタン111Lを押圧することが求められる。
【0068】
プレイヤは、重複タイミングで、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向にステップを踏む(ボタン111L、111R、111U、111Dの押圧する)と、得点が加算され、例えば、図3の“123400”のように画面にそれぞれの得点が表示される。一方、重複タイミングで、プレイヤによる入力が無かった場合や、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向にステップが踏まれなかった場合、得点は得られず、又は得点が減算される。なお、ステップを踏むタイミングと重複タイミングとの誤差が小さいほど、高得点を得られるようにしてもよい。
【0069】
また、ゲーム画像には、主キャラクタ300及び第1の副キャラクタ400が表示される。主キャラクタ300及び第1の副キャラクタ400は、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向に重複タイミングでステップを踏みながら、模範的なダンスを踊るものである。
【0070】
(実施形態1)
実施形態1の画像生成装置は、副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御する。
実施形態1の画像生成装置200は、図4に示すように、生成部201と、検出部202と、割当部203と、変更部204と、を備える。
また、以下の実施形態では、上記副キャラクタを「第1の副キャラクタ400」として説明する。
【0071】
生成部201は、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタ300と、主キャラクタ300と同じ姿勢をとる第1の副キャラクタ400と、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する。ここで、視点は仮想空間に配置された仮想カメラの位置であるとする。主キャラクタ300及び第1の副キャラクタ400と仮想カメラ900との位置関係を図5に示す。仮想カメラ900は、主キャラクタ300の正面の方向1001に一定の距離をおいて配置される。また、第1の副キャラクタ400は、主キャラクタ300の横方向に一定の距離をおいて配置され、ゲーム開始時は、主キャラクタ300の方向1001と同じ方向1002を向いて配置される。この主キャラクタ300と同じ方向1002を、第1の副キャラクタ400の基準方向とする。生成部201は、図3に示すような、仮想カメラ900から見た様子の画像を生成する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、生成部201として機能する。
【0072】
検出部202は、主キャラクタ300の複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する。例えば、変位は、予め各部位に設定される基準点が動いた距離により求まるとする。図6に示すように、主キャラクタ300の左腕301が画面上方に移動し、右脚302が、画面正面から見て右方向に移動したとする。左腕301の基準点が左腕301の端部711に、右脚302の基準点が右脚302の端部712に設定されているとすると、検出部202は、左腕301の端部711が移動した距離(変位701)、及び、右脚302の端部712が移動した距離(変位702)を検出する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、検出部201として機能する。
【0073】
割当部203は、検出された変位のうち、最も大きい変位を第1の副キャラクタ400に割り当てる。例えば、図6のように、主キャラクタ300の各部位が動かされたとする。この場合、変位701は変位702より大きいので、割当部203は、変位701を第1の副キャラクタ400に割り当てる。
したがって、CPU 101が割当部203として機能する。
【0074】
変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、第1の副キャラクタ400の向きを変更する。例えば、図7に示すように、主キャラクタ300の左腕301が動く場合であって、変位703が最も大きな変位として、第1の副キャラクタ400に割り当てられたとする。変更部204は、主キャラクタ300の左腕301の変位703に対応する動作(変位704)が、仮想カメラ900から最も見やすいように、第1の副キャラクタ400の向きを変更する。
したがって、CPU 101が変更部204として機能する。
【0075】
