説明

画像解析に基づく撮像フィルタの生成

【課題】計算機支援式診断システムにおいて、画像操作機能(1又は複数)を選択するためのシステム、方法及びコンピュータ命令を提供する。
【解決手段】本発明の幾つかの実施形態は、医学検査に用いられる画像を操作するシステム、方法及びコンピュータ命令を提供する。例えば、一実施形態では、医学検査に用いられる画像操作システムが、画像及び画像情報を入力するように構成されている入力モジュールと、画像情報に基づいて画像操作機能を選択するように構成されている解析モジュールとを含んでいる。例えば、一実施形態では、画像情報は、撮像手順及び撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、画像操作機能はルックアップ・テーブルである。例えば、一実施形態では、画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでおり、選択される画像操作機能は、過去検査画像に適用された画像操作機能に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、医学検査時に用いられる画像(1又は複数)を操作するシステム、方法及びコンピュータ命令に関する。さらに具体的には、本発明は、画像操作機能(1又は複数)を選択するシステム、方法及びコンピュータ命令に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージング・システムは、疾患の監視及び/又は診断を支援するのに用いられている。イメージング・システムによって用いられる撮像手法の幾つかの実例としては、計算機式断層写真法(CT)撮像、磁気共鳴(MR)撮像、計算機式ラジオグラフィ(CR)撮像及び/又は核医学(NM)撮像等がある。イメージング・システムを用いて収集される画像を集合的に撮像検査(imaging study)と呼ぶ。一旦、撮像検査が完成したら、検査画像を例えば画像保管及び通信システム(PACS)ワークステーションのようなワークステーションに表示することができる。
【0003】
撮像検査から可能な限り多くの情報を得るために、検査画像を操作することができる。例えば、画像の一定の部分に注目したい場合には、画像を切り取って画像の所定の部分のみが利用可能となるようにすることができる。もう一つの例では、画像を詳細に観察したい場合には、画像を拡大することができる。もう一つの例では、画像の一定の部分に注目して画像のこの部分を詳細に観察したい場合には、画像を切り取って拡大し、画像の所定の部分のみが利用可能となり、また拡大されるようにすることができる。もう一つの例では、画像の輝度/コントラストを調節したい場合には、異なるウィンドウ/レベルを選択することができる。もう一つの例では、色及び/又はコントラストを変化させることにより画質を高めたい場合には、幾つかのルックアップ・テーブル(LUT)を画像に適用することができる。もう一つの例では、画像を操作したい場合には、フィルタを画像に適用して画像に所望の効果を上げることができる。
【0004】
現在、上述のように画像を操作するためには、例えばPACSワークステーションのようなワークステーションの利用者が、いずれの画像操作機能(1又は複数)を適用したいかを手動で選択する必要がある。例えば、画像を切り取ることを望む利用者は、切り取り機能を選択して、保持すべき画像の部分を選択する必要がある。もう一つの例では、画像を拡大するためには、利用者は、拡大機能を選択して、画像の拡大量を選択する必要がある。もう一つの例では、画像の輝度/コントラストを調節するためには、利用者は所望のウィンドウ/レベルを選択する必要がある。もう一つの例では、色及び/又はコントラストを変化させることにより画質を高めるためには、利用者は画像に適用すべき所望のLUT(1又は複数)を選択する必要がある。もう一つの例では、他の任意のフィルタを用いて画像を操作するためには、利用者は所望のフィルタを選択する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
向上した見易さを提供するように画像を操作する態様を知ることが困難である場合がある。すなわち、向上した見易さを提供するためにいずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用すべきかを知ることが困難である場合がある。例えば、ワークステーションは、多数の拡大オプション、ウィンドウ/レベル設定、LUT及びフィルタを有する場合があり、また画像の任意の部分が保持されて画像の残部が破棄されるように画像を切り取る場合がある。各画像操作機能についての多くの選択肢が存在するばかりでなく、複数の画像操作機能の組み合わせについても多くの選択肢が存在する。このように、向上した見易さを提供するためにいずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用すべきかを判断するのは煩雑で時間が掛かる場合がある。さらに、ワークステーションの利用者が、いずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用したいかを自分で分かっていても、この画像操作機能(1又は複数)が利用可能な画像操作機能の長い一覧に埋もれている場合もある。このように、向上した見易さを提供するためにいずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用すべきかが分かっていても、この画像操作機能(1又は複数)を見出すことが煩雑で時間が掛かる場合もある。いずれの場合にも、ワークステーションの利用者は、画像を解析するのに費やすことができた筈の時間を、画像を操作することに費やす。
【0006】
