説明

画像表示システム及びその制御方法

【課題】鑑賞する位置と認識される立体像の不整合に起因する違和感を抑制することが可能な画像表示システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】第1のプロジェクター2aは、第2のプロジェクター2bが画像の投写を停止しているときに左眼用画像及び右眼用画像を投写し、第2のプロジェクター2bは、第1のプロジェクター2aが画像の投写を停止しているときに左眼用画像及び右眼用画像を投写する。そして、液晶シャッターメガネ4は、一方のプロジェクター2が左眼用画像を投写しているときに左眼用の液晶シャッター44Lを開放して右眼用の液晶シャッター44Rを閉塞し、該プロジェクター2が右眼用画像を投写しているときに右眼用の液晶シャッター44Rを開放して左眼用の液晶シャッター44Lを閉塞し、該プロジェクター2が画像の投写を停止しているときには、双方の液晶シャッター44L,44Rの双方を閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させる画像表示システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の画像表示装置が表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させるために、鑑賞者の右目及び左目に、それぞれ異なる画像(視差画像)を視認させるシステムが種々提案されている。このようなシステムの1つとして、例えば、左目用の画像と右目用の画像とを画像表示装置が交互に時分割で表示する態様のシステムがある(例えば、特許文献1参照)。この態様では、鑑賞者は、画像の変化に同期して左右交互に開閉するシャッターメガネを通して画像を鑑賞することにより、立体像を認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−82307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように鑑賞者に立体像を認識させるコンテンツは、通常、画面の正面中央で鑑賞することを想定して作成されているため、このコンテンツを多数の鑑賞者が鑑賞する場合において、画面の正面中央から大きくずれた位置で鑑賞する鑑賞者は、鑑賞する位置と認識される立体像との不整合により、違和感を抱きやすいという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る画像表示システムは、投写面に第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写するとともに、画像の投写を停止させる第1の停止期間を挟んで前記第1の左眼用画像の投写と前記第1の右眼用画像の投写とを切り替える第1のプロジェクターと、前記投写面に第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写するとともに、画像の投写を停止させる第2の停止期間を挟んで前記第2の左眼用画像の投写と前記第2の右眼用画像の投写とを切り替える第2のプロジェクターと、光を透過させる透過状態と光の透過を遮断する遮断状態とを切り替え可能な左眼用シャッター及び右眼用シャッターを有するシャッターメガネと、を備え、前記第1のプロジェクターは、前記第2のプロジェクターが前記第2の停止期間のときに前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像を排他的に投写し、前記第2のプロジェクターは、前記第1のプロジェクターが前記第1の停止期間のときに前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像を排他的に投写し、前記シャッターメガネは、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターの一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに前記左眼用シャッターを前記透過状態にして前記右眼用シャッターを前記遮断状態にし、前記一方のプロジェクターが右眼用画像を投写しているときに前記右眼用シャッターを前記透過状態にして前記左眼用シャッターを前記遮断状態にし、前記一方のプロジェクターが画像の投写を停止しているときには、前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの双方を前記遮断状態にすることを特徴とする。
【0007】
この画像表示システムによれば、第1のプロジェクターは、第2のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写し、第2のプロジェクターは、第1のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写する。そして、シャッターメガネは、一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに左眼用シャッターを透過状態にして右眼用シャッターを遮断状態にし、該プロジェクターが右眼用画像を投写しているときに右眼用シャッターを透過状態にして左眼用シャッターを遮断状態にし、該プロジェクターが画像の投写を停止しているときには、左眼用シャッター及び右眼用シャッターの双方を遮断状態にする。このため、第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターから、異なる画像を共通の投写面に投写しても、シャッターメガネを装着した鑑賞者には、一方のプロジェクターからの画像のみが鑑賞される。この結果、適切な鑑賞位置が異なる画像を第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターから投写するようにすれば、鑑賞する位置と認識される立体像の不整合に起因する違和感を抑制することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記第1のプロジェクターでの前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像の切り替えに同期するための第1の同期信号を前記シャッターメガネに送信する第1の送信装置と、前記第2のプロジェクターでの前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像の切り替えに同期するための第2の同期信号を前記シャッターメガネに送信する第2の送信装置と、をさらに備え、前記シャッターメガネは、前記第1の同期信号及び前記第2の同期信号の一方の同期信号に基づいて、前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの前記透過状態と前記遮断状態とを切り替えさせるようにしてもよい。
