説明

画像記録装置

【課題】サブタンクからの排気のための排気弁を、回転カム部材よって駆動される駆動部材によって円滑に開閉することができ、かつ、駆動部材がロックされても回転カム部材が円滑に回転される手段を提供する。
【解決手段】プリンタ10、サブタンク28に通ずる排気流路40と、排気流路40を開閉する排気弁41と、排気弁41を開閉する排気ロッド53と、カム溝61,62,63を有する回転カム60と、カム溝61,62,63に係入された係合部74及び係合部74を上下方向へスライド可能に支持する支持ピン76を有し、排気ロッド53を移動させるカムフォロア70と、カムフォロア70のスライドを制止可能なホルダ52と、を具備する。係合部74は、支持ピン76に対して上下方向へ変位することによって、カム溝61,62,63のいずれの底67,68,69とも摺接可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を記録するための液体吐出ヘッドと、その液体吐出ヘッドへインクを供給するためのサブタンクとを備え、そのサブタンクから排気をするために排気弁を開閉するインクジェット記録装置などの画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置において、液体吐出ヘッドの乾燥防止や異物除去を目的として、液体吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆う動作が行われる。このような動作は、一般にキャッピングと称されている。また、液体吐出ヘッドの異物除去等を目的として、液体吐出ヘッドからインクを吸引した後に、ノズル面に付着したインク滴をワイパによって拭い取る動作が行われる。このような動作は、一般にワイピングと称される。キャップやワイパは、液体吐出ヘッドのノズル面に接離するように移動される。この移動は、モータの回転駆動をカムなどに伝達して、そのカム形状によって所定のタイミングで行われる(特許文献1)。
【0003】
前述されたようなインクジェット記録装置においては、液体吐出ヘッドへインクを供給するサブタンクを備えたものがある。このようなインクジェット記録装置は、例えば、インクカートリッジからチューブを介して一旦サブタンクにインクが供給されて貯留され、そのサブタンクのインクが液体吐出ヘッドへ供給されて、微少なインク滴として液体吐出ヘッドから吐出される。しかし、このサブタンクには、インクカートリッジの交換などを要因として空気が貯まることがある。そこで、サブタンクには、貯まった空気を排出するために、排気流路が接続されている。この排気流路は、排気弁によって開閉可能に構成されている。
【0004】
上記排気弁は、例えばロッドが挿入されることによって開放される。このロッドは、前述されたキャップやワイパと同様に、カムなどを介してモータの回転駆動が伝達されて、所定のタイミングで排気弁を開放すべく移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−307699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述されたようなキャッピングやワイピング、インク室からの排気は、液体吐出ヘッドのメンテナンス動作として、それぞれが多様なタイミングに設定され得る。また、キャップやワイパ、ロッドなどの移動が、共通のカムが用いられて行われることもあり得る。このようなタイミングの制御や同時動作を避ける目的で、ロッドなどの移動がロックされることもあり得る。ロッドなどがロックされたときにも、共通のカムが円滑に駆動されるには、ロック状態又はリリース状態のいずれにおいても、カムとカムフォロアとの係合関係が維持される必要がある。例えば、回転カムであれば、ロック状態においてカムフォロアが通過するカム溝と、リリース状態においてカムフォロアが通過するカム溝とが分岐して設けられる。
【0007】
しかしながら、前述されたようなカム溝の分岐点において、必ずしもカムフォロアがいずれか一方のカム溝へ進入せずに分岐点に噛み込んでしまい、カムが動作不良を起こすおそれがある。このようなカムの動作不良は、キャッピングやワイピングなどの他の動作にも影響を及ぼすことにもなるので望ましくない。
【0008】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サブタンクからの排気のための排気弁を、回転カム部材よって駆動される弁駆動部材によって円滑に開閉することができ、かつ、弁駆動部材がロックされても回転カム部材が円滑に回転される手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明は、液体カートリッジからサブタンクを経由して、画像を記録するための液体吐出ヘッドへ液体を供給する画像記録装置であって、上記サブタンクに通ずる排気流路と、上記排気流路を開閉する排気弁と、上記排気弁を開放させる第1位置と、上記排気弁を閉止させる第2位置へ移動する弁駆動部材と、周方向へ連続するカム溝を有する回転カム部材と、上記カム溝に係入された係合部及び当該係合部を上下方向へスライド可能に支持する支持部を有し、当該係合部が上記カム溝にガイドされて上記回転カムの径方向へスライド可能であって、上記弁駆動部材を第1位置とする第3位置及び上記弁駆動部材を第2位置とする第4位置に移動されるカムフォロアと、上記カムフォロアが上記第4位置から上記第3位置へスライドすることを制止可能なロック部材と、を具備する。