説明

画像表示装置および画像表示システム

【課題】操作性の高い仮想入力面を作成するプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ100は、机20上にVUI画面22を投影し、壁30上に本投影画面32を投影する。プロジェクタ100は、受光素子170を備える。受光素子170は、机20(VUI画面22の被投射面)に向かって照射され、机20付近の物体10により反射(あるいは散乱)された光が入射する位置に設置される。プロジェクタ100は、受光素子170の光検出タイミングおよび各時刻での光の走査位置に基づいて、物体10の位置を算出する。プロジェクタ100は、VUI画面22の複数の箇所に同時に物体10が接触しており、かつ、少なくとも1つの接触位置が移動したと判断したときに、投影画面を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を投影する画像表示装置および画像表示システムに関する。特に、本発明は、レーザ光によって画像を投影する画像表示装置および画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な場面で、スクリーン、壁等の被投射面に画像を投影するプロジェクタが用いられている。近年では、様々な種類のプロジェクタの開発が進められている。
【0003】
プロジェクタの1つの用途に、仮想キーボードがある。例えば、特表2004−523031号公報(特許文献1)に、仮想キーボードとして用いることのできるデータ入力装置が開示されている。このデータ入力装置は、係合面に光を照射する照明装置と、オブジェクトと係合面との係合によって散乱した照明装置からの光を感知するセンサと、センサの出力を受信し、データエントリ入力を利用回路に供給するプロセッサとを備える。
【0004】
特許第4158917号公報(特許文献2)に開示されているプロジェクタは、第1の面に仮想キーボード画像を表示し、第2の面にユーザ出力表示画像を表示する。仮想キーボード画像の下部は、キーストローク検出システム上に重ねられる。
【0005】
特開2000−305706号公報(特許文献3)に開示されているデータ入力装置は、デバイスの本体の外側にある入力エリアに一時的に出現する障害物を検出し、データ入力を決定する。このデータ入力装置は、レーザダイオードと回析オプティックスとを使用して、入力エリアにバーチャル・キーボードの映像を投影する。データ入力装置は、赤外線送信装置と受信装置とを用いて、バーチャル・キーボード上にあるポインタまたは指の検出を行なう。
【0006】
特開2006−295779号公報(特許文献4)に開示されている携帯情報機器は、第1の筐体と、第1の筐体と開閉可能に接続される第2の筐体とを備える。第1の筐体は、仮想キーボードを入力表示エリアに映し出す投射型入力表示デバイスと、文字データや画像データをディスプレイ表示エリアを映し出す投射型ディスプレイ表示デバイスと、入力表示エリアに出現する障害物を検出する入力決定デバイスとを有する。第1の筐体と第2の筐体とのなす開閉角度は、変更可能である。開閉角度の変更により、携帯情報機器は、入力表示エリアとディスプレイ表示エリアとを、様々な位置に設定できる。
【0007】
ところで、ユーザ操作の受け付けのためには、画像を表示するスクリーンにタッチパネルを組み合わせる技術も知られている。特開2007−108570号公報(特許文献5)に開示されているプロジェクタ装置は、プロジェクタ装置から投射される光の一部を、プロジェクタ装置近傍の子スクリーンに投影する。子スクリーンは、スクリーンと、スクリーンに重ねあわされたタッチパネルとを含む。プロジェクタ装置は、子スクリーンへの使用者操作をPC(Personal Computer)等に送信する。
【0008】
なお、特許文献5に開示されているような、タッチパネルと表示画面との組み合わせは、プロジェクタ以外の機器にも用いられている。例えば、特開2008−070968号公報(特許文献6)に開示されている表示処理装置は、タッチパネルに接触された2本の指の位置情報に基づいて、表示画像の移動、回転、拡大あるいは縮小を行なう。
【0009】
特開2003−344059号公報(特許文献7)に開示されているナビゲーション装置は、地図を表示するナビゲーション画面上の少なくとも2点への連続した入力操作をタッチパネルにより検出する。また、ナビゲーション装置は、入力操作の操作方向を判断し、操作方向に応じて、地図の縮尺を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2004−523031号公報
【特許文献2】特許第4158917号公報
【特許文献3】特開2000−305706号公報
【特許文献4】特開2006−295779号公報
【特許文献5】特開2007−108570号公報
【特許文献6】特開2008−070968号公報
【特許文献7】特開2003−344059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1などに記載のような、対象物の反射光に基づいて対象物の位置を決定するプロジェクタは、高精度に対象物の位置を決定できない。この問題は、対象物の散乱光が広がりを持つことや、対象物の角度が一定でないことなどに起因する。
【0012】
したがって、このようなプロジェクタにとって、仮想入力面へのクリック動作の有無を判定することは難しい。このようなプロジェクタは、対象物が、仮想入力面に接触したかどうかを精度よく判定できないためである。そのため、プロジェクタのユーザは、仮想入力面を利用して、スムーズに操作を行なうことができなかった。また、ユーザは、仮想入力面を利用して、様々な種類の操作を行なうことが難しかった。
【0013】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、操作性の高い仮想入力面を作成するプロジェクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの局面に従うと、レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示装置であって、レーザ光を出力するレーザ光源と、レーザ光をフレーム単位で走査する走査手段と、走査手段により走査されたレーザ光を、第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割する光分割素子と、第2の被投射面上の外部物体により反射された第2のレーザ光を検出する光検出器と、画像表示装置の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、走査手段を所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、画像に対応する画像データおよび走査周波数に基づいて、レーザ光源がレーザ光を出力するタイミングを制御する光源制御手段と、光検出器の光検出タイミングにおけるレーザ光の走査位置に基づいて、外部物体の位置を算出する位置算出手段と、所定数のフレームの走査期間に含まれる光検出タイミングに基づいて複数の位置が算出され、かつ、少なくとも1つの位置が移動すると、画像データを変更するための指示を作成する指示手段とを含む。
【0015】
好ましくは、指示手段は、位置算出手段が算出した第1の位置が所定の領域内にあり、かつ、位置算出手段が算出した第2の位置が移動すると、指示を作成する。
【0016】
さらに好ましくは、所定の領域は、アイコンの表示領域である。
さらに好ましくは、指示手段は、第2の位置がしきい距離よりも長く移動すると、指示を作成する。
【0017】
さらに好ましくは、指示手段は、所定の期間内に2つの指示位置が相対的に移動するとき、指示を作成する。
【0018】
さらに好ましくは、指示手段は、2つの指示位置の相対的な移動の種類に基づいて、作成する指示を決定する。
【0019】
さらに好ましくは、指示手段は、2つの指示位置の移動の方向に基づいて、作成する指示を決定する。
【0020】
さらに好ましくは、指示手段は、2つの指示位置間の距離の増減に基づいて、作成する指示を決定する。
【0021】
さらに好ましくは、指示手段は、2つの指示位置の移動距離がしきい値を上回ると、指示を作成する。
【0022】
本発明の他の局面に従うと、レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示装置であって、レーザ光を出力するレーザ光源を備え、レーザ光源は、赤色レーザ光および青色レーザ光を出力する2色レーザと、緑色レーザ光を出力する緑色レーザとを含み、レーザ光をフレーム単位で走査する共振型MEMSミラーと、共振型MEMSミラーにより走査されたレーザ光を、第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割するビームスプリッタと、第2の被投射面上の外部物体により反射された第2のレーザ光を検出するフォトダイオードと、画像表示装置の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、共振型MEMSミラーを所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、画像に対応する画像データおよび走査周波数に基づいて、レーザ光源によるレーザ光の出力を制御する光源制御手段と、フォトダイオードの光検出タイミングにおけるレーザ光の走査位置に基づいて、外部物体の位置を算出する位置算出手段と、共振型MEMSミラーが所定数のフレームを走査する間の光検出タイミングに基づいて位置算出手段が複数の位置を算出し、かつ、少なくとも位置が移動すると、画像データを変更するための指示を作成する指示手段とを含む。
【0023】
