説明

画像記録装置、画像記録装置の制御方法、及びそのプログラム

【課題】記録データからドットイメージへの展開処理に起因する記録処理のパフォーマンスの低下を軽減させた画像記録装置、画像記録装置の制御方法、及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13は、両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う。連続シート搬送制御部14は、第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13の展開処理によりそれぞれ保持されているドットイメージのページ数が、画像記録処理時の搬送機構40の搬送速度と、第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13の各々について予め特定されている展開処理に要する時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致したタイミングで、制御部2に搬送機構40による記録媒体の搬送を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録技術に関し、特に連続シートである記録媒体への両面画像記録処理の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンタ等を含む画像記録装置においては、ロール紙等の連続シートである記録媒体に画像記録(記録処理)を行う技術が知られている。
また、記録画像を表現する記録データがページ記述言語を用いて作成されている場合には、まず、記録データで表現されている文字や図形等を一旦ドットイメージに展開してページ単位のビットマップメモリに保持させておき、その後、適切なタイミングでドットイメージをビットマップメモリから読み出して画像記録を行う技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、このような技術に関し、第1プリンタと第2プリンタとを連続シートの搬送経路の上流側と下流側とにそれぞれ配置した連続シートの両面記録システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示の両面印刷システムは、第1プリンタと第2プリンタとが、連続シートの一方の面と、他方の面とにそれぞれ印刷(記録)を行うことで、両面印刷を行う。この両面印刷システムをより詳細に説明すると、第1プリンタと第2プリンタとの各々が、記録データをドットイメージに展開してビットマップメモリに保持しておくようにし、連続シート上の記録位置が第1プリンタ若しくは第2プリンタ直下に至った時点から印刷を開始するようにする。なお、特許文献1の両面印刷システムによる複数ページの記録処理においては、この動作が繰り返し行われる。
【特許文献1】特開2001−324839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
産業用のロール・ツー・ロール(Roll to Roll)プリンタのような高速の画像記録装置では、連続シートのロールや記録面を構成する担持体(ドラム)の大型化に伴い、起動してから記録ヘッド(記録部)に対する連続シートの搬送速度が所定の速度で安定するまでに、ある程度の加速期間(時間)が必要になってきており、また、連続シートの搬送停止時においても、同様の理由により、ある程度の減速期間(時間)が必要となる。この加減速の期間が長くなると、記録処理のパフォーマンス低下を招くこととなる。
【0006】
記録データからドットイメージへの展開処理の実行に要する時間は、画像記録装置による文字や画像の記録処理の制御に用いられる言語であるページ記述言語を用いて記録データが作成されている場合、記録媒体の1ページ分に相当する画像を構成する文字等のオブジェクトの数の多さや当該文字等の複雑さに応じて、増大する。従って、この展開処理に要する時間は、この展開処理のページ当たりの平均時間が、記録処理を連続して実行する際の記録周期を例え下回っていたとしても、画像の複雑さや文字数の多さによっては、この記録周期を上回ってしまうことがある。このようなページの記録処理時には、連続シートにおける当該ページへの記録画像の記録位置が、記録部の直下に至るときまでに、当該記録画像についての記録データをビットマップメモリへ保持させる処理が間に合わなくなってしまう。このため、このような場合に画像記録を正常に行うには、ビットマップメモリへの保持が完了するまで、例えば連続シートの搬送を一旦停止させて待機しなければならない。
【0007】
特許文献1に開示の両面印刷システムでは、連続シートの表裏の画像記録を担う第1プリンタと第2プリンタとのどちらにもハードウェア障害等が発生していないReady状態になった時点で、双方の記録処理が開始される。そして、このReady状態において第1プリンタと第2プリンタとに上位装置よりそれぞれ印刷データ(記録データ)が転送されてくると印刷(記録処理)を実行する。但し、第1プリンタと第2プリンタとのうちの少なくとも一方においては、前述したような、展開処理に要する時間が記録周期を上回る事態が発生した場合に、連続シートの搬送停止とその搬送再開に伴う搬送速度の加減速が行われるため、記録処理のパフォーマンスの低下が発生する。
【0008】
