説明

画像記録装置

【課題】被記録媒体の厚さに応じて当該被記録媒体に対して拍車を接離させることが、部材を追加することなく実現可能な構造を提供する。
【解決手段】記録用紙が搬送される際、記録用紙は第3ローラ対44に挟持される。つまり、記録用紙が搬送される際、記録用紙は第2拍車46と接触する。ここで、第3ローラ対44による記録用紙の挟持位置92は、第1ローラ対58による記録用紙の挟持位置90よりも上側に位置する。一方、記録メディアが載置されたメディアトレイ71が搬送される際、各ローラ対58、59、44の下側のローラ61、62、45が下方に移動するが、第2拍車46は移動しない。これにより、第2拍車46は、搬送路65を搬送されて第1ローラ対58に挟持されたメディアトレイ71の上面(位置A)よりも上方に位置される。以上より、記録メディアが搬送される際、記録メディアは第2拍車46と接触しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体を搬送路に沿って搬送させて、当該被記録媒体に画像記録可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力信号に基づいてインクを吐出して記録用紙などの被記録媒体に画像記録を行う画像記録装置が知られている。このような画像記録装置は、一般に「インクジェットプリンタ」と称される。インクジェットプリンタにおける画像記録は、記録ヘッドに複数設けられたノズルからインクが吐出されることによって実現される。
【0003】
インクジェットプリンタにおいては、被記録媒体の搬送向きにおける記録ヘッドの上流側に、2つのローラが相互に当接された第1のローラ対が設けられている。給紙トレイなどから給送された被記録媒体は、第1のローラ対に挟持されて記録ヘッドの直下へ搬送される。そして、記録ヘッドからのインクの吐出によって被記録媒体に画像が記録される。被記録媒体は、画像が記録される際に、記録ヘッドに対向して設けられた支持部材に支持される。また、搬送向きにおける記録ヘッドの下流側に、2つのローラが相互に当接された第2のローラ対が設けられている。画像が記録された被記録媒体は、第2のローラ対に挟持されて搬送向きの更に下流側、例えば排紙トレイに搬送される。
【0004】
インクジェットプリンタにおいては、画像の記録中に被記録媒体の前後左右及び高さの位置がずれてしまうと、被記録媒体に記録される画像の画質が劣化する可能性が高くなる。そこで、インクジェットプリンタにおいては、画像記録中の被記録媒体の前後左右及び高さの位置を安定させるため、被記録媒体を支持部材に押しつけることが行われている。インクジェットプリンタにおいては、被記録媒体を支持部材に押しつけるために、第1のローラ対のうち、下側に配置されたローラが、上側に配置されたローラよりも上流側に配置されている。また、第1のローラ対による被記録媒体の挟持位置が支持部材の上面よりも上側となるように、第1のローラ対が配置されている。これにより、第1のローラ対に挟持された被記録媒体は、斜め下向きに搬送され、搬送向きの下流側に設けられた支持部材に押しつけられる。また、第1のローラ対が上述のように構成された場合、支持部材を通過した被記録媒体は、斜め上向きに搬送される傾向がある。そのため、第2のローラ対による被記録媒体の挟持位置が支持部材の上面よりも上側となるように、第2のローラ対が配置されている。
【0005】
また、近年、画像記録装置において画像記録が行われる被記録媒体には、記録用紙などのシート状のものの他、CDやDVDなどの剛性の高いものが提案されている。一般に、剛性の高い被記録媒体に画像記録が行われる際、当該被記録媒体は厚みのある板状のトレイにセットされる。当該トレイは画像記録装置に設けられたトレイガイドに支持されつつ挿入口から挿入され、画像記録装置内を搬送される。トレイはシート状の被記録媒体よりも厚みがある。そのため、トレイが画像記録装置内を搬送される場合、ローラ対を構成するローラは、トレイを挟持可能な間隔だけ相互に離間される必要がある。
【0006】
特許文献1には、シート状の被記録媒体を搬送する場合と、CD−Rなどの厚い被記録媒体を搬送する場合とで、ローラ対におけるローラ間の間隔を変位させる記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−136802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、画像記録装置において、画像記録後の被記録媒体を搬送するローラ対(上述の説明では第2のローラ対)の上側は、拍車であることが多い。拍車は、周縁部が鋸歯状に形成されている。これにより、ローラ対は、シート状の被記録媒体の画像記録面に触れる面積を少なく抑えつつ、シート状の被記録媒体を搬送することができる。
【0009】
しかし、厚い被記録媒体が搬送される際に、拍車が厚い被記録媒体の画像記録面に接触すると、拍車が厚い被記録媒体の画像記録面に食い込んで傷つけてしまうおそれがある。このような問題を解決するため、特許文献1に開示された記録装置においては、厚い被記録媒体が搬送される際、拍車は、拍車解除手段によって上方へ所定距離だけ移動される。しかし、拍車解除手段のような機構が追加されることによって、画像記録装置はコストアップしてしまう。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被記録媒体の厚さに応じて当該被記録媒体に対して拍車を接離させることが、部材を追加することなく実現可能な構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明の画像記録装置は、被記録媒体を載置可能なトレイと、被記録媒体または上記トレイが通過する第1搬送路と、上記第1搬送路の上側に設けられており、被記録媒体に画像を記録する記録部と、上記第1搬送路の下側に上記記録部と対向して設けられており、被記録媒体を支持する支持面を有する支持部材と、上記記録部よりも被記録媒体の第1搬送向きの上流側に設けられた第1搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第1ローラと下側の第2ローラとで構成されており、上記第2ローラが上記第1ローラよりも上記第1搬送向きの上流側に設けられており、被記録媒体の挟持位置が上記支持部材の上記支持面よりも上側に位置する上記第1搬送部と、上記記録部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられた第2搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第1拍車と下側の第3ローラとで構成されており、被記録媒体の挟持位置が上記支持部材の上記支持面よりも上側に位置する上記第2搬送部と、上記第2搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられた第3搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第2拍車と下側の第4ローラとで構成されており、被記録媒体の挟持位置が上記第1搬送部及び上記第2搬送部による被記録媒体の挟持位置よりも上側に位置する上記第3搬送部と、上記第1搬送路における上記記録部及び上記第3搬送部の間において、上記第1搬送路の上側に設けられた当接部と、上記第2ローラが上記第1ローラと当接する第1姿勢、上記第3ローラが上記第1拍車と当接する第3姿勢、上記第4ローラが上記第2拍車と当接する第5姿勢、上記支持部材が上記第1搬送路における上下方向に沿った長さを被記録媒体が通過可能な第1幅とする第7姿勢、上記第1拍車が上記第3姿勢の上記第3ローラと当接可能な第9姿勢、上記当接部が搬送される被記録媒体の上面よりも上側の第12姿勢、となる第1状態と、上記第2ローラが上記第1ローラから離間する第2姿勢、上記第3ローラが上記第1拍車から離間する第4姿勢、上記第4ローラが上記第2拍車から離間する第6姿勢、上記支持部材が上記第1搬送路における上下方向に沿った長さを上記第1幅より大きく且つ上記トレイが通過可能な第2幅とする第8姿勢、上記第1拍車が上記第9姿勢よりも上側の第10姿勢、上記当接部が搬送される上記トレイの上面と当接する第11姿勢、となる第2状態とに姿勢変化させる姿勢変化機構と、を備えている。
