説明

画像表示装置、画像表示方法および画像表示システム

【課題】表示装置の小型化と操作性を両立させることができる画像表示装置、画像表示方法および画像表示システムを提供する。
【解決手段】画像処理部103はイメージセンサ102で取り込んだ画像の動き情報を検出し、制御部104へ入力する。制御部104は画像の動き情報に従い、アングル切り替え制御を決定し、信号送信部105へ入力する。信号送信部105はネットワーク120を介し、映像コンテンツ配信サーバー110に対してアングル切り替えのための制御信号を送出する。信号受信部106はネットワーク120を介し、映像コンテンツ配信サーバー110から画像信号を受け取る。ディスプレイ101は、信号受信部106が受け取った画像情報を表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のカメラで撮影した画像を表示端末に配信するシステムにおいて、表示端末ユーザがカメラアングルを選択する手段に関するものであり、監視システム、放送システム等の産業分野に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ放送では、映像コンテンツのカメラアングルは放送局側が決定している。例えば野球の試合中継番組では、バッター背後からのアングル、ピッチャー背後からのアングル等があるが、それらの切り替えはテレビ局側の判断で行うため、視聴者がカメラアングルを選択して画像を見ることはできない。
【0003】
ユーザがカメラアングルを選択しながら画像を見る手段として、監視システムやセキュリティ機器に用いられるCCTV(閉回路テレビ)システムが挙げられる。CCTVシステムではビデオスイッチャを用い、複数台のカメラを表示装置に接続することにより、ユーザが任意のカメラを選択しながら対象を監視できる。
【0004】
図14にCCTVシステムの概略構成を示す。入力部1401はユーザが望むカメラアングルを選択させるためのユーザインタフェースブロックである。一般的な入力手段として、キーボード1402、ジョイスティック1403、マウス1404が用いられる。
【0005】
制御部1405はビデオスイッチャ1406の制御を行うブロックであり、ユーザの望むアングルが得られるようビデオスイッチャ1406を制御する。ビデオスイッチャ1406は、複数あるカメラ1407から制御部1405に指定された1台を選択し、選択したカメラ1407からの映像信号をディスプレイ1408へ伝える。ディスプレイ1408はユーザに対し映像の表示を行う。
【0006】
CCTVシステムの操作性を改善する手段としては、視点変換処理ならびに画像合成処理を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−152216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術には次の問題点がある。第1に、テレビ放送に対しCCTVシステムの手法を用いる場合、全てのカメラからの入力信号を常時流さねばならない。したがってカメラの数に比例して情報量が膨大となるため、実用に耐えうるためには情報容量の低減が必要である。
【0008】
第2に、CCTVシステムではカメラを選択する入力手段として、マウスやジョイスティックなどのポインティングデバイス及び、キーボードを必要とする。従って、表示装置の小型化と操作性を両立させることができない。
【0009】
また、携帯電話等の小型装置のティスプレイを表示装置として利用する場合、少数のボタンに対して多数の機能を割り当てる必要があり、操作が複雑化する。また携帯電話において選択操作を行う際には一般的に方向キーを用いるが、方向キーの配置が表示装置デザインに対する制約となる。
【0010】
本発明は、複数のカメラからの映像を簡単な操作で選択することができ、表示装置の小型化と操作性を両立させることができる画像表示装置、画像表示方法および画像表示システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ディスプレイとイメージセンサと画像処理部と制御部と信号送信部と信号受信部を備える事を特徴とする。
【0012】
前記画像表示装置は、有線または無線ネットワークを使用し、映像コンテンツ配信サーバーに対し信号を送受信できる。イメージセンサは装置上に、ユーザ方向を向くように配置されており、表示ディスプレイを見ているユーザ顔周辺の景色を写している。
【0013】
ユーザからの入力操作は、表示ディスプレイを装置ごと上下左右に傾けることで行う。ユーザが装置を傾けることで、イメージセンサの捉える視野が上下左右に動き、付随してセンサの写像が動かされる。イメージセンサに映された景色は画像処理部に入力され、画像の動き情報が求められる。
【0014】
制御部は、画像の動き情報からアングル切り替え制御を決定する。制御部からのアングル制御信号は、信号送信部を用い、ネットワーク上の映像コンテンツ配信サーバーに伝えられる。
【0015】