なお、ここで、例えば連続シートの搬送速度を遅くすることで連続シートの搬送停止を回避しようとすれば、連続シートの搬送速度の変更に応じて記録処理のタイミングも変更する必要が生じ、しかも、記録処理のパフォーマンスの低下を免れることはできない。また、記録データからドットイメージへの展開処理の処理能力を高めて処理時間を高速化することは、装置のコストアップを招くことになる。
【0009】
そこで本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、記録データからドットイメージへの展開処理に起因する記録処理のパフォーマンスの低下を軽減させた画像記録装置、画像記録装置の制御方法、及びそのプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明の態様のひとつである画像記録装置は、画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドからドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置において、第1面画像展開部による展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、第2面画像展開部による展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、画像記録処理が行われるときの記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致したタイミングで、当該記録媒体搬送部による記録媒体の搬送を開始させる連続シート搬送制御部を少なくとも備える、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の別の態様のひとつである画像記録装置の制御方法は、画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドからドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置の制御方法であって、第1面画像展開部による展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、第2面画像展開部による展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、画像記録処理が行われるときの記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致するタイミングを検出する段階と、記録媒体搬送部による記録媒体の搬送を、検出されたタイミングで開始させる段階と、を含む、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の更なる別の態様のひとつであるプログラムは、画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドからドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置の制御を演算処理装置に行わせるためのプログラムであって、第1面画像展開部による展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、第2面画像展開部による展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、画像記録処理が行われるときの記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致するタイミングを検出する処理と、記録媒体搬送部による記録媒体の搬送を、検出されたタイミングで開始させる処理と、を演算処理装置に行わせる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録データからドットイメージへの展開処理に起因する記録処理のパフォーマンスの低下を軽減させた画像記録装置、画像記録装置の制御方法、及びそのプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像記録装置を概念的なブロック構成で示している。また、図2は、本実施形態に係る画像記録装置の配置構成を模式的に示したものである。
【0015】
本実施形態に係る画像記録装置1は、制御部2と、第1の画像記録部20と、第2の画像記録部30と、搬送機構40と、を少なくとも備えて構成されている。
制御部2は、制御機能及び演算機能を有する演算処理装置における例えばMicro Processor Unit(MPU)と制御プログラムを記憶するRead Only Memory(ROM)やMPUのワークメモリとなるRandom Access Memory(RAM)等とからなる処理回路と、画像記録装置1の制御に関する設定値等を記憶しておく不挿発性メモリを少なくとも有する。
【0016】
制御部2は、第1面画像展開部12と、第2面画像展開部13と、連続シート搬送制御部14と、記憶部15と、を少なくとも備える。なお、制御部2では、記憶部15を例えば不揮発性メモリにより構成する。また、制御部2では、制御プログラムを例えばROMに予め記憶させておく構成とし、この制御プログラムをMPUに読み出させて実行させることにより、第1面画像展開部12、第2面画像展開部13、及び連続シート搬送制御部14として機能するようにする。
【0017】
