説明

画像表示システム及び画像表示装置

【課題】画像に含まれる情報の漏洩を防止することができる画像表示システム及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示システムは、ディスプレイ部2を備える画像形成装置(画像表示装置)1と、光シャッタを備える眼鏡3とからなる。画像形成装置1は、使用者に見せるべき任意の画像とダミー画像とをディスプレイ部2に交互に表示する。眼鏡3は、光シャッタを備え、使用者に見せるべき画像が表示されるタイミングに同期して光を透過させ、ダミー画像が表示されるタイミングに同期して光を遮断する。眼鏡3をかけた使用者には、光シャッタが光を透過させたときに画像が見え、光シャッタが光を遮断したときには画像が見えないので、使用者に見せるべき画像の認識が可能となる。眼鏡3をかけていない他者は、使用者に見せるべき画像及びダミー画像の両方が重なって見え、画像を認識できない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に表示された画像を目視するために必要な眼鏡を用いた画像表示システム、及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機等の画像処理装置では、個人情報等の秘密情報を含む画像を扱うことがあった。また画像処理装置には、画像データを蓄積しておき、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に画像データに基づいた画像を表示する機能を備えるものがある。秘密情報を含む画像を画像表示装置に表示した場合は、表示された画像を使用者以外の他者が目視して秘密情報が漏洩する虞がある。特許文献1には、画像データにパスワードを設定しておき、パスワードが入力されない場合は代替画像を表示し、パスワードが入力された場合に画像を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−303000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、パスワードが入力されない状態では秘密情報は秘匿されるものの、パスワードが入力された後では画像が表示されるので、依然として秘密情報が漏洩する虞がある。近年では、画像表示装置の大型化が進んでおり、表示された画像を使用者以外の他者が目視することがより容易となっているので、秘密情報が漏洩する危険性が増している。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、使用者以外には画像が見えないように画像を表示することにより、画像に含まれる情報の漏洩を防止することができる画像表示システム及び画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像表示システムは、画像表示装置と、該画像表示装置が表示する画像を見るために使用される眼鏡とを含む画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、任意の画像及び該画像とは内容の異なるダミー画像を交互に表示する手段を備え、前記眼鏡は、人の目に到達させるべき光の透過及び遮断を行う光シャッタと、前記画像表示装置が前記任意の画像を表示するタイミングに同期して前記光シャッタに光を透過させ、前記画像表示装置が前記ダミー画像を表示するタイミングに同期して前記光シャッタに光を遮断させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像表示システムは、前記画像表示装置は、前記任意の画像及び前記ダミー画像が不定周期で交互に表示されるように、各画像を表示するタイミングを定める手段と、該手段が定めたタイミングを示すタイミング情報を前記眼鏡へ送信する手段を更に備え、前記眼鏡は、前記タイミング情報を受信する手段を更に備え、前記制御手段は、受信した前記タイミング情報が示すタイミングに同期して、前記光シャッタに光の透過及び遮断を行わせる手段を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像表示システムは、前記画像表示装置は、前記タイミング情報を暗号化する手段を更に備え、前記眼鏡は、受信した前記タイミング情報を復号する手段を更に備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像表示システムは、前記画像表示装置は、画像データを記憶する手段と、画像データから画像を形成する手段とを更に備え、記憶している画像データに基づいた画像を表示することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像表示装置は、任意の画像及び該画像とは内容の異なるダミー画像を交互に表示する手段と、前記任意の画像及び前記ダミー画像が不定周期で交互に表示されるように、各画像を表示するタイミングを定める手段と、該手段が定めたタイミングを示すタイミング情報を外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、画像表示装置は、任意の画像とダミー画像とを交互に表示し、眼鏡は、光シャッタを備え、使用者に見せるべき画像が表示されるタイミングに同期して光を透過させ、ダミー画像が表示されるタイミングに同期して光を遮断する。眼鏡をかけた使用者には、光シャッタが光を透過させたときに画像が見え、光シャッタが光を遮断したときには画像が見えないので、使用者に見せるべき画像が見え、ダミー画像は見えない。これに対し、眼鏡をかけていない他者には、両方の画像が重なって見え、他者は画像を視認できない。
