画像診断支援システム
【課題】画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムの提供。
【解決手段】記憶部23は、疾患の識別子と疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた関連疾患テーブルを記憶する。記憶部21は、疾患の識別子と疾患に関する検査項目とを寄与度に応じて関連付けた寄与度テーブルを記憶する。入力部37は、検査対象に関する疾患の識別子を入力する。チェックリスト生成部35は、入力された識別子に関連疾患テーブル上で関連付けられた疾患の識別子を特定し、特定された識別子に寄与度テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する。チェックリスト生成部35は、特定された検査項目についての異常の有無を確認するための所見の確認項目を有するチェックリストのデータを生成する。表示部39は、生成されたチェックリストを表示する。
【解決手段】記憶部23は、疾患の識別子と疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた関連疾患テーブルを記憶する。記憶部21は、疾患の識別子と疾患に関する検査項目とを寄与度に応じて関連付けた寄与度テーブルを記憶する。入力部37は、検査対象に関する疾患の識別子を入力する。チェックリスト生成部35は、入力された識別子に関連疾患テーブル上で関連付けられた疾患の識別子を特定し、特定された識別子に寄与度テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する。チェックリスト生成部35は、特定された検査項目についての異常の有無を確認するための所見の確認項目を有するチェックリストのデータを生成する。表示部39は、生成されたチェックリストを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAD(Computer Aided Diagnosis System)により生成されたデータを利用して医師等の画像診断を支援する画像診断支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CADは、X線CT装置や磁気共鳴イメージング装置により生成された医用画像を画像処理し、医用画像に含まれる異常領域を検出し、検出された異常領域から異常値を算出する。そしてCADは、検出された異常領域を強調表示したり、異常値を医師等に提示したりすることにより画像診断を支援している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
患者に複数の疾病が重なっていると、CADが指摘する異常領域や異常値の数が膨大になってしまう。従って、医師は、CADにより提示された膨大な量の情報の中から有益な情報を判別しなければならない。これは医師にとって手間であり、CADを利用した画像診断における効率の向上が望まれている。
【0004】
また、患者の容態に応じた分野を専門とする医師ではなく、他の分野を専門とする医師がその患者を診なければならない時がある。専門分野の医師であれば、これら膨大な情報の中から有益な情報のみを分析して、診断を確定できると考えられる。しかし、専門分野でない医師の場合、有益な情報とそうでない情報とを判別し難く、より多くの情報を参照することとなる。従って、CADを利用しても短時間で診断を確定することが困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008―142532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1局面に係る画像診断支援システムは、疾患の識別子と前記疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた第1テーブルを記憶する第1記憶部と、前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、前記疾患の識別子のうちの、ユーザにより入力された疾患の識別子に前記第1テーブル上で関連付けられた他の疾患の識別子を特定する第1特定部と、前記特定された識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する第2特定部と、前記特定された検査項目について異常があるか否か確認するための所見の確認項目を有する表示画像のデータを生成する生成部と、前記生成された表示画像を表示する表示部と、を具備する。
【0008】
本発明の第2局面に係る画像診断支援システムは、疾患の識別子と前記疾患の緊急度とを関連付けた第1テーブルを記憶する記憶部と、前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、前記疾患の識別子のうちの検査対象の疾患が所定の緊急度を有するか否かを前記第1テーブルに基づいて判定する判定部と、前記判定部により前記検査対象の疾患が前記所定の緊急度を有すると判定された場合、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する特定部と、前記特定された検査項目について異常あるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する表示部と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像診断支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1の寄与度テーブル記憶部に記憶されている寄与度テーブルの一例を示す図。