上位装置3は、本実施形態に係る画像記録装置1の外部機器として、例えばLocal Area Network(LAN)等を介して接続される。この上位装置3は、本実施形態に係る画像記録装置1に画像記録処理を行わせるユーザによって操作されるコンピュータに相当するものであり、本実施形態に係る画像記録装置1に対し、画像記録処理に関する情報としてジョブ情報を通知する。このジョブ情報には、この画像記録処理を行う際の記録対象である記録データ(ここでは、両面複数ページのものとする)と、この画像記録処理を行う総ページ数と、が少なくとも含まれる。画像記録装置1の制御部2は、上位装置3から通知されたジョブ情報を受け取ると、このジョブ情報を画像記録情報として記憶部15に記憶させておく。
【0018】
制御部2は、ジョブ情報を上位装置3から受け取ると、そのジョブ情報から記録データを抽出する。次に、制御部2は、その記録データを、第1面画像の記録用の記録データと第2面画像の記録用の記録データとに分割する。制御部2は、この記録データをそれぞれ第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13へ転送する。
【0019】
第1面画像展開部12は、第1面画像記録のための記録データを受け取ると、この記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して、第1面画像展開部12内の図示しない第1のビットマップメモリ(Bit Map Memory;BMM)に記憶して保持する展開処理を行う。更に、第1面画像展開部12は、1ページ分の展開が終了する毎に第1面画像展開済みページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理、及び1ページ分のドットイメージを第1のBMMへの記憶が終了する毎に第1面BMM保持ページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理も行う。従って、第1面BMM保持ページカウンタの値は、第1面画像展開部12による展開処理により第1のBMMに保持されているドットイメージ(第1面展開画像データ)のページ数を計数した値(第1面計数値)を示している。
【0020】
第1の画像記録部20は、第1面画像展開部12内の第1のBMMからのドットイメージの読み出し処理を1ページずつ行うと共に、ヘッド駆動部21に記録ヘッド部22を駆動させて、読み出した第1面のドットイメージに基づいたインクの吐出を行わせることで、連続シート50の第1面への記録処理を行う。
【0021】
第2面画像展開部13は、第1面画像展開部12と同様に、第2面画像記録のための記録データを受け取ると、この記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して、第2面画像展開部13内の図示しない第2のBMMに記憶して保持する展開処理を行う。更に、第2面画像展開部13は、1ページ分の展開が終了する毎に第2面画像展開済みページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理、及び1ページ分のドットイメージを第2のBMMへの記憶が終了する毎に第2面BMM保持ページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理も行う。従って、第2面BMM保持ページカウンタの値は、第2面画像展開部13による展開処理により第2のBMMに保持されているドットイメージ(第2面展開画像データ)のページ数を計数した値(第2面計数値)を示している。
【0022】
なお、第1のBMMと第2のBMMとは別個の半導体メモリであってもよく、また、単一の半導体メモリにおける異なる記憶領域を、第1のBMMと第2のBMMとにそれぞれ割り当てる構成としてもよい。
【0023】
第2の画像記録部30は、第2面画像展開部13内の第2のBMMからのドットイメージの読み出し処理を1ページずつ行うと共に、ヘッド駆動部31に記録ヘッド部32を駆動させて、読み出した第2面のドットイメージに基づいたインクの吐出を行わせることで、連続シート50の第2面(第1面の裏面)への記録処理を行う。
【0024】
なお、第1面画像展開済みページカウンタ、第2面画像展開済みページカウンタ、第1面BMM保持ページカウンタ、及び第2面BMM保持ページカウンタは、いずれも制御部2が備えている。ここで、制御部2は、第2の画像記録部30による連続シート50の第2面への記録処理を終了する毎に、第1面BMM保持ページカウンタの値及び第2面BMM保持ページカウンタの値を、それぞれ「1」ずつ減少させる処理も行う。
【0025】
搬送機構40は、記録媒体における連続シート50を搬送する媒体搬送部であり、搬送情報生成部41と、モータを備えている搬送駆動部42と、を少なくとも備えて構成されている。
【0026】
ここで、搬送機構40による搬送動作と第1の画像記録部20及び第2の画像記録部30による記録動作とについて、図2に基づき説明する。
連続シート供給部43は、連続シート50を回動可能に保持し、第1の連続シート担持体44へ連続シート50を巻き出す巻出し部として配されている。なお、本実施の形態において、連続シート供給部43には、連続シート50として、ロール紙が保持されている。
【0027】
連続シート供給部43には、図示していないが、トルクの伝達に磁性粉体(パウダ)を利用するパウダクラッチが配備されており、連続シート50の搬送方向と逆方向に一定のバックテンションを与える機能を果たしている。
【0028】
