説明

画像表示システムおよび制御装置

【課題】画像の輝度レベルに応じてスクリーンの散乱度合を変更することにより、優れた表示特性を発揮することのできる画像表示システムおよび制御装置を提供すること。
【解決手段】画像表示システム100は、印加電圧の強度を変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることのできるスクリーン200と、スクリーン200に映像光Lを投射しスクリーン200に画像を表示させるプロジェクター300と、スクリーン200およびプロジェクター300の駆動を制御する制御部400とを有する。制御部400は、散乱状態としたスクリーン200に映像光Lを投射するとともに、スクリーン200に表示させる画像の輝度レベルに応じて、散乱状態の光の散乱度合を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システムおよび制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プロジェクター等によりスクリーン上に映像を表示する技術が知られている。近年、透過(透明)状態/散乱状態の切り替え可能なスクリーンを用い、スクリーンが散乱状態の場合に映像光を投影させて映像を表示する技術が提案されている。この技術を用いると、非映像投影時にスクリーンを透明な状態とすることで、未使用時の空間的な圧迫感を低減することが可能となる。このようなスクリーンの例として、液晶層により透過(透明)状態/散乱状態を切り替え可能なスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
液晶層により透過(透明)状態/散乱状態を切り替える技術としては、高分子中に液晶を分散させた高分子分散型液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献2)。このような高分子分散型液晶表示素子の動作原理は、液晶と高分子との屈折率の差を利用しており、ノーマルモードでは、電界印加により透過状態となり、電界除去により散乱状態となる。また、リバースモードでは、電界非印加により透過状態となり、電界印加により散乱状態となる。
【0004】
このような高分子分散型液晶表示素子をスクリーンとして用いた場合、散乱状態としたところに映像光を投射することにより、スクリーンに所望の画像が表示される。しかしながら、従来では、散乱状態における光の散乱度合が一定であるため、言い換えれば、どのような画像が表示されているときでもスクリーンの光の散乱度合が同じであるため、例えば、次のような問題が生じてしまう。
【0005】
例えば、スクリーンの散乱度合を強くして、明るい画像を鮮明に(高いコントラストで)観察できるようにすると、暗い画像を表示したときに、外光の散乱の影響により、その映像のコントラストが著しく低下する。反対に、スクリーンの散乱度合を弱くして、暗い画像を表示するときの外光の影響を低減させると、明るい画像を表示したときに、その画像のコントラストが低下する。また、散乱が弱いため、スクリーン上に輝度の高い部分(輝点)が発生して、観察者にとって眩しくて見づらい映像となる。特に、動画のような明るい画像と暗い画像とが混在する映像を表示する場合には、観察し難い画像となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−82748号公報
【特許文献2】特開平10−36317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、画像の輝度レベルに応じてスクリーンの散乱度合を変更することにより、優れた表示特性を発揮することのできる画像表示システムおよび制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の画像表示システムは、印加電圧の大きさを変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることのできるスクリーンと、
前記スクリーンに前記光を投射し、前記スクリーンに画像を表示させるプロジェクターと、
前記スクリーンおよび前記プロジェクターの駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記散乱状態とした前記スクリーンに前記光を投射させるとともに、前記スクリーンに表示させる画像の輝度レベルに応じて、前記散乱状態の光の散乱度合を変化させるように構成されていることを特徴とする。
これにより、スクリーンの散乱度合を、スクリーンに表示される画像に適した度合とすることができ、効果的に、スクリーンに表示される画像のコントラストを高めることができる。
【0009】
本発明の画像表示システムでは、前記制御部は、前記スクリーンに表示する画像の輝度レベルが低い程、前記散乱状態での散乱度合を小さくすることが好ましい。
これにより、表示される画像が暗い程、外光の散乱を抑制し、外光の散乱の影響を少なくすることができる。そのため、暗い画像を表示する際の、その画像のコントラストの低下を抑制することができるとともに、明るい画像を表示する際には、散乱度合を高めてその画像のコントラストの低下を抑制することができる。すなわち、どのような輝度レベルの画像を表示する場合にもスクリーンの散乱度合がその画像に適した度合いとなり、高いコントラストを発揮することができる。