映像コンテンツ配信サーバーはアングル制御信号で指定されたカメラアングルからの画像信号を、ネットワークを介してユーザに配信する。画像表示装置は信号受信部で画像信号を受信し、ディスプレイに表示することができる。
【0016】
また、本発明は、被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報から画像制御信号を生成する制御部と、前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するディスプレイとを備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、イメージセンサが撮影した画像から被写体の動き情報を検出し、被写体の動き情報に応じて映像を選択するので、簡単な操作で映像を選択することができ、画像表示装置の小型化と操作性を両立させることができる。
【0018】
また、本発明は、前記画像制御信号を、ネットワークを介して映像コンテンツ配信サーバーに送信する信号送信部と、前記画像制御信号に基づいて前記映像コンテンツ配信サーバーが選択した映像を、前記ネットワークを介して受信する信号受信部とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明において、前記イメージセンサは、前記画像表示装置の筐体に、前記ディスプレイの表示面のほぼ垂直方向を撮影可能に設置され、前記ディスプレイを見ているユーザの顔を撮影することを特徴とする。
【0020】
また、本発明において、前記画像処理部は、前記ディスプレイを見ているユーザが前記筐体を傾けた場合に、前記イメージセンサが撮影するユーザの顔の画像の変化に対応して、前記動き情報を検出することを特徴とする。
【0021】
また、本発明において、前記制御部は、ユーザが前記筐体を上方向、下方向、左方向および右方向に傾けることに対応して、上方向、下方向、左方向および右方向の画像制御信号を生成することを特徴とする。
【0022】
また、本発明において、前記映像コンテンツ配信サーバーは、前記画像制御信号に基づいてマルチアングル映像のアングルを選択することを特徴とする。
【0023】
また、本発明において、前記マルチアングル映像は、前記映像コンテンツ配信サーバーに接続された複数台のカメラが撮影した映像であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、被写体を撮影するステップと、撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出するステップと、前記動き情報から画像制御信号を生成するステップと、前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するステップを有することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、イメージセンサが撮影した画像から被写体の動き情報を検出し、被写体の動き情報に応じて映像を選択するので、簡単な操作で映像を選択することができ、画像表示装置の小型化と操作性を両立させることができる。
【0026】
また、本発明において、前記被写体は、前記映像を見ているユーザの顔であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明において、前記動き情報を、ユーザの顔の画像の変化に対応して検出することを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、前記画像制御信号に基づいて、複数台のカメラにより撮影されたマルチアングル映像のアングルを選択するステップを有することを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報から画像制御信号を生成する制御部と、前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するディスプレイとを備える画像表示装置と、前記画像表示装置からネットワークを介して前記画像制御信号を受信し、前記画像制御信号に基づいて映像を選択し、選択した映像を前記ネットワークを介して前記画像表示装置に送信する映像コンテンツ配信サーバーとを有することを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、イメージセンサが撮影した画像から被写体の動き情報を検出し、被写体の動き情報に応じて映像を選択するので、簡単な操作で映像を選択することができ、画像表示装置の小型化と操作性を両立させることができる。
【0031】
また、本発明において、前記映像コンテンツ配信サーバーは、マルチアングル映像を撮影する複数台のカメラに接続され、前記画像表示装置から受信した前記画像制御信号に従って、前記マルチアングル映像のアングルを選択することを特徴とする。
【0032】
また、本発明において、前記映像コンテンツ配信サーバーは、マルチアングル撮影された映像コンテンツを蓄積するファイルサーバーに接続され、前記画像表示装置から受信した前記画像制御信号に基づいて、前記映像コンテンツを選択することを特徴とする。
