説明

画像表示装置、画像領域検出方法及びコンピュータプログラム

【課題】表示画像中に存在する特定条件の画像領域を精度よく検出することができる画像表示装置、画像領域検出方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】入力画像の各画素がモノクロ画素であるか否かを判定し、入力画像の各ラインからモノクロ画素で構成されるモノクロライン領域を検出し、複数のモノクロライン領域で構成されるモノクロ画像領域を検出する。検出した2つのモノクロ画像領域の開始点又は終了点が一致し、この2つのモノクロ画像領域間のライン数が第6閾値以下の場合に、この2つのモノクロ画像領域間の一又は複数のラインについて、モノクロ画像領域の再検出を行う。2つのモノクロ画像領域のうちライン方向の大きさが小さい方のモノクロ画像領域に、2つの有効画像領域間のラインの一部分を加えて新たなモノクロ画像領域とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像中に含まれる特定条件の画像領域を検出し、画像領域に適した表示特性で表示することができる画像表示装置、画像領域検出方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル又はPDP(Plasma Display Panel)等を用いたカラーの画像表示装置が広く普及している。例えば医療向けの画像表示装置は、X線撮影による画像の表示及び内視鏡などで撮影した画像の表示等に利用されている。
【0003】
画像表示装置は、PC(Personal Computer)などからの入力画像の画素値を、画像表示装置の表示特性に適した画素値に変換する補正処理(いわゆるガンマ補正処理)を行っている。医療向けの画像表示装置では、X線撮影によるモノクローム(以下、単にモノクロという)画像と、内視鏡などの撮影によるカラー画像とでは適した表示特性が異なるため、表示画像に最適な補正処理を行うことが望まれる。
【0004】
しかし近年では、PCに搭載されるOS(Operating System)がマルチウインドウシステムを備え、画像表示装置に複数のウインドウを表示することができる。このため、医療向けの画像表示装置においては、X線撮影のモノクロ画像と、内視鏡などのカラー画像とが一画面中に同時的に表示される場合があり、このような場合には上記の補正処理を適切に行うことが難しいという問題があった。
【0005】
特許文献1においては、画面中にカラーピクチャーを含むか否か、及び、モノクロピクチャーを含むか否かを判別し、カラーピクチャーを含むと判別された場合、カラーピクチャーを含まずにモノクロピクチャーを含むと判別された場合、及び両ピクチャーを含まないと判別された場合で、輝度、色温度、ガンマ特性を変えて表示画質を変える表示装置が提案されている。この表示装置は、画面に応じて表示装置側の処理だけで表示画質を変更することができ、例えば花のような自然物をカラー撮影した画像を含む画面を表示するのに適したカラーピクチャー表示画質と、X線画像を表示するのに適したモノクロピクチャー表示画質と、エディタで作成されたテキスト画面を表示するのに適したテキスト表示画質とを自動的に切り替えることができる。
【0006】
また特許文献2においては、表示画面を所定数で分割した領域における階調が全画面に亘って略均一の階調となるように、補正する領域毎の階調補正ルックアップテーブルを備え、画像信号を取り込んで表示位置を検出し、検出した位置情報に対応する領域の階調補正ルックアップテーブルに基づいて階調補正を施す構成の画像表示装置が提案されている。
【0007】
しかし特許文献1の表示装置は、判別結果に応じて画面全体の表示画質を変える構成であり、カラーピクチャーとモノクロピクチャーとを同時的に表示する場合に、各ピクチャーの表示領域毎に表示画質を変えることはできないという問題がある。
【0008】
特許文献2に記載の画像表示装置は、バックライト光の強度又はパネルの透過率等が表示位置によって異なり、画像の表示特性に位置依存性が生じるという問題を解決すべく、表示位置に応じた複数の階調補正ルックアップテーブルを用いる構成としたものである。このため特許文献2に記載の画像表示装置は、カラーピクチャー及びモノクロピクチャー等のように画像の種別に応じた適切な補正を行い得るものではない。特許文献2の画像表示装置は、予め決定された領域に対してそれぞれ異なる階調補正ルックアップテーブルによる補正を行う構成であり、表示する画像中におけるカラーピクチャー及びモノクロピクチャー等の表示領域を検出して補正を行うことはできない。
【0009】
特許文献3においては、画像読み取り時に各ページについてカラー画素率からカラーか白黒かを判別して、ページ情報として記憶すると共に、送信時にページ情報を参照して、カラーの場合にはカラー用の符号化方式で圧縮符号化して送信し、白黒の場合に白黒用の符号化方式で圧縮符号化して送信する画像送信装置が提案されている。また特許文献3には、読み取った原稿画像を各ページの中でカラー領域と白黒領域とに区分し、カラー領域の画像情報と白黒領域の画像情報とをそれぞれ別々の形態で記憶することが記載されている。
【0010】
特許文献3に記載の画像送信装置のように、画像表示装置においても表示画像中のカラー領域とモノクロ領域とを区分することが考えられる。これにより画像表示装置は、区分した領域毎に補正処理を行うことができ、各領域に適した特性での画像表示を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−126528号公報
【特許文献2】特開平11−98438号公報
【特許文献3】特開平6−253155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献3に記載の画像送信装置は、画像データの画素単位でカラー又はモノクロの判定を行い、画像中に矩形領域として含まれるカラー領域を区分する構成である。しかしながら画像表示装置が表示する画像は、X線撮影などのモノクロ画像又は内視鏡などのカラー画像のみでなく、モノクロ画像中にカラーの文字が記入された画像又はカラー画像にモノクロの文字が記入された画像等のように、モノクロとカラーとが複雑に混在する場合が多い。このようなモノクロとカラーとが混在した画像をマルチウインドウなどで複数表示する場合に、特許文献3に記載の画像送信装置のように画素単位でカラー領域とモノクロ領域との判定を行うと、カラー領域中のモノクロ文字又はモノクロ領域中のカラー文字等の存在により領域の誤判定が発生するという問題がある。また領域の判定を表示画像のライン毎又は画像全体等で行う場合であっても同様に、カラー領域中のモノクロ文字又はモノクロ領域中のカラー文字等の存在により領域の誤判定が発生する虞がある。また、マルチウインドウシステムにおいては、複数のウインドウの一部を重ねて表示することが可能であり、カラー領域とモノクロ領域との一部が重なって表示される場合に領域の誤判定が発生する虞がある。
