説明

画像記録装置

【課題】画像記録後のシートが搬送路上で停止された場合であっても、当該シートに湾曲の癖が生じることを軽減できる手段を提供する。
【解決手段】搬送路を第1向き15に沿って搬送される記録用紙19に画像を記録する記録部と、記録部よりも第1向き15の下流側に設けられ、記録用紙19を挟持して第1向き15に搬送する排出ローラ対55とを備える。画像記録後の記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された状態で停止される位置が、記録用紙19の第1向き15の長さに基づいて可変的に設定される。当該長さがA4サイズに対応した長さの場合(SA7:A4)、記録用紙19は第1位置で排出ローラ対55に挟持された状態で停止され(SA8)、当該長さがA3サイズに対応した長さの場合(SA7:A3)、記録用紙19は第1位置よりも第1向き15の上流側の第2位置で排出ローラ対55に挟持された状態で停止される(SA9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録後のシートが排出される前に、当該シートを搬送路上で停止可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、搬送路を搬送されるシートに対して画像記録を行い、画像記録後のシートを排出トレイに排出する画像記録装置が知られている。
【0003】
しかし、排出トレイの大きさよりも大きいサイズのシートが排出トレイに排出される場合、当該シートは排出トレイに載置されずに排出トレイから落下してしまうおそれがある。このような問題を解決するための画像記録装置の一例として、特許文献1に開示された水平シリアルプリンタが知られている。特許文献1に開示された水平シリアルプリンタでは、排出される媒体(シート)長がテーブル(排出トレイ)長より大きい場合に、当該媒体がローラ対に挟持された状態で停止される。これにより、排出された媒体がテーブルから落下することが防止可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−24318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の水平シリアルプリンタでは、以下で説明するような問題が発生する。上記の水平シリアルプリンタでは、制御部は、媒体の排出方向上流側端部が、ローラ対の排出方向上流側に配置されるPEセンサを通過したときにローラ対を停止させるよう駆動機構に指示する。これにより、ローラ対は、媒体の排出方向上流側端部の近傍において媒体を挟持した状態で停止する。すると、媒体長がテーブル長よりも長い場合、テーブルからはみ出た媒体の部分は、テーブルから支持されることなく、湾曲しつつ垂れ下がった状態となる。ここで、上記の水平シリアルプリンタでは、媒体の排出方向上流側端部が、PEセンサを通過したときに、媒体を停止させているので、媒体が一律の位置で停止されていることとなる。そして、このような状態で媒体が一律の位置で放置された場合、媒体に湾曲の癖が生じてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像記録後のシートが搬送路上で停止された場合であっても、当該シートに湾曲の癖が生じることを軽減することができる画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の画像記録装置は、搬送路を第1向きに沿って搬送されるシートに画像を記録する記録部と、上記記録部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、シートを挟持して上記第1向きに搬送する搬送部と、上記搬送路を搬送されるシートの位置を検知する検知部と、シートの属性が記憶される第1記憶手段と、シートの上記属性が第1属性である場合の一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの停止位置であって、上記搬送部よりも上記第1向きの上流側である第1位置と、シートの上記属性が上記第1属性とは異なる第2属性である場合の上記停止位置であって、上記第1位置よりも上記第1向きの上流側の第2位置とが記憶される第2記憶手段と、上記第1記憶手段に上記属性として上記第1属性が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第1位置に位置させて上記搬送部を停止させ、上記第1記憶手段に上記属性として上記第2属性が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第2位置に位置させて上記搬送部を停止させるように上記搬送部を制御する第1制御手段と、を備える。
【0008】
(2) 上記第1記憶手段は、上記属性として、シートの上記第1向きに沿った長さに関する情報を記憶するものである。上記第1属性が示すシートの上記第1向きに沿った第1長さは、上記第2属性が示すシートの上記第1向きに沿った第2長さよりも短い。
【0009】
(3) 上記第1記憶手段は、上記属性として、シートの画像記録面の単位面積当たりの質量に関する情報を記憶するものである。上記第1属性が示すシートの第1質量は、上記第2属性が示すシートの第2質量よりも小さい。
【0010】
(4) 本発明の画像記録装置は、上記記録部による一のシートに対する全ての画像が記録された後の、当該シートに付着された記録材の量が記憶される第3記憶手段と、上記停止位置であって、上記第1位置または上記第2位置の少なくとも一方よりも上記第1向きの上流側の第3位置が記憶される第4記憶手段と、を更に備える。上記第1制御手段は、上記第3記憶手段に上記記録材の量として第1閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第1位置または上記第2位置に位置させて上記搬送部を停止させ、上記第3記憶手段に上記記録材の量として上記第1閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第3位置に位置させて上記搬送部を停止させる。
【0011】
(5) 上記記録部は、記録ヘッドと、当該記録ヘッドに上記第1向きに沿って複数形成されるとともに記録材を吐出するノズルと、を備える。上記停止位置は、上記第1向きの最下流側のノズルよりも上記第1向きの上流側である。
【0012】
(6) 本発明の画像記録装置は、搬送路を第1向きに沿って搬送されるシートに画像を記録する記録部と、上記記録部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、シートを挟持して上記第1向き及び上記第1向きと反対向きの第2向きに搬送する搬送部と、上記搬送路を搬送されるシートの位置を検知する検知部と、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で第4位置に位置させて上記搬送部を停止させるように上記搬送部を制御する第2制御手段と、シートが上記第4位置に位置したときから上記搬送部の停止時間をカウントするカウント手段と、上記カウント手段によってカウントされる上記停止時間が第1時間を超えたときに、上記搬送部がシートを挟持した状態での位置であって上記第4位置とは異なる第5位置にシートを位置させて上記搬送部を停止させる第3制御手段と、を備える。
【0013】
(7) 本発明の画像記録装置は、シートが上記第4位置に位置しているときの、上記挟持位置に付着された記録材の量が記憶される第5記憶手段を更に備える。上記第3制御手段は、上記第5記憶手段に記憶されている記録材の量として第2閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させ、上記第5記憶手段に記憶されている記録材の量として上記第2閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間よりも短い第2時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させる。
【0014】