搬送機構40は、連続シート供給部43から搬送されてきた連続シート50が導入されると、ガイドローラ47−1を経由した連続シート50を第1の連続シート担持体44で巻回保持した上で第1の画像記録部20の直下へ搬送する。次に、搬送機構40は、第1の画像記録部20による第1面への記録処理が行われた連続シート50を、ガイドローラ47−2、47−3、及び47−4を経由した後に第2の連続シート担持体45で巻回保持し、第2画像記録部30の直下へ搬送する。その後、搬送機構40は、第2の画像記録部30による第2面への記録処理が行われた連続シート50を、ガイドローラ47−5、47−6、及び47−7を経由した後に、連続シート巻き取り部46へ送出する。
【0029】
第1の連続シート担持体44は、例えばアルミ製のドラムで構成し、連続シート50を所定の巻き付け角で巻回可能にしている。連続シート50には、第1の連続シート担持体44の巻き始めのバックテンションと巻き終わりのテンションとにより、第1の連続シート担持体44の外周面から垂直抗力が与えられている。従って、連続シート50は、第1の連続シート担持体44と連続シート50との間の摩擦係数によって、第1の連続シート担持体44に保持される。なお、第1の連続シート担持体44は、従動ドラムとして構成されており、第2の連続シート担持体45が回動することにより連続シート50を介して回動する。
【0030】
なお、第1の連続シート担持体44の回動軸には、搬送情報生成部41が連結されている。搬送情報生成部41の回動軸が第1の連続シート担持体44の回動に従って回動すると、第1の連続シート担持体44の回動位置に相当する検出パルスを出力する。この検出パルスは、制御部2等を介して第1の画像記録部20及び第1の画像記録部30に入力される。なお、本実施形態の画像記録装置1における搬送情報生成部41は、ロータリーエンコーダを備えて構成されており、連続シート50の搬送方向の解像度に応じ、例えば1パルス当たりで1ラインの画像記録になるように構成されている。
【0031】
第2の連続シート担持体45も第1の連続シート担持体44と同様の構成であり、連続シート50が所定の巻き付け角で巻回可能に構成されている。連続シート50には、第2の連続シート担持体45の巻き始めのバックテンションと巻き終わりのテンションとにより、第2の連続シート担持体45の外周面から垂直抗力が与えられている。従って、連続シート50は、第2の連続シート担持体45と連続シート50との間の摩擦係数によって、第2の連続シート担持体45に保持される。なお、第2の連続シート担持体45は、駆動ドラムとして構成されており、搬送駆動部42の駆動力によって連続シート50を搬送する。
【0032】
連続シート巻き取り部46は、巻き取られた連続シート50を回動可能に保持し、搬送機構40から送出されたら連続シート50を巻き取る巻き取り部として配設されている。この連続シート巻き取り部46には、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されており、連続シート50が巻き取られる。
【0033】
制御部2は、画像記録のための制御処理を開始すると、連続シート50の搬送動作を起動させる。これにより、第1の連続シート担持体44の回動軸に連結されている搬送情報生成部41から、第1の連続シート担持体44の回動位置に相当する検出パルスが出力される。この検出パルスは、制御部2を介して第1の画像記録部20及び第2の画像記録部30へと送られる。
【0034】
その後、制御部2は、連続シート50の搬送速度が規定の速度に達すると、記録動作開始信号を送出する。第1の画像記録部20は、この記録動作開始信号に応じ、連続シート50の第1面に画像記録処理を行う。この画像記録処理では、第1の画像記録部20が、まず、第1面画像展開部12内の第1のBMMからドットイメージを1ページずつ読み出す。次に、第1の画像記録部20内のヘッド駆動部21が記録ヘッド部22を駆動して、前述した検出パルスに同期して、読み出した第1面のドットイメージに基づきインクを吐出させる。
【0035】
次に、第2の画像記録部30は、第1の画像記録部20で第1面に画像記録がされた連続シート50の第2面への画像記録処理を行う。なお、第1の画像記録部20により画像記録処理された連続シート50の第1面と、第2の画像記録部30で画像記録処理される連続シート50の第2面とのレジストレーション(位置合わせ)は、例えば以下のように行われる。
【0036】
まず、第1の画像記録部20内の記録ヘッド部22の連続シート50上での画像記録位置から、第2の画像記録部30内の記録ヘッド部32の連続シート50上での画像記録位置までの搬送経路長を、搬送情報生成部41の検出パルス数に予め換算しておく。そして、第1の画像記録部20での画像記録後に、搬送情報生成部41の検出パルス数が所定の遅延パルス数に到達したときに、第2の画像記録部30が、まず、第2面画像展開部13内の第2のBMMからドットイメージを1ページずつ読み出す。次に、第2の画像記録部30内のヘッド駆動部31が記録ヘッド部32を駆動して、前述した検出パルスに同期して、読み出した第2面のドットイメージに基づきインクを吐出させるようにする。
【0037】
以上のようにして第2の画像記録部30による画像記録処理が行われた後の連続シート50は、第2の連続シート担持体45の巻き終わりから連続シート巻き取り部46へ送出されて、連続シート巻き取り部46により巻き取られる。
【0038】
次に、連続シート搬送制御部14による制御処理動作について説明する。
なお、ここでの説明では、本実施形態に係る画像記録装置1の連続シート搬送制御部14が制御プログラムによって構成されている場合とし、ROMに予め記憶されている当該制御プログラムを制御部2のMPUが読み出し実行することで、連続シート搬送制御部14として機能している場合とする。