【0012】
シート状の被記録媒体に対して画像記録が実行される場合、姿勢変化機構によって、第1搬送部、第2搬送部、及び第3搬送部が相互に当接された状態とされる。また、姿勢変化機構によって、支持部材が第1幅とされる。以上より、シート状の被記録媒体は、第1搬送部、第2搬送部、及び第3搬送部に挟持されて搬送される。
【0013】
また、第2ローラが第1ローラよりも第1搬送向きの上流側に設けられている。また、第1搬送部によるシート状の被記録媒体の挟持位置が、支持部材の支持面よりも上側に位置している。これにより、シート状の被記録媒体は、支持部材の支持面に押しつけられながら支持部材によって支持される。また、支持部材を通過した被記録媒体は、斜め上向きに搬送される傾向にある。そこで、本構成においては、第2搬送部による被記録媒体の挟持位置が、支持部材の支持面よりも上側に位置しており、第3搬送部による被記録媒体の挟持位置が、第2搬送部による被記録媒体の挟持位置よりも上側に位置している。これにより、シート状の被記録媒体は、支持部材の下流側において、斜め上向きに搬送される。つまり、第2搬送部及び第3搬送部が本構成のように構成されることにより、支持部材を通過したシート状の被記録媒体は、円滑に搬送可能となる。
【0014】
一方、シート状の被記録媒体よりも厚い被記録媒体に対して画像記録が実行される場合、姿勢変化機構によって、第1搬送部、第2搬送部、及び第3搬送部が相互に離間された状態とされる。また、姿勢変化機構によって、第1拍車が上方に移動され、当接部及び第3ローラはトレイを挟持可能な状態となる。以上より、厚みのある被記録媒体を載置したトレイは、第1搬送路に沿って搬送可能となる。
【0015】
ここで、第3搬送部による被記録媒体の挟持位置は、第1搬送部による被記録媒体の挟持位置よりも上側に位置する。また、トレイが第1搬送路を搬送される際、姿勢変化機構は、第1搬送部において下側の第2ローラを上側の第1ローラから離間させ、第3搬送部において下側の第4ローラを上側の第2拍車から離間させる。よって、第3搬送部の上側の第2拍車は、第1搬送路を搬送されて第1搬送部に挟持されたトレイの上面よりも上方に位置される。したがって、第2拍車がトレイの上面に接触することが、部材を追加することなく防止可能である。
【0016】
以上より、本構成によれば、シート状の被記録媒体が円滑に搬送可能であるとともに、トレイと第2拍車との接触を防止することもできる。
【0017】
(2) 本発明の画像記録装置は、上記第3搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられており、上記トレイを上記第1搬送路へ進入可能に支持可能な第13姿勢、及び上記第13姿勢から退避した第14姿勢に姿勢変化可能なトレイガイドと、を更に備えている。上記姿勢変化機構は、上記トレイガイドの上記第14姿勢から上記第13姿勢への姿勢変化と連動して、少なくとも1つの搬送部を上記第1状態から上記第2状態へ姿勢変化させる。
【0018】
これにより、トレイは、トレイガイドに支持されることによって、第1搬送路へ円滑に進入可能である。また、搬送部がトレイガイドの姿勢変化と連動して姿勢変化する場合、当該搬送部を姿勢変化させるためのモータなどが不要となる。これにより、画像記録装置のコストダウンが可能である。
【0019】
(3) 本発明の画像記録装置は、上記第3搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられ、被記録媒体と接触することによって当該被記録媒体を除電する除電ブラシを更に備えている。上記除電ブラシの下端は、上記第1状態における上記第2搬送部及び上記第3搬送部の被記録媒体の挟持位置を結ぶ延長線上より下側であって、且つ、上記第1ローラの下端よりも上側に位置する。
【0020】
トレイに支持されるCDやDVDなどの被記録媒体の画像記録面は、記録用紙と異なり、インクなどの液体が染みこみにくい。つまり、画像記録された後のCDやDVDなどの被記録媒体の画像記録面は、乾きにくい。画像記録面が乾いていない状態において、CDやDVDなどの被記録媒体の画像記録面が除電ブラシによって擦られると、当該画像記録面が汚れてしまう。しかし、本構成によれば、除電ブラシの下端は、第1状態における第2搬送部及び第3搬送部の被記録媒体の挟持位置を結ぶ延長線上より下側であって、且つ、第1ローラの下端よりも上側、つまりトレイの上面よりも上側に位置している。よって、除電ブラシはトレイに支持された被記録媒体の上面に接触しない。したがって、記録部によって画像記録された後の当該被記録媒体の上面が汚れることが防止可能である。
【0021】
(4) 上記姿勢変化機構は、上記第4ローラを、その上端が上記第1搬送路に進入した上記トレイの下面よりも下側の位置となる第15姿勢に姿勢変化させる。これにより、搬送されるトレイが第4ローラに接触することが防止可能である。
【0022】
(5) 本発明の画像記録装置は、上記第1搬送路における上記第2搬送部及び上記第3搬送部の間の分岐位置において上記第1搬送路から分岐され、上記第1搬送路における上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの上流側の合流位置において上記第1搬送路と合流するように延びた第2搬送路と、上記第1搬送路における上記第2搬送部及び上記分岐位置の間に設けられており、上記第1搬送向きへ搬送される被記録媒体を下流側へ案内する第16姿勢、及び上記第1搬送向きと逆向きの第2搬送向きへ搬送される被記録媒体を上記第2搬送路へ案内する第17姿勢の間で姿勢変化可能なガイド部材と、を更に備え、上記第3搬送部は、正転または逆転の一方で回転することによって被記録媒体を上記第1搬送向きに搬送し、正転または逆転の他方で回転することによって被記録媒体を上記第2搬送向きに搬送するものであってもよい。これにより、画像記録装置は、両面印刷機能を有することができる。
【発明の効果】
【0023】
シート状の被記録媒体が搬送される際、当該被記録媒体は各搬送部によって挟持される。一方、シート状の被記録媒体よりも厚い被記録媒体が搬送される際、第3搬送部の上側の第2拍車は、第1搬送路を搬送されて第1搬送部に挟持されたトレイの上面よりも上方に位置される。したがって、第2拍車がトレイの上面に接触することが、部材を追加することなく防止可能である。以上より、本発明においては、被記録媒体の厚さに応じて当該被記録媒体に対して第2拍車を接離させることが、部材を追加することなく実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施形態の一例である複合機10の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、メディアトレイ71の平面図である。