画像において関心領域の識別を支援して、画像を検討している利用者に対してかかる領域を知らせるように領域に標識することのできる所謂計算機支援式診断(CAD)を組み入れたシステムが存在している。しかしながら、CADを組み入れたシステムは現状では、本書で議論しているものような向上した見易さを提供するための画像操作機能を選択しない。このように、CADを組み入れたシステムの利用者は依然として、向上した見易さを提供するためにいずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用するかを判断して、選択される画像操作機能(1又は複数)の所在を突き止める務めがあり、いずれも上述のように煩雑で時間が掛かる場合がある。
【0007】
このように、画像操作機能(1又は複数)を選択するためのシステム、方法及びコンピュータ命令が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の幾つかの実施形態は、医学検査に用いられる画像を操作するためのシステム、方法及びコンピュータ命令を提供する。例えば、一実施形態では、医学検査に用いられる画像操作システムが、画像及び画像情報を入力するように構成されている入力モジュールと、画像情報に基づいて画像操作機能を選択するように構成されている解析モジュールとを含んでいる。例えば、一実施形態では、画像情報は、撮像手順及びこの撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、画像操作機能はルックアップ・テーブルである。また例えば、一実施形態では、画像情報は入力画像のヒストグラムを含んでおり、選択される画像操作機能はウィンドウ・レベルである。例えば、一実施形態では、画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでおり、選択される画像操作機能は、過去検査画像に適用された画像操作機能に対応する。
【0009】
例えば、一実施形態では、医学検査に用いられる画像を操作する方法が、画像及び画像情報を入力するステップと、画像情報に基づいて画像操作機能を選択するステップとを含んでいる。例えば、一実施形態では、画像情報は、撮像手順及び撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、画像操作機能はルックアップ・テーブルである。例えば、一実施形態では、画像情報は入力画像のヒストグラムを含んでおり、選択される画像操作機能はウィンドウ・レベルである。例えば、一実施形態では、画像情報は入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでおり、選択される画像操作機能は、過去検査画像に適用された画像操作機能に対応する。
【0010】
例えば、一実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が、医学検査に用いられる画像を操作するコンピュータ命令セットを含んでおり、この命令セットは、画像及び画像情報を入力することを可能にする入力ルーチンと、画像情報に基づいて画像操作機能を選択することを可能にする解析ルーチンとを含んでいる。例えば、一実施形態では、画像情報は、撮像手順及び撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、選択される画像操作機能はルックアップ・テーブルである。例えば、一実施形態では、画像情報は入力画像のヒストグラムを含んでおり、画像操作機能はウィンドウ・レベルである。例えば、一実施形態では、画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでおり、選択される画像操作機能は、過去検査画像に適用された画像操作機能に対応する。
【0011】
以上の概要及び以下の本発明の幾つかの実施形態の詳細な説明は、添付図面と併せて読むとさらに十分に理解されよう。発明を説明する目的で幾つかの実施形態を図面に示す。しかしながら、本発明は添付図面に示されている構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に従って用いられる画像操作システム100を示す。図1のシステム100は、入力モジュール102、解析モジュール104、記憶モジュール106及び出力モジュール108を含んでいる。
【0013】
システム100では、入力モジュール102は、画像を入力することを可能にするように構成されている。入力モジュール102は、多くの方法で画像を入力することを可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、入力モジュール102は、計算機式断層写真法(CT)撮像、磁気共鳴(MR)撮像、計算機式ラジオグラフィ(CR)撮像及び/又は核医学(NM)撮像を用いた撮像スキャナ及び/又は撮像モダリティのようなイメージング・システムから画像を入力することを可能にするように構成され得る。
【0014】
システム100では、入力モジュール102は、画像情報を入力することを可能にするように構成されている。入力モジュール102は、多くの方法で画像情報を入力することを可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、入力モジュール102は、イメージング・システム、放射線科情報システム(RIS)の一部であるデータベース、病院情報システム(HIS)の一部であるデータベース、インターネットを介してアクセス可能なデータベース、ローカルのデータベース、及び/又は入力モジュール102と網通信する任意の情報源から画像情報を入力することを可能にするように構成され得る。画像情報を入力することを可能にするように入力モジュール102を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0015】