【0013】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、表示画像中に存在する特定条件の画像領域(例えばカラー画像領域又はモノクロ画像領域等)を精度よく検出することができ、画像領域に適した表示特性での表示を実現することができる画像表示装置、画像領域検出方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る画像表示装置は、それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される入力画像を表示する画像表示装置において、入力画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かを判定する有効画素判定手段と、前記入力画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出する有効ライン領域検出手段と、前記入力画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出する有効画像領域検出手段と、前記有効ライン領域検出手段及び前記有効画像領域判定手段による検出を行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域の再検出を行う再検出手段とを備え、前記有効画像領域検出手段及び前記再検出手段により検出された有効画像領域と他の画像領域とをそれぞれ異なる表示特性で表示するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記有効画素判定手段が、各画素がモノクロームの画素であるか又はカラーの画素であるかに応じて、有効画素を判定するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記有効ライン領域検出手段が、有効画素が所定数以上連続するライン上の領域を有効ライン領域として検出するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記有効ライン領域検出手段が、有効画素が連続するライン上の領域に、所定数以下の有効画素以外の画素が連続する領域が含まれる場合であっても、前記領域を有効ライン領域として検出するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記有効ライン領域検出手段が、前記入力画像の先頭のライン又は有効ライン領域を含まないラインの次のラインに含まれる有効ライン領域を開始ライン領域とし、該開始ライン領域を含むライン以降のラインについて、有効画素が所定数以上連続し、且つ、前記開始ライン領域の端点に対するライン方向の座標差が所定値以内の領域を、有効ライン領域として検出するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記有効画像領域検出手段が、有効ライン領域を所定数以上含む領域を前記有効画像領域として検出するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記再検出手段が、前記入力画像のライン方向について前記2つの有効画像領域の一の端点の位置が同じ場合に、該2つの有効画像領域の間に存在するラインについて再検出を行うようにしてあることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記再検出手段が、2つの前記有効画像領域の間のラインの数が所定数以下の場合に、該ラインについて再検出を行うようにしてあることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記再検出手段が、前記2つの有効画像領域のうち、前記入力画像のライン方向についての大きさが小さい一方の有効画像領域に、前記2つの有効画像領域間のラインの一部分を加えた画像領域を、有効画像領域として再検出するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る画像領域検出方法は、それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される画像から特定条件を満たす画素で構成される画像領域を検出する画像領域検出方法において、前記画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かの判定を行い、前記画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域の検出を行い、前記画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域の検出を行い、前記有効ライン領域の検出及び前記有効画像領域の検出を行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域の再検出を行うことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される画像から特定条件を満たす画素で構成される画像領域を検出させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かを判定させる有効画素判定ステップと、コンピュータに、前記画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出させる有効ライン領域検出ステップと、コンピュータに、前記画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出させる有効画像領域検出ステップと、コンピュータに、前記有効ライン領域検出ステップ及び前記有効画像領域検出ステップを行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域を再検出させる再検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明においては、PCなどからの入力画像について特定条件(カラーであるか又はモノクロであるか等)を満たす有効画素であるか否かを判定し、入力画像を構成する各ラインから複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出し、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出する。これにより特定条件を満たす有効画素で構成された有効画像領域を入力画像から検出することができる。
またカラーの画像領域中のモノクロ文字又はモノクロの画像領域中のカラー文字等のような有効画像領域中の無効画素(有効画素以外の画素)の影響、また、マルチウインドウシステムにおいては、複数のウインドウの一部を重ねて表示することが可能であり、カラー領域とモノクロ領域との一部が重なって表示される場合があることにより、上記の処理を行った場合でも有効画像領域の誤検出が生じる虞がある。このため本発明においては、上記の処理を入力画像の全ラインについて行った後に、有効画像領域の再検出を行うことによって、上記の処理では検出できなかった画像領域を有効画像領域として再検出する。
有効画像領域の再検出は、上記の処理で検出された2つの有効画像領域の間に存在し、且つ、有効ライン領域を含まない一又は複数のラインについて行う。有効画像領域中の無効画素の影響で無効と誤判定されたラインは、正しく判定された2つの有効画像領域の間に存在している可能性が高いため、2つの有効画像領域間のラインを再検出の対象とすることで、効率よく確実に有効画像領域を検出することができる。
また有効画像領域の再検出は、2つの有効画像領域の端点(開始点又は終了点)の位置に応じて行う。マルチウインドウシステムなどの画像表示においては、一つの画像領域は矩形領域である場合が多く、同一の有効画像領域に含まれる複数の有効ライン領域の開始点又は終了点は略一致する場合が多い。このため2つの有効画像領域の開始点又は終了点に応じて、2つの有効画像領域間のラインから再検出処理を行うことにより、有効画像領域中の無効画素の影響により検出されなかった有効ライン領域を効率よく確実に再検出することができる。
表示装置は、検出した有効画像領域と他の画像領域(無効画像領域)とをそれぞれ異なる表示特性で表示する。これにより、例えばモノクロの画像領域とカラーの画像領域とをそれぞれ最適な表示特性で表示することが可能となる。
【0026】
また、本発明においては、入力画像中の各画素がモノクロの画素であるか又はカラーの画素であるかに応じて、有効画素であるか否かの判定を行う。例えば各画素がRGBの値を有する場合、特定条件としてR=G=B(又はR≒G≒Bでもよい)が成立するモノクロの画素を有効画素と判定し、これ以外のカラーの画素を無効画素と判定することができる。
これにより、モノクロの画素で構成されるモノクロの画像領域と、カラーの画素で構成されるカラーの画像領域とを区別し、各画像領域を最適な表示特性で表示することができる。
【0027】
