説明

画像表示装置及びアクティブシャッターグラス

【課題】アクティブシャッターグラスにおいて、自動的に、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にする。
【解決手段】画像表示装置1は、左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期した立体視同期信号、及び立体視動作を行っていることを示す立体視アクティブ信号を送信する信号送信部12を備える。信号送信部12は、立体視動作を行っているときに、立体視同期信号を送信する。また、信号送信部12は、立体視動作を開始するときに、立体視アクティブ信号を送信する。アクティブシャッターグラス2は、画像表示装置1から送信される立体視同期信号、及び立体視アクティブ信号を受信する信号受信部23と、アクティブシャッターグラス2をパワーオン状態とパワーオフ状態とに切り替える制御を行うマイコン28とを備える。マイコン28は、パワーオフ状態のときに、信号受信部23により立体視アクティブ信号を受信すると、パワーオン状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を立体的に視せるために左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互に表示する立体視動作を行う画像表示装置、及び画像表示装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像表示装置において、画像を立体的に視せるために左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互に表示する立体視動作を行うものがある。この立体視動作により表示される画像は、アクティブシャッターグラスを用いることで、立体的に視えるようになっている。アクティブシャッターグラスは、左目側グラス及び右目側グラスが光透過状態と光非透過状態とに駆動されるようになっており、このように駆動される左目側グラス及び右目側グラスを介して、立体視動作により表示される画像を視ることにより、立体視動作により表示される画像が立体的に視えるようになっている。
【0003】
従来の画像表示装置は、立体視動作を行っているときに、左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期した立体視同期信号を送信するようになっている。そして、従来のアクティブシャッターグラスは、画像表示装置から送信される立体視同期信号を受信して、その立体視同期信号に同期して(すなわち、画像表示装置に表示される左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期して)、左目側グラス及び右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動するようになっている。また、従来のアクティブシャッターグラスは、ユーザが操作スイッチを操作してパワーオン状態にすることにより、左目側グラス及び右目側グラスが光透過状態と光非透過状態とに駆動され、ユーザが操作スイッチを操作してパワーオフ状態にすることにより、左目側グラス及び右目側グラスの駆動が停止されるようになっている。
【0004】
一方、電源スイッチがオンされた後において、立体映像表示期間の遠隔制御信号を受信していないときに、左目側グラス及び右目側グラスに駆動電圧を印加して、左目側グラス及び右目側グラスを開放保持することにより、通常映像を見ることができるようにしたアクティブシャッターグラスが知られている(例えば特許文献1参照)。また、電池からスイッチを通して電力を供給し、赤外線パルスが所定時間(例えば2.5分)以内に受信されなければ、オフ・モードに切り替わるようにしたアクティブシャッターグラスが知られている(例えば特許文献2参照)。また、電源投入スイッチが操作されて電源が投入されたときに、液晶シャッターを一定期間遮断した後に開放することにより、使用者に電源の投入を知らしめるようにしたアクティブシャッターグラスが知られている(例えば特許文献3参照)。また、シャッタ電源用スイッチのオン、オフに応じて、自動的に、画像表示装置において立体映像又は2D映像を選択させるようにしたアクティブシャッターグラスが知られている(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−231578号公報
【特許文献2】特開平6−46460号公報
【特許文献3】特開平8−278468号公報
【特許文献4】特開平11−75223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来のアクティブシャッターグラスにおいては、ユーザが手動で操作スイッチを操作してパワーオン状態及びパワーオフ状態にするようになっているため、使い勝手が悪い。なお、上述した特許文献1乃至特許文献4に開示の内容を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、自動的に、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にすることができる画像表示装置及びアクティブシャッターグラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、画像を立体的に視せるために左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互に表示する立体視動作を行う画像表示装置において、左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期した立体視同期信号を送信する同期信号送信手段と、立体視動作を行っていることを示す立体視アクティブ信号を送信するアクティブ信号送信手段とを備え、同期信号送信手段は、立体視動作を行っているときに、立体視同期信号を送信すると共に、立体視動作を行っていないときに、立体視同期信号の送信を停止し、アクティブ信号送信手段は、立体視動作を開始するときに、立体視アクティブ信号を送信するものである。