【図4】図4は、第1拍車63及び第2ピンチローラ89の姿勢変化について説明するための図であり、(A)には第1拍車63の模式的な正面図が示されており、(B)には第2ピンチローラ89の模式的な正面図が示されており、(C)〜(F)には第1拍車63及び第2ピンチローラ89の模式的な側面図が示されている。
【図5】図5は、プリンタ部11のうちメディアトレイ71が搬送される部分の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、ベクトルにおいて矢印を考慮して起点から終点に向かう進みが「向き」と表現され、ベクトルにおいて矢印を考慮せずに起点と終点とを結ぶ線上の往来が「方向」と表現される。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
【0026】
[複合機10]
図1に示されるように、本発明の画像記録装置の一例である複合機10は、薄型の直方体に概ね形成されており、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。なお、プリント機能以外の機能の有無は任意である。
【0027】
プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有し、給紙トレイ20及び排紙トレイ21(図2参照)が、開口13から前後方向に挿抜可能である。給紙トレイ20には、所望のサイズの記録用紙(本発明の被記録媒体の一例)が収容される。また、排紙トレイ21は、給紙トレイ20に支持されて、給紙トレイ20の上方に配置される。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、上下二段となって複合機10に装着される。
【0028】
[プリンタ部11]
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から記録用紙をピックアップして給送する給紙部15と、給送された記録用紙にインク滴を吐出して記録用紙に画像を記録するインクジェット方式の記録部24(本発明の記録部の一例)などを備えている。
【0029】
プリンタ部11は、外部機器から受信した印刷データなどに基づいて、記録用紙に画像を記録する。また、複合機10は、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録メディア(本発明の被記録媒体の一例)の盤面上に記録部24によって画像を記録する機能を有する。この機能については後述される。
【0030】
[第1搬送路65]
第1搬送路65は、給紙トレイ20の後側の端部から上方且つ複合機10の正面側へ曲がって、複合機10の背面側から正面側に延出され、第1ローラ対58(本発明の第1搬送部の一例)による挟持位置、記録部24の下側、及び第2ローラ対59(本発明の第2搬送部の一例)及び第3ローラ対44(本発明の第3搬送部の一例)による挟持位置を通過して排紙トレイ21へ至る。記録用紙は、第1搬送路65を第1搬送向き(図2において矢印付きの一点鎖線で示される向き、本発明の第1搬送向きに相当)及び第1搬送向きと逆向きの第2搬送向き(本発明の第2搬送向きに相当)に案内される。なお、後述されるメディアトレイ71は、第1搬送路65を矢印77の向き及び矢印77と反対向きに案内される。第1搬送路65は、記録部24が設けられていない位置において、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18と、内側ガイド部材19及び後述するプラテン支持部材43とによって区画されている。一方、第1搬送路65は、記録部24が設けられている位置において、所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24と後述するプラテン42(本発明の支持部材の一例)とによって区画されている。
【0031】
[給紙部15]
給紙トレイ20の上側に、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の前端で軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギヤが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給紙用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して第1搬送路65へ供給する。
【0032】
[記録部24]
記録部24は、第1搬送路65の上側に設けられている。記録部24は、記録ヘッド38を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へ往復移動するキャリッジ40を備えている。記録ヘッド38には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド38は、下面に設けられたノズル39から、各インクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ40が主走査方向へ往復移動することにより、記録ヘッド38が記録用紙に対して走査される。これにより、記録部24の下方に記録部24と対向して設けられているプラテン42上を搬送される記録用紙に対して、画像が記録される。
【0033】
プラテン42は、支持面42Aに記録用紙を支持し、記録用紙と記録部24との間の間隔を規定する。つまり、プラテン42において被記録媒体が支持される面である支持面42Aは、本発明の支持面の一例である。なお、プラテン42は、後述するように移動可能なプラテン支持部材43に支持されている。以上より、プラテン42は、第1搬送路65の下側に記録部24と対向して設けられており、記録用紙を支持する支持面42Aを有する。
【0034】
[第1ローラ対58、第2ローラ対59及び第3ローラ対44]
第1搬送路65における記録部24よりも第1搬送向きの上流側には、第1搬送ローラ60(本発明の第1ローラの一例)及び第1ピンチローラ61(本発明の第2ローラの一例)よりなる第1ローラ対58が設けられている。第1搬送ローラ60は第1搬送路65の上側に設けられており、第1ピンチローラ61は第1搬送路65の下側に設けられている。第1ピンチローラ61は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第1搬送ローラ60のローラ面に圧接されている。第1ローラ対58は、搬送されてきた記録用紙を狭持して第1搬送路65に沿ってプラテン42上へ搬送する。第1ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60よりも後方(第1搬送向きの上流側)となるように配置されている。これにより、記録用紙は斜め下方へ搬送されてプラテン42に押しつけられる。
【0035】