【0039】
制御部2は、連続シート搬送制御部14に基いて、所定のタイミングで搬送機構40を制御し、搬送機構40による連続シート50の搬送を開始させる。ここで、制御部2は、連続シート搬送制御部14に基いて、この連続シート50の搬送開始のタイミングを、以下のようにして決定する。
【0040】
まず、制御部2は、連続シート搬送制御部14に基いて、第1面画像展開済みページカウンタ、第2面画像展開済みページカウンタ、第1面BMM保持ページカウンタ、及び第2面BMM保持ページカウンタを監視し、下記の2つの条件についての判定を行う。
【0041】
条件1:第1面BMM保持ページカウンタの値(第1面計数値)と第2面BMM保持ページカウンタの値(第2面計数値)との両者が、共に規定値Nを超えたか。
条件2:第1面画像展開済みページカウンタの値と第2面画像展開済みページカウンタの値とが、共に、ジョブ情報に示されている、画像記録処理を行う総ページ数に達したか。
【0042】
ここで、制御部2は、連続シート搬送制御部14に基いて、この2つの条件のうちの少なくともどちらか一方が満たされるまでは、搬送機構40による連続シート50の搬送を開始させないようにする。そして、制御部2は、連続シート搬送制御部14に基いて、この2つの条件のうちの少なくともどちらか一方が満たされたと判定したタイミングで、当該搬送を開始させる。
【0043】
なお、前述した条件1における規定値Nは、大きくするほど、連続シート50の搬送速度を加減することなく画像記録処理を行うために十分な余裕を、展開処理の処理時間に持たせることができる。しかし、このようにした場合には、上位装置3からジョブ情報を受け取ってから、連続シート50上への記録動作が開始されるまでの時間が長くなり、また、BMMの記憶容量を大きくする必要が生じる。従って、この規定値Nは、連続シート50の搬送速度を加減することなく画像記録処理を行うことができる範囲で、できるだけ小さい値とすることが好ましい。このためには、この規定値Nを、以下の(1)式及び(2)式を満たす値とすればよい。
【0044】
【数1】

この(1)式及び(2)式について説明する。
【0045】
(1)式における値Tprcは、1ページ分の画像記録処理に要する時間である。なお、この時間は、画像記録処理が行われるときの搬送機構40による連続シート50の搬送速度により求まる値である。また、(1)式における値Tiは、ジョブ情報における第iページ目の記録データをドットイメージへ展開してBMMに記憶する展開処理に要する時間(展開処理時間)である。従って、(1)式により算出される値nは、この連続シート50の搬送速度と、第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13の各々について予め特定されている展開処理時間とに基づいて決定されるものである。
【0046】
また、(1)式により行われる演算は、ジョブ情報における第1ページから第Nページまでの展開処理時間の合計を、1ページ分の画像記録処理に要する時間で除算するものである。従って、(1)式により算出される値nは、展開処理時間の合計時間の間に画像記録処理が行われるページ数を表している。ここで、N≧nであれば、展開処理時間の合計時間が、nページ分の画像記録処理に要する時間以下であるので、画像記録処理に対し展開処理が間に合わなくなる状態は生じない。但し、(1)式により算出される値nは、ページ数を示すものではあるが、整数であるとは限らない。
【0047】
一方、(2)式における関数Ceiling(n)は、値nの入力に対して、n以上の整数のうち最小のものを出力する関数である。従って、この(1)式及び(2)式を共に満たすNは、展開処理によりBMMに保持されているドットイメージのページ数であって、画像記録処理に対し展開処理が間に合わなくなる状態が生じることがない最小のものを示す整数となる。以下、このページ数Nを、余裕保持ページ数と称することとする。
【0048】
(1)式及び(2)式は、以上の説明をまとめると、余裕保持ページ数分の記録データについて要する展開処理時間を、1ページ分の記録データの画像記録処理に要する画像記録処理時間で除算した値以上の整数のうち最小のものを当該余裕保持ページ数と一致させるようにする式であるといえる。余裕保持ページ数は、このようにして決定される。
【0049】
制御部2は、連続シート搬送制御部14に基づいて、以上のようにして求めた余裕保持ページ数Nを用いて、前述した2つの条件のうちの少なくともどちらか一方が満たされたと判定したタイミングで、搬送を開始させるように搬送機構40を制御する。このようにすることで、第1面画像展開部12内のBMM及び第2面画像展開部13内のBMMの双方に常に少なくとも1ページ分のドットイメージが存在する。
【0050】
なお、(1)式における値Tiは、例えばどのようなジョブ情報を画像記録装置1が受け取るかを想定しておき、その結果に基づいて予め固定の値として定義しておくようにする。あるいは、(1)式における値Tiは、この固定の値を値Tiの初期値として扱い、その後に画像記録処理を実行したときのジョブ情報に含まれていた記録データについての展開処理時間の履歴に基づき、その初期値を更新するようにしてもよい。また、(1)式における値Tiは、画像記録装置1のユーザが値Tiを任意に設定できるように構成することも可能である。
【0051】
次に図3、図4、及び図5について説明する。