本発明の画像表示システムでは、前記制御部は、前記散乱状態での光の散乱度合を、前記透過状態での光の散乱度合よりも高い範囲にて変化させることが好ましい。
これにより、輝度レベルの低い画像を表示するときでも、その画像を高いコントラストで表示することができる。
【0010】
本発明の画像表示システムでは、前記スクリーンは、前記画像が表示される表示領域が複数の単位領域からなり、
前記制御部は、前記複数の単位領域についてそれぞれ独立して前記散乱状態での散乱度合を変化させることができることが好ましい。
これにより、スクリーンの散乱度合を単位領域毎に制御することができるため、より効果的に、スクリーンに表示される画像のコントラストを高めることができる。
本発明の画像表示システムでは、前記スクリーンは、一対の基板と、一対の基板間に設けられ、高分子中に液晶分子が分散してなる高分子分散型液晶層とを有していることが好ましい。
これにより、スクリーンの構成が簡単となる。
【0011】
本発明の画像表示システムでは、前記スクリーンは、電圧印加時に前記散乱状態となり、電圧非印加時に前記透過状態となることが好ましい。
これにより、スクリーンに画像を表示している時間(散乱状態の時間)が、スクリーンに画像を表示しない時間(透過状態の時間)よりも短い用途に適したスクリーンとなる。
本発明の画像表示システムでは、前記スクリーンは、電圧印加時に前記透過状態となり、電圧非印加時に前記散乱状態となることが好ましい。
これにより、スクリーンに画像を表示している時間(散乱状態の時間)が、スクリーンに画像を表示しない時間(透過状態の時間)よりも長い用途に適したスクリーンとなる。
本発明の画像表示システムでは、前記制御部は、前記プロジェクターへ画像信号を出力するのに対応させて前記スクリーンを、前記散乱状態とすることが好ましい。
これにより、スクリーンの未使用時に、スクリーンが与える圧迫感を低減することができる。
【0012】
本発明の制御装置は、印加電圧の大きさを変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることのできるスクリーンの駆動と、前記スクリーンに前記光を投射し、前記スクリーンに画像を表示させるプロジェクターの駆動とをそれぞれ制御する制御装置であって、
前記散乱状態とした前記スクリーンに前記光を投射させるとともに、前記スクリーンに表示させる画像の輝度レベルに応じて、前記散乱状態の光の散乱度合を変化させるように構成されていることを特徴とする。
これにより、スクリーンの散乱度合を、スクリーンに表示される画像に適した度合とすることができ、効果的に、スクリーンに表示される画像のコントラストを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる画像表示システムを示す概略図である。
【図2】図1に示すスクリーンの断面図である。
【図3】図1に示すスクリーンの駆動を説明するための断面図である。
【図4】図1に示す画像表示システムが有するプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
【図5】スクリーンに表示する画像の輝度レベルとスクリーンに印加する電圧の大きさとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像表示システムでのスクリーンに表示する画像の輝度レベルとスクリーンに印加する電圧の大きさとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る画像表示システムが有するスクリーンの断面図である。
【図8】図7に示すスクリーンの平面図である。
【図9】図7に示すスクリーンの制御方法の一例を説明するための平面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る画像表示システムが有するスクリーンの透明電極片を示す平面図である。
【図11】図10に示す透明電極片の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の画像表示システムおよび制御装置を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる画像表示システムを示す概略図、図2は、図1に示すスクリーンの断面図、図3は、図1に示すスクリーンの駆動を説明するための断面図、図4は、図1に示す画像表示システムが有するプロジェクターの光学系の構成を示す平面図、図5は、スクリーンに表示する画像の輝度レベルとスクリーンに印加する電圧の大きさとの関係を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」と言い、下側を「下」と言う。
【0015】
図1に示すように、画像表示システム(本発明の画像表示システム)100は、スクリーン200と、スクリーン200に画像を表示するプロジェクター300と、スクリーン200およびプロジェクター300の駆動を制御する制御部(本発明の制御装置)400とを有している。なお、本実施形態の画像表示システム100では、スクリーン200の背面側から映像光を投射するリアプロジェクション型を採用しているが、これに限定されず、スクリーン200の前面側から映像光を投射するフロントプロジェクション型であってもよい。
【0016】
(スクリーン)
スクリーン200は、スクリーン200への印加電圧の大きさを変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることができる。