好ましくは、画像表示装置を電子機器に接続可能なインターフェースをさらに備え、光源制御手段は、画像表示装置に接続された電子機器が画像表示装置に送信した画像データに基づいて、レーザ光の出力を制御し、インターフェースは、指示を電子機器に送信する。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示システムであって、画像表示システムは、画像表示装置と電子機器とを備え、画像表示装置は、画像表示装置を電子機器に接続可能な画像表示装置側インターフェースと、レーザ光を出力するレーザ光源と、レーザ光をフレーム単位で走査する走査手段と、走査手段により走査されたレーザ光を、第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割する光分割素子と、第2の被投射面上の外部物体により反射された第2のレーザ光を検出する光検出器と、画像表示装置の動作を制御する制御手段とを含み、制御手段は、走査手段を所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、画像に対応する画像データおよび走査周波数に基づいて、レーザ光源によるレーザ光の出力を制御する光源制御手段と、光検出器の光検出タイミングにおけるレーザ光の走査位置に基づいて、外部物体の位置を算出する位置算出手段と、走査手段が画像の所定数のフレームを走査する間の光検出タイミングに基づいて位置算出手段が複数の位置を算出し、かつ、少なくとも1つの算出された位置が移動すると、画像データを変更するための指示を作成し、画像表示装置側インターフェースに指示を電子機器に送信させる指示手段とを有し、電子機器は、電子機器を画像表示装置に接続する電子機器側インターフェースと、電子機器側インターフェースが画像表示装置に送信する画像データを作成する画像作成部とを含み、画像作成部は、指示に基づいて、作成する画像データを変更する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るプロジェクタは、プロジェクタが投影するVUI画面付近の物体により反射(あるいは散乱)された光が入射する位置に設置された受光素子を備える。プロジェクタは、受光素子の光検出タイミングおよび各時刻での光の走査位置に基づいて、物体の位置を算出する。プロジェクタは、VUI画面の複数の箇所に同時に物体が接触しており、かつ、少なくとも1つの接触位置が移動したと判断したときに、投影画面を変更する。したがって、プロジェクタは、操作性の高い仮想入力面を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施の形態に係るプロジェクタの使用態様を表わす図である。
【図2】プロジェクタの主要なハードウェア構成を示す図である。
【図3】プロジェクタのハードウェア構成をより詳しく説明した図である。
【図4】プロジェクタの機能的構成を示す図である。
【図5】VUI画面上の物体の位置特定に関係する光路を示す図である。
【図6】散乱光の検出タイミングに基づく接触位置の決定について説明するための図である。
【図7】VUI画面への操作に基づくプロジェクタの動作の一例を説明するための図である。
【図8】VUI画面への操作に基づくプロジェクタの動作の他の例を説明するための図である。
【図9】プロジェクタが行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【図10】相対移動に基づく動作指示の決定処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【図11】1つの指示位置の移動に基づく動作指示の決定処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係るプロジェクタの使用態様を示す図である。
【図13】電子機器のハードウェア構成をブロック図形式で示す図である。
【図14】プロジェクタシステムの機能的構成を示す図である。
【図15】プロジェクタシステムが行なう処理の流れをシーケンス図形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0028】
[第1の実施の形態]
<概要>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るプロジェクタ100の使用態様について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るプロジェクタ100の使用態様を表わす図である。
【0029】
図1では、プロジェクタ100は、机20上に配置されて使用されている。プロジェクタ100は、VUI(Virtual User Interface)画面22を第1の方向に投影する。また、プロジェクタ100は、本投影画面32を、第1の方向と異なる第2の方向に投影する。
【0030】
本投影画面32は、通常、多くの人が見ることのできるように投影される。図1では、プロジェクタ100は、本投影画面32を壁30に投影する。ただし、壁30は、本投影画面32が投影される被投射面の一例である。壁30のかわりに、スクリーンなどを用いてもよい。
【0031】
VUI画面22は、ユーザの参照用の画面である。VUI画面22は、通常、プロジェクタ100の近傍に投影される。図1では、プロジェクタ100は、VUI画面22を机20上に投影している。
【0032】
プロジェクタ100は、単一の画像を、プロジェクタ100内の光学素子(図1には示さず)により、VUI画面22と、本投影画面32とに分割している。したがって、VUI画面22と本投影画面32とは、拡大率を除き、基本的に同一である。なお、通常、プロジェクタ100は、VUI画面22の大きさが本投影画面32の大きさよりも小さくなるように設計される。
【0033】
プロジェクタ100は、光を検出するための受光素子170を備える。受光素子170は、机20(VUI画面22の被投射面)に向かって照射され、机20付近の物体10により反射(あるいは散乱)された光が入射する位置に設置される。なお、図1では、物体10をペンであるとして描いているが、物体10はペンに限られない。例えば、物体10は、ユーザの指であっても構わない。ただし、物体10は、受光素子170が光を検出できるように、プロジェクタ100からの光を散乱することが好ましい。
【0034】
本実施の形態では、受光素子170は、フォトダイオードであるとする。ただし、フォトダイオードのかわりに、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどを用いてもよい。
【0035】
プロジェクタ100は、受光素子170の検出結果に基づいて、物体10の位置を算出する。また、プロジェクタ100は、算出した物体10の位置に基づいて、VUI画面22と本投影画面32との双方(以下、これらをまとめて「投影画面」とよぶ)の表示制御を行なう。ユーザは、VUI画面22へ物体10により指示を与えることで、投影画面上のポインタを移動したり、投影画面の表示内容(表示スライドのページなど)を変更したりできる。ユーザは、ユーザの近くにあるVUI画面22を用いて、VUI画面22と同内容の本投影画面32を変化させることができる。そのため、ユーザは、直感的に本投影画面32に対する操作を行ないやすい。
【0036】
なお、プロジェクタ100の形状および大きさは、図1に示すものに限られるわけではない。プロジェクタ100は、例えば、携帯可能な大きさのモバイル型のプロジェクタであってもよいし、据付型のプロジェクタであってもよい。
【0037】
<ハードウェア構成>
プロジェクタ100のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。図2は、プロジェクタ100の主要なハードウェア構成を示す図である。
【0038】
プロジェクタ100は、レーザ光を被投射面に照射して被投射面に画像を表示する、いわゆるレーザプロジェクタである。プロジェクタ100は、光学系110と、レーザ制御回路120と、投影位置算出コントローラ130と、CPU(Central Processing Unit)140と、ミラーコントローラ150と、XYドライバ160と、受光素子170と、アンプ180と、A/D変換器190とを備える。
【0039】
光学系110は、緑色レーザ111と、2色レーザ112と、第1のビームスプリッタ113と、コリメートレンズ114と、スキャンミラー115と、第2のビームスプリッタ116と、第3のビームスプリッタ117と、レンズL1と、光検出器118と、レーザパワー検出器119とを含む。
【0040】
緑色レーザ111は、緑色レーザ光を出射する。なお、緑色レーザ光を発振できるレーザがない場合、赤色レーザ光を出射する赤色レーザとSHG(Second−Harmonic Generation)素子との組み合わせを緑色レーザ111として用いてもよい。
【0041】
2色レーザ112は、赤色レーザと青色レーザとを出射する。2色レーザ112のパッケージ内には、赤色レーザ光を発振する赤色レーザチップと、青色レーザ光を発振する青色レーザチップとが組み込まれている。
【0042】
2色レーザ112を用いることにより、互いに独立な赤色レーザと青色レーザとを用いる場合に比べ、部品点数の削減や光学系110の小型化が可能となる。ただし、使用に耐えうるかどうか、あるいは、価格等の観点から製品化に適切な2色レーザ112が準備できない場合は、2色レーザ112のかわりに、互いに独立な赤色レーザと青色レーザとを用いてもよい。
【0043】
第1のビームスプリッタ113は、緑色レーザ光の光路と、赤色レーザ光および青色レーザ光の光路とを重ね合わせて、コリメートレンズ114に出力する。また、第1のビームスプリッタ113は、各色のレーザ光の一部を、レーザパワー検出器119に出力する。第1のビームスプリッタ113の光の反射率(あるいは透過率)は、レーザパワー検出器119でレーザパワーが測定できる範囲で、コリメートレンズ114側になるべく光が出力されるように設定されていることが好ましい。なお、第1のビームスプリッタ113は、レーザ光の光路を合成する合成素子の一例であり、第1のビームスプリッタ113のかわりに、他の光学素子を用いても構わない。
【0044】
コリメートレンズ114は、第1のビームスプリッタ113を通った光を集光し、平行光にする。
【0045】
スキャンミラー115は、駆動信号を受けて、レーザ光を走査し、表示対象の画像の画素ごとに選択的に被投射面に向けて照射する。本実施の形態では、スキャンミラー115は、XY方向に走査を行なう共振型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーであるとする。共振型MEMSミラーには、小型、低消費電力、安価に製造可能、といった利点がある。ただし、スキャンミラー115は、共振型MEMSミラーに限られない。例えば、スキャンミラー115として、他のタイプの共振型走査ミラーやDMD(Digital Micromirror Device)、あるいは、2軸ガルバノミラーなどを用いてもよい。
【0046】
本実施の形態では、スキャンミラー115は、レーザ光を2次元的に走査する。スキャンミラー115としては、2軸型のものを用いることができる。あるいは、2つの1軸のスキャンミラーを組み合わせたものを、スキャンミラー115として用いてもよい。
【0047】
スキャンミラー115は、レーザ光を画像のフレーム単位で走査する。スキャンミラー115は、1フレームの間に、画像の画素数に応じた回数、走査位置を変更する。スキャンミラー115は、この走査位置の一連の変更を、フレームごとに繰り返す。