図3は、制御部2によって行われる画像記録制御処理の処理内容をフローチャートで示している。また、図4は、制御部2によって行われる第1面画像展開処理の処理内容をフローチャートで示している。更に、図5は、制御部2によって行われる第2面画像展開処理の処理内容をフローチャートで示している。
【0052】
この図3、図4、及び図5の各図に示した処理は、前述したように、制御部2のROMに予め記憶させておいた制御プログラムを制御部2のMPUが読み出して実行することにより実現される。制御部2は、この制御プログラムをMPUが実行することで、連続シート搬送制御部14、第1面画像展開部12、及び第2面画像展開部13としてもそれぞれ機能する。
【0053】
まず、図3の処理について説明する。この図3の処理は、上位装置3からのジョブ情報を制御部2が受け取ると開始される。
制御部2は、まず、ステップSa1において、上位装置3から受け取ったジョブ情報を第1面画像の記録用の記録データと第2面画像の記録用の記録データとに分割して、それぞれ第1面画像展開部12と第2面画像展開部13とへ転送する処理を行う。これらの記録データを受け取った第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13では、第1面画像展開処理及び第2面画像展開処理がそれぞれ行われるが、これらの処理については後述する。
【0054】
次に、制御部2は、ステップSa2において、前述した条件1及び条件2のうちの少なくともどちらか一方が満たされたか否かを判定する処理を行う。すなわち、制御部2は、第1面BMM保持ページカウンタの値(第1面計数値)と第2面BMM保持ページカウンタの値(第2面計数値)との両者が、共に余裕保持ページ数Nを超えたか否かの判定、及び、第1面画像展開済みページカウンタの値と第2面画像展開済みページカウンタの値とが、共にジョブ情報に示されている画像記録処理を行う総ページ数に達したか否かの判定の2つの判定を行い、このうちの少なくとも一方の判定結果が真となったか否かを判定する。ここで、制御部2は、条件1及び条件2のうちの少なくともどちらか一方が満たされたと判定した場合(判定結果がYes)、ステップSa3に処理を進める。一方、制御部2は、条件1及び条件2の両者が共に満たされていないと判定した場合(判定結果がNo)、このうちの少なくともどちらか一方が満たされるまで(判定結果がYesになるまで)、このステップSa2の判定処理を繰り返す。
【0055】
次に、制御部2は、ステップSa3において、搬送機構40に指示を与えて連続シート50の搬送動作を開始させる処理を行う。なお、搬送機構40による連続シート50の搬送動作が既に開始されている場合には、この搬送動作をこのまま継続させる。
【0056】
次に、制御部2は、ステップSa4において、第1の画像記録部20を制御して、連続シート50における第1面の記録開始位置が第1の画像記録部20の直下に到達した時点で、連続シート50の第1面への画像記録処理を開始させる処理を行う。
【0057】
次に、制御部2は、ステップSa5において、第2の画像記録部30を制御して、連続シート50における第2面の記録開始位置が第2の画像記録部30の直下に到達した時点で、連続シート50の第2面への画像記録処理を開始させる処理を行う。
【0058】
次に、制御部2は、ステップSa6において、第1面BMM保持ページカウンタの値及び第2面BMM保持ページカウンタの値を、それぞれ「1」ずつ減少させる処理を行う。
次に、制御部2は、ステップSa7において、上位装置3から受け取ったジョブ情報に示されていた全てのページの記録データについての画像記録処理が完了したか否かを判定する処理を行う。ここで、制御部2は、全てのページの記録データについての画像記録処理が完了したと判定した場合(判定結果がYes)、図3に示した画像記録制御処理を終了する。一方、制御部2は、全てのページの記録データのうち画像記録処理を終えていないものが残されていると判定した場合(判定結果がNo)、ステップSa2へと処理を戻して上述した処理を繰り返す。
【0059】
以上までの処理が画像記録制御処理である。
次に図4の処理について説明する。この処理は、制御部2が、ステップSb1において、図3のステップSa1の処理により転送されてきた第1面画像の記録用の記録データを受け取ると開始される。
【0060】
制御部2は、まず、ステップSb2において、第1面画像展開済みページカウンタの値、及び第1面BMM保持ページカウンタの値をクリアしてその値を「0」とする処理を行う。
【0061】
次に、制御部2は、ステップSb3において、受け取った記録データを1ページ毎にドットイメージに展開する処理を行う。続いて、制御部2は、ステップSb4において、展開したドットイメージを第1のBMMに記憶して保持させる処理を行う。
【0062】
次に、制御部2は、ステップSb5において、第1面画像展開済みページカウンタの値を「1」だけ増加させる処理を行う。続いて、制御部2は、ステップSb6において、第1面BMM保持ページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理を行う。
【0063】
次に、制御部2は、ステップSb7において、図3のステップSa1の処理により転送されてきた第1面画像の記録用の記録データのページ毎の展開処理を、その全てのページについて完了したか否かを判定する処理を行う。ここで、制御部2は、全てのページの記録データについての展開処理が完了したと判定した場合(判定結果がYes)、図4に示した第1面画像展開処理を終了する。一方、制御部2は、全てのページの記録データのうち展開処理を終えていないものが残されていると判定した場合(判定結果がNo)、ステップSb3へと処理を戻して前述した処理を繰り返す。
