説明

画像記録装置

【課題】 画像記録装置に携帯端末を接続したときに、携帯端末に格納されているデータのうちで、ユーザが望むデータのみを印字することができ、したがって、無駄な紙、インク等の消費を抑えることができる画像記録装置を提供することを目的とする。

【解決手段】 携帯端末内に、画像データ等を格納しているデータ情報格納手段と、データ情報格納手段に対する検索条件を設定する検索条件設定手段と、データ情報格納手段に格納されている情報と、検索条件設定手段によって設定された検索条件とを比較し、検索条件に一致する画像データ等が携帯端末内に存在していると判断されると、存在している画像データ等の転送を指示するデータ転送指示手段と、データ転送指示手段が指示した画像データ等を受信するデータ受信手段と、データ受信手段が受信したデータを印字する印字手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末と接続し、携帯端末内の画像データ、受信メールデータを記録可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録装置に携帯端末を接続し、この接続された携帯端末内のメールデータを、上記画像記録装置で印刷する場合、電子メール着信有無を検知し、着信があると自動的に、または表示部と操作パネルによって選択することによって、画像記録装置で電子メールを印刷する(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来例では、着信メールを1件ずつユーザが確信して記録するか、または全ての受信メールを記録する。
【0004】
また、携帯端末内の文字データや画像データを、画像記録装置で印刷する場合、画像記録装置が携帯端末と接続されていることを検知すると、携帯端末側の表示部に表示されている文字データや画像データを取り込み、保存し、また、印刷する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−251408号公報
【特許文献2】特開2002−111945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、デジタルスティルカメラのように、デジタル画像を取り込む機能を有する携帯端末が増え、また、その解像度も増加している。また、携帯端末で写した画像データを蓄積するための内蔵メモリ、または携帯端末から取り外し可能なリムーバルメディアの蓄積容量が拡大し、また、コストの低価格が進み、大規模なメモリを搭載した携帯端末が登場している。
【0006】
これによって、大量の画像データや受信メール等が、携帯端末に蓄積されている可能性があり、それら大量のデータを保存、または印字を行う際に、上記従来例では、携帯端末内のデータを全て、印字、保存するか、または、大量のデータのなかから、ユーザが1つずつデータを指定するしか方法がなく、したがって、ユーザの使い勝手が悪いと言う問題がある。
【0007】
また、上記従来例では、必要のないデータまで記録されることがあり、この場合には、紙とインクが無駄使いされ、ランニングコストを悪化させるという問題がある。
【0008】
本発明は、画像記録装置に携帯端末を接続したときに、上記携帯端末に格納されているデータのうちで、ユーザが望むデータのみを印字することができ、したがって、無駄な紙、インク等の消費を抑えることができる画像記録装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、携帯端末との接続を検知する接続検知手段と、上記携帯端末内に、画像データ、または、文字データの情報を格納しているデータ情報格納手段と、上記データ情報格納手段に対する検索条件を設定する検索条件設定手段と、上記接続検知手段が上記携帯端末との接続を検知すると、上記データ情報格納手段に格納されている情報と、上記検索条件設定手段によって設定された検索条件とを比較する比較手段と、上記比較手段が比較した結果、検索条件に一致する画像データまたは文字データが携帯端末内に存在していると判断されると、上記存在している画像データまたは文字データの転送を指示するデータ転送指示手段と、上記データ転送指示手段が指示した画像データ、または、文字データを受信するデータ受信手段と、上記データ受信手段が受信したデータを印字する印字手段とを有する画像記録装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像記録装置に携帯端末を接続したときに、上記携帯端末に格納されているデータのうちで、ユーザが望むデータのみを印字することができ、したがって、無駄な紙、インク等の消費を抑えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1である画像記録装置100の構成を示すブロック図である。
【0013】