第1搬送路65における記録部24よりも第1搬送向きの下流側には、第2搬送ローラ62(本発明の第3ローラの一例)及び第1拍車63(本発明の第1拍車の一例)よりなる第2ローラ対59が設けられている。第2搬送ローラ62は第1搬送路65の下側に設けられており、第1拍車63は第1搬送路65の上側に設けられている。第1拍車63は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第2搬送ローラ62のローラ面に圧接されている。第2ローラ対59は、記録部24から搬送されてきた記録用紙を狭持して、第1搬送路65に沿って第1搬送向きの下流側へ搬送する。
【0036】
第1搬送路65における第2ローラ対59より第1搬送向きの下流側には、第3搬送ローラ45(第1ローラの一例)及び第2拍車46(本発明の第2拍車の一例)よりなる第3ローラ対44が設けられている。第3搬送ローラ45は第1搬送路65の下側に設けられており、第2拍車46は第1搬送路65の上側に設けられている。第2拍車46は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第3搬送ローラ45のローラ面に圧接されている。第3ローラ対44は、第2ローラ対59から搬送されてきた記録用紙を挟持して、第1搬送路65に沿って排紙トレイ21側または後述する第2搬送路67(本発明の第2搬送路の一例)へ搬送する。
【0037】
各ローラ対58、59、44は、以下の上下方向7の位置関係を満たすように、配置される。つまり、第1ローラ対58及び第2ローラ対59の各々による記録用紙などの被記録媒体の挟持位置90、91は、プラテン42の支持面42Aよりも上側に位置する。また、第3ローラ対44による記録用紙などの被記録媒体の挟持位置92は、第1ローラ対58及び第2ローラ対59による被記録媒体の挟持位置90、91よりも上側に位置する。
【0038】
本実施形態においては、各ローラ対58、59、44のうち、上側に位置する第1搬送ローラ60、第1拍車63、及び第2拍車46は、プリンタ部11のフレーム(不図示)などに回転可能に支持されている。下側に位置する第1ピンチローラ61及び第2搬送ローラ62は、プラテン支持部材43に回転可能に支持されており、第3搬送ローラ45は、ローラ支持部材144に回転可能に支持されている。
【0039】
第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45は、搬送用モータ(不図示)から駆動伝達機構(不図示)を介して駆動力が伝達されて回転される。駆動伝達機構は、遊星ギヤなどから構成されており、搬送用モータが正転または逆転の一方(本実施形態では正転とする。)に回転された場合に、記録用紙を第1搬送向きに搬送させ、搬送用モータが正転または逆転の他方(本実施形態では逆転とする。)に回転された場合に、記録用紙を第2搬送向きに搬送させるように、各ローラ60、62、45を回転させる。
【0040】
[第2ピンチローラ89]
図2に示されるように、第1搬送路65における記録部24及び第3ローラ対44の間には、第2ピンチローラ89(本発明の当接部の一例)が設けられている。第2ピンチローラ89は第1搬送路65の上側に設けられている。第2ピンチローラ89は、プリンタ部11のフレーム(不図示)などに回転可能に支持されている。後述するように、第2ピンチローラ89は姿勢変化可能に構成されている。
【0041】
[経路切換部41]
図2に示されるように、経路切換部41(本発明のガイド部材の一例)は、第1搬送路65において、第2ローラ対59よりも第1搬送向きの下流側、且つ後述する分岐位置36(本発明の分岐位置に相当)よりも第1搬送向きの上流側に配置されている。経路切換部41は、フラップ49及び軸50で構成されている。
【0042】
図2の紙面垂直方向(図1の左右方向9)へ延びる軸50が、プリンタ部11のフレームなどに設けられている。フラップ49は、軸50から概ね第1搬送向きの下流側へ延出されており、軸50に回動可能に軸支されている。フラップ49は、姿勢変化可能に構成されており、延出端部49Aが分岐位置36よりも上方に位置する排出姿勢(図2に破線で示される姿勢、本発明の第16姿勢に相当)と、延出端部49Aが分岐位置36よりも下方に位置する反転姿勢(図2に実線で示される姿勢、本発明の第17姿勢に相当)との間で回動する。なお、経路切換部41は、後述するトレイガイド76のメディアトレイ71を第1搬送路65へ進入可能に支持する第13姿勢、及び上下方向7に対して第13姿勢よりも上方に退避した位置である第14姿勢の姿勢変化に連動しており、トレイガイド76が第14姿勢である場合に、記録用紙に画像記録される場合における排出姿勢及び反転姿勢の間で回動可能な状態となり、第13姿勢である場合に、記録メディアに画像記録される場合における排出姿勢に固定された状態となるように切り換えられる。
【0043】
フラップ49が排出姿勢の場合、記録部24を通過して第1搬送向きに搬送されている記録用紙は、更に第1搬送向きの下流側へ搬送される。一方、以下に詳述されるように、フラップ49が反転姿勢の場合、第2搬送向きに搬送されている記録用紙は、反転搬送路67へスイッチバック搬送される。フラップ49は、通常状態において自重によって反転姿勢であるが、第1搬送路65を第1搬送向きに搬送される記録用紙に持ち上げられることによって回動して排出姿勢に姿勢変化する。また、フラップ49は、記録用紙の前端が延出端部49Aを通過した後であって、記録用紙の後端が延出端部49Aを通過する前に、自重によって回動して、排出姿勢から反転姿勢に姿勢変化する。これにより、記録用紙の後端は、フラップ49によって下側へ押され、第2搬送路67側へ向けられる。この状態において、第3搬送ローラ45が正転から逆転に切り換えられる。これにより、記録用紙は、第2搬送向きに搬送され、反転搬送路67へ案内される。なお、フラップ49は、モータなどによって回動される構成であってもよい。
【0044】
[反転搬送路67]
図2に示されるように、反転搬送路67は、分岐位置36において第1搬送路65から分岐され、記録部24の下側且つ給紙部15の上側を通って、第1搬送路65における第1ローラ対58よりも第1搬送向きの上流側の合流位置37(本発明の合流位置に相当)において第1搬送路65と合流するように延設されている。記録用紙は、反転搬送路67を第3搬送向きに搬送される。ここで、第3搬送向きは、反転搬送路67を分岐位置36から合流位置37に向かう向きで、図2における矢印付きの二点鎖線で示される向きを指す。反転搬送路67は、上側を不図示のガイド部材によって区画されている。また、反転搬送路67は、下側を下側ガイド部材33によって区画されている。
【0045】
[第4搬送ローラ68]
図2に示されるように、第4搬送ローラ68及び従動ローラ69が、反転搬送路67に設けられている。第4搬送ローラ68は、反転搬送路67において、従動ローラ69の下方且つ対向する位置に配置されている。第4搬送ローラ68は、給紙用モータ(不図示)から駆動伝達機構(不図示)を介して駆動力が伝達されて、回転駆動される。これにより、第3搬送ローラ45によって反転搬送路67に搬送されてきた記録用紙が第4搬送ローラ68と従動ローラ69との間に挟持されると、第4搬送ローラ68は当該記録用紙を反転搬送路67に沿って第3搬送向きに搬送する。これにより、当該記録用紙は、合流位置37を介して第1搬送路65へ送られる。
【0046】
[メディアトレイ71]