また、本発明においては、入力画像を構成する各ラインから有効ライン領域を検出する場合、有効画素が所定数以上連続する領域を有効ライン領域として検出する。所定数に満たない有効画素が連続する場合は、例えば無効画素領域中に記入された有効画素による文字などである可能性が高いため、これらを誤って有効ライン領域として検出することを防止できる。
【0028】
また、本発明においては、有効画素が連続する領域に、所定数以下の無効画素が連続する領域が含まれる場合であっても、この領域を有効ライン領域として検出する。例えば有効画素領域中に無効画素による文字などが記入されている場合、有効画素の連続が途切れるが、これが所定数以下の短いものであれば有効ライン領域が無効と判定されることを防止できる。
【0029】
また、本発明においては、入力画像から有効ライン領域を検出する際に、入力画像の先頭ライン又は無効と判定されたラインの次のラインに有効ライン領域を検出した場合、この有効ライン領域を開始ライン領域とする。マルチウインドウシステムなどの画像表示においては、一つの画像領域は矩形領域である場合が多く、同一の有効画像領域に含まれる複数の有効ライン領域の開始点又は終了点は略一致する場合が多い。そこで、開始ライン領域を含むライン以降のラインについては、有効画素が所定数以上連続し、且つ、開始ライン領域の開始点及び終了点に対するズレ量が所定値以内の領域を、有効ライン領域として検出する。これにより、略矩形領域として表示される画像領域を精度よく検出することができる。
【0030】
また、本発明においては、有効画像領域を検出する場合、隣り合う有効ライン領域を所定数以上含む領域を有効画像領域として検出する。有効ライン領域が隣接していても、有効ライン領域の数が所定数に満たない場合には、誤判定により有効ライン領域が検出されている可能性がある。よって、有効ライン領域の数が所定数以上であるか否かを判定して有効画像領域の検出を行うことによって、有効画像領域の誤検出を防止することができる。
【0031】
また、本発明においては、2つの有効画像領域の開始点又は終了点がライン方向について同じ位置の場合に、この2つの有効画像領域間のラインを対象として再検出の処理を行う。例えばマルチウインドウシステムなどの画像表示においては、1つの画像領域は矩形領域である場合が多く、1つの有効画像領域中の数ラインが誤判定によって有効ライン領域を含まないラインとされ、1つの有効画像領域が2つに分断された場合、この2つの有効画像領域の開始点又は終了点は略一致する可能性が高い。よって、開始点又は終了点が略一致する2つの有効画像領域間のラインを再検出の対象とすることによって、誤判定されたラインを救済することができる。
【0032】
また、本発明においては、2つの有効画像領域間のライン数が所定数以下の場合に、このラインについて再検出の処理を行う。2つの有効画像領域間に所定数を超える多数のラインが存在する場合、この2つの有効画像領域はそれぞれ独立したものである可能性が高いため、この2つの有効画像領域間のラインは再検出の対象外とする。
【0033】
また、本発明においては、2つの有効画像領域のサイズが異なる場合、ライン方向についてのサイズが小さい一方の有効画像領域に、2つの有効画像領域間のラインの一部分を加えた画像領域を、新たな有効画像領域として検出することにより、有効画像領域の再検出の処理を行う。ライン方向についてサイズが大きい他方の有効画像領域にラインの一部分を加えると、無効な画素が加えられる可能性があるため、これを防止することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明による場合は、各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かを判定し、複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出し、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出する処理を入力画像の全ラインについて行った後、有効画像領域の再検出を行う構成とすることにより、有効画像領域中に無効画素による文字が記入されるなどの有効画素と無効画素とが混在した複雑な構成の画像領域が入力画像に含まれる場合であっても、有効画像領域を適切に検出することができ、画像領域に適した表示特性での表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】カラー用LUT及びモノクロ用LUTを説明するための模式図である。
【図3】入力画像の一構成例を示す模式図である。
【図4】モノクロ画像領域検出処理に係る画像処理部の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】境界伸張手段の処理を説明するための模式図である。
【図6】モノクロライン領域検出手段の処理を説明するための模式図である。
【図7】画像領域情報の一構成例を示す模式図である。
【図8】開始終了点チェック手段の処理を説明するための模式図である。
【図9】カラーチェック手段の処理を説明するための模式図である。
【図10】画像領域調整手段の処理を説明するための模式図である。
【図11】画像領域調整手段の処理を説明するための模式図である。
【図12】画像表示装置が行うモノクロ画像領域検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】画像表示装置が行うモノクロ画像領域検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】画像表示装置が行う画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。図において1は、表示用のデバイスとして液晶パネル19を備えるカラーの画像表示装置であり、PC9から入力される画像の表示を行うものである。画像表示装置1は、例えば医療用として用いることができ、X線撮影によるモノクロ画像、内視鏡などの撮影によるカラー画像及びその他の画像(テキスト、グラフ、表など)の表示を行うことができる。
【0037】
画像表示装置1は、制御部11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バックライト駆動部14、液晶駆動部15、操作部16、画像入力部17、バックライト18、液晶パネル19及び画像処理部40等を備えて構成されている。制御部11は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理装置にて構成することができ、画像表示装置1内の各部と情報の授受を行ってこれら各部の動作を制御することにより、液晶パネル19に画像を表示するための種々の処理を実行する。
【0038】
ROM12は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成され、制御部11の動作に必要な制御プログラム21と、その他の種々のデータ(図示は省略する)とが予め記憶されている。
【0039】
RAM13は、例えばSRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等のデータ書き換え可能なメモリ素子により構成されており、画像領域情報31(詳細は後述する)などの一時的なデータを記憶することができる。例えば制御部11は、ROM12に記憶された制御プログラム21を読み出して実行することにより種々の処理を行い、この処理の演算過程などで発生したデータをRAM13に一時的に記憶することができる。
【0040】
操作部16は、ユーザが画像表示装置1を走査するための各種のファンクションキーなどを有している。例えば、液晶パネル19の画像表示の明るさ(ブライトネス)を変更するためのキー、又は画像表示のカラーバランスを変更するためのキー等のように、画像表示装置1の表示特性を設定するための設定キーが操作部16に設けられている。操作部16は、これらのファンクションキーに対するユーザの操作を受け付けて制御部11へ通知し、制御部11は操作部16からの通知に応じて各部の動作を制御することができる。
【0041】