上記カム溝は、上記カムフォロアを第4位置に保持する第1溝と、当該第1溝と連続し、かつ当該第1溝とは上記回転カムの径方向に対して異なる位置へ湾曲して上記カムフォロアを第4位置から第3位置へ往復動させる第2溝と、当該第2溝より底が高くなるような段差を介して当該第2溝に隣接されて、上記カムフォロアを第4位置に保持する第3溝と、を有する。上記係合部は、その底が上記第3溝の底より低い位置を最下位置とし、上記支持部に対して最下位置から上側へ変位することによって、上記第3溝の底と摺接可能である。
【0010】
カムフォロアの係合部は、外力が付与されない状態においては、最下位置に位置する。ロック部材がカムフォロアをロックしないとき、すなわちカムフォロアが第4位置から第3位置へスライド可能なときは、回転カム部材が回転されると、第1溝に係入する係合部は、回転カムの所定の回転位相において第2溝と第3溝とが隣接して配置された位置へ到達する。第3溝の底は第2溝の底より高く、かつ最下位置の係合部の底は、第3溝の底より高い位置にあるので、さらに回転カム部材が回転されると、係合部は、第2溝と第3溝の底の段差に案内されて、第1溝から第2溝へ進入する。係合部が第2溝の湾曲に沿ってガイドされることにより、カムフォロアが第4位置から第3位置へスライドされる。このカムフォロアのスライドに連動して、弁駆動部材が第2位置から第1位置へ移動される。第1位置の弁駆動部材により、排気弁が開放されるので、サブタンクから排気流路を通じて排気が可能となる。
【0011】
ロック部材がカムフォロアをロックするとき、すなわちカムフォロアが第4位置に保持されるときは、第1溝に係入する係合部が、回転カム部材の所定の回転位相において第2溝と第3溝とが隣接して配置された位置へ到達しても、カムフォロアがロックされているので、係合部は第2溝へ進入することができない。つまり、ロックによって、係合部は、回転カムにおいて第1溝と同じ周方向の位置に保持される。そうすると、係合部は、第3溝と第2溝との底の段差を乗り越えるべく、最下位置から支持部に対して上方へスライド移動する。これにより、係合部は、第2溝の底より高い第3溝の底と摺接する。これにより、回転カム部材が更に回転され得る。
【0012】
(2) 上記第1溝と、上記第2溝及び上記第3溝とは、上記回転カム部材の周方向へ連続する環状の空間を形成するものであってもよい。
【0013】
これにより、係合部が第2溝又は第3溝のいずれに進入しても、回転カム部材を一定方向へ回転させ続けることができる。
【0014】
(3) 上記画像記録装置は、上記液体吐出ヘッドの下面において上記排気弁を覆うことが可能なキャップと、当該キャップを支持し、当該キャップを上記液体吐出ヘッドの下面に圧接させる第5位置、及び当該キャップを上記液体吐出ヘッドの下面から離反させる第6位置へ移動するホルダと、を更に具備するものであってもよい。上記ロック部材は上記ホルダに設けられており、上記ホルダが第6位置に位置するときに上記カムフォロアのスライドを制止する。
【0015】
キャップが排気弁を覆った状態において排気弁が開放されることによって、仮に排気流路から空気と共にインクが流出しても、流出したインクはキャップによって受け止められる。キャップが排気弁を覆っていないとき、すなわちホルダが第6位置に位置するときにはカムフォロアのスライドが制止されるので、排気弁がキャップに覆われていない状態で弁駆動部材によって開放されることがない。
【0016】
(4) 上記液体吐出ヘッドは、上記弁駆動部材の移動方向と交差する方向であって、上記キャップと対向して当該キャップが圧接可能な第7位置を含む範囲を移動されるものであり、上記ホルダは、上記液体吐出ヘッドが上記第7位置にあるときに上記第5位置へ移動されるものであってもよい。
【0017】
排気弁を開放する弁駆動部材は、排気弁と接触可能な第1位置へ移動するので、仮に、液体吐出ヘッドが第7位置にないときに弁駆動部材が第1位置へ移動し、その後に液体吐出ヘッドが第7位置へ移動されると、弁駆動部材と液体吐出ヘッドとが当接して破損等が生じるおそれがある。ホルダは、液体吐出ヘッドが第7位置にあるときに第5位置へ移動されるので、液体吐出ヘッドが第7位置になければ、第6位置にホルダが位置されることによってロック部材がカムフォロアのスライドを制止する。これにより、前述されたような弁駆動部材と液体吐出ヘッドとの当接が防止される。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、ロック部材によるカムフォロアのロック又はリリースに応じて、係合部が支持部に対して上下方向へスライドされて、第2溝又は第3溝へ選択的に進入するので、排気弁が回転カム部材よって駆動される弁駆動部材によって円滑に開閉され、かつ、カムフォロアがロックされても回転カム部材が円滑に回転される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】プリンタ10の内部構成を示す模式図である。