【図3】図1の関連疾患テーブル記憶部に記憶されている関連疾患テーブルの一例を示す図。
【図4】図1の緊急度テーブル記憶部に記憶されている緊急度テーブルの一例を示す図。
【図5】図1のチェックリスト生成部の構成を示す図。
【図6】図1の画像診断支援システムによる動作の流れの典型例を示す図。
【図7】図6のステップS5の流れの典型例を示す図である。
【図8】図7のステップS501において表示される画面例を示す図。
【図9】図7のステップS504において生成される検査確認リストの一例を示す図。
【図10】図7のステップS506において生成されるCAD結果リストの一例を示す図。
【図11】図7のステップS509において生成される所見確認リストの一例を示す図。
【図12】図6のステップS7において表示されるチェックリストの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わる画像診断支援システムを説明する。本実施形態に係る画像診断支援システムは、医師による画像診断を支援するためのコンピュータネットワークシステムである。
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像診断支援システム1の構成を示す図である。図1に示すように、画像診断支援システム1は、互いにネットワークを介して接続されたCAD(Computer Aided Diagnosis System)10とサーバ装置20と画像表示装置30とを含む。
【0013】
CAD10は、医師等のユーザによる画像診断を支援するために、X線CT装置や磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等により生成された医用画像のデータをCAD独自のアルゴリズムで画像処理するコンピュータ端末である。具体的には、CAD10は、医用画像のデータに含まれる病変部の候補として異常領域を抽出し、抽出された異常領域の座標位置や異常値を算出する。そしてCAD10は、算出された異常領域の座標位置や異常値等の臨床データ(以下、CAD結果のデータと呼ぶことにする)を医用画像のデータとともにサーバ装置20に送信する。
【0014】
CAD結果のデータは、画像診断における検査項目ごとに管理される。CAD結果は、具体的には、異常領域の座標位置や、異常値、異常値の概要説明、異常値の評価方法、疑いのある疾患の識別子を含む。異常領域の座標位置は、具体的には、医用画像上の座標やサイズに関する。異常値は、異常領域に関する様々な項目の特徴量のうちの、異常であるとCADにより評価された特徴量の値である。異常値の概要説明は、例えば、異常値に関する特徴量の概要説明である。異常値の評価方法は、異常有無の評価方法は、CADにより様々である。例えば、異常有無の評価の際に用いられた閾値と、その閾値を用いた判断基準とである。判断基準は、例えば、閾値以上であれば異常と判断するとか、閾値以下であれば正常(健康)と判断するといったようなものである。疑いのある疾患の識別子は、疑いのある疾患の名称やIDである。
【0015】
サーバ装置20は、様々な疾患に関する基礎情報や、患者に関するCAD結果のデータを管理するサーバコンピュータである。具体的には、サーバ装置20は、寄与度テーブル記憶部21、関連疾患テーブル記憶部23、緊急度テーブル記憶部25、及びCAD結果データ記憶部27を備える。
【0016】
寄与度テーブル記憶部21は、各疾患についての検査項目の寄与度を定義したテーブル(以下、寄与度テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。寄与度は、ある検査項目のある疾患に対する診断確定への寄与度合を示す指標である。寄与度が高ければ高いほど、他の寄与度の検査項目に比して優先的に検査・確認すべきである。寄与度テーブルは、検査項目の識別子に対して、その検査項目に関連する疾患の識別子と、その検査項目のその疾患への寄与度とを関連付けている。また、寄与度テーブルは、検査項目の識別子に、その検査項目の評価方法のデータを関連付けている。
【0017】
図2は、急性腹症に関する寄与度テーブルの一例を示す図である。なお急性腹症とは、突発的な腹痛を主症状とする腹部疾患群である。図2に示すように、急性腹症に関する疾患としては、例えば、消化管穿孔や、腸管壊死、腸閉塞、絞扼性イレウス等がある。また、これら疾患に関する検査項目としては、フリーエア、腹水(CT画像)、腹水穿刺、血管造影等がある。そして各検査項目の各疾患への寄与度が5段階、すなわちレベル1(関連性なし)〜レベル5(強い関連性あり)で定義されている。例えば、フリーエアの消化管穿孔への寄与度は、大きくレベル5である。従って、消化管穿孔が疑われたら、フリーエアが認められるか否かを他の検査項目(例えば、腹水が認められるか否か)に比して優先的に確認すべきである。なお、上記の寄与度テーブルは、寄与度を5段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち寄与度を5より少ない段階、あるいは5より多い段階に分けてもよい。例えば、寄与度を2段階、すなわちレベル1(関連性なし)とレベル2(関連性あり)とでもよい。