【0012】
また本発明においては、画像表示装置は、使用者に見せるべき画像とダミー画像とが不定周期で交互に表示されるように表示のタイミングを定めたタイミング情報を眼鏡へ送信し、眼鏡は、タイミング情報に従って光の透過及び遮断を行う。
【0013】
また本発明においては、画像表示装置は、暗号化したタイミング情報を眼鏡へ送信し、眼鏡はタイミング情報を復号する。これにより、画像が表示されるタイミングを不正に知ることが困難となる。
【0014】
また本発明においては、画像表示装置は、記憶した画像データに基づいた画像を形成することができ、画像を形成する前に画像を表示することができる画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、使用者は画像表示装置に表示された画像の内容を確認することが可能でありながら、使用者以外の他者は表示された画像の内容を確認することが困難であるので、表示された画像に秘密情報が含まれていたとしても、眼鏡をかけた使用者以外には秘密情報が漏洩することが無い等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の画像表示システムの概要を示す概念図である。
【図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】眼鏡の内部構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置及び眼鏡の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像表示システムの概要を示す概念図である。本発明の画像表示システムは、本発明に係る画像表示装置である画像形成装置1と、眼鏡3とを含んで構成されている。画像形成装置1は、液晶ディスプレイ又はEL(Electro-luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ部2を備えている。眼鏡3は、通常の眼鏡のレンズに相当する部分が液晶シャッタで構成されたものである。
【0018】
人間の目の時間分解能は、数十分の一秒である。ディスプレイに表示された画像が目の時間分解能よりも短期間に切り替わった場合は、人間の目には複数の画像が重なって知覚され、人間は個別の画像を認識することができない。使用者に見せるために表示すべき表示用画像、及び表示用画像とは内容の異なるダミー画像が、ディスプレイ部2に交互に表示された場合は、ディスプレイ部2を目視する者には、表示用画像及びダミー画像が重なった画像が認識され、表示用画像は認識され難い。眼鏡3では、表示用画像が表示されるタイミングで液晶シャッタが開き、ダミー画像が表示されるタイミングで液晶シャッタが閉じる。表示用画像がディスプレイ部2に表示されたときのみ液晶シャッタが開くので、眼鏡3をかけた使用者の目にはダミー画像が映らず、表示用画像が認識される。
【0019】
図2は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部101を備える。制御部101は、演算部及び画像形成装置1に必要なプログラムを記憶する記憶部を含んでなる。制御部101には、ディスプレイ部2と、使用者の操作を受け付けるタッチパネル又はテンキー等の操作部102と、ディスプレイ部2が画像を表示するタイミングを生成するタイミング生成回路103とが接続されている。画像形成装置1が備えるディスプレイ部2は、タイミング生成回路103に接続されている。また制御部101には、電波又は赤外線等を用いた無線通信により情報を眼鏡3へ送信する送信部104と、眼鏡3へ送信すべき情報を暗号化する暗号化部105とが接続されている。また画像形成装置1は、通信ネットワークを介して外部から画像データを入力される入力インタフェース106と、記録用紙等の記録担体に記録された画像を光学的に読み取ることにより画像データを生成するスキャナ部107とを備える。また画像形成装置1は、画像データを記憶するハードディスク等の記憶部108と、画像処理部110と、画像を形成して記録担体に記録する画像形成部109とを備えている。
【0020】
図3は、眼鏡3の内部構成を示すブロック図である。眼鏡3は、通常の眼鏡の両眼用のレンズに相当する位置に、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36を備えている。また眼鏡3は、眼鏡3全体の動作を制御する制御部31を備えている。制御部31は、演算部及び眼鏡3に必要なプログラムを記憶する記憶部を含んでなる。制御部31には、画像形成装置1から送信された情報を受信する受信部33と、暗号化された情報を復号する復号部32と、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が動作するタイミングを生成するタイミング生成回路34とが接続されている。タイミング生成回路34には、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が接続されている。
