画像生成装置、画像生成方法及びプログラム
【課題】画面に表示されるオブジェクトの表示位置及び表示サイズの変化を抑制しつつ、オブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能な画像生成装置を提供すること。
【解決手段】仮想カメラの位置及び画角を第1の位置及び第1の画角に設定した場合の仮想カメラから見た仮想空間を表す第1の画像が生成される。仮想カメラの位置及び画角を、仮想カメラの視線方向の略逆方向に第1の位置から移動してなる第2の位置、及び前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の仮想カメラから見た仮想空間を表す第2の画像が生成される。表示手段に表示する画像は第1の画像と第2の画像との間で切り替えられる。仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが第1の画像と第2の画像とで略同じになるように、第1の位置と第2の位置との間の距離と、第1の画角と第2の画角との差とが設定される。
【解決手段】仮想カメラの位置及び画角を第1の位置及び第1の画角に設定した場合の仮想カメラから見た仮想空間を表す第1の画像が生成される。仮想カメラの位置及び画角を、仮想カメラの視線方向の略逆方向に第1の位置から移動してなる第2の位置、及び前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の仮想カメラから見た仮想空間を表す第2の画像が生成される。表示手段に表示する画像は第1の画像と第2の画像との間で切り替えられる。仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが第1の画像と第2の画像とで略同じになるように、第1の位置と第2の位置との間の距離と、第1の画角と第2の画角との差とが設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像生成装置、画像生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間に配置されたオブジェクトを仮想カメラから見た様子を表す画像を生成する画像生成装置が知られている。例えば、プレイヤによって操作されるオブジェクトを仮想カメラから見た様子を表す画像を生成するゲーム装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような画像生成装置では、例えば、オブジェクトが画面の端に表示されている状態で仮想カメラのズームアップを行うと、オブジェクトが画面外側に向かって移動する。そのため、仮想カメラのズームアップを行うことにより、オブジェクトが画面外に出てしまい、オブジェクトが画面に表示されなくなってしまう場合があった。また、仮想カメラのズームアップを行うことによって、オブジェクトの表示サイズが大きくなりすぎてしまい、画面の大部分がこのオブジェクトによって占められてしまい、他の部分が隠されてしまう場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、画面に表示される所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズの変化を抑制しつつ、所定のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能な画像生成装置、画像生成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像生成装置は、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段と、を含み、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像生成方法は、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替ステップと、を含み、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段、及び、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段、としてコンピュータを機能させ、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とするプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、画面に表示される所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズの変化を抑制しつつ、所定のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、の交点が前記所定のオブジェクトの位置に対応する位置になるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されるようにしてもよい。
【0012】
この態様では、前記交点の、視点座標系における、前記視線方向に対応する軸方向の座標値が、前記所定のオブジェクトの位置の、前記視点座標系における前記軸方向の座標値と略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されるようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記第2の画像生成手段は、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの前記所定のオブジェクト以外の他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記第2の画像において前記他のオブジェクトの表示を制限する制限手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記所定のオブジェクトと、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの他のオブジェクトと、の衝突判定処理を実行する手段と、前記衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する手段と、前記他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記所定のオブジェクトと前記他のオブジェクトとの衝突判定処理、又は前記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限する手段と、を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想空間の一例を示す図である。
【図3】通常画面の一例を示す図である。
【図4】ズームアップ画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)の機能ブロック図である。
【図6】第1の画像生成部について説明するための図である。
【図7】第2の画像生成部について説明するための図である。
【図8】第1の位置と第2の位置との間の距離の設定と、第1の画角と第2の画角との差の設定とについて説明するための図である。
【図9】視点座標系について説明するための図である。
【図10】ゲーム装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図11】データ記憶部の記憶内容の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、画像生成装置の一態様であるゲーム装置に本発明を適用した場合について説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータなどによって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)のハードウェア構成を示す。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32及び音声出力部34は家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32としては例えば家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどが用いられ、音声出力部34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどが用いられる。
【0018】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0019】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各部の制御処理や情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0020】
画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上に画面を描画する。VRAM上に描画された画面はビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0021】
入出力処理部20は、制御部14が音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0022】
光ディスクドライブ24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。ここでは、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えば通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0023】
コントローラ30は操作を受け付けるための操作部である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を有線又は無線接続することが可能になっている。コントローラ30は、例えば複数のボタン及び複数のレバー(スティック)などの複数の操作部材を備えている。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に供給する。制御部14は操作信号に基づいてプレイヤの操作を判定する。
【0024】
ゲーム装置10では、プレイヤによって操作されるオブジェクトが仮想空間(ゲーム空間)内を移動するゲームが、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムに基づいて実行される。
【0025】
図2は仮想空間の一例を示す。図2に示す仮想空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間になっている。仮想空間40に配置されるオブジェクトの位置等はこれら三つの座標軸の座標値によって特定される。
【0026】
図2に示す仮想空間40には、地面を表すオブジェクトである地面42が配置されている。また、地面42上には、壁を表すオブジェクトである壁44と、プレイヤによって操作されるオブジェクトであるプレイヤキャラクタ46と、敵キャラクタを表すオブジェクトである敵キャラクタ48と、が配置されている。壁44の側面には、斜線が付された模様部分44aが形成されている。
【0027】
プレイヤキャラクタ46はプレイヤの操作に従って仮想空間40内を移動する。図2に示す状態では、プレイヤキャラクタ46が壁44の模様部分44aの前に位置している。敵キャラクタ48は所定のアルゴリズムに従って自律的に仮想空間40内を移動する。
【0028】
上記ゲームでは、例えば、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けると、プレイヤキャラクタ46の体力パラメータが減少するようになっている。このため、プレイヤは、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48からの攻撃を受けないように、プレイヤキャラクタ46を仮想空間40内で移動させる。
【0029】
仮想空間40には仮想カメラ50(視点及び視線方向52)が設定される。図2に示す状態では、仮想カメラ50の視野領域内に壁44(模様部分44a)とプレイヤキャラクタ46とが位置しており、プレイヤキャラクタ46は仮想カメラ50と壁44(模様部分44a)との間の領域内に位置している。なお、図2に示す状態では、敵キャラクタ48が仮想カメラ50の後方(視線方向52とは逆方向)側の領域内に位置している。