画像記録装置100は、CPU1と、ROM2と、RAM3と、画像メモリ4と、操作部5と、読取制御部6と、読取部(CS)7と、シート読取制御部8と、ブック読取制御部9と、通信制御部10と、JPEG処理部11と、色変換部12と、記録制御部13と、カラープリンタ14と、カードリーダI/F部15と、カードリーダ16と、携帯端末I/F17と、携帯端末I/F制御部18とを有する。
【0014】
CPU1は、システム制御部であり、画像記録装置100の全体を制御する。
【0015】
ROM2は、CPU1の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納する。ROM2に格納されているオペレーティングプログラムに基づいて、携帯端末200内のデータの情報を獲得するための検索条件を、CPU1が設定し、比較する。また、2値画像の符号化復号化のための、MH、MR、MMR、JBIGの圧縮伸長処理、カラーファクシミリ通信用のカラー画像に対するJPEG圧縮伸長処理の制御プログラムが、ROM2に格納されている。
【0016】
RAM3は、SRAM等で構成され、プログラム制御変数等を格納する。また、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等や各種ワーク用バッファも、RAM3に格納される。
【0017】
画像メモリ4は、DRAM等で構成され、画像データを蓄積する。実施例1では、ROM2に格納されている各制御プログラムは、ROM2に格納されているOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウエア制御が行われる。
【0018】
操作部5は、各種キー、LED,LCD等で構成され、オペレータによる各種入力操作や、画像記録装置100の動作状況の表示等を行う。実施例1では、携帯端末200内のデータを獲得するための検索条件の設定を、操作部5で実行する。
【0019】
読取制御部6は、読取部7におけるCSイメージセンサ(密着型イメージセンサ)が原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、画像処理制御部によって2値化処理、γ補正、中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力する。なお、実施例1における読取制御部6は、自動原稿搬送装置ADFによって原稿を搬送しながら読み取るシート読取制御部8と、原稿台に載置されている原稿を、読取部7を移動させながら読み取るブック読取制御部9の両方式に対応し、いずれかの読取方式を選択して読み取りを行う。
【0020】
通信制御部10は、MODEM(変復調装置)、NCU(網制御装置)等によって構成されている。実施例1における通信制御部10は、アナログの通信回線(PSTN)に接続され、T30プロトコルでの通信制御、通信回線に対する発呼、着呼等の回線制御を行う。
【0021】
JPEG処理部11は、カラー画像のJPEG圧縮伸長を行い、読取制御部6を通じて読み取られたカラーデータを、画像メモリ4に蓄積し、または、デコードする。また、カードリーダ16からJPEG画像を読み取り、画像メモリ4に蓄積されたJPEG画像データをデコードするときに使用する。
【0022】
色変換部12は、読取制御部6で読み取られたRGBデータや、カードリーダから読み取られ、画像メモリ4を通して、JPEG処理部11でRGBに変換されたRGBデータを、カラープリンタ14が記録可能なCMYKへ変換する。また、受信画像やレポート出力時に作成されたモノクロデータをスムージング処理し、記録濃度補正処理等の各種画像処理を行う。
【0023】
記録制御部13は、カラープリンタ14において、プリンタステータス情報の取得や、色変換部12で変換されたCMYKの画像データを、カラープリンタ14で印字可能なページ記述言語にデータ変換し、この変換されたプリントデータを、カラープリンタ14に出力し、記録させる。
【0024】
カラープリンタ14は、レーザビームプリンタ、インクジェットプリンタ等である。
【0025】
カードリーダI/F部15は、カードリーダ16に接続するためのインタフェースである。なお、実施例1では、USBインタフェースを用いる。
【0026】
カードリーダ16は、デジタルスチルカメラが使用するメモリカードを検知し、解析し、データ転送する。たとえば、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)を装填し、CFカードの内容を解析する。CPU1から要求のあった画像データを転送する。また、CPU1から要求のあったデータを、装填されたメモリカードに記録する。カードリーダ16とは、USBのMass StorageクラスのUFIコマンドを使用して通信される。
【0027】