具体的には、変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを、基準方向1002から、当該変位を仮想カメラから見込む角度が大きくなるような方向に変更する。ここで、「見込む角度」とは、変位の始点及び終点と視点との3点を頂点とする三角形において、当該視点における三角形の内角である。図7に示す方向1003に第1の副キャラクタ400が向いている場合、見込む角度は、変位704の始点及び終点と、仮想カメラ900との三角形において、仮想カメラ900における内角(角度901)である。変更部204は、この内角が最も大きくなる向きを、第1の副キャラクタ400の向きとする。例えば、図7に示す方向1003から図8に示す方向1004に第1の副キャラクタ400の方向を変更したとすると、見込む角度(角度902)は図7の見込む角度(角度901)より大きくなる。一方、図9に示す方向1005に第1の副キャラクタ400の方向を変更すると、見込む角度(角度903)は図7の見込む角度(角度901)より大きくなるが、図8の見込む角度(角度902)より小さくなる。したがって、変更部204は、方向1004が見込む角度が最大になる向きとして、第1の副キャラクタ400の向きを基準方向1002から方向1004に変更する。
【0076】
変更部204により第1の副キャラクタ400の方向が方向1004に変更された場合に、生成部201が生成する画像を図10に示す。主キャラクタ300の左腕301の変位703は、主キャラクタ300の正面から見ると実際の変位よりも小さく見えてしまう。しかし、同じ動作を行う第1の副キャラクタ400の向きを上記の手法により変えることにより、プレイヤに求められる左腕の動作をわかりやすく提示することができる。
【0077】
(画像生成装置の動作)
以下、本実施形態の画像生成装置200の各部が行う動作について説明する。画像生成装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図11のフローチャートに示す画像生成処理を開始する。
【0078】
生成部201は、主キャラクタ300及び第1の副キャラクタ400を含む仮想空間の画像を生成する(ステップS101)。例えば、生成部201は、図3に示すような画像を生成する。
【0079】
生成部201が生成した画像は、画像処理部107が備えるフレームメモリ等に記憶される。そして、画像処理部107は、垂直同期割り込みが生じるまでキューのクリアや、別のプロセスの処理などを行って待機する(ステップS102)。そして、垂直同期割り込みが生じると、画像処理部107は、フレームメモリに記憶された画像情報を表示信号に変換し、画像処理部107に接続されるモニタに表示する(ステップS103)。例えば、図3の画像がモニタに表示される。
【0080】
検出部202は、主キャラクタ300の各部位の変位を検出する(ステップS104)。例えば、検出部202は、図7に示すような、主キャラクタ300の左腕301の変位703を検出する。
【0081】
割当部203は、検出部202が検出した変位のうち、最も大きい変位を第1の副キャラクタ400に割り当てる(ステップS105)。例えば、検出部202が検出した最も大きい変位が、図7の変位703であるとする。割当部203は、第1の副キャラクタ400に、変位703を割り当てる。
【0082】
変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを、割り当てられた変位についての見込む角度が最大となる向きに変更する(ステップS106)。例えば、第1の副キャラクタ400に変位703が割り当てられた場合、変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを、見込む角度が最大(角度902)となる方向1004に変更する。そして、ステップS101に戻り、生成部201は、変更部204により変更された向き(方向1004)を向いた第1の副キャラクタ400を含む仮想空間の画像(図10)を生成する。
【0083】
本実施形態によれば、2つのキャラクタに同じ動作をさせ、一方のキャラクタには、最も動きの大きな動作が視認しやすいように、向きを変えさせることにより、注目すべき動作をわかりやすく提示することができる。さらに、最も動作の大きい部位が見やすいように、自動的に向きを設定することができる。
【0084】
(実施形態2)
実施形態2の画像生成装置は、実施形態1において、副キャラクタの向きを連続的に変更させるように制御する。実施形態1の場合では、変更部204により方向が求められると、第1の副キャラクタ400の向きを当該求められた方向に変更した画像が直ちに表示されるが、いきなり向きが変更されると不自然な場合がある。そこで本実施形態では、連続的に第1の副キャラクタ400の向きを変更する手法について説明する。
実施形態2の画像生成装置200は、図4に示すように、生成部201と、検出部202と、割当部203と、変更部204と、を備える。本実施形態の生成部201、検出部202、及び、割当部203は、実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する変更部204について説明する。
また、以下の実施形態では、上記副キャラクタを「第1の副キャラクタ400」として説明する。
【0085】
変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、第1の副キャラクタ400の向きを連続的に変更する。具体的には、まず、第1の副キャラクタ400の向きを変更させる角速度の上限ωを設ける。すなわち、第1の副キャラクタ400の向きを角速度ωより速く変更することはできない。したがって、垂直同期割り込み周期tの間に変更することができる第1の副キャラクタ400の向きの角度は、ω・tである。そして、現在の向きから、±ω・tだけ向きを変更した場合に、割り当てられた変位についての見込む角度が大きくなる方向を選択し、当該方向に第1の副キャラクタ400の向きを変更する。