システム100では、入力モジュール102は、様々な形式の画像情報を入力することを可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、入力モジュール102は、入力モジュール102に入力される画像に関する情報を入力すると共に過去解析画像(1又は複数)に関する情報を入力することを可能にするように構成され得る。例えば、入力モジュール102に入力される画像に関する情報としては、画像が如何なる形式の撮像検査の部分を成すか、撮像検査が如何なる形式の疾患を検出するように構成されているか、及び/又は撮像検査が如何なる身体領域に注目しているか等のような撮像検査情報、患者の身元、患者の年齢、患者の性別、患者が同じ及び/若しくは類似の撮像検査を過去に受けたことがあるか否か、及び/若しくは患者の症候/徴候等のような患者情報、並びに/又は専門医の身元のような専門医情報(例えば放射線科医情報)等がある。また例えば、過去解析画像(1又は複数)に関する情報としては、入力モジュール102に入力される画像について上の文章で述べたものと同じ及び/又は類似の情報、並びに行なわれていたとして画像を切り取ることにより画像のいずれの部分が注目されていたか、行なわれていたとして画像を拡大した量、行なわれていたとして如何なるウィンドウ/レベルが画像に関連付けられていたか、行なわれていたとして如何なるルックアップ・テーブル(1又は複数)(LUT)が画像に適用されていたか、及び/又は行なわれていたとして如何なるフィルタ(1又は複数)が画像に適用されていたか等のような画像操作情報等がある。他の形式の画像情報を入力することを可能にするように入力モジュール102を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0016】
システム100では、入力モジュール102は、任意の数の過去解析画像に関する情報を入力することを可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、入力モジュール102は、同じ患者の過去の検査、同じ専門医によって行なわれた過去の検査、同じ又は類似の撮像検査を用いていた過去の検査、並びに/又は現在の患者と同じ又は類似の年齢、性別、症候/兆候等のような特性を備えた患者の過去の検査等に関連して過去に解析された任意の数の画像に関する情報を入力することを可能にするように構成され得る。任意の数の過去解析画像に関する情報を入力することを可能にするように入力モジュール102を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0017】
システム100では、解析モジュール104は、画像情報に基づいて画像操作機能(1又は複数)を選択するように構成されている。解析モジュール104は、多くの方法で画像操作機能(1又は複数)を選択するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、解析モジュール104は、同じ患者の過去の検査において適用されたもの、同じ専門医によって実行された過去の検査において適用されたもの、同じ若しくは類似の撮像検査を用いていた過去の検査において適用されたもの、及び/又は現在の患者と同じ又は類似の年齢、性別、症候等のような特性を備えた患者の過去の検査において適用されたもの等の画像操作機能(1又は複数)と同じ又は類似の画像操作機能(1又は複数)を選択するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、解析モジュール104は、実行されている手順の形式及び解析されている身体部分に基づいてLUTのような画像操作機能(1又は複数)を選択するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、解析モジュール104は、胸部のマンモグラムが実行されるときには一つのLUT(1又は複数)を選択し、頭部の走査が実行されるときには他のLUT(1又は複数)を選択するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、解析モジュール104は、画像のヒストグラムに基づいてウィンドウ・レベルのような画像操作機能(1又は複数)を選択するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、解析モジュール104は、画像のヒストグラムに基づいてウィンドウ・レベルを選択するように構成されて、選択されたウィンドウ・レベルにおいて、ピクセル値が一定の値の周囲に集中するように画像のヒストグラムが過度に鋭くなったり、ピクセル値が拡散するように過度に平坦になったりしないようにすることができる。画像操作機能(1又は複数)を選択するように解析モジュール104を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0018】
システム100では、記憶モジュール106は、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を記憶するように構成されている。例えば、幾つかの実施形態では、記憶モジュール106は、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を、RISの一部であるデータベース、HISの一部であるデータベース、インターネットを介してアクセス可能なデータベース、ローカルのデータベース、及び/又は記憶モジュール106と網通信する任意のデータベースに記憶するように構成され得る。画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を記憶するように記憶モジュール106を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0019】