(8) 本発明の画像記録装置は、上記搬送部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、排出されたシートを載置可能な排出トレイと、シートが上記第4位置に位置しているときの、上記排出トレイと当該シートとの当接位置に付着された記録材の量が記憶される第6記憶手段と、を更に備える。上記第3制御手段は、上記第6記憶手段に記憶されている記録材の量として第3閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を搬送させ、上記第6記憶手段に記憶されている記録材の量として上記第3閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間よりも短い第3時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させる。
【0015】
(9) 上記記録部は、記録ヘッドと、当該記録ヘッドに上記第1向きに沿って複数形成されるとともに記録材を吐出するノズルと、を備える。上記第4位置及び上記第5位置は、上記第1向きの最下流側のノズルよりも上記第1向きの上流側である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シートを停止させる位置が可変的に設定される。そのため、シートが搬送部によって停止されるときに、一律の位置で停止されることなく、可変的に設定された位置で停止される。これにより、シートに湾曲の癖が生じることを軽減することができる。よって、本発明によれば、画像記録後のシートが搬送路上で停止された場合であっても、当該シートに湾曲の癖が生じることを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、複合機1の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部2の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、制御部130の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、変形例1の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、変形例2の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、別実施形態の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、別実施形態の変形例1の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、別実施形態の変形例2の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、データテーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態に係る複合機1について説明する。なお、実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機1が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向14が定義され、操作パネル4が設けられている側を手前側(正面)として前後方向12が定義され、複合機1を手前側(正面)から見て左右方向13が定義される。
【0019】
[複合機1]
図1を用いて、複合機1の外観について説明する。図1に示されるように、複合機1は、概ね直方体に形成されている。複合機1は、当該複合機1の下部に配置されたプリンタ部2(図2参照、本発明の画像記録装置の一例)と、上部に配置されたスキャナ部3とを備えている。複合機1は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を有する。プリント機能以外の機能は任意のものである。例えば、本発明に係る画像記録装置が、スキャナ部3が省略されたプリント機能のみを有するプリンタとして実施されてもよい。
【0020】
プリンタ部2は、コンピュータ等の外部情報機器から送信された印刷データに基づいて、記録用紙19(図2参照、本発明のシートの一例)に画像を記録する。プリンタ部2は、正面に開口6が形成されたケーシング5を有する。給紙トレイ20及び排紙トレイ21(図2参照)が、開口6の内側に上下2段に設けられている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、開口6を通じて、複合機1に対して装着及び脱抜可能である。ケーシング5内には、給紙トレイ20及び排紙トレイ21の他、プリンタ部2の各構成要素が配設されている。各構成要素は、搬送路23及び記録部24(本発明の記録部の一例)などである。
【0021】
スキャナ部3は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。なお、ここでは、スキャナ部3の詳細な説明は省略される。スキャナ部3の正面側の上面には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル4が設けられている。
【0022】
[給紙トレイ20及び排紙トレイ21]
図2に示されるように、給紙トレイ20は、プリンタ部2に装着された状態において、記録部24の下方に配置されている。給紙トレイ20は、平面視で挿抜方向(本実施形態では前後方向12)へ長い矩形の皿状に概ね形成されている。給紙トレイ20には、A4サイズやA3サイズ等の所望のサイズの記録用紙19が収容される。給紙トレイ20がプリンタ部2に装着された状態において、給紙トレイ20に収容された記録用紙19がプリンタ部2の搬送路23(本発明の搬送路の一例)へ供給可能となる。
【0023】
記録用紙19は、給紙トレイ20から搬送路23へ供給される。供給された記録用紙19は、記録部24によって画像が記録された後に排紙トレイ21(本発明の排出トレイの一例)の上面に排出される。排紙トレイ21は、プリンタ部2から排出された記録用紙19を載置可能である。排紙トレイ21は、給紙トレイ20の上側に配置されている。
【0024】
なお、本実施形態では、記録用紙19が給紙トレイ20から供給されるが、記録用紙19は他の部分から供給されてもよい。例えば、プリンタ部2の後端部である背面に手差しトレイが設けられている場合、記録用紙19は手差しトレイから供給されてもよい。
【0025】
[給紙ローラ25]
図2に示されるように、給紙トレイ20の上側に給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25が給紙モータ76(図3参照)から駆動伝達されて回転される。これにより給紙トレイ20に収容された記録用紙19のうち最上位置の記録用紙19が搬送路23の側へ送り出される。
【0026】
[搬送路23]
図2に示されるように、給紙トレイ20の後端部の上方から搬送路23が延出されている。給紙トレイ20に収容された記録用紙19は、下方から上方へUターンするように搬送路23に沿って案内されて記録部24に至る。記録用紙19は、記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
【0027】
以下、記録用紙19が、搬送路23に沿って搬送される向き(図2に破線の矢印で示される向き)を、第1向き15(本発明の第1向きに相当)として説明が行われる。
【0028】
[搬送ローラ対54及び排出ローラ対55]
図2に示されるように、記録部24よりも第1向き15の上流側には、搬送ローラ47及びピンチローラ48よりなる搬送ローラ対54が設けられている。ピンチローラ48は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって搬送ローラ47のローラ面に圧接されている。これにより、搬送ローラ対54は、記録用紙19を挟持可能である。
【0029】
