説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】複数のメイン画像を順次表示する際に、メイン画像に複数の人物の顔があって、これらの顔のいずれかにサブ画像が重なってしまう場合、隠れるのを避けたい重要な人物の顔にサブ画像が重なってしまう可能性がある。
【解決手段】複数のメイン画像のそれぞれから人物の顔領域を検出する顔領域検出部53と、各メイン画像から検出された顔領域について、各メイン画像における重要度を判断する顔重要度判断部56と、各メイン画像における顔領域の重要度に基づいて、サブ画像に対して各メイン画像に共通な表示位置を設定する表示位置設定部57と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばフォトビューワーなどにおいて、主たる表示対象であるメイン画像に対して、アイコンや撮影情報などの文字列をサブ画像として重ねて表示するものがある。例えば、特許文献1では、メイン画像を表示する主画面にサブ画像を表示する副画面を重ねて表示でき、主画面に表示されている画像内の顔の位置に応じて顔が見えるように主画面と副画面の表示を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−89051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、主画面の顔と副画面が重ならないようにするために、副画面の位置や大きさを制御したり、重なった場合に顔が見えるように副画面の透過度を制御したりしている。ここで、主画面に複数の人物の顔があって、これらの顔のいずれかに副画面が重なってしまう場合、隠れるのを避けたい重要な人物の顔に副画面が重なってしまう可能性がある。また、その顔が副画面から透過できたとしても顔が見えにくくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]複数のメイン画像を順次表示する際に、当該メイン画像に重なるサブ画像を併せて表示することが可能な画像表示装置であって、前記複数のメイン画像のそれぞれから人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、前記各メイン画像から検出された顔領域について、前記各メイン画像における重要度を判断する顔重要度判断部と、前記各メイン画像における前記顔領域の重要度に基づいて、前記サブ画像に対して前記各メイン画像に共通な表示位置を設定する表示位置設定部と、を有することを特徴とする画像表示装置。
【0007】
上記した画像表示装置によれば、顔重要度判断部が、各メイン画像に表示された顔領域の重要度を判断する。そして、表示位置設定部が、顔領域の重要度に基づいて各メイン画像に共通な表示位置となるサブ画像の表示位置を設定する。顔領域の重要度に基づいて各メイン画像に共通なサブ画像の表示位置を設定することにより、重要度の高い顔領域とは重ならない位置にサブ画像を表示することができる。この結果、隠れるのを避けたい重要な人物の顔については、サブ画像に隠れることなく見ることができる。また、サブ画像の表示位置が、各メイン画像の内容に応じて移動することなく共通な位置に表示されることから、ユーザーは、サブ画像を容易に確認することができる。
【0008】
[適用例2]人物の顔画像の特徴量が登録された顔特徴情報及び当該顔特徴情報に対応する人物の重要度が登録された人物重要度情報を記憶する記憶部と、前記顔領域検出部により検出された前記顔領域から特徴量を検出する顔特徴検出部と、前記顔特徴検出部により検出された特徴量と前記記憶されている顔特徴情報とを照合することにより、前記顔領域の人物を特定する顔認識部と、を更に有し、前記顔重要度判断部は、前記特定された人物に対応する前記記憶されている人物重要度情報に基づいて、前記顔領域の重要度を判断することを特徴とする上記画像表示装置。
【0009】
上記した画像表示装置によれば、顔認識部が、顔領域から検出された特徴量と顔特徴情報とを照合することにより顔領域の人物を特定する。そして、顔重要度判断部は、特定された人物に対応する人物重要度情報に基づいて顔領域の重要度を判断する。これにより、各メイン画像に表示された顔領域の重要度を、予め登録されている顔特徴情報及び人物重要度情報に基づいて得ることができる。
【0010】
[適用例3]前記各メイン画像の領域に、前記サブ画像を表示する候補領域となる複数のサブ画像表示領域が予め定義されており、前記表示位置設定部は、前記各メイン画像から検出された顔領域について前記各サブ画像表示領域に表示位置が重なる前記顔領域の重要度を判断し、前記サブ画像表示領域毎に前記重要度の総和値、最大値及び平均値の少なくとも1つを算出することにより、前記サブ画像の表示位置を設定することを特徴とする上記画像表示装置。