【0009】
請求項2の発明は、左目側グラス及び右目側グラスを備え、画像表示装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスにおいて、左目側グラス及び右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動するグラス駆動回路と、画像表示装置から送信される立体視同期信号を受信する同期信号受信手段と、画像表示装置から送信される立体視アクティブ信号を受信するアクティブ信号受信手段と、本アクティブシャッターグラスの動作状態を、グラス駆動回路に電力を供給しているパワーオン状態と、グラス駆動回路に電力を供給していないパワーオフ状態とに切り替える制御を行う制御手段とを備え、グラス駆動回路は、電力の供給を受けて動作して、同期信号受信手段により受信した立体視同期信号に同期して左目側グラス及び右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動し、制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態がパワーオフ状態のときに、アクティブ信号受信手段により立体視アクティブ信号を受信すると、本アクティブシャッターグラスの動作状態をパワーオン状態にするものである。
【0010】
請求項3の発明は、左目側グラス及び右目側グラスを備え、画像表示装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスにおいて、左目側グラス及び右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動するグラス駆動回路と、画像表示装置から送信される立体視同期信号を受信する同期信号受信手段と、本アクティブシャッターグラスの動作状態を、グラス駆動回路に電力を供給しているパワーオン状態と、グラス駆動回路に電力を供給していないパワーオフ状態とに切り替える制御を行う制御手段とを備え、グラス駆動回路は、電力の供給を受けて動作して、同期信号受信手段により受信した立体視同期信号に同期して左目側グラス及び右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動し、制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態がパワーオフ状態のときに、同期信号受信手段により立体視同期信号を受信すると、本アクティブシャッターグラスの動作状態をパワーオン状態にするものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のアクティブシャッターグラスにおいて、制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態がパワーオン状態のときに、同期信号受信手段により立体視同期信号を受信しなくなると、本アクティブシャッターグラスの動作状態をパワーオフ状態にするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、本装置が立体視動作を開始するときに、本装置から立体視動作を行っていることを示す立体視アクティブ信号が送信される。従って、本装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスにおいて、立体視アクティブ信号を受信するとパワーオン状態になる構成を採用することにより、本装置が立体視動作を開始するときに、自動的に、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。また、同期信号送信手段がアクティブ信号送信手段を兼ねる構成を採用することにより、コストの低減を図ることができる。また、アクティブシャッターグラスにおいて、立体視アクティブ信号を受信するとパワーオン状態になる構成を採用することにより、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作スイッチが必要なくなり、コストの低減を図ることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、画像表示装置から送信される(画像表示装置が立体視動作を開始するときに送信される)立体視アクティブ信号を本アクティブシャッターグラスが受信すると、本アクティブシャッターグラスがパワーオン状態になる。従って、画像表示装置が立体視動作を開始するときに、自動的に、本アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。また、同期信号受信手段がアクティブ信号受信手段を兼ねる構成を採用することにより、コストの低減を図ることができる。また、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作スイッチが必要ないため、コストの低減を図ることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、画像表示装置から送信される立体視同期信号(画像表示装置が立体視動作を行っているときに送信される)を本アクティブシャッターグラスが受信すると、本アクティブシャッターグラスがパワーオン状態になる。