画像入力部17は、PC9などの外部機器に信号ケーブルを介して接続される接続端子を有しており、PC9から入力される画像信号を取得する。画像信号は、RGB又はCMY等のように複数色で構成され、色毎に入力される。この画像信号は、画像処理部40により明るさ調整又はカラーバランス調整等の種々の画像処理が施された後に液晶駆動部15へ与えられ、与えられた画像信号に応じて液晶駆動部15が液晶パネル19を駆動することにより、画像表示装置1はPC9からの画像信号に基づく画像表示を行うことができる。なお、PC9から画像入力部17へ入力される画像信号は、アナログ信号又はデジタル信号のいずれであってもよい。
【0042】
画像処理部40は、図示は省略するが画像処理に係る演算処理を行うための演算処理部と不揮発性の記憶部とを内蔵しており、不揮発性の記憶部にはカラー用LUT(ルックアップテーブル)41及びモノクロ用LUT42等の画像処理に必要なデータが予め記憶されている。画像処理部40は、制御部11の制御に応じて、画像入力部17から与えられた画像信号に対して種々の画像処理を施し、画像処理後の画像信号を液晶駆動部15へ与える。特に本実施の形態において画像処理部40は、画像入力部17からの画像信号の階調値を、カラー用LUT41及びモノクロ用LUT42に応じて補正する画像処理(いわゆるガンマ補正)を行う。
【0043】
液晶パネル19は、一対のガラス基板が対向配置され、その間隙内に液晶物質である液晶層が形成された構造をなしている。一方のガラス基板には、複数の画素電極と、画素電極のそれぞれにドレインを接続したTFT(Thin Film Transistor)とが設けられ、他方のガラス基板には共通電極が設けられている。各TFTのゲート及びソースは、液晶駆動部15のゲートドライバ及びソースドライバ(図示は省略する)に接続され、液晶駆動部15から駆動信号がそれぞれ入力されている。
【0044】
液晶駆動部15は、与えられた画像信号に応じて液晶パネル19を駆動するための駆動信号を出力する。詳しくは、液晶駆動部15のゲートドライバは、液晶パネル19が有する多数のTFTのゲートに、与えられた画像信号に応じて選択的に電圧を印加し、また同様に、液晶駆動部15のソースドライバは、TFTのソースに、入力された映像信号に応じた電圧値で電圧を印加する。これにより液晶パネル19は、液晶駆動部15のゲートドライバから印加される電圧によって各画素のTFTのオン/オフが制御され、液晶駆動部15のソースドライバから入力される出力電圧(液晶パネル19への入力レベル)が各画素のTFTに印加されることにより、液晶物質の電気光学特性によって決定される光透過率が制御されて、バックライト18からの光の透過が調整され、所望の画像を階調表示することができる。液晶パネル19の各画素は、RGBのように複数色分の副画素で更に構成され、光の透過方向にカラーフィルムを配することで、カラー表示を可能としている。
【0045】
バックライト18は、画像表示装置1内にて液晶パネル19の背面側に配設されており、バックライト駆動部14から与えられる出力電圧により駆動される。バックライト駆動部14は、制御部11の制御に応じて、バックライト18への出力電圧を調整する。これにより、例えばユーザが操作部16を操作して設定したブライトネス設定に応じて、バックライト駆動部14に出力電圧を調整させて、バックライト18の輝度を調整することができる。例えばバックライト駆動部14からバックライト18へパルス状の電圧が与えられる場合、バックライト駆動部14による出力電圧の調整は、パルスの振幅を変更すること(いわゆる振幅変調)で行ってもよく、パルス幅を変更すること(いわゆるパルス幅変調)で行ってもよい。
【0046】
このように画像表示装置1は、PC9から入力された画像信号に応じて、バックライト18及び液晶パネル19を駆動することによって、画像信号に応じた画像表示を行うことができる。このとき画像表示装置1の制御部11は、PC9から画像入力部17へ入力された画像信号(入力画像)の階調値を、液晶パネル19の表示特性に適した階調値に補正して液晶駆動部15へ与える処理を画像処理部40に行わせており、この補正処理のために予め画像処理部40の記憶部に記憶されたカラー用LUT41及びモノクロ用LUT42を用いている。カラー用LUT41及びモノクロ用LUT42は、入力画像の階調値と、液晶駆動部15へ与える出力画像の階調値とが対応づけられたテーブルであり、画像表示装置1の設計段階又は製造工程等にて理想的な表示特性となるように最適な値が記憶される。
【0047】
図2は、カラー用LUT41及びモノクロ用LUT42を説明するための模式図であり、画像表示装置1の表示特性をグラフとして示してある。図2に示すグラフは、横軸を入力階調(PC9からの入力画像の階調値)とし、縦軸を表示階調(液晶パネル19にて実際に表示される画像の階調値)として画像表示装置1の表示特性を図示したものである。グラフ中に実線で示す表示特性は、カラー画像を表示した場合の特性であり、ガンマ値が2.2の場合の特性である。またグラフ中に一点鎖線で示す表示特性は、X線撮影画像などの医療用画像で用いられるDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマットのモノクロ画像を表示した場合の特性である。
【0048】
画像表示装置1は、図2に示した表示特性が略線形となるように、カラー用LUT41及びモノクロ用LUT42を用いてPC9からの入力画像の階調値を補正する。カラー用LUT41及びモノクロ用LUT42は、入力画像の入力階調に対する出力階調が対応付けて記憶されており、出力階調は図2に示した表示特性の逆関数で与えられる。即ち、カラー用LUT41には図2の実線で示す表示特性の逆関数に対応する値が記憶され、モノクロ用LUT42には図2の一点鎖線で示す表示特性の逆関数に対応する値が記憶されている。
【0049】
よって画像表示装置1は、PC9から与えられた入力画像の階調値を、カラー用LUT41又はモノクロ用LUT42に記憶された出力階調値に変換することで階調値の補正処理を行い、補正後の出力階調にて液晶パネル19の画像表示を行うことによって、PC9からの入力階調に対して略線形の表示特性で画像表示を行うことができる。
【0050】
ただし、上述のように画像表示装置1の表示特性はカラー画像を表示する場合とモノクロ画像を表示する場合とで異なっている。またPC9に搭載されたOS(Operating System)はマルチウインドウシステムを備えており、PC9から画像表示装置1への入力画像は、複数のウインドウが並べられた又は重ねられた画像となり、各ウインドウ内の画像はカラー画像又はモノクロ画像のいずれであってもよい。このため、本実施の形態に係る画像表示装置1は、入力画像に含まれるモノクロの画像領域を検出し、検出したモノクロ画像領域に対してモノクロ用LUT42を用いた補正処理を行うと共に、モノクロ画像領域以外の画像領域をカラー画像領域としてカラー用LUT41を用いた補正処理を行う。
【0051】
次に、画像表示装置1が行う入力画像からのモノクロ画像領域の検出処理について説明する。まず前提として、PC9から画像表示装置1へ入力される入力画像の構成を説明する。図3は、入力画像の一構成例を示す模式図である。また図3には、入力画像の先頭の一部分(3ライン分)のみを図示し、入力画像を構成する画素を四角形で示すと共に、カラーの画素にハッチングを付して示してある。なお各画素はRGBのように複数の副画素で構成されるが、図3においてこれらの副画素外しを省略する。PC9から画像信号として与えられる1つの入力画像は、予め定められた数の画素を有しており、これら複数の画素を縦横に所定数並べることにより構成される。また入力画像における画素の横一行の並びをライン(図3においては1ラインが41個の画素で構成されている)といい、入力画像は所定数のラインを縦方向に並べて構成される。入力画像における画像の縦一列の並びはカラムという。入力画像におけるライン方向(横方向)の画素数を幅といい、縦方向の画素数を長さという。また、1ライン中にモノクロ画素が連続する領域をモノクロライン領域(図3の破線で囲んだ部分参照)といい、複数のモノクロライン領域が縦方向(ラインに直交する方向)に隣り合う領域をモノクロ画像領域(図3の一点鎖線で囲んだ部分参照)という。