【0011】
上記した画像表示装置によれば、表示位置設定部が、予め定義された各サブ画像表示領域に重なる顔領域の重要度を判断し、サブ画像表示領域毎に重要度の総和値、最大値及び平均値の少なくとも1つを算出して表示位置を設定する。これにより、ユーザーの実状に応じて様々な角度から重要度の算出方法を判断することができる。
【0012】
[適用例4]前記表示位置設定部は、前記各メイン画像に予め設定されている重要度に基づいて、前記サブ画像の表示位置を設定することを特徴とする上記画像表示装置。
【0013】
上記した画像表示装置によれば、各メイン画像に予め設定されている重要度に基づいてサブ画像の表示位置を設定することにより、重要度の高いメイン画像における人物の顔については、サブ画像に隠れることなく見ることができる。
【0014】
[適用例5]複数のメイン画像を順次表示する際に、当該メイン画像に重なるサブ画像を併せて表示することが可能な画像表示方法であって、前記複数のメイン画像のそれぞれから人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、前記各メイン画像から検出された顔領域について、前記各メイン画像における重要度を判断する顔重要度判断工程と、前記各メイン画像における前記顔領域の重要度に基づいて、前記サブ画像に対して前記各メイン画像に共通な表示位置を設定する表示位置設定工程と、を有することを特徴とする画像表示方法。
【0015】
上記した画像表示方法によれば、顔重要度判断工程において、各メイン画像に表示された顔領域の重要度を判断する。そして、表示位置設定工程において、顔領域の重要度に基づいて各メイン画像に共通な表示位置となるサブ画像の表示位置を設定する。顔領域の重要度に基づいて各メイン画像に共通なサブ画像の表示位置を設定することにより、重要度の高い顔領域とは重ならない位置にサブ画像を表示することができる。この結果、隠れるのを避けたい重要な人物の顔については、サブ画像に隠れることなく見ることができる。また、サブ画像の表示位置が、各メイン画像の内容に応じて移動することなく共通な位置に表示されることから、ユーザーは、サブ画像を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像表示装置のハードウエア構成を示すブロック図。
【図2】画像表示装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】画像表示装置の動作を示すフローチャート。
【図4】メイン画像の領域内に表示する各サブ画像表示領域の例を示す図。
【図5】各メイン画像に人物が含まれる例を示す図。
【図6】各メイン画像に人物が含まれる例を示す図。
【図7】各メイン画像に人物が含まれる例を示す図。
【図8】顔特徴情報及び人物重要度情報に基づいた人物テーブルの例を示す図。
【図9】各サブ画像表示領域の重要度を算出する例を示す図。
【図10】変形例において各サブ画像表示領域の重要度を算出する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照して説明する。
【0018】
<画像表示装置の構成>
最初に、本実施形態に係る画像表示装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。この画像表示装置は、例えば、フォトビューワー、プリンター、プロジェクター、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などの情報処理機器の一機能として実施することができる。
【0019】
画像表示装置1は、CPU11、内部メモリー12、操作部13、表示部14、通信インターフェイス15、記憶部16等を備えている。
【0020】
CPU(Central Processing Unit)11は、上記の各部を制御して、内部メモリー12に格納されているプログラムに応じて各種の処理を実行する。内部メモリー12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを格納するROM(Read Only Memory)、及びCPU11が実行対象とするプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)によって構成されている。
【0021】
操作部13は、ボタンやタッチパネル等により構成され、ユーザーからの操作内容をCPU11に通知する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、CPU11から供給されたデータに対応する画像を表示する。通信インターフェイス15は、例えばデジタルカメラ等の情報機器から画像データなどのやり取りを行うためのインターフェイスである。