【0048】
第2のビームスプリッタ116は、スキャンミラー115により走査されたレーザ光を異なる方向に進行する2つのレーザ光に分割する。第2のビームスプリッタ116からの一方のレーザ光は、第3のビームスプリッタ117に入射する。第2のビームスプリッタ116からの他方のレーザ光は、光検出器118に入射する。
【0049】
具体的には、第2のビームスプリッタ116を透過したレーザ光が、第3のビームスプリッタ117に入射する。また、第2のビームスプリッタ116により反射されたレーザ光が、光検出器118に入射する。第2のビームスプリッタ116の反射率は、各被投射面になるべく多くの光が投射できるように、光検出器118で反射光を検出できる範囲内でなるべく低いことが好ましい。なお、ここで説明した透過光と反射光との関係は、逆であってもよい。
【0050】
第3のビームスプリッタ117は、第2のビームスプリッタ116からのレーザ光を、机20(VUI画面22の被投射面)に向かうレーザ光と、壁30(本投影画面32の被投射面)に向かうレーザ光とに分割する。本実施の形態では、第3のビームスプリッタ117は、光の透過率が50%のハーフミラーであるとする。したがって、本投影画面32とVUI画面22とは、ほぼ同じ明るさである。ただし、第3のビームスプリッタ117の光の透過率は、50%に限られない。
【0051】
光検出器118は、光検出器118の検出面に入射した光を検出する。光検出器118の検出結果は、スキャンミラー150の触れ角(あるいは各被投射面への画像の投影範囲)を検出するために用いられる。また、これらの検出結果は、画像投影のためのレーザ光の打ち出しタイミングの確認にも用いられる。
【0052】
ただし、スキャンミラー150の触れ角や打ち出しタイミングを検出するためには、他の方法を用いることもできる。例えば、スキャンミラー150自身の信号を検知する検出器を用いてもよい。例えば、電磁誘導型の共振型MEMSミラーの逆起電力や、静電容量型の共振型MEMSミラーのピエゾ信号を検知する方法もある。
【0053】
光検出器118を用いる場合、光検出器118をスキャンミラー115の後方に配置する必要があるため、光検出器118の検出面サイズを大きくする必要がある。しかしながら、スキャンミラー150自身の信号を検知する方法によれば、光検出器118は不要であり、プロジェクタ100を小型化できる。また、これらの方法によれば、プロジェクタ100の製造コストを低減できる。
【0054】
なお、スキャンミラー150自身の信号を検知する検出器を用いる場合も、光検出器118を同位置に設け、光検出器118をAPC(Auto Power Control)に用いてもよい。ただし、APC用の光検出器は、スキャンミラー150へ入射する前の光を検出できる位置に配置してもよい。
【0055】
レーザパワー検出器119は、第1のビームスプリッタ113からの光の強度を測定する。レーザパワー検出器119の検出結果は、緑色レーザ111および2色レーザ112が出力するレーザ光の強度の制御に用いられる。
【0056】
なお、光学系110の構成は上記のものに限られるわけではない。光学系110は、走査されたレーザ光が、各被投射面に投射されるように配置された複数の光学素子を含むものであればよい。
【0057】
レーザ制御回路120は、レーザパワー検出器119の検出結果に基づいて、緑色レーザ111および2色レーザ112を制御する。具体的には、レーザ制御回路120は、緑色レーザ111および2色レーザ112が、所定のタイミングで指定された強度のレーザ光を出力するように、緑色レーザ111および2色レーザ112の駆動電流などを制御する。
【0058】
投影位置算出コントローラ130は、光検出器118の検出結果に基づいて、画面の投影位置(スキャンミラー115により走査された光の進行方向)を検出する。具体的には、投影位置算出コントローラ130は、レーザ光の出力タイミングの指定値と、光検出器118によるレーザ光の検出タイミングとに基づいて、画面の投影位置を検出する。検出された投影位置は、走査異常の検出に用いられる。
【0059】
CPU140は、レーザ制御回路120、投影位置算出コントローラ130、および、ミラーコントローラ150の動作を制御する。例えば、CPU140は、投影画像に応じた画像信号をレーザ制御回路120に送る。また、CPU140は、投影位置算出コントローラ130の検出結果(投影位置)をミラーコントローラ150に与える。
【0060】
ミラーコントローラ150は、XYドライバ160の駆動信号を作成する。駆動信号は、スキャンミラー150の駆動周波数や駆動波形を指定する。詳しくは、ミラーコントローラ150は、垂直方向コントローラ151と、水平方向コントローラ152とを含む。垂直方向コントローラ151は、Y方向についての駆動信号を作成する。水平方向コントローラ152は、X方向についての駆動信号を作成する。
【0061】
特に、ミラーコントローラ150は、光検出器118により検出された投影位置の変化に応じて、XYドライバ160の駆動信号を変更する。つまり、ミラーコントローラ150は、CPU140から投影位置に応じた信号を受け取り、受け取った信号に基づいて、XYドライバ160の駆動信号を作成する。
【0062】
XYドライバ160は、ミラーコントローラ150からの駆動信号に応じて、スキャンミラー115に走査動作を行なわせる。具体的には、XYドライバ160は、スキャンミラー115(共振型MEMSミラー)に対して、駆動信号に応じた波形の電流を生成し、生成した電流をスキャンミラー115に与える。
【0063】
より詳しくは、XYドライバ160は、ミラーコントローラ150からの駆動周波数の制御指示あるいは波形パターンの生成または切替指示に基づいて、水平方向駆動(高速駆動)のためのパルス矩形波や、垂直方向駆動のためのDC波形を生成する。
【0064】
XYドライバ160は、水平方向については、矩形波によって、スキャンミラー115を共振駆動する。共振駆動は、少ない電流でスキャンミラー115を高速に動かすことができる。XYドライバ160は、スキャンミラー115固有の共振周波数にあわせたパルスで、スキャンミラー115を駆動する。
【0065】
XYドライバ160は、垂直方向については、スキャンミラー115を低速DC駆動する。低速DC駆動は、スキャンミラー115の位置を電流によって、所望の位置に制御可能である。垂直駆動波形は、投影画像のフレームの投影期間中、徐々に時間とともに減少(あるいは増加)する電流パターンの繰り返しとなる。垂直の駆動周波数が、フレームレートを規定する。
【0066】
プロジェクタ100の水平方向の解像度は、水平1走査期間中にレーザがレーザ光を出力する回数により決まる。したがって、プロジェクタ100の水平方向の解像度は、スキャンミラー115の共振周波数、および、レーザの打ち出し周波数に依存する。
【0067】
一方、プロジェクタ100の垂直方向の解像度は、垂直駆動波形によって決まる。詳しくは、垂直方向の1往復期間に、スキャンミラー115が垂直方向の解像度分のラインを走査できるように、垂直駆動波形の1サイクルにおいて、投影方向(走査の往路あるいは復路)の波形が時間的に占める比率が、設定される。
【0068】
なお、プロジェクタ100の解像度は、走査方式にも依存する。具体的には、プロジェクタ100の解像度は、走査方式がプログレッシブ方式であるかインターレース方式であるかによっても異なる。
【0069】
走査方式は、レーザ光の出力期間と、走査の往路あるいは復路の期間との関係により決まる。本実施の形態では、スキャンミラー115は、光をフレームの上から下に走査するものとする。つまり、レーザは、往路期間に、レーザ光を出力する。ただし、走査方向は、これに限られない。例えば、レーザが復路期間にレーザ光を出力すると、走査方向は逆(下から上)になる。また、レーザが、往路期間および復路期間の両方でレーザ光を出力すると、光は、双方向に走査される。
【0070】
なお、低速(垂直方向)ミラーも共振周波数を有している。そのため、ミラーコントローラ151は、垂直方向の駆動周波数の高調波を、高調波が共振周波数成分にかからないように、アナログおよびデジタル的に除去する。ただし、XYドライバ160が、このようなフィルタ処理を行なってもよい。
【0071】
受光素子170は、受光素子170に入射した光を検出し、光の検出に応じた検出信号をアンプ180に出力する。すでに説明したように、受光素子170は、机20上の物体10による散乱光を検出する。
【0072】
アンプ180は、受光素子170からの検出信号を増幅して、増幅した検出信号をA/D変換器190に出力する。A/D変換器190は、アンプ180からの信号をデジタル信号に変換し、CPU140に与える。
【0073】
プロジェクタ100の構成について、図3を参照してより詳しく説明する。図3は、プロジェクタ100のハードウェア構成をより詳しく説明した図である。なお、図3では、すでに図2に示している構成のいくつか(受光素子170、アンプ180など)は、省略している。
【0074】
プロジェクタ100は、光学系110と、レーザ制御回路120と、フロントエンド用FPGA(Field Programmable Gate Array)310と、デジタル信号プロセッサ320と、操作パネル330と、バックエンドブロック340と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)344と、ビデオRAM345とを含む。
【0075】
操作パネル330は、プロジェクタ100の筐体の表面あるいは側面に設けられる。操作パネル330は、たとえば、操作内容を表示するディスプレイ装置(図示しない)と、プロジェクタ100に対する操作入力を受け付けるスイッチ(たとえばプラス・マイナスボタン)とを含む。操作パネル330は、操作を受け付けると、受け付けた操作に応じた信号をバックエンドブロック340に含まれるCPU140に送出する。
【0076】
バックエンドブロック340は、CPU140と、ビデオインターフェース342と、外部インターフェース343とを含む。
【0077】
ビデオインターフェース342は、プロジェクタ100の外部から与えられた画像信号(外部ビデオ信号)を受け付ける。ビデオインターフェース342には、パソコンなどが接続される。
【0078】
外部インターフェース343は、SDカード380の装着を受け付ける。外部インターフェース343は、SDカード380からデータを読み出す。CPU140は、読み出されたデータを、SDRAM344あるいはビデオRAM345に格納する。なお、外部インターフェース343は、SDカード380以外の記憶媒体を取り扱うものであってもよい。