【0021】
液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は、本発明における光シャッタであり、光の透過及び遮断を行う素子である。液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は、眼鏡3をかけた使用者の目に到達すべき光が通過する部分、即ち通常の眼鏡のレンズに相当する部分に設けられている。液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36の夫々は両眼の夫々に対応する。液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を透過させた場合は、眼鏡3をかけた使用者の目に透過した光が到達し、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を遮断した場合は、使用者の目には光は入らない。従って、ディスプレイ部2に表示された画像を眼鏡3を通して見る使用者には、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を透過させたときに画像が見え、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を遮断したときには画像が見えない。また眼鏡3は、図示しない電源部を備え、眼鏡3の各部に電力を供給している。
【0022】
次に、画像表示システムの動作を説明する。画像形成装置1は、入力インタフェース106で入力された画像データ、又はスキャナ部107で生成した画像データを記憶部108で記憶している。使用者が操作部102に対して適宜操作を行うことにより、画像形成装置1は、記憶部108で記憶している画像データに基づいた画像をディスプレイ部2に表示させるための画像表示指示を操作部102で受け付ける。例えば、使用者は、画像形成装置1に画像を形成させる前に、画像の内容を確認するために、画像表示指示を入力する。画像表示指示を操作部102で受け付けた場合、制御部101は、記憶部108から必要な画像データを読み出し、画像処理部110に、画像データに基づいた表示用画像をディスプレイ部2に表示させるための画像信号を生成させる処理を行う。また制御部101は、画像処理部110に、表示用画像と内容の異なるダミー画像をディスプレイ部2に表示させるための画像信号を生成させる処理を行う。
【0023】
ダミー画像は、眼鏡3をかけていない人物には表示用画像が認識できないようにするための画像である。画像処理部110は、ダミー画像として、表示用画像と重なって視認された場合に表示用画像の認識が困難になるような画像を生成する。例えば、画像処理部110は、ダミー画像として、表示用画像の色を補色に変換した画像を生成する。表示用画像の色を補色に変換したダミー画像と表示用画像とが交互にディスプレイ部2に表示された場合、眼鏡3無しでディスプレイ部2を見る者には、表示用画像に含まれる色の変化がダミー画像によってキャンセルされたほぼ無地の画像が認識されることになる。なお、画像処理部110は、記憶部108に予め記憶された画像データに基づいた予め定められたダミー画像を生成する形態であってもよい。また画像処理部110は、ランダムなダミー画像を生成する形態であってもよい。例えば、画像処理部110は、スノーノイズ画像を生成してもよい。
【0024】
制御部101は、次に、ダミー画像及び表示用画像をディスプレイ部2に交互に表示させるタイミングを示すタイミング情報を生成する。例えば、タイミング情報は、時間経過に対応して、ディスプレイ部2に表示用画像を表示させるタイミングをハイで示し、ディスプレイ部2にダミー画像を表示させるタイミングをローで示したデジタル情報である。タイミング情報を生成する際、制御部101は、ダミー画像及び表示用画像が一定間隔で表示されることが無いように、不定周期で交互にディスプレイ部2に表示されるように各画像が表示されるタイミングを定める。またタイミング情報を生成する際、制御部101は、同一の画像が連続して表示し続けられる時間が人間の目の時間分解能よりも短い時間になるように各画像が表示されるタイミングを定める。制御部101は、予め定められたタイミング情報を生成してもよい。また制御部101は、ダミー画像及び表示用画像の夫々をディスプレイ部2に表示させるタイミングをランダムに定めたタイミング情報を生成してもよい。また制御部101は、予め記憶している所定の関数に時刻等の初期値を入力することによってタイミング情報を生成してもよい。
【0025】
制御部101は、タイミング情報をタイミング生成回路103へ入力する。タイミング生成回路103は、タイミング情報が示すタイミングに同期して、ダミー画像及び表示用画像の夫々をディスプレイ部2に表示させるための同期信号をディスプレイ部2へ入力する。また画像処理部110は、表示用画像及びダミー画像をディスプレイ部2に表示させるための画像信号をディスプレイ部2へ入力する。ディスプレイ部2は、ダミー画像を表示させるための同期信号がタイミング生成回路103から入力されたときに、画像処理部110からの画像信号に基づいてダミー画像を表示する。またディスプレイ部2は、表示用画像を表示させるための同期信号がタイミング生成回路103から入力されたときに、画像処理部110からの画像信号に基づいて表示用画像を表示する。結果として、ディスプレイ部2は、ダミー画像及び表示用画像の夫々を、タイミング情報が示すタイミングで交互に表示する。これにより、ダミー画像及び表示用画像が不定周期でディスプレイ部2に交互に表示される。