したがって、CPU 101が変更部204として機能する。
【0086】
例えば、現時点で、主キャラクタ300及び第1の副キャラクタ400が、図9に示すように配置されているとする。また、図9の方向1005と図8の方向1004がなす角度をω・tとし、図9の方向1005と図12の方向1006がなす角度もω・tであるとする。すなわち、図13に示すように、現時点で第1の副キャラクタ400が方向1005を向いている場合、次の垂直同期割り込み周期t後に、第1の副キャラクタ400が向くことができる方向は方向1004又は方向1006である。
【0087】
変更部204は、第1の副キャラクタ400が方向1004又は方向1006を向いたときの見込む角度(角度902、904)を比較し、より大きな見込む角度(角度902)が得られる方向1004を、第1の副キャラクタ400の方向とする。なお、現時点の第1の副キャラクタ400の方向で最も見込む角度が大きい場合は、第1の副キャラクタ400の方向を変更しなくてもよい。
【0088】
例えば、第1の副キャラクタ400が、現在、基準方向1002に向いており、変更部204が、上記のように、垂直同期割り込み周期t後の向くことができる方向についての見込む角度を比較することにより、第1の副キャラクタ400の向きを最終的に方向1004に変更すると決定したとする。この場合、生成部201は、図14のような画像を生成し、第1の副キャラクタ400が方向1002から方向1004を向くまで(図10)、回転方向801に徐々に回転する様子が画面に表示されることになる。このように、向きを変更させることができる範囲でより大きな見込む角度が得られる向きを選択し、当該選択した向きに変更することにより、徐々に最も大きな見込む角度が得られる方向に変更することができる。
【0089】
(画像生成装置の動作)
以下、本実施形態の画像生成装置200の各部が行う動作について説明する。画像生成装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図15のフローチャートに示す画像処理を開始する。なお、図15のフローチャートにおいて、図11と同じステップ番号が付されているステップは、図11のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0090】
割当部203が副キャラクタに最も大きな変位を割り当てると(ステップS105)、変更部204は、垂直同期割り込み周期後に向くことができる方向を求める(ステップS206)。例えば、変位703が第1の副キャラクタ400に割り当てられ、現在、方向1005を向いているとすると、変更部204は、垂直同期割り込み周期t後に向くことができる方向1004、1006を求める。
【0091】
変更部204は、第1の副キャラクタ400が求めた方向を向いた場合に、割り当てられた変位に対応する変位の見込む角度を求める(ステップS207)。例えば、変更部204は、第1の副キャラクタ400が、図8に示すように、方向1004に向いた場合の変位704に対する見込む角度(角度902)を求める。同様に、変更部204は、第1の副キャラクタ400が、図12に示すように、方向1006に向いた場合の変位704に対する見込む角度(角度904)を求める。
【0092】
変更部204は、求めた見込む角度のうち、より大きい見込む角度が得られる方向を、第1の副キャラクタ400の方向とする(ステップS208)。すなわち、角度902は角度904よりも大きいので、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向を、より大きな見込む角度が得られる方向1004とする。そして、ステップS101に戻り、生成部201は、変更部204により変更された向き(方向1004)を向いた第1の副キャラクタ400を含む仮想空間の画像(図10)を生成する。
【0093】
本実施形態によれば、最も動作の大きい部位が見やすいように、キャラクタの向きを連続的に変更することができる。
【0094】
(実施形態3)
実施形態3の画像生成装置は、2つの副キャラクタの向きを制御するものであって、一方の副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御し、他方の副キャラクタの向きを当該一方副キャラクタの向きと直交するように制御する。
実施形態3の画像生成装置200は、図4に示すように、生成部201と、検出部202と、割当部203と、変更部204と、を備える。本実施形態の検出部202、及び、割当部203は、実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する生成部201、及び、変更部204について説明する。
また、以下では、上記一方の副キャラクタを「第1の副キャラクタ400」、上記他方の副キャラクタを「第2の副キャラクタ500」として説明する。
【0095】