従って、画像表示装置が立体視動作を行っているときに、自動的に、本アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。また、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にするための操作スイッチが必要ないため、コストの低減を図ることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、画像表示装置から送信される(画像表示装置が立体視動作を行っているときに送信される)立体視同期信号を本アクティブシャッターグラスが受信しなくなると、本アクティブシャッターグラスがパワーオフ状態になる。従って、画像表示装置が立体視動作を終了したときに、自動的に、本アクティブシャッターグラスをパワーオフ状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラスをパワーオフ状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。また、アクティブシャッターグラスをパワーオフ状態にするための操作スイッチが必要ないため、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示装置及びアクティブシャッターグラスの概略構成を示す外観図。
【図2】同画像表示装置及びアクティブシャッターグラスの電気的ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態による画像表示装置及びアクティブシャッターグラスについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による画像表示装置及びアクティブシャッターグラスの構成を示す。画像表示装置1は、画像を表示する装置であり、アクティブシャッターグラス2は、画像表示装置1で表示される画像が立体的に視えるようにするための装置である。
【0018】
画像表示装置1は、画像を表示するためのディスプレイ11と、アクティブシャッターグラス2に赤外線によって各種信号を送信する信号送信部12等を備える。画像表示装置1は、テレビジョン放送局から配信されているテレビジョン信号を受信し、その受信したテレビジョン信号による画像をディスプレイ11に表示するようになっている。また、画像表示装置1は、DVDやBD(ブルーレイディスク)等の光ディスクに記録されている記録データを読取り、その読取った記録データによる画像をディスプレイ11に表示するようになっている。
【0019】
この画像表示装置1は、立体視動作を行うようになっている。立体視動作とは、ディスプレイ11に表示する画像を立体的に視せるために、ディスプレイ11に左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互に表示する動作である。画像表示装置1は、テレビジョン放送局から配信されているテレビジョン信号による画像をディスプレイ11に表示するとき、そのテレビジョン信号が立体視用のものであるときに、立体視動作を行う。また、画像表示装置1は、光ディスクに記録されている記録データによる画像をディスプレイ11に表示するとき、その記録データが立体視用のものであるときに、立体視動作を行う。立体視動作では、画像表示装置1は、テレビジョン放送局から配信されるテレビジョン信号又は光ディスクに記録されている記録データから、左目用画像を表示するための画像信号及び右目用画像を表示するための画像信号を生成し、それら生成した画像信号による左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互にディスプレイ11に表示するようになっている。
【0020】
また、画像表示装置1は、立体視動作を行っているときに、信号送信部12から立体視同期信号を送信するようになっている。立体視同期信号は、左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期した信号である。また、画像表示装置1は、立体視動作を開始するときに、信号送信部12から立体視アクティブ信号を送信すると共に、立体視動作を行っているとき、定期的に、信号送信部12から立体視アクティブ信号を送信するようになっている。立体視アクティブ信号は、立体視動作を行っていることを示す信号である。
【0021】
アクティブシャッターグラス2は、左目側グラス21と、右目側グラス22と、画像表示装置1から赤外線によって送信される各種信号を受信する信号受信部23等を備える。アクティブシャッターグラス2は、左目側グラス21がユーザの左目の前方に位置すると共に右目側グラス22がユーザの右目の前方に位置するように、ユーザに装着されて使用される。
【0022】
アクティブシャッターグラス2は、画像表示装置1の信号送信部12から送信される立体視アクティブ信号及び立体視同期信号を、信号受信部23により受信するようになっている。そして、アクティブシャッターグラス2は、信号受信部23により受信した立体視同期信号に同期して(すなわち、画像表示装置1のディスプレイ11に表示される左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期して)、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動するようになっている。また、アクティブシャッターグラス2は、信号受信部23による立体視アクティブ信号及び立体視同期信号の受信状態に応じて、自動的に、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動する動作を開始、停止するようになっている。