【0018】
関連疾患テーブル記憶部23は、疾患同士の関連度を定義したテーブル(以下、関連疾患テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。関連度とは、疾患同士の因果関係や相関関係を示す指標である。関連度が高いほど疾患同士の因果関係や相関関係が強いことを示し、一方の疾患が認められた場合、他方の疾患を併発している可能性が高い。関連疾患テーブルは、具体的には、疾患の識別子と、その疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けている。
【0019】
図3は、急性腹症に関する関連疾患テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、関連疾患テーブルは、疾患同士の関連度を5段階、すなわちレベル1(関連性なし)〜レベル5(因果関係あり)で定義している。例えば、腸管膜動静脈血栓症と腹部大動脈瘤破裂との関連度は、レベル4である。なお、上記の関連度テーブルは、関連度を5段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち関連度を5より少ない段階、あるいは5より多い段階に分けてもよい。例えば、関連度を2段階、すなわちレベル1(因果関係なし)とレベル2(因果関係あり)とでもよい。
【0020】
緊急度テーブル記憶部25は、疾患の緊急度を定義したテーブル(以下、緊急度テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。緊急度とは、致死性の度合を示す指標である。緊急度が高いほど致死性が高く、緊急で治療・検査すべきである。具体的には、緊急度テーブルは、疾患の識別子と、その疾患の緊急度とを関連付けている。
【0021】
図4は、急性腹症に関する疾患の緊急度テーブルの一例を示す図4である。図4に示すように、緊急度テーブルは、疾患の緊急度を3段階、すなわちレベル1(保存的治療)、レベル2(保存的治療又は緊急手術)、レベル3(緊急手術)で定義している。例えば、レベル3に属する疾患は、消化管穿孔、絞扼性イレウス、腸管壊死、腹部大動脈瘤破裂、子宮外妊娠破裂等である。なお、上記の緊急度テーブルは、緊急度を3段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち緊急度を3より少ない段階、あるいは3より多い段階に分けてもよい。例えば、緊急度を2段階、すなわちレベル1(緊急手術の必要なし)とレベル2(緊急手術の必要あり)とでもよい。
【0022】
CAD結果データ記憶部27は、CAD10から送信されたCAD結果のデータを記憶する。CAD結果は、検査項目の識別子に関連付けられて記憶される。また、CAD結果データ記憶部27は、CAD結果のデータに関連付けて医用画像のデータを記憶する。
【0023】
画像表示装置30は、画像診断を支援するために、CAD結果を本実施形態に係る表示レイアウトで表示するコンピュータ端末である。具体的には、画像表示装置30は、テーブルデータ読込み部31、CAD結果データ読込み部33、チェックリスト生成部35、入力部37、表示部39、及びシステム制御部41を有する。
【0024】
テーブルデータ読込み部31は、システム制御部41からの制御のもと、サーバ装置20の寄与度テーブル記憶部21から寄与度テーブルのデータファイルを、関連疾患テーブル記憶部23から関連疾患テーブルのデータファイルを、緊急度テーブル記憶部25から緊急度テーブルのデータファイルを読み込むモジュールである。読み込まれたデータファイルは、システム制御部41によりチェックリスト生成部35に供給される。
【0025】
CAD結果データ読込み部33は、システム制御部41による制御のもと、CAD結果データ記憶部33からCAD結果のデータと医用画像のデータを読み込むモジュールである。読み込まれたCAD結果のデータは、システム制御部41によりチェックリスト生成部35に供給される。
【0026】
チェックリスト生成部35は、テーブルデータ読込み部31からのデータファイルやCAD結果データ読込み部33からのCAD結果のデータに基づいて、関連度や緊急度に応じた優先順位を反映させた検査項目のチェックリストのデータを生成するモジュールである。生成されたチェックリストのデータは、システム制御部41により表示部39に供給される。
【0027】
入力部37は、ユーザによるシステム制御部41への指示を入力する。入力部37としては、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチキーパネル等の入力デバイスが適宜利用可能である。
【0028】
表示部39は、チェックリスト生成部35により生成されたチェックリストのデータを表示する。表示部39としては、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機EL(electro luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスが適宜利用可能である。