図3に示されるように、メディアトレイ71は薄板形状の樹脂板である。図2及び図3に示されるように、メディアトレイ71は、上面72を上側にしてトレイガイド76に支持されつつ、開口13から矢印77の向き、つまり後向きに挿入される。メディアトレイ71は、第1ローラ対58及び第2ローラ対59によって、第1搬送路65に沿って搬送される。なお、図3においては、メディアトレイ71が開口13から複合機10に挿入された状態で、前後方向8及び左右方向9が定義される。
【0047】
メディアトレイ71の上面72側には、記録メディアを載置可能なメディア載置部70が形成されている。メディア載置部70は、円形状の凹みである。当該凹みの直径は、載置される記録メディア(円形のCD−ROMやDVD−ROMなど)の直径と同一または少しだけ大きい。また、円形の嵌合部73が、当該凹みの中央部から上側に突出して形成されている。円形のCD−ROMやDVD−ROMなどには、通常、中央部分に円形の孔が設けられている。嵌合部73は、当該孔と略同一の大きさであり、当該孔と嵌合する。これにより、記録メディアがメディア載置部70に載置された場合に、記録メディアは前後方向8及び左右方向9にずれない。
【0048】
[トレイガイド76]
図2に示されるように、メディアトレイ71を支持可能なトレイガイド76(本発明のトレイガイドの一例)が、第3ローラ対44よりも第1搬送向きの下流側に設けられている。トレイガイド76は、概ね薄板形状の底板75と、底板75の左右方向9の両端部から立設され、メディアトレイ71が挿入される方向(前後方向8)に沿って配置された右ガイド板(不図示)及び左ガイド板(不図示)とを備えている。底板75の上面にはメディアトレイ71が載置される。右ガイド板と左ガイド板との間の間隔は、メディアトレイ71の幅方向(左右方向9)の長さと同一または若干大きい。これにより、メディアトレイ71が底板75に載置されながら開口13から挿入されるとき、メディアトレイ71は左右方向9にずれない。
【0049】
トレイガイド76は、メディアトレイ71を第1搬送路65へ進入可能に支持する第13姿勢(図2に実線で示される位置、本発明の第13姿勢に相当)、及び上下方向7に対して第13姿勢よりも上方に退避した位置である第14姿勢(図2に破線で示される位置、本発明の第14姿勢に相当)に姿勢変化可能である。
【0050】
図5(B)に示されるように、トレイガイド76は、第1搬送路65に搬送されるメディアトレイ71の上面72の高さが第1搬送ローラ60の下端と同じ高さAとなるように、プリンタ部11の内部に配置されている。
【0051】
本実施形態において、トレイガイド76は、以下に説明するような構成によって、第13姿勢及び第14姿勢に姿勢変化可能である。トレイガイド76の右側及び左側には、複合機10のフレーム(不図示)が配置されている。フレームには、上端から下端に亘って右斜め下に延びた長孔が形成されている。トレイガイド76は、両側面から突出した突出部(不図示)を有している。突出部は、長孔に挿入されている。これにより、トレイガイド76は、長孔に沿って摺動可能である。トレイガイド76は、長孔の両端(上端及び下端)において固定可能である。トレイガイド76が長孔の上端に位置している場合、トレイガイド76は第14姿勢である。また、トレイガイド76が長孔の下端に位置している場合、トレイガイド76は第13姿勢である。なお、トレイガイド76が移動するための構成は、上述したような構成に限らない。
【0052】
[除電ブラシ95]
図2に示されるように、第1搬送路65における第3ローラ対44よりも第1搬送向きの下流側に、除電ブラシ95(本発明の除電ブラシの一例)が設けられている。除電ブラシ95は、例えばカーボンファイバー製である。除電ブラシ95は、左右方向9に延設されたブラシ支持部材94の下面から下方に延びている。除電ブラシ95の下端は、第1搬送路65を搬送される記録用紙の上面よりも低い位置である。換言すると、除電ブラシ95の下端は、第2ローラ対59による記録用紙の挟持位置91、及び第3ローラ対44による記録用紙の挟持位置92を結ぶ延長線上よりも下側である。これにより、図5(A)に示されるように、除電ブラシ95の下端部は、第1搬送路65を搬送される記録用紙の上面と接触する。そして、除電ブラシ95が搬送される記録用紙と接触することによって、記録用紙に帯電した静電気が記録用紙から除去される。
【0053】
一方、図5(B)に示されるように、除電ブラシ95は、除電ブラシ95の下端が第1搬送ローラ60の下端よりも上側に位置するように、プリンタ部11の内部に配置されている。これにより、除電ブラシ95は、第1搬送路65を搬送されるメディアトレイ71及びメディアトレイ71に載置された記録メディアと接触しない。
【0054】
[各ローラ45、59、61、62、89、及びプラテン42の姿勢変化]
図2に示されるように、各ローラ対58、59、44の下側のローラは、上下動することによって、上側のローラと当接した状態(図2に実線で示されており、また、図5(A)に示されている。)、及び上側のローラから離間した状態(図2に破線で示されており、また、図5(B)に示されている。)に姿勢変化可能に構成されている。つまり、第1ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60と当接する第1姿勢(本発明の第1姿勢に相当)、及び第1搬送ローラ60から離間する第2姿勢(本発明の第2姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。また、第2搬送ローラ62は、第1拍車63と当接する第3姿勢(本発明の第3姿勢に相当)、及び第1拍車63から離間する第4姿勢(本発明の第4姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。また、第3搬送ローラ45は、第2拍車46と当接する第5姿勢(本発明の第5姿勢に相当)、及び第2拍車46から離間する第6姿勢(本発明の第6姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。
【0055】
各ローラ対58、59、44は、構成するローラが相互に当接されている場合、記録用紙の挟持が可能であり、記録用紙を第1搬送路65に沿って搬送させる。
【0056】
第1ピンチローラ61が第2姿勢である場合、第1ローラ対58の各ローラの間隔は、図5(B)に示されるように、メディアトレイ71(本発明のトレイの一例)を挟持するのに適した間隔Bとなる。第2搬送ローラ62は、第4姿勢をとることによって、図5(B)に示されるように、後述する第11姿勢の第2ピンチローラ89との間にメディアトレイ71を挟持可能となる。本実施形態において、第3搬送ローラ45は、第6姿勢の一例である第15姿勢(図5(B)に示された姿勢、本発明の第15姿勢に相当)をとる。図5(B)に示されるように、第15姿勢の第3搬送ローラ45の上端は、メディアトレイ71の下面よりも下側の位置となる。
【0057】
また、図2に示されるように、プラテン42は、上下動することによって、第1搬送路65における上下方向7に沿った長さを記録用紙が通過可能な幅C1(図5(A)参照、本発明の第1幅に相当)とする図2に実線で示された第7姿勢(本発明の第7姿勢に相当)、及び上記長さを上記幅より大きく且つ後述されるメディアトレイ71が通過可能な幅C2(図5(B)参照、本発明の第2幅に相当)とする図2に破線で示された第8姿勢(本発明の第8姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。
【0058】
