画像表示システム、画像管理装置、画像表示装置、及びプログラム
【課題】汎用性の高い通信規格を利用しつつ、表示装置が表示する画像をデジタルカメラ等の画像管理装置側の操作で加工することができる画像表示システムを提供する。
【解決手段】画像表示システムは、画像管理装置としてのデジタルカメラ200と、画像表示装置としての液晶プロジェクタ100とを、画像管理装置とプリンタとを接続するための汎用規格であるPictBridge規格に基づいてUSBケーブルにより接続して構成される。このシステムは、デジタルカメラ200の記録メディアに保存した画像をデジタルカメラ200の操作によって、液晶プロジェクタ100により表示し、デジタルカメラ200上で入力した画像処理の結果を液晶プロジェクタ100により表示された画像にも反映させる。
【解決手段】画像表示システムは、画像管理装置としてのデジタルカメラ200と、画像表示装置としての液晶プロジェクタ100とを、画像管理装置とプリンタとを接続するための汎用規格であるPictBridge規格に基づいてUSBケーブルにより接続して構成される。このシステムは、デジタルカメラ200の記録メディアに保存した画像をデジタルカメラ200の操作によって、液晶プロジェクタ100により表示し、デジタルカメラ200上で入力した画像処理の結果を液晶プロジェクタ100により表示された画像にも反映させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、画像管理装置、画像表示装置、及びプログラムに関し、例えば、プロジェクタ等の外部表示装置にデジタルカメラ等の画像管理装置を接続して構成される画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影した画像は、デジタルデータとしてデジタルカメラ内の記録メディアに記録される。ユーザは、記録した画像をデジタルカメラの表示手段に再生したり、表示した画像を回転、拡大、縮小したり、画像の明暗、色に関わる画像パラメータを補正したり(以下、表示画像の加工処理という)することができる。
【0003】
また、例えば、特許文献1に開示されるように、撮影した画像をパソコンを介さずに外部の表示装置に表示させるシステムも提案されている。この文献に開示されるシステムは、デジタルカメラと表示装置とを無線で接続し、カメラ側から画像データを送信して表示装置に表示させる。また、デジタルカメラに加速度センサを用いた位置検出手段を内蔵し、デジタルカメラの動きを解析し、特定の動きを拡大、縮小、移動に関する特定のコマンドに対応させて表示装置に送信し、表示装置に表示された画像のトリミング処理を可能としている。
【0004】
ただし、特許文献1に開示されるシステムは、独自の通信プロトコルを用いており、デジタルカメラ、表示装置の双方が当該通信プロトコルに準拠したものでなければ実現できず、汎用性に欠けるという問題がある。
【0005】
そこで、デジタルカメラとプリンタとの接続に関しては、PictBridgeという汎用の規格が存在しており、多くのメーカーのデジタルカメラ、プリンタがこの規格を既に搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−051981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、PictBridgeのようなデジタルカメラとプリンタ間の汎用プロトコルを利用してデジタルカメラと表示装置とをダイレクトに接続することが考えられる。この場合、デジタルカメラの操作で実現できる操作と表示装置側のリモコンなどを利用して実現できる操作とか混在してしまう場合がある。したがって、操作によってはユーザはデジタルカメラと表示装置とをそれぞれ持ち替えながら操作しなければならず、操作が煩雑になる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、汎用性の高い通信規格を利用しつつ、デジタルカメラ等の画像管理装置側の操作で、表示装置が表示する画像を加工など行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像表示システムは、画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおいて、前記画像管理装置は、画像データを記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、印刷コマンドを発行する発行手段と、前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備え、前記画像表示装置は、画像データを表示する表示手段と、前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、前記管理側通信手段を制御して、画像データ及び前記コマンドを受信させる表示側制御手段と、前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、汎用性の高い通信規格を利用しつつ、表示装置が表示する画像をデジタルカメラ等の画像管理装置側の操作で加工などを行うことができる。これにより、操作の煩雑さを解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における画像表示システムの通信プロトコルアーキテクチャを示す説明図である。
【図2】デジタルカメラと液晶プロジェクタとの接続形態を示す外観図である。
【図3】液晶プロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図4】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラの背面を示す斜視図である。
【図6】液晶プロジェクタとデジタルカメラとのネゴシエーションを示したシーケンス図である。
【図7】デジタルカメラが接続対象機器を判別する際の動作を示したフローチャートである。
【図8】コマンドの記述例を示すリストである。
【図9】画像再生モードでの画像表示完了までのシーケンス図である。
【図10】液晶プロジェクタの表示画面の一例を示す説明図である。
【図11】デジタルカメラの背面を示す斜視図である。
【図12】デジタルカメラにおいて画像回転操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図13】液晶プロジェクタが行う画像回転処理を示したフローチャートである。
【図14】液晶プロジェクタが画像回転処理を実行した結果を示す。
【図15】表示画像を拡大した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図16】コマンドの記述例を示すリストである。
【図17】液晶プロジェクタが行う画像拡大処理を示したフローチャートである。
【図18】液晶プロジェクタが画像拡大処理を実行した結果を示す。
【図19】画像パラメータの補正操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図20】コマンドの記述例を示すリストである。
【図21】液晶プロジェクタが行う画像パラメータ補正処理を示したフローチャートである。
【図22】DISPボタンを押下した際の、DPSコマンドのシーケンス図である。
【図23】コマンドの記述例を示すリストである。
【図24】液晶プロジェクタが日付表示処理を実行した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の実施の形態に係る画像表示システムについて説明し、続いて、このシステムを構成する画像管理装置としてのデジタルカメラと、画像表示装置としての液晶プロジェクタとの構成について説明し、その後、これらの装置間の通信制御について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態における画像表示システムの通信プロトコルアーキテクチャを示す。このシステムは、デジタルカメラ200と、液晶プロジェクタ100とを、画像管理装置とプリンタとを接続するための汎用規格であるPictBridge規格に基づいてUSBケーブルにより接続して構成される。このシステムは、デジタルカメラ200の記録メディアに保存した画像をデジタルカメラ200の操作によって、液晶プロジェクタ100により表示する。さらに、デジタルカメラ200上で入力した画像処理の結果を液晶プロジェクタ100により表示された画像にも反映させる。PictBridge規格では、物理層としてUSBを用い、その上のトランスポート層の通信プロトコルとしてPTP(Picture Transfer Protocol)を用いる。このPTPトランスポート層の上に、変換レイヤとしてDPS(Digital Photo Solution for Imaging Device)層を設け、その上にDPSアプリケーション層を設けている。
【0014】
USBインターフェースでは、デジタルカメラ200がUSBデバイスであり、液晶プロジェクタ100がUSBホストとして動作する。PictBridge規格を実現するためのDPSアーキテクチャは、サーバ/クライアントモデルである。ソフトウェアコンポーネントとして、プリントサーバ501及びプリントクライアント502と、ストレージサーバ503及びストレージクライアント504とが存在する。プリントサーバ501及びストレージクライアント504は液晶プロジェクタ100のDPSアプリケーションとして、プリントクライアント502及びストレージサーバ501はデジタルカメラ200のDPSアプリケーションとして用意されている。つまり、液晶プロジェクタ100にプリントサーバ501を設けることにより、液晶プロジェクタ100はPictBridge規格上のプリンタとして振る舞うことが可能となる。また、それぞれのDPS層には、相互に接続を確立するためのソフトウェアコンポーネントとしてDPSディスカバリが備えられている。
【0015】
DPSアプリケーションでは、基本的に、クライアントからの要求に対してサーバが応答し、その結果をクライアントに返答するというシーケンスで、各DPSオペレーションが完結する。またサーバから発行される通知に対して、クライアントが応答し、その受け取り確認をサーバに返答するというシーケンスで各DPSイベントが完結する。具体的には、デジタルカメラ200のプリントクライアント502からの印刷要求に応じて、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501が応答する。続いて、液晶プロジェクタ100のストレージクライアント504が画像を投影するために画像データを要求し、デジタルカメラ200のストレージサーバ503が画像データを送信する。また液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501からデバイス状態などのDPSイベントの発行通知に対し、デジタルカメラ200のプリントクライアント502がDPSイベントの受け取り確認を返送する。
【0016】
図2は、本実施の形態におけるデジタルカメラと液晶プロジェクタとの接続形態を示す外観図である。
【0017】
液晶プロジェクタ100は、USBインターフェース106に挿入されたUSBケーブル201を介し、デジタルカメラ200と接続される。デジタルカメラ200は、後述するように、撮影した画像データを記憶する画像記憶部として記録メディアを備えると共に、USBインターフェースを有する。そして、デジタルカメラ200は、PictBridge規格に適応しており、USBケーブルによりプリンタにダイレクト接続された場合には、記録メディアに記憶された撮影画像から選択操作により選択した画像データを印刷させることができる。また、デジタルカメラ200は、図2に示すように、液晶プロジェクタ100にダイレクト接続された場合には、記録メディアに記憶された画像データをスクリーン119上に投影表示させる機能を搭載している。
【0018】
図3は、本実施の形態における液晶プロジェクタ100の構成を示すブロック図である。
【0019】
液晶プロジェクタ100は、全体を制御するシステム制御回路(表示側制御部)109、このシステム制御回路109の動作用の定数、変数、画像等を一時的に記憶するメモリ101を備えている。さらに、システム制御回路109のファームウェアプログラム等を記録した電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ102を備えている。液晶プロジェクタ100がデジタルカメラに通知するCapability情報は、不揮発性メモリ102に記録される。
【0020】
システム制御回路109の各種の動作指示を入力するための操作部103は、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。リモコン受光部120は、液晶プロジェクタ100に付属する赤外線リモコンからのリモコンキーを受信する。リモコンキーは、システム制御回路109の各種の動作指示となる。
【0021】
電源制御部104は、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部104はACアダプター等からなる電源部105を検出し、検出結果及びシステム制御回路109の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、図示せぬ冷却ファンを含む各部へ供給する。
【0022】
液晶プロジェクタ100は、Ethernet(登録商標)インターフェース(I/F)107を介してネットワークに接続して液晶プロジェクタの故障等の状態を、液晶プロジェクタを集中管理するシステムに通知することができる。また、USBインターフェース(I/F)106を介してデジタルカメラ、USBメモリ等とUSBケーブルを用いて接続することができる。Ethernet(登録商標)インターフェース107やUSBインターフェース106は、表示側通信手段の一例である。
【0023】
システム制御回路109は、USBインターフェース106を制御して、デジタルカメラ200から画像データ及び各コマンドを受信させると共に、デジタルカメラ200に応答を送信させる機能も備える。
【0024】
画像処理部108は、デジタルカメラ、USBメモリ等から読み出したJPEG画像の表示位置の設定処理と、ファイル名・日付・Exifなどの情報をオーバーレイする処理を行う。また、画像処理部108は、USBインターフェース106を介して受信した画像処理コマンドに応じて、受信した画像データを加工する。そして、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを赤(R)/緑(G)/青(B)の3種の色信号からなるRGB信号にデジタル変換する。
【0025】