【0029】
システム制御部41は、画像診断支援システム1の中枢として機能する。システム制御部41は、入力部37からのチェックリストの表示指示を受けて各部を制御し、本実施形態に特有のチェックリストの生成・表示処理を実行する。
【0030】
図5は、チェックリスト生成部35の構成を示す図である。図5に示すように、チェックリスト生成部35は、検査項目特定部351、CAD結果特定部352、確認疾患特定部353、検査確認リスト生成部354、CAD結果リスト生成部355、所見リスト生成部356、チェックリスト構成部357、及びチェックリスト表示制御部358を有する。
【0031】
検査項目特定部351は、特定の疾患の識別子を検索キーとしてテーブルデータ読込み部31からの寄与度テーブルのデータファイルを検索し、寄与度テーブルに含まれる検査項目の中から、寄与度テーブル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。そして検査項目特定部351は、特定された検査項目の中から、優先して表示すべき検査項目(以下、表示検査項目と呼ぶことにする)を寄与度に従って特定する。特定の疾患の識別子は、CAD結果に含まれる疾患の識別子であっても、確認疾患特定部353により特定された疾患の識別子であっても、ユーザにより入力部37を介して入力された疾患の識別子でもよい。
【0032】
CAD結果特定部352は、特定された表示検査項目の識別子を検索キーとしてCAD結果データ読込み部33からのCAD結果を検索し、表示検査項目に関連するCAD結果(以下、表示CAD結果を呼ぶことにする)のデータを特定する。
【0033】
確認疾患特定部353は、特定の疾患の識別子を検索キーとしてテーブルデータ読込み部31からの関連疾患テーブルや緊急度テーブルのデータファイルを検索し、関連疾患テーブルや緊急度テーブル上で検索キーに関連付けられた疾患を特定する。特定された疾患は、予め定められたレベルよりも高い関連度の疾患や緊急度の疾患である。このように関連疾患テーブルや緊急度テーブルにより特定された疾患は、他の疾患に比して優先的に確認すべき疾患である。従って、確認疾患特定部353により特定される疾患を確認疾患と呼ぶことにする。なお、特定の疾患の識別子は、特定の疾患の識別子は、CAD結果のデータに含まれる疾患の識別子であっても、ユーザにより入力部37を介して入力された疾患の識別子でもよい。
【0034】
検査確認リスト生成部354は、検査項目特定部351により特定された表示検査項目の検査名を寄与度(優先度)順に並べたリスト(以下、検査確認リストと呼ぶことにする)を生成する。検査確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0035】
CAD結果リスト生成部355は、CAD結果特定部352により特定された表示CAD結果のリスト(以下、CAD結果リストと呼ぶことにする)を生成する。検査確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0036】
所見確認リスト生成部356は、確認疾患特定部353により特定された確認疾患の検査項目について異常の有無を確認可能なリスト(以下、所見確認リストと呼ぶことにする)を生成する。所見確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0037】
チェックリスト構成部357は、検査確認リストのデータやCAD結果リストのデータ、所見確認リストのデータ、医用画像のデータ等を組み合わせてチェックリストのデータを構成する。
【0038】
チェックリスト表示制御部358は、チェックリスト生成部35内の各部を制御して、チェックリストのデータを生成する。生成されたチェックリストのデータは、表示部39に供給される。また、チェックリスト表示制御部358は、入力部37からの指示をチェックリスト上に反映される。例えば、チェックリスト表示制御部358は、入力部37からの指示に応じて種々の項目を強調させたる、所見確認リスト上のチェックボックスにチェックを入れたり外したり、疾患の識別子をチェックリスト上に入力したりする。また、チェックリスト表示制御部358は、CAD結果に含まれる異常領域の座標位置を医用画像上で強調したりする。
【0039】
以下、システム制御部41による制御のもとに行なわれるチェックリストの生成・表示処理の臨床応用例を具体的に説明する。図6は、チェックリストの生成・表示処理の典型的な流れを示す図である。
【0040】
図6に示すように、医師等のユーザが入力部37を介してチェックリストの表示を画像診断支援システム1に要求することにより、チェックリストの生成・表示処理が実行される(ステップS1)。まずCAD10は、診断対象の患者に関する医用画像のデータを取り込んで画像処理して、異常領域のデータや異常値のデータを生成することによりCAD結果のデータを生成する(ステップS2)。以下、説明の簡単のためCAD結果のデータは、異常領域のデータであるとする。
【0041】