【0023】
図2は、画像表示装置1及びアクティブシャッターグラス2の電気的ブロック構成を示す。
【0024】
画像表示装置1は、上述の構成に加え、画像処理部13と、シャッター同期回路14と、画像表示装置2の動作を制御するマイコン15等を備える。
【0025】
ディスプレイ11は、マイコン15による制御のもと、画像処理部13により生成された画像信号が供給されることにより、その画像信号による画像を表示する。
【0026】
画像処理部13は、マイコン15による制御のもと、テレビジョン放送局から配信されるテレビジョン信号(不図示のチューナにより受信したテレビジョン信号)又は光ディスクに記録されている記録データ(不図示の光ディスクドライブにより光ディスクから読取った記録データ)から、ディスプレイ11で画像を表示するための画像信号を生成し、その生成した画像信号をディスプレイ11に供給する。これにより、テレビジョン放送局から配信されるテレビジョン信号による画像又は光ディスクに記録されている記録データによる画像がディスプレイ11に表示される。
【0027】
このとき、画像処理部13は、入力されたテレビジョン信号又は記録データが立体視用のものである場合には、そのテレビジョン信号又は記録データから、左目用画像を表示するための画像信号及び右目用画像を表示するための画像信号を生成し、それら生成した画像信号をディスプレイ11に供給する。これにより、左目用画像と右目用画像が所定の表示タイミングで交互にディスプレイ11に表示されて、立体視動作が行われる。
【0028】
また、画像処理部13は、入力されたテレビジョン信号又は記録データが立体視用のものである場合には、3D視聴ON信号をマイコン15に入力する。すなわち、画像処理部13は、立体視動作を開始するとき及び立体視動作を行っている間、3D視聴ON信号をマイコン15に入力する。マイコン15は、3D視聴ON信号の入力を受けて、立体視動作を行っていることを示す立体視アクティブ信号を出力する。マイコン15から出力された立体視アクティブ信号は、信号送信部12に与えられる。
【0029】
シャッター同期回路14は、立体視動作における左目用画像と右目用画像の表示タイミングに同期した立体視同期信号(SYNC PULSE)を生成する回路である。シャッター同期回路14は、マイコン15による制御のもと、立体視同期信号を生成する。シャッター同期回路14は、マイコン15による制御のもと、立体視同期信号を生成する状態と、立体視同期信号の生成を停止する状態とに切り替えられる。すなわち、シャッター同期回路14は、マイコン15からON信号が与えられることにより動作して、立体視同期信号を生成し、マイコン15からOFF信号が与えられることにより動作を停止して、立体視同期信号の生成を停止する。シャッター同期回路14により生成された立体視同期信号は、信号送信部12に与えられる。
【0030】
信号送信部12は、シャッター同期回路14から立体視同期信号が与えられることにより、その立体視同期信号を赤外線によって送信する。また、信号送信部12は、マイコン15から立体視アクティブ信号が与えられることにより、その立体視アクティブ信号を赤外線によって送信する。信号送信部12によって、同期信号送信手段及びアクティブ信号送信手段が構成されている。
【0031】
マイコン15は、画像処理部13から3D視聴ON信号が入力されると(すなわち立体視動作を開始すると)、シャッター同期回路14にON信号を与えて、シャッター同期回路14による立体視同期信号の生成を開始させる。そして、マイコン15は、3D視聴ON信号が入力されている間(すなわち立体視動作を行っている間)、シャッター同期回路14にON信号を与え続けて、シャッター同期回路14による立体視同期信号の生成を継続させる。また、マイコン15は、3D視聴ON信号が入力されなくなると(すなわち立体視動作を終えると)、シャッター同期回路14にOFF信号を与えて、シャッター同期回路14による立体視同期信号の生成を停止させる。
【0032】
これにより、立体視動作を行っている間、シャッター同期回路14により立体視同期信号が生成され、その生成された立体視同期信号が信号送信部12に与えられて、信号送信部12から立体視同期信号が送信される。すなわち、信号送信部12は、マイコン15による制御のもと、立体視動作を行っているときに、立体視同期信号を送信し、立体視動作を行っていないときに、立体視同期信号の送信を停止する。
【0033】
また、マイコン15は、画像処理部13からの3D視聴ON信号の入力が開始されたときに、立体視アクティブ信号を出力する。また、マイコン15は、3D視聴ON信号が入力されている間、定期的に(例えば3秒毎に)、立体視アクティブ信号を出力する。なお、立体視アクティブ信号を出力するときには、一時的に、シャッター同期回路14からの立体視同期信号の出力を停止させる。
【0034】
これにより、立体視動作を開始したときに、マイコン15から出力された立体視アクティブ信号が信号送信部12に与えられて、信号送信部12から立体視アクティブ信号が送信される。また、立体視動作を行っているとき、定期的に、マイコン15から出力された立体視アクティブ信号が信号送信部12に与えられて、信号送信部12から立体視アクティブ信号が送信される。すなわち、信号送信部12は、マイコン15による制御のもと、立体視動作を開始するときに、立体視アクティブ信号を送信し、また、立体視動作を行っているとき、定期的に(例えば3秒毎に)、立体視アクティブ信号を送信する。
【0035】