携帯端末I/F制御部18は、携帯端末200が接続するためのインタフェースの制御部である。このインタフェースから携帯端末200等に接続することができる。接続方法として、USB、BLUETOOTHがあり、データを送受することができれば、他の接続方法を使用するようにしてもよい。
【0028】
図2は、画像記録装置100と接続される携帯端末200の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
携帯端末200は、携帯電話機等であり、CPU21と、ROM22と、画像メモリ23と、操作部24と、メモリカードI/F制御部25と、メモリカード26と、RAM27と、表示部28と、外部I/F制御部29と、画像撮影部30と、通信部31と、CPUバス32とを有する。
【0030】
CPU21は、システム制御部であり、携帯端末200の全体を制御する。
【0031】
ROM22は、CPU21が実行する制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納する。ROM22に格納されている各制御プログラムは、ROM22に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウェア制御を行う。
【0032】
画像メモリ23は、DRAM(dynamic RAM)等で構成され、画像データを蓄積する。
【0033】
操作部24は、携帯端末200の操作部としてキーを持つ部である。実施例1では、携帯端末200として、携帯電話機を想定しているので、テンキー、メニューキー、メールキー、撮影キー等複数のキーが、操作部24に設けられている。
【0034】
メモリカードI/F制御部25は、携帯端末200に挿入することができるメモリカードのインタフェースを制御する。
【0035】
メモリカード26は、データを蓄えるメモリを持つメディアである。実施例1では、メディアを指定していないが、電子データを保存できるものであれば、特に限定する必要がない。
【0036】
RAM27は、SRAM(static RAM)等で構成され、プログラム制御変数等を格納し、また、オペレータが登録した設定値や携帯端末200の管理データ等を格納し、各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
【0037】
表示部28は、情報を表示する表示部である。通信を行うための電話番号や、画像撮影した際の画像閲覧等、複数の用途として表示部が使用される。
【0038】
外部I/F制御部29は、外部機器と接続するインタフェースを制御し、実施例1では、画像記録装置100とを接続する。接続方法として、画像記録装置100とデータを送受できる方法であれば、他の接続方法を使用するようにしてもよい。
【0039】
画像撮影部30は、画像を撮影することができ、この撮影したデータを、デジタルデータとして、画像メモリ23またはメモリカード26に保存することができる。
【0040】
通信部311は、携帯端末200が通信する手段である。電話としての通信や、メール、携帯端末サイト等に使用することができる。
【0041】
次に、画像記録装置100の動作について説明する。
【0042】
図3は、画像記録装置100の動作を示すフローチャートであり、日付を検索条件とした場合における処理を示すフローチャートである。
【0043】
CPU1が携帯端末I/F17を通して、携帯端末200が接続されるまで待つ(S301)。S301で、携帯端末200との接続が検知されると、操作部5を介してRAM3に予め設定された検索日付を読み込み、検索日付が何月何日を示す具体的な日付であるのか、または、“今日”等の相対的な日付(時)であるのかを判断する(S302)。
【0044】
何月何日と具体的に指定されている場合、その設定されている日付を検索日付として決定する(S306)。
【0045】
S302で相対的な日付と判断された場合、携帯端末200の日付時刻と、画像記録装置100の日付時刻との差を吸収するために、または、画像記録装置100に時計機能がない場合には、携帯端末200の日付時刻を利用するために、携帯端末I/F17を通して、携帯端末200の日付時刻を取得する(S303)。
【0046】
次に、画像記録装置100に時計機能があるか否かを判断する(S304)。画像記録装置100に時計機能がないと判断されると、RAM3に予め設定されている相対的な検索日付を、S303で取得した携帯端末200の現在の日付から、何月何日という具体的な日付に変換し、その日付を検索日付として設定する(S306)。
【0047】
画像記録装置100に時計機能があると判断された場合(S304)には、画像記録装置100の現在の日付時刻情報を取得し(S305)、S303で取得した携帯端末200の現在の日付時刻と、S305で取得した画像記録装置100の現在の日付時刻とに差がある場合、次の検索日付決定手順(1)、(2)によって、検索日付を決定する(S306)。