【0079】
CPU140は、操作パネル330に対して与えられた操作入力などに応じて、ビデオインターフェース342あるいは外部インターフェース343を介してプロジェクタ100に入力された信号に基づく画像の投影を制御する。より詳しくは、CPU140は、入力された信号に基づく画像データをビデオRAM345に格納する。CPU140は、フロントエンド用FPGA310内のタイミングコントローラ311を制御し、ビデオRAM345の画像データに基づく画像の投影を制御する。
【0080】
フロントエンド用FPGA310は、データ/階調変換器314と、タイミングコントローラ311と、データコントローラ312と、ビットデータ変換器313とを含む。
【0081】
タイミングコントローラ311は、CPU140から送られる指令に基づいてデータコントローラ312を介してビデオRAM345に保持されている画像データを読み出す。また、タイミングコントローラ311は、デジタル信号プロセッサ320の制御も行なう。
【0082】
データコントローラ312は、ビデオRAM345から読み出した画像データをビットデータ変換器313に送出する。
【0083】
ビットデータ変換器313は、タイミングコントローラ311からの命令に基づいて、画像データを、レーザ発光によって投影するのに適合した形式のデータに変換する。また、形式変換後の画像データを、データ/階調変換器314に送出する。
【0084】
データ/階調変換器314は、ビットデータ変換器313から出力されたデータを、G(Green)、R(Red)、B(Blue)の3色として表示するための色の階調データに変換する。データ/階調変換器314は、変換後のデータを、レーザ制御回路120に送出する。
【0085】
レーザ制御回路120は、図1では詳しく示していなかったものの、緑色レーザ制御回路121と、赤色レーザ制御回路122と、青色レーザ制御回路123とを含む。緑色レーザ制御回路121は、G階調データに基づいて、緑色レーザ111の出力するレーザ光の出力タイミングおよび強度を制御する。具体的には、例えば、緑色レーザ制御回路121は、緑色レーザ111に与える駆動電流を調整して、緑色レーザ光の強度を調整する。赤色レーザ制御回路122および青色レーザ制御回路123も、緑色レーザ制御回路121と同様に動作する。
【0086】
デジタル信号プロセッサ320は、ミラーコントローラ150と、変換器322とを含む。
【0087】
ミラーコントローラ150は、タイミングコントローラ311からの命令に基づいて、スキャンミラー115の動作を制御する。詳しくは、ミラーコントローラ150は、命令に基づいて、XYドライバ160を駆動する駆動信号を作成する。XYドライバ160は、駆動信号に基づいて、スキャンミラー115の動作を制御することで、レーザ光を走査する。
【0088】
変換器322は、ミラーコントローラ150から送られる信号を、CPU140に伝送する。たとえば、変換器322は、XYドライバ160への駆動信号と、XYドライバ160の状態とを含む信号を生成し、生成した信号をCPU140に送出する。CPU140は、この信号に基づいて走査異常の有無を判定し、走査に異常がある場合、画像の投影を中止する。
【0089】
<機能的構成>
プロジェクタ100の機能的構成について、図4を参照して説明する。図4は、プロジェクタ100の機能的構成を示す図である。
【0090】
図4を参照して、プロジェクタ100は、レーザ光源410と、レーザパワー検出部412と、走査部414と、第1の光分割部415と、第2の光分割部416と、光検出部418と、入力部430と、インターフェース部450と、記憶部470と、受光部480と、制御部490とを含む。
【0091】
レーザ光源410は、レーザ光を出力する。本実施の形態では、レーザ光源410は、RGBの3色のレーザ光を出力する。緑色レーザ111、2色レーザ112および第1のビームスプリッタ113がレーザ光源410に相当する。
【0092】
レーザパワー検出部412は、レーザ光源410から出力されたレーザ光の強度を検出する。第1のビームスプリッタ113およびレーザパワー検出器119がレーザパワー検出部412に相当する。
【0093】
走査部414は、レーザ光源410から出力されたレーザ光を走査する。スキャンミラー115およびXYドライバ160が走査部414に相当する。
【0094】
第1の光分割部415は、走査されたレーザ光を、光検出部418へ向かうレーザ光と、第2の光分割部416に向かうレーザ光とに分割する。第2のビームスプリッタ116が第1の光分割部415に相当する。
【0095】
第2の光分割部416は、第1の光分割部416からのレーザ光を、本投影画面の被投射面(壁30)へ向かうレーザ光と、VUI画面の被投射面(机20)へ向かうレーザ光とに分割する。第3のビームスプリッタ117が、第2の光分割部416に相当する。
【0096】
光検出部418は、走査されたレーザ光の一部を検出する。光検出部418の検出結果は、走査位置の算出のために用いられる。光検出器118が光検出部418に相当する。
【0097】
入力部430は、外部からのプロジェクタ100への指示を受け付ける。また、入力部430は、受け付けた指示を制御部490に送る。操作パネル330が入力部430に相当する。なお、プロジェクタ100は、VUI画面への入力も指示とみなすものの、ここでの入力部430には、VUI画面への入力に関する部分を含めていない。
【0098】
インターフェース部450は、外部とのデータのやり取りを行なう。ビデオインターフェース342および外部インターフェース343が、インターフェース部450に相当する。
【0099】
記憶部470は、データを格納する。具体的には、記憶部470は、画像データ472およびプログラム474を格納する。ただし、記憶部470が格納するデータは、これらに限られるわけではない。SDRAM344やビデオRAM345が、記憶部470に相当する。
【0100】
画像データ472は、プロジェクタ100が投影する投影画像の基礎となるデータである。画像データ472は、例えば、プロジェクタ100が外部記憶装置から読み込んだデータや外部ビデオ信号である。あるいは、画像データ472は、これらのデータに所定の処理が施されたものである。
【0101】
プログラム474は、画像データ472に対する画像処理を行なうためのプログラムである。
【0102】
受光部480は、机20上の物体10による散乱光を検出する。受光素子170が、受光部480に相当する。
【0103】
制御部490は、レーザパワー検出部412、光検出部418の検出結果、受光部480の検出結果、および、入力部430が受け付けた指示に基づいて、記憶部470、レーザ光源410および走査部414の動作を制御する。制御部490は、投影位置算出部491と、光源制御部492と、走査制御部493と、投影制御部494と、画像処理部495と、物体位置算出部496と、指示作成部497とを含む。
【0104】
投影位置算出部491は、光検出部418の検出結果に基づいて、投影位置を算出する。また、投影位置算出部491は、算出した投影位置を投影制御部494に送る。投影位置算出コントローラ130が投影位置算出部491に相当する。
【0105】
光源制御部492は、レーザパワー検出部412の検出結果および投影制御部494からの信号に基づいて、レーザ光源410によるレーザ光の出力を制御する。具体的には、光源制御部492は、各色のレーザ光の出力タイミングおよび強度を制御する。レーザ制御回路120が光源制御部492に相当する。
【0106】
走査制御部493は、投影制御部494からの信号に基づいて、走査部414の動作を制御する。走査制御部493は、走査部414を所定の走査周波数で動作させる。また、走査制御部493は、走査部414の動作状態などを含む信号を、投影制御部493に送る。デジタル信号プロセッサ320が、走査制御部493に相当する。
【0107】
投影制御部494は、画像の投影のために、光源制御部492および走査制御部493の動作を制御する。CPU140、タイミングコントローラ311およびデータコントローラ312が、投影制御部494に相当する。
【0108】
具体的には、投影制御部494は、記憶部470から画像データ472を読み出す。そして、投影制御部494は、読み出した画像データ472およびスキャンミラー115の走査周波数の指定値に基づいて、光源制御部492に対して与える制御信号を作成する。投影制御部494は、作成した制御信号を光源制御部492に送る。
【0109】
また、投影制御部494は、指示された走査期間や走査部414の動作状態に応じて、走査制御部493に走査の開始や終了などのための指示を与える。
【0110】
画像処理部495は、インターフェース部450が受け付けた画像データを記憶部470に格納する。また、画像処理部495は、入力部430が受け付けた指示、あるいは、指示作成部497がVUI画面22への入力に応じて作成する指示(後述)に基づいて、プログラム474を実行し、画像データ472に対し所定の処理を施す。
【0111】
例えば、画像処理部495は、記憶部470に格納されている画像データ472に対し、サイズ変更処理や、回転処理などを施し、処理後のデータを記憶部470に格納する。あるいは、画像処理部495は、入力位置に対応するポインタに対応する表示データを画像データ472に追加したデータを記憶部470に格納する。
【0112】
また、画像データ472が複数の画像ページデータを含む場合、画像処理部495は、画像データ472の中から投影用の画像ページデータを決定する。画像処理部495は、入力部430が外部から受け付けた指示、あるいは、指示作成部497が作成した指示に基づいて、投影用のページデータを選択する。
【0113】
物体位置算出部496は、受光部480による検出結果、つまり、物体10による散乱光の検出結果に基づいて、物体10によるVUI画面への指示位置を算出する。なお、受光部480の検出結果に基づく指示位置の算出の詳細については後述する。
【0114】
指示作成部497は、物体位置算出部496により算出された指示位置に基づいて、投影画像を変更するための指示を作成する。具体的には、指示作成部497は、画像処理部495に対する画像処理の実行指示を作成する。また、画像データ472が複数のページデータを含むとき、指示作成部497は、画像処理部495に対して、投影用ページの変更指示を送ることもある。
【0115】
以上、説明したような制御部490の機能は、投影位置算出コントローラ130、プログラム474を実行するCPU140、フロントエンド用FPGA310、デジタル信号プロセッサ320、およびレーザ制御回路120により実現される。ただし、制御部490の機能を実現する構成は、上述のものに限られない。制御部490の機能の一部または全部は、専用回路などのハードウェアで実現されてもよいし、RAMなどをワーキングメモリとして用いてプログラムを実行するプロセッサにより実現されてもよい。