【0030】
仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画面が表示部32に表示される。言い換えれば、視点から視線方向52を見た場合の仮想空間40を表す画面が表示部32に表示される。図3は、表示部32に表示される画面の一例を示す。図3に示す画面は、図2に示す状態に対応している。画面には仮想カメラ50の視野領域の様子を表す画像が表示されるため、図3に示す画面にはプレイヤキャラクタ46が表示されており、プレイヤキャラクタ46の背景として壁44が表示されている。
【0031】
なお、仮想カメラ50は、プレイヤキャラクタ46が常に画面に表示されるように、プレイヤキャラクタ46の移動に基づいて移動する。
【0032】
特に、ゲーム装置10では、プレイヤがコントローラ30の所定ボタン(以下「ズームボタン」と記載する。)を押下すると、画面の表示モードが「通常モード」から「ズームアップモード」に切り替わるようになっている。以下では、通常モードの場合の画面のことを「通常画面」と記載し、ズームアップモードの場合の画面のことを「ズームアップ画面」と記載する。なお、図3に示した画面は通常画面の一例である。
【0033】
ズームアップモードでは、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップされるようになっている。図4はズームアップ画面の一例を示す。図4に示すズームアップ画面は、図3に示す通常画面が表示された状態でプレイヤがズームボタンを押下した場合に表示されるズームアップ画面である。図4に示すズームアップ画面では、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが通常画面におけるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズと略同じになっており、プレイヤキャラクタ46の背景(壁44の模様部分44a)のみがズームアップされている。
【0034】
なお、ズームアップ画面は、プレイヤがズームボタンを押下し続ける期間にわたって表示される。プレイヤがズームボタンの押下を解除すると、画面の表示モードが「ズームアップモード」から「通常モード」に切り替わり、通常画面が表示される。この場合、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを維持しつつ、プレイヤキャラクタ46の背景(壁44の模様部分44a)がズームダウンされることになる。
【0035】
上記のように、ゲーム装置10では、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップ又はズームダウンされるようになっている。以下、この機能を実現するための構成について説明する。
【0036】
図5は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックのうち、上記機能に関連する機能ブロックを主として示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は、データ記憶部60、オブジェクト状態データ更新部62、及び表示制御部64を含む。データ記憶部60は例えば主記憶16及び光ディスク36によって実現され、その他の機能ブロックは制御部14が光ディスク36から読み出されたプログラムを実行することによって実現される。
【0037】
データ記憶部60は各種データを記憶する。例えば、仮想空間40に配置される各オブジェクトに関するデータがデータ記憶部60に記憶される。具体的には、仮想空間40に配置される各オブジェクトの形状データがデータ記憶部60に記憶される。また、位置が変化しない静的オブジェクト(例えば、地面42及び壁44)の位置を示すデータがデータ記憶部60に記憶される。
【0038】
さらに、位置や姿勢が変化する動的オブジェクト(例えば、プレイヤキャラクタ46及び敵キャラクタ48)の現在の状態を示すデータ(以下「オブジェクト状態データ」と呼ぶ。)がデータ記憶部60に記憶される。オブジェクト状態データは、例えば、プレイヤキャラクタ46及び敵キャラクタ48の位置、姿勢、移動方向、及び移動速度などを示すデータを含む。また、オブジェクト状態データは、例えば、プレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば体力パラメータ)を示すデータを含む。
【0039】
オブジェクト状態データ更新部62は、データ記憶部60に記憶されるオブジェクト状態データを更新する。例えば、オブジェクト状態データ更新部62は、プレイヤキャラクタ46の状態データ(例えば位置など)をプレイヤの操作に基づいて更新し、敵キャラクタ48の状態データを所定のアルゴリズムに基づいて更新する。
【0040】
また、例えば、オブジェクト状態データ更新部62は、プレイヤキャラクタ46と他のオブジェクト(例えば、敵キャラクタ48)との衝突判定処理を実行し、その衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する。
【0041】
具体的には、オブジェクト状態データ更新部62は、敵キャラクタ48の一部分(例えば手や足)がプレイヤキャラクタ46に当たったか否かを判定することによって、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けたか否かを判定する。そして、敵キャラクタ48の一部分がプレイヤキャラクタ46に当たった場合(すなわち、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けた場合)、オブジェクト状態データ更新部62はプレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば、体力パラメータ)を更新する。
【0042】
表示制御部64は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画面をデータ記憶部60の記憶内容に基づいて生成し、該画面を表示部32に表示する。図5に示すように、表示制御部64は第1の画像生成部66、第2の画像生成部68、及び切替部70を含む。
【0043】
第1の画像生成部66は通常モードに対応する機能ブロックである。本実施形態の場合、第1の画像生成部66によって生成される画像が通常画面(図3)に相当する。図6は第1の画像生成部66について説明するための図である。図6は、図2に示す状態に対応している。
【0044】
第1の画像生成部66は、仮想カメラ50の位置を仮想空間40内の第1の位置50aに設定し、かつ、仮想カメラ50の画角(水平方向の画角)を第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す第1の画像を生成する。すなわち、第1の画像生成部66は、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80の様子を表す第1の画像を生成する。
【0045】
ここで、第1の位置50aは、例えば、プレイヤキャラクタ46の位置に基づいて設定される。例えば、画面表示モードが通常モードである場合に仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が一定の位置関係になるように、第1の位置50aは設定される。一方、第1の画角θ1は、例えば予め設定される。
【0046】
第2の画像生成部68はズームアップモードに対応する機能ブロックである。本実施形態の場合、第2の画像生成部68によって生成された画像がズームアップ画面(図4)に相当する。図7は、第2の画像生成部68について説明するための図である。図7も、図2に示す状態に対応している。
【0047】
第2の画像生成部68は、仮想カメラ50の位置を仮想空間40内の第2の位置50bに設定し、かつ、仮想カメラ50の画角(水平方向の画角)を第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す第2の画像を生成する。すなわち、第2の画像生成部68は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84の様子を表す第2の画像を生成する。
【0048】
ここで、第2の位置50bは、仮想カメラ50の視線方向52の逆方向88に第1の位置50aから移動してなる位置である。また、第2の画角θ2は第1の画角θ1よりも小さい画角である。なお、この場合の仮想カメラ50の視線方向52は、通常モードにおける仮想カメラ50の視線方向52と一致している。
【0049】
第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dや、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθは、下記に説明するようにして設定される。図8は、上記距離D及び上記差Δθの設定について説明するための図である。
【0050】
上記距離D及び上記差Δθは、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像(ズームアップ画面)とで、プレイヤキャラクタ46(所定のオブジェクト)の表示位置及び表示サイズが略同じになるように設定される。言い換えれば、仮想カメラ50の位置及び画角が第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定された場合と、仮想カメラ50の位置及び画角が第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定された場合とで、プレイヤキャラクタ46付近の描画範囲が略同じになるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。
【0051】
具体的には、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80の境界82と、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84の境界86との交点90が、プレイヤキャラクタ46の位置に対応する位置になるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。すなわち、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80と、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84とが交わる面92にプレイヤキャラクタ46の位置が含まれるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。
【0052】
より具体的には、上記交点90の、視点座標系(図9参照)におけるZ軸方向(視線方向52に対応する軸方向)の座標値が、プレイヤキャラクタ46の位置の、視点座標系におけるZ軸方向の座標値と略同じになるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。なお、視点座標系とは、図9に示すように、視点(第1の位置50a又は第2の位置50b)を原点とし、視線方向52をZ軸方向、水平方向をX軸方向、垂直方向をY軸方向とする座標系である。
【0053】
ゲーム装置10では、上記距離D及び上記差Δθが上記のようにして設定される結果として、プレイヤキャラクタ46付近の描画範囲(上記面92に相当)が、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像とで略同じになる。その結果、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが通常画面とズームアップ画面とで略同じになる。
【0054】
また、ゲーム装置10では、第2の画角θ2が第1の画角θ1よりも小さく設定される結果として、プレイヤキャラクタ46(言い換えれば、上記交点90)よりも奥側の領域94、すなわち、視点座標系におけるZ軸座標値がプレイヤキャラクタ46の位置(言い換えれば、上記交点90)のZ軸座標値より大きい領域94に関しては、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像に描画される範囲96が、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像に描画される範囲98よりも狭くなる。その結果、ズームアップ画面ではプレイヤキャラクタ46の背景(例えば壁44の模様部分44a)がズームアップされる。