【0022】
記憶部16は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリーのような不揮発性メモリー、又はハードディスクにより構成される。記憶部16には、例えばデジタルカメラ等の情報機器から通信インターフェイス15を介して入力された例えば人物画像や風景画像等のメイン画像16bが複数枚保存されている。また、人物の顔画像の特徴量が登録された顔特徴情報16b、及び当該顔特徴情報16bに対応する人物の重要度が登録された人物重要度情報16cが予め登録されている。
【0023】
図2は、画像表示装置1の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像表示装置1は、メイン画像表示部51、サブ画像表示部52、顔領域検出部53、顔特徴検出部54、顔認識部55、顔重要度判断部56、表示位置設定部57等の各機能を備えている。これらの機能は、CPU11が、内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することよって実現される。
【0024】
メイン画像表示部51は、記憶部16に保存されている複数枚のメイン画像16aを1枚ずつ表示部14の全面に渡って順次表示する。サブ画像表示部52は、例えば、アイコン、撮影情報などの文字列、ヒストグラム等をサブ画像としてメイン画像の一部に重なるように表示する。このため、メイン画像の領域内には、サブ画像を表示する領域候補となる複数のサブ画像表示領域が予め定義されている。ここで、各サブ画像表示領域について、メイン画像の領域内における表示位置、領域サイズ、優先度等の定義情報が記憶部16に予め登録されている。この定義情報は、ユーザーが操作部13を介して適宜設定することができる。
【0025】
顔領域検出部53は、記憶部16に保存されている各メイン画像16aに含まれる全ての顔領域を検出する。本実施形態では、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法(特開2006−279460号公報参照)等の公知の検出方法を用いて顔領域を検出する。
【0026】
顔特徴検出部54は、顔領域検出部53により検出された顔領域から顔の特徴量を検出する。この特徴量は、顔領域の人物の顔認識を行うために用いられる。ここでは、顔領域から顔、目及び口の器官輪郭と、それらの顔領域における相対位置を検出する。本実施形態では、上記した顔領域の検出と同様に、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の検出方法を用いて顔器官を検出する。
【0027】
顔認識部55は、顔特徴検出部54において顔領域から検出された特徴量と、記憶部16に登録されている顔特徴情報16bとを照合することにより、顔領域検出部53により検出された顔領域の人物を特定する。
【0028】
顔重要度判断部56は、顔認識部55において特定された人物について、記憶部16に登録されている人物重要度情報16cを参照することにより、各メイン画像16aにおける当該人物の顔領域の重要度を求める。ここで、重要度が高い顔領域は、重要度が低い顔領域に比して、各メイン画像16aを表示したときにサブ画像が重なることで隠れてしまう可能性が低い顔領域となる。逆に、重要度が低い顔領域は、重要度が高い顔領域に比して、各メイン画像16aを表示したときにサブ画像が重なることで隠れてしまう可能性が高い顔領域となる。
【0029】
表示位置設定部57は、顔領域検出部53により検出された顔領域に基づいて、複数のサブ画像表示領域のうち、いずれのサブ画像表示領域にサブ画像を表示するのかを設定する。このとき、表示位置設定部57は、各サブ画像表示領域の優先度に基づいて、又は顔重要度判断部56において求めた顔領域の重要度等に基づいてサブ画像表示領域を設定することもある。
【0030】
<画像表示装置の動作>
次に、本実施形態に係る画像表示装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0031】
先ず、画像表示装置1は、顔領域検出部53により、記憶部16に保存されている各メイン画像16aに含まれる全ての人物の顔領域を検出する(ステップS110)。なお、本フローチャートでは、各メイン画像16aに人物が含まれる例について説明する。
【0032】
次に、画像表示装置1は、メイン画像の表示領域内の一部に重ねて表示する各サブ画像表示領域の表示位置・領域サイズ・優先度を記憶部16から取得する(ステップS120)。
【0033】