【0116】
<外部物体の位置算出方法>
以下では、図5を参照しつつ、VUI画面22上の物体10の位置特定処理について詳細に説明する。図5は、VUI画面22上の物体10の位置特定に関係する光路を示す図である。
【0117】
プロジェクタ100は、レンズL1を通して、机20上に、VUI画面22を投影する。プロジェクタ100は、レーザ光を投影画像の画素毎に選択的に出力する。すなわち、プロジェクタ100は、複数の期間(走査ステップとよぶ)の各々において、1つの画素に対応する色および強度を持つレーザ光を出力する。プロジェクタ100は、レーザ光を走査し、各走査ステップにおいて、画素に対応する方向にレーザ光を出力する。図5には、ある走査ステップでプロジェクタ100が出力する光が、物体10あるいは机20により反射されず、直進する場合の光路Aを示している。
【0118】
VUI画面22上に物体10が置かれると、プロジェクタ100からVUI画面22に向かうレーザ光は、物体10により散乱する。散乱されたレーザ光は、光路を変え、受光素子170に入射する。図5には、光路Aに進行し、物体10で散乱された光の光路Bを示している。なお、図5では、光路Bを1本の線で描いているものの、実際には、光路Bは、散乱角度の違いによって、ある程度広がる。
【0119】
図5では、物体10がVUI画面22と接触しているが、受光素子170は、物体10がVUI画面22の近傍にある場合、物体10による散乱光を検出する。すなわち、ここでの説明において、「VUI画面22上に物体10が置かれる」とは、物体10がVUI画面22に接触する場合のみならず、物体10がVUI画面22の近傍に位置する場合も含む。
【0120】
受光素子170の検出面は、プロジェクタ100の底面(机20への設置面)からの所定の下限高さと上限高さとの間に設置される。下限高さおよび上限高さは、VUI画面22の表面上あるいは表面の近傍に位置する物体10の散乱光が検出面に入射し、かつ、VUI画面22から離れた面内の物体10の散乱光がなるべく検出面に入射しないように、設計されることが好ましい。下限高さおよび上限高さは、プロジェクタ100とVUI画面22との位置関係や物体10の形状等に基づいて、あるいは、実験的に定めればよい。
【0121】
プロジェクタ100は、散乱光の検出タイミングに基づいて、物体10のVUI画面22への接触位置を決定する。このことについて、図6を参照して説明する。図6は、散乱光の検出タイミングに基づく接触位置の決定について説明するための図である。
【0122】
図6に示す3つのグラフの横軸は、ともに、時間を表わす。3つのグラフの縦軸は、上から順に、それぞれ、Xカウント、Yカウント、および、受光素子170の検出信号(反射強度)を表わす。また、図6の下側には、VUI画面22上の光の走査の様子を示す図も示している。なお、ここでは、画像の解像度は、800×600画素であるとして説明する。
【0123】
Xカウントは、スキャンミラー150がX方向(水平方向)に往復した回数に対応する。CPU140は、レーザの打ち出し周波数に対応する所定の時間間隔で、Xカウントを増やす。図でグラフが高くなっている箇所が、CPU140が、Xカウントを増やすタイミングである。CPU140は、Xカウントをメモリに格納する。
【0124】
CPU140は、Xカウントとレーザ光の打ち出し位置とを連動して制御する。つまり、CPU140は、レーザ制御回路120を介して、緑色レーザ111および2色レーザ112に、特定の同期タイミングで、所定の周波数でのレーザ光の打ち出しを開始させる。ここで、同期タイミングは、光検出信号、ピエゾ信号、あるいは、ミラーコントローラ150の垂直駆動波形の特定位置などにより定まる。CPU140は、この同期タイミングで、Xカウント信号の生成を開始する。Xカウントが800回になると、水平方向の1ラインの往路での画素の投影は終了する。以降、Xカウントが800増える都度、復路または往路での画素の投影が終了する。
【0125】
Yカウントは、スキャンミラー150がY方向(垂直方向)に往復した回数をカウントするために用いられる。CPU140は、Xカウントが800(水平方向の解像度)増える都度、Yカウント信号を1増やす。CPU140は、Yカウントをメモリに格納する。Yカウントが600回になると、画像の1フレームの投影が終了する。
【0126】
さて、VUI画面22内の画素位置(200,180)に、物体10が接触していることを考える。この時、フレームの開始から180Yカウント経過し、さらに、200Xカウント経過した時点で、受光素子170が、物体10による散乱光に対応する検出信号を出力する。
【0127】
CPU140は、スキャンミラー115への制御信号および光検出部418の検出結果に基づいて算出された投影位置に基づいて、検出信号の発生タイミングでの、走査位置(光の進行方向)を求める。CPU140は、検出信号の発生タイミングにおける走査位置である(200,180)を、物体10が接触している位置であると決定する。
【0128】
なお、本実施の形態では、CPU140は、所定の閾値(位置検出閾値)を超えた検出信号に基づいて、物体10の位置を決定する。これは、受光素子170に入射する散乱光以外の光の影響を抑えるためである。
【0129】
<VUIによる画像変更>
プロジェクタ100は、上で説明した方法で算出した物体10の位置に基づいて、投影画面の制御を行なう。具体的には、プロジェクタ100は、VUI画面22の複数の箇所に同時に物体10が接触しており、かつ、少なくとも1つの接触位置が移動したと判断したときに、投影画面を変更する。
【0130】
単純には、プロジェクタ100に、1つの接触位置の発生および消滅に応じて、投影画面を変更させることが考えられる。つまり、プロジェクタ100に、いわゆるクリック動作を行わせることが考えられる。しかしながら、この方法では、プロジェクタ100は、VUI画面22への操作に、即時的に反応することが難しい。
【0131】
これは、プロジェクタ100が、厳密にVUI画面22に接触した物体10による散乱光だけではなく、VUI画面22から離れた位置にある物体10による散乱光を検出することもあるためである。散乱光は、ある程度広がっている。また、物体10の角度によっても散乱光の進行方向は変化する。これらの理由により、物体10が、VUI画面22に近い位置にある間、検出信号は出力し続ける。したがって、ユーザが、物体10をVUI画面22から離しても、プロジェクタ100は、そのユーザの動作にすぐに反応するわけではない。
【0132】
また、プロジェクタ100に、検出信号が所定の時間以上検出され続けたときに、外部からの指示とみなさせることも考えられる。しかしながら、この方法では、ユーザが物体10を持って待つ必要があり、ユーザが、操作にあたってストレスを感じるおそれがある。
【0133】
そこで、プロジェクタ100は、上述のとおり、VUI画面22の複数の箇所に同時に物体10が接触しており、かつ、少なくとも1つの接触位置が移動したと判断したときに、投影画面を変更する。このことにより、プロジェクタ100は、ユーザにストレスを感じさせることなく、VUI画面22への入力に基づいて、所定のアクションを実行できる。また、プロジェクタ100は、複数の検出位置に基づき、アクションを行うことにより、多様なアクションを実現できる。
【0134】
プロジェクタ100は、反射光の検出タイミングと各時刻でのレーザ光の走査位置との比較により、物体10の位置を検出する。そのため、同時に複数の位置に現れた物体10を検出することができる。したがって、プロジェクタ100には、このようなバーチャルユーザインターフェースの操作を実現するために、特別な部品を追加する必要がない。プロジェクタ100は、特別な部品を用いることなしに、多様なアクションを実現できる。
【0135】
以下、VUI画面22上の物体移動に応じたプロジェクタ100の動作例のいくつかを説明する。
【0136】
(アイコン操作)
プロジェクタ100は、1つの検出位置(第1の検出位置)がVUI画面22内のアイコン上にあり、かつ、別の1つの検出位置(第2の検出位置)が移動した際に、アイコンに対応する動作を行なう。
【0137】
ここで、「アイコン」とは、動作指示の決定のために、所定の領域に表示される画像を指す。アイコンは、頁送りなど画面の変更動作に対応する画像であることが好ましい。ユーザは、VUI画面22上のアイコンを見ながら操作することで、直感的にプロジェクタ100を操作することができる。
【0138】
ただし、プロジェクタ100は、第1の検出位置が、アイコン上に限られずVUI画面22内の所定の領域にある場合に同様の動作を行なってもよい。例えば、プロジェクタ100は、第1の検出位置が、VUI画面22の端や隅に設定された所定の領域にある場合に同様の動作を行なってもよい。
【0139】
なお、本実施の形態では、プロジェクタ100は、第2の検出位置の移動量が所定の閾値を越えるとき、アイコンに対応する動作を行なうものとする。これは、物体10のぶれや、検出の誤差の影響を抑えるためである。
【0140】
(投影画面の切替)
また、プロジェクタ100は、2つの検出位置が相対的に移動すると、投影画面を変更する。ここでは、その一例として、投影画面の切替について、図7を参照して説明する。図7は、VUI画面22への操作に基づくプロジェクタ100の動作の一例を説明するための図である。
【0141】
図7Aは、VUI画面22内の2箇所に物体10が検出された状態を示している。図7Aでは、説明のために、物体10の検出位置を丸で示している。プロジェクタ100は、実際には、VUI画面22に図7Aに示すような丸を表示するわけではない。
【0142】
ただし、プロジェクタ100は、VUI画面22内に検出位置に応じたポインタを表示してもよい。この場合、プロジェクタ100は、画像データ472に、検出位置に応じたポインタの表示データを重ねて、画像データ472を作成する。
【0143】
図7Bは、図7Aに示す状態から検出位置が移動している様子を示す。左の検出位置が上に、右の検出位置が下に移動している。図7Cは、検出位置の移動後のVUI画面22を示す。検出位置の移動に応じて、プロジェクタ100は、表示対象となるページデータを変更することで、投影画面を切り替える。
【0144】
なお、プロジェクタ100は、2つの検出位置の相対移動の種類に基づいて、画面変更動作を変更してもよい。例えば、プロジェクタ100は、左の検出位置が上に、右の検出位置が下に移動したときに、表示ページを次のページに進め、左の検出位置が下に、右の検出位置が上に移動したときに、表示ページを前のページに戻す、といった動作を行なってもよい。