検索日付決定手順(1):日付が同じであれば、その日付を検索日付とする。
検索日付決定手順(2):日付が異なれば、日付と時刻との時間差を計算し、この計算された時間差が、所定時間内であれば、両方の日付を検索日付として設定する。時間差が、所定時間以外であれば、両日付のうちで、進んでいる日付を、検索日付とする。
【0048】
上記検索日付決定手順(1)、(2)を用いることによって、時間差を柔軟に吸収することができ、また、ユーザが意図した画像を印字することができる。
【0049】
次に、携帯端末200に格納されている各画像データまたは文字データにおける作成日付時刻、データサイズ、ファイル名等を含むデータ情報を、データ毎に、携帯端末I/F17を通して、携帯端末200から取得する(S307)。
【0050】
次に、S307で取得したデータ情報に基づいて、携帯端末200に印字すべきデータが存在しているかどうかを判断する(S308)。印字すべきデータが存在していると判定された場合、S309に進む。印刷すべきデータが存在していない場合、処理を終了してもよく、また、検索条件を入力し、再度検索できるようにS302へ戻るようにしてもよい。
【0051】
S309では、S306で決定した検索日付と、S307で取得したデータ情報における作成日付時刻とが同じであるか否かを調べる。検索日付とデータ作成日とが異なる場合、取得したデータ情報は、印刷対象ではないので、次のデータ情報を取得するために、S307に戻る。
【0052】
検索日付とデータ作成日とが同じであると判定された場合、S310に進み、S307で取得したデータ情報から、本データのファイル名を検索し、携帯端末200からデータ転送を行うように指示を送り、所定量単位でデータを受信し、画像メモリ4に蓄積する。このときに、データ転送を指示する前に、ユーザに対して転送される画像データの数量やデータ量等を確認表示できるようにしてもよい。
【0053】
S311では、S310におけるデータ転送によって受信したデータを、印字可能なプリントデータに置き換え、携帯端末200から受信したデータが、JPEG画像データである場合、そのJPEG画像データを、JPEG処理部11で伸長し、Ycbcr色空間、RGB色空間のいずれかに置き換え、色変換部12に渡す。色変換部12では、プリント可能なCMYK空間に変換し、さらに、そのCMYKデータを誤差拡散方式等によって2値化したものを、記録制御部13に渡し、カラープリンタ14で出力する。また、携帯端末200から受信したデータが、文字データである場合、ROM2に記憶されている文字コード変換処理に従い、CPU1が、文字コードを画像データに変換し、色変換部12に渡す。
【0054】
これによって、携帯端末200からのデータが、画像、文字データのいずれでも印字可能となる。
【0055】
S311で、プリントデータを作成し、記録制御部13を通して、カラープリンタ14で出力されると、残りのデータがあるか否かを判定し(S312)、まだ受信すべきデータがある場合、S310に戻り、データを受信し、受信すべきデータがなければ、次の画像データ、または文字データを検索するために、S307に戻る。S307以降の処理を繰り返すことによって、携帯端末200の画像メモリ23に蓄積されている全データを検索することができる。
【0056】
実施例1によれば、携帯端末200のデータを印字する際に、指定した日付のデータのみを自動で印字することができる。また、指定する日付、“今日”等の相対的な日付にすることによって、画像記録装置100側の設定を毎回変更する必要がなく、一度設定すれば、常に最新のデータのみを印字することができる。
【0057】
また、指定する日付を、“昨日”や“一昨日”等の相対的な日付にすることによって、所望のデータのみを印字することができる。
【0058】
画像記録装置100は、携帯端末200と接続可能であり、画像、または文字データを記録可能であれば、ファクシミリ装置以外の画像処理装置であってもよい。
【実施例2】
【0059】
実施例2は、印字対象とするメールアドレスを、画像記録装置100に設定する実施例であり、受信メールの送信元メールアドレスを検索対象とする実施例である。この実施例2を、画像記録装置300と呼ぶ。
【0060】
なお、実施例2である画像記録装置300の構成は、実施例1における画像記録装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
【0061】
図4は、本発明の実施例2である画像記録装置300の動作を示すフローチャートである。
【0062】
まず、CPU1が、携帯端末I/Fを通して、携帯端末200が接続されるまで待つ(S401)。S401で、携帯端末200との接続が検知されると、受信メールに関する受信日、送信元メールアドレス、ファイル名等を含む受信メール情報を、携帯端末I/F17を通して、携帯端末200から取得する(S402)。
【0063】