【0009】
[適用例3]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記第1の送信装置は、前記第1のプロジェクターに一体的に構成され、前記第2の送信装置は、前記第2のプロジェクターに一体的に構成されているようにしてもよい。
【0010】
[適用例4]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記第1のプロジェクターは、前記第1のプロジェクターと前記第2のプロジェクターとの間で画像の切り替えを同期させるための基準同期信号を前記第2のプロジェクターに送信し、前記第2のプロジェクターは、前記基準同期信号に基づいて画像を切り替えるようにしてもよい。
【0011】
[適用例5]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターは、固体光源と、前記固体光源から射出された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学系と、を備え、前記第1の停止期間及び前記第2の停止期間では、前記固体光源を消灯させるようにしてもよい。
【0012】
[適用例6]本適用例に係る画像表示システムの制御方法は、投写面に第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写する第1のプロジェクターと、前記投写面に第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写する第2のプロジェクターと、光を透過させる透過状態と光の透過を遮断する遮断状態とを切り替え可能な左眼用シャッター及び右眼用シャッターを有するシャッターメガネと、を備えた画像表示システムの制御方法であって、前記第1のプロジェクターが、画像の投写を停止させる第1の停止期間を挟んで前記第1の左眼用画像の投写と前記第1の右眼用画像の投写とを切り替えるステップと、前記第2のプロジェクターが、画像の投写を停止させる第2の停止期間を挟んで前記第2の左眼用画像の投写と前記第2の右眼用画像の投写とを切り替えるステップと、前記第2のプロジェクターが前記第2の停止期間のときに、前記第1のプロジェクターが前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像を排他的に投写するステップと、前記第1のプロジェクターが前記第1の停止期間のときに、前記第2のプロジェクターが前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像を排他的に投写するステップと、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターの一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに、前記シャッターメガネが前記左眼用シャッターを前記透過状態にして前記右眼用シャッターを前記遮断状態にするステップと、前記一方のプロジェクターが右眼用画像を投写しているときに、前記シャッターメガネが前記右眼用シャッターを前記透過状態にして前記左眼用シャッターを前記遮断状態にするステップと、前記一方のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに、前記シャッターメガネが前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの双方を前記遮断状態するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この画像表示システムの制御方法によれば、第1のプロジェクターは、第2のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写し、第2のプロジェクターは、第1のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写する。そして、シャッターメガネは、一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに左眼用シャッターを透過状態にして右眼用シャッターを遮断状態にし、該プロジェクターが右眼用画像を投写しているときに右眼用シャッターを透過状態にして左眼用シャッターを遮断状態にし、該プロジェクターが画像の投写を停止しているときには、左眼用シャッター及び右眼用シャッターの双方を遮断状態にする。このため、第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターから、異なる画像を共通の投写面に投写しても、シャッターメガネを装着した鑑賞者には、一方のプロジェクターからの画像のみが鑑賞される。この結果、適切な鑑賞位置が異なる画像を第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターから投写するようにすれば、鑑賞する位置と認識される立体像の不整合に起因する違和感を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像表示システムの概略構成を示す構成図であり、(a)は、全体の構成を示す平面図、(b)は、液晶シャッターメガネを示す斜視図。