搬送路23における記録部24よりも第1向き15の下流側、且つ搬送路23における排紙トレイ21よりも第1向き15の上流側には、排出ローラ49及び拍車50よりなる排出ローラ対55(本発明の搬送部の一例)が設けられている。拍車50は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって排出ローラ49のローラ面に圧接されている。これにより、排出ローラ対55は、記録用紙19を挟持可能である。
【0030】
搬送ローラ47及び排出ローラ49は、搬送モータ59(図3参照)の回転駆動力が駆動伝達機構(不図示)を介して伝達されて駆動される。駆動伝達機構は、遊星ギヤなどから構成されている。例えば、搬送モータ59が正転した場合に、記録用紙19を第1向き15に搬送させ、搬送モータ59が逆転した場合に、記録用紙19を第1向き15と逆向きの第2向き(本発明の第2向きに相当)に搬送させる。
【0031】
搬送ローラ対54は、記録用紙19を挟持して、第1向き15に搬送する。第1向き15に搬送された記録用紙19は、プラテン66上に案内される。プラテン66は、記録部24の下方に記録部24と対向して設けられており、搬送路23に沿って搬送される記録用紙19を支持する部材である。排出ローラ対55は、プラテン66で画像が記録された記録用紙19を挟持して、第1向き15及び第2向きに搬送する。第1向き15に搬送された記録用紙19は、排紙トレイ21に案内される。
【0032】
[ロータリーエンコーダ68]
図2に示されるように、搬送ローラ47の回転量を検出するロータリーエンコーダ68が設けられている。ロータリーエンコーダ68は、搬送ローラ47と同軸に設けられて搬送ローラ47と共に回転するエンコーダディスク51と光学センサ60とからなる。エンコーダディスク51には、光が透過される透過部と光が透過されない非透過部とが円周方向に等ピッチで交互に配置されたパターンが形成されている。搬送ローラ47と共にエンコーダディスク51が回転すると、光学センサ60によってロータリーエンコーダ68の透過部と非透過部とが検出される毎にパルス信号が生成される。光学センサ60によって生成されたパルス信号は後述する制御部130へと出力される。
【0033】
[記録部24]
記録部24は、インクジェット方式によって記録用紙19に画像を記録するものである。図2に示されるように、記録部24は、記録ヘッド65を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向、つまり左右方向13)へ往復移動するキャリッジ67を備えている。記録ヘッド65には、インクカートリッジ(不図示)からシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。記録ヘッド65は、その下面に設けられたノズル64から、各インクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ67が主走査方向(左右方向13)へ往復動することにより、記録ヘッド65が記録用紙19に対して走査される。なお、ノズル64は、記録ヘッド65の下面に第1向き15に沿って複数形成されている。
【0034】
これにより、プラテン66上を搬送路23に沿って第1向き15に搬送されている記録用紙19に、画像が記録される。なお、記録部24は、インクジェット方式によって記録用紙19に画像を記録するものに限らず、例えば電子写真方式によって記録用紙19に画像を記録するものであってもよい。
【0035】
[排出検知部120]
図2に示されるように、プリンタ部2は、搬送路23を搬送される記録用紙19の位置を検知する排出検知部120(本発明の検知部の一例)を備えている。排出検知部120は、搬送路23において、記録部24及び排出ローラ対55の間に設けられている。なお、排出検知部120は、排出ローラ対55及び排紙トレイ21の間に設けられていてもよい。
【0036】
排出検知部120は、例えば、検出子122A、122B及び支軸123を有する回転体122と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光学センサ121とにより構成されている。回転体122は、支軸123を中心に回転可能に設けられている。検出子122Aは搬送路23から突出している。回転体122に外力が加えられていない状態で、検出子122Bは、光学センサ121の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。回転体122の検出子122Aが記録用紙19の先端に押されることによって回転すると、検出子122Bは当該光路から外れて、当該光路に光が通る。
【0037】
[制御部130]
以下、図3を用いて、制御部130の概略構成を説明する。制御部130は、複合機1の全体動作を制御するものである。制御部130が後述するフローチャートにしたがって記録用紙19の停止制御を行うことによって、本発明が実現される。制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、ASIC135、及びこれらを相互に接続する内部バス137を備えている。
【0038】
ROM132には、CPU131が後述する停止制御を含む各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記憶する記憶領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0039】
ASIC135には、給紙モータ76、搬送モータ59、ロータリーエンコーダ68の光学センサ60、排出検知部120の光学センサ121、及び操作パネル4などが接続されている。ASIC135には、各モータを制御する駆動回路が組み込まれている。CPU131から所定のモータに応じた駆動回路に各モータを回転させるための駆動信号が入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から対応するモータへ出力される。これにより、対応するモータが所定の回転速度で正転又は逆転する。
【0040】
制御部130は、記録部24によって1枚の記録用紙19に対する画像記録が完了したら、当該記録用紙19を排出ローラ対55のみに挟持されている状態において、搬送モータ59を制御して、排出ローラ49の回転を停止させる。これにより、記録部24による画像記録が完了した記録用紙19は、排出ローラ対55のみに挟持された状態で停止される。その結果、当該記録用紙19は、排出ローラ49が制御部130によって再び回転されるまで、排紙トレイ21へ排出されない。
【0041】
光学センサ121は、受光素子で受光された光の強度に応じた電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。出力された信号は、制御部130に入力される。制御部130は、入力された信号の電気的レベル(電圧値または電流値)が所定の閾値以上であるかどうかを判断する。入力された信号が所定の閾値以上である場合にHIGHレベル信号と判定され、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定される。これにより、制御部130は、排出検知部120による記録用紙19の有無を判断する。
【0042】
例えば、光学センサ121から入力された信号がHIGHレベル信号と判断された場合、搬送路23における排出検知部120が設けられている位置に、記録用紙19が存在している。このとき、検出子122Bは、発光素子と受光素子との光路から外れている。一方、光学センサ121から入力された信号がLOWレベル信号と判断された場合、搬送路23における排出検知部120が設けられている位置に、記録用紙19が存在していない。このとき、検出子122Bは、発光素子と受光素子との光路に進入している。
【0043】