プロジェクタ映像信号処理回路111は、デジタル化されたRGB信号をプロジェクタ装置に適した信号に変換する信号処理を行う。そのような信号処理としては、例えば、インターレースープログレッシブ変換処理、フレームレート変換処理、解像度変換処理等が挙げられる。フレームメモリ110は、プロジェクタ映像信号処理回路111によりプロジェクタに適した信号に変換する際の信号処理で使用され、1フレーム以上のRGB信号を記録することが可能である。
【0026】
信号レベル調整回路112は、プロジェクタ映像信号処理回路111からの出力をプロジェクタ装置の投影する投影画像に適するような信号レベルとするべく調整する。液晶ドライバ113は、信号レベル調整回路112の出力信号に基づいて液晶パネル117を駆動する。ランプ116は、スクリーン119に投影画像を映し出すための光源である。電源105より供給される電力は、ランプ駆動回路(バラスト)115により安定した高電圧電力に変換され、ランプ116に供給される。液晶パネル117には、R/G/Bのカラーフィルタが接合されており、ランプ116より投射された光をRGBの画像に対応して透過させ、あるいは、遮断する。レンズ群118は、液晶パネル117を通過したRGBの各色画像をスクリーン119へ結像させるとともに、投影画像の大きさを変化させる。スクリーン119は、映像信号を結像させる投影面を提供する。
【0027】
図4は、本実施の形態におけるデジタルカメラ200の構成を示す図である。本実施の形態におけるデジタルカメラ200は、撮影レンズ2、絞り機能を備えるシャッター3、光学像を電気信号に変換する撮像素子4、撮像素子4のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器5を備えている。さらに、タイミング発生回路6、D/A変換器7、メモリ制御回路8、システム制御回路9、画像処理回路10、画像表示メモリ11、メモリ12、画像表示部13を備えている。
【0028】
タイミング発生回路6は、撮像素子4、A/D変換器5、D/A変換器7にクロック信号や制御信号を供給する。D/A変換器7は、画像表示メモリ11に書き込まれた表示用の画像データをD/A変換して画像表示部13により表示させる。画像表示部13は、TFT LCD等から成る画像表示部であり、撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。
【0029】
メモリ制御回路8は、A/D変換器5、タイミング発生回路6、画像処理回路10、D/A変換器7、メモリ12を制御する。画像処理回路10は、A/D変換器5からのデータ、あるいはメモリ制御回路8からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行う。
【0030】
システム制御回路(管理側制御部)9は、デジタルカメラ200全体を制御する。メモリ20には、システム制御回路9の動作用の定数、変数、プログラム等が記憶されている。また、システム制御回路9は、液晶プロジェクタ100との機能を有する。
【0031】
A/D変換器5からの画像データ、あるいは、画像処理回路10により処理された画像データは、メモリ制御回路8を介して画像表示メモリ11、あるいはメモリ12に書き込まれる。メモリ12は、撮影した静止画像や動画像を格納する機能を有し、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0032】
露光制御部14は、絞り機能を備えるシャッター3を制御すると共に、フラッシュ17と連携することによりフラッシュ調光機能も有する。測距制御部15は、撮影レンズ2のフォーカシングを制御し、ズーム制御部16は、撮影レンズ2のズーミングを制御する。
【0033】
電源制御手段18は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御手段18は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量を検出し、これらの検出結果及びシステム制御回路9の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。電源手段19は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0034】
表示部21は、例えばLCDやLED、スピーカ等の組み合わせにより構成され、システム制御回路9でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。表示部21は、デジタルカメラ200の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置されている。
【0035】
不揮発性メモリ22は、電気的に消去・記録可能なメモリ素子であり、ここに機器の無線設定情報を記憶することができる。また、デジタルカメラ200は、メモリカードを接続する為のメモリカードインターフェース(I/F)23と、外部機器とUSBを用いて接続する為のUSBインターフェース(I/F)24とを備えている。これらは、管理側通信手段の一例である。
【0036】
操作部25は、システム制御回路9に各種の動作指示を入力するための手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成され、表示部21の近傍に設けられている。
【0037】
シャッタースイッチ26は、撮像素子4から読み出した信号をA/D変換器5、メモリ制御回路8を介してメモリ12に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路10やメモリ制御回路8での演算を用いた現像処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0038】
無線通信回路27は、無線信号を送受信し、無線通信を制御する。無線通信回路27には、他の機器と無線通信を行うためのアンテナ28が接続されている。
【0039】
図5は、本実施の形態におけるデジタルカメラ200の背面を示す斜視図である。
【0040】
デジタルカメラ200の背面には、切り替えスイッチ2600、電源ボタン2601、SETボタン2602、上下左右ボタン2603、MENUボタン2604、液晶モニター2605が備えられている。切り替えスイッチ2600は、撮影を行うモード(撮影モード)と、撮影した画像を表示するモード(画像再生モード)とを切り替えるスイッチである。電源ボタン2601は、デジタルカメラ200の電源をオンオフする際に使用するボタンである。SETボタン2602は、設定値を確定するときなどに使用するボタンである。上下左右ボタン2603は、メニューの選択をする場合に上下左右でカーソルを移動させるときや、画像再生モードで複数の画像が存在する場合に次の画像や前の画像を表示させるときに使用する。MENUボタン2604は、MENUを表示させる際に使用する。DISPボタン2606は、撮影日時や画像のヒストグラムを表示するために使用する。ズームレバー2607は、撮影モードでは撮影倍率を調整し、画像再生モードでは表示画像のサイズを調整する。ユーザは、ズームレバー2607を右回りに回転させることにより、撮影倍率、表示サイズを拡大でき、ズームレバー2607を左回りに回転させることにより、拡大した画像の撮影倍率、表示サイズを縮小することができる。
【0041】
次に、本実施の形態における液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との間の通信の確立までの手順を図6に基づいて説明する。図6は、本実施の形態における液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との間の通信の確立までのネゴシエーションを示したシーケンス図である。
【0042】
液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との電源を入れてUSBケーブルで接続すると、液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とは互いに相手がDPS機能を有するかどうかを確認するためのネゴシエーションを行う。PictBridge規格では、USB接続をトリガーとして両機器間にPTP接続が確立した後に、DPSディスカバリが実行される(ステップS601)。具体的には、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とがそれぞれDDISCVRY.DPSとHDISCVRY.DPSという空のスクリプトファイルを送り合うことで互いがPictBridge対応機器であることを確認する。このDPSディスカバリの処理は、PictBridge規格により接続された外部装置との間に通信を確立する通信確立ステップに相当する。
【0043】
続いてデジタルカメラ200のプリントクライアント502は、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501へDPS_ConfigurePrintService401を発行する(ステップS602)。その目的は、液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との両機器が互いに有する機能を確認することである。つまり、液晶プロジェクタ100がプリントサーバ501とストレージクライアント503とを有することと、デジタルカメラ200がプリントクライアント502とストレージサーバ504とを有することとを互いに通知し合う。
【0044】
次に、デジタルカメラ200は、DPS_ConfigurePrintService401で取得した情報を基に、接続対象の機器の種類を判定する(ステップS620)。この処理については後述するが、接続された外部装置が液晶プロジェクタであるか否かを検出する検出ステップに相当する。
【0045】
次に、デジタルカメラ200のプリントクライアント502が、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501へDPS_GetCapability403を発行する(ステップS603)。これは、接続された外部装置が液晶プロジェクタである場合、この液晶プロジェクタ100がどのような表示設定が可能なのかを問い合わせるためのコマンドである。プリントサーバ501は、Capability情報取得処理を行い、液晶プロジェクタ100の画面の解像度に関連付けられた印刷のCapability情報を取得し、プリントクライアント502へCapability情報を通知する。Capability情報には、用紙サイズ・用紙タイプ・ファイルタイプ・日付印刷・ファイル名印刷・画像最適化・レイアウト・固定サイズ・トリミング・品質などのパラメータが含まれている。
【0046】
図7は、図6のステップS620において、デジタルカメラ200が接続対象機器を判別する際の動作を示したフローチャートである。
【0047】
図7の処理において、デジタルカメラ200は、図6のステップS602において発行したDPS_ConfigurePrintServiceコマンドを参照する。そして、接続対象機器のDPSバージョン・ベンダー名・プロダクト名・シリアル番号を認識する(ステップS5001)。
【0048】
続いてデジタルカメラ200は、プロダクト名から接続対象機器が液晶プロジェクタであるか否かを判別する(ステップS5002)。プロダクト名がプロジェクタ用である場合(ステップS5002でYes)、デジタルカメラ200は、内部状態を液晶プロジェクタ接続モードへ移行させ(ステップS5005)、処理を終了する。プロダクト名がプロジェクタ用でない場合(ステップS5002でNo)、すなわち、プリンタに接続されたと判別された場合には、接続モードをデフォルトのプリンタ接続モードにしたまま、処理を終了する。
【0049】
なお、プロジェクタ接続モードへ移行するか否かの判断は、プロダクト名の判別による方法だけに限定されない。例えば、デジタルカメラ200が図6のステップS603のDPS_GetCapabilityコマンドで取得した用紙タイプなどのパラメータによっても判別可能である。PictBridge規格では、Capability情報のベンダ拡張を定義することができる。したがって、液晶プロジェクタ用の用紙タイプをベンダで定義することが可能である。この場合、デジタルカメラ200がDPS_GetCapabilityコマンドで液晶プロジェクタ用の用紙タイプを取得した場合、内部状態を液晶プロジェクタ接続モードへ遷移させることが可能である。
【0050】
用紙タイプによりプロジェクタ接続を判定する場合には、図8に示すDPS_GetCapabilityコマンドを用いる。図8に示すDPS_GetCapabilityコマンドは、接続された機器に設定可能な用紙タイプを問い合わせるコマンドである。図8(A)は、プリントクライアント502が用紙タイプを問い合わせるために送信するコマンド5700である。図8(B)は、プリントサーバ501がコマンド5700に対して送信する応答5701であり、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応している用紙タイプが記述される。
【0051】
液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501がDPS_GetCapabilityコマンドに応答して送信する用紙タイプ(paperType)の値と、その値が示す意味との対応を以下の表1に示す。
【0052】
【表1】
例えば上記表1に示す3つの要したイプの値が送信された場合、液晶プロジェクタ100は通常用紙、90度画像回転用の用紙(以下Paper90という)、270度画像回転用の用紙(以下Paper270という)に対応していることを示している。Paper90およびPaper270の用紙タイプは、ベンダ拡張として定義されているものとする。本実施の形態では、Paper90は液晶プロジェクタが画像を90度回転して表示することを意味し、Paper270は液晶プロジェクタが画像を270度回転して表示することを意味する。なお、用紙タイプの値は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0053】
次に、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100との接続が確立され、デジタルカメラ200の内部状態が液晶プロジェクタ接続モードに設定された後の処理について説明する。
【0054】
図9は、本実施の形態において、ユーザがデジタルカメラ200を操作し、画像再生モードにしたときから画像表示完了までのDPSコマンドのシーケンス図である。画像再生モードとは、ユーザが既に撮影したメモリカード等のストレージに格納された画像(静止画/動画)を液晶プロジェクタ100に表示させて閲覧するためのモードである。
【0055】