【図2】プロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図3】液晶シャッターメガネの内部構成を示すブロック図。
【図4】(a)〜(j)は、画像表示システムの動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)、(f)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクターの画像処理部から画像表示部に入力される画像情報を表し、(b)、(g)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクターの画像表示部が表示する画像を表し、(c)、(h)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクターの光源装置の点灯状態を表し、(d)、(e)及び(i)、(j)は、それぞれ第1及び第2の液晶シャッターメガネの左眼用及び右眼用液晶シャッターの開閉状態を表す。
【図5】(a)〜(o)は、変形例に係る画像表示システムの動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)、(f)、(k)は、それぞれ第1〜第3のプロジェクターの画像処理部から画像表示部に入力される画像情報を表し、(b)、(g)、(l)は、それぞれ第1〜第3のプロジェクターの画像表示部が表示する画像を表し、(c)、(h)、(m)は、それぞれ第1〜第3のプロジェクターの光源装置の点灯状態を表し、(d)、(e)、(i)、(j)、(n)、(o)は、第1〜第3の液晶シャッターメガネの左眼用及び右眼用液晶シャッターの開閉状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態の画像表示システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の画像表示システムの概略構成を示す構成図であり、(a)は、全体の構成を示す平面図、(b)は、液晶シャッターメガネを示す斜視図である。
図1(a)に示すように、画像表示システム100は、両眼視差を利用して鑑賞者に立体像を認識させるシステムであり、画像情報を供給する画像供給装置1と、2つのプロジェクター2(第1のプロジェクター2a及び第2のプロジェクター2b)と、プロジェクター2から画像が投写される投写面としてのスクリーン3と、2種の液晶シャッターメガネ4(第1の液晶シャッターメガネ4a及び第2の液晶シャッターメガネ4b)とを備えて構成されている。なお、画像表示システム100は、2つのプロジェクター2の協働によって立体像を形成するものではなく、2つのプロジェクター2の各々が個別に立体像を形成する。
【0016】
画像供給装置1は、立体像を認識させるための画像情報をプロジェクター2に供給するものであり、例えば、左眼用の画像を表す左眼用の画像情報と、右眼用の画像を表す右眼用の画像情報とを左右に並べて1フレーム内に収めたサイドバイサイド方式の画像情報を、60Hzのフレーム周波数で出力する。画像供給装置1は、第1のプロジェクター2aと第2のプロジェクター2bに対して、それぞれ異なる画像情報(第1の画像情報及び第2の画像情報)を出力する。具体的には、第1のプロジェクター2aに出力する第1の画像情報と第2のプロジェクター2bに出力する第2の画像情報とは、共通のコンテンツを表す画像情報であるが、画像の視点(アングル)が異なっている。第1の画像情報に基づく画像は、コンテンツの各場面を相対的に左側の位置から見た場合の画像であり、第2の画像情報に基づく画像は、コンテンツの各場面を相対的に右側の位置から見た場合の画像である。換言すれば、第1の画像情報に対応する視点は、第2の画像情報に対応する視点よりも相対的に左側にあるということができる。このため、第1の画像情報に基づく画像と第2の画像情報に基づく画像とでは、適切な鑑賞位置が異なっており、第1の画像情報に基づく画像は、スクリーン3の正面中央よりも左側から鑑賞するのに好適であり、第2の画像情報に基づく画像は、スクリーン3の正面中央よりも右側から鑑賞するのに好適である。
【0017】
第1のプロジェクター2aは、画像供給装置1から供給される第1の画像情報に基づく第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を、交互に切り替えながら排他的にスクリーン3に投写する。また、第2のプロジェクター2bは、画像供給装置1から供給される第2の画像情報に基づく第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を、交互に切り替えながら排他的にスクリーン3に投写する。第1のプロジェクター2a及び第2のプロジェクター2bは、スクリーン3のほぼ同じ位置に、それぞれの画像が重畳するように投写する。
【0018】
第1のプロジェクター2aと第2のプロジェクター2bとは、ケーブルで接続されており、第1のプロジェクター2aは、2つのプロジェクター2の間で画像の切り替えを同期させるための同期信号(以降、「基準同期信号」とも呼ぶ。)を第2のプロジェクター2bに出力する。そして、第2のプロジェクター2bは、入力される基準同期信号に基づいて画像を切り替える。
【0019】
第1のプロジェクター2aは、第1の左眼用画像と第1の右目用画像とを切り替える際に、双方の画像の投写を停止させる第1の停止期間を設けており、第2のプロジェクター2bは、第2の左眼用画像と第2の右目用画像とを切り替える際に、双方の画像の投写を停止させる第2の停止期間を設けている。つまり、第1のプロジェクター2aは、第1の停止期間を挟んで、第1の左眼用画像の投写と第1の右目用画像の投写とを切り替え、第2のプロジェクター2bは、第2の停止期間を挟んで、第2の左眼用画像の投写と第2の右目用画像の投写とを切り替える。そして、第1のプロジェクター2aは、第2のプロジェクター2bが画像の投写を停止している第2の停止期間のときに、第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写し、第2のプロジェクター2bは、第1のプロジェクター2aが画像の投写を停止している第1の停止期間のときに、第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写する。つまり、第1のプロジェクター2aにより投写される画像と第2のプロジェクター2bにより投写される画像が同時に表示されることはない。この結果、第1の左眼用画像、第1の右眼用画像、第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像は、互いに排他的に投写されることになる。