また、図2に示されるように、第1拍車63は、第3姿勢の第2搬送ローラ62と当接する図2に実線で示され、且つ図5(A)に示された第9姿勢(本発明の第9姿勢に相当)、及び第9姿勢よりも上方の位置である図2に破線で示され、且つ図5(B)に示された第10姿勢(本発明の第10姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。
【0059】
また、図2及び図5に示されるように、第2ピンチローラ89は、第1搬送路65を搬送されるメディアトレイ71の上面72と当接する図2に破線で示され、且つ図5(B)に示された第11姿勢(本発明の第11姿勢に相当)、及び第11姿勢よりも上方の位置であり、第1搬送路65を搬送されるメディアトレイ71の上面72から離間される図2に実線で示され、且つ図5(A)に示された第12姿勢(本発明の第12姿勢に相当)に姿勢変化可能に構成されている。
【0060】
[姿勢変化機構による各ローラ45、61、62及びプラテン42の姿勢変化]
上述した各ローラ45、61、62及びプラテン42の姿勢変化は、以下に詳述される姿勢変化機構(本発明の姿勢変化機構の一例)によって実行される。図2及び図5に示されるように、姿勢変化機構は、構成要素として、第1偏心カム140、第2偏心カム141、プラテン支持部材43、ローラ支持部材144、及びカムモータ(不図示)を備えている。
【0061】
第1ピンチローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテン42の下方への移動は、例えば、各ローラ61、62、及びプラテン42の下方に設けられた第1偏心カム140及びプラテン支持部材43によって実行される。第1偏心カム140は、左右方向9を軸方向としてプリンタ部11のフレーム(不図示)に回転自在に支持されている。第1偏心カム140は、軸142からの径が周期的に変化する円盤である。プラテン支持部材43は、第1偏心カム140に載置されるように支持されており上下方向7に移動可能である。
【0062】
本実施形態においては、第1偏心カム140は、カムモータから駆動伝達されて回転される。第1偏心カム140が回転されると、その周面がプラテン支持部材43に対して摺動される。第1偏心カム140の周面は、軸142からの径が周期的に変化するので、この変化によってプラテン支持部材43が上下方向7へ移動する。プラテン支持部材43の上下方向7への移動によって、第1ピンチローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテン42が上下方向7へ移動される。
【0063】
第3搬送ローラ45の下方への移動は、例えば、第3搬送ローラ45を支持するローラ支持部材144と、ローラ支持部材144を支持する第2偏心カム141とによって実行される。第2偏心カム141及びローラ支持部材144が第3搬送ローラ45を移動させる方法は、上述の第1ピンチローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテン42の移動と同様である。但し、第3搬送ローラ45の下方への移動距離が、他の第1ピンチローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテン42の移動距離よりも大きくなるように、第2偏心カム141の直径や軸位置が決定される。例えば、第2偏心カム141は、第1偏心カム140よりも大きい直径のものが用いられる。
【0064】
なお、各ローラ45、61、62、及びプラテン42が上述したように姿勢変化されるならば、姿勢変化機構は以上説明した構成に限らない。例えば、各偏心カム140、141は、トレイガイド76に連結されていてもよい。そして、これにより、各偏心カム140、141は、トレイガイド76の姿勢変化に連動して、回転されるように構成されていてもよい。
【0065】
また、別の例として、姿勢変化機構は、各ローラ45、61、62、及びプラテン42を下方から支持し、移動可能な可動部材(不図示)であってもよい。以下に詳述する。各ローラ45、61、62、及びプラテン42は、可動部材の上面によって支持されている。可動部材の上面は、第1水平面と、第1水平面よりも低位置の第2水平面と、第1水平面及び第2水平面を繋ぐ傾斜面とを備えている。そして、可動部材が移動することによって、各ローラ45、61、62、及びプラテン42を支持する面が、第1水平面から傾斜面を介して第2水平面、或いは第2水平面から傾斜面を介して第1水平面に切り替わる。これにより、各ローラ45、61、62、及びプラテン42は、上下方向7へ移動し、姿勢変化する。
【0066】
[姿勢変化機構による第1拍車63及び第2ピンチローラ89の姿勢変化]
本実施形態において、第1拍車63及び第2ピンチローラ89の姿勢変化は連動されている。以下に、当該姿勢変化を実現する構成の一例が、図4に基づいて説明される。なお、第1拍車63及び第2ピンチローラ89が上述したように姿勢変化されるならば、姿勢変化機構は以下で説明される構成に限らない。
【0067】
図4(A)に示されるように、第1拍車63は、左右方向9に所定間隔を空けて複数設けられている。複数の第1拍車63の各々は、バネなどの弾性部材で形成された軸54に挿通されている。なお、図4(A)、(B)においては、第1拍車63及び突起53は両端2個ずつのみ表示されており、中央部に設けられているものは省略されている。また、第1拍車63及び突起53の数は、図4(A)、(B)に示されている4個に限らず、3個以下でも5個以上であってもよい。
【0068】
図4(C)〜(F)に示されるように、軸54の前方斜め上方には、軸54と平行な回転軸51が設けられている。本実施形態において、回転軸51は、トレイガイド76に連結されており、トレイガイド76の姿勢変化に連動して回転するように構成されている。詳細には、回転軸51は、トレイガイド76が第14姿勢から第13姿勢に姿勢変化されると、図4(C)から紙面における時計回りに回転して図4(D)となり、トレイガイド76が第13姿勢から第14姿勢に姿勢変化されると、図4(D)から紙面における反時計回りに回転して図4(C)となる。
【0069】
図4(B)に示されるように、回転軸51には、ピンチローラ支持部材52及び突起53がそれぞれ複数設けられている。ピンチローラ支持部材52は、回転軸51の左右方向9の両端部に設けられている。突起53は、左右方向9において、第1拍車63に対応する位置に設けられている。ピンチローラ支持部材52及び突起53は、回転軸51の中心から外側に向かう向きに延びるように形成されている。また、ピンチローラ支持部材52及び突起53は、同じ向きに延びている。ピンチローラ支持部材52の延出端部には、第2ピンチローラ89が回転可能に支持されている。第2ピンチローラ89における回転軸51から最も離間した端部は、突起53の延出端部よりも、回転軸51の中心から離間している。
【0070】
記録用紙が第1搬送路65を搬送されて画像記録される場合、図4(C)に示されるように、回転軸51は、ピンチローラ支持部材52及び突起53が前向きとなる姿勢を維持している。なお、この場合、図2及び図5(A)に示されるように、トレイガイド76は第14姿勢を維持している。このとき、第1拍車63は第9姿勢であり、第2ピンチローラ89は第12姿勢である。なお、図4(C)〜(F)においては、ピンチローラ支持部材52及び第2ピンチローラ89と、突起53及び第1拍車63との左右方向9における位置が異なることを示すために、突起53及び第1拍車63が破線で示されている。