ユーザがデジタルカメラ200の切り替えスイッチ2600を再生モードに切り替えると、デジタルカメラ200は画像再生モードに移行する(ステップS630)。ここでユーザは、記憶メディアに記憶された画像データから表示対象となる画像データ(画像ファイル)を選択することができる。ユーザが選択操作を行うと、選択した画像データの印刷が指示される。つまり、デジタルカメラ200のプリントクライアント502は、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501に印刷コマンドとしてDPS_StartJobコマンドを発行する(ステップS605、発行ステップ)。これによって、プリントクライアント502からプリントサーバ501へ印刷設定および選択された画像ファイルを含む印刷情報が送信される。これを受信した液晶プロジェクタ100は待機状態から表示処理状態に遷移する。このとき、本実施の形態ではDPS_StartJobコマンドのパラメータが印刷枚数を2枚以上と指定していても、プリントサーバ501は1枚表示の表示命令として解釈する。プリンタと異なり、画像データを表示する場合に同じ画像データを2枚表示したい、というケースはほとんどないからである。
【0056】
液晶プロジェクタ100が待機状態から表示処理状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、プリントサーバ501は、プリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントを発行する(ステップS606)。また、印刷指定されている画像ファイルの中で現在何枚目の表示処理を行っているかを示すプログレス通知をデジタルカメラ200に対して行う。具体的には、プリントサーバ501はDPS_NotifyJobStatusイベントをプリントクライアント502へ発行する(ステップS607)。
【0057】
続いて、ストレージクライアント503は、次に表示する画像のファイルタイプとファイルサイズ情報を取得するために、ストレージサーバ504へDPS_GetFileInfoコマンドを発行する。そしてストレージサーバ504はストレージクライアント503にファイル情報を返す(ステップS608)。ここで、ストレージクライアント503は、獲得したファイルサイズ情報を元にメモリを確保し、次に表示する画像ファイルの取得に備える。
【0058】
続いて、ストレージクライアント503は、ステップS608で取得した情報に基づき、画像ファイルデータを一括取得するためにストレージサーバ504にDPS_GetFileコマンドを発行する。そしてストレージサーバ504から画像ファイルを取得する(ステップS609)。なお、DPS_GetFileコマンドに代えてDPS_GetPartialFileコマンドを用いることにより、画像ファイルを分割して取得する方法もある。
【0059】
そして、ストレージクライアント503は、ステップS609で取得した画像ファイルの表示データをプリントデバイスに送信し、プリントデバイスは、DPS_StartJobコマンドに記述されたレイアウト(layout)の通りに画像を表示する。ここで図2に示すスクリーン119に画像が投影、表示される。
【0060】
以上のシーケンスが完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知する。具体的には、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS611)。なお、この後上下左右キーの押下によって、ステップS605に移行することも可能である。
【0061】
図10は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像再生モードにしたときに、液晶プロジェクタ100がスクリーン119に表示させる表示画面の一例を示す。ユーザがデジタルカメラ200の上下左右ボタン2603を押下すると、デジタルカメラ200は液晶プロジェクタ100へ印刷コマンドを発行し、印刷コマンドに対応した画像2400が表示される。この際、液晶プロジェクタ100の表示画面は、図5に示したデジタルカメラ200の液晶モニター2605の表示画面と同じになる。再度、ユーザがデジタルカメラ200の左右ボタン2603を押下すると、次の画像データを表示させる。
【0062】
次に、ユーザがデジタルカメラ200を操作して液晶プロジェクタ100により投影表示される画像を加工する処理について説明する。まず、ユーザが画像回転操作を行った際のデジタルカメラ200および液晶プロジェクタ100の動作について説明する。図11(A)は、デジタルカメラ200が画像再生モードに設定されている状態で、ユーザがメニューボタン2604を押下した際のデジタルカメラ200の背面を示した図である。
【0063】
デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、表示されている画像に上書きするようにメニュー項目が表示される。メニュー項目として、回転と画像パラメータ補正とが含まれている。図11(A)に示した状態で、ユーザがメニュー項目から回転5401を選択して、SETボタン2602を押下すると、画像が図11(B)、(C)に示したように回転して表示される。
【0064】
図11(B)は、図11(A)の状態において、SETボタン2602を1回押下した後の画像5500Aを示し、(C)は、同じく図11(A)の状態において、SETボタン2602を2回押下した後の画像5500Bを示す。画像5500Aは、図11(A)に表示された状態から右回りに90度回転している。画像5500Bは、図11(A)に表示された状態から右回りに270度回転している。
【0065】
次に、上記のように画像を回転させる場合のシーケンスについて説明する。図12は、液晶プロジェクタ100が図10に示すように画像2400を表示している際に、ユーザがデジタルカメラ200において画像回転操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0066】
まず、ユーザによりデジタルカメラ200が操作され、90度画像回転が指示される(ステップS5601、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は用紙タイプに図8の応答5701で取得したPaper90をセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS5602、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0067】
次に、液晶プロジェクタ100が待機状態から表示処理状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知する。具体的には、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントを発行する(ステップS5603)。また、印刷指定されている画像ファイルの中で現在何枚目の表示処理を行っているかを示すプログレス通知をデジタルカメラ200に対して行う。具体的には、プリントサーバ501はDPS_NotifyJobStatusイベントをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5604)。
【0068】
液晶プロジェクタ100は、受信したDPS_StartJobイベントを解釈し、現在表示している画像の回転処理を行う(ステップS5605、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像回転処理については、後に詳しく説明する。
【0069】
続いて、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0070】
図13は、図12のステップS5606において、液晶プロジェクタ100が行う画像回転処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、デジタルカメラ200から受信したCapabilityの用紙タイプを判定する(ステップS5800)。用紙タイプがPaper90だった場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像の元画像を90度回転させて表示する(ステップS5801)。用紙タイプがPaper270だった場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像の元画像を270度回転させて表示する(ステップS5802)。用紙タイプが、Paper90でもPaper270でもない場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像をそのまま表示する。
【0071】
図14は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像を回転させ、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図13のステップS5801の画像回転処理を実行した結果を示している。(A)はデジタルカメラ200の表示画面、(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、元画像を右に90度回転した画像5900Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像を右に90度回転した画像5900Bを投影表示する。
【0072】
以上のように、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とをUSB接続したシステムおいて、デジタルカメラ200が保持する画像をボタン等の操作部材を操作することにより、液晶プロジェクタ100により投影表示することができる。また、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像を回転させると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像も回転させることができる。これにより、ユーザは、デジタルカメラ200のみを操作することにより、液晶プロジェクタ100の投影画像を回転操作することができる。
【0073】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像の倍率を変更する方法について説明する。
【0074】
図15は、ユーザがデジタルカメラ200のズームレバー2607を操作し、表示画像を拡大した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0075】
まず、ユーザによりデジタルカメラ200のズームレバー2607が操作され、画像拡大の操作を受け付ける(ステップS6101、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502はクロッピング領域(cropping Area)と画像IDをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS6102、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。クロッピング領域の指定方法については、後述する。
【0076】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0077】
次に、プリントサーバ501は、受信したクロッピング領域を参照して、表示している画像を拡大する(ステップS6110、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像拡大処理については、後で詳しく説明する。
【0078】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0079】
図16(A)、(B)は、画像を拡大操作する場合に必要なDPS_GetCapabilityコマンドを示す。図16(A)は、プリントクライアント502がクロッピング能力を問い合わせるために送信するコマンド6200を示す。図16(B)は、該コマンド6200に対するプリントサーバ501の応答6201を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタがクロッピングに対応しているかどうかを記述している。
【0080】
また、図16(C)は、画像を拡大操作する場合に必要なDPS_StartJobコマンド6300を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットするクロッピング領域パラメータを含んでいる。本実施の形態におけるクロッピング領域の指定方法は、特定の座標を指定し、その座標から縦方向、横方向の長さを指定することにより、クロッピング領域を指定することが可能となる。
【0081】
図17は、図15のステップS6110において、液晶プロジェクタ100が行う画像拡大処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、受信したクロッピング領域からデジタルカメラ200の画像表示領域を取得する(ステップS6501)。そして、液晶プロジェクタ100は、画像表示領域と同様の表示がなされるように、現在表示している画像の拡大処理を行う(ステップS6502)。
【0082】
図18(A)、(B)は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像を拡大し、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図15のステップS6110の画像拡大処理を実行した結果を示している。図18(A)はデジタルカメラ200の表示画面、図18(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、元画像を拡大した画像6600Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像を拡大した画像6600Bを投影表示する。
【0083】
以上のように、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とをUSB接続したシステムおいて、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像を拡大すると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像も拡大することができる。
【0084】
なお、上記の例では、画像を拡大する操作についてのみ説明したが、同様のズームレバーの操作により、拡大した画像を縮小する場合や、拡大した画像をスライドさせて表示領域を移動させる場合にも適用可能である。画像をスライドさせる場合には、ユーザのスライド操作に伴ってプリントクライアント502が画像表示領域をクロッピング領域にセットし、DPS_StartJobを発行することで実現できる。