【0055】
また、図5に示すように、第2の画像生成部68は制限部72を含む。制限部72は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に含まれないオブジェクトの表示を、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において制限する。すなわち、プレイヤキャラクタ46以外の他のオブジェクトが上記視野領域84内に含まれ、かつ、上記視野領域80内に含まれない場合、制限部72は、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において、該他のオブジェクトの表示を制限する。
【0056】
ここで、「オブジェクトの表示を制限する」とは、例えば、オブジェクトを表示しないことや、オブジェクトの透明度を高めることを含む。
【0057】
例えば図7及び図8に示すように、敵キャラクタ48は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に位置している。このため、本来、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像には敵キャラクタ48が含まれる。しかし、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に敵キャラクタ48は位置していないため、制限部72は、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において、敵キャラクタ48の表示を制限する。その結果、ズームアップ画面(図4)に敵キャラクタ48が表示されないようになっている。
【0058】
画面の表示モードが通常モードからズームアップモードに切り替わった際に、通常画面に表示されていなかったオブジェクト(例えば、通常モードにおける仮想カメラ50の背後に位置していた敵キャラクタ48)がズームアップ画面に表示されてしまうと、プレイヤが違和感を感じてしまうおそれがある。また、通常画面に表示されていなかったオブジェクト(例えば敵キャラクタ48)がズームアップ画面に表示されてしまうと、そのオブジェクトによって、通常画面に元々表示されていたオブジェクト(例えばプレイヤキャラクタ46等)が隠されてしまい、通常画面に元々表示されていたオブジェクトが見難くなってしまうおそれもある。この点、ゲーム装置10では、制限部72を備えることによって、上記のような不都合が生じないように図られている。
【0059】
切替部70は、表示部32に表示する画像を、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像と、の間で切り替える。すなわち、切替部70は、表示部32に表示する画面を通常画面とズームアップ画面との間で切り替える。
【0060】
例えば、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像が表示部32に表示されている場合に、切替部70は第1の切替条件が満足されたか否かを判定する。そして、第1の切替条件が満足されたと判定された場合、切替部70は、表示部32に表示する画像を、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像に切り替える。
【0061】
また例えば、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像が表示部32に表示されている場合に、切替部70は第2の切替条件が満足されたか否かを判定する。そして、第2の切替条件が満足されたと判定された場合、切替部70は、表示部32に表示する画像を、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像に切り替える。
【0062】
本実施形態の場合、上記「第1の切替条件」は、例えば、第1の切替操作が行われたか否かの条件であり、上記「第2の切替条件」は、例えば、第2の切替操作が行われたか否かの条件である。具体的には、「第1の切替操作」は、ズームボタンを押下する操作であり、「第2の切替操作」は、ズームボタンの押下を解除する操作である。なお、「第1の切替操作」及び「第2の切替操作」は同じ操作であってもよい。例えば、「第1の切替操作」及び「第2の切替操作」の両方を、ズームボタンを押下する操作としてもよい。
【0063】
なお、「第1の切替条件」は、ゲームの状況が所定の状況になったか否かの条件であってもよい。例えば、「第1の切替条件」は、所定のゲームイベントが発生したか否かの条件であってもよい。また例えば、「第1の切替条件」は、プレイヤキャラクタ46の位置が基準領域内になったか否かの条件であってもよい。「第2の切替条件」についても、「第1の切替条件」と同様である。なお、「第2の切替条件」は、表示部32に表示される画像が、第2の画像生成部68によって生成される画像に切り替えられてからの経過時間が所定時間以上になったか否かの条件であってもよい。
【0064】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図10はゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。制御部14は光ディスク36から読み出されたプログラムに従って、図10に示す処理を実行する。制御部14が図10に示す処理を実行することによって、オブジェクト状態データ更新部62及び表示制御部64が実現される。
【0065】
図10に示すように、まず、制御部14(オブジェクト状態データ更新部62)はオブジェクト状態データを更新する(S101)。このステップS101では、例えば、プレイヤキャラクタ46の状態データが、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて更新される。また例えば、敵キャラクタ48の状態データが所定のアルゴリズムに基づいて更新される。
【0066】
また、ステップS101では、例えば、プレイヤキャラクタ46と敵キャラクタ48との衝突判定処理が実行されることによって、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けたか否かが判定される。そして、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けた場合、プレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば、体力パラメータ)が更新される。
【0067】
その後、制御部14は、画面の表示モードが通常モードであるか否かを判定する(S102)。このステップS102では、例えば、現在の画面の表示モードを示すフラグ情報が主記憶16から読み出され、このフラグ情報に基づいて、画面の表示モードが通常モードであるか否かが判定される。
【0068】
画面の表示モードが通常モードである場合、制御部14(切替部70)は、第1の切替条件が満足されたか否かを判定する(S103)。例えば、制御部14は、ズームボタンが押下されているか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する。そして、ズームボタンが押下されている場合、制御部14は第1の切替条件が満足されたと判定する。
【0069】
第1の切替条件が満足されていないと判定された場合、制御部14(第1の画像生成部66)は通常画面をVRAM上に生成する(S104)。すなわち、制御部14は、仮想カメラ50の位置を第1の位置50aに設定し、仮想カメラ50の画角を第1の画角θ1に設定する。そして、制御部14は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像を通常画面としてVRAM上に生成する。
【0070】
一方、第1の切替条件が満足されたと判定された場合、制御部14(第2の画像生成部68)はズームアップ画面をVRAM上に生成する(S106)。このステップS106の処理については後述する。
【0071】
ステップS102において、画面の表示モードが通常モードでないと判定された場合、すなわち、画面の表示モードがズームアップモードである場合、制御部14(切替部70)は、第2の切替条件が満足されたか否かを判定する(S105)。例えば、制御部14は、ズームボタンの押下が解除されているか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する。そして、ズームボタンの押下が解除されている場合、制御部14は第2の切替条件が満足されたと判定する。
【0072】
第2の切替条件が満足されたと判定された場合、制御部14(第1の画像生成部66)は通常画面をVRAM上に生成する(S104)。
【0073】
一方、第2の切替条件が満足されていないと判定された場合、制御部14(第2の画像生成部68)はズームアップ画面をVRAM上に生成する(S106)。すなわち、制御部14は、仮想カメラ50の位置を第2の位置50bに設定し、仮想カメラ50の画角を第2の画角θ2に設定する。そして、制御部14は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像をズームアップ画面としてVRAM上に生成する。
【0074】
なお、ステップS106では、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像を生成する際に、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80に含まれないオブジェクトを描画しないようにする。すなわち、上記視野領域84と上記視野領域80との両方に含まれるオブジェクトのみを描画する。
【0075】
なお、上記視野領域80内に含まれるオブジェクトは、各オブジェクトの位置と、仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)、視線方向52、及び画角(第1の画角θ1)と、に基づいて特定される。同様に、上記視野領域84内に含まれるオブジェクトは、各オブジェクトの位置と、仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)、視線方向52、及び画角(第2の画角θ2)と、に基づいて特定される。
【0076】
ステップS104又はS107の処理が完了した後、ステップS104又はS107で生成された画面が表示部32に表示される(S107)。以上で本処理は終了する。
【0077】
以上に説明したゲーム装置10によれば、画面に表示されるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能になる。
【0078】
また、ゲーム装置10によれば、表示部32に表示する画面を通常画面からズームアップ画面に切り替える場合に、通常画面に表示されていなかったオブジェクトがズームアップ画面に表示されないようにすることが可能になる。その結果、ゲーム装置10によれば、プレイヤに違和感を感じさせないように担保することが可能になる。また、ゲーム装置10によれば、表示部32に表示する画面を通常画面からズームアップ画面に切り替えた場合に、通常画面に元々表示されていたオブジェクトが、通常画面に表示されていなかったオブジェクトによって見難くなってしまわないように担保することも可能になる。
【0079】
[他の実施形態]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0080】
(a)例えば、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像が表示部32に表示されている場合、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に含まれないオブジェクトと、プレイヤキャラクタ46と、の間の衝突判定処理の実行を制限するようにしてもよい。また、上記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限するようにしてもよい。
【0081】