【0020】
プロジェクター2は、送信装置27を一体的に備えており、この送信装置27から前方、即ち画像の投写方向と同じ方向に、液晶シャッターメガネ4の動作タイミングを定めるための赤外線の同期信号を送信する。具体的には、第1のプロジェクター2aの送信装置27(第1の送信装置27a)は、第1のプロジェクター2aでの画像の切り替えに同期して液晶シャッターメガネ4を動作させるための第1の同期信号を送信し、第2のプロジェクター2bの送信装置27(第2の送信装置27b)は、第2のプロジェクター2bでの画像の切り替えに同期して液晶シャッターメガネ4を動作させるための第2の同期信号を送信する。第1の同期信号及び第2の同期信号には、液晶シャッターメガネ4の動作を制御するコマンド(ビット列)が含まれている。そして、これらのコマンドには、第1の同期信号と第2の同期信号とで異なるビット列が割り当てられており、液晶シャッターメガネ4が両者を識別できるようになっている。
【0021】
図2は、プロジェクター2の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、第1のプロジェクター2aと第2のプロジェクター2bとは、ほぼ同一の構成を有しており、双方のプロジェクター2は、制御部20と、画像処理部21と、画像表示部22と、送信装置27とを備えている。
【0022】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリーであるROM(Read Only Memory)等を備え、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター2の動作を制御する。また、第1のプロジェクター2aの制御部20(第1の制御部20a)は、上述した基準同期信号を第2のプロジェクター2bに出力し、第2のプロジェクター2bの制御部20(第2の制御部20b)は、第1のプロジェクター2aから入力される基準同期信号に基づいて各種制御を行う。
【0023】
画像処理部21は、制御部20の制御に基づき、画像供給装置1から入力される画像情報に対して、画像表示部22で画像を表示するのに必要な画像処理を施す。例えば、画像処理部21は、サイドバイサイド方式の画像情報を、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とに分離するとともに、分離後の画像情報に対して、その解像度を、画像表示部22の解像度(具体的には、後述する液晶ライトバルブ24の解像度)に合わせるための解像度変換処理を行って、画像表示部22に出力する。このとき、画像処理部21は、左右に分離した1フレーム分の画像情報について、左、左、右、右のように、その一方を2フレーム連続して出力した後に、他方を2フレーム連続して出力する。そして、後続して入力される画像情報についても、2フレーム毎に左右を交代させながら、240Hzのフレーム周波数で画像情報を順次出力する。
【0024】
画像表示部22は、光源装置23、光変調装置として液晶ライトバルブ24、液晶駆動部25、投写光学系としての投写レンズ26、その他の光学素子等(図示省略)を備えて構成されている。画像表示部22は、光源装置23から射出された光を、画像処理部21から入力される画像情報に基づいて液晶ライトバルブ24で変調して、投写レンズ26から投写する。
【0025】
光源装置23は、LED(発光ダイオード)や半導体レーザー等、瞬時点灯や瞬時消灯が可能な固体光源を有して構成されており、制御部20の制御に基づいて、点灯と消灯とを切り替えることができる。光源装置23から射出された光は、液晶ライトバルブ24に入射する。なお、上述した第1の停止期間及び第2の停止期間では、制御部20が光源装置23を消灯させることによって、画像の投写を停止させている。
【0026】
液晶ライトバルブ24は、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。液晶パネルは、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に配列された画素領域を備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部25が、画像処理部21から入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置23から射出された光は、この液晶ライトバルブ24の画素領域を透過することによって変調される。そして、液晶ライトバルブ24で変調された光は、投写レンズ26から投写され、画像情報に応じた画像がスクリーン3上に表示される。なお、本明細書では、画像情報に応じた画像を投写するために、液晶駆動部25が画像情報に応じて液晶ライトバルブ24を駆動すること、即ち画素領域の各画素を画像情報に応じた光透過率に設定することを「画像を表示する」とも呼ぶ。
【0027】
送信装置27は、上述したように、制御部20の制御に基づいて、プロジェクター2による画像の切り替えに同期して液晶シャッターメガネ4を動作させるための赤外線の同期信号を送信する。
【0028】