【0033】
また、本発明の画像表示システムは、被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報からアングル制御信号を生成する制御部と、マルチアングル映像を表示するディスプレイとを備える画像表示装置と、前記マルチアングル映像を保存しており、前記画像表示装置からネットワークを介して前記アングル制御信号を受信し、前記アングル制御信号に基づいて前記マルチアングル映像のアングルを選択し、選択したマルチアングル映像を前記ネットワークを介して前記画像表示装置に送信する映像記録装置とを有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、マルチアングル映像を保存する外部記録媒体と、前記マルチアングル映像を表示する画像表示装置とを有する画像表示システムであって、前記画像表示装置は、被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報からアングル制御信号を生成する制御部と、前記アングル制御信号に基づいて、表示するマルチアングル映像のアングルを選択するファイルシステムとを備えること特徴とする。
【0035】
また、本発明において、前記画像表示装置は、前記外部記録媒体から前記マルチアングル映像を複写して格納する記録装置を備えること特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、第1の課題である情報量の低減に対し、ユーザの希望するカメラアングルのみの情報を映像コンテンツ配信サーバーから受信することで解決できる。
【0037】
次に、第2の課題である装置の小型化と操作性の両立に対しては、ユーザが装置全体を動かすことで入力操作を行えるようにする。したがって、マウスやキーボードのない小型装置において、ボタンや方向キーを必要としないアングル切り替え手段が実現できる。
【0038】
付随的な効果として、装置のボタンや方向キーの減少による部品点数削減が挙げられ、組み立て工程の簡単化、装置使用時の故障率減少が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は本発明の第1の実施形態における画像表示システムの構成図を示すものである。図1において、画像表示装置100はディスプレイ101、イメージセンサ102、画像処理部103、制御部104、信号送信部105、信号受信部106で構成されている。
【0040】
映像コンテンツ配信サーバー110は、ネットワーク120を介して信号送信部105からのアングル制御信号を受信することができる。また映像コンテンツ配信サーバー110には、複数台のカメラ111が接続されており、ネットワーク120を介してカメラ1台分の画像信号を信号受信部106へ送信することができる。
【0041】
ディスプレイ101は携帯可能な小型表示部品であり、液晶表示素子や有機EL素子を使用できる。イメージセンサ102はユーザの顔周辺の景色を画像として取り込む目的として、CMOSカメラであってよく、CCDカメラであってよい。
【0042】
画像処理部103はイメージセンサ102で取り込んだ画像の動き情報を検出し、制御部104へ入力する。制御部104は画像の動き情報に従い、アングル切り替え制御を決定し、信号送信部105へ入力する。
【0043】
信号送信部105はネットワーク120を介し、映像コンテンツ配信サーバー110に対してアングル切り替えのための制御信号を送出する。信号受信部106はネットワーク120を介し、映像コンテンツ配信サーバー110から画像信号を受け取る。ディスプレイ101は、信号受信部106が受け取った画像情報を表示できる。
【0044】
図2は画像表示装置100の外観の例である。画像表示装置100の筐体に、ディスプレイ101とイメージセンサ102を同じ向きになるよう配置する。
【0045】
図3(a)は画像表示装置100とユーザを上から見た関係図である。イメージセンサ102はユーザの顔周辺の景色として、図3(b)に示すような写像301Aを取り込む。
【0046】
また、図4(a)は画像表示装置100を左右に傾けた時の関係図である。この場合、イメージセンサ102はユーザに向かって右側を映す事になり、図4(b)の写像301Bに示すように、写像内におけるユーザの顔は左側に移動する。画像表示装置100を逆方向に傾けた場合には、写像内のユーザの顔は右側に移動する。
【0047】
図5(a)は画像表示装置100とユーザを横から見た関係図である。図3(b)と同様、図5(b)に示す写像301Aはユーザ顔周辺の景色である。図6(a)は画像表示装置100を上に傾けた時の関係図である。この場合、図6(b)の写像301Cに示すように、画像表示装置100を上に傾けた時イメージセンサ102はユーザの頭上を向くことになり、したがって写像内のユーザの顔は下方向に移動する。逆に、下に倒せばユーザの顔は上方向に移動することが分かる。
【0048】