【図2】プリンタ10の内部構成を示す平面図である。
【図3】ノズルキャップ50及び排気キャップ51近傍の構成を示す斜視図である。
【図4】回転カム60及びカムフォロワ70近傍の構成を示す斜視図である。
【図5】カムフォロワ70の構成を示す側面図である。
【図6】(A)は、回転カム60の構成を示す平面図であり、(B)は、(A)におけるB−B切断線の断面構造を示す断面図である。
【図7】(A)は、カムフォロワ70がロックされた状態を示す側面図であり、(B)は、カムフォロワ70がロックされた状態における係合部74の動作を示す平面図である。
【図8】(A)は、カムフォロワ70がリリースされた状態を示す側面図であり、(B)は、カムフォロワ70がリリースされた状態における係合部74の動作を示す平面図である。
【図9】図6(A)におけるIV-IV切断線の断面において、係合部74が第1溝61にある状態を示す断面図である。
【図10】図6(A)におけるIV-IV切断線の断面において、係合部74が第3溝63にある状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。なお、下記の実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨が変更されない範囲で、実施形態が適宜変更されてもよいことは言うまでもない。
【0021】
[プリンタ10の概要]
プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、本発明に係る画像記録装置の一例である。
【0022】
図1に示されるように、プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジケース110が設けられており、このカートリッジケース110において、4つのインクカートリッジ30が水平に保持可能である。カートリッジケース110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。4つのインクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジケース110に挿入され、或いはカートリッジケース110から抜き出される。カートリッジケース110に装着されたインクカートリッジ30は、インクニードル111を通じて、インク室36内のインクをインクチューブ20へ流出させる。このインクカートリッジ30が、本発明における液体カートリッジに相当する。
【0023】
開口112は、プリンタ部10のフレームなどに軸支されたカバー19によって覆われている。カバー19は、開口112の下端部の下方で軸支されている。カバー19は、倒伏可能に軸支されており、開口112を開放する開放姿勢と閉塞する閉塞姿勢とに姿勢変化する。
【0024】
各インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクがそれぞれの色に対応するインクカートリッジ30に貯留されている。
【0025】
図1に示されるように、キャリッジ21には、記録ヘッド29及びサブタンク28が設けられている。記録ヘッド29は、各インク色毎に設けられたインクチューブ20及びインク流路27によって各インクカートリッジ30と接続されている。記録ヘッド29は、各インクカートリッジ30から供給されたインクを微少なインク滴として選択的に吐出する。記録ヘッド29が、本発明における液体吐出ヘッドに相当する。
【0026】
キャリッジ21には各インク色毎にサブタンク28がそれぞれ設けられている。各サブタンク28には、各インクカートリッジ30からインクチューブ20を通じて、供給された各インク色のインクが一時的に貯留される。サブタンク28の上壁は可撓性のフィルムによって構成されている。このフィルムの撓みによって、サブタンク28は、インクからの圧力に応じて容積変化する。
【0027】
給紙トレイ15には、複数枚の記録用紙が積載されている。給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド29は、キャリッジ21と共に記録用紙の搬送方向と直交し、かつ記録面に水平な方向へ移動しながら、プラテン26上の記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0028】
[記録部18]
記録部18は、搬送路24において記録用紙が記録向き105へ搬送される過程において、記録用紙に画像を記録するものである。記録部18は、インクジェット方式で画像記録を行う。記録部18は、主としてキャリッジ21、プラテン26、サブタンク28及び記録ヘッド29によって構成されている。
【0029】