そして、S402で取得した受信メール情報から、携帯端末200の画像メモリ23に検索されていない受信メールデータが存在しているかどうかを判断する(S403)。S403で、検索されていない受信メールデータが存在していると判定された場合、S404に進む。S403で検索されていない受信メールデータが無いと判断されると、本処理を終了する。
【0064】
S402で取得された受信メール情報から、送信元メールアドレスを検索し、その送信元メールアドレスと、RAM3に操作部5で予め設定されている印字対象とするメールアドレスとを比較する(S404)。送信元メールアドレスと印字対象とするメールアドレスとが同じであると判定された場合(S404)、S402で取得した受信メール情報から、ファイル名を検索し、携帯端末200からそのファイルのデータ転送を行うように指示を送り、所定量単位でデータを受信し、画像メモリ4に蓄積する(S405)。
【0065】
S405で受信したデータを印字可能なプリントデータに置き換え、携帯端末200から受信したデータがJPEG画像データである場合、そのJPEG画像データをJPEG処理部11で伸長し、Ycbcr色空間、RGB色空間のいずれかに置き換えてから、色変換部12に渡す(S406)。色変換部12では、プリント可能なCMYK空間に変換し、さらに、そのCMYKデータを誤差拡散方式等によって2値化したものを、記録制御部13に渡し、カラープリンタ14で出力を行う。また、携帯端末200から受信したデータが、文字データである場合、CPU1がROM2に記憶されている文字コード変換処理に従い、文字コードを画像データに変換し、色変換部12に渡す。
【0066】
これによって、携帯端末200からのデータが、画像、文字データのいずれであっても、印字可能である。
【0067】
S406でプリントデータを作成し、記録制御部13を通して、カラープリンタ14で出力されると、残りのデータが存在しているか否かを判定し(S407)、まだ受信すべきデータが存在している場合には、データを受信する(S405)。
【0068】
受信すべきデータが存在していないと判断された場合(S407)、次の画像データ、または文字データを検索するために、S402に戻る。
【0069】
S402以降の処理を繰り返すことによって、携帯端末200の画像メモリ23に蓄積されている全受信メールデータを検索することができる。
【0070】
実施例2によれば、携帯端末200のデータを印字する際に、印字する受信メールデータを送信元メールアドレスで指定することができる。
【0071】
画像記録装置300は、携帯端末200と接続可能であり、画像、または文字データを記録可能であれば、ファクシミリ装置以外の画像処理装置であってもよい。
【実施例3】
【0072】
本発明の実施例3は、ユーザが予め携帯端末200で受信したデータに、所定のマークを付したデータのみを、印刷対象とする実施例である。この実施例3を、画像記録装置400と呼ぶ。
【0073】
実施例3である画像記録装置400の構成は、実施例1における画像記録装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
【0074】
画像記録装置400は、携帯端末200で受信したデータをユーザが閲覧しているとき、または受信リストを参照しているときに、たとえば印刷を所望する旨の印刷マークを付す。そして、携帯端末200が画像記録装置400に接続されると、携帯端末I/F17を通して、携帯端末200から取得するデータ情報の中に、印刷マークが付されたデータが存在しているかどうかを調べる。この結果、そのマークが付されたデータが存在していると判定された場合、携帯端末200からデータ転送を行うように指示を送り、所定量単位で、データを受信し、画像メモリ4に蓄積する。
【0075】
その後は、実施例1、実施例2における処理と同様の処理を実行する。
【0076】
なお、印刷の対象とするデータは、受信したメール本文だけでなく、メールに添付された画像であってもよい。
【0077】
また、上記「所定のマーク」は、印刷を所望する旨を示すマークであるが、その他に、重要度を示すマークであってもよく、重要度を示すマークを付すようにすれば、その重要度のランクに応じて、データ転送の指示の有無を判定することができる。
【0078】
実施例3によれば、携帯端末200と接続したときに、ユーザが意図したデータのみを印字可能であり、したがって、無駄な紙、インク等の消費を抑えることができる。
【0079】
画像記録装置400は、携帯端末200と接続可能であり、画像、または文字データを記録可能であれば、ファクシミリ装置以外の画像処理装置であってもよい。
【0080】
また、上記実施例によれば、検索条件が日時であるので、ユーザが意図した日付に作成されたデータのみを印字することができる。
【0081】
また、上記実施例によれば、検索条件が相対的な日付であるので、常に最新のデータのみを印字することができる。