【0052】
入力画像からモノクロ画像領域を検出する処理は、画像表示装置1の画像処理部40にて行われる。図4は、モノクロ画像領域検出処理に係る画像処理部40の構成を示す機能ブロック図である。画像表示装置1の画像処理部40は、まず境界伸張手段(図4においては単に境界伸張と記載する。以下同様である。)51にて入力画像の境界を伸長する処理を行い、モノクロライン領域検出手段52にて入力画像からモノクロライン領域を検出する処理を行い、モノクロ画像領域検出手段56にてモノクロ画像領域を検出する処理を行う。更に画像処理部40は、モノクロ画像領域検出手段56による検出結果に対して、画像領域調整手段57による画像領域の調整処理を行うことにより、モノクロ画像領域の再検出を行う。また、各処理の処理結果は、画像表示装置1のRAM13内に画像領域情報31として記憶され、各手段はRAM13の画像領域情報31を介して処理結果の授受を行うことができる。
【0053】
図5は、境界伸張手段51の処理を説明するための模式図である。境界伸張の処理は、後述のモノクロライン領域検出処理において、モノクロライン領域の端点(開始点及び終了点)が入力画像の境界に存在する場合であっても、これを検出可能とするために行う処理である。境界伸張処理手段51は、入力画像に対してライン方向(横方向)の両側(入力画像の左右)に、2カラム分のカラー画素を追加する(図5のハッチングを付した部分参照)ことによって、入力画像をライン方向に伸張する処理を行う。
【0054】
図6は、モノクロライン領域検出手段52の処理を説明するための模式図である。モノクロライン領域検出手段52には、境界伸張手段51にて境界伸張された入力画像が1画素毎に入力されており、入力された画素はまずモノクロライン候補検出手段53へ与えられる。モノクロライン候補検出手段は、連続するモノクロ画素で構成されるモノクロライン領域の候補を検出する処理を行うものであり、まず、入力された画素の画素値からこの画素がカラー画素であるか又はモノクロ画素であるかを判定する。例えば各画素がRGBの3つの値を有している場合、R=G=Bが成立する画素をモノクロ画素であると判定し、それ以外の画素をカラー画素であると判定することができる。
【0055】
次いでモノクロライン候補検出手段53は、モノクロライン領域の候補の開始点及び終了点(端点)の検出を行う。開始点及び終了点を検出するために、モノクロライン候補検出手段53は、順に入力された連続する2つの画素(例えば現時点に入力された画素及び1つ前の時点に入力された画素の2つの画素、以下単に先の画素及び後の画素という)をチェックする。なお境界伸張手段51による入力画像の伸張は、モノクロライン候補検出手段53が行う連続する2つの画素のチェックを容易化するために行うものである。
【0056】
モノクロライン候補検出手段53は、もし、先の画素がカラー画素であり、後の画素がモノクロ画素であれば、後の画素を開始点として検出する。またモノクロライン候補検出手段53は、もし、先の画素がモノクロ画素であり、後の画素がカラー画素であれば、先の画素を終了点として検出する。更にモノクロライン候補検出手段53は、もし、モノクロ画素が入力画像の境界に存在する場合、このモノクロ画素を開始点又は終了点として検出することができる。モノクロライン候補検出手段53は、検出した開始点から終了点までのモノクロ画素が連続する領域を、モノクロライン領域の候補として検出し、開始終了点チェック手段54及びカラーチェック手段55へ与える。
【0057】
なお後述するが、モノクロライン候補検出手段53により検出されたモノクロライン領域の候補は、開始点から終了点までに連続するモノクロ画素の数(即ち領域の幅)が、予め定められた閾値(以下、第1閾値という)より大きい場合、開始終了点チェック手段54によってモノクロライン領域として確定される。更に確定したモノクロライン領域は、入力画像の先頭ラインに存在する場合、又は、モノクロライン領域を含まないラインの次のラインに存在する場合、モノクロ画像領域の開始ライン領域として、画像領域情報31に登録される。
【0058】
図7は、画像領域情報31の一構成例を示す模式図である。RAM13内の画像領域情報31には、1ビットの”有効フラグ”、1ビットの”処理フラグ”、13ビットの”開始点のX座標”、13ビットの”開始点のY座標”、13ビットの”終了点のX座標”、及び、13ビットの”領域の長さ”等のモノクロ画像領域に係る情報が記憶されている。有効フラグは、モノクロ画像領域検出処理の結果として有効なモノクロ画像領域と判定された画像領域について”1”の値が設定される。処理フラグは、検出処理中のモノクロ画像領域であるか否かを示すフラグであり、処理中のモノクロ画像領域について有効フラグが”1”に設定される。
【0059】
また開始点のX座標及びY座標は、上述のようにモノクロ画像領域の開始ライン領域と判定されたモノクロライン領域の開始点のX座標(入力画像の横方向(ライン方向)の位置)及びY座標(入力画像の縦方向(カラム方向)の位置)が設定される。終了点のX座標は、モノクロ画像領域の最後のモノクロライン領域の終了点のX座標が設定される。領域の長さは、モノクロ画像領域の縦方向の長さ(モノクロ画像領域に含まれるモノクロライン領域の数に相当する)が設定される。モノクロ画像領域の開始ライン領域が検出された場合、画像領域情報31の処理フラグ、開始点のX座標、開始点のY座標、及び終了点のX座標の値が設定される(また有効フラグは初期値として0が設定され、領域の長さは初期値として1が設定される)。
【0060】
図8は、開始終了点チェック手段54の処理を説明するための模式図である。モノクロライン領域検出手段52の開始終了点チェック手段54は、モノクロライン候補検出手段53に検出されたモノクロライン領域の候補が、モノクロ画像領域の開始ライン領域に続くモノクロライン領域であるか、新たなモノクロ画像領域の開始ライン領域に相当するモノクロライン領域であるか、又は、モノクロライン領域でないかを判定する処理を行う。
【0061】
開始終了点チェック手段54は、モノクロライン領域の候補の開始点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域(処理フラグが1のもの)の開始点のX座標とを比較し、その差分(ライン方向の座標差)が閾値(以下、第2閾値という)以内であるか否かを判定する。同様に開始終了点チェック手段54は、モノクロライン領域の候補の終了点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の終了点のX座標とを比較し、その差分が閾値(以下、第3閾値という)以内であるか否かを判定する。
【0062】
モノクロライン領域の候補の開始点及び終了点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の開始点及び終了点のX座標との差分がそれぞれ第2閾値及び第3閾値以内である場合、開始終了点チェック手段54は、このモノクロライン領域の候補を、比較したモノクロ画像領域に含まれるモノクロライン領域であると判定し、このモノクロ画像領域に係る画像領域情報31を更新する。このとき開始終了点チェック手段54は、画像領域情報31の領域の長さの値を1増加させる。
【0063】
またモノクロライン領域の候補の開始点又は終了点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の開始点又は終了点のX座標との差分が第2閾値又は第3閾値以内でない場合、開始終了点チェック手段54は、このモノクロライン領域の候補の幅が第1閾値以上であれば、新たなモノクロ画像領域の開始ライン領域であると判定し、画像領域情報31への登録を行う。更に、画像領域情報31に比較すべきモノクロ画像領域が存在しない場合も同様に、開始終了点チェック手段54は、このモノクロライン領域の候補の幅が第1閾値以上であれば、新たなモノクロ画像領域の開始ライン領域であると判定し、画像領域情報31への登録を行う。
【0064】