図2に示されるように、キャリッジ21は、記録向き105と直交する水平方向を長手方向とする一対のガイドレール45,46に案内されて、移動方向106へ往復動される。一対のガイドレール45,46は、記録向き105へ隔てられて配置されており、この一対のガイドレール45,46間に架け渡すようにして、キャリッジ21が載置されている。ガイドレール46には、ベルト駆動機構47が設けられている。このベルト駆動機構47によって、モータの駆動力がキャリッジ21へ伝達され、キャリッジ21が移動方向106へ往復動される。
【0030】
図1に示されるように、サブタンク28及び記録ヘッド29は、キャリッジ21に搭載されてキャリッジ21と共に移動方向へ往復動される。図1には表されていないが、サブタンク28はCMYKの各インク色に対応して4個が設けられている。各サブタンク28には、排気流路41がそれぞれ設けられている。排気流路41は、サブタンク28の上部からキャリッジ21の下面へ通ずる流路であり、液体及び気体が流通可能である。キャリッジ21の下面には、この排気流路41を開閉する排気弁41が設けられている。排気弁41は、外力が付与されない状態においては、排気流路40を閉止している。後述される排気ロッド53が排気弁41に挿入されると、排気弁41は排気流路40を開放する。このような排気流路40及び排気弁41が、4個のサブタンク28に対応して4組設けられている。
【0031】
記録ヘッド29は、キャリッジ21の下面として露出されている。記録ヘッド29の下面には、微細なインク滴を吐出するための複数のノズルが形成されている。このノズルの開口が下面に露出されて吐出口を形成している。記録ヘッド29内において、ノズルより上流側に圧電素子やキャビティが形成されている。この圧電素子は所定の電圧が印加されることにより変形し、キャビティの容積を縮小する。このキャビティの容量の変化によって、サブタンク28内のインクがノズルからインク滴として吐出される。
【0032】
プラテン26は、キャリッジ21の下側において、記録ヘッド29と所定の間隙を形成して配置されている。つまり、記録ヘッド29とプラテン26とは、上下方向101に対向されている。記録ヘッド29からプラテン26の上面までの間隙はヘッドギャップとも称され、この間隙を、記録ヘッド29から吐出されたインク滴がプラテン26へ向かって移動する。プラテン26は、画像記録される記録用紙を下方から支持する。つまり、プラテン26の上面に搬送されて支持されている記録用紙に対して、記録ヘッド29から選択的にインク滴が吐出され、そのインク滴が記録用紙に着弾して画像が形成される。
【0033】
[パージ機構48]
図2に示されるように、プラテン26における幅方向の両側のうち、一方にはパージ機構48が配設され、他方には廃インクトレイ49が配設されている。パージ機構48は、記録ヘッド29やサブタンク28から気泡や異物を吸引除去するものである。パージ機構48は、記録ヘッド29のノズルを覆うノズルキャップ50と、記録ヘッド29の排気口を覆う排気キャップ51とを有する。ノズルキャップ50及び排気キャップ51は、ホルダ52に設けられており、このホルダ52が後述されるリフトアーム96によって上下動されて記録ヘッド29と接離する。排気キャップ51が、本発明におけるキャップに相当する。また、排気キャップ51が排気弁41を覆う位置が本発明において第5位置と称され、排気キャップ51が排気弁41から離間された位置が本発明において第6位置と称される。
【0034】
排気キャップ51内には、4本の排気ロッド53(図4参照)が設けられている。各排気ロッド53は、各インク色毎の4個のサブタンク28に対応して設けられている。排気ロッド53は、排気キャップ51から上方へ突出するものである。排気ロッド53は、後述される回転カム60及びカムフォロワ70によって上下動されて排気弁41を開閉する。排気キャップ51がキャリッジ21の下面に当接された状態において、排気ロッド53が上方へ移動されると、排気ロッド53が排気弁41へ進入して排気流路40を開放させる。また、排気ロッド53が下方へ移動されて排気弁41から離れると、排気流路40が排気弁41によって閉止される。この排気ロッド53が、本発明における弁駆動部材に相当する。また、排気ロッド53が排気弁を開放させる位置が本発明において第1位置と称され、排気弁を閉止させる位置が本発明において第2位置と称される。また、排気弁41が排気キャップ51と対向する位置が、本発明において第7位置と称される。つまり、記録ヘッド29は、排気ロッド53の移動方向と交差する方向であって、排気キャップ51と対向して排気キャップ51が圧接可能な第7位置を含む範囲を移動されるのである。
【0035】
図2には現されていないが、パージ機構48は、さらに吸引ポンプを有する。吸引ポンプは、ノズルキャップ50及び排気キャップ51と接続されており、吸引ポンプが動作されることによって、ノズルキャップ50及び排気キャップ51の内部が負圧にされる。ノズルキャップ50が記録ヘッド29と接触してノズルを覆った状態において吸引ポンプが作動されると、記録ヘッド29から気泡や異物が吸引除去される。また、排気キャップ551がキャリッジ21の下面に接触し、排気ロッド53が排気弁41に進入して排気流路40を開放した状態において吸引ポンプが作動されると、サブタンク28に滞留した空気が吸引除去される。
【0036】