例えば、ズームアップ画面が表示部32に表示されている状態において、敵キャラクタ48が上記視野領域84内に含まれ、かつ、上記視野領域80内に含まれない場合、制御部14は、プレイヤキャラクタ46と敵キャラクタ48との間の衝突判定処理の実行を抑止するようにしてもよい。また、制御部14は、衝突判定処理の結果に基づくプレイヤキャラクタ46の体力パラメータの更新処理の実行を抑止するようにしてもよい。
【0082】
(b)上記では、通常モードにおいて仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が一定であることとして説明した。しかしながら、通常モードにおいて仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化するようにしてもよい。
【0083】
この場合、データ記憶部60は、仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係に関する条件(位置関係条件)に対応づけて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置又は/及び画角の設定に関する情報(設定情報)を記憶するようにすればよい。図11はデータ記憶部60の記憶内容の一例を示す図である。
【0084】
ここで、「位置関係条件」は、例えば、仮想カメラ50からプレイヤキャラクタ46までの方向及び距離に関する条件である。一方、「設定情報」は、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又はプレイヤキャラクタ46の位置に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dに関する情報を含む。また、「設定情報」は、通常モードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθに関する情報を含む。
【0085】
上記「位置関係条件」及び「設定情報」は、通常画面とズームアップ画面との間でプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが略同じになるように考慮して設定される。すなわち、通常モードとズームアップモードとでプレイヤキャラクタ46付近の描画範囲が略同じになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0086】
具体的には、通常モードにおける仮想カメラ50の視野領域80の境界82と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の視野領域84の境界86と、の交点90が、プレイヤキャラクタ46の位置に対応する位置になるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。つまり、通常モードにおける仮想カメラ50の視野領域80と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の視野領域84とが交わる面92にプレイヤキャラクタ46の位置が含まれることになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0087】
より具体的には、上記交点90の、視点座標系(図9参照)におけるZ軸方向の座標値が、プレイヤキャラクタ46の位置の、視点座標系におけるZ軸方向の座標値と略同じになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0088】
この変形例(b)では、画面の表示モードが通常モードからズームアップモードに切り替わる場合、第2の画像生成部68は、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)とプレイヤキャラクタ46の位置との位置関係が満足する位置関係条件に対応づけられた設定情報を読み出す。そして、第2の画像生成部68は、設定情報と、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又はプレイヤキャラクタ46の位置と、に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)を設定する。さらに、第2の画像生成部68は、設定情報と、通常モードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)と、に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)を設定する。
【0089】
こうすれば、通常モードにおける仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化する場合であっても、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップすることが可能になる。
【0090】
(c)例えば、ズームアップ画面(図4)が通常表示され、特定の場合に限って、通常画面(図3)が表示されるようにしてもよい。すなわち、通常は、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップされた画面が表示され、特定の場合に限って、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアウトされるようにしてもよい。このようにして、通常は、画面の表示モードがズームアップモードに設定され、特定の場合に限って、画面の表示モードがズームアウトモードに設定されるようにしてもよい。
【0091】
なお、この変形例(c)においても、変形例(b)と同様、ズームアップモードにおける仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化するようにしてもよい。
【0092】
この場合も、データ記憶部60は、仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係に関する条件(位置関係条件)に対応づけて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又は/及び画角(第1の画角θ1)の設定に関する情報(設定情報)を記憶するようにすればよい。ここで、「位置関係条件」は変形例(b)と同様である。
【0093】
一方、「設定情報」は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)とプレイヤキャラクタ46の位置との少なくとも一方に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dに関する情報を含む。また、「設定情報」は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθに関する情報を含む。
【0094】
なお、変形例(b)と同様に、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は、画面の表示モードがズームアップモードである場合と、画面の表示モードがズームダウンモードである場合とでプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが略同じになるように設定される。
【0095】
この変形例(c)では、画面の表示モードがズームアップモードからズームダウンモードに切り替わる場合、第1の画像生成部66は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50(第2の位置50b)とプレイヤキャラクタ46との位置関係が満足する位置関係条件に対応づけられた設定情報を読み出す。そして、第1の画像生成部66は、設定情報と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)又はプレイヤキャラクタ46の位置と、に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)を設定する。さらに、第1の画像生成部66は、設定情報と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)と、に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)を設定する。
【0096】
なお、この変形例(c)では、図5に示した制限部は省略するようにしてもよい。
【0097】
(d)また例えば、上記では、画面に表示されるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが変わらないようにしつつ、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップ又はズームダウンする例について説明した。しかし、プレイヤキャラクタ46以外の他のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが変わらないようにしつつ、上記他のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンするようにしてもよい。
【0098】
(e)また、本発明は各種ゲームに適用することができる。さらに、本発明はゲーム装置10以外の画像生成装置に適用することができる。本発明は、仮想カメラ(視点)から見た仮想空間を表す画像を生成する画像生成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスクドライブ、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 仮想空間、42 地面、44 壁、44a 模様部分、46 プレイヤキャラクタ、48 敵キャラクタ、50 仮想カメラ、52 視線方向、60 データ記憶部、62 オブジェクト状態データ更新部、64 表示制御部、66 第1の画像生成部、68 第2の画像生成部、70 切替部、72 制限部。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像生成装置、画像生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間に配置されたオブジェクトを仮想カメラから見た様子を表す画像を生成する画像生成装置が知られている。例えば、プレイヤによって操作されるオブジェクトを仮想カメラから見た様子を表す画像を生成するゲーム装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような画像生成装置では、例えば、オブジェクトが画面の端に表示されている状態で仮想カメラのズームアップを行うと、オブジェクトが画面外側に向かって移動する。そのため、仮想カメラのズームアップを行うことにより、オブジェクトが画面外に出てしまい、オブジェクトが画面に表示されなくなってしまう場合があった。また、仮想カメラのズームアップを行うことによって、オブジェクトの表示サイズが大きくなりすぎてしまい、画面の大部分がこのオブジェクトによって占められてしまい、他の部分が隠されてしまう場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、画面に表示される所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズの変化を抑制しつつ、所定のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能な画像生成装置、画像生成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像生成装置は、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段と、を含み、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像生成方法は、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替ステップと、を含み、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段、前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段、及び、表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段、としてコンピュータを機能させ、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とするプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、画面に表示される所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズの変化を抑制しつつ、所定のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、の交点が前記所定のオブジェクトの位置に対応する位置になるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されるようにしてもよい。