図2に示すように、スクリーン200は、一対の透明基板20、21と、一対の透明電極22、23と、一対の配向膜24、25と、一対の透明基板20、21の間を封止する封止部29と、一対の透明基板20、21の間に封入された液晶層26とを有している。このような構成によれば、後述するような駆動によって、簡単に、散乱状態と透過状態とを切り替えることができる。
【0017】
透明基板20の下面には透明電極22が形成されており、透明電極22の下面には配向膜24が形成されている。また、透明基板21の上面には透明電極23が形成されており、透明電極23の上面には配向膜25が形成されている。
透明基板20、21は、透明電極22、23および配向膜24、25を支持する機能を有している。このような透明基板20、21の構成材料は、特に限定されないが、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラスで構成されたものであるのが好ましい。これにより、反り、撓み等の生じにくい、より安定性に優れたスクリーン200を得ることができる。
また、透明電極22、23は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)等で構成されている。また、配向膜24、25は、例えば、例えばポリイミド等からなる膜にラビング処理等の配向処理を施したものである。
【0018】
液晶層26は、PDLC(高分子分散型液晶)261を含んでいる。このような液晶層26は、透過(透明)状態と散乱状態とを印加電界の強度により切替えることができる。PDLC261は、高分子部262と液晶部263とを含んでおり、例えば液晶性モノマー等の高分子前駆体と液晶分子との混合物により形成することができる。PDLC261を形成するには、混合物を配向膜24、25により配向させた状態で、混合物に紫外線光等のエネルギーを照射して液晶性モノマーを重合させる。すると、液晶性モノマーは、配向を保持したまま重合し、配向規制力を有する高分子部262になる。液晶分子は、高分子部262から相分離されて液晶部263を構成し、高分子部262の配向規制力により配向する。
【0019】
本実施形態のPDLC261はリバース型である。そのため、液晶層26は、一対の透明電極22、23間に電圧が印加されていない電圧非印加状態において透過性を有する透過状態となり、一対の透明電極22、23間に電圧が印加されている電圧印加状態において拡散性を有する散乱状態となる。
具体的には、電圧非印加状態においては、図3(a)に示すように、液晶部263が高分子部262と同一方向に配向しているため、液晶部263と高分子部262との間で屈折率が連続しており、PDLC261に入射した光はほとんど拡散されずに射出され、透過状態となる。反対に、電圧印加状態では、図3(b)に示すように、高分子部262では高分子に方位角が変化しないのに対して、液晶部263では液晶分子の方位角が電界に応じて変化し、これにより、高分子部262と液晶部263との間で屈折率が不連続に変化することにより入射した光が散乱されて射出され、光散乱状態となる。
【0020】
このような透過状態と散乱状態とを切り替えることができるスクリーン200によれば、スクリーン200を使用しない場合には、スクリーン200を透過状態とすることでスクリーン200を透明とすることができる。そのため、例えば、スクリーン200を生活空間にて使用する場合等には、スクリーン200が与える圧迫感を低減することができる。
【0021】
散乱状態での光の散乱度合は、透明電極22、23間に印加する電圧の大きさによって変化し、透明電極22、23間へ印加する電圧を大きくするに連れて、散乱度合が大きくなる。
なお、このようなスクリーン200は、スクリーン200に画像を表示している時間(散乱状態の時間)が、スクリーン200に画像を表示しない時間(透過状態の時間)よりも短い用途に用いるのが好ましい。これにより、スクリーン200の省電力駆動が可能となる。
【0022】
(プロジェクター)
プロジェクター300としては、スクリーン200に画像を表示することができれば、特に限定されないが、空間光変調装置に形成した像をスクリーン200に拡大投射する照明投射型のプロジェクターや、スクリーン200に光を走査して画像を形成する走査型のプロジェクターであってもよい。以下に、プロジェクター300の一例を示す。
【0023】
図4は、プロジェクター300の光学系の構成を示す平面図である。図4に示すように、プロジェクター300は、照明光学系310と、色分離光学系320と、平行化レンズ330R、330G、330Bと、空間光変調装置340R、340G、340Bと、光合成部であるクロスダイクロイックプリズム350とを備えている。
照明光学系310は、光源311と、リフレクタ312と、第1のレンズアレイ313と、第2のレンズアレイ314と、偏光変換素子315と、重畳レンズ316とを有している。
【0024】
光源311は、超高圧水銀ランプであり、リフレクタ312は、放物面鏡を有して構成されている。光源311から射出された放射状の光束は、リフレクタ312で反射されて略平行光束となり、第1のレンズアレイ313へと射出される。なお、光源311としては、超高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ312としては、放物面鏡に限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