廃インクトレイ49は、フラッシングと呼ばれる記録ヘッド29からのインクの空吐出を受けるためのものである。廃インクトレイ49内にはフェルトやスポンジ等のインク吸収材が敷設されており、フラッシングされたインクは、このインク吸収材に吸収されて保持される。このようにパージ機構48及び廃インクトレイ49が用いられて、記録ヘッド29内の気泡や混色インクの除去、乾燥防止などのメインテナンスが行われる。
【0037】
[ホルダ52の駆動]
図3に示されるように、リフトカム90は、円盤形状のカムであり、その側面にカム溝が形成されている。各図には詳細に現れていないが、リフトカム90は、モータ91から伝達ギヤ92〜95を介して駆動伝達されて回転される。リフトカム90のカム溝には、リフトアーム96の一端側が係入されている。このリフトアーム96は、支軸97に支持されて支軸97周りに回転可能なアーム形状をなしている。したがって、リフトカム90のカム溝に係入されたリフトアーム96の一端側が、リフトカム90の正逆転によって変動すると、その変動によって、リフトアーム96が支軸97周りに回転される。
【0038】
リフトアーム96の他端にはホルダ52が連結されている。ホルダ52は、ノズルキャップ50及び排気キャップ51を支持するものである。ホルダ52は、上側が開口された箱形状をなしている。ホルダ52に支持されたノズルキャップ50及び排気キャップ51は、ホルダ52の上側の開口から露出されている。ホルダ52は、不図示のガイドに案内されて上下方向101へスライド可能である。前述されたように、リフトアーム96の一端側が、リフトカム90の正逆転によって変動してリフトアーム96が支軸97周りに回転されると、そのリフトアーム96の回転に伴って、ホルダ52が上下方向101へスライドされる。このホルダ52のスライドによって、排気キャップ51が、第5位置と第6位置とに姿勢変化される。なお、排気キャップ51は、ホルダ52の移動によってノズルキャップ50と共に移動するが、排気ロッド53は、後述される回転カム60及びカムフォロワ70によって、ホルダ53の移動と独立して上下動される。
【0039】
図には現れていないが、リフトカム90の近傍には、カムスイッチが配置されている。このカムスイッチは、入力レバーの回動位置によってオン又はオフの電気信号を出力するものであり、リフトカム50に形成された凸部と当接することによって、オン又はオフの電気信号を出力する。このカムスイッチが出力する信号に基づいて、リフトカム90の回転位置が把握される。つまり、ノズルキャップ50が第5位置にあるか第6位置にあるかが把握される。
【0040】
[カムフォロワ70]
カムフォロワ70は、後述される回転カム60によってスライドされる部材であって、そのスライド位置によって、排気ロッド53を上下動させるものである。図4に示されるように、カムフォロワ70は、ホルダ52の下方に配置されており、不図示のガイドに支持されて移動方向106へスライド可能に支持されている。
【0041】
図5に示されるように、カムフォロワ70は、基板71、カム部72、ストッパ部73及び係合部74を有する。基板71は、移動方向106に沿って平面を有する平板であり、カム部72及びストッパ部73が、基板71から上方へ起立して設けられている。カム部72は、上下方向の位置が連続的に変位するカム溝75を有する。図には詳細に現れていないが、このカム溝75に、排気ロッド53の一部が係入されており、カムフォロワ70のスライド位置によって、排気ロッド53の一部がカム溝75内を移動して、排気ロッド53が上下動される。
【0042】
ストッパ部73は、カム部72の側方に配置されており、図4に示されるように、ホルダ52の側壁と当接し得る。排気キャップ51が第6位置にされている状態、すなわちホルダ52が下降されている状態においては、ストッパ部73がホルダ52と当接する(図7(A)参照)。ストッパ部73がホルダ52と当接することによって、カムフォロワ70のスライドが制止される。このようにスライドが制止されたカムフォロワ70によって、排気ロッド53が排気弁41から離れた状態、つまり、第2位置に保持される。一方、排気キャップ51が第5位置にされている状態、すなわちホルダ52が上昇されている状態においては、ストッパ部73はホルダ52とは当接しない(図8(A)参照)。したがって、カムフォロワ70が回転カム60によってスライドされ得る。後述されるように、回転カム60によってカムフォロワ70がスライドされると、排気ロッド53が排気弁41から離れた状態から排気弁41を開放する状態、つまり、第2位置から第1位置へ移動され得る。本実施形態では、ストッパ部73と当接するホルダ52の側壁が、本発明におけるロック部材に相当する。
【0043】
係合部74は、基板71から下方へ延出された支持ピン76に支持されたものであり、後述される回転カム60のカム溝61,62,63に選択的に係入される。支持ピン76は、円柱形状の部材であり、その支持ピン76に、円柱形状の係合部74が上下方向101へスライド可能に支持されている。係合部74は、外力が付与されてない状態においては、自重によって下方へスライドした位置に保持される(図9参照)。この位置が、本発明において、最下位置と称される。係合部74を持ち上げるような外力が付与されると、係合部74は、支持ピン76に沿って上方へ変位する。係合部74が上方へ変位することによって、支持ピン76及び係合部74による上下方向の長さが短くなる。なお、係合部74の底には、後述される底67と底69との段差を容易に乗り越えるように、縁部がテーパ形状に加工されていてもよい。