【0012】
この態様では、前記交点の、視点座標系における、前記視線方向に対応する軸方向の座標値が、前記所定のオブジェクトの位置の、前記視点座標系における前記軸方向の座標値と略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されるようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記第2の画像生成手段は、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの前記所定のオブジェクト以外の他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記第2の画像において前記他のオブジェクトの表示を制限する制限手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記所定のオブジェクトと、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの他のオブジェクトと、の衝突判定処理を実行する手段と、前記衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する手段と、前記他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記所定のオブジェクトと前記他のオブジェクトとの衝突判定処理、又は前記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限する手段と、を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想空間の一例を示す図である。
【図3】通常画面の一例を示す図である。
【図4】ズームアップ画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)の機能ブロック図である。
【図6】第1の画像生成部について説明するための図である。
【図7】第2の画像生成部について説明するための図である。
【図8】第1の位置と第2の位置との間の距離の設定と、第1の画角と第2の画角との差の設定とについて説明するための図である。
【図9】視点座標系について説明するための図である。
【図10】ゲーム装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図11】データ記憶部の記憶内容の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、画像生成装置の一態様であるゲーム装置に本発明を適用した場合について説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータなどによって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置(画像生成装置)のハードウェア構成を示す。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32及び音声出力部34は家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32としては例えば家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどが用いられ、音声出力部34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどが用いられる。
【0018】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0019】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各部の制御処理や情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0020】
画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上に画面を描画する。VRAM上に描画された画面はビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0021】
入出力処理部20は、制御部14が音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0022】
光ディスクドライブ24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。ここでは、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えば通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0023】
コントローラ30は操作を受け付けるための操作部である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を有線又は無線接続することが可能になっている。コントローラ30は、例えば複数のボタン及び複数のレバー(スティック)などの複数の操作部材を備えている。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に供給する。制御部14は操作信号に基づいてプレイヤの操作を判定する。
【0024】
ゲーム装置10では、プレイヤによって操作されるオブジェクトが仮想空間(ゲーム空間)内を移動するゲームが、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムに基づいて実行される。
【0025】
図2は仮想空間の一例を示す。図2に示す仮想空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間になっている。仮想空間40に配置されるオブジェクトの位置等はこれら三つの座標軸の座標値によって特定される。
【0026】
図2に示す仮想空間40には、地面を表すオブジェクトである地面42が配置されている。また、地面42上には、壁を表すオブジェクトである壁44と、プレイヤによって操作されるオブジェクトであるプレイヤキャラクタ46と、敵キャラクタを表すオブジェクトである敵キャラクタ48と、が配置されている。壁44の側面には、斜線が付された模様部分44aが形成されている。
【0027】
プレイヤキャラクタ46はプレイヤの操作に従って仮想空間40内を移動する。図2に示す状態では、プレイヤキャラクタ46が壁44の模様部分44aの前に位置している。敵キャラクタ48は所定のアルゴリズムに従って自律的に仮想空間40内を移動する。
【0028】
上記ゲームでは、例えば、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けると、プレイヤキャラクタ46の体力パラメータが減少するようになっている。このため、プレイヤは、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48からの攻撃を受けないように、プレイヤキャラクタ46を仮想空間40内で移動させる。
【0029】
仮想空間40には仮想カメラ50(視点及び視線方向52)が設定される。図2に示す状態では、仮想カメラ50の視野領域内に壁44(模様部分44a)とプレイヤキャラクタ46とが位置しており、プレイヤキャラクタ46は仮想カメラ50と壁44(模様部分44a)との間の領域内に位置している。なお、図2に示す状態では、敵キャラクタ48が仮想カメラ50の後方(視線方向52とは逆方向)側の領域内に位置している。
【0030】
仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画面が表示部32に表示される。言い換えれば、視点から視線方向52を見た場合の仮想空間40を表す画面が表示部32に表示される。図3は、表示部32に表示される画面の一例を示す。図3に示す画面は、図2に示す状態に対応している。画面には仮想カメラ50の視野領域の様子を表す画像が表示されるため、図3に示す画面にはプレイヤキャラクタ46が表示されており、プレイヤキャラクタ46の背景として壁44が表示されている。
【0031】
なお、仮想カメラ50は、プレイヤキャラクタ46が常に画面に表示されるように、プレイヤキャラクタ46の移動に基づいて移動する。
【0032】
特に、ゲーム装置10では、プレイヤがコントローラ30の所定ボタン(以下「ズームボタン」と記載する。)を押下すると、画面の表示モードが「通常モード」から「ズームアップモード」に切り替わるようになっている。以下では、通常モードの場合の画面のことを「通常画面」と記載し、ズームアップモードの場合の画面のことを「ズームアップ画面」と記載する。なお、図3に示した画面は通常画面の一例である。
【0033】
ズームアップモードでは、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップされるようになっている。図4はズームアップ画面の一例を示す。図4に示すズームアップ画面は、図3に示す通常画面が表示された状態でプレイヤがズームボタンを押下した場合に表示されるズームアップ画面である。図4に示すズームアップ画面では、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが通常画面におけるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズと略同じになっており、プレイヤキャラクタ46の背景(壁44の模様部分44a)のみがズームアップされている。
【0034】
なお、ズームアップ画面は、プレイヤがズームボタンを押下し続ける期間にわたって表示される。プレイヤがズームボタンの押下を解除すると、画面の表示モードが「ズームアップモード」から「通常モード」に切り替わり、通常画面が表示される。この場合、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを維持しつつ、プレイヤキャラクタ46の背景(壁44の模様部分44a)がズームダウンされることになる。
【0035】
上記のように、ゲーム装置10では、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップ又はズームダウンされるようになっている。以下、この機能を実現するための構成について説明する。
【0036】
図5は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックのうち、上記機能に関連する機能ブロックを主として示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は、データ記憶部60、オブジェクト状態データ更新部62、及び表示制御部64を含む。データ記憶部60は例えば主記憶16及び光ディスク36によって実現され、その他の機能ブロックは制御部14が光ディスク36から読み出されたプログラムを実行することによって実現される。
【0037】
データ記憶部60は各種データを記憶する。例えば、仮想空間40に配置される各オブジェクトに関するデータがデータ記憶部60に記憶される。具体的には、仮想空間40に配置される各オブジェクトの形状データがデータ記憶部60に記憶される。また、位置が変化しない静的オブジェクト(例えば、地面42及び壁44)の位置を示すデータがデータ記憶部60に記憶される。
【0038】
さらに、位置や姿勢が変化する動的オブジェクト(例えば、プレイヤキャラクタ46及び敵キャラクタ48)の現在の状態を示すデータ(以下「オブジェクト状態データ」と呼ぶ。)がデータ記憶部60に記憶される。オブジェクト状態データは、例えば、プレイヤキャラクタ46及び敵キャラクタ48の位置、姿勢、移動方向、及び移動速度などを示すデータを含む。また、オブジェクト状態データは、例えば、プレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば体力パラメータ)を示すデータを含む。