【0145】
(サイズ変更)
また、プロジェクタ100は、検出位置が離れたか近づいたかによって、投影画像のサイズ変更(拡大あるいは縮小)を行なってもよい。この動作について、図8を参照して説明する。図8は、VUI画面22への操作に基づくプロジェクタ100の動作の他の例を説明するための図である。
【0146】
図8Aは、VUI画面22内の2箇所に物体10が検出された状態を示している。図8Aでは、物体10の検出位置を丸で示している。この丸は、図7と同様に説明のためのものである。
【0147】
図8Bは、図8Aに示す状態から検出位置が移動している様子を示す。2つの検出位置は、互いに離れる方向に移動している。詳しくは、左の検出位置が左下に、右の検出位置が右上に移動している。図8Cは、検出位置の移動後のVUI画面22を示す。検出位置の移動に応じて、プロジェクタ100は、投影画面を拡大する。
【0148】
なお、プロジェクタ100は、上に説明した2種類以外の画像処理を画像データ472に対して行なって、新たな画像データ472を作成してもよい。例えば、プロジェクタ100は、画像データ472に対して、回転処理や、投影しきれないサイズの画像のスクロール処理などを行なってもよい。また、アイコンに応じた処理も、上述のページ変更に限られない。例えば、プロジェクタ100は、動画を投影する場合、アイコンの選択に応じて、動画の早送り、巻き戻し、停止などを行なってもよい。
【0149】
<処理の流れ>
図9を参照して、プロジェクタ100が行なう処理の流れについて説明する。図9は、プロジェクタ100が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【0150】
ステップS101において、プロジェクタ100のCPU140は、緑色レーザ111、2色レーザ112およびスキャンミラー115を制御し、画像データに基づく画像を2方向に投影する。
【0151】
ステップS103において、CPU140は、受光素子170の光検出結果に基づいて、VUI画面22上での物体10の検出位置を求める。より詳しくは、CPU140は、受光素子170が閾値以上の光を検出したタイミングと、各時刻での走査位置とに基づいて、検出位置を求める。
【0152】
ステップS105において、CPU140は、物体10が、VUI画面22上の複数の位置に同時に接触している(あるいはVUI画面22の近くに位置する)かどうか判断する。具体的には、CPU140は、投影画像の1フレームの走査期間内に、異なる複数の検出位置が求められたかどうか判断する。なお、CPU140は、1フレームではなく、数フレームの走査期間内に、同様の判断を行なってもよい。判断期間は、複数の検出位置が、物体10のVUI画面22の複数の位置への同時の接触に相当しているとみなせる範囲で、適宜、設定することができる。
【0153】
ステップS107において、CPU140は、2つの検出位置が移動したかどうか判断する。具体的には、CPU140は、前後する2つのフレームの間での、検出位置の移動量を求める。CPU140は、移動量が閾値を超える場合、検出位置が移動したとみなす。なお、CPU140は、2つのフレームでの検出位置を、2つのフレームでの検出位置同士の距離に基づいて対応付ける。すなわち、CPU140は、互いの距離が所定の閾値未満の2つの検出位置を、同じ検出位置とみなす。これは、フレーム間では、検出位置が、あまり大きく移動しないことによる。
【0154】
2つの検出位置が移動した場合(ステップS107においてYES)、ステップS109において、CPU140は、2つの検出位置の相対移動に基づいて、動作指示を決定する。ステップS109の処理の詳細については、後述する。
【0155】
ステップS109のあと、ステップS111において、CPU140は、決定された動作指示に基づいて、画像データ472を更新する。その後、CPU140は、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0156】
2つの検出位置が移動していない場合(ステップS107においてNO)、ステップS113において、CPU140は、1つの検出位置が移動したかどうか判断する。CPU140は、ステップS107において説明したものと同様の方法で、検出位置が移動したかどうか判断する。
【0157】
1つの検出位置が移動していない場合(ステップS113においてNO)、CPU140は、ステップS101からの処理を繰り返す。したがって、全く検出位置が移動していない場合、あるいは、3つ以上の検出位置が同時に移動した場合、CPU140は、動作指示を作成しない。ただし、3つ以上の検出位置の移動に応じた動作規則を予め定めておけば、CPU140は、この場合にも、動作指示を作成可能である。
【0158】
1つの検出位置が移動している場合(ステップS113においてYES)、CPU140は、ステップS115において、アイコンに応じた動作指示の決定を行なう。ステップS115の処理の詳細については後述する。ステップS115の実行後、CPU140は、既述のステップS111に進む。
【0159】
(相対移動に基づく動作指示)
図10を参照して、図9におけるステップS109(相対移動に基づき動作指示を決定)における処理の詳細について説明する。図10は、相対移動に基づく動作指示の決定処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【0160】
ステップS201において、CPU140は、動作指示の決定に移動方向が必要かどうか判断する。例えば、CPU140は、投影画面の作成のためのプログラムの種類に基づいて、動作指示の決定に移動方向が必要かどうか判断する。あるいは、プロジェクタ100は、VUI画面22上の物体10の動作と、動作指示とを関係付けるデータを記憶していてもよい。この場合、CPU140は、このデータに基づいて、動作指示の決定に移動方向が必要かどうか判断する。
【0161】
移動方向が必要な場合(ステップS201においてYES)、CPU140は、ステップS203に処理を進める。ステップS203において、CPU140は、検出位置の移動方向を求める。CPU140は、動作指示の決定に必要な精度で移動方向を求めればよい。例えば、CPU140は、検出位置の上下移動に基づいて動作を決定する場合、検出位置の上下方向の移動量を計算すればよい。
【0162】
ステップS203の実行後、ステップS205において、CPU140は、移動方向に基づいて動作指示を作成する。上述の例では、CPU140は、1つの検出位置が上に移動し、もう1つの検出位置が下に移動したとき、投影画面を切り替える動作指示を作成する。
【0163】
なお、CPU140は、複数の移動方向のパターンに応じて、作成する動作指示を変更できてもよい。このようにすれば、ユーザは、VUI画面22を用いて、プロジェクタ100を多様な方法で操作できる。
【0164】
一方、移動方向が必要でない場合(ステップS201においてNO)、CPU140は、ステップS207に処理を進める。ステップS207において、CPU140は、動作指示の決定に検出位置の間隔が必要かどうか判断する。CPU140は、ステップS201(移動方向が必要かどうかの判断)と同様の方法で、間隔が必要かどうか判断する。
【0165】
間隔が必要な場合(ステップS207においてYES)、CPU140は、ステップS209に処理を進める。ステップS209において、CPU140は、検出位置の間隔を計算する。CPU140は、少なくとも2つのフレームにおいて、検出位置の間隔を計算する。
【0166】
ステップS209の実行後、ステップS211において、CPU140は、間隔に基づいて、動作指示を作成する。例えば、CPU140は、間隔が増加したとき、投影画像を拡大するための動作指示を作成する。また、CPU140は、間隔が減少したとき、投影画像を縮小するための動作指示を作成する。なお、CPU140は、間隔の変化量あるいは変化率に応じて、拡大あるいは縮小率を変更してもよい。
【0167】
間隔が必要でない場合(ステップS207においてNO)、CPU140は、ステップS213に処理を進める。ステップS213において、CPU140は、動作指示を作成する。この場合の動作指示は、2つの検出位置の移動があったことに対応するものであり、移動方向や間隔の変化にはよらない。
【0168】
(アイコンによる動作指示)
図11を参照して、図9におけるステップS115(アイコンに応じた動作指示を作成)における処理の詳細について説明する。図11は、1つの指示位置の移動に基づく動作指示の決定処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
【0169】
ステップS301において、CPU140は、移動していない検出位置がアイコンの表示領域に重なっているかどうか判断する。アイコンの表示領域は、SDRAM344などの記憶領域に格納されているものとする。CPU140は、格納されている表示領域と、検出位置とに基づいて、検出位置がアイコンの表示領域に重なっているかどうか判断する。
【0170】
検出位置がアイコンの表示領域に重なっている場合(ステップS301においてYES)、ステップS303において、CPU140は、検出位置が重なっているアイコンに応じた動作指示を作成する。
【0171】
検出位置がアイコンの表示領域に重なっていない場合(ステップS301においてNO)、CPU140は、動作指示を作成しないで、動作指示の決定処理を終了する。
【0172】
なお、以上では、プロジェクタ100が、2つの検出位置が移動に基づく動作と、1つの検出位置の移動によるアイコン動作との両方を行なえる場合を説明した。この場合、ユーザは、VUI画面22を利用して、プロジェクタ100に非常に多様な動作を行なわせることができる。しかし、プロジェクタ100は、必ずしも、これら両方の動作を行なわなくてもよい。
【0173】
例えば、プロジェクタ100は、2つの検出位置が相対的に移動した場合には、常に、相対移動に基づく画像変更を行なうものであってもよい。逆に、プロジェクタ100は、2つの検出位置が相対的に移動した場合には、常に、1つの検出位置が所定の領域上にあるかを判断して、画像切替動作を行なうかどうかを決定してもよい。
【0174】
また、プロジェクタ100は、検出位置の移動に応じた動作を複数種類の動作の中から選択可能であってもよい。プロジェクタ100は、例えば、ユーザが操作パネル330によって指定した設定に応じて、検出位置の移動に応じた動作を決定する。
【0175】
[第2の実施の形態]
<概要>