【0085】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像の画像パラメータを補正する方法について説明する。まず、ユーザが画像パラメータ補正を行った際のデジタルカメラ200および液晶プロジェクタ100の動作について説明する。デジタルカメラ200が画像再生モードに設定されている状態で、ユーザがメニューボタン2604を押下すると、図11(A)に示すように、メニュー項目が表示される。図11(A)に示した状態で、ユーザがメニュー項目から画像パラメータ補正を選択して、SETボタン2602を押下すると、さらに画像パラメータ補正のメニュー項目が表示される。
【0086】
本実施の形態では、メニュー項目として、赤目補正、白黒、セピア、顔明るくなどの項目を含んでいる。ただし、メニュー項目はこれらに限定されず、例えば、色白肌、褐色肌などの画像補正パラメータ項目を含んでもよい。
【0087】
次に、上記のように画像パラメータを補正する場合のシーケンスについて説明する。図19は、液晶プロジェクタ100が図10に示すように画像2400を表示している際に、ユーザが画像パラメータの補正操作を指示した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0088】
まず、ユーザによりメニュー項目から補正したい画像パラメータ項目の選択を受け付ける(ステップS7001、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は該当する画像最適化(image Optimizes)パラメータと画像IDをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS7002、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0089】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0090】
次に、プリントサーバ501は、受信した画像最適化パラメータを参照して、表示している画像のパラメータを補正する(ステップS7110、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像パラメータ補正処理については、後で詳しく説明する。
【0091】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0092】
図20(A)は、プリントクライアント502が画像最適化能力を問い合わせるために送信するコマンド6800を示す。図20(B)は、該コマンド6800に対するプリントサーバ501の応答6801を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応している画像最適化パラメータとを記述している。
【0093】
また、図20(C)は、画像パラメータを補正する場合に必要なDPS_StartJobコマンド6900を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットする画像最適化パラメータを含んでいる。
【0094】
以下の表2は、プリントサーバ501がDPS_GetCapabilityコマンドに応答して送信する画像補正値と、その値が示す画像最適化パラメータとの対応を示す。本実施の形態では、赤目補正、白黒、セピア、顔明るくなどの画像最適化パラメータに値が割り当てられている。該パラメータへの値の割り当ては、ベンダ拡張として、予め各ベンダで一意に定義されているものとする。
【0095】
【表2】
図21は、図19のステップS7110において、液晶プロジェクタ100が行う画像パラメータ補正処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、受信した画像最適化情報から、補正するパラメータを取得する(ステップS7301)。そして、液晶プロジェクタ100は、現在表示している画像のパラメータ補正を行う(ステップS7302)。
【0096】
以上のように、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像のパラメータを補正すると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像のパラメータ補正を行うことができる。これにより、ユーザはデジタルカメラ200のみを操作することにより、液晶プロジェクタ100の投影画像のパラメータ補正を行うことができる。
【0097】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像に日付表示を行う方法について説明する。
【0098】
ユーザがデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下すると、表示中の画像データに重ねて日付が表示される。図22は、ユーザがデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下した際の、DPSコマンドのシーケンス図である。本実施形態では、いわゆる印刷物に日時情報を含めるよう指示する日付プリントの機能を用いて、液晶プロジェクタ100への日時表示を制御する。
【0099】
まず、ユーザにより画像再生モード中にデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下される(ステップS7601、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は該当する日付情報と画像IDとをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS7602、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0100】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0101】
次に、プリントサーバ501は、受信した日付情報を参照して、表示している画像に日付を表示する(ステップS7610、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この日付表示処理については、後で詳しく説明する。
【0102】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0103】
図23(A)は、プリントクライアント502がdataPrints能力を問い合わせるために送信するコマンド7500を示す。図23(B)は、該コマンド7500に対するプリントサーバ501の応答7501を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応しているdataPrintsとを記述している。
【0104】
また、図23(C)は、画像に日付を表示させるために必要なDPS_StartJobコマンド7700を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットする日付(date)パラメータを含んでいる。このパラメータを読み込むことにより、液晶プロジェクタ100は現在表示中の画像に日付情報を重畳して表示する。
【0105】
図24は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像に日付を表示し、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図22のステップS7610の日付表示処理を実行した結果を示している。(A)はデジタルカメラ200の表示画面、(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、日付が付加された画像7900Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像に日付を付加した画像7900Bを投影表示する。
【0106】
以上のようにして、ユーザが行うデジタルカメラの日付表示に連動して、液晶プロジェクタが日付表示を行うことが可能となる。これにより、ユーザはデジタルカメラのみを操作することにより、液晶プロジェクタの表示画像に日付表示を付加することが可能となる。
【0107】
なお、本実施の形態では液晶プロジェクタとデジタルカメラによるシステムについて説明したが、画像表示装置としては、テレビや画像ビューワー等、画像を表示する機器についても適用可能である。
【0108】
また、本実施の形態ではユーザがデジタルカメラ200の上下左右ボタン2603を操作した際に、プリントクライアント502がDPS_StartJobを発行する場合について説明した。しかし、DPS_StartJobを発行するタイミングは本実施の形態に限定されるものではない。例えば、デジタルカメラ200が画像再生モードに移行した場合、プリントクライアント502が一定周期で定期的にStartJobを発行することで実現することも可能である。また、ユーザの上下左右ボタン2603の操作がある一定時間以上発生しない場合に、プリントクライアント502が最後の上下左右ボタン2603の操作(画像処理操作)をDPS_StartJobとして発行していてもよい。さらに、ユーザの上下左右ボタン2603が一定時間以上長押しされた場合に、該ボタン操作をDPS_StartJobとして発行していてもよい。
【0109】
その他、機器接続を形成する上でそれぞれの端末が通信に用いた通信パケットフォーマットや画像を表示するにあたっての操作部材等は本実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
また、上述した実施形態の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体から読み出し実行することによっても達成される。
【0111】
また、読み出したプログラムコードの指示に基づき、オペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行うことで上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0112】
上述した実施形態を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体(コンピュータ読み取り可能記憶媒体)には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、画像管理装置、画像表示装置、及びプログラムに関し、例えば、プロジェクタ等の外部表示装置にデジタルカメラ等の画像管理装置を接続して構成される画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影した画像は、デジタルデータとしてデジタルカメラ内の記録メディアに記録される。ユーザは、記録した画像をデジタルカメラの表示手段に再生したり、表示した画像を回転、拡大、縮小したり、画像の明暗、色に関わる画像パラメータを補正したり(以下、表示画像の加工処理という)することができる。
【0003】
また、例えば、特許文献1に開示されるように、撮影した画像をパソコンを介さずに外部の表示装置に表示させるシステムも提案されている。この文献に開示されるシステムは、デジタルカメラと表示装置とを無線で接続し、カメラ側から画像データを送信して表示装置に表示させる。また、デジタルカメラに加速度センサを用いた位置検出手段を内蔵し、デジタルカメラの動きを解析し、特定の動きを拡大、縮小、移動に関する特定のコマンドに対応させて表示装置に送信し、表示装置に表示された画像のトリミング処理を可能としている。
【0004】
ただし、特許文献1に開示されるシステムは、独自の通信プロトコルを用いており、デジタルカメラ、表示装置の双方が当該通信プロトコルに準拠したものでなければ実現できず、汎用性に欠けるという問題がある。
【0005】
そこで、デジタルカメラとプリンタとの接続に関しては、PictBridgeという汎用の規格が存在しており、多くのメーカーのデジタルカメラ、プリンタがこの規格を既に搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−051981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、PictBridgeのようなデジタルカメラとプリンタ間の汎用プロトコルを利用してデジタルカメラと表示装置とをダイレクトに接続することが考えられる。この場合、デジタルカメラの操作で実現できる操作と表示装置側のリモコンなどを利用して実現できる操作とか混在してしまう場合がある。したがって、操作によってはユーザはデジタルカメラと表示装置とをそれぞれ持ち替えながら操作しなければならず、操作が煩雑になる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、汎用性の高い通信規格を利用しつつ、デジタルカメラ等の画像管理装置側の操作で、表示装置が表示する画像を加工など行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像表示システムは、画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおいて、前記画像管理装置は、画像データを記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、印刷コマンドを発行する発行手段と、前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備え、前記画像表示装置は、画像データを表示する表示手段と、前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、前記管理側通信手段を制御して、画像データ及び前記コマンドを受信させる表示側制御手段と、前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、汎用性の高い通信規格を利用しつつ、表示装置が表示する画像をデジタルカメラ等の画像管理装置側の操作で加工などを行うことができる。これにより、操作の煩雑さを解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における画像表示システムの通信プロトコルアーキテクチャを示す説明図である。
【図2】デジタルカメラと液晶プロジェクタとの接続形態を示す外観図である。
【図3】液晶プロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図4】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラの背面を示す斜視図である。