生成部201は、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタ300と、主キャラクタ300と同じ姿勢をとる第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500と、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する。ここで、主キャラクタ300、第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500は、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向に重複タイミングでステップを踏みながら模範的なダンスを踊るものとし、視点は仮想空間に配置された仮想カメラの位置である。主キャラクタ300、第1の副キャラクタ400、及び第2の副キャラクタ500と仮想カメラ900との位置関係を図16に示す。仮想カメラ900は、主キャラクタ300の正面の方向1001に一定の距離をおいて配置される。また、第1の副キャラクタ400は、主キャラクタ300の横に一定の距離をおいて配置され、第2の副キャラクタ500は、主キャラクタ300の横に一定の距離をおいて、第1の副キャラクタ400の反対側に配置される。ゲーム開始時は、第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500は、主キャラクタ300の方向1001と同じ方向1002、1007を向いて配置される。この主キャラクタ300と同じ方向1002、1007を、第1の副キャラクタ400、第2の副キャラクタ500の基準方向とする。生成部201は、図17に示すような、仮想カメラ900から見た様子の画像を生成する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、生成部201として機能する。
【0096】
変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、第1の副キャラクタ400の向きを変更し、第2の副キャラクタ500の向きを、副キャラクタの向きと直交するように、変更する。例えば、図18に示すように主キャラクタの左腕301が動く場合であって、変位703が最も大きな変位として、第1の副キャラクタ400に割当られたとする。変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向を、基準方向(方向1002)から見込む角度(角度902)が最大になる方向1004に変更する。次に、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向1004と90度をなす方向(方向1008’、1008”)を求める。変更部204は、第2の副キャラクタ500が、方向1008’と同じ方向1008を向いた場合(図18)、及び、方向1008”と同じ方向1011を向いた場合(図19)、の変位705と仮想カメラ900との距離を比較する。そして、変更部204は、2つの方向のうち、割り当てられた変位703に対応する変位705が視点により近くなる方向を、第2の副キャラクタ500の方向として選択する。すなわち、変更部204は、第2の副キャラクタ500の向きを、基準方向(方向1007)から、変位705が仮想カメラ900に近くなる方向(方向1008)に変更する。
したがって、CPU 101が変更部204として機能する。
【0097】
変更部204により、第1の副キャラクタ400の方向が方向1004に変更され、第2の副キャラクタ500の方向が方向1008に変更された場合に、生成部201が生成する画像を図20に示す。このように、主キャラクタ300と同じ動作をおこなう第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500の向きを変更すると、プレイヤは、主キャラクタ300の左腕301の動作を複数の方向から確認することができる。
【0098】
(画像生成装置の動作)
以下、本実施形態の画像生成装置200の各部が行う動作について説明する。画像生成装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図21のフローチャートに示す画像処理を開始する。なお、図21のフローチャートにおいて、図11と同じステップ番号が付されているステップは、図11のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0099】
生成部201は、主キャラクタ300、第1の副キャラクタ400、及び第2の副キャラクタ500を含む仮想空間の画像を生成する(ステップS301)。例えば、生成部201は、図17に示すような画像を生成する。以下、ステップS102乃至ステップS106の処理を行う。
【0100】
変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを見込む角度が最大となる方向に変更すると(ステップS106)、次に、第1の副キャラクタ400の方向と90度をなす方向を求める(ステップS307)。例えば、第1の副キャラクタ400の向きを、方向1002から方向1004に変更する場合、方向1004と90度をなす方向1008’、1008”を求める。
【0101】