【0026】
制御部101は、ディスプレイ部2に画像を表示させる処理と並行して、タイミング情報を暗号化部105に暗号化させ、暗号化されたタイミング情報を送信部104に眼鏡3へ送信させる。眼鏡3は、画像形成装置1から送信された暗号化されたタイミング情報を受信部33で受信する。眼鏡3の制御部31は、受信部33で受信した暗号化されたタイミング情報を復号部32に復号させる。制御部31は、復号部32に復号させたタイミング情報をタイミング生成回路34へ入力する。タイミング生成回路34は、タイミング情報が示すタイミングに同期して、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36に光の透過及び遮断を行わせるための同期信号を液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36へ入力する。液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は、光を透過させるための同期信号がタイミング生成回路34から入力されたときに、光を透過させる開状態となる。また液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は、光を遮断するための同期信号がタイミング生成回路34から入力されたときに、光を遮断する閉状態となる。なお、制御部101は、タイミング情報をリアルタイムで生成してもよく、画像の表示を行う前に予めある程度の量のタイミング情報を生成して送信部104から眼鏡3へ送信しておく処理をおこなってもよい。
【0027】
図4は、画像形成装置1及び眼鏡3の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図4には、ディスプレイ部2で表示した画像の区別と、タイミング情報の状態と、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36の状態とを縦に並べて比較している。横軸は、時間経過に応じた状態の変化を示す。タイミング情報がローであるとき、ディスプレイ部2はダミー画像を表示し、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は閉状態となる。またタイミング情報がハイであるとき、ディスプレイ部2は表示用画像を表示し、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は開状態となる。タイミング情報に従って、ディスプレイ部2はダミー画像及び表示用画像を不定周期で交互に表示し、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36は、ダミー画像が表示されているとき光を遮断し、表示用画像が表示されているときに光を透過させる。
【0028】
眼鏡3をかけた使用者には、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を透過させたときに画像が見え、液晶シャッタ35及び液晶シャッタ36が光を遮断したときには画像が見えないので、表示用画像が見え、ダミー画像は見えない。このため、眼鏡3をかけた使用者には、あたかも表示用画像がディスプレイ部2に連続的に表示されているように感じられる。従って、使用者は、ディスプレイ部2に表示された表示用画像を視認することができる。
【0029】
これに対し、眼鏡3をかけていない他者には、表示用画像及びダミー画像の両方が見えるので、あたかも表示用画像及びダミー画像が重なった画像がディスプレイ部2に表示されているように感じられる。このため、眼鏡3をかけていない他者は、表示用画像を視認することが困難である。このように、本発明では、使用者はディスプレイ2に表示された画像の内容を確認することが可能でありながら、使用者以外の他者はディスプレイ2に表示された画像の内容を確認することが困難である。従って、ディスプレイ2に表示される表示用画像に個人情報等の秘密情報が含まれていたとしても、眼鏡3をかけた使用者以外には、秘密情報が漏洩することが無く、使用者が安心して表示用画像をディスプレイ部2に表示させることができる。
【0030】
また本実施の形態では、表示用画像及びダミー画像は不定周期で交互に表示されるので、表示用画像及びダミー画像が一定間隔で表示される場合に比べて、眼鏡3をかけていない他者が表示用画像を視認することがより困難となる。また本実施の形態においては、タイミング情報が暗号化されているので、タイミング情報を解析して表示用画像が表示されるタイミングを不正に知ることが困難となり、秘密情報の漏えいがより確実に防止される。
【0031】