アクティブシャッターグラス2は、上述の構成に加え、グラス駆動回路24と、パワーオンレギュレータ25と、スタンバイ電源回路26と、電池27と、アクティブシャッターグラス2の動作を制御するマイコン28等を備える。
【0036】
左目側グラス21及び右目側グラス22は、各々、グラス駆動回路24によって、光を透過する光透過状態と光を透過しない光非透過状態とに駆動される。
【0037】
信号受信部23は、マイコン28による制御のもと、信号の受信を待ち受ける受信待受状態に駆動され、画像表示装置1の信号送信部12から赤外線によって送信される立体視同期信号及び立体視アクティブ信号を受信する。信号受信部23によって、同期信号受信手段及びアクティブ信号受信手段が構成されている。
【0038】
グラス駆動回路24は、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動する回路である。グラス駆動回路24は、電力の供給を受けて動作して、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動する。すなわち、グラス駆動回路24は、電力が供給されることにより動作して、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動し、電力が供給されなくなることにより動作を停止して、左目側グラス21及び右目側グラス22の駆動を停止する。
【0039】
グラス駆動回路24は、信号受信部23により受信した立体視同期信号に同期して、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動する。すなわち、グラス駆動回路24は、左目側グラス21が光透過状態で右目側グラス22が光非透過状態である状態と、左目側グラス21が光非透過状態で右目側グラス22が光透過状態である状態とを、信号受信部23により受信した立体視同期信号に同期して交互に繰り返すように、左目側グラス21及び右目側グラス22を駆動する。
【0040】
パワーオンレギュレータ25は、アクティブシャッターグラス2のパワーオン状態のときの動作に必要なパワーオン時動作電圧を生成する回路である。パワーオン状態とは、グラス駆動回路24に電力を供給している状態であって、グラス駆動回路24によって左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動している状態である。
【0041】
パワーオンレギュレータ25は、マイコン28による制御のもと、電池27からの電力供給を受けて、パワーオン時動作電圧を生成する。パワーオンレギュレータ25は、マイコン28による制御のもと、パワーオン時動作電圧を生成する状態と、パワーオン時動作電圧の生成を停止する状態とに切り替えられる。すなわち、パワーオンレギュレータ25は、マイコン28からP−ON信号が与えられるときに動作して、パワーオン時動作電圧を生成し、マイコン28からP−ON信号が与えられていないときに動作を停止して、パワーオン時動作電圧の生成を停止する。パワーオンレギュレータ25により生成されたパワーオン時動作電圧は、グラス駆動回路24及びマイコン28に供給される。
【0042】
スタンバイ電源回路26は、アクティブシャッターグラス2のパワーオフ状態のときの動作に必要なパワーオフ時動作電圧を生成する回路である。パワーオフ状態とは、いわゆるスタンバイ状態であり、グラス駆動回路24に電力を供給していない状態であって、グラス駆動回路24によって左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動していない状態である。
【0043】
スタンバイ電源回路26は、電池27からの電力供給を受けて、パワーオフ時動作電圧を生成する。スタンバイ電源回路26は、常に(パワーオフ状態のときも)、パワーオフ時動作電圧を生成している。スタンバイ電源回路26により生成されたパワーオフ時動作電圧は、マイコン28に供給される。
【0044】
マイコン28は、アクティブシャッターグラス2の動作状態を、グラス駆動回路24に電力を供給しているパワーオン状態と、グラス駆動回路24に電力を供給していないパワーオフ状態とに切り替える制御を行う。
【0045】
すなわち、マイコン28は、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオン状態にするとき、パワーオンレギュレータ25にP−ON信号を与える。これにより、パワーオンレギュレータ25によるパワーオン時動作電圧の生成が行われ、パワーオンレギュレータ25からグラス駆動回路24及びマイコン28に電力が供給される。また、マイコン28は、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオフ状態にするとき、パワーオンレギュレータ25にP−ON信号を与えなくする。これにより、パワーオンレギュレータ25によるパワーオン時動作電圧の生成が行われなくなり、パワーオンレギュレータ25からグラス駆動回路24及びマイコン28に電力が供給されなくなる。
【0046】
マイコン28は、このように、パワーオンレギュレータ25にP−ON信号を与える状態と与えない状態とに切り替えることにより、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオン状態とパワーオフ状態とに切り替える。なお、アクティブシャッターグラス2の動作状態がパワーオフ状態のときにも、マイコン28には、スタンバイ電源回路26から電力が供給されている。また、アクティブシャッターグラス2の動作状態がパワーオフ状態のとき、マイコン28は、信号受信部23を間欠駆動している。マイコン28によって、制御手段が構成されている。