図7は画像処理部103で行う動き情報検出の概念図である。時間的に前後した2枚の写像を格子状のブロックに分割し、互いの写像から類似したパターンを検索することでブロックの動きが検出できる。
【0049】
図7では写像を縦6ブロック、横6ブロックに分割している。図7(a)に示す写像301Dではブロック701に存在したパターンが、図7(b)に示す写像301Eでブロック702に存在している事が分かる。したがってブロック701とブロック702の位置関係より、図7(c)に示す動きベクトル703が求められる。
【0050】
前記方法は現在の動画圧縮技術で使われている動きベクトル検出方法と基本的に同じである。ブロックの大きさとして、MPEG−4動画圧縮技術では8×8画素、H.264動画圧縮技術では4×4画素がそれぞれ使用されている。
【0051】
また、図1に示す画像処理部103にはイメージセンサ102から、時間的に連続する写像が入力される。画像処理部103は時間的に前後の画像を比較し、ユーザの顔が写像内でどの方向に動いたかを検出する。
【0052】
画像制御部103は判定した動き情報を制御部104に通知する。制御部104は受け取った動き情報に従い、アングル制御信号を生成する。アングル制御信号は、右方向、左方向、上方向、下方向の4種類である。
【0053】
制御部104で生成されたアングル制御信号は、信号送信部105にてネットワーク120に適した形へ符号化および変調がなされ、送出される。映像コンテンツ配信サーバー110はネットワーク120からアングル制御信号を受信する。
【0054】
図8は映像コンテンツ配信サーバー110側に設置する複数台のカメラ111を横方向に配置する例である。この例では、競技場801の周囲を囲むように8台のカメラ111を設置し、伝送路802によって映像コンテンツ配信サーバー110に接続している。映像コンテンツ配信サーバー110は、8台のカメラ全ての画像情報を集め、うち1台分の情報を選択しネットワーク120へ送ることができる。
【0055】
前記映像コンテンツ配信サーバー110は、画像表示装置100からのアングル制御信号に従い、カメラ111の切り替えを行う。図8の例では、前記アングル制御信号が左方向であった場合、カメラ111を時計回りに切り替える。また前記アングル制御信号が右方向であった場合、カメラ111を反時計周りに切り替える。すなわちユーザが画像表示装置100を左右に傾けることで、競技場801の周囲を回るようなアングル切り替え操作を実現できる。
【0056】
この場合、画像表示装置100Aを所有するユーザAが右回りを指定し、画像表示装置100Bを所有するユーザBが左回りを指定した場合でも、それぞれのカメラ111の映像を時分割で転送することにより、ユーザAは右回りの映像を見ることができ、ユーザBは左回りの映像を見ることができる。
【0057】
図9は映像コンテンツ配信サーバー110側のカメラ111を縦方向に配置する例である。この例では、高さを変えて3台のカメラ111を配置している。図8の場合と同様、映像コンテンツ配信サーバー110はアングル制御信号に従ってカメラ111の切り替えを行うことができる。
【0058】
前記映像コンテンツ配信サーバー110はアングル制御信号が上方向であれば一つ上のカメラ111へ、下方向であれば一つ下のカメラ111へ切り替えを行う。すなわちユーザが画像表示装置100を上下に傾けることで、競技者に近い視点から見るか、俯瞰的な視点から見るかのアングル切り替えができる。
【0059】
映像コンテンツ配信サーバー110によって選択された画像信号は、ネットワーク120に適した符号化および変調が行われ、前記ネットワーク120を介して信号受信部106に受信される。信号受信部106は画像の復調および復号化を行い、画像信号をディスプレイ101に伝達する。ディスプレイ101は、前記手続きによって得られた画像を表示する。
【0060】
なお、第1の実施形態において、映像情報はカメラ111から取得していたが、図10に示すようにカメラをファイルサーバー1001に置き換えてもよい。この場合、ファイルサーバー1001にはマルチアングル撮影された映像コンテンツが蓄積されており、ユーザはアングルを選択しながら映像を観賞することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
図11は本発明の第2の実施形態における画像表示システムの構成図を示すものである。図11において、画像表示装置100はネットワーク120を介し、デジタルビデオレコーダー1101、PC1102などの映像記録装置と情報通信を行うことができる。
【0062】
ネットワーク120は家庭用であってよく、業務用であってよく、有線であってよく、無線であってよい。画像表示装置100はネットワーク120を介してデジタルビデオレコーダー1101、PC1102にアングル制御信号を送信し、かつ映像情報を受信することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