ステップS2の段階においてCAD10は、ユーザが必要であると判断した検査項目、例えば、血管造影検査等についてのCAD結果のデータを生成する。血管造影検査の場合におけるCAD結果としては、例えば、医用画像上の狭窄候補領域や梗塞候補領域の座標位置である。生成されたCAD結果データは、患者IDや検査ID等のCAD結果データを特定するための識別子に関連付けられてCAD結果データ記憶部27に記憶される。CAD結果データは、その由来となった医用画像のデータとその医用画像の画像ID(あるいはスライス番号)とに関連付けられている。
【0042】
次にCAD結果データ読込み部33は、診断対象の患者に関するCAD結果データをCAD結果データ記憶部27から読み込む(ステップS3)。具体的には、まず、ユーザは、入力部37を介してCAD結果の識別子を入力する。そしてCAD結果データ読込み部33は、入力された識別子を検索キーとしてCAD結果データ記憶部27を検索し、検索キーに関連付けられたCAD結果データを特定して読み込む。読み込まれたCAD結果データは、チェックリスト生成部35に供給される。なお上記においては、診断対象のCAD結果のデータは、その識別子の入力に応じて読み込まれるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、診断対象のCAD結果のデータが生成されると自動的に読み込まれるとしてもよい。
【0043】
そしてテーブルデータ読込み部31は、各テーブル記憶部21、23、25から各テーブルファイルを読み込む(ステップS4)。読み込まれたテーブルファイルは、チェックリスト生成部35に供給される。
【0044】
CAD結果データ読込み部33からCAD結果データが、テーブルデータ読込み部31からテーブルファイルのデータが供給されるとチェックリスト生成部35は、これらデータに基づいてチェックリストのデータを生成する(ステップS5)。以下、チェックリストの生成処理におけるチェックリスト生成部35の典型的な動作例を説明する。なお、以下の説明を具体的に行なうため、疾患の識別子は疾患の名称、検査項目の識別子は検査項目の名称であるとする。
【0045】
図7は、チェックリストの生成処理におけるチェックリスト生成部35の動作の典型的な流れを示す図である。図7に示すように、まず、チェックリスト生成部35のチェックリスト表示制御部358は、疾患の名称が入力されることを待機している(ステップS501)。待機中、表示部39には図8のような疾患名の入力を促す画面が表示される。この表示画像には、疾患名の入力欄RI1と確定ボタンB1が表示される。入力欄RI1には、ユーザが診断対象の患者が患っていると疑っている疾患名が入力部37を介して入力される。
【0046】
入力欄RI1に疾患名が入力され、確定ボタンB1が入力部37を介して押される(ステップS501:YES)、チェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に第1の特定処理を行なわせる(ステップS502)。ステップS502において検査項目特定部351は、入力された疾患の名称を検索キーとして寄与度テーブルを検索し、このデータファイル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。この段階においては、ステップS501において入力された疾患に臨床学的に関連する全ての検査項目が特定される。
【0047】
関連する検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に表示検査項目の特定処理を行なわせる(ステップS503)。ステップS503において検査項目特定部351は、ステップS502において特定された検査項目同士の寄与度を比較し、優先的に表示させる検査項目(表示検査項目)を特定する。具体的には、検査項目特定部351は、所定の寄与度を有する検査項目を表示検査項目に設定する。例えば、所定の寄与度としては、例えば、ステップS502において入力された疾患に強い関連性のあるレベル、図2におけるレベル5である。この所定の寄与度は、予め設定されていてもよいし、入力部37を介してユーザにより任意に設定可能である。
【0048】
表示検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査確認リスト生成部354に検査確認リストの生成処理を行なわせる(ステップS504)。ステップS504において検索確認リスト生成部354は、ステップS503において特定された表示検査項目に関する検査確認リストのデータを生成する。生成された検査確認リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0049】
図9は、生成される検査確認リストの一例を示す図である。図9に示すように、検査確認リストは、例えば、検査項目欄、優先度欄、確認欄を有する。検査項目欄には、優先度や寄与度の高い検査項目の名称が上から順番に配列される。例えば図9においては、寄与度の大きい方から順番に血管造影検査(梗塞)、血液(一般)、血液(生化学)が上から順番に配列される。各検査項目の優先度は、診断対象の疾患やユーザにより決定される。ある疾患を診断する際、必ず確認すべき検査項目には「必須」、必須の確認事項ではない検査項目には「非必須」が割当てられる。例えば、最高レベルである寄与度5の検査項目には自動的に「必須が割当てられ、その他の寄与度の検査項目には自動的に「非必須」が割当てられる。確認項目には、その検査項目が確認済みの場合「確認」が割当てられ、まだ確認されていない場合「未確認」が割当てられる。なお優先度の替わりに寄与度が表示されてもよい。