システム100では、記憶モジュール106は、多くの方法で画像を記憶するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、記憶モジュール106は、切り取られていない状態の画像を記憶するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、記憶モジュール106は、切り取った後の画像を記憶するように構成され得る。かかる実施形態では、記憶モジュール106は、切り取った形態の画像及び切り取っていない形態の画像を共に記憶するように構成されてもよいし、切り取っていない形態の画像の代わりに切り取った形態の画像を記憶するように構成されてもよい。画像を記憶するように記憶モジュール106を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0020】
システム100では、記憶モジュール106は、多くの形式の選択される画像操作機能を記憶するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、記憶モジュール106は、行なわれていたとして画像を拡大した量(1又は複数)、行なわれていたとして如何なるウィンドウ/レベル(1又は複数)が画像に関連付けられていたか、行なわれていたとして如何なるLUT(1又は複数)が画像に適用されていたか、及び/又は行なわれていたとして如何なるフィルタ(1又は複数)が画像に適用されていたか等を記憶するように構成され得る。他の形式の選択された画像操作機能(1又は複数)を記憶するように記憶モジュール106を構成する他の方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0021】
システム100では、出力モジュール108は、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を出力するように構成されている。出力モジュール108は、多くの方法で画像を出力するように構成され得る。例えば、出力モジュール108は、視覚表示及び/又は印刷物として画像を出力するように構成され得る。一実施形態では、出力モジュール108は、例えば画像保管及び通信システム(PACS)ワークステーションの視覚表示として画像を出力するように構成され得る。他の方法で画像を出力するように出力モジュール108を構成することが望ましい場合もあることは当業者には公知である。
【0022】
システム100では、出力モジュール108は、選択される画像操作機能(1又は複数)を多くの方法で出力するように構成され得る。例えば、一実施形態では、出力モジュール108は、選択される画像操作機能(1又は複数)を視覚表示として出力するように構成され得る。かかる実施形態では、選択される画像操作機能(1又は複数)は、プル・ダウン型メニュー、及び/又は例えば画像が右クリックされたときに表示されるコンテクスト・メニューのようなコンテクスト・メニューを介してアクセス可能とされ得る。もう一つの実施形態では、出力モジュール108は、選択される画像操作機能(1又は複数)を印刷物として出力するように構成され得る。かかる実施形態では、選択される画像操作機能(1又は複数)は、例えば画像と共に印刷され得る。選択される画像操作機能(1又は複数)を他の方法で出力するように出力モジュール108を構成することが望ましい場合もあることは当業者には公知である。
【0023】
幾つかの実施形態では、出力モジュール108は、出力される前の画像に選択される画像操作機能(1又は複数)を適用するように構成され得る。例えば、一実施形態では、出力モジュール108は、出力される前の画像に対し、画像を切り取る、画像を拡大する、画像を表示するときのウィンドウ/レベルを選択する、画像にLUT(1又は複数)を適用する、及び/又はフィルタ(1又は複数)を適用する等を行なうように構成され得る。かかる実施形態では、出力モジュール108は、選択される画像操作機能(1又は複数)のうち最も好ましい画像操作機能(1又は複数)を適用するように構成され得る。かかる実施形態では、出力モジュール108は、まだ適用されていないものがあればこれら残余の選択される画像操作機能(1又は複数)を出力するように構成され得る。
【0024】
幾つかの実施形態では、システム100は、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)が、出力モジュール104によって出力される前に記憶モジュール106によって記憶されるように具現化されてもよい。幾つかの実施形態では、システム100は、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)が、記憶モジュール106によって最初に記憶されずに出力モジュール104によって出力されるように具現化されてもよい。
【0025】
システム100の各モジュールは、多くの方法で具現化され得る。例えば、各モジュールは、ハードウェア及び/又はソフトウェアとして具現化され得る。各モジュールは、別個に具現化されてもよいし、且つ/又は様々な組み合わせで一体化されていてもよい。システム100の各モジュールを具現化する他の望ましい方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0026】
システム100はまた、多くの方法で具現化され得る。例えば、システム100は、Microsoft(登録商標)プラットフォーム及び/又は他のプラットフォームにおいてアド・オン・プロダクトとして走行する既存のアプリケーションに一体化されていてよい。一具現化形態としては、システム100は、例えばPACSワークステーションのようなHIS及び/又はRISに接続されたワークステーション(1又は複数)と一体化され得る。システム100を具現化する他の望ましい方法も存在し得ることは当業者には公知である。
【0027】