図12は本発明の第3の実施形態における画像表示システムの構成図を示すものである。図12において、マルチアングル撮影された映像コンテンツは、外部記録媒体1202に保存されている。信号送信部105は、ファイルシステム1201に対しアングル制御信号を送信する。
【0064】
ファイルシステム1201は、アングル制御信号に従って外部記録媒体1201から画像情報を取得する。ファイルシステム1201は取得した画像情報を信号受信部106へ出力する。信号受信部106が受信した画像情報は、ディスプレイ101で表示できる。
【0065】
ここでいう外部記録媒体1202は、CD、DVD等の光ディスクであってよく、フラッシュメモリー等の半導体記録素子であってよく、磁気ディスクであってよい。受信した映像情報は、ディスプレイ101で表示できる。
【0066】
(第4の実施形態)
図13は本発明の第4の実施形態における画像表示システムの構成図を示すものである。図13において、マルチアングル撮影された映像コンテンツは、外部記録装置1302に蓄積されており、画像表示装置100は伝送路1303を介して内部の記録装置1301へ映像コンテンツのコピーを行うことができる。伝送路1303の種類は限定せず、インターネットであってよく、LANであってよく、放送網であってよい。
【0067】
本実施形態では、コンテンツを観賞する前にあらかじめ外部記録装置1302から記録装置1301へ映像コンテンツのコピーが行われているものとする。信号送信部105は、ファイルシステム1201に対しアングル制御信号を送信する。ファイルシステム1201は、アングル制御信号に従って記録装置1301から画像情報を取得する。ファイルシステム1201は取得した画像情報を信号受信部106へ出力する。信号受信部106が受信した画像情報は、ディスプレイ101で表示できる。
【0068】
記録装置1301はハードディスク等の磁気ディスクであってよく、DRAM、フラッシュメモリー等の半導体記録素子であってよい。
【0069】
なお、上記の実施形態では、イメージセンサ102でユーザの顔を撮影し、その動き情報を検出することを説明したが、イメージセンサ102の被写体はユーザの顔に限定されるものではない。例えば、ユーザの手の動き、あるいはユーザではない特定の人物の動作、物体の動き等を検出し、表示する映像を切替えることもできる。また、上記の説明では、動き情報に対応してマルチアングル映像のアングルを選択する場合を説明したが、被写体の動きに対応して、映像の倍率、解像度、明るさ等を切替えることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の画像表示装置、画像表示方法および画像表示システムは、画像表示装置に設置されたイメージセンサを用いることで映像観賞時のカメラアングル変更を容易にするものであり、実況中継、映像配信等の情報通信分野に利用できる。
【0071】
また、施設の見学や史跡、名勝を見る目的で使用すれば、教育、観光分野に利用できる。農場や市場、工場の生産ラインの監視にも使えるため、商品情報のトレーサビリティ向上目的として商業分野に利用できる。
【0072】
また、CCTV本来の目的である遠隔地からの監視として、防犯、セキュリティ分野に利用できる。離れた場所からユーザの任意のアングルに変えて対象を見る事ができるため、介護、育児、医療分野への応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像表示システムの構成図
【図2】画像表示装置の外観の例
【図3】画像表示装置とユーザを上から見た関係図
【図4】画像表示装置を左右に傾けた時の関係図
【図5】画像表示装置とユーザを横から見た関係図
【図6】画像表示装置を上下に傾けた時の関係図
【図7】画像処理部における動き情報検出の概念図
【図8】サーバー側カメラを横方向に配置する例
【図9】サーバー側カメラを縦方向に配置する例
【図10】ファイルサーバーから映像コンテンツを取得する構成例
【図11】本発明の第2の実施形態における画像表示システムの構成図
【図12】本発明の第3の実施形態における画像表示システムの構成図
【図13】本発明の第4の実施形態における画像表示システムの構成図
【図14】CCTVシステムの概略構成図
【符号の説明】
【0074】
100 画像表示装置
101 ディスプレイ
102 イメージセンサ
103 画像処理部
104 制御部
105 信号送信部
106 信号受信部
110 映像コンテンツ配信サーバー
111 カメラ
120 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影するイメージセンサと、
前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、
前記動き情報から画像制御信号を生成する制御部と、
前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するディスプレイとを備える画像表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像表示装置であって、