【0050】
またステップS503において表示検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、CAD結果特定部352に表示CAD結果の特定処理を行なわせる(ステップS505)。ステップS505においてCAD結果特定部352は、ステップS503において特定された表示検査項目の識別子を検索キーとしてCAD結果データ読込み部33からのCAD結果のデータを検索し、表示検査項目に関連付けられた表示CAD結果のデータを特定する。すなわちステップS505において、表示検査項目に関するCAD結果のデータが特定される。
【0051】
表示CAD結果が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、CAD結果リスト生成部355にCAD結果リストの生成処理を行なわせる(ステップS506)。ステップS506においてCAD結果リスト生成部355は、特定された表示CAD結果に関するCAD結果リストのデータを生成する。生成されたCAD結果リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0052】
図10は、検査項目「血管造影検査」に関するCAD結果リストの一例を示す図である。図10に示すように、CAD結果確認リストは、例えば、CAD結果欄や所見欄を有する。CAD結果欄には、例えば、その検査項目に関する複数のCAD結果を互いに区別するためにCAD10等により割当てられたCAD結果の名称が表示される。例えば、検査項目「血管造影検査」におけるCAD結果は梗塞候補領域であるので、CAD結果欄には「梗塞候補1」や「梗塞候補2」等が表示される。CAD結果の名称には、そのCAD結果のデータが関連付けられている。例えば、「梗塞候補1」には、それに対応する梗塞候補領域の座標位置のデータが関連付けられている。所見欄には、CAD結果に基づいてのユーザの判断(所見)が示される。所見は、例えば、ユーザにより入力部27を介して入力される。
【0053】
また、ステップS501において疾患名が入力されると(ステップS501:YES)、チェックリスト表示制御部358は、確認疾患特定部353に確認疾患の特定処理を行なわせる(ステップS507)。ステップS507において確認疾患特定部353は、入力された疾患名を検索キーとして関連疾患テーブルのデータファイルを検索し、関連疾患テーブル上で検索キーに関連付けられ且つ関連度の高い疾患を特定する。例えば、最高レベルである関連度5の疾患が特定される。次に確認疾患特定部353は、特定された疾患の名称を検索キーとして緊急度テーブルのデータファイルを検索し、緊急度の高い疾患を特定する。このようにして特定された疾患は、ステップS501において入力された疾患に対しての関連度が高く且つ緊急度の高い疾患(確認疾患)である。
【0054】
確認疾患が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に第2の検査項目の特定処理を行なわせる(ステップS508)。ステップS508において検査項目特定部351は、確認疾患の名称を検索キーとして寄与度テーブルのデータファイルを検索し、このデータファイル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。特定された検査項目は、確認疾患について診断するうえで必要な検査項目である。また特定された検査項目が多い場合は、ステップS503のように検査項目同士の寄与度を比較することにより、検査項目を寄与度の高いもののみに限定してもよい。
【0055】
検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、所見確認リスト生成部356に所見確認リストの生成処理を行なわせる(ステップS508)。ステップS508において所見確認リスト生成部358は、ステップS507において特定された検査項目について所見確認リストのデータを生成する。生成された所見確認リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0056】
図11は、所見確認リストの一例を示す図である。図11に示すように、所見確認リストは、複数の所見の確認項目を有する。確認項目は、検査項目ごとに予め階層的に用意されている。例えば、検査項目「腸壊死」の場合、図11に示すように、確認項目「腸壊死箇所の有無」があり、その下層に確認項目「腸壊死箇所の有無」についてさらに詳細に確認するための確認項目「腹水の色」と「MR High Intencity」とがある。各確認項目の横には、対応する確認項目に異常がある場合にチェックされるチェックボックスBO1と異常がない場合にチェックされるチェックボックスBO2とが設けられる。また、確認項目の上部には、確認項目を確認した上でのユーザによる総合的な判断(所見)が入力される入力欄RI2が設けられる。
【0057】