動作について述べると、システム100の一実施形態は、例えばHIS及び/又はRISと関連して具現化され得る。かかる実施形態では、入力モジュール102は、例えばCT、MR、CR及び/又はNM各イメージング・システムのようなイメージング・システムからの画像を入力するように構成され得る。また、入力モジュール102に入力された画像に関する情報も、入力モジュール102に入力され得る。例えば、入力モジュール102に入力された画像に関する情報としては、画像が如何なる形式の撮像検査の部分を成すか、撮像検査が如何なる形式の疾患を検出するように構成されているか、及び/若しくは撮像検査が如何なる身体領域に注目しているか等のような撮像検査情報、患者の身元、患者の年齢、患者の性別、患者が同じ撮像検査及び/若しくは類似の撮像検査を過去に受けたことがあるか否か、及び/若しくは患者の症候/徴候等のような患者情報、並びに/又は専門医の身元のような専門医情報(例えば放射線科医情報)等がある。また、過去解析画像(1又は複数)に関する情報も入力モジュール102に入力され得る。例えば、過去解析画像(1又は複数)に関する情報としては、入力モジュール102に入力される画像に関して上の文章で述べたものと同じ及び/又は類似の情報、並びに行なわれていたとして画像を切り取ることにより画像のいずれの部分が注目されていたか、行なわれていたとして画像を拡大した量、行なわれていたとして如何なるウィンドウ/レベルが画像に関連付けられていたか、行なわれていたとして如何なるルックアップ・テーブル(1又は複数)(LUT)が画像に適用されていたか、及び/又は行なわれていたとして如何なるフィルタ(1又は複数)が画像に適用されていたか等のような画像操作情報等がある。次いで、解析モジュール104は、これらの画像情報に基づいて画像操作機能を選択することができる。例えば、解析モジュール104は、同じ患者の過去の検査において適用されたもの、同じ専門医によって実行された過去の検査において適用されたもの、同じ若しくは類似の撮像検査を用いていた過去の検査において適用されたもの、及び/又は現在の患者と同じ若しくは類似の年齢、性別、症候等のような特性を備えた患者の過去の検査において適用されたもの等の画像操作機能(1又は複数)と同じ又は類似の画像操作機能(1又は複数)を選択することができる。
【0028】
一例では、撮像検査を現在受けている患者が、同じ又は類似の撮像検査を過去に受けたことがある。このような例では、入力モジュール102は、現在の撮像検査からの画像と、現在の撮像検査及び患者に関する情報と、過去の撮像検査時にいずれの画像操作機能(1又は複数)が適用されていたか等のような患者の過去の撮像検査に関する情報とを入力することができる。すると、解析モジュール104は、患者の過去の撮像検査に適用されていた画像操作機能(1又は複数)と同じ又は類似の画像操作機能(1又は複数)を選択することができる。
【0029】
もう一つの例では、撮像検査を現在受けている患者が、同じ又は類似の撮像検査を過去に受けたことはなかったが、今回の撮像検査において画像を解析する専門医が、同じ又は類似の撮像検査の画像を過去に解析したことがある。このような例では、入力モジュール102は、現在の撮像検査からの画像と、現在の撮像検査及び専門医に関する情報と、過去の撮像検査時にいずれの画像操作機能(1又は複数)が適用されていたか等のような専門医の過去の撮像検査に関する情報とを入力することができる。すると、解析モジュール104は、この専門医の過去の撮像検査に適用されていた画像操作機能(1又は複数)と同じ又は類似の画像操作機能(1又は複数)を選択することができる。
【0030】
もう一つの例では、撮像検査を現在受けている患者が、同じ又は類似の撮像検査を過去に受けたことはなく、また今回の撮像検査において画像を解析する専門医も、同じ又は類似の撮像検査の画像を過去に解析したことがないが、他の専門医が、同じ又は類似の撮像検の画像を過去に解析したことがある。このような例では、入力モジュール102は、現在の撮像検査からの画像と、現在の撮像検査及び患者に関する情報と、過去の撮像検査時にいずれの画像操作機能(1又は複数)が適用されていたか等のような今回の撮像検査において画像を解析する専門医ではない方の専門医によって解析された過去の撮像検査に関する情報とを入力することができる。すると、解析モジュール104は、今回の撮像検査において画像を解析する専門医ではない方の専門医によって解析された過去の撮像検査において適用されていた画像操作機能(1又は複数)と同じ又は類似の画像操作機能(1又は複数)を選択することができる。
【0031】
システム100の一実施形態の動作について述べると、一旦、解析モジュール104が画像操作機能(1又は複数)を選択したら、システム100は画像及び画像操作機能(1又は複数)を、記憶モジュール106を介して記憶することもできるし、且つ/又は出力モジュール108を介して出力することもできる。
【0032】
一例では、解析モジュール104が画像の一定の部分を切り取る画像操作機能を選択したら、画像の所望の部分のみを含む新たな画像を作成して、記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることもできるし、切り取られる前の原画像、及び画像が指示に応じて切り取られ得る旨を示すデータを記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることもできる。また、指示に応じて画像を切り取って出力モジュール108を介して出力することもできるし、切り取る前の画像を出力し、指示に応じて画像を切り取ることを好ましい画像操作機能として出力モジュール108を介して出力することもできる。
【0033】
もう一つの例では、解析モジュール104が、一定量だけ画像を拡大する画像操作機能を選択した場合には、画像、及び画像が所定量だけ拡大され得る旨を示すデータを記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることができる。また、画像を所定量だけ拡大して出力モジュール108を介して出力することもできるし、拡大する前の画像を出力し、所定量だけ画像を拡大することを好ましい画像操作機能として出力モジュール108を介して出力することもできる。