【0039】
オブジェクト状態データ更新部62は、データ記憶部60に記憶されるオブジェクト状態データを更新する。例えば、オブジェクト状態データ更新部62は、プレイヤキャラクタ46の状態データ(例えば位置など)をプレイヤの操作に基づいて更新し、敵キャラクタ48の状態データを所定のアルゴリズムに基づいて更新する。
【0040】
また、例えば、オブジェクト状態データ更新部62は、プレイヤキャラクタ46と他のオブジェクト(例えば、敵キャラクタ48)との衝突判定処理を実行し、その衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する。
【0041】
具体的には、オブジェクト状態データ更新部62は、敵キャラクタ48の一部分(例えば手や足)がプレイヤキャラクタ46に当たったか否かを判定することによって、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けたか否かを判定する。そして、敵キャラクタ48の一部分がプレイヤキャラクタ46に当たった場合(すなわち、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けた場合)、オブジェクト状態データ更新部62はプレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば、体力パラメータ)を更新する。
【0042】
表示制御部64は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画面をデータ記憶部60の記憶内容に基づいて生成し、該画面を表示部32に表示する。図5に示すように、表示制御部64は第1の画像生成部66、第2の画像生成部68、及び切替部70を含む。
【0043】
第1の画像生成部66は通常モードに対応する機能ブロックである。本実施形態の場合、第1の画像生成部66によって生成される画像が通常画面(図3)に相当する。図6は第1の画像生成部66について説明するための図である。図6は、図2に示す状態に対応している。
【0044】
第1の画像生成部66は、仮想カメラ50の位置を仮想空間40内の第1の位置50aに設定し、かつ、仮想カメラ50の画角(水平方向の画角)を第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す第1の画像を生成する。すなわち、第1の画像生成部66は、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80の様子を表す第1の画像を生成する。
【0045】
ここで、第1の位置50aは、例えば、プレイヤキャラクタ46の位置に基づいて設定される。例えば、画面表示モードが通常モードである場合に仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が一定の位置関係になるように、第1の位置50aは設定される。一方、第1の画角θ1は、例えば予め設定される。
【0046】
第2の画像生成部68はズームアップモードに対応する機能ブロックである。本実施形態の場合、第2の画像生成部68によって生成された画像がズームアップ画面(図4)に相当する。図7は、第2の画像生成部68について説明するための図である。図7も、図2に示す状態に対応している。
【0047】
第2の画像生成部68は、仮想カメラ50の位置を仮想空間40内の第2の位置50bに設定し、かつ、仮想カメラ50の画角(水平方向の画角)を第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す第2の画像を生成する。すなわち、第2の画像生成部68は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84の様子を表す第2の画像を生成する。
【0048】
ここで、第2の位置50bは、仮想カメラ50の視線方向52の逆方向88に第1の位置50aから移動してなる位置である。また、第2の画角θ2は第1の画角θ1よりも小さい画角である。なお、この場合の仮想カメラ50の視線方向52は、通常モードにおける仮想カメラ50の視線方向52と一致している。
【0049】
第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dや、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθは、下記に説明するようにして設定される。図8は、上記距離D及び上記差Δθの設定について説明するための図である。
【0050】
上記距離D及び上記差Δθは、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像(ズームアップ画面)とで、プレイヤキャラクタ46(所定のオブジェクト)の表示位置及び表示サイズが略同じになるように設定される。言い換えれば、仮想カメラ50の位置及び画角が第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定された場合と、仮想カメラ50の位置及び画角が第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定された場合とで、プレイヤキャラクタ46付近の描画範囲が略同じになるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。
【0051】
具体的には、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80の境界82と、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84の境界86との交点90が、プレイヤキャラクタ46の位置に対応する位置になるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。すなわち、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80と、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84とが交わる面92にプレイヤキャラクタ46の位置が含まれるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。
【0052】
より具体的には、上記交点90の、視点座標系(図9参照)におけるZ軸方向(視線方向52に対応する軸方向)の座標値が、プレイヤキャラクタ46の位置の、視点座標系におけるZ軸方向の座標値と略同じになるように、上記距離D及び上記差Δθは設定される。なお、視点座標系とは、図9に示すように、視点(第1の位置50a又は第2の位置50b)を原点とし、視線方向52をZ軸方向、水平方向をX軸方向、垂直方向をY軸方向とする座標系である。
【0053】
ゲーム装置10では、上記距離D及び上記差Δθが上記のようにして設定される結果として、プレイヤキャラクタ46付近の描画範囲(上記面92に相当)が、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像とで略同じになる。その結果、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが通常画面とズームアップ画面とで略同じになる。
【0054】
また、ゲーム装置10では、第2の画角θ2が第1の画角θ1よりも小さく設定される結果として、プレイヤキャラクタ46(言い換えれば、上記交点90)よりも奥側の領域94、すなわち、視点座標系におけるZ軸座標値がプレイヤキャラクタ46の位置(言い換えれば、上記交点90)のZ軸座標値より大きい領域94に関しては、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像に描画される範囲96が、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像に描画される範囲98よりも狭くなる。その結果、ズームアップ画面ではプレイヤキャラクタ46の背景(例えば壁44の模様部分44a)がズームアップされる。
【0055】
また、図5に示すように、第2の画像生成部68は制限部72を含む。制限部72は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に含まれないオブジェクトの表示を、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において制限する。すなわち、プレイヤキャラクタ46以外の他のオブジェクトが上記視野領域84内に含まれ、かつ、上記視野領域80内に含まれない場合、制限部72は、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において、該他のオブジェクトの表示を制限する。
【0056】
ここで、「オブジェクトの表示を制限する」とは、例えば、オブジェクトを表示しないことや、オブジェクトの透明度を高めることを含む。
【0057】
例えば図7及び図8に示すように、敵キャラクタ48は、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に位置している。このため、本来、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像には敵キャラクタ48が含まれる。しかし、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に敵キャラクタ48は位置していないため、制限部72は、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像において、敵キャラクタ48の表示を制限する。その結果、ズームアップ画面(図4)に敵キャラクタ48が表示されないようになっている。
【0058】
画面の表示モードが通常モードからズームアップモードに切り替わった際に、通常画面に表示されていなかったオブジェクト(例えば、通常モードにおける仮想カメラ50の背後に位置していた敵キャラクタ48)がズームアップ画面に表示されてしまうと、プレイヤが違和感を感じてしまうおそれがある。また、通常画面に表示されていなかったオブジェクト(例えば敵キャラクタ48)がズームアップ画面に表示されてしまうと、そのオブジェクトによって、通常画面に元々表示されていたオブジェクト(例えばプレイヤキャラクタ46等)が隠されてしまい、通常画面に元々表示されていたオブジェクトが見難くなってしまうおそれもある。この点、ゲーム装置10では、制限部72を備えることによって、上記のような不都合が生じないように図られている。
【0059】
切替部70は、表示部32に表示する画像を、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像と、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像と、の間で切り替える。すなわち、切替部70は、表示部32に表示する画面を通常画面とズームアップ画面との間で切り替える。
【0060】
例えば、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像が表示部32に表示されている場合に、切替部70は第1の切替条件が満足されたか否かを判定する。そして、第1の切替条件が満足されたと判定された場合、切替部70は、表示部32に表示する画像を、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像に切り替える。
【0061】
また例えば、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像が表示部32に表示されている場合に、切替部70は第2の切替条件が満足されたか否かを判定する。そして、第2の切替条件が満足されたと判定された場合、切替部70は、表示部32に表示する画像を、第1の画像生成部66によって生成される第1の画像に切り替える。
【0062】