次に、変更部204は、求められた方向のうち、割り当てられた変位に対応する変位が視点に近くなる方向に第2の副キャラクタ500の方向を変更する(ステップS308)。例えば、変更部204は、第2の副キャラクタ500が方向1008’と同じ方向1008を向いた時(図18)の変位705と仮想カメラ900との距離と、第2の副キャラクタ500が方向1008”と同じ方向1011を向いた時(図19)の変位705と仮想カメラ900との距離を比較する。変位705は、第2の副キャラクタ500が方向1008を向いた場合の方が方向1011を向いた場合より、仮想カメラ900までの距離が近いので、変更部204は、第2の副キャラクタ500の方向を、方向1007から方向1008に変更する。そして、ステップS301に戻り、生成部201は、方向1004を向いた第1の副キャラクタ400及び方向1008を向いた第2の副キャラクタ500を含む仮想空間の画像(図20)を生成する。
【0102】
本実施形態によれば、最も動作の大きい部位の動きを、最も見やすい向きからだけでなく、他の方向からも確認することができる。
【0103】
(実施形態4)
実施形態4の画像生成装置は、2つの副キャラクタの向きを制御するものであって、一方の副キャラクタの向きを見込む角度が最大になるように制御し、他方の副キャラクタの向きを当該一方の副キャラクタの向きと対称となるように制御する。
実施形態4の画像生成装置200は、図4に示すように、生成部201と、検出部202と、割当部203と、変更部204と、を備える。本実施形態の検出部202及び割当部203は、実施形態1のものと同様の機能を有し、生成部201は、実施形態3のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する変更部204について説明する。
また、以下では、上記一方の副キャラクタを「第1の副キャラクタ400」、上記他方の副キャラクタを「第2の副キャラクタ500」として説明する。
【0104】
変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位と視点の位置とに基づいて、第1の副キャラクタ400の向きを変更し、第2の副キャラクタ500の向きを、副キャラクタの向きと対称となるように、変更する。例えば、図22に示すように主キャラクタの左腕301が動く場合であって、変位703が最も大きな変位として、第1の副キャラクタ400に割当られたとする。変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向を、基準方向(方向1002)から見込む角度が最大になる方向1004に変更する。次に、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向1004が方向1001となす角度(角度905)を求める。そして、方向1001と、角度905と等しい角度906をなす方向(方向1009)を求め、第2の副キャラクタ500の方向を、基準方向(方向1007)から方向1009に変更する。
したがって、CPU 101が変更部204として機能する。
【0105】
変更部204により、第1の副キャラクタ400の方向が方向1004に変更され、第2の副キャラクタ500の方向が方向1009に変更された場合に、生成部201が生成する画像を図23に示す。このように、主キャラクタ300と同じ動作をおこなう第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500の向きを変更すると、プレイヤは、主キャラクタ300の左腕301の動作を複数の方向から確認することができる。
【0106】
(画像生成装置の動作)
以下、本実施形態の画像生成装置200の各部が行う動作について説明する。画像生成装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図24のフローチャートに示す画像処理を開始する。なお、図24のフローチャートにおいて、図11及び図21と同じステップ番号が付されているステップは、図11及び図21のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0107】
変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを見込む角度が最大となる向きに変更すると(ステップS106)、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向と対称となる方向を求める(ステップS407)。例えば、第1の副キャラクタ400の方向を方向1004に変更する場合、変更部204は、方向1004と方向1001となす角度(角度905)を求め、方向1001と、角度905と等しい角度906をなす方向1009を求める。
【0108】
次に、変更部204は、第2の副キャラクタ500の方向を求めた方向に変更する(ステップS408)。すなわち、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向を、方向1002から方向1004に変更する場合、第2の副キャラクタ500の方向を、方向1007から方向1009に変更する。そして、ステップS301に戻り、生成部201は、方向1004を向いた第1の副キャラクタ400及び方向1009を向いた第2の副キャラクタ500を含む仮想空間の画像(図23)を生成する。