前記画像制御信号を、ネットワークを介して映像コンテンツ配信サーバーに送信する信号送信部と、
前記画像制御信号に基づいて前記映像コンテンツ配信サーバーが選択した映像を、前記ネットワークを介して受信する信号受信部とを備える画像表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像表示装置であって、
前記イメージセンサは、前記画像表示装置の筐体に、前記ディスプレイの表示面のほぼ垂直方向を撮影可能に設置され、前記ディスプレイを見ているユーザの顔を撮影する画像表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像表示装置であって、
前記画像処理部は、前記ディスプレイを見ているユーザが前記筐体を傾けた場合に、前記イメージセンサが撮影するユーザの顔の画像の変化に対応して、前記動き情報を検出する画像表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、ユーザが前記筐体を上方向、下方向、左方向および右方向に傾けることに対応して、上方向、下方向、左方向および右方向の画像制御信号を生成する画像表示装置。
【請求項6】
被写体を撮影するステップと、
撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出するステップと、
前記動き情報から画像制御信号を生成するステップと、
前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するステップとを有する画像表示方法。
【請求項7】
請求項6記載の画像表示方法であって、
前記被写体は、前記映像を見ているユーザの顔である画像表示方法。
【請求項8】
請求項7記載の画像表示方法であって、
前記動き情報を、ユーザの顔の画像の変化に対応して検出する特徴とする画像表示方法。
【請求項9】
請求項6記載の画像表示方法であって、
前記画像制御信号に基づいて、複数台のカメラにより撮影されたマルチアングル映像のアングルを選択するステップを有する画像表示方法。
【請求項10】
被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報から画像制御信号を生成する制御部と、前記画像制御信号に基づいて選択された映像を表示するディスプレイとを備える画像表示装置と、
前記画像表示装置からネットワークを介して前記画像制御信号を受信し、前記画像制御信号に基づいて映像を選択し、選択した映像を前記ネットワークを介して前記画像表示装置に送信する映像コンテンツ配信サーバーとを有する画像表示システム。
【請求項11】
請求項10記載の画像表示システムであって、
前記映像コンテンツ配信サーバーは、マルチアングル映像を撮影する複数台のカメラに接続され、
前記画像表示装置から受信した前記画像制御信号に従って、前記マルチアングル映像のアングルを選択する画像表示システム。
【請求項12】
請求項10記載の画像表示システムであって、
前記映像コンテンツ配信サーバーは、マルチアングル撮影された映像コンテンツを蓄積するファイルサーバーに接続され、
前記画像表示装置から受信した前記画像制御信号に基づいて、前記映像コンテンツを選択する画像表示システム。
【請求項13】
被写体を撮影するイメージセンサと、前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、前記動き情報からアングル制御信号を生成する制御部と、マルチアングル映像を表示するディスプレイとを備える画像表示装置と、
前記マルチアングル映像を保存しており、前記画像表示装置からネットワークを介して前記アングル制御信号を受信し、前記アングル制御信号に基づいて前記マルチアングル映像のアングルを選択し、選択したマルチアングル映像を前記ネットワークを介して前記画像表示装置に送信する映像記録装置とを有する画像表示システム。
【請求項14】
マルチアングル映像を保存する外部記録媒体と、前記マルチアングル映像を表示する画像表示装置とを有する画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、被写体を撮影するイメージセンサと、
前記イメージセンサが撮影した画像から前記被写体の動き情報を検出する画像処理部と、
前記動き情報からアングル制御信号を生成する制御部と、
前記アングル制御信号に基づいて、表示するマルチアングル映像のアングルを選択するファイルシステムとを備える画像表示システム。
【請求項15】
請求項14記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、前記外部記録媒体から前記マルチアングル映像を複写して格納する記録装置を備える画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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