図9は、カラーチェック手段55の処理を説明するための模式図である。モノクロライン領域検出手段52のカラーチェック手段55は、1つのライン上にモノクロ画素が連続する領域中に、少数のカラー画素が含まれている場合であっても、この領域をモノクロライン領域の候補として扱うことを可能とするものである。カラーチェック手段55は、モノクロ画素が連続する領域中に存在するカラー画素の幅(連続するカラー画素の数)が閾値(以下、第4閾値という)以下である場合に、この領域をモノクロライン領域の候補とする。
【0065】
カラーチェック手段55は、まず、モノクロ画素が連続する領域の開始点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の開始点のX座標とを比較し、その差分が第2閾値以内であるか否かを判定する(この処理は開始終了点チェック手段54の処理と同様である)。またカラーチェック手段55は、モノクロ画素が連続する領域の幅が、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の開始ライン領域の幅より小さいか否かを判定する。差分が第2閾値以内であり、且つ、領域の幅が開始ライン領域の幅より小さい場合、カラーチェック手段55は、下記のカラーチェック処理を行う。
【0066】
カラーチェック処理において、カラーチェック手段55は、モノクロ画素が連続する領域の終了点の次の点をカラー画素の領域の開始点とし、この開始点から連続するカラー画素の領域の終了点を検出することで、カラー画素の領域の幅を得る。次いでカラーチェック手段55は、カラー画素の領域の幅が第4閾値以下であれば、このカラー画素の領域を無視してモノクロ画素の次の終了点を検出し、同様の処理を繰り返す。カラー画素の領域の幅が第4閾値を超える場合、カラーチェック手段55は、モノクロ画素が連続する領域が終了したと判定し、カラー画素を含むこの領域の開始点から終了点までをモノクロライン領域の候補とする。カラーチェック手段55によるモノクロライン領域の候補は、開始終了点チェック手段54の処理対象となる。
【0067】
このように、モノクロライン領域検出手段52にて検出されたモノクロライン領域に係る情報は、RAM13の画像領域情報31に順次的に記憶される。入力画像の各ラインについてモノクロライン領域検出手段52による処理が終了する都度、モノクロ画像領域検出手段56によるモノクロ画像領域の検出処理が行われる。
【0068】
まずモノクロ画像領域検出手段56は、画像領域情報31を参照して、モノクロライン領域検出手段52の処理中(処理フラグが1)のモノクロ画像領域について、処理が終了したか否かを判定する。処理が終了したか否かは、画像領域情報31の領域の幅の値が変化したか否かにより判断することができるため、モノクロ画像領域検出手段56は、画像領域情報31の各モノクロ画像領域について領域の幅の値を予めコピーし、領域の幅の最新の値とコピーした値とを比較することで判定を行っている。領域の幅の最新値とコピー値とが変化していない場合、モノクロ画像領域検出手段56は、このモノクロ画像領域について処理を終了したと判断し、処理終了と判定したモノクロ画像領域については画像領域情報31の処理フラグを0に設定する。
【0069】
次いでモノクロ画像領域検出手段56は、画像領域情報31を参照して、処理が終了したと判断したモノクロ画像領域について領域の長さが閾値(以下、第5閾値という)以上である場合(即ち第5閾値以上のモノクロライン領域が隣り合う場合)、このモノクロ画像領域が有効であると判定して有効フラグを1に設定する。有効フラグが1に設定された有効なモノクロ画像領域が、モノクロ画像領域検出手段56による検出結果となる。
【0070】
入力画像の全てのラインについてモノクロライン領域検出手段52による検出が終了し、モノクロ画像領域検出手段56による検出が終了した後、画像領域調整手段57によりモノクロ画像領域の調整(再検出)が行われる。図10及び図11は、画像領域調整手段57の処理を説明するための模式図である。例えばモノクロ画像領域検出手段56による検出の結果、図10に示すように2つのモノクロ画像領域A、Bが検出された場合において、2つのモノクロ画像領域A、B間の一又は複数のライン(ハッチングを付した部分)にはモノクロ画像領域として検出されるべき領域が含まれる可能性がある。これは例えば、このライン中にモノクロライン領域が検出されたにもかかわらず、領域の幅が第5閾値未満であったために有効と判定されなかった場合などである。画像領域調整手段57は、このような場合にモノクロ画像領域A又はBの調整を行うことによって、2つのモノクロ画像領域A、B間のラインの一部分をモノクロ画像領域A又はBに加える処理を行う。
【0071】
画像領域調整手段57は、まず、RAM13の画像領域情報31を参照して、有効と判定されたすべてのモノクロ画像領域の開始点のX座標及び終了点のX座標を比較し、いずれかのX座標が一致(ただし、数画素程度のズレは許容してもよい)するモノクロ画像領域が存在するか否かを調べる。開始点又は終了点(端点)のX座標が一致する2つのモノクロ画像領域が存在する場合、画像領域調整手段57は、一方のモノクロ画像領域の終了ラインのY座標と、他方のモノクロ画像領域の開始ラインのY座標から、2つのモノクロ画像領域の間隔を調べ、この間隔が閾値(以下、第6閾値という)以下であるか否かを判定する。
【0072】
2つのモノクロ画像領域の間隔が第6閾値以下の場合、画像領域調整手段57は、2つのモノクロ画像領域の横方向(ライン方向)の幅を比較し、幅が小さい方のモノクロ画像領域の画像領域情報31を、2つのモノクロ画像領域間のラインの一部分を含むように更新する。このとき画像領域調整手段57は、画像領域情報31の開始点のY座標又は領域の長さの値を更新すればよい。例えば図11に示すように、モノクロ画像領域Bの開始点のY座標を、2つのモノクロ画像領域間のラインの一部分を含むように、上方へ移動させることができる。
【0073】
画像表示装置1の画像処理部40は、PC9からの入力画像に対して上述のモノクロ画像領域の検出処理を終えた後、検出結果である画像領域情報31を参照しながら、カラー用LUT41又はモノクロ用LUT42を用いて入力画像の各画素の画素値を補正する処理を行う。この補正処理において画像処理部40は、検出されたモノクロ画像領域に含まれる画素に対してはモノクロ用LUT42を用いた補正を行い、モノクロ画像領域に含まれない画素に対してはカラー用LUT41を用いた補正を行えばよい。画像処理部40は、補正処理の終了後に、補正した画像の表示を行う。
【0074】
次にフローチャートを用いて、画像表示装置1が行う処理を説明する。図12及び図13は、画像表示装置1が行うモノクロ画像領域検出処理の手順を示すフローチャートであり、画像表示装置1の画像処理部40によって行われる処理である。画像表示装置1の画像処理部40は、まず、境界伸張手段51により入力画像のライン方向の両側に、2カラム分のカラー画素を追加することで入力画像の境界を伸長する処理を行う(ステップS1)。
【0075】
次いで画像処理部40は、モノクロライン領域検出手段52のモノクロライン候補検出手段53にて、入力画像の各画素がモノクロ画素であるかカラー画素であるかを判定し、ライン上にモノクロ画素が連続する領域の開始点及び終了点を検出することでモノクロライン領域の候補を検出する処理を行う(ステップS2)。また画像処理部40は、カラーチェック手段55にて、モノクロ画素が連続する領域中に存在するカラー画素の幅が第4閾値以下であるか否かを判定することにより、少数のカラー画素が含まれたモノクロライン領域の候補を検出するカラーチェック処理を行う(ステップS3)。
【0076】
次いで画像処理部40は、開始終了点チェック手段54にて、検出されたモノクロライン領域の候補の開始点及び終了点と、画像領域情報31に設定されたモノクロ画像領域の開始点及び終了点とを比較し、それぞれの差分が第2閾値及び第3閾値以内であるか否かを判定することにより、モノクロライン領域の候補が有効なモノクロライン領域であるか否か、更にはモノクロ画像領域の開始ライン領域であるか否かを判定する開始終了点チェック処理を行う(ステップS4)。
【0077】