第1の実施の形態に係るプロジェクタ100は、画像データ472をプロジェクタ100内のCPU140(あるいは画像処理部495)にて作成する。より詳しくは、プロジェクタ100は、プロジェクタ100内に格納されたプログラム474を実行し、画像データ472を作成することができる。
【0176】
例えば、第1の実施の形態では、プロジェクタ100は、外部から受け付けた画像データに基づいて、投影用の画像データ472を作成できる。したがって、例えば、プロジェクタ100は、VUI画面への所定の指示に応じて、プロジェクタ100に装着された記憶媒体(SDやフラッシュメモリなど)内の複数の画像ファイルをスライドショー表示したりできる。
【0177】
これに対し、第2の実施の形態に係るプロジェクタ100#は、自身では、画像データ472を作成しない。プロジェクタ100#は、外部の電子機器1000と接続されて使用される。プロジェクタ100#は、VUI画面操作に応じて、電子機器1000に、電子機器1000がプロジェクタ100#に送信する画像データ472の変更を指示する。つまり、第2の実施の形態では、電子機器1000が、VUI画面操作に応じた表示画面の切替に主要な役割を果たす。
【0178】
第2の実施の形態に係るプロジェクタ100#の使用態様を図12に示す。図12は、第2の実施の形態に係るプロジェクタ100#の使用態様を示す図である。
【0179】
図12を参照して、プロジェクタ100#は、外部の電子機器1000とケーブル1200により接続される。ただし、プロジェクタ100#と電子機器1000とは、ケーブル1200以外のものにより接続されてもよい。例えば、プロジェクタ100#と電子機器1000とは、無線接続されてもよい。
【0180】
ここでは、電子機器1000は、図12に描いているように、ノートパソコンであるとして説明する。しかしながら、電子機器1000は、ノートパソコンに限られるわけではない。電子機器1000は、プロジェクタ100#に接続可能であって、かつ、以下に説明する動作を行なえればよい。
【0181】
プロジェクタ100#は、第1の実施の形態に係るプロジェクタ100と同様、机20などの上に設置される。プロジェクタ100#は、壁30などの第1の被投射面に本投影画面を投影する。また、プロジェクタ100#は、机20などの第2の被投射面にVUI画面を投影する。ただし、机20や壁30などは、図12には示していない。
【0182】
<ハードウェア構成>
(プロジェクタ100#)
プロジェクタ100#のハードウェア構成は、第1の実施の形態に係るプロジェクタ100と同様である。したがって、ここでは、ハードウェア構成の全てについては詳しい説明は繰り返さない。ただし、電子機器1000との接続に関する外部インターフェース343(図3参照)については、以下、詳しく説明する。
【0183】
プロジェクタ100#は、外部インターフェース343により、電子機器1000に接続される。外部インターフェース343は、電子機器1000からの画像データを受け取る。外部インターフェース343は、電子機器1000から受け取った画像データをCPU140に与える。
【0184】
本実施の形態における外部インターフェース343としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクタや、LAN(Local Area Network)コネクタなどの外部接続端子を用いることができる。あるいは、外部インターフェース343は、電子機器1000と無線通信する無線送受信機であってもよい。
【0185】
(電子機器1000)
電子機器1000のハードウェア構成について図13を参照しつつ説明しておく。図13は、電子機器1000のハードウェア構成をブロック図形式で示す図である。電子機器1000は、ディスプレイ1010と、キーボード1022と、CPU1030(Central Processing Unit)1030と、RAM(Random Access Memory)1040と、ROM(Read Only Memory)1050と、ハードディスク1060と、外部インターフェース1070とを備える。
【0186】
ディスプレイ1010は、電子機器1000内のデータに基づく画像を表示する。マウス1020およびキーボード1022は、外部からの入力操作を受けつける。マウス1020およびキーボード1022は、入力装置の一例である。電子機器1000は、タブレットなどの他の入力装置を備えていてもよい。
【0187】
CPU1030は、マウス1020やキーボード1022が受け付けた指示などに基づいて、電子機器1000の動作を制御する。具体的には、CPU1030は、プログラムを実行し、電子機器1000の各部に対して、動作指示を与える。
【0188】
RAM1040は、データを一時的に格納する。RAM1040は、プログラム実行時のワーキングメモリとして使用される。ROM1050は、データを長期的に格納する。ハードディスク1060は、データの読み書きの可能な記憶装置である。ハードディスク1060は、プログラム1062などを格納する。なお、ハードディスク1060は、データの読み書きの可能な記憶装置の一例である。電子機器1000は、ハードディスク1060のかわりに、あるいは、ハードディスク1060に加えてさらに、フラッシュメモリなどの記憶装置を備えていてもよい。
【0189】
プログラム1062は、CPU1030により実行され、画像データを作成する。プログラム1062は、例えば、プレゼンテーションソフトである。図13では、プログラム1062は1つしか示していないものの、ハードディスク1060などの記憶装置は、複数のプログラム1062を格納していてもよい。
【0190】
外部インターフェース1070は、電子機器1000とプロジェクタ100#とを接続する。外部インターフェース1070は、例えば、USBコネクタや、LANコネクタなどである。あるいは、外部インターフェース1070は、無線送受信機であってもよい。
【0191】
<機能的構成>
電子機器1000#および電子機器1000を含むシステム(プロジェクタシステム)の機能的構成について、図14を参照して説明する。図14は、プロジェクタシステムの機能的構成を示す図である。
【0192】
(電子機器)
まず、電子機器1000の機能的構成について説明する。図14を参照して、電子機器1000は、インターフェース部1410と、制御部1420と、入力部1430とを備える。
【0193】
インターフェース部1410は、プロジェクタ100#との間で、データの授受を行なう。例えば、インターフェース部1410は、プロジェクタ100#からの動作指示を受け取る。また、インターフェース部1410は、プロジェクタ100#に対して画像データを送信する。外部インターフェース1070が、インターフェース部1410に相当する。
【0194】
制御部1420は、電子機器1000の各部の動作を制御する。CPU1030が、制御部1420に相当する。制御部1420は、画像作成部1422を含む。画像作成部1422は、指示に基づいて、画像データを作成する。制御部1420は、インターフェース部1410を制御し、作成した画像データをプロジェクタ100#に送信する。
【0195】
入力部1430は、外部からの指示を受け付ける。マウス1020およびキーボード1022が、入力部1430に相当する。
【0196】
(プロジェクタ)
プロジェクタ100#の機能的構成は、第1の実施の形態に係るプロジェクタ100の機能的構成とほぼ同様である。以下では、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
【0197】
電子機器1000は、画像データの変更指示に基づいて、新たな画像データをプロジェクタ100#に送信する。プロジェクタ100#は、記憶部470の画像データ472を、プロジェクタ100#からの新たな画像データに書き換える。
【0198】
プロジェクタ100#の指示作成部497は、物体位置算出部496から受け取った物体位置データに基づいて、電子機器1000がプロジェクタ100#に送信する画像データの変更指示を作成する。指示作成部497は、インターフェース部450を制御し、変更指示を電子機器1000に送る。
【0199】
インターフェース部450は、変更指示に応じて電子機器1000がプロジェクタ100#に送信したデータを受け取る。また、インターフェース部450は、プロジェクタ100#は、受け取ったデータを画像データ472として記憶領域に格納する。
【0200】
表示制御部444は、変更指示に応じて電子機器1000が作成した新たな画像データ472に基づいて、光源制御部492および走査制御部493の動作を制御する。具体的には、例えば、表示制御部444は、所定の時間周期ごと、もしくは、指示作成部497による動作指示に応じて、記憶部470から画像データ472を読み出す。そして、表示制御部444は、読み出した画像データ472に基づいて、光源制御部492および走査制御部493の動作を制御する。
【0201】
また、本実施の形態では、画像処理部495は、必ずしも必要でない。電子機器1000の画像作成部1422が、VUI画面操作に応じた画面変更を行なうのであれば、画像処理部495は不要である。この場合、プロジェクタ100#は、電子機器1000からのデータを、画像データ472として扱えばよい。
【0202】
本実施の形態においては、ユーザは、VUI画面を介して、電子機器1000が実行するアプリケーションソフトの操作ができる。プロジェクタ100#は、投影画面にアイコンを作成するなどのプログラムを格納している必要はない。
【0203】
<処理の流れ>
図15は、プロジェクタシステムが行なう処理の流れをシーケンス図形式で示す図である。
【0204】
まず、プロジェクタ100#の動作について説明する。ステップS501において、プロジェクタ100#のCPU140は、緑色レーザ111、2色レーザ112およびスキャンミラー115を制御し、電子機器1000からの画像データに基づく画像を2方向に投影する。
【0205】
ステップS503からステップS515までのCPU140の処理は、図9のステップS103からステップS115までの処理と同様であり、その説明は繰り返さない。
【0206】
ステップS517において、CPU140は、外部インターフェース343を制御し、動作指示を電子機器1000に送信する。
【0207】
ステップS519において、CPU140は、外部インターフェース343を介して、電子機器1000からの画像データを受信する。
【0208】
ステップS521において、CPU140は、記憶部470に格納されていた画像データ472を、ステップS521において受信した画像データで置き換える。その後、CPU140は、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0209】