【0109】
本実施形態によれば、最も動作の大きい部位の動きを、最も見やすい向きからだけでなく、他の方向からも確認することができる。
【0110】
(実施形態5)
実施形態5の画像生成装置は、複数の副キャラクタに動作の変位の大きさが上位のものから割り当て、各副キャラクタの向きを、割り当てられた変位に対応する動作が見やすいように制御する。
実施形態5の画像生成装置200は、図4に示すように、生成部201と、検出部202と、割当部203と、変更部204と、を備える。本実施形態の検出部202は、実施形態1のものと同様の機能を有し、生成部201は、実施形態3のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する割当部203、及び、変更部204について説明する。
なお、本実施形態では、副キャラクタは2つあるとし、上位の変位が割り当てられる副キャラクタを「第1の副キャラクタ400」、下位の変位が割り当てられる副キャラクタを「第2の副キャラクタ500」として説明する。
【0111】
割当部203は、検出された変位のうち、大きさが上位のものから第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500に割り当てる。例えば、図25のように、主キャラクタ300の左腕301及び右腕303が動いたとする。この場合、変位703は変位706より大きいので、割当部203は、変位703を第1の副キャラクタ400に割り当て、変位706を第2の副キャラクタ500に割り当てる。
したがって、CPU 101が割当部203として機能する。
【0112】
変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位と視点とに基づいて第1の副キャラクタ400の向きを変更し、第2の副キャラクタ500に割り当てられた変位と視点とに基づいて第2の副キャラクタ500の向きを変更する。具体的には、変更部204は、第1の副キャラクタ400に割り当てられた変位703に対応する変位704の見込む角度が最大になるように、基準方向(方向1002)から向きを変更する。また、第2の副キャラクタ500に割り当てられた変位706に対応する変位708の見込む角度が最大になるように、基準方向(方向1007)から向きを変更する。すなわち、変更部204は、第1の副キャラクタ400の方向を、変位704の見込む角度が最大(角度902)となる方向1004に、第2の副キャラクタ500の方向を、変位708の見込む角度が最大(角度907)となる方向1010に変更する。
したがって、CPU 101が変更部204として機能する。
【0113】
変更部204により、第1の副キャラクタ400の方向が方向1004に変更され、第2の副キャラクタ500の方向が方向1010変更された場合に、生成部201が生成する画像を図26に示す。主キャラクタ300を正面から見ると、左腕301の動作(変位703)は実際よりも小さく、また、右腕303の動作(変位706)はほとんど見ることができない。しかし、同じ動作を行う第1の副キャラクタ400及び第2の副キャラクタ500の向きを上記の手法により変えることにより、プレイヤは、それぞれの動作を最も見やすい方向から確認することができる。
【0114】
以下、本実施形態の画像生成装置200の各部が行う動作について説明する。画像生成装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図27のフローチャートに示す画像処理を開始する。なお、図27のフローチャートにおいて、図11及び図21と同じステップ番号が付されているステップは、図11及び図21のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0115】
検出部202が、主キャラクタ300の各部位の変位を検出すると(ステップS104)、割当部203は、検出部202が検出した変位のうち、最も大きい変位を第1の副キャラクタ400に割り当て、2番目に大きい変位を第2の副キャラクタ500に割り当てる(ステップS505)。例えば、主キャラクタ300が図25に示すように動き、検出部202が変位703及び変位706を検出したとすると、割当部203は、第1の副キャラクタ400に変位703を割り当て、第2の副キャラクタ500に変位706を割り当てる。
【0116】
変更部204は、第1の副キャラクタ400の向きを、割り当てられた変位についての見込む角度が最大となる向きに変更する(ステップS506)。例えば、第1の副キャラクタ400に変位703が割り当てられたとすると、変更部204は、第1の副キャラクタの方向1002を、変位704についての見込む角度が最大(角度902)となる方向1004に変更する。
【0117】
また、変更部204は、第2の副キャラクタ500の向きを、割り当てられた変位についての見込む角度が最大となる向きに変更する(ステップS507)。例えば、第2の副キャラクタ500に変位706が割り当てられたとすると、変更部204は、第2の副キャラクタの方向1007を、変位708についての見込む角度が最大(角度907)となる方向1010に変更する。そして、ステップS301に戻り、生成部201は、方向1004を向いた第1の副キャラクタ400及び方向1010を向いた第2の副キャラクタ500を含む仮想空間の画像(図26)を生成する。