【0071】
一方、メディアトレイ71が第1搬送路65を搬送されて記録メディアに画像記録される場合、図2及び図5(B)に示されるように、トレイガイド76は、複合機10のユーザにより引き出されることによって第14姿勢から第13姿勢に姿勢変化される。これにより、回転軸51は、図4(C)の紙面から時計回りに略90度回転する。これにより、回転軸51は図4(D)の状態となる。この状態において、メディアトレイ71が開口13から矢印77の向きに挿入されると、図4(E)に示されるように、メディアトレイ71の先端が第2ピンチローラ89に当接して、第2ピンチローラ89を押す。これにより、回転軸51は図4(E)の紙面から時計回りに回転する。当該回転によって、突起53が第1拍車63に当接して、第1拍車63を押す。これにより、第1拍車63の軸54は弾性変形し、第1拍車63は上方へ押し上げられる(図4(F)参照)。図4(F)の状態において、第1拍車63は第10姿勢であり、第2ピンチローラ89は第11姿勢である。以上のように、第1拍車63及び第2ピンチローラ89は姿勢変化される。
【0072】
以上より、姿勢変化機構は、上述の構成要素に加えて、ピンチローラ支持部材52及び突起53を備えている。
【0073】
姿勢変化機構は、以上説明したような構成要素を備えることにより、第1ピンチローラ61が第1姿勢、第2搬送ローラ62が第3姿勢、第3搬送ローラ45が第5姿勢、プラテン42が第7姿勢、第1拍車63が第9姿勢、第2ピンチローラ89が第12姿勢となる第1状態(本発明の第1状態に相当)と、第1ピンチローラ61が第2姿勢、第2搬送ローラ62が第4姿勢、第3搬送ローラ45が第6姿勢、プラテン42が第8姿勢、第1拍車63が第10姿勢、第2ピンチローラ89が第11姿勢となる第2状態(本発明の第2状態に相当)と、に姿勢変化させる。
【0074】
なお、本実施形態においては、本発明の当接部の一例として、回転可能な第2ピンチローラ89が挙げられている。しかし、本発明の当接部は、回転可能なローラに限らない。例えば、本発明の当接部の一例としての第2ピンチローラ89は、ピンチローラ支持部材52に固定されており、回転不可能に構成されていてもよい。別の例として、本発明の当接部は、突起53と同じ向きに延びており、突起53よりも長い第2突起であってもよい。第2突起は、第2ピンチローラ89と同様に、第11姿勢及び第12姿勢の間で姿勢変化可能である。そして、第11姿勢の第2突起の先端部は、搬送されるメディアトレイ71の上面72と当接可能である。この場合、第2突起の先端部は、曲面であることが好ましい。
【0075】
[記録メディアへの画像記録]
【0076】
以下、複合機10にメディアトレイ71が挿入され、メディアトレイ71に載置された記録メディアに画像が記録される手順が説明される。
【0077】
複合機10の正面上部に設けられた操作パネル17(図1参照)の操作により、記録メディアへ画像を記録する機能が選択されると、給紙用モータが駆動されて、第1偏心カム140及び第2偏心カム141が回転する。これにより、第1ピンチローラ61が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化され、第2搬送ローラ62が第3姿勢から第4姿勢に姿勢変化され、第3搬送ローラ45が第5姿勢から第6姿勢に姿勢変化され、プラテン42が第7姿勢から第8姿勢に姿勢変化される(図5(B)参照)。
【0078】
また、ユーザは、トレイガイド76を把持して移動させることによって、トレイガイド76を第14姿勢(図5(A)参照)から第13姿勢(図5(B)参照)に姿勢変化させる。そして、ユーザは、記録メディアが載置されたメディアトレイ71を、トレイガイド76に支持されるようにセットする(図5(B)参照)。この際、メディアトレイ71は、複合機10への挿入向きの先端(後側の端部)が第2搬送ローラ62に当接した状態で、トレイガイド76にセットされる。
【0079】
その後、操作パネル17の操作によって、記録メディアへの画像記録開始が指示されると、各ローラ60、62が逆転駆動される。これにより、メディアトレイ71は、第1ローラ対58と、第2搬送ローラ62及び第2ピンチローラ89からなるローラ対とによって、矢印77の向きに搬送される。このとき、メディアトレイ71及び記録メディアの上端は、第2拍車46及び除電ブラシ95よりも下方に位置しているため、第2拍車46及び除電ブラシ95と接触しない。メディアトレイ71に載置された記録メディアが、記録部24よりも第1搬送向きの上流側に到達すると、各ローラ60、62の回転方向が逆転から正転に切り換えられる。これにより、メディアトレイ71が矢印77とは反対向きに搬送され、メディアトレイ71に載置された記録メディアが記録部24の下方を通る。このとき、搬送される記録メディアに対して、記録ヘッド38からインク滴が吐出される。これにより、記録メディアの盤面上に画像が記録される。その後、メディアトレイ71は開口13から複合機10の外部に排出される。
【0080】
[実施形態の効果]
記録用紙に対して画像記録が実行される場合、姿勢変化機構によって、第1ローラ対58、第2ローラ対59、及び第3ローラ対44が相互に当接された状態とされる。また、姿勢変化機構によって、プラテン42及び記録部24の距離が幅C1とされる。以上より、記録用紙は、第1ローラ対58、第2ローラ対59、及び第3ローラ対44に挟持されて搬送される。
【0081】
また、第1ピンチローラ61が第1搬送ローラ60よりも第1搬送向きの上流側に設けられている。また、第1ローラ対58による記録媒体の挟持位置90が、プラテン42の支持面42Aよりも上側に位置している。これにより、記録用紙は、プラテン42の支持面42Aに押しつけられながらプラテン42によって支持される。また、プラテン42を通過した記録媒体は、斜め上向きに搬送される傾向にある。そこで、本実施形態においては、第2ローラ対59による記録用紙の挟持位置91が、プラテン42の支持面42Aよりも上側に位置しており、第3ローラ対44による記録用紙の挟持位置92が、第2ローラ対59による記録用紙の挟持位置91よりも上側に位置している。これにより、記録用紙は、プラテン42の下流側において、斜め上向きに搬送される。つまり、第2ローラ対59及び第3ローラ対44が本実施形態のように構成されることにより、プラテン42を通過した記録用紙は、円滑に搬送可能となる。
【0082】
一方、記録用紙よりも厚い記録メディアに対して画像記録が実行される場合、姿勢変化機構によって、第1ローラ対58、第2ローラ対59、及び第3ローラ対44が相互に離間された状態とされる。また、姿勢変化機構によって、第1拍車63が第2搬送ローラ62から離間され、第2ピンチローラ89及び第2搬送ローラ62はメディアトレイ71を挟持可能な状態となる。以上より、記録メディアは、第1搬送路65に沿って搬送可能となる。
【0083】
ここで、トレイガイド76に支持されたメディアトレイ71の上面72は、第1搬送ローラ60の下端と同じ高さである。また、第3ローラ対44による記録用紙の挟持位置92は、第1ローラ対58による記録用紙の挟持位置90よりも上側に位置する。よって、第3ローラ対44の上側の第2拍車46は、メディアトレイ71の上面72よりも上方に位置される。したがって、第2拍車46がメディアトレイ71の上面72に接触することが、部材を追加することなく防止可能である。