また、制御部130は、光学センサ121から入力された信号がLOWレベル信号からHIGHレベル信号に変わった時点から、光学センサ121から入力された信号がHIGHレベル信号からLOWレベル信号に変わった時点までの、光学センサ60からのパルス信号のパルスをカウントする。LOWレベル信号からHIGHレベル信号に変わった時点は、記録用紙19の第1向き15の先端が排出検知部120を通過した時点である。一方、HIGHレベル信号からLOWレベル信号に変わった時点は、記録用紙19の第1向き15の後端が排出検知部120を通過した時点である。制御部130は、光学センサ60からのカウントの数に基づいて、搬送されている記録用紙19の先端位置を検知することができる。
【0044】
[ROM132及びEEPROM134]
ROM132またはEEPROM134の少なくとも一方には、複数の記録用紙19の属性の各々に対応する記録用紙19の停止位置が記憶されている。記録用紙19の属性及び当該属性の各々に対応する停止位置は、例えばデータテーブルとして記憶される。
【0045】
本実施形態において、記録用紙19の属性は、記録用紙19の第1向き15に沿った長さに関する情報である。記録用紙19の第1向き15に沿った長さは、給紙トレイ20に載置された記録用紙19の前後方向12の長さである。例えば、記録用紙19が、短手側を前後方向12に沿った状態で給紙トレイ20に載置された場合、A4サイズの記録用紙19の第1向き15に沿った第1長さ(本発明の第1長さの一例、且つ本発明の第1属性の一例)は、210mmであり、A3サイズの記録用紙19の第1向き15に沿った第2長さ(本発明の第2長さの一例、且つ本発明の第2属性の一例)は、297mmである。つまり、第1属性が示す記録用紙19の第1向き15に沿った第1長さは、第2属性が示す記録用紙19の第1向き15に沿った第2長さよりも短い。また、第1属性と第2属性とは異なる属性である。
【0046】
また、本実施形態において、記録用紙19の停止位置(本発明の停止位置の一例)は、記録部24によって一の記録用紙19に対する全ての画像が記録された後の停止位置である。一の記録用紙19に対する全ての画像が記録されたことは、一の記録用紙19の画像記録面に記録すべき全ての画像が記録されたことである。また、本実施形態で、停止位置とは記録用紙19の第1向き15の上流端の停止位置を指すが、これに限らない。記録用紙19が上記停止位置に停止されたとき、記録用紙19の第1向き15の下流端(第1向き15の先端)は、排出ローラ対55による記録用紙19の挟持位置よりも第1向き15の下流側に位置している。また、記録用紙19が上記停止位置に停止されたとき、記録用紙19の第1向き15の上流端(第1向き15の後端)は、排出ローラ対55による記録用紙19の挟持位置よりも第1向き15の上流側に位置している。以上より、記録用紙19は、上記停止位置に停止されたとき、排出ローラ対55によって挟持された挟持状態である。
【0047】
例えば、本実施形態では、図10(A)に示されるように、一の記録用紙19に対する全ての画像が記録された記録用紙19の第1向き15に沿った長さが第1長さ(210mm)である場合、当該記録用紙19の第1向き15の上流端は位置P1(図2参照)に停止される。記録用紙19の第1向き15の上流端が位置P1である場合の記録用紙19の位置(以下、第1位置と記す。)が、本発明の第1位置の一例である。
【0048】
また、一の記録用紙19に対する全ての画像が記録された記録用紙19の第1向き15に沿った長さが第2長さ(297mm)である場合、当該記録用紙19の第1向き15の上流端は位置P1よりも第1向き15の上流側に位置する位置P2(図2参照)に停止される。記録用紙19の第1向き15の上流端が位置P2である場合の記録用紙19の位置(以下、第2位置と記す。)が、本発明の第2位置の一例である。
【0049】
つまり、第1位置は、記録用紙19の属性が本発明の第1属性である場合の記録用紙19の停止位置であり、第2位置は、記録用紙19の属性が本発明の第2属性である場合の記録用紙19の停止位置である。
【0050】
以上より、本実施形態では、図10(A)に示されるように、第1長さ及び第1長さに対応する位置P1と、第2長さ及び第2長さに対応する位置P2とが、データテーブルとして記憶されている。つまり、当該データテーブルが記憶されるROM132またはEEPROM134の少なくとも一方は、本発明の第2記憶手段の一例である。なお、位置P1及び位置P2は長さに対応するのではなく、例えば、図10(D)に示されるように、A4用紙に対応する位置P1、A3用紙に対応する位置P2とがデータテーブルに記憶されていても良い。
【0051】
[RAM133]
RAM133には、記録用紙19の属性が記憶される。ここで、記録用紙19の属性は、ユーザによる操作パネル4の操作によって指定される。例えば、予め記録用紙19のサイズの名称(A4やA3など)と、当該名称に対応した第1向き15の長さとを、データテーブルとしてROM132またはEEPROM134に記憶しておく。ユーザが、操作パネル4を操作することによって、A4やA3などの記録用紙19のサイズの名称を指定する。制御部130は、上記データテーブルを参照することによって、指定された記録用紙19のサイズの名称に対する第1向き15の長さを得る。そして、得られた第1向き15の長さが、これから記録部24によって画像記録される記録用紙19の属性として、RAM133に記憶される。つまり、記録用紙19の第1向き15の長さが属性として記憶されるRAM133は、本発明の第1記憶手段の一例である。
【0052】
なお、記録用紙19の第1向き15の長さは、ユーザによる操作パネル4の操作によって指定されなくてもよい。例えば、上述したように、制御部130が、光学センサ60、121からの信号に基づいて、記録用紙19の第1向き15の長さを算出してもよい。例えば、排出検知部120と同構成の検知部を搬送路23における搬送ローラ対54の上流側に配置する。光学センサ60のカウント数と、検知部の光センサによって検知される記録用紙19の第1向き15の下流端と上流端とによって、記録用紙19の第1向き15の長さを算出する。
【0053】
[停止制御]
上述の如く構成されたプリンタ部2においては、制御部130によって、画像記録後の記録用紙19を停止させる記録用紙19の停止制御が実行される。以下、図4のフローチャートに基づいて、停止制御の処理手順が説明される。
【0054】
制御部130によって停止制御が実行される前に、複合機1は、ユーザによる記録用紙19のサイズ(本実施形態ではA4またはA3のサイズ)の指定を受け付ける。そして、ユーザが操作パネル4を操作することによって、これから画像記録が行われる記録用紙19のサイズが指定される。
【0055】
次に、ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図4に示されるフローチャートの実行を開始する。まず、制御部130は、ユーザによって指定された記録用紙19の第1向き15に沿った長さ、つまり記録用紙19の属性をRAM133に記憶する(SA1)。
【0056】
次に、制御部130は、給紙モータ76を駆動して給紙ローラ25を回転させる。給紙ローラ25によって、給紙トレイ20に収容された記録用紙19は、搬送ローラ対54に向かって搬送路23に沿って搬送される(SA2)。
【0057】
制御部130は、搬送モータ59を駆動して搬送ローラ47を回転させる。記録用紙19が搬送ローラ対54に到達すると、記録用紙19は、搬送ローラ対54に挟持された状態で、記録ヘッド65の直下に向かって搬送される(SA3)。
【0058】
記録用紙19が記録ヘッド65の直下に到達すると、制御部130は、キャリッジ67を左右方向13に移動させながら記録ヘッド65にインク滴を吐出させる(SA4)。制御部130は、記録用紙19への画像記録が全て終了するまで(SA5:Yes)、記録用紙19の所定の改行幅の搬送(SA3)とインク滴の吐出(SA4)とを交互に繰り返す。これにより、1枚の記録用紙19、つまり一の記録用紙19に対する画像記録が実行される。
【0059】
1枚の記録用紙19に対する画像記録が完了すると(SA5:Yes)、制御部130は、記録用紙19の排出動作を実行する(SA6)。詳細には、搬送ローラ対54によって搬送された記録用紙19は、排出ローラ対55に到達すると、排出ローラ対55に挟持された状態で、排紙トレイ21に向かって搬送される。
【0060】