【0025】
第1のレンズアレイ313および第2のレンズアレイ314は、小レンズをマトリクス状に配列して形成されている。光源311から射出された光束は、第1のレンズアレイ313によって複数の微小な部分光束に分割され、各部分光束は、第2のレンズアレイ314および重畳レンズ316によって照明対象である3つの空間光変調装置340R、340G、340Bの表面で重畳される。
【0026】
偏光変換素子315は、ランダム偏光の光束を一方向に振動する直線偏光(S偏光若しくはP偏光)に揃える機能を有しており、本実施形態では、色分離光学系320での光束の損失が少ないS偏光に揃えている。
色分離光学系320は、照明光学系310から射出された光束(S偏光)を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する機能を有しており、B光反射ダイクロイックミラー321、RG光反射ダイクロイックミラー322、G光反射ダイクロイックミラー323、および反射ミラー324、325を備えている。
【0027】
照明光学系310から射出された光束のうち、B光の成分は、B光反射ダイクロイックミラー321によって反射され、さらに反射ミラー324、361によって反射されて平行化レンズ330Bに至る。一方、照明光学系310から射出された光束のうち、G光、R光の成分は、RG光反射ダイクロイックミラー322によって反射され、さらに反射ミラー325によって反射されてG光反射ダイクロイックミラー323に至る。その中のG光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー323および反射ミラー362に反射されて平行化レンズ330Gに至り、R光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー323を透過して、反射ミラー363に反射されて平行化レンズ330Rに至る。
【0028】
平行化レンズ330R、330G、330Bは、照明光学系310からの複数の部分光束を、空間光変調装置340R、340G、340Bをそれぞれ照明するように各部分光束が、それぞれ略平行な光束となるように設定されている。
平行化レンズ330Rを透過したR光は、空間光変調装置340Rに至り、平行化レンズ330Gを透過したG光は、空間光変調装置340Gに至り、平行化レンズ330Bを透過したB光は、空間光変調装置340Bに至る。
【0029】
空間光変調装置340Rは、R光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。空間光変調装置340Rに設けられた図示しない液晶パネルは、2つの透明基板の間に、光を画像信号に応じて変調するための液晶層を封入している。空間光変調装置340Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム350へ入射する。なお、空間光変調装置340G、340Bの構成および機能は、空間光変調装置340Rと同様である。
【0030】
クロスダイクロイックプリズム350は、三角柱状の4つのプリズムを貼り合わせることにより、略正方形断面の角柱状に形成されたものであり、X字状の貼り合わせ面に沿って誘電体多層膜351、352が設けられている。誘電体多層膜351は、G光を透過してR光を反射し、誘電体多層膜352は、G光を透過してB光を反射する。そして、クロスダイクロイックプリズム350は、空間光変調装置340R、340G、340Bから出射された各色光の変調光をそれぞれ入射面350R、350G、350Bから入射して合成し、カラー画像を表す画像光を形成し、投写光学部360に射出する。
これにより、プロジェクター300から、直線偏光である映像光Lが出射される。
【0031】
(制御部)
図1に示すように、制御部400は、プロジェクター300へ画像信号を出力する画像信号出力部410と、スクリーン200の駆動(ON/OFF)を制御するスクリーン制御部420とを有している。画像信号出力部410からの画像信号を受けたプロジェクター300は、その画像信号に基づく映像光Lを出射する。
【0032】
このような制御部400は、画像信号出力部410からプロジェクター300へ画像信号を出力するのに対応させて、スクリーン制御部420によってスクリーン200の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部400は、画像信号出力部410から画像信号を出力していない状態では、スクリーン制御部420によってスクリーン200を透過状態(透明)とする。反対に、制御部400は、画像信号出力部410から画像信号を出力している状態では、スクリーン制御部420によってスクリーン200を散乱状態とする。
【0033】
このような制御によれば、プロジェクター300から映像光Lが出射されていないとき、すなわちスクリーン200に表示する画像が存在しないときには、スクリーン200を透明な状態とすることができる。また、プロジェクター300から映像光Lが出射されているときは、スクリーン200を散乱状態とすることができ、スクリーン200に画像光Lに対応する画像を表示することができる。すなわち、簡単な制御によって、スクリーン200に画像が表示されているとき以外は、スクリーン200を透過状態とすることができ、省電力化を図ることができるとともに、生活空間へ与える圧迫感を低減することができる。