もう一つの例では、解析モジュール104が、一定のウィンドウ/レベルを選択する画像操作機能を選択したら、画像、及び選択されたウィンドウ/レベルを用いて画像が表示され得る旨を示すデータを記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることができる。また、出力モジュール108を介して画像を出力するときに、選択されたウィンドウ/レベルにおいて画像を表示してもよいし、選択されたウィンドウ/レベルでは表示されていない画像を出力し、所定のウィンドウ/レベルにおいて表示することを好ましい画像操作機能として出力モジュール108を介して出力してもよい。
【0034】
もう一つの例では、解析モジュール104が、LUTを適用する画像操作機能を選択したら、画像、及びLUTが画像に適用され得る旨を示すデータを記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることができる。また、LUTを画像に適用した後に画像を出力モジュール108を介して出力してもよいし、LUTを適用せずに画像を出力し、画像にLUTを適用することを好ましい画像操作機能として出力モジュール108を介して出力してもよい。
【0035】
もう一つの例では、解析モジュール104がフィルタを適用する画像操作機能を選択したら、画像、及びフィルタが画像に適用され得る旨を示すデータを記憶モジュール106を介してデータベースに記憶させることができる。また、フィルタを画像に適用した後に画像を出力モジュール108を介して出力してもよいし、フィルタを適用せずに画像を出力し、画像にフィルタを適用することを好ましい画像操作機能として出力モジュール108を介して出力してもよい。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に従って用いられる画像を操作する方法200を示す。ブロック202では、画像及び画像情報を入力する。例えば、画像はイメージング・システムから入力することができ、入力画像に関する画像情報は、イメージング・システム及び/又はデータベースから入力することができ、過去解析画像に関する画像情報は、データベースから入力することができる。ブロック204では、画像操作機能(1又は複数)を選択する。例えば、ブロック202において入力された画像情報に基づいて、画像操作機能(1又は複数)を選択することができる。ブロック206では、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を記憶する。例えば、ブロック202において入力された画像及びブロック204において選択された画像操作機能(1又は複数)をデータベースに記憶させることができる。ブロック208では、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を出力する。例えば、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)は、視覚表示及び/又は印刷物として出力され得る。
【0037】
向上した見易さを提供するために画像を操作し得る態様は様々であるため、向上した見易さを提供するためにいずれの画像操作機能(1又は複数)を画像に適用すべきかを判断して、選択される画像操作機能(1又は複数)の所在を突き止めるのは煩雑で時間が掛かる場合がある。上述のように、且つ/又は図1の記載に照らして方法200を適用すると、改善され且つ/又は合理化された画像操作機能の選択を提供することができる。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に従って用いられる画像を操作するコンピュータ命令セット300を示す。図3のコンピュータ命令セット300は、画像及び画像情報を入力することを可能にする入力ルーチン302と、画像情報に基づいて画像操作機能を選択することを可能にする解析ルーチン304と、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を記憶することを可能にする記憶ルーチン306と、画像及び選択される画像操作機能(1又は複数)を出力することを可能にする出力ルーチン308とを含んでいる。
【0039】
幾つかの実施形態では、入力ルーチン302、解析ルーチン304、記憶ルーチン306及び出力ルーチン308は、図1に関連して上で述べたような入力モジュール102、解析モジュール104、記憶モジュール106及び出力モジュール108とそれぞれ類似するように具現化されることができ、且つ/又はルーチン302、304、306、308は、各モジュール102、104、106、108とそれぞれ類似した作用を果たすことができる。
【0040】
各実施形態の例を参照して本発明を説明したが、当業者には、発明の範囲から逸脱せずに様々な変形を施し、また均等構成を置換し得ることが理解されよう。加えて、発明の本質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況又は材料を発明の教示に合わせて適応構成する多くの改変を施すことができる。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に属する全ての実施形態を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に従って用いられる画像操作システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って用いられる画像を操作する方法を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って用いられる画像を操作するコンピュータ命令セットを示す図である。
【符号の説明】
【0042】
100 画像操作システム
102 入力モジュール
104 解析モジュール
106 記憶モジュール