【0047】
マイコン28は、信号受信部23により立体視同期信号を受信していないときには、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオフ状態にしている。従って、このとき、パワーオンレギュレータ25によるパワーオン時動作電圧の生成が停止されており、パワーオンレギュレータ25からマイコン28及びグラス駆動回路24への電力の供給が停止されている。そして、マイコン28は、スタンバイ電源回路26から供給される電力によって動作している。また、グラス駆動回路24は、電力が供給されずに動作を停止しており、左目側グラス21及び右目側グラス22の駆動を停止している。
【0048】
そして、マイコン28は、アクティブシャッターグラス2の動作状態がパワーオフ状態のときに、信号受信部23により立体視アクティブ信号を受信すると、パワーオンレギュレータ25にP−ON信号を与えて、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオン状態にする。これにより、パワーオンレギュレータ25によるパワーオン時動作電圧の生成が開始され、パワーオンレギュレータ25からグラス駆動回路24及びマイコン28への電力の供給が開始される。そして、マイコン28は、パワーオンレギュレータ25から供給される電力によって動作する状態となる。また、グラス駆動回路24は、パワーオンレギュレータ25から供給される電力によって動作を開始して、その後に信号受信部23により受信する立体視同期信号に同期して、左目側グラス21及び右目側グラス22を光透過状態と光非透過状態とに駆動する。
【0049】
また、マイコン28は、アクティブシャッターグラス2の動作状態がパワーオン状態のときに、信号受信部23により立体視同期信号を受信しなくなると(例えば、立体視同期信号を受信しない状態が10秒間続くと)、パワーオンレギュレータ25にP−ON信号を与えなくして、アクティブシャッターグラス2の動作状態をパワーオフ状態にする。これにより、パワーオンレギュレータ25によるパワーオン時動作電圧の生成が停止され、パワーオンレギュレータ25からマイコン28及びグラス駆動回路24への電力の供給が停止される。そして、マイコン28は、スタンバイ電源回路26から供給される電力によって動作する状態となる。また、グラス駆動回路24は、動作を停止して、左目側グラス21及び右目側グラス22の駆動を停止する。
【0050】
このような構成の画像表示装置1及びアクティブシャッターグラス2によれば、画像表示装置1が立体視動作を開始するときに、画像表示装置1から立体視アクティブ信号が送信され、そして、その立体視アクティブ信号をアクティブシャッターグラス2が受信すると、アクティブシャッターグラス2がパワーオン状態になる。従って、画像表示装置1が立体視動作を開始するときに、自動的に、アクティブシャッターグラス2をパワーオン状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラス2をパワーオン状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。
【0051】
しかも、画像表示装置1が立体視動作を行っているときにも、画像表示装置1から定期的に(例えば3秒毎に)立体視アクティブ信号が送信される。従って、立体視動作を開始するときに画像表示装置1から送信された立体視アクティブ信号が、アクティブシャッターグラス2に受信されなかったとしても、立体視動作を行っているときに画像表示装置1から定期的に送信される立体視アクティブ信号が、アクティブシャッターグラス2に受信されると、アクティブシャッターグラス2がパワーオン状態になる。これにより、より確実に、画像表示装置1が立体視動作を行っているときに、自動的に、アクティブシャッターグラス2をパワーオン状態にすることができる。
【0052】
また、画像表示装置1から送信される立体視同期信号をアクティブシャッターグラス2が受信しなくなると、アクティブシャッターグラス2がパワーオフ状態になる。従って、画像表示装置が立体視動作を終了したときに、自動的に、アクティブシャッターグラス2をパワーオフ状態にすることができる。これにより、ユーザは、アクティブシャッターグラス2をパワーオフ状態にするための操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。
【0053】
また、画像表示装置1の信号送信手段12は、立体視同期信号及び立体視アクティブ信号を送信するようになっている。すなわち、画像表示装置1において、立体視同期信号を送信する手段が立体視アクティブ信号を送信する手段を兼ねている。これにより、コストの低減を図ることができる。また、アクティブシャッターグラス2の信号受信部23は、立体視同期信号及び立体視アクティブ信号を受信するようになっている。すなわち、アクティブシャッターグラス2において、立体視同期信号を受信する手段が立体視アクティブ信号を受信する手段を兼ねている。これにより、コストの低減を図ることができる。また、アクティブシャッターグラス2をパワーオン状態にするための操作スイッチ、及びパワーオフ状態にするための操作スイッチが必要ない。これにより、コストの低減を図ることができる。また、アクティブシャッターグラス2の動作状態がパワーオフ状態のとき、信号受信部23が間欠駆動される。これにより、消費電力を低減することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、画像表示装置は、ユーザによる(画像表示装置のリモコンの操作による)立体視動作開始指示を受けて、立体視動作を開始し、ユーザによる立体視動作終了指示を受けて、立体視動作を終了するようになっていてもよい。また、アクティブシャッターグラスのマイコンは、アクティブシャッターグラスの動作状態がパワーオフ状態のときに、信号受信部により立体視同期信号を受信すると、アクティブシャッターグラスの動作状態をパワーオン状態にするようにしてもよい。このようにすれば、画像表示装置から送信される立体視同期信号(画像表示装置が立体視動作を行っているときに送信される)をアクティブシャッターグラスが受信すると、アクティブシャッターグラスがパワーオン状態になる。従って、画像表示装置が立体視動作を行っているときに、自動的に、アクティブシャッターグラスをパワーオン状態にすることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 画像表示装置