【0034】
また、制御部400は、スクリーン200に映像光Lを投射させるとともに、スクリーン200に表示させる画像(映像光Lにより形成される画像)の輝度レベルに応じて、散乱状態の光の散乱度合を変化させるように構成されている。これにより、スクリーン200に表示される画像に適した散乱度合とすることにより、効果的に、画像のコントラストを高めることができる。なお、映像には、静止画と動画とが含まれるが、動画の場合、1コマずつ、その画像に適するように散乱度合を変化させるのが好ましい。これにより、コントラストの均一性が取れた動画を表示することができる。
なお、散乱度合の程度は、例えば、ヘイズ値で表すことができる。ヘイズ値は、曇りの度合い(全透過光に対する散乱光の割合)を表す値であり、数値が小さい程、透過率が大きい(透明性が高い)ことを意味する。このようなヘイズ値(%)は、Td/Tt×100(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)で算出することができる。
【0035】
また、スクリーン200に表示する画像の輝度レベルは、輝度レベルを算出する領域における各画素の輝度(階調)の平均値により表すことができる。最も輝度の高い白色の輝度を「1」とし、最も輝度の低い黒色の輝度を「0」すると、全域が白色の画像の輝度レベルは「1」であり、全域が黒色の画像の輝度レベルは「0」である。また、白黒画像や、有彩色が混じった画像の輝度レベルは、「0」〜「1」の間の数値にて表すことができ、白色(または白色に近い色)を多く含む明るい画像程「1」に近づき、黒色(または黒色に近い色)を多く含む暗い画像程「0」に近づく。
【0036】
スクリーン制御部420は、スクリーン200に表示する画像の輝度レベルが低い程(0に近い程)、スクリーン200の散乱状態での散乱度合を小さくするように、スクリーン200の駆動を制御する。これにより、表示される画像が暗い程、外光の散乱を抑制し、外光の散乱の影響を少なくすることができる。そのため、暗い画像を表示する際の、その画像のコントラストの低下を抑制することができるとともに、明るい画像を表示する際には、散乱度合を高めてその画像のコントラストの低下を抑制することができる。すなわち、どのような輝度レベルの画像を表示する場合にもスクリーン200の散乱度合がその画像に適した度合いとなり、高いコントラストを発揮することができる。
【0037】
スクリーン制御部420は、スクリーン200の散乱度合を透明電極22、23間に印加する電圧の大きさによって変化させる。スクリーン制御部420は、散乱状態での散乱度合を、透過状態での散乱度合よりも高い範囲にて変化させる。具体的には、スクリーン200を透過状態とするために透明電極22、23間に印加する電圧をV(通常は0V)、散乱状態とするために透明電極22、23間に印加する電圧をVとすると、VはVよりも大きい。また、スクリーン200が散乱し始める閾値電圧をVthとすると、VはVth以下であり、VはVthよりも大きい。これにより、輝度レベル「0」の画像を表示するときでも、スクリーン200がわずかに散乱状態となることによってスクリーン200の背後に存在する物体を視認させなくすることができ、その画像の視認性を高め、高いコントラストで表示することができる。
すなわち、散乱状態であって、輝度レベル「1」の画像を表示するときに透明電極22、23間に印加する電圧値をVmaxとし、輝度レベル「0」の画像を表示するときに透明電極22、23間に印加する電圧値をVminとしたとき、V≦Vth<Vmin<Vmaxなる関係を満足することが好ましい。
【0038】
また、図5に示すように、輝度レベルの高さと透明電極22、23間に印加する電圧の大きさとの関係は、線形に制御するのが好ましい。言い換えれば、輝度レベルを「x」とし、電圧値を「y」としたとき、yをxの一次関数で表すことができるように制御するのが好ましい。これにより、各輝度レベルの画像において、コントラストの低下を効果的に抑制することができるとともに、透明電極22、23間への電圧印加の制御が簡単となる。
【0039】
なお、VminとVmaxの間の電圧値は、画像の輝度レベルに応じて無段階に制御してもよいし、段階を設定して制御してもよい。例えば、輝度レベルが「0」超「0.25」未満の画像については、電圧値をV1とし、輝度レベルが「0.25」以上「0.5」未満の画像については、電圧値をV2とし、輝度レベルが「0.5」以上「0.75」未満の画像については、電圧値をV3とし、輝度レベルが「0.75」以上「1」未満の画像については、電圧値をV4としてもよい。この場合、電圧値V1、V2、V3およびV4は、Vth<Vmin<V1<V2<V3<V4<Vmaxなる関係を満足している。
【0040】
ここで、スクリーン200の散乱度合を小さくすることは、スクリーン200の透過率を高くすることを意味している。輝度レベル「0」の画像を表示するとき(透明電極22、23間に電圧Vminを印加したとき)のスクリーン200の透過率は、特に限定されないが、50%以上、70%以下であるのが好ましい。また、輝度レベル「1」の画像を表示するとき(透明電極22、23間に電圧Vmaxを印加したとき)のスクリーン200の透過率は、特に限定されないが0%以上、20%以下であるのが好ましい。
【0041】