【0044】
[回転カム60]
回転カム60は、カムフォロワ70の係合部74と係合するカム溝61,62,63を有する円盤形状の部材である。図4に示されるように、回転カム60は、カムフォロワ70の下方に配置されて、上下方向101を軸線方向として回転可能である。回転カム60の外周面には、ギヤ歯が形成されており、図には詳細に現れていないが、このギヤ歯が、モータ91の駆動がリフトカム90とは別経路によって選択的に伝達される伝達ギヤと噛合されている。したがって、回転カム60は、リフトカム90とは独立して回転駆動される。
【0045】
なお、ここでは詳細には説明されないが、モータ91の駆動は、回転カム60やリフトカム90の他、プリンタ10の他の駆動部にも伝達されている。つまり、モータ91は、回転カム60やリフトカム90を含む複数の駆動部の駆動源として共有されている。したがって、モータ91から回転カム60への駆動伝達は、回転カム60を回転させてカムフォロワ70をスライドさせる目的、つまり排気ロッド53を排気弁41へ進入させる目的の他、吸引ポンプの経路切換などの他の目的のためにおいても、回転カム60が回転される
【0046】
図には現れていないが、回転カム60の近傍には、カムスイッチが配置されている。このカムスイッチは、入力レバーの回動位置によってオン又はオフの電気信号を出力するものである。図6に示されるように、回転カム60の外周には周方向の長さが異なる複数の凸部64,65,66が形成されており、これら凸部64,65,66によって入力レバーが回動されることによって、カムスイッチがオン又はオフの電気信号を出力する。このカムスイッチが出力する信号が回転カム60の回転位相によって周期的に変動し、その変動パターンに基づいて回転カム60の回転位置が把握される。
【0047】
図6に示されるように、各カム溝61,62,63は、回転カム60の周方向へ連続する環状の空間を形成する。回転カム60の回転位相及びホルダ52の位置によって、カムフォロワ70の係合部74がカム溝61,62,63に選択的に係入される。本実施形態では、係合部74が、カム溝61又はカム溝62に係入されている状態において、係合部74は最下位置にあり、カム溝61の底67又はカム溝62の底68とは接しない接しない(図9参照)。係合部74が、カム溝63に係入されている状態において、係合部74は、最下位置から上方へ変位された状態にあり、カム溝63の底69と摺接する(図10参照)。つまり、最下位置の係合部74の底は、カム溝63の底69より低い位置にある。
【0048】
カム溝61は、回転カム60の回転中心を中心とする円弧として延びており、環状に連続する空間の大部分を形成する。カム溝61においては、いずれの位置であっても、中心から径方向の距離が一定である。また、カム溝61においては、いずれの位置であっても、底67の高さが一定である。
【0049】
カム溝61に係合部74が係入された状態において、カムフォロワ70が排気ロッド53を排気弁41から離れさせる位置に保持される。このときのカムフォロワ70の位置が、本発明において第4位置と称される。また、係合部74がカム溝61に係入された状態において、係合部74は支持ピン76に対して常に最下位置にあり、係合部74の底はカム溝61の底67とは接しない。このカム溝61が、本発明における第1溝に相当する。
【0050】
カム溝62は、カム溝61と連続し、かつカム溝61とは回転カム60の径方向に対して異なる位置へ湾曲している。つまり、カム溝62においては、中心から径方向の距離が、カム溝61から中心へ近づくように変化する。このカム溝62に係合部74が係入された状態において、係合部74がカム溝61から中心へ近づくように案内されることによって、カムフォロワ70が排気ロッド53を排気弁41から離れさせる位置(第4位置)から排気弁41へ進入する位置へスライドされる。カム溝62において係合部74が回転カム60の中心に最も近づくカムフォロワ70の位置が、本発明において第3位置と称される。
【0051】
また、カム溝62においては、第3位置へスライドされたカムフォロワ70が、再び第4位置へ復帰するように、中心から径方向の距離がカム溝61へ近づくように変化する。このようにして、カム溝62が係合部74を案内することによって、カムフォロア70が第4位置と第3位置とを往復動される。また、カム溝62の底68の高さは、カム溝61の底67と同じ位置に一定に保たれている。係合部74がカム溝62に係入された状態において、係合部74は支持ピン76に対して常に最下位置にあり、係合部74の底はカム溝62の底68とは接しない。このカム溝62が、本発明における第2溝に相当する。
【0052】