制御部130は、ステップSA1でRAM133に記憶された記録用紙19の第1向き15に沿った長さを、図10(A)に示されるデータテーブルと照合する。そして、記録用紙19の第1向き15の長さがA4サイズに対応した長さ(210mm)である場合(SA7:A4)、制御部130は、搬送モータ59を制御して、記録用紙19を、排出ローラ対55に挟持された状態で、第1位置(記録用紙19の第1向き15の上流端が位置P1となる位置)で停止させる(SA8)。なお、制御部130は、光学センサ60、121からの信号に基づいて、記録用紙19の位置を判断する。つまり、制御部130は、光学センサ121からの入力によって、記録用紙19の先端が排出検知部120に到達したことを判断し、光学センサ60からの入力によって、当該到達後の記録用紙19の搬送距離を算出する。
【0061】
一方、記録用紙19の第1向き15の長さがA3サイズに対応した長さ(297mm)である場合(SA7:A3)、制御部130は、搬送モータ59を制御して、記録用紙19を、排出ローラ対55に挟持された状態で、第2位置(記録用紙19の第1向き15の上流端が位置P2となる位置)で停止させる(SA9)。
【0062】
なお、本実施形態において、位置P1及び位置P2は、排出検知部120よりも第1向き15の上流側に位置される。これにより、排出検知部120は、第1位置及び第2位置に停止された記録用紙19を検知可能である。以上より、ステップSA7〜SA9の処理は、本発明の第1制御手段の一例である。
【0063】
その後、ユーザが、排出ローラ対55に挟持された記録用紙19を引き抜く(SA10:Yes)。これにより、一連の停止制御が終了する。
【0064】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、記録用紙19が停止される位置が可変的に設定される。例えば、第1向き15の長さが短いことにより湾曲し難い記録用紙19は第1位置で停止され、第1向き15の長さが長いことにより湾曲し易い記録用紙19は第1位置よりも第1向きの上流側の第2位置で停止される。これにより、湾曲し易い記録用紙19が排出ローラ対55に挟持されて停止されるとき、一律の位置で停止されることなく、可変的に設定された位置で停止される。その結果、記録用紙19に湾曲の癖の発生を軽減することができる。
【0065】
また、記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された状態で、例えば一律の第1位置で停止されると、記録用紙19の第1向き15に沿った長さが長い程、記録用紙19における複合機1から突出される部分が多くなる。その結果、記録用紙19に湾曲の癖が生じやすくなってしまう。上述したように、本実施形態によれば、第1向き15に沿った長さが相対的に長い記録用紙19は、第1位置よりも第1向きの上流側の第2位置で停止される。そのため、記録用紙19における複合機1から突出される部分が、例えば第1位置で停止された場合よりも少なくなる。その結果、記録用紙19に湾曲の癖が生じることを軽減することができる。
【0066】
[実施形態の変形例1]
上述の実施形態では、記録用紙19の属性は、記録用紙19の第1向き15に沿った長さに関する情報であったが、記録用紙19の属性は、他の情報であってもよい。例えば、記録用紙19の属性は、記録用紙19の画像記録面の単位面積当たりの質量に関する情報であってもよい。
【0067】
変形例1において、記録用紙19の画像記録面の単位面積当たりの質量は、記録用紙19が普通紙であるか、普通紙よりも厚みのある厚紙であるかで判断される。例えば、普通紙の単位面積当たりの質量は、第1質量(本発明の第1質量の一例、且つ本発明の第1属性の一例)であり、厚紙の単位面積当たりの質量は、第1質量よりも大きい第2質量(本発明の第2質量の一例、且つ本発明の第2属性の一例)である。つまり、第1属性が示す記録用紙19(普通紙)の第1質量は、第2属性が示す記録用紙19(厚紙)の第2質量よりも小さい。
【0068】
変形例1では、画像記録された記録用紙19が普通紙である場合、当該記録用紙19の第1向き15の上流端は位置P1(図2参照)に停止される。また、画像記録された記録用紙19が厚紙である場合、当該記録用紙19の第1向き15の上流端は位置P2(図2参照)に停止される。以上より、変形例1では、図10(B)に示されるように、記録用紙19が普通紙である旨の情報及び当該情報に対応する位置P1と、記録用紙19が厚紙である旨の情報及び当該情報に対応する位置P2とが、ROM132またはEEPROM134の少なくとも一方にデータテーブルとして記憶されている。
【0069】
以下、変形例1の停止制御の処理手順が、図5のフローチャートに基づいて説明される。なお、以下の説明においては、図4のフローチャートと異なる処理が説明され、図4のフローチャートと同じ処理については、その詳細な説明が省略される。
【0070】
制御部130によって停止制御が実行される前に、複合機1は、ユーザによる記録用紙19のサイズ(本実施形態では普通紙または厚紙)の指定を受け付ける。そして、ユーザが操作パネル4を操作することによって、これから画像記録が行われる記録用紙19の種類が指定される。次に、ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図5に示されるフローチャートの実行を開始する。まず、制御部130は、ユーザによって指定された記録用紙19の画像記録面の単位面積当たりの質量、つまり記録用紙19の属性をRAM133に記憶する(SA1)。
【0071】
記録用紙19の排出動作が実行された後(SA6)、制御部130は、ステップSA1でRAM133に記憶された記録用紙19の種類を、図10(B)に示されるデータテーブルと照合する。そして、記録用紙19が普通紙である場合(SB1:普通紙)、制御部130は、記録用紙19を第1位置で停止させる(SA8)。一方、記録用紙19が厚紙である場合(SB1:厚紙)、制御部130は、記録用紙19を第2位置で停止させる(SA9)。以上より、ステップSB1、SA8、SA9の処理は、本発明の第1制御手段の一例である。
【0072】
以下、変形例1の効果が説明される。記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された状態で、例えば一律の第1位置で停止されるとき、記録用紙19の質量が大きい程、記録用紙19における複合機1から突出された部分は垂れ下がり易くなる。その結果、記録用紙19に湾曲の癖が生じ易くなってしまう。変形例1によれば、質量が相対的に大きい記録用紙19は、第1位置よりも第1向きの上流側の第2位置で停止されるため、記録用紙19における複合機1から突出される部分が少なくなる。その結果、記録用紙19が垂れ下がり難くなり、記録用紙19に湾曲の癖が生じることを軽減することができる。
【0073】
[実施形態の変形例2]
上述の実施形態では、記録用紙19の属性は、記録用紙19の第1向き15に沿った長さに関する情報であったが、記録用紙19の属性は、他の情報であってもよい。例えば、記録用紙19の属性は、画像記録の際に記録ヘッド65から吐出されて記録用紙19に付着されたインク(本発明の記録材の一例)の量であってもよい。
【0074】
記録用紙19に付着されるインクの量の算出は、例えば、以下のようにして行われる。制御部130は、コンピュータ等の外部情報機器から送信された印刷データを参照する。具体的には、記録用紙19の画像記録面の各位置(各ドット)について、画像記録の際に吐出されるインク滴の種類と各種インク滴の吐出回数(濃度が大きい程、吐出回数が多くなる。)とを決定する。制御部130は、4色のインク滴のそれぞれについて吐出回数を乗じた値を算出し、次に算出した4つの値を合算する。これにより、記録用紙19に付着されるインクの量、換言すると記録部24による一の記録用紙19に対する全ての画像が記録された後の、当該記録用紙19に付着されるインクの量が算出される。上記のように算出されたインクの量は、RAM133に記憶される。つまり、RAM133は、本発明の第3記憶手段の一例である。
【0075】