この開始終了点チェック処理の結果から、画像処理部40は、モノクロライン領域の候補が開始ライン領域であるか否かを判定し(ステップS5)、モノクロライン領域の候補が開始ライン領域であれば(S5:YES)、画像領域情報31に新たなモノクロ画像領域の開始ラインとして開始点及び終了点の座標などの情報を登録し(ステップS7)、ステップS9へ処理を進める。
【0078】
またモノクロライン領域の候補が開始ライン領域でない場合(S5:NO)、画像処理部40は、モノクロライン領域の候補が有効なモノクロライン領域であるか否かを判定する(ステップS6)。画像処理部40は、モノクロライン領域の候補が有効なモノクロライン領域である場合には(S6:YES)、該当するモノクロ画像領域に係る画像領域情報31の領域の長さを更新し(ステップS8)、ステップS9へ処理を進め、モノクロライン領域の候補が有効なモノクロライン領域でない場合には(S6:NO)、画像領域情報31を更新することなくステップS9へ処理を進める。
【0079】
次いで画像処理部40は、入力画像の1ラインについてステップS2〜S8の処理を終了したか否かを判定し(ステップS9)、1ラインの処理を終了していない場合には(S9:NO)、ステップS2へ処理を戻し、1ラインの処理を終了するまで上記の処理を繰り返し行う。
【0080】
入力画像の1ラインの処理を終了した場合(S9:YES)、画像処理部40は、モノクロ画像領域検出手段56にて、画像領域情報31を基に、第5閾値以上の数の有効ライン領域がラインに直交する方向に隣り合った領域をモノクロ画像領域として検出するモノクロ画像領域検出処理を行う(ステップS10)。モノクロ画像領域検出処理の結果として、有効なモノクロ画像領域に係る画像領域情報31の有効フラグが1に設定される。
【0081】
次いで、画像処理部40は、入力画像の全ラインについてステップS2〜S10の処理を終了したか否かを判定し(ステップS11)、全ラインの処理を終了していない場合には(S11:NO)、ステップS2へ処理を戻し、全ラインの処理を終了するまで上述の処理を繰り返し行う。
【0082】
入力画像の全ラインの処理を終了した場合(S11:YES)、画像処理部40は、画像領域調整手段57にて、2つのモノクロ画像領域間に存在する第6閾値以下の数のラインについて、このラインの一部分をいずれかのモノクロ画像領域に加える画像領域調整処理を行い(ステップS12)、処理を終了する。
【0083】
図14は、画像表示装置1が行う画像表示処理の手順を示すフローチャートであり、画像表示装置1の画像処理部40によって行われる処理である。画像表示装置1の画像処理部40は、まず、RAM13から画像領域情報31を読み出して(ステップS21)、モノクロ画像領域の検出結果を取得する。
【0084】
次いで、画像処理部40は、PC9から与えられた入力画像の一画素を取得し(ステップS22)、この画素が画像領域情報31のモノクロ画像領域に含まれる画素であるか否かを判定することにより、この画素がモノクロ画素であるか否かを判定する(ステップS23)。この画素がモノクロ画像領域内の画素である場合(S23:YES)、画像処理部40は、モノクロ用LUT42による画素値の補正処理を行って(ステップS24)、ステップS26へ処理を進める。またこの画素がモノクロ画像領域内の画素でない場合(S23:NO)、画像処理部40は、カラー用LUT41による画素値の補正処理を行って(ステップS25)、ステップS26へ処理を進める。
【0085】
次いで、画像処理部40は、入力画像の全画素について画素値の補正処理を終了したか否かを判定し(ステップS26)、全画素の補正処理を終了していない場合には(S26:NO)、ステップS22へ処理を戻し、上述のステップS22〜S26の処理を繰り返し行う。入力画像の全画素の補正処理を終了した場合(S26:YES)、画像処理部40は、入力画像を液晶パネル19に表示する処理を行って(ステップS27)、処理を終了する。
【0086】
以上の構成の画像表示装置1は、PC9からの入力画像の各画素がモノクロ画素であるか否かを判定し、モノクロライン領域検出手段52が入力画像の各ラインからモノクロ画素で構成されるモノクロライン領域を検出し、モノクロ画像領域検出手段56が複数のモノクロライン領域で構成されるモノクロ画像領域を検出する。これによりモノクロ画素で構成されたモノクロ画像領域を入力画像から検出することができる。またモノクロ画像領域検出手段56により検出された2つのモノクロ画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、モノクロ画像領域の再検出(画像領域調整手段57によるモノクロ画像領域の調整)を行う構成とすることにより、モノクロ画像領域中のカラー画素による文字などの影響で検出されなかったモノクロ画像領域を再検出することができる。検出したモノクロ画像領域に対してはモノクロ用LUT42にて補正を行い、他の領域に対してはカラー用LUT41にて補正を行うことにより、画像表示装置1は、入力画像に含まれるモノクロの画像領域とカラーの画像領域とをそれぞれ最適な表示特性で表示することができる。
【0087】
また、モノクロライン候補検出手段53は、ライン中においてモノクロ画素が第1閾値以上連続する領域をモノクロライン領域の候補として検出することにより、例えばカラー画像領域に記入されたモノクロ画素の文字など、少数のモノクロ画素による領域をモノクロライン領域と誤判定することを防止できる。
【0088】
また、カラーチェック手段55は、モノクロ画素が連続する領域中に第4閾値以下のカラー画素が連続する領域が含まれている場合であっても、この領域をモノクロライン領域の候補として検出することにより、例えばモノクロ画像領域中にカラー画素の文字などが記入された場合であっても、モノクロ画像領域の検出を確実に行うことができる。
【0089】
また、開始終了点チェック手段54は、開始ライン領域の開始点及び終了点に対して、モノクロライン領域の候補の開始点及び終了点のズレ量がそれぞれ第2閾値及び第3閾値以内である場合に、このモノクロライン領域の候補を有効なモノクロライン領域とすることにより、矩形のモノクロ画像領域を精度よく検出することができる。
【0090】
また、モノクロ画像領域検出手段56は、第5閾値以上の数の有効ライン領域がラインに直交する方向に隣り合う領域を有効なモノクロ画像領域として検出することにより、誤検出されたモノクロライン領域による画像領域を有効なモノクロ画像領域と判定することを防止できる。
【0091】
また、画像領域調整手段57は、2つのモノクロ画像領域の開始点又は終了点が一致し、この2つのモノクロ画像領域間のライン数が第6閾値以下の場合に、この2つのモノクロ画像領域間の一又は複数のラインについて、モノクロ画像領域の調整(再検出)を行うことにより、誤判定によりモノクロ画像領域に含まれなかったラインを救済することができる。また画像領域調整手段57は、2つのモノクロ画像領域のうちライン方向の大きさが小さい方のモノクロ画像領域に、2つの有効画像領域間のラインの一部分を加えて新たなモノクロ画像領域とすることにより、ライン方向の大きさが大きい方のモノクロ画像領域にラインの一部分を加える場合と比較して、不適切な画素(カラーの画素)がモノクロ画像領域に加えられる可能性を低減できる。
【0092】
また、入力画像からモノクロ画像領域を検出する処理を、PC9ではなく画像表示装置1にて行う構成とすることにより、PC9にモノクロ画像領域検出用のアプリケーションソフトなどをインストールする必要がなく、画像表示装置1のみで適切な画像表示を行うことが可能となる。ただし、モノクロ画像領域の検出処理をPC9にて行い、処理結果をPC9から画像表示装置1へ与える構成としてもよく、更にはPC9にてカラー用LUT41及びモノクロ用LUT42による補正を行った画像を画像表示装置1へ入力する構成としてもよい。
【0093】
なお、本実施の形態においては、画像表示装置1が入力画像からモノクロの画像領域を検出する処理を行う構成としたが、これに限るものではなく、入力画像からカラーの画像領域を検出する構成としてもよい。また検出対象はモノクロの画像領域又はカラーの画像領域に限らず、例えば赤色単色の画像領域、輝度又は色度等が所定範囲内の画素で構成された画像領域など、その他の特定条件で区別される画像領域であってもよい。