本実施形態の場合、上記「第1の切替条件」は、例えば、第1の切替操作が行われたか否かの条件であり、上記「第2の切替条件」は、例えば、第2の切替操作が行われたか否かの条件である。具体的には、「第1の切替操作」は、ズームボタンを押下する操作であり、「第2の切替操作」は、ズームボタンの押下を解除する操作である。なお、「第1の切替操作」及び「第2の切替操作」は同じ操作であってもよい。例えば、「第1の切替操作」及び「第2の切替操作」の両方を、ズームボタンを押下する操作としてもよい。
【0063】
なお、「第1の切替条件」は、ゲームの状況が所定の状況になったか否かの条件であってもよい。例えば、「第1の切替条件」は、所定のゲームイベントが発生したか否かの条件であってもよい。また例えば、「第1の切替条件」は、プレイヤキャラクタ46の位置が基準領域内になったか否かの条件であってもよい。「第2の切替条件」についても、「第1の切替条件」と同様である。なお、「第2の切替条件」は、表示部32に表示される画像が、第2の画像生成部68によって生成される画像に切り替えられてからの経過時間が所定時間以上になったか否かの条件であってもよい。
【0064】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図10はゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。制御部14は光ディスク36から読み出されたプログラムに従って、図10に示す処理を実行する。制御部14が図10に示す処理を実行することによって、オブジェクト状態データ更新部62及び表示制御部64が実現される。
【0065】
図10に示すように、まず、制御部14(オブジェクト状態データ更新部62)はオブジェクト状態データを更新する(S101)。このステップS101では、例えば、プレイヤキャラクタ46の状態データが、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて更新される。また例えば、敵キャラクタ48の状態データが所定のアルゴリズムに基づいて更新される。
【0066】
また、ステップS101では、例えば、プレイヤキャラクタ46と敵キャラクタ48との衝突判定処理が実行されることによって、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けたか否かが判定される。そして、プレイヤキャラクタ46が敵キャラクタ48から攻撃を受けた場合、プレイヤキャラクタ46のパラメータ(例えば、体力パラメータ)が更新される。
【0067】
その後、制御部14は、画面の表示モードが通常モードであるか否かを判定する(S102)。このステップS102では、例えば、現在の画面の表示モードを示すフラグ情報が主記憶16から読み出され、このフラグ情報に基づいて、画面の表示モードが通常モードであるか否かが判定される。
【0068】
画面の表示モードが通常モードである場合、制御部14(切替部70)は、第1の切替条件が満足されたか否かを判定する(S103)。例えば、制御部14は、ズームボタンが押下されているか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する。そして、ズームボタンが押下されている場合、制御部14は第1の切替条件が満足されたと判定する。
【0069】
第1の切替条件が満足されていないと判定された場合、制御部14(第1の画像生成部66)は通常画面をVRAM上に生成する(S104)。すなわち、制御部14は、仮想カメラ50の位置を第1の位置50aに設定し、仮想カメラ50の画角を第1の画角θ1に設定する。そして、制御部14は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像を通常画面としてVRAM上に生成する。
【0070】
一方、第1の切替条件が満足されたと判定された場合、制御部14(第2の画像生成部68)はズームアップ画面をVRAM上に生成する(S106)。このステップS106の処理については後述する。
【0071】
ステップS102において、画面の表示モードが通常モードでないと判定された場合、すなわち、画面の表示モードがズームアップモードである場合、制御部14(切替部70)は、第2の切替条件が満足されたか否かを判定する(S105)。例えば、制御部14は、ズームボタンの押下が解除されているか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する。そして、ズームボタンの押下が解除されている場合、制御部14は第2の切替条件が満足されたと判定する。
【0072】
第2の切替条件が満足されたと判定された場合、制御部14(第1の画像生成部66)は通常画面をVRAM上に生成する(S104)。
【0073】
一方、第2の切替条件が満足されていないと判定された場合、制御部14(第2の画像生成部68)はズームアップ画面をVRAM上に生成する(S106)。すなわち、制御部14は、仮想カメラ50の位置を第2の位置50bに設定し、仮想カメラ50の画角を第2の画角θ2に設定する。そして、制御部14は、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像をズームアップ画面としてVRAM上に生成する。
【0074】
なお、ステップS106では、仮想カメラ50から見た仮想空間40を表す画像を生成する際に、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80に含まれないオブジェクトを描画しないようにする。すなわち、上記視野領域84と上記視野領域80との両方に含まれるオブジェクトのみを描画する。
【0075】
なお、上記視野領域80内に含まれるオブジェクトは、各オブジェクトの位置と、仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)、視線方向52、及び画角(第1の画角θ1)と、に基づいて特定される。同様に、上記視野領域84内に含まれるオブジェクトは、各オブジェクトの位置と、仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)、視線方向52、及び画角(第2の画角θ2)と、に基づいて特定される。
【0076】
ステップS104又はS107の処理が完了した後、ステップS104又はS107で生成された画面が表示部32に表示される(S107)。以上で本処理は終了する。
【0077】
以上に説明したゲーム装置10によれば、画面に表示されるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップ又はズームダウンすることが可能になる。
【0078】
また、ゲーム装置10によれば、表示部32に表示する画面を通常画面からズームアップ画面に切り替える場合に、通常画面に表示されていなかったオブジェクトがズームアップ画面に表示されないようにすることが可能になる。その結果、ゲーム装置10によれば、プレイヤに違和感を感じさせないように担保することが可能になる。また、ゲーム装置10によれば、表示部32に表示する画面を通常画面からズームアップ画面に切り替えた場合に、通常画面に元々表示されていたオブジェクトが、通常画面に表示されていなかったオブジェクトによって見難くなってしまわないように担保することも可能になる。
【0079】
[他の実施形態]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0080】
(a)例えば、第2の画像生成部68によって生成される第2の画像が表示部32に表示されている場合、仮想カメラ50の位置及び画角を第2の位置50b及び第2の画角θ2に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域84内に含まれるオブジェクトのうちの、仮想カメラ50の位置及び画角を第1の位置50a及び第1の画角θ1に設定した場合の仮想カメラ50の視野領域80内に含まれないオブジェクトと、プレイヤキャラクタ46と、の間の衝突判定処理の実行を制限するようにしてもよい。また、上記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限するようにしてもよい。
【0081】
例えば、ズームアップ画面が表示部32に表示されている状態において、敵キャラクタ48が上記視野領域84内に含まれ、かつ、上記視野領域80内に含まれない場合、制御部14は、プレイヤキャラクタ46と敵キャラクタ48との間の衝突判定処理の実行を抑止するようにしてもよい。また、制御部14は、衝突判定処理の結果に基づくプレイヤキャラクタ46の体力パラメータの更新処理の実行を抑止するようにしてもよい。
【0082】
(b)上記では、通常モードにおいて仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が一定であることとして説明した。しかしながら、通常モードにおいて仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化するようにしてもよい。
【0083】
この場合、データ記憶部60は、仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係に関する条件(位置関係条件)に対応づけて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置又は/及び画角の設定に関する情報(設定情報)を記憶するようにすればよい。図11はデータ記憶部60の記憶内容の一例を示す図である。
【0084】
ここで、「位置関係条件」は、例えば、仮想カメラ50からプレイヤキャラクタ46までの方向及び距離に関する条件である。一方、「設定情報」は、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又はプレイヤキャラクタ46の位置に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dに関する情報を含む。また、「設定情報」は、通常モードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθに関する情報を含む。
【0085】
上記「位置関係条件」及び「設定情報」は、通常画面とズームアップ画面との間でプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが略同じになるように考慮して設定される。すなわち、通常モードとズームアップモードとでプレイヤキャラクタ46付近の描画範囲が略同じになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0086】
具体的には、通常モードにおける仮想カメラ50の視野領域80の境界82と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の視野領域84の境界86と、の交点90が、プレイヤキャラクタ46の位置に対応する位置になるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。つまり、通常モードにおける仮想カメラ50の視野領域80と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の視野領域84とが交わる面92にプレイヤキャラクタ46の位置が含まれることになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0087】
より具体的には、上記交点90の、視点座標系(図9参照)におけるZ軸方向の座標値が、プレイヤキャラクタ46の位置の、視点座標系におけるZ軸方向の座標値と略同じになるように、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は設定される。
【0088】
この変形例(b)では、画面の表示モードが通常モードからズームアップモードに切り替わる場合、第2の画像生成部68は、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)とプレイヤキャラクタ46の位置との位置関係が満足する位置関係条件に対応づけられた設定情報を読み出す。そして、第2の画像生成部68は、設定情報と、通常モードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又はプレイヤキャラクタ46の位置と、に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)を設定する。さらに、第2の画像生成部68は、設定情報と、通常モードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)と、に基づいて、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)を設定する。