【0082】
また、上記実施例によれば、検索条件が、送信元のメールアドレスであるので、所定の相手からのメールデータのみを印字可能とすることができる。
【0083】
また、上記実施例によれば、検索条件は、受信メールあるいは画像に付加されている“重要”、または“保護”等、所定のマークであるので、印刷を所望する旨のマークを検索条件とすることによってユーザが意図したデータを記録することができる。
【0084】
また、上記実施例によれば、時計機能と、上記携帯端末内の日時データを取得する日時データ取得手段と、検索条件を決定する検索条件決定手段とを有し、上記検索条件決定手段は、上記日時データ取得手段が取得した上記携帯端末内の日時、上記時計機能から得られる自機内側の日時と、上記検索条件設定手段によって設定された検索条件とによって、検索条件を決定する手段であるので、携帯端末200と画像記録装置との時間のずれがある場合でも、常に最新のデータのみを記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例1である画像記録装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】画像記録装置100と接続される携帯端末200の概略構成を示すブロック図である。
【図3】画像記録装置100の動作を示すフローチャートであり、日付を検索条件とした場合における処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2である画像記録装置300の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
100、300、400…画像記録装置、
1…CPU、
2…ROM、
3…RAM、
4…画像メモリ、
5…操作部、
6…読取制御部、
7…CS、
8…シート読取制御部、
9…ブック読取制御部、
10…通信制御部、
11…JPEG処理部、
12…色変換部、
13…記録制御部、
14…カラープリンタ、
15…カードリーダI/F部、
16…カードリーダ、
17…携帯端末I/F、
18…携帯端末I/F制御部、
200…携帯端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末との接続を検知する接続検知手段と;
上記携帯端末内に、画像データ、または、文字データの情報を格納しているデータ情報格納手段と;
上記データ情報格納手段に対する検索条件を設定する検索条件設定手段と;
上記接続検知手段が上記携帯端末との接続を検知すると、上記データ情報格納手段に格納されている情報と、上記検索条件設定手段によって設定された検索条件とを比較する比較手段と;
上記比較手段が比較した結果、検索条件に一致する画像データまたは文字データが携帯端末内に存在していると判断されると、上記存在している画像データまたは文字データの転送を指示するデータ転送指示手段と;
上記データ転送指示手段が指示した画像データ、または、文字データを受信するデータ受信手段と;
上記データ受信手段が受信したデータを印字する印字手段と;
を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記検索条件は、日時であることを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記検索条件は、相対的な日付であることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1において、
上記検索条件は、送信元のメールアドレスであることを特徴とする画像記録装置。
【請求項5】
請求項1において、
上記検索条件は、受信メールあるいは画像に付加されている所定のマークであることを特徴とする画像記録装置。
【請求項6】
請求項1において、
時計機能と;
上記携帯端末内の日時データを取得する日時データ取得手段と;
検索条件を決定する検索条件決定手段と;
を有し、上記検索条件決定手段は、上記日時データ取得手段が取得した上記携帯端末内の日時、上記時計機能から得られる自機内側の日時と、上記検索条件設定手段によって設定された検索条件とによって、検索条件を決定する手段であることを特徴とする画像記録装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6において、
上記検索条件は、相対的な日付であることを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−35625(P2006−35625A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218434(P2004−218434)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】