本実施形態のプロジェクター2は、上記のように構成されており、第1のプロジェクター2aの制御部20は、画像処理部21から所定のフレーム周波数(240Hz)で画像情報を出力させて画像表示部22に画像を表示させるとともに、画像の表示に同期して光源装置23の点灯と消灯とを切り替える。さらに、第1のプロジェクター2aの制御部20は、第1の液晶シャッターメガネ4aの動作を制御するための第1の同期信号を送信装置27に送信させるとともに、プロジェクター2間で画像の切り替えタイミングを同期させるための基準同期信号を第2のプロジェクター2bに出力する。そして、第2のプロジェクター2bの制御部20は、第1のプロジェクター2aから入力された基準同期信号に基づいて動作する。具体的には、第2のプロジェクター2bの制御部20は、画像処理部21から所定のフレーム周波数(240Hz)で画像情報を出力させて画像表示部22に画像を表示させるとともに、画像の表示に同期して光源装置23の点灯と消灯とを切り替え、さらに、第2の液晶シャッターメガネ4bの動作を制御するための第2の同期信号を送信装置27に送信させる。
【0029】
図1に戻って、液晶シャッターメガネ4は、画像を鑑賞する鑑賞者Mに装着される。図1(b)に示すように、鑑賞者Mの左眼に対峙する左眼用の液晶シャッター44Lと、鑑賞者Mの右眼に対峙する右眼用の液晶シャッター44Rとを備えており、各液晶シャッター44L,44Rは、光を透過させる透過状態と光の透過を遮断する遮断状態とを切り替え可能になっている。また、液晶シャッターメガネ4の前面には、プロジェクター2から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部41が設けられており、プロジェクター2から送信された同期信号は、スクリーン3に反射して受信部41に受信される。液晶シャッターメガネ4は、左眼用の画像が鑑賞者の左眼のみで認識され、右眼用の画像が鑑賞者の右眼のみで認識されるよう、受信した同期信号に同期して左右の液晶シャッター44L,44Rを交互に透過状態にさせる。なお、本明細書では、液晶シャッター44L,44Rを透過状態にすることを「開放」とも表記し、液晶シャッター44L,44Rを遮断状態にすることを「閉塞」とも表記し、透過状態と遮断状態とを切り替えることを「開閉」とも表記する。
【0030】
液晶シャッターメガネ4の各々は、第1の同期信号及び第2の同期信号のいずれか一方に対応し、それぞれ対応する同期信号に基づいて動作する。具体的には、第1の液晶シャッターメガネ4aは、第1のプロジェクター2aから送信される第1の同期信号に対応する。そして、第1の同期信号に基づいて左右の液晶シャッター44L,44Rを開閉させることにより、第1の左眼用画像を鑑賞者Mの左眼に認識させ、第1の右目用画像を鑑賞者Mの右眼に認識させる。また、第2の液晶シャッターメガネ4bは、第2のプロジェクター2bから送信される第2の同期信号に対応する。そして、第2の同期信号に基づいて左右の液晶シャッター44L,44Rを開閉させることにより、第2の左眼用画像を鑑賞者Mの左眼に認識させ、第2の右目用画像を鑑賞者Mの右眼に認識させる。
【0031】
図3は、液晶シャッターメガネ4の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、液晶シャッターメガネ4は、受信部41と、制御部42と、駆動部43と、液晶シャッター44L,44Rとを有している。受信部41は、フォトセンサー等によって構成され、プロジェクター2から送信される赤外線の同期信号(第1の同期信号及び第2の同期信号)を受信(受光)して電気信号に変換する。
【0032】
制御部42は、CPU等を備えて構成され、送信装置27から受信した同期信号に基づき、液晶シャッター44L,44Rの開閉を制御するための制御信号を生成して駆動部43に出力する。そして、駆動部43は、制御部42から入力される制御信号に基づいて液晶シャッター44L,44Rの開閉を駆動する。
【0033】
液晶シャッター44L,44Rは、それぞれ液晶パネルの表裏両側に偏光板が貼り付けられた構成を有している。左眼用の液晶シャッター44Lは、駆動部43の駆動により、左眼に入射する光を透過させる透過状態(開放)と、左眼に入射する光を遮断する遮断状態(閉塞)とを切り替える。また、右眼用の液晶シャッター44Rは、駆動部43の駆動により、右眼に入射する光を透過させる透過状態(開放)と、右眼に入射する光を遮断する遮断状態(閉塞)とを切り替える。
【0034】
液晶シャッターメガネ4は、上記のように構成されており、送信装置27からの同期信号を受信すると、制御部42は、受信した同期信号が第1の同期信号であるか第2の同期信号であるかを識別する。そして、自らが対応する同期信号である場合には、受信した同期信号に基づいて制御信号を生成し、駆動部43に出力する。一方、受信部41が受信した同期信号が、対応する同期信号でない場合には、制御部42は、制御信号の生成及び出力を行わない。
【0035】
図4(a)〜(j)は、画像表示システム100の動作を説明するためのタイミングチャートである。本図において、(a)、(f)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクター2a,2bの画像処理部21から画像表示部22に入力される画像情報(フレーム)を表しており、L1,L2,…は、左眼用画像に対応するフレーム、R1,R2,…は、右眼用画像に対応するフレームであることを示している。(b)、(g)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクター2a,2bの画像表示部22が表示する画像を表しており、L1,L2,…が左眼用画像を、R1,R2,…が右眼用画像を示している。また、(c)、(h)は、それぞれ第1及び第2のプロジェクター2a,2bの光源装置23の点灯状態を表しており、Hレベルが点灯を、Lレベルが消灯を示している。そして、(d)、(e)及び(i)、(j)は、それぞれ第1及び第2の液晶シャッターメガネ4a,4bの左眼用及び右眼用の液晶シャッター44L,44Rの開閉状態を表しており、Hレベルが開放を、Lレベルが閉塞を示している。
【0036】
図4(a)、(f)に示すように、プロジェクター2の画像表示部22には、左眼用画像に対応する画像情報が2フレーム連続で入力された後、右眼用画像に対応する画像情報が2フレーム連続で入力され、これ以降も、2フレーム毎に左眼用画像と右眼用画像とが切り替わる。ここで、第2のプロジェクター2bは、第1のプロジェクター2aから入力される基準同期信号に基づいて、画像処理部21からの画像情報の出力を制御しており、対応する画像情報が、第1のプロジェクター2aよりも1フレームだけ遅れて画像表示部22に入力されるようになっている。