【図6】液晶プロジェクタとデジタルカメラとのネゴシエーションを示したシーケンス図である。
【図7】デジタルカメラが接続対象機器を判別する際の動作を示したフローチャートである。
【図8】コマンドの記述例を示すリストである。
【図9】画像再生モードでの画像表示完了までのシーケンス図である。
【図10】液晶プロジェクタの表示画面の一例を示す説明図である。
【図11】デジタルカメラの背面を示す斜視図である。
【図12】デジタルカメラにおいて画像回転操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図13】液晶プロジェクタが行う画像回転処理を示したフローチャートである。
【図14】液晶プロジェクタが画像回転処理を実行した結果を示す。
【図15】表示画像を拡大した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図16】コマンドの記述例を示すリストである。
【図17】液晶プロジェクタが行う画像拡大処理を示したフローチャートである。
【図18】液晶プロジェクタが画像拡大処理を実行した結果を示す。
【図19】画像パラメータの補正操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【図20】コマンドの記述例を示すリストである。
【図21】液晶プロジェクタが行う画像パラメータ補正処理を示したフローチャートである。
【図22】DISPボタンを押下した際の、DPSコマンドのシーケンス図である。
【図23】コマンドの記述例を示すリストである。
【図24】液晶プロジェクタが日付表示処理を実行した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の実施の形態に係る画像表示システムについて説明し、続いて、このシステムを構成する画像管理装置としてのデジタルカメラと、画像表示装置としての液晶プロジェクタとの構成について説明し、その後、これらの装置間の通信制御について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態における画像表示システムの通信プロトコルアーキテクチャを示す。このシステムは、デジタルカメラ200と、液晶プロジェクタ100とを、画像管理装置とプリンタとを接続するための汎用規格であるPictBridge規格に基づいてUSBケーブルにより接続して構成される。このシステムは、デジタルカメラ200の記録メディアに保存した画像をデジタルカメラ200の操作によって、液晶プロジェクタ100により表示する。さらに、デジタルカメラ200上で入力した画像処理の結果を液晶プロジェクタ100により表示された画像にも反映させる。PictBridge規格では、物理層としてUSBを用い、その上のトランスポート層の通信プロトコルとしてPTP(Picture Transfer Protocol)を用いる。このPTPトランスポート層の上に、変換レイヤとしてDPS(Digital Photo Solution for Imaging Device)層を設け、その上にDPSアプリケーション層を設けている。
【0014】
USBインターフェースでは、デジタルカメラ200がUSBデバイスであり、液晶プロジェクタ100がUSBホストとして動作する。PictBridge規格を実現するためのDPSアーキテクチャは、サーバ/クライアントモデルである。ソフトウェアコンポーネントとして、プリントサーバ501及びプリントクライアント502と、ストレージサーバ503及びストレージクライアント504とが存在する。プリントサーバ501及びストレージクライアント504は液晶プロジェクタ100のDPSアプリケーションとして、プリントクライアント502及びストレージサーバ501はデジタルカメラ200のDPSアプリケーションとして用意されている。つまり、液晶プロジェクタ100にプリントサーバ501を設けることにより、液晶プロジェクタ100はPictBridge規格上のプリンタとして振る舞うことが可能となる。また、それぞれのDPS層には、相互に接続を確立するためのソフトウェアコンポーネントとしてDPSディスカバリが備えられている。
【0015】
DPSアプリケーションでは、基本的に、クライアントからの要求に対してサーバが応答し、その結果をクライアントに返答するというシーケンスで、各DPSオペレーションが完結する。またサーバから発行される通知に対して、クライアントが応答し、その受け取り確認をサーバに返答するというシーケンスで各DPSイベントが完結する。具体的には、デジタルカメラ200のプリントクライアント502からの印刷要求に応じて、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501が応答する。続いて、液晶プロジェクタ100のストレージクライアント504が画像を投影するために画像データを要求し、デジタルカメラ200のストレージサーバ503が画像データを送信する。また液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501からデバイス状態などのDPSイベントの発行通知に対し、デジタルカメラ200のプリントクライアント502がDPSイベントの受け取り確認を返送する。
【0016】
図2は、本実施の形態におけるデジタルカメラと液晶プロジェクタとの接続形態を示す外観図である。
【0017】
液晶プロジェクタ100は、USBインターフェース106に挿入されたUSBケーブル201を介し、デジタルカメラ200と接続される。デジタルカメラ200は、後述するように、撮影した画像データを記憶する画像記憶部として記録メディアを備えると共に、USBインターフェースを有する。そして、デジタルカメラ200は、PictBridge規格に適応しており、USBケーブルによりプリンタにダイレクト接続された場合には、記録メディアに記憶された撮影画像から選択操作により選択した画像データを印刷させることができる。また、デジタルカメラ200は、図2に示すように、液晶プロジェクタ100にダイレクト接続された場合には、記録メディアに記憶された画像データをスクリーン119上に投影表示させる機能を搭載している。
【0018】
図3は、本実施の形態における液晶プロジェクタ100の構成を示すブロック図である。
【0019】
液晶プロジェクタ100は、全体を制御するシステム制御回路(表示側制御部)109、このシステム制御回路109の動作用の定数、変数、画像等を一時的に記憶するメモリ101を備えている。さらに、システム制御回路109のファームウェアプログラム等を記録した電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ102を備えている。液晶プロジェクタ100がデジタルカメラに通知するCapability情報は、不揮発性メモリ102に記録される。
【0020】
システム制御回路109の各種の動作指示を入力するための操作部103は、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。リモコン受光部120は、液晶プロジェクタ100に付属する赤外線リモコンからのリモコンキーを受信する。リモコンキーは、システム制御回路109の各種の動作指示となる。
【0021】
電源制御部104は、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部104はACアダプター等からなる電源部105を検出し、検出結果及びシステム制御回路109の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、図示せぬ冷却ファンを含む各部へ供給する。
【0022】
液晶プロジェクタ100は、Ethernet(登録商標)インターフェース(I/F)107を介してネットワークに接続して液晶プロジェクタの故障等の状態を、液晶プロジェクタを集中管理するシステムに通知することができる。また、USBインターフェース(I/F)106を介してデジタルカメラ、USBメモリ等とUSBケーブルを用いて接続することができる。Ethernet(登録商標)インターフェース107やUSBインターフェース106は、表示側通信手段の一例である。
【0023】
システム制御回路109は、USBインターフェース106を制御して、デジタルカメラ200から画像データ及び各コマンドを受信させると共に、デジタルカメラ200に応答を送信させる機能も備える。
【0024】
画像処理部108は、デジタルカメラ、USBメモリ等から読み出したJPEG画像の表示位置の設定処理と、ファイル名・日付・Exifなどの情報をオーバーレイする処理を行う。また、画像処理部108は、USBインターフェース106を介して受信した画像処理コマンドに応じて、受信した画像データを加工する。そして、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを赤(R)/緑(G)/青(B)の3種の色信号からなるRGB信号にデジタル変換する。
【0025】
プロジェクタ映像信号処理回路111は、デジタル化されたRGB信号をプロジェクタ装置に適した信号に変換する信号処理を行う。そのような信号処理としては、例えば、インターレースープログレッシブ変換処理、フレームレート変換処理、解像度変換処理等が挙げられる。フレームメモリ110は、プロジェクタ映像信号処理回路111によりプロジェクタに適した信号に変換する際の信号処理で使用され、1フレーム以上のRGB信号を記録することが可能である。
【0026】
信号レベル調整回路112は、プロジェクタ映像信号処理回路111からの出力をプロジェクタ装置の投影する投影画像に適するような信号レベルとするべく調整する。液晶ドライバ113は、信号レベル調整回路112の出力信号に基づいて液晶パネル117を駆動する。ランプ116は、スクリーン119に投影画像を映し出すための光源である。電源105より供給される電力は、ランプ駆動回路(バラスト)115により安定した高電圧電力に変換され、ランプ116に供給される。液晶パネル117には、R/G/Bのカラーフィルタが接合されており、ランプ116より投射された光をRGBの画像に対応して透過させ、あるいは、遮断する。レンズ群118は、液晶パネル117を通過したRGBの各色画像をスクリーン119へ結像させるとともに、投影画像の大きさを変化させる。スクリーン119は、映像信号を結像させる投影面を提供する。
【0027】
図4は、本実施の形態におけるデジタルカメラ200の構成を示す図である。本実施の形態におけるデジタルカメラ200は、撮影レンズ2、絞り機能を備えるシャッター3、光学像を電気信号に変換する撮像素子4、撮像素子4のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器5を備えている。さらに、タイミング発生回路6、D/A変換器7、メモリ制御回路8、システム制御回路9、画像処理回路10、画像表示メモリ11、メモリ12、画像表示部13を備えている。
【0028】
タイミング発生回路6は、撮像素子4、A/D変換器5、D/A変換器7にクロック信号や制御信号を供給する。D/A変換器7は、画像表示メモリ11に書き込まれた表示用の画像データをD/A変換して画像表示部13により表示させる。画像表示部13は、TFT LCD等から成る画像表示部であり、撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。
【0029】
メモリ制御回路8は、A/D変換器5、タイミング発生回路6、画像処理回路10、D/A変換器7、メモリ12を制御する。画像処理回路10は、A/D変換器5からのデータ、あるいはメモリ制御回路8からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行う。
【0030】
システム制御回路(管理側制御部)9は、デジタルカメラ200全体を制御する。メモリ20には、システム制御回路9の動作用の定数、変数、プログラム等が記憶されている。また、システム制御回路9は、液晶プロジェクタ100との機能を有する。
【0031】
A/D変換器5からの画像データ、あるいは、画像処理回路10により処理された画像データは、メモリ制御回路8を介して画像表示メモリ11、あるいはメモリ12に書き込まれる。メモリ12は、撮影した静止画像や動画像を格納する機能を有し、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0032】
露光制御部14は、絞り機能を備えるシャッター3を制御すると共に、フラッシュ17と連携することによりフラッシュ調光機能も有する。測距制御部15は、撮影レンズ2のフォーカシングを制御し、ズーム制御部16は、撮影レンズ2のズーミングを制御する。
【0033】
電源制御手段18は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御手段18は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量を検出し、これらの検出結果及びシステム制御回路9の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。電源手段19は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0034】
表示部21は、例えばLCDやLED、スピーカ等の組み合わせにより構成され、システム制御回路9でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。表示部21は、デジタルカメラ200の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置されている。
【0035】
不揮発性メモリ22は、電気的に消去・記録可能なメモリ素子であり、ここに機器の無線設定情報を記憶することができる。また、デジタルカメラ200は、メモリカードを接続する為のメモリカードインターフェース(I/F)23と、外部機器とUSBを用いて接続する為のUSBインターフェース(I/F)24とを備えている。これらは、管理側通信手段の一例である。
【0036】
操作部25は、システム制御回路9に各種の動作指示を入力するための手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成され、表示部21の近傍に設けられている。
【0037】
シャッタースイッチ26は、撮像素子4から読み出した信号をA/D変換器5、メモリ制御回路8を介してメモリ12に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路10やメモリ制御回路8での演算を用いた現像処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0038】
無線通信回路27は、無線信号を送受信し、無線通信を制御する。無線通信回路27には、他の機器と無線通信を行うためのアンテナ28が接続されている。