【0089】
こうすれば、通常モードにおける仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化する場合であっても、プレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズを変えることなく、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップすることが可能になる。
【0090】
(c)例えば、ズームアップ画面(図4)が通常表示され、特定の場合に限って、通常画面(図3)が表示されるようにしてもよい。すなわち、通常は、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアップされた画面が表示され、特定の場合に限って、プレイヤキャラクタ46の背景がズームアウトされるようにしてもよい。このようにして、通常は、画面の表示モードがズームアップモードに設定され、特定の場合に限って、画面の表示モードがズームアウトモードに設定されるようにしてもよい。
【0091】
なお、この変形例(c)においても、変形例(b)と同様、ズームアップモードにおける仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係が変化するようにしてもよい。
【0092】
この場合も、データ記憶部60は、仮想カメラ50とプレイヤキャラクタ46との位置関係に関する条件(位置関係条件)に対応づけて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)又は/及び画角(第1の画角θ1)の設定に関する情報(設定情報)を記憶するようにすればよい。ここで、「位置関係条件」は変形例(b)と同様である。
【0093】
一方、「設定情報」は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)とプレイヤキャラクタ46の位置との少なくとも一方に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の位置50aと第2の位置50bとの間の距離Dに関する情報を含む。また、「設定情報」は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)を設定するための情報を含む。例えば、「設定情報」は、第1の画角θ1と第2の画角θ2との差Δθに関する情報を含む。
【0094】
なお、変形例(b)と同様に、上記「位置関係条件」及び「設定情報」は、画面の表示モードがズームアップモードである場合と、画面の表示モードがズームダウンモードである場合とでプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが略同じになるように設定される。
【0095】
この変形例(c)では、画面の表示モードがズームアップモードからズームダウンモードに切り替わる場合、第1の画像生成部66は、ズームアップモードにおける仮想カメラ50(第2の位置50b)とプレイヤキャラクタ46との位置関係が満足する位置関係条件に対応づけられた設定情報を読み出す。そして、第1の画像生成部66は、設定情報と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の位置(第2の位置50b)又はプレイヤキャラクタ46の位置と、に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の位置(第1の位置50a)を設定する。さらに、第1の画像生成部66は、設定情報と、ズームアップモードにおける仮想カメラ50の画角(第2の画角θ2)と、に基づいて、ズームダウンモードにおける仮想カメラ50の画角(第1の画角θ1)を設定する。
【0096】
なお、この変形例(c)では、図5に示した制限部は省略するようにしてもよい。
【0097】
(d)また例えば、上記では、画面に表示されるプレイヤキャラクタ46の表示位置及び表示サイズが変わらないようにしつつ、プレイヤキャラクタ46の背景をズームアップ又はズームダウンする例について説明した。しかし、プレイヤキャラクタ46以外の他のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが変わらないようにしつつ、上記他のオブジェクトの背景をズームアップ又はズームダウンするようにしてもよい。
【0098】
(e)また、本発明は各種ゲームに適用することができる。さらに、本発明はゲーム装置10以外の画像生成装置に適用することができる。本発明は、仮想カメラ(視点)から見た仮想空間を表す画像を生成する画像生成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスクドライブ、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 仮想空間、42 地面、44 壁、44a 模様部分、46 プレイヤキャラクタ、48 敵キャラクタ、50 仮想カメラ、52 視線方向、60 データ記憶部、62 オブジェクト状態データ更新部、64 表示制御部、66 第1の画像生成部、68 第2の画像生成部、70 切替部、72 制限部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段と、
を含み、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、の交点が前記所定のオブジェクトの位置に対応する位置になるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像生成装置において、
前記交点の、視点座標系における、前記視線方向に対応する軸方向の座標値が、前記所定のオブジェクトの位置の、前記視点座標系における前記軸方向の座標値と略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像生成装置において、
前記第2の画像生成手段は、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの前記所定のオブジェクト以外の他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記第2の画像において前記他のオブジェクトの表示を制限する制限手段を含むことを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像生成装置において、
前記所定のオブジェクトと、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの他のオブジェクトと、の衝突判定処理を実行する手段と、
前記衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する手段と、
前記他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記所定のオブジェクトと前記他のオブジェクトとの衝突判定処理、又は前記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限する手段と、
を含むことを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替ステップと、
を含み、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする画像生成方法。
【請求項7】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段、及び、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段と、
を含み、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定のオブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域の境界と、の交点が前記所定のオブジェクトの位置に対応する位置になるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像生成装置において、
前記交点の、視点座標系における、前記視線方向に対応する軸方向の座標値が、前記所定のオブジェクトの位置の、前記視点座標系における前記軸方向の座標値と略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との前記差とが設定されることを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像生成装置において、
前記第2の画像生成手段は、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの前記所定のオブジェクト以外の他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記第2の画像において前記他のオブジェクトの表示を制限する制限手段を含むことを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像生成装置において、
前記所定のオブジェクトと、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの他のオブジェクトと、の衝突判定処理を実行する手段と、
前記衝突判定処理の結果に基づく処理を実行する手段と、
前記他のオブジェクトが、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第2の位置及び前記第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれ、かつ、前記仮想カメラの位置及び画角を前記第1の位置及び前記第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラの視野領域に含まれない場合、前記所定のオブジェクトと前記他のオブジェクトとの衝突判定処理、又は前記衝突判定処理の結果に基づく処理の実行を制限する手段と、
を含むことを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替ステップと、
を含み、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とする画像生成方法。
【請求項7】
仮想カメラの位置を仮想空間内の第1の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を第1の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第1の画像を生成する第1の画像生成手段、
前記仮想カメラの位置を、前記仮想カメラの視線方向の略逆方向に前記第1の位置から移動してなる第2の位置に設定し、かつ、前記仮想カメラの画角を、前記第1の画角よりも小さい第2の画角に設定した場合の前記仮想カメラから見た前記仮想空間を表す第2の画像を生成する第2の画像生成手段、及び、
表示手段に表示する画像を前記第1の画像と前記第2の画像との間で切り替える切替手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記仮想空間内に配置されるオブジェクトのうちの所定オブジェクトの表示位置及び表示サイズが前記第1の画像と前記第2の画像とで略同じになるように、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記第1の画角と前記第2の画角との差とが設定されることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−175489(P2011−175489A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39426(P2010−39426)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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