【0037】
図4(b)、(g)に示すように、プロジェクター2の画像表示部22は、画像処理部21から入力される画像情報に基づく画像を表示する。ここで、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とが切り替わった直後のフレーム、即ち同一の画像情報が入力される2フレームのうちの最初のフレームでは、前のフレームで表示された画像から新たな画像に徐々に切り替わっていくため、左眼用画像と右眼用画像が混在した状態となる。一方、同一の画像情報が入力される2フレームのうちの最後のフレームでは、同一の画像がすでに表示されている状態であるため、その期間中、他方の画像が混在することはない。
【0038】
図4(c)、(h)に示すように、プロジェクター2の制御部20は、光源装置23の点灯と消灯とを1フレーム毎に切り替える。具体的には、制御部20は、同一の画像情報が入力される2フレームのうちの最初のフレーム期間については、光源装置23を消灯させ、2フレームのうちの最後のフレーム期間については、光源装置23を点灯させる。これにより、左眼用画像と右眼用画像とが混在した画像がプロジェクター2から投写されることはなくなり、いずれか一方の画像のみがスクリーン3に投写される。なお、第1のプロジェクター2aが光源装置23を消灯させる期間が第1の停止期間であり、第2のプロジェクター2bが光源装置23を消灯させる期間が第2の停止期間である。そして、第1のプロジェクター2aと第2のプロジェクター2bとでは、入力される画像情報が1フレームずれているため、第1の停止期間と第2の停止期間とが重なることはなく、第1のプロジェクター2aは、第2のプロジェクター2bが第2の停止期間のときに画像を投写し、第2のプロジェクター2bは、第1のプロジェクター2aが第1の停止期間のときに画像を投写する。
【0039】
そして、図4(d)、(e)に示すように、第1の液晶シャッターメガネ4aは、第1のプロジェクター2aが第1の左眼用画像を投写している期間、即ち画像表示部22が第1の左眼用画像を表示し、且つ光源装置23が点灯している期間については、左眼用の液晶シャッター44Lを開放して、右眼用の液晶シャッター44Rを閉塞する。また、第1のプロジェクター2aが第1の右眼用画像を投写している期間、即ち画像表示部22が第1の右眼用画像を表示し、且つ光源装置23が点灯している期間については、右眼用の液晶シャッター44Rを開放して、左眼用の液晶シャッター44Lを閉塞する。そして、第1のプロジェクター2aの光源装置23が消灯している期間、即ち第1の停止期間では、双方の液晶シャッター44L,44Rを閉塞する。
【0040】
同様に、図4(i)、(j)に示すように、第2の液晶シャッターメガネ4bは、第2のプロジェクター2bが第2の左眼用画像を投写している期間、即ち画像表示部22が第2の左眼用画像を表示し、且つ光源装置23が点灯している期間については、左眼用の液晶シャッター44Lを開放して、右眼用の液晶シャッター44Rを閉塞する。また、第2のプロジェクター2bが第2の右眼用画像を投写している期間、即ち画像表示部22が第2の右眼用画像を表示し、且つ光源装置23が点灯している期間については、右眼用の液晶シャッター44Rを開放して、左眼用の液晶シャッター44Lを閉塞する。そして、第2のプロジェクター2bの光源装置23が消灯している期間、即ち第2の停止期間では、双方の液晶シャッター44L,44Rを閉塞する。
【0041】
本実施形態の画像表示システム100は、上記のように動作するため、共通のスクリーン3を見ている複数の鑑賞者Mのうち、第1の液晶シャッターメガネ4aを装着している鑑賞者Mは、第1のプロジェクター2aが投写する第1の左眼用画像及び第1の右目用画像を交互に視認するが、第2のプロジェクター2bが投写する第2の左眼用画像及び第2の右目用画像を視認することはない。同様に、第2の液晶シャッターメガネ4bを装着している鑑賞者Mは、第2のプロジェクター2bが投写する第2の左眼用画像及び第2の右目用画像を交互に視認するが、第1のプロジェクター2aが投写する第1の左眼用画像及び第1の右目用画像を視認することはない。また、上述したように、第1のプロジェクター2aに入力される第1の画像情報は、スクリーン3の正面中央よりも左側から鑑賞することを想定して作成されており、第2のプロジェクター2bに入力される第2の画像情報は、スクリーン3の正面中央よりも右側から鑑賞することを想定して作成されている。このため、スクリーン3の正面中央よりも左側から鑑賞する鑑賞者Maは、第1の液晶シャッターメガネ4aを装着し、スクリーン3の正面中央よりも右側から鑑賞する鑑賞者Mbは、第2の液晶シャッターメガネ4bを装着すれば、いずれの鑑賞者Mも違和感のない立体像を鑑賞することができる。
【0042】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0043】
上記実施形態では、画像供給装置1からプロジェクター2にサイドバイサイド方式の画像情報が入力されているが、入力される画像情報は、サイドバイサイド方式に限定されず、例えば、トップアンドボトム方式であってもよい。また、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とをフレーム単位で交互に出力する態様であってもよい。
【0044】
上記実施形態では、鑑賞する位置によって2種の液晶シャッターメガネ4(第1の液晶シャッターメガネ4aと第2の液晶シャッターメガネ4b)を使い分けているが、液晶シャッターメガネ4にスイッチ等の操作部を設けて、第1の同期信号に基づいて動作する第1の動作モードと、第2の同期信号に基づいて動作する第2の動作モードとを操作部の操作に応じて切り替えできるようにすれば、液晶シャッターメガネ4は1種だけで済む。
【0045】