【0118】
本実施形態によれば、注目すべき複数の動作のそれぞれを、見やすい方向から確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明によれば、仮想空間に配置されるキャラクタの様子を、ユーザにとって視認しやすくするのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0120】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マット型コントローラ
111L、111R、111U、111D ボタン
200 画像生成装置
201 生成部
202 検出部
203 割当部
204 変更部
MO1〜MO4 目標オブジェクト
HO1〜HO4 判定オブジェクト
HA1 判定エリア
300 主キャラクタ
301 左腕
302 右脚
303 右腕
400 第1の副キャラクタ
500 第2の副キャラクタ
701、702、703、704、705、706、707、708 変位
711、712 端部
801 回転方向
900 仮想カメラ
901、902、903、904、905、906、907 角度
1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1008’、1008”、1009、1010、1011 方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する生成部と、
前記主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する検出部と、
前記検出された変位のうち、大きさが上位の変位を前記副キャラクタに割り当てる割当部と、
前記副キャラクタに割り当てられた変位と前記視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する変更部と、
を備えることを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記変更部は、前記副キャラクタの向きを、当該変位を前記視点から見込む角度が大きくなるように、変更する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像生成装置であって、
前記仮想空間内には、副キャラクタが2つ配置され、
前記変更部は、前記2つの副キャラクタの向きを、互いに直交するように、変更する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像生成装置であって、
前記仮想空間内には、副キャラクタが2つ配置され、
前記変更部は、前記2つの副キャラクタの向きを、互いに対称になるように、変更する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記仮想空間内には、副キャラクタが複数配置され、
前記割当部は、前記検出された変位のうち、大きさが上位の変位を、互いに重複しないように割り当てる
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
生成部と、検出部と、割当部と、変更部と、を備える画像生成装置が実行する画像生成方法であって、
前記生成部が、時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する生成工程と、
前記検出部が、前記主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する検出工程と、
前記割当部が、前記検出された変位のうち、大きさが上位の変位を前記副キャラクタに割り当てる割当工程と、
前記変更部が、前記副キャラクタに割り当てられた変位と前記視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する変更工程と、
を備えることを特徴とする画像生成方法。
【請求項7】
コンピュータを、
時間の経過にともなって姿勢を変化させる主キャラクタと、当該主キャラクタと同じ姿勢をとる副キャラクタと、が配置される仮想空間を、当該仮想空間内に配置された視点から見た様子を表す画像を生成する生成部、
前記主キャラクタの複数の部位のそれぞれの、姿勢の変化にともなう変位の大きさを検出する検出部、
前記検出された変位のうち、大きさが上位の変位を前記副キャラクタに割り当てる割当部、
前記副キャラクタに割り当てられた変位と前記視点の位置とに基づいて、当該副キャラクタの向きを変更する変更部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−24437(P2012−24437A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167826(P2010−167826)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】