ステップS504、S506、S509が行なわれるとチェックリスト表示制御部358は、チェックリスト構成部357にチェックリストの構成処理を行なわせる(ステップS510)。ステップS510においてチェックリスト構成部357は、検査確認リスト、CAD結果リスト、及び所見確認リスト等を組み合わせてチェックリストのデータを生成する。生成されたチェックリストのデータは表示部39に供給される。
【0058】
このようにチェックリストのデータが生成されると、チェックリスト生成部35によるチェックリストの生成処理が終了する。
【0059】
再び図6に戻ってシステム制御部41による制御のもとに行なわれるチェックリストの生成・表示処理の説明の続きを行なう。
【0060】
ステップS5においてチェックリスト生成部35によりチェックリストのデータが生成されると表示部39は、チェックリストを表示する(ステップS6)。表示部39はチェックリストを表示することで、ユーザに確認疾患に関する確認項目の確認を促す。
【0061】
図12は、チェックリストの一例を示す図である。図12に示すように、チェックリストには、検査確認リストR1、CAD結果リストR2、医用画像R3、及び所見確認リストR4を有する。上述のように検査確認リストR1には、優先度の高い検査項目が上から順番に表示される。これによりユーザは、優先して確認すべき検査項目を迅速に確認できる。検査項目に関するCAD結果リストが表示された場合には「確認済み」が、まだ表示されていない場合には「未確認」が確認欄に表示される。この確認欄を参照することでユーザは、その検査項目を確認したか否かを一目瞭然に把握できる。
【0062】
初期的に表示されるCAD結果リストR2には、検査確認リストR1に表示されている検査項目の中の最も優先すべき検査項目に関するCAD結果のリストが表示される。典型的には、最上位に表示されている検査項目に関するCAD結果のリストが表示される。CAD結果リストR2の横には、医用画像R3が表示される。初期的に表示される医用画像R3は、CAD結果リストR2の最上位にCAD結果に関連付けられた医用画像である。
【0063】
医用画像R3を表示する際、表示部39は、CAD結果に含まれる異常領域の医用画像R3上における座標位置P1を特定し、特定された座標位置をハイライト(強調)して表示される。ハイライトの方法としては、例えば、異常領域の座標位置P1の色や輝度を変化させたり、点滅させたりするとよい。また、他の方法としては、異常領域の輪郭のみを強調したり、矢印等で座標位置P1を指し示したりしてもよい。このように異常領域の座標位置P1をハイライト表示することにより、ユーザに異常領域を一目瞭然に把握させることができる。
【0064】
上述のように、所見確認リストR4は、初期的には、確認疾患に関する確認すべき検査項目に関する所見確認リストが表示される。確認項目は、確認疾患への寄与度の高い順に上から表示されているので、ユーザによる必須の確認項目の確認し忘れを防止できる。また、確認項目の横にチェックボックスBO1とBO2とを表示させることにより、確認項目の確認をユーザに促すことができる。このように、確認疾患に関する検査項目の異常の有無を、寄与度順に従ってチェックリスト形式で表示することで、専門医のユーザだけでなく専門医でないユーザに対してもより迅速に診断を確認させることができる。
【0065】
チェックリストを確認するとユーザは、チェックリスト上で入力部37を介して診断の確定のため種々の操作をする。チェックリスト生成部35(チェックリスト表示制御部358)は、ユーザからの操作に応じてチェックリストを更新し(ステップS8)、表示部39は、更新されたチェックリストを表示する(ステップS9)。
【0066】
例えば、検査項目欄上の検査項目の名称がマウス(入力部37)等によりクリックされることを契機として、表示部39は、CAD結果リストR2を切り替える。具体的には、クリックされた名称に対応する検査項目に関するCAD結果リストを表示する。また、検査項目欄上の検査項目の名称がクリックされることを契機として、表示部39は、確認欄における「確認済み」と「未確認」とを切り替える。
【0067】
またCAD結果欄上のCAD結果の名称(例えば、図12における「梗塞候補1」等)がユーザによりクリックされることを契機としてチェックリスト表示制御部358は、クリックされた名称に対応するCAD結果に関連付けられた異常領域のスライス番号と座標とを特定する。そして表示部39は、特定されたスライス番号を有する医用画像R3を表示し、表示された医用画像R3上における異常領域の座標位置P1をハイライトして表示する。
【0068】
またユーザによりハイライト箇所にマウスカーソルが合わされること(マウスカーソルの先端座標がハイライトの座標領域に含まれること)を契機として、表示部39は、その異常領域に関する所見確認リストR4を表示する。
【0069】
また、所見の入力欄RI2に疾患名が入力されるとチェックリスト生成部35は、ステップS507、S508、及びS509の順に処理をし、入力された疾患名に基づく確認疾患と、その検査項目とを特定し、新たな所見確認リストを生成する。
【0070】