上記実施形態では、2つのプロジェクター2を利用して、2つのアングルの画像を選択可能な構成を示したが、3つ以上のプロジェクターを用い、3つ以上のアングルの画像を選択可能にしてもよい。例えば、3つのアングルの画像を選択可能にする場合には、3つのプロジェクター2(第1〜第3のプロジェクター2a〜2c)と3種の液晶シャッターメガネ4(第1〜第3の液晶シャッターメガネ4a〜4c)を用いて実現することができる(図5参照)。
図5(a)、(f)、(k)に示すように、第1〜第3のプロジェクター2a〜2cの画像処理部21は、左右に分離した1フレーム分の画像情報の一方を3フレーム連続して出力した後に、他方を3フレーム連続して出力する。そして、後続して入力されるフレームについても、3フレーム毎に左右を交代させながら、例えば360Hzのフレーム周波数で画像表示部22に順次出力する。ここで、第2及び第3のプロジェクター2b,2cは、第1のプロジェクター2aから入力される基準同期信号に基づいて、画像処理部21からの画像情報の出力を制御しており、対応する画像情報が、第1のプロジェクター2aよりもそれぞれ1フレーム及び2フレーム遅れて画像表示部22に入力されるようになっている。そして、図5(b)、(g)、(l)に示すように、画像表示部22は、画像処理部21から入力される画像情報に基づく画像を表示する。
図5(c)、(h)、(m)に示すように、プロジェクター2の制御部20は、同一の画像情報が入力される3フレームのうちの最初の2フレームの期間については、光源装置23を消灯させて画像の投写を停止し、最後のフレーム期間については、光源装置23を点灯させて画像を投写させる。
そして、図5(d)、(e)、(i)、(j)、(n)、(o)に示すように、第1〜第3の液晶シャッターメガネ4a〜4cは、対応するプロジェクター2が左眼用画像を投写している期間については、左眼用の液晶シャッター44Lを開放して、右眼用の液晶シャッター44Rを閉塞し、対応するプロジェクター2が右眼用画像を投写している期間については、右眼用の液晶シャッター44Rを開放して、左眼用の液晶シャッター44Lを閉塞する。そして、対応するプロジェクター2の光源装置23が消灯している期間では、双方の液晶シャッター44L,44Rを閉塞する。これにより、鑑賞者Mは、装着している液晶シャッターメガネ4に対応するプロジェクター2が投写する画像を鑑賞することが可能になる。そして、例えば、スクリーン3の正面中央と、その右側及び左側の3つの鑑賞位置について、それぞれの位置に適した立体像を視認することが可能となる。
【0046】
上記実施形態では、送信装置27がプロジェクター2と一体に構成されているが、送信装置27をプロジェクター2から分離させた構成としてもよい。
【0047】
上記実施形態では、液晶パネルを駆動して開閉を行う液晶シャッターメガネ4を用いているが、液晶以外の方式で開閉を行うシャッターメガネを用いるようにしてもよい。
【0048】
上記実施形態では、第1のプロジェクター2aが、2つのプロジェクター2の間で画像の切り替えを同期させるための基準同期信号を第2のプロジェクター2bに出力しているが、この態様に限定されない。例えば、画像供給装置1が、第1のプロジェクター2a及び第2のプロジェクター2bの双方に基準同期信号を出力し、第1のプロジェクター2a及び第2のプロジェクター2bの双方が、この基準同期信号に基づいて画像を切り替えるようにしてもよい。
【0049】
上記実施形態において、コンテンツの音声についての記載は省略しているが、第1のプロジェクター2a及び第2のプロジェクター2bは、共通のコンテンツの画像を投写することから、すべての鑑賞者Mに共通の音声を聞かせるようにすればよい。このとき、第1のプロジェクター2aと第2のプロジェクター2bとでは、投写する画像が1フレーム分しかずれていないため、画像と音声のずれをほとんど感じさせずに済む。
【0050】
上記実施形態では、光源装置23を消灯させることによって画像の投写を停止させているが、画像の投写を停止させる手段は、光源装置23を消灯させることに限定されない。例えば、光源装置23を常時点灯させるとともに、光源装置23から射出された光を周期的に遮る遮光装置を備えるようにしてもよい。このような遮光装置としては、扉状に開閉するルーバーによって遮光する手段や、光透過領域と遮光領域とを有する円盤を回転させる手段等を採用することができる。これらの場合には、光源装置23は、瞬時点灯や瞬時消灯が可能な固体光源に限定されず、放電型の光源ランプ等を利用することも可能になる。
【0051】
上記実施形態では、送信装置27が、液晶シャッターメガネに赤外線の同期信号を送信する態様を示したが、この態様に限定されない。例えば、赤外線以外の光通信を利用するようにしてもよいし、電波を利用するようにしてもよい。
【0052】
上記実施形態のプロジェクター2では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ24を用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…画像供給装置、2…プロジェクター、2a…第1のプロジェクター、2b…第2のプロジェクター、2c…第3のプロジェクター、3…スクリーン、4…液晶シャッターメガネ、4a…第1の液晶シャッターメガネ、4b…第2の液晶シャッターメガネ、4c…第3の液晶シャッターメガネ、20…制御部、20a…第1の制御部、20b…第2の制御部、21…画像処理部、22…画像表示部、23…光源装置、24…液晶ライトバルブ、25…液晶駆動部、26…投写レンズ、27…送信装置、27a…第1の送信装置、27b…第2の送信装置、41…受信部、42…制御部、43…駆動部、44L…左眼用液晶シャッター、44R…右眼用液晶シャッター、100…画像表示システム、M,Ma,Mb…鑑賞者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投写面に第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写するとともに、画像の投写を停止させる第1の停止期間を挟んで前記第1の左眼用画像の投写と前記第1の右眼用画像の投写とを切り替える第1のプロジェクターと、