カム溝63は、カム溝61と連続し、かつカム溝61とは回転カム60の径方向に対して同じ位置となる円弧形状である。つまり、カム溝61及びカム溝63によって、ほぼ円形の溝が形成されている。カム溝63は、カム溝62に対して、回転カム60の周方向における位置が同じ位置に配置されている。つまり、カム溝63とカム溝62とは、径方向に隣接して設けられている。
【0053】
カム溝62とカム溝63との境界には、カム溝63の底69より高い壁は存在しない。いわば、カム溝62,63の間には壁が存在せず、一つの空間として形成されている。
【0054】
カム溝63における底69は、カム溝62の底68より高い。つまり、底68と底69とは高さ方向101に段差を有する。また、カム溝63における底69は、カム溝61の底67より高い。つまり、底67と底69とは高さ方向101に段差を有する。カム溝63の底69の高さは、最下位置にある係合部74の底より高い(図9参照)。したがって、最下位置にある係合部74の側壁が、底67又は底68と底69との段差に当接することによって、カム溝61からカム溝62へ案内される。
【0055】
カム溝63の底69において、回転カム60の回転に伴ってカム溝61の底67と摺接する係合部74が進入する側には、底69の高さが底67へ向かって次第に低くなる傾斜面58が形成されている。また、カム溝63の底69において、カム溝62が最も径方向内側へ湾曲する部分と隣接する側には、底69の高さが底67へ向かって次第に低くなる傾斜面59が形成されている。
【0056】
カム溝63に係合部74が係入されて底69と摺接する状態において、カムフォロワ70が排気ロッド53を排気弁41から離れさせる位置(第4位置)に保持される。係合部74がカム溝63の底69と摺接する状態において、係合部74は支持ピン76に対して上昇した位置に保持される。このカム溝63が、本発明における第3溝に相当する。
【0057】
[回転カム60及びカムフォロワ70の動作]
キャリッジ21がノズルキャップ50及び排気キャップ51の上方に位置しないときには、ホルダ52が下降されてノズルキャップ50及び排気キャップ51は、記録ヘッド29と当接しない位置に保持される。
【0058】
図7及び図9に示されるように、ホルダ52が下降されて、カムフォロア70のスライドがロックされている状態において、モータ91から駆動伝達された回転カム60が回転すると、回転カム60のカム溝61に係入して最下位置にある係合部74が、カム溝62とカム溝63との分岐点に到達しても、係合部74はカム溝62へ進入することなく、回転カム60においてカム溝61と同じ径方向の位置に保持される。そうすると、係合部74は、カム溝61の底67とカム溝63の底69との段差を乗り越えるべく、図10に示されるように、傾斜面58に案内されてつつ支持ピン76に対して上方へ変位する。これにより、回転カム60が更に回転されると、係合部74は、カム溝63の底69と摺接しながらカム溝63を進み、再び、カム溝61へ到達する。そして、係合部74は、カム溝63の底69とカム溝61の底67との段差を降りるようにして、支持ピン76に対して下降して最下位置に復帰する。
【0059】
キャリッジ21がノズルキャップ50及び排気キャップ51の上方に位置されてメインテナンス動作が行われるときには、ホルダ52が上昇されてノズルキャップ50及び排気キャップ51が記録ヘッド29と当接する。
【0060】
図8に示されるように、ホルダ52が上昇されて、カムフォロア70のスライドがロックされていない状態において、モータ91から駆動伝達された回転カム60が回転して、回転カム60のカム溝61に係入して最下位置にある係合部74が、カム溝62とカム溝63との分岐点に到達すると、カム溝61の底67とカム溝63の底69との段差に係合部74の側壁が当接しながら案内されて、カム溝61からカム溝62へ進入する。係合部74がカム溝62に係入されて、その湾曲に沿って案内されることにより、カムフォロア70が第4位置から第3位置へスライドされる。このカムフォロア70のスライドに連動して、排気ロッド53が上昇されて排気弁41へ進入する。これにより、排気弁41が開放されるので、サブタンク28から排気流路40を通じて排気が可能となる。
【0061】
[本実施形態の作用効果]
このように本実施形態によれば、ホルダ52によるカムフォロア70のロック又はリリースに応じて、係合部74が支持ピン76に対して上下方向へスライドされて、カム溝61からカム溝62又はカム溝63へ選択的に進入するので、排気弁41が回転カム60よって駆動される排気ロッド53によって円滑に開閉され、かつ、カムフォロア70がロックされても回転カム60が円滑に回転される。
【0062】
また、カム溝61と、カム溝62及びカム溝63とは、回転カム60の周方向へ連続する環状の空間を形成するので、係合部74がカム溝62又はカム溝63のいずれに進入しても、回転カム60を一定方向へ回転させ続けることができる。
【0063】
また、排気キャップ51が排気弁41を覆った状態において排気弁41が開放されることによって、仮に排気流路40から空気と共にインクが流出しても、流出したインクは排気キャップ51によって受け止められる。排気キャップ51が排気弁41を覆っていないとき、すなわちホルダ52が下降されているときにはカムフォロア70のスライドが制止されるので、排気弁41が排気キャップ51に覆われていない状態で排気ロッド53によって排気弁41が開放されることがない。