次に、電子機器1000の動作について説明する。ステップS601において、電子機器1000のCPU1030は、外部インターフェース1070を制御し、画像データをプロジェクタ100#に送信する。例えば、電子機器1000は、ディスプレイ1010に表示される画像に対応する画像データをプロジェクタ100#に送信する。
【0210】
ステップS603において、CPU1030は、プロジェクタ100#からの動作指示に基づいて、画像データを作成するプログラムを実行する。ここでのプログラムは、例えば、プレゼンテーション用ソフトなどである。
【0211】
ステップS605において、CPU1030は、外部インターフェース1070を制御し、プログラムの実行の結果作成される画像データをプロジェクタ100#に送信する。そのあと、CPU1030は、ステップS603からの処理を繰り返す。
【0212】
[その他]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0213】
10 物体、20 机、22 VUI画面、30 壁、32 本投影画面、100 プロジェクタ、110 光学系、111 緑色レーザ、112 2色レーザ、113 第1のビームスプリッタ、114 コリメートレンズ、115 スキャンミラー、116 第2のビームスプリッタ、117 第3のビームスプリッタ、118 光検出器、119 レーザパワー検出器、120 レーザ制御回路、121 緑色レーザ制御回路、122 赤色レーザ制御回路、123 青色レーザ制御回路、130 投影位置算出コントローラ、140 制御部、150 ミラーコントローラ、160 XYドライバ、170 受光素子、180 アンプ、190 A/D変換器、311 タイミングコントローラ、312 データコントローラ、313 ビットデータ変換器、314 階調変換器、320 デジタル信号プロセッサ、322 変換器、330 操作パネル、340 バックエンドブロック、342 ビデオインターフェース、343 外部インターフェース、380 SDカード、410 レーザ光源、412 レーザパワー検出部、414 走査部、415 第1の光分割部、416 第2の光分割部、418 光検出部、430 入力部、444 表示制御部、450 インターフェース部、470 記憶部、472 画像データ、474 プログラム、480 受光部、490 制御部、491 投影位置算出部、492 光源制御部、493 走査制御部、494 投影制御部、495 画像処理部、496 物体位置算出部、497 指示作成部、1000 電子機器、1010 ディスプレイ、1020 マウス、1022 キーボード、1060 ハードディスク、1062 プログラム、1070 外部インターフェース、1200 ケーブル、1410 インターフェース部、1422 制御部、1422 画像作成部、1430 入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示装置であって、
前記レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光をフレーム単位で走査する走査手段と、
前記走査手段により走査された前記レーザ光を、前記第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、前記第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割する光分割素子と、
前記第2の被投射面上の外部物体により反射された前記第2のレーザ光を検出する光検出器と、
前記画像表示装置の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記走査手段を所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、
前記画像に対応する画像データおよび前記走査周波数に基づいて、前記レーザ光源が前記レーザ光を出力するタイミングを制御する光源制御手段と、
前記光検出器の光検出タイミングにおける前記レーザ光の走査位置に基づいて、前記外部物体の位置を算出する位置算出手段と、
所定数の前記フレームの走査期間に含まれる前記光検出タイミングに基づいて複数の前記位置が算出され、かつ、少なくとも1つの前記位置が移動すると、前記画像データを変更するための指示を作成する指示手段とを含む、画像表示装置。
【請求項2】
前記指示手段は、前記位置算出手段が算出した第1の位置が所定の領域内にあり、かつ、前記位置算出手段が算出した第2の位置が移動すると、前記指示を作成する、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記所定の領域は、アイコンの表示領域である、請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記指示手段は、前記第2の位置がしきい距離よりも長く移動すると、前記指示を作成する、請求項2または3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記指示手段は、所定の期間内に2つの前記指示位置が相対的に移動するとき、前記指示を作成する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記指示手段は、2つの前記指示位置の相対的な移動の種類に基づいて、作成する前記指示を決定する、請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記指示手段は、2つの前記指示位置の移動の方向に基づいて、作成する前記指示を決定する、請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記指示手段は、2つの前記指示位置間の距離の増減に基づいて、作成する前記指示を決定する、請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記指示手段は、2つの前記指示位置の移動距離がしきい値を上回ると、前記指示を作成する、請求項6から8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示装置であって、
前記レーザ光を出力するレーザ光源を備え、
前記レーザ光源は、
赤色レーザ光および青色レーザ光を出力する2色レーザと、
緑色レーザ光を出力する緑色レーザとを含み、
前記レーザ光をフレーム単位で走査する共振型MEMSミラーと、
前記共振型MEMSミラーにより走査された前記レーザ光を、前記第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、前記第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割するビームスプリッタと、
前記第2の被投射面上の外部物体により反射された前記第2のレーザ光を検出するフォトダイオードと、
前記画像表示装置の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記共振型MEMSミラーを所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、
前記画像に対応する画像データおよび前記走査周波数に基づいて、前記レーザ光源による前記レーザ光の出力を制御する光源制御手段と、
前記フォトダイオードの光検出タイミングにおける前記レーザ光の走査位置に基づいて、前記外部物体の位置を算出する位置算出手段と、
前記共振型MEMSミラーが所定数の前記フレームを走査する間の前記光検出タイミングに基づいて前記位置算出手段が複数の前記位置を算出し、かつ、少なくとも前記位置が移動すると、前記画像データを変更するための指示を作成する指示手段とを含む、画像表示装置。
【請求項11】
前記画像表示装置を電子機器に接続可能なインターフェースをさらに備え、
前記光源制御手段は、前記画像表示装置に接続された前記電子機器が前記画像表示装置に送信した前記画像データに基づいて、前記レーザ光の出力を制御し、
前記インターフェースは、前記指示を前記電子機器に送信する、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
レーザ光を照射し、第1の被投射面に第1の画像を表示し、第2の被投射面に第2の画像を表示するための画像表示システムであって、
前記画像表示システムは、画像表示装置と電子機器とを備え、
前記画像表示装置は、
前記画像表示装置を電子機器に接続可能な画像表示装置側インターフェースと、
前記レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光をフレーム単位で走査する走査手段と、
前記走査手段により走査された前記レーザ光を、前記第1の被投射面に向かう第1のレーザ光と、前記第2の被投射面に向かう第2のレーザ光とに分割する光分割素子と、
前記第2の被投射面上の外部物体により反射された前記第2のレーザ光を検出する光検出器と、
前記画像表示装置の動作を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、
前記走査手段を所定の走査周波数で動作させる走査制御手段と、
前記画像に対応する画像データおよび前記走査周波数に基づいて、前記レーザ光源による前記レーザ光の出力を制御する光源制御手段と、
前記光検出器の光検出タイミングにおける前記レーザ光の走査位置に基づいて、前記外部物体の位置を算出する位置算出手段と、
前記走査手段が前記画像の所定数のフレームを走査する間の前記光検出タイミングに基づいて前記位置算出手段が複数の前記位置を算出し、かつ、少なくとも1つの算出された前記位置が移動すると、前記画像データを変更するための指示を作成し、前記画像表示装置側インターフェースに前記指示を前記電子機器に送信させる指示手段とを有し、
前記電子機器は、
前記電子機器を前記画像表示装置に接続する電子機器側インターフェースと、
前記電子機器側インターフェースが前記画像表示装置に送信する前記画像データを作成する画像作成部とを含み、
前記画像作成部は、前記指示に基づいて、作成する前記画像データを変更する、画像表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−243576(P2010−243576A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89056(P2009−89056)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】