【0094】
また、モノクロの画像領域の検出及び画素値の補正処理等を画像表示装置1の画像処理部40が行う構成としたが、これに限るものではなく、画像表示装置1の制御部11が行う構成としてもよい。この構成の場合、モノクロ画像領域の検出及び画素値の補正処理等の処理は制御プログラム21(コンピュータプログラム)の一処理として実現され、制御部11が制御プログラム21を実行することによって、図4に示した境界伸張手段51〜画像領域調整手段57がソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。更には、これらの処理をPC9にて行い、画像表示装置1はPC9から入力された画像信号を直接的に表示する構成としてもよい。この構成の場合、PC9にはこれらの処理を行うためのコンピュータプログラム(例えばデバイスドライバなどとして)予めインストールされ、PC9がコンピュータプログラムを実行することによって、図4に示した境界伸張手段51〜画像領域調整手段57がPC9にてソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。
【符号の説明】
【0095】
1 画像表示装置
9 PC
11 制御部
12 ROM
13 RAM
14 バックライト駆動部
15 液晶駆動部
16 操作部
17 画像入力部
18 バックライト
19 液晶パネル
21 制御プログラム
31 画像領域情報
40 画像処理部(有効画素判定手段、有効ライン領域検出手段、有効画像領域検出手段、再検出手段)
41 カラー用LUT
42 モノクロ用LUT
51 境界伸張手段
52 モノクロライン領域検出手段(有効画素判定手段、有効ライン領域検出手段)
53 モノクロライン候補検出手段
54 開始終了点チェック手段
55 カラーチェック手段
56 モノクロ画像領域検出手段(有効画像領域検出手段)
57 画像領域調整手段(再検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される入力画像を表示する画像表示装置において、
入力画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かを判定する有効画素判定手段と、
前記入力画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出する有効ライン領域検出手段と、
前記入力画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出する有効画像領域検出手段と、
前記有効ライン領域検出手段及び前記有効画像領域判定手段による検出を行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域の再検出を行う再検出手段と
を備え、
前記有効画像領域検出手段及び前記再検出手段により検出された有効画像領域と他の画像領域とをそれぞれ異なる表示特性で表示するようにしてあること
を特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記有効画素判定手段は、各画素がモノクロームの画素であるか又はカラーの画素であるかに応じて、有効画素を判定するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記有効ライン領域検出手段は、有効画素が所定数以上連続するライン上の領域を有効ライン領域として検出するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記有効ライン領域検出手段は、有効画素が連続するライン上の領域に、所定数以下の有効画素以外の画素が連続する領域が含まれる場合であっても、前記領域を有効ライン領域として検出するようにしてあること
を特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記有効ライン領域検出手段は、
前記入力画像の先頭のライン又は有効ライン領域を含まないラインの次のラインに含まれる有効ライン領域を開始ライン領域とし、
該開始ライン領域を含むライン以降のラインについて、有効画素が所定数以上連続し、且つ、前記開始ライン領域の端点に対するライン方向の座標差が所定値以内の領域を、有効ライン領域として検出するようにしてあること
を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記有効画像領域検出手段は、有効ライン領域を所定数以上含む領域を前記有効画像領域として検出するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記再検出手段は、前記入力画像のライン方向について前記2つの有効画像領域の一の端点の位置が同じ場合に、該2つの有効画像領域の間に存在するラインについて再検出を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記再検出手段は、2つの前記有効画像領域の間のラインの数が所定数以下の場合に、該ラインについて再検出を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記再検出手段は、前記2つの有効画像領域のうち、前記入力画像のライン方向についての大きさが小さい一方の有効画像領域に、前記2つの有効画像領域間のラインの一部分を加えた画像領域を、有効画像領域として再検出するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項10】
それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される画像から特定条件を満たす画素で構成される画像領域を検出する画像領域検出方法において、
前記画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かの判定を行い、
前記画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域の検出を行い、
前記画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域の検出を行い、
前記有効ライン領域の検出及び前記有効画像領域の検出を行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域の再検出を行うこと
を特徴とする画像領域検出方法。
【請求項11】
コンピュータに、それぞれが所定数の画素を含む複数のラインで構成される画像から特定条件を満たす画素で構成される画像領域を検出させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記画像中の各画素が特定条件を満たす有効画素であるか否かを判定させる有効画素判定ステップと、
コンピュータに、前記画像中の各ラインから、複数の有効画素で構成される有効ライン領域を検出させる有効ライン領域検出ステップと、
コンピュータに、前記画像から、ラインに直交する方向に隣り合う複数の有効ライン領域で構成される有効画像領域を検出させる有効画像領域検出ステップと、
コンピュータに、前記有効ライン領域検出ステップ及び前記有効画像領域検出ステップを行った後、2つの有効画像領域の間に存在する一又は複数のラインについて、前記2つの有効画像領域の端点の位置に応じて、有効画像領域を再検出させる再検出ステップと
を含むこと
を特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−232382(P2011−232382A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99839(P2010−99839)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】