【0064】
また、排気弁41を開放する排気ロッド53は、排気弁41と接触可能な位置へ上昇するので、仮に、キャリッジ21が排気キャップ51の上方に位置しないときに排気ロッド53が上昇され、その後にキャリッジ21が排気キャップ51の上方へ移動されると、排気ロッド53とキャリッジ21とが当接して破損等が生じるおそれがあるが、ホルダ52は、キャリッジ21が排気キャップ51の上方にあるときに上昇されるので、キャリッジ21が排気キャップ51の上方になければ、下降したホルダ52によってカムフォロア70のスライドが制止される。これにより、前述されたような排気ロッド53とキャリッジ21との当接が防止される。
【0065】
なお、本実施形態では、カム溝61,62に係入した状態の係合部74は、それぞれの底67,68と接触しないが、仮に、係合部74が底67,68と接触したとしても、本発明の作用効果が奏されることは言うまでもない。また、本実施形態では、係合部74は、自重によって、支持ピン76に対して最下位置に保持されることとしたが、バネなどによって係合部74を積極的に下方へ付勢して、係合部74が最下位置に保持されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10・・・プリンタ(画像記録装置)
28・・・サブタンク
29・・・記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
30・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
40・・・排気流路
41・・・排気弁
51・・・排気キャップ(キャップ)
52・・・ホルダ(ロック部材)
53・・・排気ロッド(弁駆動部材)
60・・・回転カム
61・・・カム溝(第1溝)
62・・・カム溝(第2溝)
63・・・カム溝(第3溝)
67,68,69・・・底
70・・・カムフォロア
74・・・係合部
76・・・支持ピン(支持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体カートリッジからサブタンクを経由して、画像を記録するための液体吐出ヘッドへ液体を供給する画像記録装置であって、
上記サブタンクに通ずる排気流路と、
上記排気流路を開閉する排気弁と、
上記排気弁を開放させる第1位置と、上記排気弁を閉止させる第2位置へ移動する弁駆動部材と、
周方向へ連続するカム溝を有する回転カム部材と、
上記カム溝に係入された係合部及び当該係合部を上下方向へスライド可能に支持する支持部を有し、当該係合部が上記カム溝にガイドされて上記回転カムの径方向へスライド可能であって、上記弁駆動部材を第1位置とする第3位置及び上記弁駆動部材を第2位置とする第4位置に移動されるカムフォロアと、
上記カムフォロアが上記第4位置から上記第3位置へスライドすることを制止可能なロック部材と、を具備し、
上記カム溝は、上記カムフォロアを第4位置に保持する第1溝と、当該第1溝と連続し、かつ当該第1溝とは上記回転カムの径方向に対して異なる位置へ湾曲して上記カムフォロアを第4位置から第3位置へ往復動させる第2溝と、当該第2溝より底が高くなるような段差を介して当該第2溝に隣接されて、上記カムフォロアを第4位置に保持する第3溝と、を有し、
上記係合部は、その底が上記第3溝の底より低い位置を最下位置とし、上記支持部に対して最下位置から上側へ変位することによって、上記第3溝の底と摺接可能である画像記録装置。
【請求項2】
上記第1溝と、上記第2溝及び上記第3溝とは、上記回転カム部材の周方向へ連続する環状の空間を形成するものである請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記液体吐出ヘッドの下面において上記排気弁を覆うことが可能なキャップと、当該キャップを支持し、当該キャップを上記液体吐出ヘッドの下面に圧接させる第5位置、及び当該キャップを上記液体吐出ヘッドの下面から離反させる第6位置へ移動するホルダと、を更に具備し、
上記ロック部材は上記ホルダに設けられており、上記ホルダが第6位置に位置するときに上記カムフォロアのスライドを制止するものである請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記液体吐出ヘッドは、上記弁駆動部材の移動方向と交差する方向であって、上記キャップと対向して当該キャップが圧接可能な第7位置を含む範囲を移動されるものであり、
上記ホルダは、上記液体吐出ヘッドが上記第7位置にあるときに上記第5位置へ移動されるものである請求項3に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−73232(P2011−73232A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226145(P2009−226145)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】