図4は、表示部14に表示されたメイン画像Mの領域内に表示する領域候補となる各サブ画像表示領域A,B,C,Dの例を示す図である。同図では、ステップS120において、各サブ画像表示領域A,B,C,Dの各表示位置(メイン画像Mの四隅)と、各領域サイズと、各サブ画像表示領域A,B,C,D間の優先度(A>B>C>D)を取得する。また、図5〜図7は、各メイン画像Mに人物が含まれる例を示す図である。以降、図4〜図7を例にして説明を行う。
【0034】
次に、画像表示装置1は、ステップS120において検出された各メイン画像Mにおける顔領域が、各サブ画像表示領域と重なるか否かを判定する(ステップS130)。ここでは、各サブ画像表示領域内に顔領域の顔座標が入っているか否かの判定を行っている。また、各サブ画像表示領域と比較する顔領域の顔座標は、メイン画像や、メイン画像を縮小した画像や、予め画像ファイルに埋め込まれているサムネイルに対して、人物の顔領域を検出して、その結果、得られた顔領域の顔座標を表示媒体の大きさに合わせて座標変換しても良い。また、メイン画像を縮小する際に表示媒体の大きさに縮小した画像を使って顔領域を検出し、得られた座標をそのまま使用しても良い。なお、顔領域は矩形や楕円などで表され、顔領域の顔座標とはそれらの内部の点の座標を指し、座標は画像の例えば左上の画素などの基準の点からの座標である。
【0035】
各メイン画像Mにおける顔領域が各サブ画像表示領域のいずれにも重ならない場合(ステップS130:Yes)は、画像表示装置1は、表示位置設定部57により、初期位置のサブ画像表示領域を表示位置に設定して(ステップS150)、ステップS210へ進む。図5の例では、記憶部16に2枚の画像1,2が保存されており、画像1の人物P1の顔領域及び画像2の人物P1〜P3の顔領域は、サブ画像表示領域A,B,C,Dのいずれにも重なっていない。従って、初期位置のサブ画像表示領域Aが表示位置に設定される。
【0036】
他方、顔領域が各サブ画像表示領域のいずれかにでも重なっている場合(ステップS130:No)は、画像表示装置1は、全ての顔領域と重ならないサブ画像表示領域が少なくとも1つあるか否かを判定する(ステップS140)。
【0037】
全ての顔領域と重ならないサブ画像表示領域が少なくとも1つある場合(ステップS140:Yes)は、画像表示装置1は、表示位置設定部57により、全ての顔領域と重ならないサブ画像表示領域の中から最も優先度の高いサブ画像表示領域を表示位置に設定して(ステップS160)、ステップS210へ進む。図6の例では、記憶部16に4枚の画像1〜4が保存されており、サブ画像表示領域B,Cには画像1〜4のいずれの顔領域も重なっていない。更に、サブ画像表示領域Bの方がサブ画像表示領域Cよりも優先度が高い。従って、サブ画像表示領域Bが表示位置に設定される。
【0038】
他方、顔領域と重ならないサブ画像表示領域が1つもない場合、即ち全てのサブ画像表示領域にいずれかの顔領域が重なっている場合(ステップS140:No)は、ステップS170へ進む。
【0039】
次に、ステップS170では、画像表示装置1は、顔特徴検出部54により、各サブ画像表示領域に重なっている顔領域から特徴量を検出するために器官輪郭検出を行う。そして、画像表示装置1は、顔認識部55及び顔重要度判断部56により、ステップS170において検出された各顔領域の特徴量と、記憶部16に登録されている顔特徴情報16b及び人物重要度情報16cとに基づいて、各顔領域の顔認識を行い、メイン画像における各顔領域の重要度を求める(ステップS180)。
【0040】
図7の例では、記憶部16に6枚の画像1〜6が保存されており、サブ画像表示領域Aには人物P3,P11、サブ画像表示領域Bには人物P2、サブ画像表示領域Cには人物P1,P12、サブ画像表示領域Dには人物P1の顔領域が重なっている。このため、ステップS170において各人物P1,P2,P3,P11,P12の顔領域の特徴量を検出し、ステップS180において各人物P1,P2,P3,P11,P12の顔領域の重要度を求める。
【0041】
図8は、顔特徴情報16b及び人物重要度情報16cに基づいた人物テーブルの例を示す図である。同図では、人物P1,P2,P3について、各人物の顔特徴情報となる特徴量T1,T2,T3、及び各人物の人物重要度情報となる重要度100,50,20が登録されている。また、該当しない人物については重要度10として登録されている。ステップS170において検出された人物P1,P2,P3,P11,P12の各顔領域の特徴量をそれぞれT1,T2,T3,T11,T12とすると、図8の人物テーブルの特徴量と比較することにより、人物P1,P2,P3,P11,P12の各顔領域の重要度100,50,20,10,10を求めることができる。
【0042】