【0039】
図5は、本実施の形態におけるデジタルカメラ200の背面を示す斜視図である。
【0040】
デジタルカメラ200の背面には、切り替えスイッチ2600、電源ボタン2601、SETボタン2602、上下左右ボタン2603、MENUボタン2604、液晶モニター2605が備えられている。切り替えスイッチ2600は、撮影を行うモード(撮影モード)と、撮影した画像を表示するモード(画像再生モード)とを切り替えるスイッチである。電源ボタン2601は、デジタルカメラ200の電源をオンオフする際に使用するボタンである。SETボタン2602は、設定値を確定するときなどに使用するボタンである。上下左右ボタン2603は、メニューの選択をする場合に上下左右でカーソルを移動させるときや、画像再生モードで複数の画像が存在する場合に次の画像や前の画像を表示させるときに使用する。MENUボタン2604は、MENUを表示させる際に使用する。DISPボタン2606は、撮影日時や画像のヒストグラムを表示するために使用する。ズームレバー2607は、撮影モードでは撮影倍率を調整し、画像再生モードでは表示画像のサイズを調整する。ユーザは、ズームレバー2607を右回りに回転させることにより、撮影倍率、表示サイズを拡大でき、ズームレバー2607を左回りに回転させることにより、拡大した画像の撮影倍率、表示サイズを縮小することができる。
【0041】
次に、本実施の形態における液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との間の通信の確立までの手順を図6に基づいて説明する。図6は、本実施の形態における液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との間の通信の確立までのネゴシエーションを示したシーケンス図である。
【0042】
液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との電源を入れてUSBケーブルで接続すると、液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とは互いに相手がDPS機能を有するかどうかを確認するためのネゴシエーションを行う。PictBridge規格では、USB接続をトリガーとして両機器間にPTP接続が確立した後に、DPSディスカバリが実行される(ステップS601)。具体的には、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とがそれぞれDDISCVRY.DPSとHDISCVRY.DPSという空のスクリプトファイルを送り合うことで互いがPictBridge対応機器であることを確認する。このDPSディスカバリの処理は、PictBridge規格により接続された外部装置との間に通信を確立する通信確立ステップに相当する。
【0043】
続いてデジタルカメラ200のプリントクライアント502は、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501へDPS_ConfigurePrintService401を発行する(ステップS602)。その目的は、液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200との両機器が互いに有する機能を確認することである。つまり、液晶プロジェクタ100がプリントサーバ501とストレージクライアント503とを有することと、デジタルカメラ200がプリントクライアント502とストレージサーバ504とを有することとを互いに通知し合う。
【0044】
次に、デジタルカメラ200は、DPS_ConfigurePrintService401で取得した情報を基に、接続対象の機器の種類を判定する(ステップS620)。この処理については後述するが、接続された外部装置が液晶プロジェクタであるか否かを検出する検出ステップに相当する。
【0045】
次に、デジタルカメラ200のプリントクライアント502が、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501へDPS_GetCapability403を発行する(ステップS603)。これは、接続された外部装置が液晶プロジェクタである場合、この液晶プロジェクタ100がどのような表示設定が可能なのかを問い合わせるためのコマンドである。プリントサーバ501は、Capability情報取得処理を行い、液晶プロジェクタ100の画面の解像度に関連付けられた印刷のCapability情報を取得し、プリントクライアント502へCapability情報を通知する。Capability情報には、用紙サイズ・用紙タイプ・ファイルタイプ・日付印刷・ファイル名印刷・画像最適化・レイアウト・固定サイズ・トリミング・品質などのパラメータが含まれている。
【0046】
図7は、図6のステップS620において、デジタルカメラ200が接続対象機器を判別する際の動作を示したフローチャートである。
【0047】
図7の処理において、デジタルカメラ200は、図6のステップS602において発行したDPS_ConfigurePrintServiceコマンドを参照する。そして、接続対象機器のDPSバージョン・ベンダー名・プロダクト名・シリアル番号を認識する(ステップS5001)。
【0048】
続いてデジタルカメラ200は、プロダクト名から接続対象機器が液晶プロジェクタであるか否かを判別する(ステップS5002)。プロダクト名がプロジェクタ用である場合(ステップS5002でYes)、デジタルカメラ200は、内部状態を液晶プロジェクタ接続モードへ移行させ(ステップS5005)、処理を終了する。プロダクト名がプロジェクタ用でない場合(ステップS5002でNo)、すなわち、プリンタに接続されたと判別された場合には、接続モードをデフォルトのプリンタ接続モードにしたまま、処理を終了する。
【0049】
なお、プロジェクタ接続モードへ移行するか否かの判断は、プロダクト名の判別による方法だけに限定されない。例えば、デジタルカメラ200が図6のステップS603のDPS_GetCapabilityコマンドで取得した用紙タイプなどのパラメータによっても判別可能である。PictBridge規格では、Capability情報のベンダ拡張を定義することができる。したがって、液晶プロジェクタ用の用紙タイプをベンダで定義することが可能である。この場合、デジタルカメラ200がDPS_GetCapabilityコマンドで液晶プロジェクタ用の用紙タイプを取得した場合、内部状態を液晶プロジェクタ接続モードへ遷移させることが可能である。
【0050】
用紙タイプによりプロジェクタ接続を判定する場合には、図8に示すDPS_GetCapabilityコマンドを用いる。図8に示すDPS_GetCapabilityコマンドは、接続された機器に設定可能な用紙タイプを問い合わせるコマンドである。図8(A)は、プリントクライアント502が用紙タイプを問い合わせるために送信するコマンド5700である。図8(B)は、プリントサーバ501がコマンド5700に対して送信する応答5701であり、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応している用紙タイプが記述される。
【0051】
液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501がDPS_GetCapabilityコマンドに応答して送信する用紙タイプ(paperType)の値と、その値が示す意味との対応を以下の表1に示す。
【0052】
【表1】
例えば上記表1に示す3つの要したイプの値が送信された場合、液晶プロジェクタ100は通常用紙、90度画像回転用の用紙(以下Paper90という)、270度画像回転用の用紙(以下Paper270という)に対応していることを示している。Paper90およびPaper270の用紙タイプは、ベンダ拡張として定義されているものとする。本実施の形態では、Paper90は液晶プロジェクタが画像を90度回転して表示することを意味し、Paper270は液晶プロジェクタが画像を270度回転して表示することを意味する。なお、用紙タイプの値は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0053】
次に、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100との接続が確立され、デジタルカメラ200の内部状態が液晶プロジェクタ接続モードに設定された後の処理について説明する。
【0054】
図9は、本実施の形態において、ユーザがデジタルカメラ200を操作し、画像再生モードにしたときから画像表示完了までのDPSコマンドのシーケンス図である。画像再生モードとは、ユーザが既に撮影したメモリカード等のストレージに格納された画像(静止画/動画)を液晶プロジェクタ100に表示させて閲覧するためのモードである。
【0055】
ユーザがデジタルカメラ200の切り替えスイッチ2600を再生モードに切り替えると、デジタルカメラ200は画像再生モードに移行する(ステップS630)。ここでユーザは、記憶メディアに記憶された画像データから表示対象となる画像データ(画像ファイル)を選択することができる。ユーザが選択操作を行うと、選択した画像データの印刷が指示される。つまり、デジタルカメラ200のプリントクライアント502は、液晶プロジェクタ100のプリントサーバ501に印刷コマンドとしてDPS_StartJobコマンドを発行する(ステップS605、発行ステップ)。これによって、プリントクライアント502からプリントサーバ501へ印刷設定および選択された画像ファイルを含む印刷情報が送信される。これを受信した液晶プロジェクタ100は待機状態から表示処理状態に遷移する。このとき、本実施の形態ではDPS_StartJobコマンドのパラメータが印刷枚数を2枚以上と指定していても、プリントサーバ501は1枚表示の表示命令として解釈する。プリンタと異なり、画像データを表示する場合に同じ画像データを2枚表示したい、というケースはほとんどないからである。
【0056】
液晶プロジェクタ100が待機状態から表示処理状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、プリントサーバ501は、プリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントを発行する(ステップS606)。また、印刷指定されている画像ファイルの中で現在何枚目の表示処理を行っているかを示すプログレス通知をデジタルカメラ200に対して行う。具体的には、プリントサーバ501はDPS_NotifyJobStatusイベントをプリントクライアント502へ発行する(ステップS607)。
【0057】
続いて、ストレージクライアント503は、次に表示する画像のファイルタイプとファイルサイズ情報を取得するために、ストレージサーバ504へDPS_GetFileInfoコマンドを発行する。そしてストレージサーバ504はストレージクライアント503にファイル情報を返す(ステップS608)。ここで、ストレージクライアント503は、獲得したファイルサイズ情報を元にメモリを確保し、次に表示する画像ファイルの取得に備える。
【0058】
続いて、ストレージクライアント503は、ステップS608で取得した情報に基づき、画像ファイルデータを一括取得するためにストレージサーバ504にDPS_GetFileコマンドを発行する。そしてストレージサーバ504から画像ファイルを取得する(ステップS609)。なお、DPS_GetFileコマンドに代えてDPS_GetPartialFileコマンドを用いることにより、画像ファイルを分割して取得する方法もある。
【0059】
そして、ストレージクライアント503は、ステップS609で取得した画像ファイルの表示データをプリントデバイスに送信し、プリントデバイスは、DPS_StartJobコマンドに記述されたレイアウト(layout)の通りに画像を表示する。ここで図2に示すスクリーン119に画像が投影、表示される。
【0060】
以上のシーケンスが完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知する。具体的には、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS611)。なお、この後上下左右キーの押下によって、ステップS605に移行することも可能である。
【0061】
図10は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像再生モードにしたときに、液晶プロジェクタ100がスクリーン119に表示させる表示画面の一例を示す。ユーザがデジタルカメラ200の上下左右ボタン2603を押下すると、デジタルカメラ200は液晶プロジェクタ100へ印刷コマンドを発行し、印刷コマンドに対応した画像2400が表示される。この際、液晶プロジェクタ100の表示画面は、図5に示したデジタルカメラ200の液晶モニター2605の表示画面と同じになる。再度、ユーザがデジタルカメラ200の左右ボタン2603を押下すると、次の画像データを表示させる。
【0062】
次に、ユーザがデジタルカメラ200を操作して液晶プロジェクタ100により投影表示される画像を加工する処理について説明する。まず、ユーザが画像回転操作を行った際のデジタルカメラ200および液晶プロジェクタ100の動作について説明する。図11(A)は、デジタルカメラ200が画像再生モードに設定されている状態で、ユーザがメニューボタン2604を押下した際のデジタルカメラ200の背面を示した図である。
【0063】
デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、表示されている画像に上書きするようにメニュー項目が表示される。メニュー項目として、回転と画像パラメータ補正とが含まれている。図11(A)に示した状態で、ユーザがメニュー項目から回転5401を選択して、SETボタン2602を押下すると、画像が図11(B)、(C)に示したように回転して表示される。
【0064】
図11(B)は、図11(A)の状態において、SETボタン2602を1回押下した後の画像5500Aを示し、(C)は、同じく図11(A)の状態において、SETボタン2602を2回押下した後の画像5500Bを示す。画像5500Aは、図11(A)に表示された状態から右回りに90度回転している。画像5500Bは、図11(A)に表示された状態から右回りに270度回転している。
【0065】
次に、上記のように画像を回転させる場合のシーケンスについて説明する。図12は、液晶プロジェクタ100が図10に示すように画像2400を表示している際に、ユーザがデジタルカメラ200において画像回転操作を行った際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0066】