ROM132またはEEPROM134の少なくとも一方には、複数のインクの量と、当該複数のインクの量の各々に対応する記録用紙19の停止位置とが記憶されている。記録用紙19の属性(インクの量)及び停止位置は、例えば、データテーブルとして記憶されている。データテーブルは、インクの量が多い程、停止位置は第1向きの上流側となるように構成されている。本実施形態のデータテーブルは、図10(C)に示されるように、インクの量が第1閾値未満の場合の記録用紙19の停止位置として位置P1が記憶されており、インクの量が第1閾値以上の場合の記録用紙19の停止位置として位置P1よりも第1向き15の上流側の位置P3が記憶されている。
【0076】
ここで、第1閾値(本発明の第1閾値に相当)は、記録用紙19に湾曲の癖が生じやすいか否かを判断するために、予め設定された値である。つまり、インクの量が第1閾値以上であれば、記録用紙19に湾曲の癖が生じやすい。また、位置P3は、画像記録後の記録用紙19が停止されたときにおける当該記録用紙19の第1向き15の上流端の位置である。位置P3は、位置P1または位置P2の少なくとも一方よりも第1向き15の上流側の位置である。つまり、記録用紙19の第1向き15の上流端が位置P3である場合の記録用紙19の位置(以下、第3位置と記す。)が、本発明の第3位置の一例である。以上より、当該データテーブルが記憶されるROM132またはEEPROM134の少なくとも一方は、本発明の第4記憶手段の一例である。
【0077】
以下、変形例2の停止制御の処理手順が、図6のフローチャートに基づいて説明される。なお、以下の説明において、図4及び図5のフローチャートと異なる処理が説明され、図4及び図5のフローチャートと同じ処理については、その詳細な説明が省略される。
【0078】
ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図6に示されるフローチャートの実行を開始する。まず、制御部130は、印刷データに基づいて、これから画像記録が行われる記録用紙19に対して吐出されるインクの量を算出する(SC1)。算出されたインクの量に関する情報は、RAM133に記憶される。
【0079】
記録用紙19の排出動作が実行された後(SA6)、制御部130は、ステップSC1で算出され、RAM133に記憶されたインクの量を、図10(C)に示されるデータテーブルと照合する。そして、インクの量が第1閾値未満である場合(SC2:No)、制御部130は、記録用紙19を第1位置で停止させる(SC3)。一方、インクの量が第1閾値以上である場合(SC2:Yes)、制御部130は、記録用紙19を第3位置で停止させる(SC4)。以上より、ステップSC2〜SC4の処理は、本発明の第1制御手段の一例である。なお、変形例2では、インク量が第1閾値未満である場合に、記録用紙19は第1位置で停止されるが、第2位置で停止されてもよい。
【0080】
以下、変形例2の効果が説明される。記録用紙19に付着するインクの量が相対的に多い程、記録用紙19の質量は大きくなる。その結果、当該記録用紙19における複合機1から突出した部分は垂れ下がり易くなり、記録用紙19に湾曲の癖が生じてしまう。変形例2によれば、インクが相対的に多く付着した記録用紙19は、第3位置で停止されるため、記録用紙19における複合機1から突出される部分が少なくなる。その結果、記録用紙19が垂れ下がり難くなり、記録用紙19に湾曲の癖が生じることを軽減することができる。
【0081】
なお、変形例2において、制御部130によるインクの算出(SC1)は、図6のフローチャートで示される停止制御が開始されてすぐに行われたがこれに限らない。例えば、制御部130は、画像記録が行われる(SA4)毎に、吐出されたインク量を積算していき、画像記録が終了した(SA5:Yes)段階での、積算されたインク量をRAM133に記憶してもよい。
【0082】
[別実施形態]
制御部130は、画像記録後の記録用紙19を第4位置(本発明の第4位置に相当)に停止させ、記録用紙19が第4位置に停止された状態が第1時間(本発明の第1時間に相当)を超えた場合に、記録用紙19を第4位置とは異なる第5位置(本発明の第5位置に相当)に搬送させてもよい。
【0083】
ここで、第4位置は、第1位置乃至第3位置と同様に、画像記録後の記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された挟持状態となる位置である。つまり、記録用紙19が第4位置に停止されたとき、記録用紙19の第1向き15の下流端(第1向き15の先端)は、排出ローラ対55による記録用紙19の挟持位置よりも第1向き15の下流側に位置している。また、記録用紙19が上記停止位置に停止されたとき、記録用紙19の第1向き15の上流端(第1向き15の後端)は、排出ローラ対55による記録用紙19の挟持位置よりも第1向き15の上流側に位置している。なお、第4位置は、第1位置乃至第3位置と同じ位置であっても異なる位置であってもよい。
【0084】
また、第5位置も、第4位置と同様に、画像記録後の記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された挟持状態となる位置である。但し、第5位置は、第4位置とは異なる位置である。なお、第5位置は、第4位置よりも第1向き15の上流側であってもよく下流側であってもよい。
【0085】
また、第1時間は、記録用紙19の排出ローラ対55による挟持位置に湾曲の癖が生じるおそれがあるか否かを判断するために、予め設定された時間である。つまり、記録用紙19が排出ローラ対55に挟持された状態で停止してから、第1時間以上経過すれば、当該記録用紙19の挟持位置に湾曲の癖が生じるおそれがある。
【0086】
別実施形態の制御部130は、上記の第1時間の経過を判断するために、時間をカウントするカウント回路(本発明のカウント手段の一例)を備えている。カウント回路は、例えばASIC135の一部として構成される。なお、本発明のカウント手段は、ROM132に格納された上記プログラムによって、つまりソフトウェアによって実現されてもよい。
【0087】
以下、別実施形態の停止制御の処理手順が、図7のフローチャートに基づいて説明される。なお、以下の説明において、図4〜図6のフローチャートと異なる処理が説明され、図4〜図6のフローチャートと同じ処理については、その詳細な説明が省略される。
【0088】
ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図7に示されるフローチャートの実行を開始する。また、別実施形態では、図4乃至図6のフローチャートで示されるステップSA1は実行されない。記録用紙19の排出動作が実行された後(SA6)、制御部130は、記録用紙19を第4位置で停止させる(SD1)。ステップSD1の処理は、本発明の第2制御手段の一例である。
【0089】
制御部130は、記録用紙19の第4位置での停止と同時にカウント回路による時間のカウントを開始する(SD2)。つまり、カウント回路によるカウント値は、記録用紙19の第4位置での停止時間である。
【0090】
制御部130は、停止時間が第1時間を超えていない場合(SD3:No)、ステップSA10の判断を実行する。一方、制御部130は、停止時間が第1時間を超えた場合(SD3:Yes)、記録用紙19を第4位置から第5位置に搬送させる(SD4)。これにより、記録用紙19は第5位置に停止される。つまり、ステップSD3、SD4の処理は、本発明の第3制御手段の一例である。なお、当該停止時間が第1時間を超えてステップSD4が実行される場合、カウント回路はリセットされる。
【0091】
以下、別実施形態の効果が説明される。記録用紙19が排出ローラ対55に挟持されて停止された状態が継続された場合、当該記録用紙19における排出ローラ対55による挟持位置に湾曲の癖が生じてしまうおそれがある。別実施形態によれば、記録用紙19が排出ローラ対55に挟持されて停止された状態が第1時間よりも長く継続した場合、記録用紙19が搬送されて、記録用紙19の位置は第4位置から第5位置に変更される。これにより、記録用紙19における排出ローラ対55による挟持位置が変わる。その結果、排出ローラ対55の挟持に起因して発生する記録用紙19に湾曲の癖が生じるのを軽減することができる。