<第2実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る画像表示システムでのスクリーンに表示する画像の輝度レベルとスクリーンに印加する電圧の大きさとの関係を示すグラフである。
以下、第2実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの駆動モードが異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0042】
本実施形態のスクリーン200では、液晶層26に含まれるPDLC261は、ノーマル型である。そのため、液晶層26は、電圧非印加状態において散乱状態となり、電圧印加状態において透過状態となる。このような構成のスクリーン200によれば、簡単かつ確実に、散乱状態と透過状態とを切り替えることができる。
このようなスクリーン200では、散乱状態での光の散乱度合は、透明電極22、23間に印加する電圧の大きさによって変化し、透明電極22、23間へ印加する電圧を小さくするに連れて、散乱度合が大きくなる。
なお、このようなスクリーン200は、スクリーン200に画像を表示している時間(散乱状態の時間)が、スクリーン200に画像を表示しない時間(透過状態の時間)よりも長い用途に用いるのが好ましい。これにより、スクリーン200の省電力駆動が可能となる。
【0043】
スクリーン制御部420は、スクリーン200に表示する画像の輝度レベルが低い程(「0」に近い程)、スクリーン200の散乱状態での散乱度合を小さくするように、スクリーン200の駆動を制御する。
スクリーン制御部420は、スクリーン200の散乱度合を透明電極22、23間に印加する電圧の強度によって変化させる。具体的には、スクリーン200を透過状態とするために透明電極22、23間に印加する電圧をV、散乱状態とするために透明電極22、23間に印加する電圧をVとすると、VはVよりも小さい。また、スクリーン200の透過率が最大値で飽和するときの透明電極22、23間に印加する電圧をVsatとすると、VはVsat以上であり、VはVsatよりも小さい。これにより、スクリーン200に輝度レベル「0」の画像を表示するときでも、スクリーン200がわずかに散乱状態となることによってスクリーン200の背後に存在する物体を視認させなくすることができ、その画像の視認性を高め、高いコントラストで表示することができる。
すなわち、散乱状態であって、輝度レベル「1」の画像を表示するときに透明電極22、23間に印加する電圧値をVminとし、輝度レベル「0」の画像を表示するときに透明電極22、23間に印加する電圧値をVmaxとしたとき、V≧Vsat>Vmax>Vminなる関係を満足することが好ましい。
【0044】
また、図6に示すように、輝度レベルの高さと透明電極22、23間に印加する電圧の大きさとの関係は、線形に制御するのが好ましい。言い換えれば、輝度レベルを「x」とし、電圧値を「y」としたとき、yをxの一次関数で表すことができるように制御するのが好ましい。これにより、各輝度レベルの画像において、コントラストの低下を効果的に抑制することができるとともに、透明電極22、23間への電圧印加の制御が簡単となる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0045】
<第3実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る画像表示システムが有するスクリーンの断面図、図8は、図7に示すスクリーンの平面図、図9は、図7に示すスクリーンの制御方法の一例を説明するための平面図である。
【0046】
以下、第3実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの構成および制御部の制御方法が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0047】
図7および図8に示すように、本実施形態のスクリーン200Aは、透明電極23が複数に分割されている。言い換えれば、透明基板21上には、複数の透明電極片231が形成されている。これら複数の透明電極片231は、マトリックス状に配列されており、図示しない透明基板上に形成された図示しない回路に接続されている。この回路は、例えば、マトリックス状に配列されたTFT(スイッチング素子)と、TFTに対応して形成されたゲート線およびデータ線と、ゲート線に所望の電圧を印加するゲートドライバーと、データ線に所望の電圧を印加するデータドライバー等を有している。そのため、スクリーン200Aでは、各透明電極片231への電圧印加を独立して制御することができる。なお、以下では、説明の便宜上、1つの透明電極片231と透明電極22とが重なる領域を「単位領域S1」とする。
なお、スクリーン200Aの平面視における単位領域S1の大きさ(すなわち、透明電極片231の大きさ)は、特に限定されないが、1×1cm〜10×10cm程度であるのが好ましい。
【0048】
制御部400(スクリーン制御部420)は、複数の単位領域S1についてそれぞれ独立して散乱状態での散乱度合を変化させることができる。具体的には、スクリーン制御部420は、単位領域S1毎に、その単位領域S1に表示される画像の輝度レベルが低い程(「0」に近い程)、散乱状態での散乱度合を小さくするように、スクリーン200Aの駆動を制御する。
【0049】