【0084】
以上より、本実施形態によれば、記録用紙が円滑に搬送可能であるとともに、メディアトレイ71と第2拍車63との接触を防止することもできる。すなわち、本実施形態においては、記録用紙や記録メディアなどの被記録媒体の厚さに応じて当該被記録媒体に対して第2拍車63を接離させることが、部材を追加することなく実現可能である。
【0085】
メディアトレイ71に支持されるCDやDVDなどの記録メディアの画像記録面は、記録用紙と異なり、インクなどの液体が染みこみにくい。つまり、画像記録された後のCDやDVDなどの記録メディアの画像記録面は、乾きにくい。画像記録面が乾いていない状態において、CDやDVDなどの記録メディアの画像記録面が除電ブラシ95によって擦られると、当該画像記録面が汚れてしまう。しかし、本実施形態によれば、除電ブラシ95の下端は第1搬送ローラ60の下端よりも上側、つまりメディアトレイ71の上面72よりも上側に位置している。よって、除電ブラシ95はメディアトレイ71に支持された記録メディアの上面に接触しない。したがって、記録部24によって画像記録された後の記録メディアの上面が汚れることが防止可能である。
【0086】
姿勢変化機構は、第3搬送ローラ45を、その上端が第1搬送路65に進入したメディアトレイ71の下面よりも下側の位置となる第15姿勢に姿勢変化させる。これにより、搬送されるメディアトレイ71が第3搬送ローラ45に接触することが防止可能である。
【符号の説明】
【0087】
24・・・記録部
41・・・経路切換部
42・・・プラテン
44・・・第3ローラ対
58・・・第1ローラ対
59・・・第2ローラ対
65・・・第1搬送路
67・・・第2搬送路
71・・・メディアトレイ
76・・・トレイガイド
89・・・第2ピンチローラ
95・・・除電ブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を載置可能なトレイと、
被記録媒体または上記トレイが通過する第1搬送路と、
上記第1搬送路の上側に設けられており、被記録媒体に画像を記録する記録部と、
上記第1搬送路の下側に上記記録部と対向して設けられており、被記録媒体を支持する支持面を有する支持部材と、
上記記録部よりも被記録媒体の第1搬送向きの上流側に設けられた第1搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第1ローラと下側の第2ローラとで構成されており、上記第2ローラが上記第1ローラよりも上記第1搬送向きの上流側に設けられており、被記録媒体の挟持位置が上記支持部材の上記支持面よりも上側に位置する上記第1搬送部と、
上記記録部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられた第2搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第1拍車と下側の第3ローラとで構成されており、被記録媒体の挟持位置が上記支持部材の上記支持面よりも上側に位置する上記第2搬送部と、
上記第2搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられた第3搬送部であって、被記録媒体を挟持して上記第1搬送路に沿って搬送する上側の第2拍車と下側の第4ローラとで構成されており、被記録媒体の挟持位置が上記第1搬送部及び上記第2搬送部による被記録媒体の挟持位置よりも上側に位置する上記第3搬送部と、
上記第1搬送路における上記記録部及び上記第3搬送部の間において、上記第1搬送路の上側に設けられた当接部と、
上記第2ローラが上記第1ローラと当接する第1姿勢、上記第3ローラが上記第1拍車と当接する第3姿勢、上記第4ローラが上記第2拍車と当接する第5姿勢、上記支持部材が上記第1搬送路における上下方向に沿った長さを被記録媒体が通過可能な第1幅とする第7姿勢、上記第1拍車が上記第3姿勢の上記第3ローラと当接可能な第9姿勢、上記当接部が搬送される被記録媒体の上面よりも上側の第12姿勢、となる第1状態と、上記第2ローラが上記第1ローラから離間する第2姿勢、上記第3ローラが上記第1拍車から離間する第4姿勢、上記第4ローラが上記第2拍車から離間する第6姿勢、上記支持部材が上記第1搬送路における上下方向に沿った長さを上記第1幅より大きく且つ上記トレイが通過可能な第2幅とする第8姿勢、上記第1拍車が上記第9姿勢よりも上側の第10姿勢、上記当接部が搬送される上記トレイの上面と当接する第11姿勢、となる第2状態とに姿勢変化させる姿勢変化機構と、を備えた画像記録装置。
【請求項2】
上記第3搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられており、上記トレイを上記第1搬送路へ進入可能に支持可能な第13姿勢、及び上記第13姿勢から退避した第14姿勢に姿勢変化可能なトレイガイドと、を更に備え、
上記姿勢変化機構は、上記トレイガイドの上記第14姿勢から上記第13姿勢への姿勢変化と連動して、少なくとも1つの搬送部を上記第1状態から上記第2状態へ姿勢変化させる請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第3搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられ、被記録媒体と接触することによって当該被記録媒体を除電する除電ブラシを更に備え、
上記除電ブラシの下端は、上記第1状態における上記第2搬送部及び上記第3搬送部の被記録媒体の挟持位置を結ぶ延長線上より下側であって、且つ、上記第1ローラの下端よりも上側に位置する請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記姿勢変化機構は、
上記第4ローラを、その上端が上記第1搬送路に進入した上記トレイの下面よりも下側の位置となる第15姿勢に姿勢変化させる請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記第1搬送路における上記第2搬送部及び上記第3搬送部の間の分岐位置において上記第1搬送路から分岐され、上記第1搬送路における上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの上流側の合流位置において上記第1搬送路と合流するように延びた第2搬送路と、
上記第1搬送路における上記第2搬送部及び上記分岐位置の間に設けられており、上記第1搬送向きへ搬送される被記録媒体を下流側へ案内する第16姿勢、及び上記第1搬送向きと逆向きの第2搬送向きへ搬送される被記録媒体を上記第2搬送路へ案内する第17姿勢の間で姿勢変化可能なガイド部材と、を更に備え、
上記第3搬送部は、
正転または逆転の一方で回転することによって被記録媒体を上記第1搬送向きに搬送し、正転または逆転の他方で回転することによって被記録媒体を上記第2搬送向きに搬送する請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−148531(P2012−148531A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10546(P2011−10546)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】