【0092】
[別実施形態の変形例1]
制御部130は、記録用紙19の排出ローラ対55による挟持位置に付着されたインクの量に基づいて、上記のステップSD4の実行を開始するまでの記録用紙19の停止時間を変えてもよい。
【0093】
以下、別実施形態の変形例1の停止制御の処理手順が、図8のフローチャートに基づいて説明される。なお、以下の説明において、図4〜図7のフローチャートと異なる処理が説明され、図4〜図7のフローチャートと同じ処理については、その詳細な説明が省略される。
【0094】
ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図8のフローチャートに示される停止制御の実行を開始する。停止制御の実行が開始されると、制御部130は、光学センサ60、121からの入力に基づいて、記録用紙19の第1向き15の上流端が後述する第4位置で停止されている記録用紙19の排出ローラ対55によって挟持されている位置を算出する。そして、制御部130は、算出した位置及び当該位置の近傍位置で構成される所定領域に付着されたインクの量(以下、挟持位置に付着されたインクの量と記す。)を、実施形態の変形例2において説明された方法によって算出する。算出された挟持位置に付着されたインクの量は、RAM133に記憶される(SE1)。つまり、RAM133は、本発明の第5記憶手段の一例である。
【0095】
そして、カウント回路による時間のカウントが開始された後(SD2)、制御部130は、RAM133に記憶されたインクの量が第2閾値以上であるか否かを判断する(SE2)。ここで、第2閾値(本発明の第2閾値に相当)は、記録用紙19が挟持位置において湾曲の癖を生じやすいか否かを判断するために、予め設定された値である。つまり、挟持位置に付着されたインクの量が第2閾値以上であれば、記録用紙19は挟持位置において湾曲の癖を生じやすい。
【0096】
RAM133に記憶されたインクの量が第2閾値未満である場合(SE2:No)、上述したステップSD3、SD4と同様の処理が実行される。一方、RAM133に記憶されたインクの量が第2閾値以上である場合(SE2:Yes)、制御部130は、記録用紙19の第4位置での停止時間が第2時間(本発明の第2時間に相当)を超えたか否かを判断する(SE3)。ここで、第2時間は、第1時間よりも短い時間として、予め設定された時間である。制御部130は、当該停止時間が第2時間を超えた場合(SE3:Yes)、記録用紙19を第4位置から第5位置に搬送させる(SD4)。これにより、記録用紙19は第5位置に停止される。以上より、図8におけるステップSE2、SE3、SD3、SD4の処理は、本発明の第3制御手段の一例である。
【0097】
以下、別実施形態の変形例1の効果が説明される。記録用紙19が排出ローラ対55によって停止された状態において、当該記録用紙19の排出ローラ対55による挟持位置に付着したインクの量が多い場合、上記挟持位置には、インクの量が少ない場合よりも短時間で湾曲の癖が生じてしまう。別実施形態の変形例1によれば、記録用紙19における上記挟持位置に付着したインクの量が相対的に多い場合、当該記録用紙19の位置は、第1時間よりも短い第2時間の経過で、第4位置から第5位置に変更される。これにより、記録用紙19の排出ローラ対55による挟持位置に付着したインクの量が多い場合であっても、当該記録用紙19に湾曲の癖が生じるのを軽減することができる。
【0098】
[別実施形態の変形例2]
別実施形態の変形例1において、制御部130は、挟持位置に付着されたインクの量に基づいて、ステップSD4の実行を開始するまでの記録用紙19の停止時間を変えた。しかし、制御部130は、挟持位置ではなく排紙トレイ21と記録用紙19との当接位置に付着されたインクの量に基づいて、ステップSD4の実行を開始するまでの記録用紙19の停止時間を変えてもよい。
【0099】
ここで、当接位置(本発明の当接位置に相当)は、図2に符号16で示された位置である。つまり、第1向き15の上流端に近い位置を排出ローラ対55によって挟持された記録用紙19は、図2に二点鎖線で示されるような状態となる。つまり、当該記録用紙19は、その第1向き15の下流端部が排紙トレイ21の前端から垂れ下がった状態となる。このとき、当該記録用紙19は、湾曲した状態で、排紙トレイ21の先端と、当接位置16で当接する。
【0100】
以下、別実施形態の変形例2の停止制御の処理手順が、図9のフローチャートに基づいて説明される。なお、以下の説明において、図4〜図8のフローチャートと異なる処理が説明され、図4〜図8のフローチャートと同じ処理については、その詳細な説明が省略される。
【0101】
ユーザが、給紙トレイ20に収容された記録用紙19に画像記録する旨のコマンドを、操作パネル4を介して複合機1に入力する。すると、制御部130が図9のフローチャートに示される停止制御の実行を開始する。停止制御の実行が開始されると、制御部130は、光学センサ60、121からの入力に基づいて、停止されている記録用紙19が排紙トレイ21の先端と当接している位置、つまり上記当接位置16を算出する。そして、制御部130は、算出した当接位置16及び当該当接位置16の近傍位置で構成される所定領域に付着されたインクの量(以下、当接位置に付着されたインクの量と記す。)を、実施形態の変形例2において説明された方法によって算出する。算出された当接位置に付着されたインクの量は、RAM133に記憶される(SF1)。つまり、RAM133は、本発明の第6記憶手段の一例である。
【0102】
そして、カウント回路による時間のカウントが開始された後(SD2)、制御部130は、RAM133に記憶されたインクの量が第3閾値以上であるか否かを判断する(SF2)。ここで、第3閾値(本発明の第3閾値に相当)は、記録用紙19が当接位置16において湾曲の癖を生じやすいか否かを判断するために、予め設定された値である。つまり、当接位置16に付着されたインクの量が第3閾値以上であれば、記録用紙19は当接位置16において湾曲の癖を生じやすい。
【0103】
RAM133に記憶されたインクの量が第3閾値未満である場合(SF2:No)、上述したステップSD3、SD4と同様の処理が実行される。一方、RAM133に記憶されたインクの量が第3閾値以上である場合(SF2:Yes)、制御部130は、記録用紙19の第4位置での停止時間が第3時間(本発明の第3時間に相当)を超えたか否かを判断する(SF3)。ここで、第3時間は、第1時間よりも短い時間として、予め設定された時間である。なお、第3時間は、第2時間と同じ時間、短い時間、及び長い時間のいずれの時間でもよい。制御部130は、当該停止時間が第3時間を超えた場合(SF3:Yes)、記録用紙19を第4位置から第5位置に搬送させる(SD4)。これにより、記録用紙19は第5位置に停止される。以上より、図9におけるステップSF2、SF3、SD3、SD4の処理は、本発明の第3制御手段の一例である。
【0104】
以下、別実施形態の変形例2の効果が説明される。記録用紙19が複合機1から突出されている場合、当該記録用紙19は、排紙トレイ21の突出先端部と当接して、当接位置16において湾曲する。このような場合に、当該記録用紙19における排紙トレイ21との当接位置16に付着したインクの量が相対的に多い場合、当接位置16には、インクの量が少ない場合よりも短時間で湾曲の癖が生じてしまう。そこで、別実施形態の変形例2によれば、記録用紙19の当接位置16に付着したインクの量が相対的に多い場合、当該記録用紙19の位置は、第1時間よりも短い第3時間の経過で、第4位置から第5位置に変更される。これにより、記録用紙19における排紙トレイ21との当接位置16に付着したインクの量が多い場合であっても、当該記録用紙19に湾曲の癖が生じるのを軽減することができる。
【0105】