まず、ユーザによりデジタルカメラ200が操作され、90度画像回転が指示される(ステップS5601、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は用紙タイプに図8の応答5701で取得したPaper90をセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS5602、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0067】
次に、液晶プロジェクタ100が待機状態から表示処理状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知する。具体的には、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントを発行する(ステップS5603)。また、印刷指定されている画像ファイルの中で現在何枚目の表示処理を行っているかを示すプログレス通知をデジタルカメラ200に対して行う。具体的には、プリントサーバ501はDPS_NotifyJobStatusイベントをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5604)。
【0068】
液晶プロジェクタ100は、受信したDPS_StartJobイベントを解釈し、現在表示している画像の回転処理を行う(ステップS5605、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像回転処理については、後に詳しく説明する。
【0069】
続いて、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0070】
図13は、図12のステップS5606において、液晶プロジェクタ100が行う画像回転処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、デジタルカメラ200から受信したCapabilityの用紙タイプを判定する(ステップS5800)。用紙タイプがPaper90だった場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像の元画像を90度回転させて表示する(ステップS5801)。用紙タイプがPaper270だった場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像の元画像を270度回転させて表示する(ステップS5802)。用紙タイプが、Paper90でもPaper270でもない場合、液晶プロジェクタ100は現在表示している画像をそのまま表示する。
【0071】
図14は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像を回転させ、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図13のステップS5801の画像回転処理を実行した結果を示している。(A)はデジタルカメラ200の表示画面、(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、元画像を右に90度回転した画像5900Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像を右に90度回転した画像5900Bを投影表示する。
【0072】
以上のように、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とをUSB接続したシステムおいて、デジタルカメラ200が保持する画像をボタン等の操作部材を操作することにより、液晶プロジェクタ100により投影表示することができる。また、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像を回転させると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像も回転させることができる。これにより、ユーザは、デジタルカメラ200のみを操作することにより、液晶プロジェクタ100の投影画像を回転操作することができる。
【0073】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像の倍率を変更する方法について説明する。
【0074】
図15は、ユーザがデジタルカメラ200のズームレバー2607を操作し、表示画像を拡大した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0075】
まず、ユーザによりデジタルカメラ200のズームレバー2607が操作され、画像拡大の操作を受け付ける(ステップS6101、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502はクロッピング領域(cropping Area)と画像IDをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS6102、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。クロッピング領域の指定方法については、後述する。
【0076】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0077】
次に、プリントサーバ501は、受信したクロッピング領域を参照して、表示している画像を拡大する(ステップS6110、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像拡大処理については、後で詳しく説明する。
【0078】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0079】
図16(A)、(B)は、画像を拡大操作する場合に必要なDPS_GetCapabilityコマンドを示す。図16(A)は、プリントクライアント502がクロッピング能力を問い合わせるために送信するコマンド6200を示す。図16(B)は、該コマンド6200に対するプリントサーバ501の応答6201を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタがクロッピングに対応しているかどうかを記述している。
【0080】
また、図16(C)は、画像を拡大操作する場合に必要なDPS_StartJobコマンド6300を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットするクロッピング領域パラメータを含んでいる。本実施の形態におけるクロッピング領域の指定方法は、特定の座標を指定し、その座標から縦方向、横方向の長さを指定することにより、クロッピング領域を指定することが可能となる。
【0081】
図17は、図15のステップS6110において、液晶プロジェクタ100が行う画像拡大処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、受信したクロッピング領域からデジタルカメラ200の画像表示領域を取得する(ステップS6501)。そして、液晶プロジェクタ100は、画像表示領域と同様の表示がなされるように、現在表示している画像の拡大処理を行う(ステップS6502)。
【0082】
図18(A)、(B)は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像を拡大し、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図15のステップS6110の画像拡大処理を実行した結果を示している。図18(A)はデジタルカメラ200の表示画面、図18(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、元画像を拡大した画像6600Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像を拡大した画像6600Bを投影表示する。
【0083】
以上のように、デジタルカメラ200と液晶プロジェクタ100とをUSB接続したシステムおいて、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像を拡大すると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像も拡大することができる。
【0084】
なお、上記の例では、画像を拡大する操作についてのみ説明したが、同様のズームレバーの操作により、拡大した画像を縮小する場合や、拡大した画像をスライドさせて表示領域を移動させる場合にも適用可能である。画像をスライドさせる場合には、ユーザのスライド操作に伴ってプリントクライアント502が画像表示領域をクロッピング領域にセットし、DPS_StartJobを発行することで実現できる。
【0085】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像の画像パラメータを補正する方法について説明する。まず、ユーザが画像パラメータ補正を行った際のデジタルカメラ200および液晶プロジェクタ100の動作について説明する。デジタルカメラ200が画像再生モードに設定されている状態で、ユーザがメニューボタン2604を押下すると、図11(A)に示すように、メニュー項目が表示される。図11(A)に示した状態で、ユーザがメニュー項目から画像パラメータ補正を選択して、SETボタン2602を押下すると、さらに画像パラメータ補正のメニュー項目が表示される。
【0086】
本実施の形態では、メニュー項目として、赤目補正、白黒、セピア、顔明るくなどの項目を含んでいる。ただし、メニュー項目はこれらに限定されず、例えば、色白肌、褐色肌などの画像補正パラメータ項目を含んでもよい。
【0087】
次に、上記のように画像パラメータを補正する場合のシーケンスについて説明する。図19は、液晶プロジェクタ100が図10に示すように画像2400を表示している際に、ユーザが画像パラメータの補正操作を指示した際のDPSコマンドのシーケンス図である。
【0088】
まず、ユーザによりメニュー項目から補正したい画像パラメータ項目の選択を受け付ける(ステップS7001、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は該当する画像最適化(image Optimizes)パラメータと画像IDをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS7002、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0089】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0090】
次に、プリントサーバ501は、受信した画像最適化パラメータを参照して、表示している画像のパラメータを補正する(ステップS7110、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この画像パラメータ補正処理については、後で詳しく説明する。
【0091】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0092】
図20(A)は、プリントクライアント502が画像最適化能力を問い合わせるために送信するコマンド6800を示す。図20(B)は、該コマンド6800に対するプリントサーバ501の応答6801を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応している画像最適化パラメータとを記述している。
【0093】
また、図20(C)は、画像パラメータを補正する場合に必要なDPS_StartJobコマンド6900を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットする画像最適化パラメータを含んでいる。
【0094】
以下の表2は、プリントサーバ501がDPS_GetCapabilityコマンドに応答して送信する画像補正値と、その値が示す画像最適化パラメータとの対応を示す。本実施の形態では、赤目補正、白黒、セピア、顔明るくなどの画像最適化パラメータに値が割り当てられている。該パラメータへの値の割り当ては、ベンダ拡張として、予め各ベンダで一意に定義されているものとする。
【0095】
【表2】
図21は、図19のステップS7110において、液晶プロジェクタ100が行う画像パラメータ補正処理を示したフローチャートである。液晶プロジェクタ100は、受信した画像最適化情報から、補正するパラメータを取得する(ステップS7301)。そして、液晶プロジェクタ100は、現在表示している画像のパラメータ補正を行う(ステップS7302)。
【0096】
以上のように、ユーザがデジタルカメラ200を操作して表示している画像のパラメータを補正すると、これに連動して、液晶プロジェクタ100の投影画像のパラメータ補正を行うことができる。これにより、ユーザはデジタルカメラ200のみを操作することにより、液晶プロジェクタ100の投影画像のパラメータ補正を行うことができる。
【0097】
次に、上記のように液晶プロジェクタ100とデジタルカメラ200とをUSB接続したシステムにおいて、デジタルカメラ200の操作により、液晶プロジェクタ100により投影される画像に日付表示を行う方法について説明する。
【0098】
ユーザがデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下すると、表示中の画像データに重ねて日付が表示される。図22は、ユーザがデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下した際の、DPSコマンドのシーケンス図である。本実施形態では、いわゆる印刷物に日時情報を含めるよう指示する日付プリントの機能を用いて、液晶プロジェクタ100への日時表示を制御する。
【0099】
まず、ユーザにより画像再生モード中にデジタルカメラ200のDISPボタン2606を押下される(ステップS7601、操作ステップ)。すると、プリントクライアント502は該当する日付情報と画像IDとをセットし、DPS_StartJobを発行する(ステップS7602、送信ステップ)。この際、プリントクライアント502は、直前にプリントサーバ501に送信したfileIDを使用する。
【0100】
続いて、図12のシーケンスと同様に、プリントサーバ501はプリントクライアント502へDPS_NotifyDeviceStatusイベントとDPS_NotifyJobStatusイベントとを発行する(ステップS5603,S5604)。
【0101】