108 出力モジュール
300 入力ルーチン
302 解析ルーチン
304 記憶ルーチン
306 出力ルーチン
308 入力ルーチン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像及び画像情報を入力するように構成されている入力モジュールと、
前記画像情報に基づいて画像操作機能を選択するように構成されている解析モジュールと
を備えた医学検査に用いられる画像操作システム。
【請求項2】
画像情報は、撮像手順及び該撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、前記画像操作機能はルックアップ・テーブルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
画像情報は前記入力画像のヒストグラムを含んでおり、前記画像操作機能はウィンドウ・レベルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記過去検査画像は切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つを行なうことにより操作されており、前記選択される画像操作機能は、切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像を出力するように構成されている出力モジュールであって、前記画像を出力する前に前記画像に対して前記選択される画像操作機能を適用するように構成されている出力モジュールをさらに含んでいる請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
画像保管及び通信システムのワークステーションに前記画像及び前記選択される画像操作機能を出力するように構成されている出力モジュールをさらに含んでいる請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
医学検査に用いられる画像を操作する方法であって、
画像及び画像情報を入力するステップと、
前記画像情報に基づいて画像操作機能を選択するステップと
を備えた方法。
【請求項9】
画像情報は、撮像手順及び該撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、前記画像操作機能はルックアップ・テーブルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
画像情報は前記入力画像のヒストグラムを含んでおり、前記画像操作機能はウィンドウ・レベルである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記過去検査画像は切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つを行なうことにより操作されており、前記選択される画像操作機能は、切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記画像に前記選択される画像操作機能を適用するステップと、
前記画像を出力するステップと
をさらに含んでいる請求項8に記載の方法。
【請求項14】
画像保管及び通信システムのワークステーションに前記画像及び前記選択される画像操作機能を出力するステップをさらに含んでいる請求項8に記載の方法。
【請求項15】
医学検査に用いられる画像を操作するコンピュータ命令セットを含んでいるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令セットは、
画像及び画像情報を入力することを可能にする入力ルーチンと、
前記画像情報に基づいて画像操作機能を選択することを可能にする解析ルーチンと
を含んでいる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
画像情報は、撮像手順及び該撮像手順の注目部位である身体部分を含んでおり、前記画像操作機能はルックアップ・テーブルである、請求項15に記載の命令セット。
【請求項17】
画像情報は前記入力画像のヒストグラムを含んでおり、前記画像操作機能はウィンドウ・レベルである、請求項15に記載の命令セット。
【請求項18】
画像情報は、入力画像に関する情報及び過去検査画像の操作に関する情報を含んでいる、請求項15に記載の命令セット。
【請求項19】
前記過去検査画像は切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つを行なうことにより操作されており、前記選択される画像操作機能は、切り取り、拡大、ウィンドウ/レベルの選択、ルックアップ・テーブルの適用及びフィルタの適用の少なくとも一つである、請求項18に記載の命令セット。
【請求項20】
前記画像を出力することを可能にする出力ルーチンであって、前記画像を出力することを可能にする前に前記画像に対して前記選択される画像操作機能を適用することを可能にする出力ルーチンをさらに含んでいる請求項15に記載の命令セット。
【請求項21】
画像保管及び通信システムのワークステーションに前記画像及び前記選択される画像操作機能を出力することを可能にする出力ルーチンをさらに含んでいる請求項15に記載の命令セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−539490(P2009−539490A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514442(P2009−514442)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/067412
【国際公開番号】WO2007/146495
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】