ここで、スクリーン200Aに表示する画像によっては、明るい部分(輝度レベルが「1」よりな領域)と、暗い部分(輝度レベルが「0」よりな領域)とが混在している場合もある。本実施形態によれば、単位領域S1毎に、散乱度合を制御することができる。そのため、前述のように明るい部分と暗い部分とが混在しているような画像を表示する場合、明るい部分に対応する単位領域S1では散乱度合を大きくし、暗い部分に対応する単位領域S1では散乱度合を小さくすることにより、表示される画像のコントラストを高めることができる。
【0050】
具体的に一例を挙げて説明すると、図9に示すように、スクリーン200Aに、暗い背景の中に人間Hが映っている写真画像を表示する場合には、比較的明るい部分である人間Hと重なる単位領域S1(S1’)については散乱度合を大きくし、比較的暗い部分である背景と重なる単位領域S1(S1”)については散乱度合を小さくする。これによって、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く表示することができるため、スクリーン200Aに表示された前記写真画像のコントラストを高めることができる。
なお、単位領域S1の散乱度合の制御方法は、前述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0051】
<第4実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る画像表示システムが有するスクリーンの透明電極片を示す平面図、図11は、図10に示す透明電極片の変形例を示す平面図である。
以下、第4実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの透明電極片の形状が異なる以外は、前述した第3実施形態と同様である。なお、前述した第3実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0052】
図10に示すように、本実施形態のスクリーン200Bでは、複数の透明電極片231は、横方向に隣り合う透明電極片231同士が噛み合うように形成されている。具体的には、各透明電極片231は、基部231aと、基部231aの左側(一方側)へ突出する複数の凸部231bと、基部231aの右側(他方側)へ突出する複数の凸部231cとを有している。
【0053】
各凸部231b、231cは、同じ形状(大きさを含む)であり、先端に向けて幅が漸減している。本実施形態では、各凸部231b、231cは、略直角三角形をなしており、これらが鋸刃状に配置されている。また、隣り合う一対の凸部231bによって形成される凹部231dは、凸部231cに対応する形状(ほぼ同じ形状)をなしており、隣り合う一対の凸部231cによって形成される凹部231eは、凸部231bに対応する形状(ほぼ同じ形状)をなしている。
【0054】
互いに隣り合う透明電極片231A、231Bについて説明すると、これらは、透明電極片231Aの凸部231bと、透明電極片231Bの凸部231cとが噛み合うように配置されている。言い換えれば、これらは、透明電極片231Aの凸部231bによって、透明電極片231Bの凹部231eを埋めるように配置されている。また、互いに隣り合う透明電極片231A、231Cについて説明すると、これらは、透明電極片231Aの凸部231cと、透明電極片231Cの凸部231bとが噛み合うように配置されている。言い換えれば、これらは、透明電極片231Aの凸部231cによって、透明電極片231Cの凹部231dを埋めるように配置されている。
【0055】
透明電極片231をこのような形状・配置とすることにより、次のような効果を発揮することができる。例えば、透明電極片231Aに対応する単位領域S1Aと、透明電極片231Bに対応する単位領域S1とに散乱度合の差が生じている場合、その差に応じて、単位領域S1Aに表示される画像と単位領域S1Bに表示される画像とに明るさの差が生じる場合がある。このように、単位領域S1A、S1B間に明るさの差が生じると、単位領域S1Aと単位領域S1Bの境界にて、画像の明るさが不自然(急峻に)に変化し、スクリーン200Bに表示される画像が、色の変化に連続性のない不自然な画像となってしまうおそれがある。
そのため、本実施形態のように、隣り合う透明電極片231A、231Bを互いに噛み合わせることにより、単位領域S1Aと単位領域S1Bの境界にて、画像の明るさを連続的に変化させ、グラデーションをつけることにより、色の変化に連続性のある自然な画像をスクリーン200Bに表示することができる。
【0056】
特に、本実施形態では図10の横方向(透明電極片231A、231Bの配列方向)において、透明電極片231Aしか存在しない第1の領域(透明電極片231Aの基部231aに対応する領域)と、透明電極片231Bしか存在しない第2の領域(透明電極片231Bの基部231aの領域)とを有しているため、各単位領域S1A、S1Bにて高いコントラストの画像を表示することができる。
【0057】
また、透明電極片231A、231Bの間に、透明電極片231A、231Bが共に存在する第3の領域(透明電極片231Aの基部231aと透明電極片231Bの基部231aの間の領域)では、透明電極片231A側から透明電極片231B側へ向けて、透明電極片231Aの占有率が漸減するとともに、透明電極片231Bの占有率が漸増する。そのため、単位領域S1Aと単位領域S1Bの境界にて、画像の明るさをより効果的に連続的に変化させることができ、色の変化により連続性のある自然な画像をスクリーン200Bに表示することができる。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、凸部231b、231cの形状としては、特に限定されず、例えば、図11に示すように、輪郭が曲線で構成された形状をなしていていてもよい。