次に、ステップS190では、画像表示装置1は、ステップS180において求めた各顔領域の重要度に基づいて、各サブ画像表示領域の重要度を算出する。ここでは、サブ画像表示領域毎に、各サブ画像表示領域に重なる顔領域の重要度の総和値を算出することにより、各サブ画像表示領域の重要度を算出する。そして、画像表示装置1は、表示位置設定部57により、各サブ画像表示領域の中から最も重要度の低いサブ画像表示領域を表示位置に設定して(ステップS200)、ステップS210へ進む。
【0043】
図9は、各サブ画像表示領域A〜Dの重要度を算出する例を示す図である。同図は、図7及び図8の例における重要度の算出を示している。例えば、サブ画像表示領域Aでは、画像3において人物P3(重要度20)の顔領域が重なっており、画像5において人物P11(重要度10)の顔領域が重なっており、画像6において人物P3(重要度20)と人物P11(重要度10)の顔領域が重なっている。これらの人物の重要度の総和をとることにより、サブ画像表示領域Aの重要度60が算出される。同様にして、サブ画像表示領域Bの重要度50、サブ画像表示領域Cの重要度110、サブ画像表示領域Dの重要度100が算出される。これらの重要度の中でサブ画像表示領域Bの重要度50(太枠で示す)が最も低いことから、サブ画像表示領域Bが表示位置に設定される。
【0044】
次に、ステップS210では、画像表示装置1は、記憶部16に保存されている複数枚のメイン画像16aの1枚を表示部14に表示する。続けて、画像表示装置1は、表示位置に設定されたサブ画像表示領域にサブ画像を表示する(ステップS220)。そして、画像表示装置1は、記憶部16に保存されている表示対象のメイン画像16aがあるか否かを判定し(ステップS230)、表示対象のメイン画像16aが無くなるまでメイン画像16aの表示(ステップS210)とサブ画像の表示(ステップS220)を繰り返す。表示対象のメイン画像16aが無くなったら、即ちメイン画像16aを全て表示したら処理を終了する。
【0045】
上述した実施形態では、メイン画像を1枚ずつ表示部14に表示する際に、サブ画像をメイン画像の一部となる共通の位置に重なるように表示する。このとき、サブ画像の表示位置は、複数のサブ画像表示領域の中から、人物の顔領域が重ならないサブ画像表示領域に設定する。ここで、図7の例のように、全てのサブ画像表示領域にいずれかの顔領域が重なっている場合、各顔領域の特徴量を検出して顔認識を行なう。そして、各顔領域の重要度を基にサブ画像表示領域毎の重要度を算出し、最も重要度の低いサブ画像表示領域にサブ画像を表示する。これにより、サブ画像は、メイン画像において重要となる人物の顔画像を避けて、あまり重要でない人物の顔画像に重なって表示されることになる。従って、顔が隠れるのを避けたい重要な人物については、予め画像表示装置1に登録することにより、サブ画像によって顔が隠れることなく見ることができる。
【0046】
(変形例1)
上述した実施形態では、サブ画像表示領域の重要度を算出する際、サブ画像表示領域に重なる顔領域の重要度の総和をとることにより算出している。しかし、これに限られず、重なる顔領域の重要度の平均値、重なる顔領域の中の最も高い重要度、重なる顔領域の面積又は重なっている面積部分の割合、重なる顔領域の人数等に基づいて、サブ画像表示領域の重要度を算出しても良い。
【0047】
図10は、最も高い重要度に基づいて、各サブ画像表示領域A〜Dの重要度を算出する例を示す図である。例えば、サブ画像表示領域Aでは、画像3,6における人物P3の重要度20が最も高く、サブ画像表示領域Bでは、画像5における人物P2の重要度50が最も高く、サブ画像表示領域Cでは、画像5における人物P1の重要度100が最も高く、サブ画像表示領域Dでは、画像4における人物P1の重要度100が最も高い。これらの重要度の中でサブ画像表示領域Aの重要度20(太枠で示す)が最も低いことから、サブ画像表示領域Bが表示位置に設定される。
【0048】
(変形例2)
上述した実施形態では、サブ画像表示領域毎に重要度を算出し、最も重要度の低いサブ画像表示領域を表示位置に設定している。しかし、サブ画像表示領域毎の重要度のみに基づいて表示位置を設定するのではなく、各メイン画像に予め設定された重要度を加味して表示位置を設定しても良い。これにより、全てのサブ画像表示領域にいずれかの顔領域が重なっている場合、例えば、重要なメイン画像では、他の重要でないメイン画像よりも人物の顔領域とサブ画像とを重なりにくくすることができる。
【0049】
(変形例3)
上述した実施形態では、メイン画像の領域内における表示位置、領域サイズ及び優先度が定義された複数のサブ画像表示領域が設定されている。しかし、これに限られず、表示位置が可変であって領域サイズが固定の1つのサブ画像表示領域、又は表示位置及び領域サイズが共に可変の1つのサブ画像表示領域を設定してサブ画像を表示するようにしても良い。