【0064】
以上までの処理が第1面画像展開処理である。
次に図5の処理について説明する。この処理は、制御部2が、ステップSc1において、図3のステップSa1の処理により転送されてきた第2面画像の記録用の記録データを受け取ると開始される。
【0065】
制御部2は、まず、ステップSc2において、第2面画像展開済みページカウンタの値、及び、第2面BMM保持ページカウンタの値をクリアしてその値を「0」とする処理を行う。
【0066】
次に、制御部2は、ステップSc3において、受け取った記録データを1ページ毎にドットイメージに展開する処理を行う。続いて、制御部2は、ステップSc4において、展開したドットイメージを第2のBMMに記憶して保持させる処理を行う。
【0067】
次に、制御部2は、ステップSc5において、第2面画像展開済みページカウンタの値を「1」だけ増加させる処理を行う。続いて、制御部2は、ステップSc6において、第2面BMM保持ページカウンタの値を「1」ずつ増加させる処理を行う。
【0068】
次に、制御部2は、ステップSc7において、図3のステップSa1の処理により転送されてきた第2面画像の記録用の記録データのページ毎の展開処理を、その全てのページについて完了したか否かを判定する処理を行う。ここで、制御部2は、全てのページの記録データについての展開処理が完了したと判定した場合(判定結果がYes)、図5に示した第2面画像展開処理を終了する。一方、制御部2は、全てのページの記録データのうち展開処理を終えていないものが残されていると判定した場合(判定結果がNo)、ステップSc3へと処理を戻して上述した処理を繰り返す。
【0069】
以上までの処理が第2面画像展開処理である。
以上のように、本実施形態に係る画像記録装置1によれば、図3、図4、及び図5に示した処理を制御部2が行うことにより、画像記録装置1内のBMMに保持されるドットイメージのページ数に基づいて画像記録の動作開始タイミングが制御される。この制御を行うことにより、第1面画像展開部12内のBMM及び第2面画像展開部13内のBMMの双方に、常に少なくとも1ページ分のドットイメージが存在するようになるので、連続シート50上への画像記録処理を中断させることなく継続させることができるようになる。この結果、本実施形態に係る画像記録装置1では、ひとつの画像記録ジョブ中の連続シート50の搬送停止が回避されるので、記録データからドットイメージへの展開処理に起因する記録処理のパフォーマンスの低下が軽減される。
【0070】
また、本実施形態に係る画像記録装置1によれば、第1面画像展開部12及び第2面画像展開部13のそれぞれにおいて、画像記録処理の開始の可否を、BMMに保持されているドットイメージのページ数に基づき判定する。制御部は、この2つの判定の結果に基づいて、連続シート50の搬送開始の可否を決定するので、制御部2のMPUの処理負荷の軽減及び処理の簡素化が図れる。
【0071】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態に係る画像記録装置を概念的なブロック構成で示した図である。
【図2】本実施形態に係る画像記録装置の配置構成を模式的に示した図である。
【図3】画像記録制御処理の処理内容をフローチャートで示した図である。
【図4】第1面画像展開処理の処理内容をフローチャートで示した図である。
【図5】第2面画像展開処理の処理内容をフローチャートで示した図である。
【符号の説明】
【0073】
1 画像記録装置
2 制御部
3 上位装置
12 第1面画像展開部
13 第2面画像展開部
14 連続シート搬送制御部
15 記憶部
20 第1の画像記録部
21 ヘッド駆動部
22 記録ヘッド部
30 第2の画像記録部
31 ヘッド駆動部
32 記録ヘッド部
40 搬送機構
41 搬送情報生成部
42 搬送駆動部
43 連続シート供給部
44 第1の連続シート担持体
45 第2の連続シート担持体
46 連続シート巻き取り部
47−1乃至47−7 ガイドローラ
50 連続シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドから前記ドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置において、
前記第1面画像展開部による前記展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、前記第2面画像展開部による前記展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、前記画像記録処理が行われるときの前記記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている前記展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致したタイミングで、当該記録媒体搬送部による前記記録媒体の搬送を開始させる連続シート搬送制御部を少なくとも備える、ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記余裕保持ページ数は、当該余裕保持ページ数分の記録データについて要する前記展開処理時間を1ページ分の記録データの前記画像記録処理に要する画像記録処理時間で除算した値以上の整数のうち最小のものが当該余裕保持ページ数と一致するように、決定され、