なお、別実施形態の変形例1及び変形例2において、制御部130によるインクの算出(SE1、SF1)は、図8、図9のフローチャートで示される停止制御が開始されてすぐに行われたがこれに限らない。例えば、制御部130は、記録用紙19の第1向き15の上流端が上記第4位置で停止されている状態の、記録用紙19における挟持位置または当接位置に、インクが吐出されたときに、インク量を積算していく。そして、積算されたインク量をRAM133に記憶してもよい。
【0106】
なお、上述した実施形態、別実施形態の各変形例において、第1位置乃至第5位置は、好ましくは、記録ヘッド65に複数形成されるノズルの内、最下流側のノズルよりも第1向き15の下流側が良い。これは、以下の理由による。記録用紙19が排出ローラ対55によって挟持された状態で停止している際に、記録用紙19の第1向き15の下流端が上方に変位する可能性がある。この場合、インクが吐出されるノズル64と記録用紙19とが当接して、画像記録が完了した記録用紙19が汚れてしまう虞がある。したがって、第1乃至第5位置は、記録ヘッド65に複数形成されるノズルの内、最下流側のノズルよりも第1向き15の下流側がよい。
【符号の説明】
【0107】
1・・・複合機
2・・・プリンタ部
15・・・第1向き
19・・・記録用紙
21・・・排紙トレイ
23・・・搬送路
24・・・記録部
55・・・排出ローラ対
120・・・排出検知部
130・・・制御部
132・・・ROM
133・・・RAM
134・・・EEPROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路を第1向きに沿って搬送されるシートに画像を記録する記録部と、
上記記録部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、シートを挟持して上記第1向きに搬送する搬送部と、
上記搬送路を搬送されるシートの位置を検知する検知部と、
シートの属性が記憶される第1記憶手段と、
シートの上記属性が第1属性である場合の一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの停止位置であって、上記搬送部よりも上記第1向きの上流側である第1位置と、シートの上記属性が上記第1属性とは異なる第2属性である場合の上記停止位置であって、上記第1位置よりも上記第1向きの上流側の第2位置とが記憶される第2記憶手段と、
上記第1記憶手段に上記属性として上記第1属性が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第1位置に位置させて上記搬送部を停止させ、上記第1記憶手段に上記属性として上記第2属性が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第2位置に位置させて上記搬送部を停止させるように上記搬送部を制御する第1制御手段と、を備える画像記録装置。
【請求項2】
上記第1記憶手段は、上記属性として、シートの上記第1向きに沿った長さに関する情報を記憶するものであり、
上記第1属性が示すシートの上記第1向きに沿った第1長さは、上記第2属性が示すシートの上記第1向きに沿った第2長さよりも短い請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第1記憶手段は、上記属性として、シートの画像記録面の単位面積当たりの質量に関する情報を記憶するものであり、
上記第1属性が示すシートの第1質量は、上記第2属性が示すシートの第2質量よりも小さい請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記記録部による一のシートに対する全ての画像が記録された後の、当該シートに付着された記録材の量が記憶される第3記憶手段と、
上記停止位置であって、上記第1位置または上記第2位置の少なくとも一方よりも上記第1向きの上流側の第3位置が記憶される第4記憶手段と、を更に備え、
上記第1制御手段は、
上記第3記憶手段に上記記録材の量として第1閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第1位置または上記第2位置に位置させて上記搬送部を停止させ、
上記第3記憶手段に上記記録材の量として上記第1閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で上記第3位置に位置させて上記搬送部を停止させる請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記記録部は、記録ヘッドと、当該記録ヘッドに上記第1向きに沿って複数形成されるとともに記録材を吐出するノズルと、を備え、
上記停止位置は、上記第1向きの最下流側のノズルよりも上記第1向きの下流側である請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
搬送路を第1向きに沿って搬送されるシートに画像を記録する記録部と、
上記記録部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、シートを挟持して上記第1向き及び上記第1向きと反対向きの第2向きに搬送する搬送部と、
上記搬送路を搬送されるシートの位置を検知する検知部と、
一のシートに対する全ての画像が記録された後のシートの上記第1向きの上流端を、上記搬送部がシートを挟持した状態で第4位置に位置させて上記搬送部を停止させるように上記搬送部を制御する第2制御手段と、
シートが上記第4位置に位置したときから上記搬送部の停止時間をカウントするカウント手段と、
上記カウント手段によってカウントされる上記停止時間が第1時間を超えたときに、上記搬送部がシートを挟持した状態での位置であって上記第4位置とは異なる第5位置にシートを位置させて上記搬送部を停止させる第3制御手段と、を備える画像記録装置。
【請求項7】
シートが上記第4位置に位置しているときの、上記挟持位置に付着された記録材の量が記憶される第5記憶手段を更に備え、
上記第3制御手段は、
上記第5記憶手段に記憶されている記録材の量として第2閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させ、
上記第5記憶手段に記憶されている記録材の量として上記第2閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間よりも短い第2時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させる請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記搬送部よりも上記第1向きの下流側に設けられており、排出されたシートを載置可能な排出トレイと、
シートが上記第4位置に位置しているときの、上記排出トレイと当該シートとの当接位置に付着された記録材の量が記憶される第6記憶手段と、を更に備え、
上記第3制御手段は、
上記第6記憶手段に記憶されている記録材の量として第3閾値未満の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を搬送させ、
上記第6記憶手段に記憶されている記録材の量として上記第3閾値以上の記録材の量が記憶されている場合に、上記停止時間が上記第1時間よりも短い第3時間を超えたときに、シートを上記第5位置に位置させて上記搬送部を停止させる請求項6または7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
上記記録部は、記録ヘッドと、当該記録ヘッドに上記第1向きに沿って複数形成されるとともに記録材を吐出するノズルと、を備え、
上記第4位置及び上記第5位置は、上記第1向きの最下流側のノズルよりも上記第1向きの下流側である請求項6から8のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−35172(P2013−35172A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171543(P2011−171543)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】