【0050】
この場合、各メイン画像から検出された顔領域と重ならない位置にサブ画像表示領域を設定する。ここで、各メイン画像の顔領域のいずれかにサブ画像が重なってしまう場合、顔領域の重要度に基づいてサブ画像表示領域を設定する。また、領域サイズが可変であれば、領域サイズを縮小することにより顔領域と重ならないようにしても良い。これにより、各メイン画像に表示された人物の顔画像とサブ画像とが重なるのを、更にきめ細かく防ぐことができる。
【0051】
(変形例4)
上述した実施形態では、人物毎に登録された重要度に従って顔領域の重要度を求めている。しかし、これに限られず、例えば、子供又は大人、男性又は女性などの識別を顔領域から検出し、これらの識別に基づいて、予め登録されている例えば子供優先や女性優先などの設定に従って顔領域の重要度を算出しても良い。
【符号の説明】
【0052】
1…画像表示装置、11…CPU、12…内部メモリー、13…操作部、14…表示部、15…通信インターフェイス、16…記憶部、16a…メイン画像、16b…顔特徴情報、16c…人物重要度情報、51…メイン画像表示部、52…サブ画像表示部、53…顔領域検出部、54…顔特徴検出部、55…顔認識部、56…顔重要度判断部、57…表示位置設定部、A〜D…サブ画像表示領域、P1〜P3,P11,P12…人物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメイン画像を順次表示する際に、当該メイン画像に重なるサブ画像を併せて表示することが可能な画像表示装置であって、
前記複数のメイン画像のそれぞれから人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、
前記各メイン画像から検出された顔領域について、前記各メイン画像における重要度を判断する顔重要度判断部と、
前記各メイン画像における前記顔領域の重要度に基づいて、前記サブ画像に対して前記各メイン画像に共通な表示位置を設定する表示位置設定部と、を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
人物の顔画像の特徴量が登録された顔特徴情報及び当該顔特徴情報に対応する人物の重要度が登録された人物重要度情報を記憶する記憶部と、
前記顔領域検出部により検出された前記顔領域から特徴量を検出する顔特徴検出部と、
前記顔特徴検出部により検出された特徴量と前記記憶されている顔特徴情報とを照合することにより、前記顔領域の人物を特定する顔認識部と、を更に有し、
前記顔重要度判断部は、前記特定された人物に対応する前記記憶されている人物重要度情報に基づいて、前記顔領域の重要度を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記各メイン画像の領域に、前記サブ画像を表示する候補領域となる複数のサブ画像表示領域が予め定義されており、
前記表示位置設定部は、前記各メイン画像から検出された顔領域について前記各サブ画像表示領域に表示位置が重なる前記顔領域の重要度を判断し、前記サブ画像表示領域毎に前記重要度の総和値、最大値及び平均値の少なくとも1つを算出することにより、前記サブ画像の表示位置を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示位置設定部は、前記各メイン画像に予め設定されている重要度に基づいて、前記サブ画像の表示位置を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数のメイン画像を順次表示する際に、当該メイン画像に重なるサブ画像を併せて表示することが可能な画像表示方法であって、
前記複数のメイン画像のそれぞれから人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、
前記各メイン画像から検出された顔領域について、前記各メイン画像における重要度を判断する顔重要度判断工程と、
前記各メイン画像における前記顔領域の重要度に基づいて、前記サブ画像に対して前記各メイン画像に共通な表示位置を設定する表示位置設定工程と、を有することを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−150225(P2011−150225A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12889(P2010−12889)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】