前記投写面に第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写するとともに、画像の投写を停止させる第2の停止期間を挟んで前記第2の左眼用画像の投写と前記第2の右眼用画像の投写とを切り替える第2のプロジェクターと、
光を透過させる透過状態と光の透過を遮断する遮断状態とを切り替え可能な左眼用シャッター及び右眼用シャッターを有するシャッターメガネと、
を備え、
前記第1のプロジェクターは、前記第2のプロジェクターが前記第2の停止期間のときに前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像を排他的に投写し、
前記第2のプロジェクターは、前記第1のプロジェクターが前記第1の停止期間のときに前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像を排他的に投写し、
前記シャッターメガネは、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターの一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに前記左眼用シャッターを前記透過状態にして前記右眼用シャッターを前記遮断状態にし、前記一方のプロジェクターが右眼用画像を投写しているときに前記右眼用シャッターを前記透過状態にして前記左眼用シャッターを前記遮断状態にし、前記一方のプロジェクターが画像の投写を停止しているときには、前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの双方を前記遮断状態にすることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムであって、
前記第1のプロジェクターでの前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像の切り替えに同期するための第1の同期信号を前記シャッターメガネに送信する第1の送信装置と、
前記第2のプロジェクターでの前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像の切り替えに同期するための第2の同期信号を前記シャッターメガネに送信する第2の送信装置と、
をさらに備え、
前記シャッターメガネは、前記第1の同期信号及び前記第2の同期信号の一方の同期信号に基づいて、前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの前記透過状態と前記遮断状態とを切り替えさせることを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像表示システムであって、
前記第1の送信装置は、前記第1のプロジェクターに一体的に構成され、
前記第2の送信装置は、前記第2のプロジェクターに一体的に構成されていることを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記第1のプロジェクターは、前記第1のプロジェクターと前記第2のプロジェクターとの間で画像の切り替えを同期させるための基準同期信号を前記第2のプロジェクターに送信し、
前記第2のプロジェクターは、前記基準同期信号に基づいて画像を切り替えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターは、
固体光源と、
前記固体光源から射出された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学系と、
を備え、前記第1の停止期間及び前記第2の停止期間では、前記固体光源を消灯させることを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
投写面に第1の左眼用画像及び第1の右眼用画像を排他的に投写する第1のプロジェクターと、前記投写面に第2の左眼用画像及び第2の右眼用画像を排他的に投写する第2のプロジェクターと、光を透過させる透過状態と光の透過を遮断する遮断状態とを切り替え可能な左眼用シャッター及び右眼用シャッターを有するシャッターメガネと、を備えた画像表示システムの制御方法であって、
前記第1のプロジェクターが、画像の投写を停止させる第1の停止期間を挟んで前記第1の左眼用画像の投写と前記第1の右眼用画像の投写とを切り替えるステップと、
前記第2のプロジェクターが、画像の投写を停止させる第2の停止期間を挟んで前記第2の左眼用画像の投写と前記第2の右眼用画像の投写とを切り替えるステップと、
前記第2のプロジェクターが前記第2の停止期間のときに、前記第1のプロジェクターが前記第1の左眼用画像及び前記第1の右眼用画像を排他的に投写するステップと、
前記第1のプロジェクターが前記第1の停止期間のときに、前記第2のプロジェクターが前記第2の左眼用画像及び前記第2の右眼用画像を排他的に投写するステップと、
前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターの一方のプロジェクターが左眼用画像を投写しているときに、前記シャッターメガネが前記左眼用シャッターを前記透過状態にして前記右眼用シャッターを前記遮断状態にするステップと、
前記一方のプロジェクターが右眼用画像を投写しているときに、前記シャッターメガネが前記右眼用シャッターを前記透過状態にして前記左眼用シャッターを前記遮断状態にするステップと、
前記一方のプロジェクターが画像の投写を停止しているときに、前記シャッターメガネが前記左眼用シャッター及び前記右眼用シャッターの双方を前記遮断状態にするステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−253594(P2012−253594A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125105(P2011−125105)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】