前記画像記録処理時間は、前記搬送速度に基づいて算出される、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記連続シート搬送制御部を少なくとも備える制御部を更に備え、
前記制御部は、演算処理装置と、制御プログラムを予め記憶している記憶部とを少なくとも備えて構成されており、前記演算処理装置に前記制御プログラムを実行させることにより前記連続シート搬送制御部として機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1面画像展開部及び前記第2面画像展開部を更に備え、
前記演算処理装置は、前記制御プログラムを実行することにより、前記連続シート搬送制御部として機能すると共に、前記第1面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第1のビットマップメモリに保持させる制御と、前記第2面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第2のビットマップメモリに保持させる制御とを行う、ことを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドから前記ドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置の制御方法であって、
前記第1面画像展開部による前記展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、前記第2面画像展開部による前記展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、前記画像記録処理が行われるときの前記記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている前記展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致するタイミングを検出する段階と、
前記記録媒体搬送部による前記記録媒体の搬送を、検出された前記タイミングで開始させる段階と、を含む、ことを特徴とする画像記録装置の制御方法。
【請求項6】
前記余裕保持ページ数は、当該余裕保持ページ数分の記録データについて要する前記展開処理時間を1ページ分の記録データの前記画像記録処理に要する画像記録処理時間で除算した値以上の整数のうち最小のものが当該余裕保持ページ数と一致するように、決定され、
前記画像記録処理時間は、前記搬送速度に基づいて算出される、ことを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項7】
前記第1面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第1のビットマップメモリに保持させる段階と、
前記第2面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第2のビットマップメモリに保持させる段階と、を更に含む、ことを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項8】
画像記録処理の記録対象である両面複数ページの記録データを1ページ毎のドットイメージに展開して片面毎に保持する展開処理を行う第1面画像展開部及び第2面画像展開部を有し、記録媒体搬送部によって搬送される記録媒体における連続シートの両面に対し記録ヘッドから前記ドットイメージに基づきインクを吐出して画像記録処理を行う画像記録装置の制御を演算処理装置に行わせるためのプログラムであって、
前記第1面画像展開部による前記展開処理により保持されている第1面展開画像データのページ数を計数した第1面計数値と、前記第2面画像展開部による前記展開処理により保持されている第2面展開画像データのページ数を計数した第2面計数値との両者が、前記画像記録処理が行われるときの前記記録媒体搬送部による搬送速度と、当該第1面画像展開部及び当該第2面画像展開部の各々について予め特定されている前記展開処理に要する展開処理時間とに基づいて決定される余裕保持ページ数に一致するタイミングを検出する処理と、
前記記録媒体搬送部による前記記録媒体の搬送を、検出された前記タイミングで開始させる処理と、を前記演算処理装置に行わせる、ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記余裕保持ページ数は、当該余裕保持ページ数分の記録データについて要する前記展開処理時間を1ページ分の記録データの前記画像記録処理に要する画像記録処理時間で除算した値以上の整数のうち最小のものが当該余裕保持ページ数と一致するように、決定され、
前記画像記録処理時間は、前記搬送速度に基づいて算出される、ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第1のビットマップメモリに保持させる処理と、
前記第2面画像展開部による前記展開処理により展開されたドットイメージを第2のビットマップメモリに保持させる処理と、を更に前記演算処理装置に行わせる、ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−190237(P2009−190237A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32539(P2008−32539)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】