なお、本実施の形態においては、画像表示装置が画像形成装置1である形態を示したが、これに限るものではなく、本発明の画像表示装置は画像形成装置1以外の装置であってもよい。例えば、本発明の画像表示装置は、銀行のATM(Automated Teller Machine)等、ディスプレイ部に必要な情報を表示しながら使用者の操作による情報の入力を受け付ける入力装置であってもよい。銀行のATMでは、口座番号等の秘密情報がディスプレイ部に表示されることがあるものの、本発明を適用することにより、秘密情報を他者が確認することが困難となり、秘密情報の漏洩に対するセキュリティが向上する。また銀行のATMでは、暗証番号等の秘密情報が入力されることがあるものの、本発明を適用することにより、タッチパネルの操作面の表示内容を他者には確認できないようにすることができ、同様にセキュリティが向上する。
【0032】
また本実施の形態においては、画像表示システムに含まれる眼鏡3が一個である形態を示したが、これに限るものではなく、本発明の画像表示システムは複数の眼鏡3を含む形態であってもよい。本発明の画像表示システムが複数の眼鏡3を含む場合は、複数の使用者が画像表示装置に表示される画像を視認することができる。また、複数の眼鏡3を含む画像表示システムは、画像表示装置でタイミング情報を暗号化する際に、各眼鏡3に固有のIDを暗号化鍵に用いる等、個々の眼鏡3に依存した暗号化を行う形態であってもよい。この形態では、画像表示装置3は、特定の眼鏡3ではタイミング情報を復号できるものの他の眼鏡3ではタイミング情報を復号できないようにタイミング情報を暗号化することができる。従って、複数の眼鏡3を含む画像表示システムであっても、表示される画像を視認できる使用者を限定することは可能である。
【0033】
また本実施の形態においては、画像表示装置と眼鏡3との間で無線通信を行う形態を示したが、これに限るものではない。本発明の画像表示システムは、眼鏡3は信号線で画像表示装置に接続されており、有線通信で画像表示装置から眼鏡3へタイミング情報が送信される形態であってもよい。また本実施の形態においては、眼鏡3は二個の液晶シャッタを備える形態を示したが、これに限るものではなく、本発明における眼鏡3は、単一の液晶シャッタを備え、使用者の両眼に到達する光が共に液晶シャッタを透過するゴーグル型の形態であってもよい。また本実施の形態においては、本発明に係る光シャッタは液晶シャッタであるとしたが、これに限るものではない。本発明に係る光シャッタは、人間の目の時間分解能よりも短い時間で光の透過及び遮断を切り替えることができる素子であれば、液晶シャッタ以外の素子であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 画像形成装置(画像表示装置)
101 制御部
103 タイミング生成回路
104 送信部
105 暗号化部
108 記憶部
109 画像形成部
110 画像処理部
2 ディスプレイ部
3 眼鏡
31 制御部
32 復号部
33 受信部
34 タイミング生成回路
35、36 液晶シャッタ(光シャッタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置と、該画像表示装置が表示する画像を見るために使用される眼鏡とを含む画像表示システムにおいて、
前記画像表示装置は、
任意の画像及び該画像とは内容の異なるダミー画像を交互に表示する手段を備え、
前記眼鏡は、
人の目に到達させるべき光の透過及び遮断を行う光シャッタと、
前記画像表示装置が前記任意の画像を表示するタイミングに同期して前記光シャッタに光を透過させ、前記画像表示装置が前記ダミー画像を表示するタイミングに同期して前記光シャッタに光を遮断させる制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記画像表示装置は、
前記任意の画像及び前記ダミー画像が不定周期で交互に表示されるように、各画像を表示するタイミングを定める手段と、
該手段が定めたタイミングを示すタイミング情報を前記眼鏡へ送信する手段を更に備え、
前記眼鏡は、
前記タイミング情報を受信する手段を更に備え、
前記制御手段は、
受信した前記タイミング情報が示すタイミングに同期して、前記光シャッタに光の透過及び遮断を行わせる手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は、
前記タイミング情報を暗号化する手段を更に備え、
前記眼鏡は、
受信した前記タイミング情報を復号する手段を更に備えること
を特徴とする請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記画像表示装置は、
画像データを記憶する手段と、
画像データから画像を形成する手段とを更に備え、
記憶している画像データに基づいた画像を表示すること
を特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の画像表示システム。
【請求項5】
任意の画像及び該画像とは内容の異なるダミー画像を交互に表示する手段と、
前記任意の画像及び前記ダミー画像が不定周期で交互に表示されるように、各画像を表示するタイミングを定める手段と、
該手段が定めたタイミングを示すタイミング情報を外部へ送信する手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−103625(P2012−103625A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254143(P2010−254143)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】