【0058】
以上、本発明の画像表示システムについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0059】
S1、S1A、S1B……単位領域 100……画像表示システム 200、200A、200B……スクリーン 20、21……透明基板 22、23……透明電極 231、231A、231B、231C……透明電極片 231a……基部 231b、231c……凸部 231d、231e……凹部 24、25……配向膜 26……液晶層 261……PDLC 262……高分子部 263……液晶部 29……封止部 300……プロジェクター 310……照明光学系 311……光源 312……リフレクタ 313……レンズアレイ 314……レンズアレイ 315……偏光変換素子 316……重畳レンズ 320……色分離光学系 321……B光反射ダイクロイックミラー 322……RG光反射ダイクロイックミラー 323……G光反射ダイクロイックミラー 324……反射ミラー 325……反射ミラー 330B……平行化レンズ 330G……平行化レンズ 330R……平行化レンズ 340B……空間光変調装置 340G……空間光変調装置 340R……空間光変調装置 350……クロスダイクロイックプリズム 350R……入射面 350B……入射面 350G……入射面 351……誘電体多層膜 352……誘電体多層膜 360……投写光学部 361……反射ミラー 362……反射ミラー 363……反射ミラー 400…制御部 410…画像信号出力部 420…スクリーン制御部 H……人間 L……映像光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加電圧の大きさを変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることのできるスクリーンと、
前記スクリーンに前記光を投射し、前記スクリーンに画像を表示させるプロジェクターと、
前記スクリーンおよび前記プロジェクターの駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記散乱状態とした前記スクリーンに前記光を投射させるとともに、前記スクリーンに表示させる画像の輝度レベルに応じて、前記散乱状態の光の散乱度合を変化させるように構成されていることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記スクリーンに表示する画像の輝度レベルが低い程、前記散乱状態での散乱度合を小さくする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記散乱状態での光の散乱度合を、前記透過状態での光の散乱度合よりも高い範囲にて変化させる請求項1または2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記スクリーンは、前記画像が表示される表示領域が複数の単位領域からなり、
前記制御部は、前記複数の単位領域についてそれぞれ独立して前記散乱状態での散乱度合を変化させることができる請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記スクリーンは、一対の基板と、一対の基板間に設けられ、高分子中に液晶分子が分散してなる高分子分散型液晶層とを有している請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記スクリーンは、電圧印加時に前記散乱状態となり、電圧非印加時に前記透過状態となる請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記スクリーンは、電圧印加時に前記透過状態となり、電圧非印加時に前記散乱状態となる請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記プロジェクターへ画像信号を出力するのに対応させて前記スクリーンを、前記散乱状態とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項9】
印加電圧の大きさを変更することにより、光が散乱する散乱状態と光が透過する透過状態とを切り替えることのできるスクリーンの駆動と、前記スクリーンに前記光を投射し、前記スクリーンに画像を表示させるプロジェクターの駆動とをそれぞれ制御する制御装置であって、
前記散乱状態とした前記スクリーンに前記光を投射させるとともに、前記スクリーンに表示させる画像の輝度レベルに応じて、前記散乱状態の光の散乱度合を変化させるように構成されていることを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−76956(P2013−76956A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218330(P2011−218330)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】