2 アクティブシャッターグラス
11 ディスプレイ
12 信号送信部(同期信号送信手段、アクティブ信号送信手段)
13 画像処理部
14 シャッター同期回路
15 マイコン
21 左目側グラス
22 右目側グラス
23 信号受信部(同期信号受信手段、アクティブ信号受信手段)
24 グラス駆動回路
25 パワーオンレギュレータ
26 スタンバイ電源回路
27 電池
28 マイコン(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を立体的に視せるために左目用画像と右目用画像を所定の表示タイミングで交互に表示する立体視動作を行う画像表示装置において、
前記左目用画像と前記右目用画像の表示タイミングに同期した立体視同期信号を送信する同期信号送信手段と、
前記立体視動作を行っていることを示す立体視アクティブ信号を送信するアクティブ信号送信手段とを備え、
前記同期信号送信手段は、前記立体視動作を行っているときに、前記立体視同期信号を送信すると共に、前記立体視動作を行っていないときに、前記立体視同期信号の送信を停止し、
前記アクティブ信号送信手段は、前記立体視動作を開始するときに、前記立体視アクティブ信号を送信する、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
左目側グラス及び右目側グラスを備え、画像表示装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスにおいて、
前記左目側グラス及び前記右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動するグラス駆動回路と、
前記画像表示装置から送信される立体視同期信号を受信する同期信号受信手段と、
前記画像表示装置から送信される立体視アクティブ信号を受信するアクティブ信号受信手段と、
本アクティブシャッターグラスの動作状態を、前記グラス駆動回路に電力を供給しているパワーオン状態と、前記グラス駆動回路に電力を供給していないパワーオフ状態とに切り替える制御を行う制御手段とを備え、
前記グラス駆動回路は、電力の供給を受けて動作して、前記同期信号受信手段により受信した前記立体視同期信号に同期して前記左目側グラス及び前記右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動し、
前記制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態が前記パワーオフ状態のときに、前記アクティブ信号受信手段により前記立体視アクティブ信号を受信すると、本アクティブシャッターグラスの動作状態を前記パワーオン状態にする、
ことを特徴とするアクティブシャッターグラス。
【請求項3】
左目側グラス及び右目側グラスを備え、画像表示装置で表示される画像が立体的に視えるようにするためのアクティブシャッターグラスにおいて、
前記左目側グラス及び前記右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動するグラス駆動回路と、
前記画像表示装置から送信される立体視同期信号を受信する同期信号受信手段と、
本アクティブシャッターグラスの動作状態を、前記グラス駆動回路に電力を供給しているパワーオン状態と、前記グラス駆動回路に電力を供給していないパワーオフ状態とに切り替える制御を行う制御手段とを備え、
前記グラス駆動回路は、電力の供給を受けて動作して、前記同期信号受信手段により受信した前記立体視同期信号に同期して前記左目側グラス及び前記右目側グラスを光透過状態と光非透過状態とに駆動し、
前記制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態が前記パワーオフ状態のときに、前記同期信号受信手段により前記立体視同期信号を受信すると、本アクティブシャッターグラスの動作状態を前記パワーオン状態にする、
ことを特徴とするアクティブシャッターグラス。
【請求項4】
前記制御手段は、本アクティブシャッターグラスの動作状態が前記パワーオン状態のときに、前記同期信号受信手段により前記立体視同期信号を受信しなくなると、本アクティブシャッターグラスの動作状態を前記パワーオフ状態にする、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のアクティブシャッターグラス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−99881(P2012−99881A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243252(P2010−243252)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】