次に、プリントサーバ501は、受信した日付情報を参照して、表示している画像に日付を表示する(ステップS7610、受信ステップ及び画像処理ステップ)。この日付表示処理については、後で詳しく説明する。
【0102】
次に、ストレージクライアント503がプリントデバイスに表示データを送って画像を表示させる(ステップS5606、表示ステップ)。以上が完了すると、プリントサーバ501は、液晶プロジェクタ100が待機状態に遷移したことをデジタルカメラ200に通知するために、DPS_NotifyDeviceStatusをプリントクライアント502へ発行する(ステップS5607)。
【0103】
図23(A)は、プリントクライアント502がdataPrints能力を問い合わせるために送信するコマンド7500を示す。図23(B)は、該コマンド7500に対するプリントサーバ501の応答7501を示し、結果(result)値と液晶プロジェクタが対応しているdataPrintsとを記述している。
【0104】
また、図23(C)は、画像に日付を表示させるために必要なDPS_StartJobコマンド7700を示す。このコマンドは、プリントクライアント502がセットする日付(date)パラメータを含んでいる。このパラメータを読み込むことにより、液晶プロジェクタ100は現在表示中の画像に日付情報を重畳して表示する。
【0105】
図24は、ユーザがデジタルカメラ200を操作して画像に日付を表示し、それに伴い、液晶プロジェクタ100が図22のステップS7610の日付表示処理を実行した結果を示している。(A)はデジタルカメラ200の表示画面、(B)は液晶プロジェクタ100の表示画面を示す。デジタルカメラ200の液晶モニター2605には、日付が付加された画像7900Aが表示され、液晶プロジェクタ100は同様に元画像に日付を付加した画像7900Bを投影表示する。
【0106】
以上のようにして、ユーザが行うデジタルカメラの日付表示に連動して、液晶プロジェクタが日付表示を行うことが可能となる。これにより、ユーザはデジタルカメラのみを操作することにより、液晶プロジェクタの表示画像に日付表示を付加することが可能となる。
【0107】
なお、本実施の形態では液晶プロジェクタとデジタルカメラによるシステムについて説明したが、画像表示装置としては、テレビや画像ビューワー等、画像を表示する機器についても適用可能である。
【0108】
また、本実施の形態ではユーザがデジタルカメラ200の上下左右ボタン2603を操作した際に、プリントクライアント502がDPS_StartJobを発行する場合について説明した。しかし、DPS_StartJobを発行するタイミングは本実施の形態に限定されるものではない。例えば、デジタルカメラ200が画像再生モードに移行した場合、プリントクライアント502が一定周期で定期的にStartJobを発行することで実現することも可能である。また、ユーザの上下左右ボタン2603の操作がある一定時間以上発生しない場合に、プリントクライアント502が最後の上下左右ボタン2603の操作(画像処理操作)をDPS_StartJobとして発行していてもよい。さらに、ユーザの上下左右ボタン2603が一定時間以上長押しされた場合に、該ボタン操作をDPS_StartJobとして発行していてもよい。
【0109】
その他、機器接続を形成する上でそれぞれの端末が通信に用いた通信パケットフォーマットや画像を表示するにあたっての操作部材等は本実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
また、上述した実施形態の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体から読み出し実行することによっても達成される。
【0111】
また、読み出したプログラムコードの指示に基づき、オペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行うことで上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0112】
上述した実施形態を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体(コンピュータ読み取り可能記憶媒体)には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおいて、
前記画像管理装置は、
画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、
印刷コマンドを発行する発行手段と、
前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備え、
前記画像表示装置は、
画像データを表示する表示手段と、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、
前記管理側通信手段を制御して、画像データ及び前記コマンドを受信させる表示側制御手段と、
前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記画像管理装置は、デジタルカメラであり、前記画像表示装置は、プロジェクタであり、前記プロトコルとしてPictBridgeを用いることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像管理装置の操作手段は、前記画像処理操作として、画像の回転、拡大、パラメータ補正、日付情報の表示のうち、少なくとも1つの操作を可能としていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記画像管理装置の操作手段は、前記プロトコルにより外部装置と接続された際に印刷を指示する操作が可能であり、前記発行手段は、前記印刷を指示する操作を検知した際に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記発行手段は、一定時間の間、画像処理操作を検知しかった場合に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記発行手段は、一定時間以上の間、画像処理操作を検知し続けた場合に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記発行手段は、一定周期で定期的に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項8】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像管理装置であって、
画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、
印刷コマンドを発行する発行手段と、
前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項9】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像表示装置であって、
画像データを表示する表示手段と、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、
前記管理側通信手段を制御して、画像データ、画像処理コマンド及び印刷コマンドを受信させる表示側制御手段と、
前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する通信確立ステップと、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出ステップと、
画像記憶部に記憶された画像データから対象となる画像データを選択させる選択ステップと、
選択された画像データに対する画像処理操作を受け付ける操作ステップと、
印刷コマンドを発行する発行ステップと、
前記検出ステップで画像表示装置との接続を検出した際に、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信する送信ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像表示方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する通信確立ステップと、
前記画像管理装置から送信される画像データ、画像処理コマンド及び印刷コマンドを受信する受信ステップと、
受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工する画像処理ステップと、
受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを表示させる表示ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおいて、
前記画像管理装置は、
画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、
印刷コマンドを発行する発行手段と、
前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備え、
前記画像表示装置は、
画像データを表示する表示手段と、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、
前記管理側通信手段を制御して、画像データ及び前記コマンドを受信させる表示側制御手段と、
前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記画像管理装置は、デジタルカメラであり、前記画像表示装置は、プロジェクタであり、前記プロトコルとしてPictBridgeを用いることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像管理装置の操作手段は、前記画像処理操作として、画像の回転、拡大、パラメータ補正、日付情報の表示のうち、少なくとも1つの操作を可能としていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記画像管理装置の操作手段は、前記プロトコルにより外部装置と接続された際に印刷を指示する操作が可能であり、前記発行手段は、前記印刷を指示する操作を検知した際に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記発行手段は、一定時間の間、画像処理操作を検知しかった場合に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記発行手段は、一定時間以上の間、画像処理操作を検知し続けた場合に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記発行手段は、一定周期で定期的に印刷コマンドを発行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項8】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像管理装置であって、
画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像データから対象となる画像データを選択する選択操作と、選択された画像データに対する画像処理操作とが可能な操作手段と、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する管理側通信手段と、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出手段と、
印刷コマンドを発行する発行手段と、
前記検出手段が画像表示装置との接続を検出した際に、前記管理側通信手段を制御して、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信させる管理側制御手段とを備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項9】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像表示装置であって、
画像データを表示する表示手段と、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する表示側通信手段と、
前記管理側通信手段を制御して、画像データ、画像処理コマンド及び印刷コマンドを受信させる表示側制御手段と、
前記表示側通信手段が受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工すると共に、受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを前記表示手段に表示させる画像処理手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プロトコルにより接続された外部装置との間に通信を確立する通信確立ステップと、
接続された外部装置が画像表示装置であるか否かを検出する検出ステップと、
画像記憶部に記憶された画像データから対象となる画像データを選択させる選択ステップと、
選択された画像データに対する画像処理操作を受け付ける操作ステップと、
印刷コマンドを発行する発行ステップと、
前記検出ステップで画像表示装置との接続を検出した際に、画像データ、前記画像処理操作により入力された画像処理コマンド、及び前記印刷コマンドを前記画像表示装置に送信する送信ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
画像データを記憶する画像管理装置と画像データを表示する画像表示装置とを、画像管理装置とプリンタとを接続するためのプロトコルを用いてダイレクトに接続して構成される画像表示システムにおける画像表示方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プロトコルを用いて前記画像管理装置との間で通信を確立する通信確立ステップと、
前記画像管理装置から送信される画像データ、画像処理コマンド及び印刷コマンドを受信する受信ステップと、
受信した画像処理コマンドに応じて受信した画像データを加工する画像処理ステップと、
受信した印刷コマンドに応じて受信した画像データを表示させる表示ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−4244(P2011−4244A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146472(P2009−146472)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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