なお上述のように確認項目は、階層的に用意されている。これら全階層の確認項目が初期的に所見確認リストR4上に表示される必要はない。例えば、初期的には最上層の確認項目のみが表示されるとしてもよい。この場合、下層の確認項目は、その上層の確認項目選択されることを契機としてチェックリスト生成部35により所見確認欄R4に新たに設けられ、表示部39に表示される。なおチェックボックスBO1へのチェックは、ユーザにより入力部37を介して入力される。チェックボックスBO2にチェックが入れられてもその下層の確認項目は表示されない。図12を参照しながら具体的に説明する。図12の場合、最上の確認項目は、「腸壊死箇所の有無」や「穿孔箇所の有無」であり、初期的にはこれら最上の確認項目のみが表示され、確認項目「腹水の色」や「MR High Intensity」、「フリーエア」は表示されない。そしてユーザにより入力部37を介して「腸壊死箇所の有無」や「穿孔箇所の有無」に対応するチェックボックスBO1にチェックが入れられることを契機として、その下層の確認項目「腹水の色」や「MR High Intensity」、「フリーエア」が表示される。 このようにユーザ操作に応じてチェックリストを更新することで、ユーザ所望の検査項目や確認項目等のチェックリスト上の情報を動的に表示することができる。
【0071】
更新作業が行なわれている間チェックリスト生成部35は、確認する必要性の高い検査項目の中でまだ実施していない(未オーダの)検査項目があるか否かを判定している(ステップS10)。未実施の検査項目がある場合(ステップS10:YES)チェックリスト生成部35は、未実施の検査項目がなくなるまで待機している。この間表示部39は、未実施の検査項目の横に未実施である旨の情報を表示する。例えば、未実施の検査項目の名称の文字を反転表示させたり点滅させたり、あるいは文字の色を変えて表示する。このようにして表示部39は、未実施の検査を実施するようにユーザを促す。この際、表示部39は、図示しないオーダリングシステム等からのオーダ情報に従って、未実施の検査をするためのモダリティの空き情報を表示するとよい。例えば、未実施の検査項目として血管造影検査がある場合、表示部39は、X線診断装置が空いているとか、空いてない旨の情報を表示する。
【0072】
未実施の検査項目がある判定されるとCAD10は、未実施の検査項目が実行されるのを待機する(ステップS11)。そしてユーザにより未実施の検査項目について検査が実施されると(ステップS11:YES)、実施された検査項目に関するCAD結果のデータを生成する(ステップS2)。そして再びステップS3〜S10が繰り返される。このようにしてステップS2〜S11が繰り返され、確認する必要性の高い検査項目の中に未実施の検査項目がなくなると(ステップS10:NO)、チェックリスト生成・表示処理が終了する。
【0073】
チェックリスト生成・表示処理の終了後、チェックリストのデータは図示しない記憶部に記憶される。このチェックリストは、必要に応じて読み出され、観察や診断に利用される。
【0074】
上記構成により画像診断支援システム1は、ユーザが疑っている疾患に関連し、緊急性を有する疾患(確認疾患)を特定し、特定された確認疾患への診断確定に対する寄与度が大きい検査項目を特定する。そして、特定された検査項目についての異常の有無を確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する。これにより、ユーザによる疾患の見落としを防止したり、ユーザに緊急性の高い確認項目を優先して確認するように促したりする。
【0075】
かくして本実施形態によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することが可能となる。
【0076】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0077】
(変形例1)
上記実施形態においては、入力部27を介して入力された疾患の名称に基づいて確認疾患を特定した。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、チェックリスト生成部35は、CAD結果に含まれる疾患の名称を検索キーとして緊急度テーブルを検索し、この検索キーが所定の緊急度を有しているか否かを判定する。そして所定の緊急度を有していると判定された場合、チェックリスト生成部35は、その疾患を確認疾患とし、上記実施形態と同様にして、確認疾患の名称に寄与度テーブル上で関連付けられた検査項目を特定し、確認疾患に関する所見確認リストのデータを生成する。そして表示部39は、生成された所見確認リストを表示する。すなわち表示部39は、特定された検査項目について異常があるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する。このように緊急性を有する疾患に関する所見確認リストを自動的に生成して表示することにより、ユーザに対して迅速に所見の確認を促すことができる。従って、緊急時においても迅速且つ確実な画像診断を行なうことができる。なお緊急度テーブルと関連疾患テーブルとの両方を利用して確認疾患を特定してもよい。
【0078】
(変形例2)
本実施形態に係る画像診断支援システム1は、図1に示すように、CAD、サーバ装置、及び画像処理装置から構成されるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、図1に示す構成要素を含む1つのコンピュータ装置(具体的には、図1のCAD、サーバ装置、又は画像表示装置)であってもよい。
【0079】
(変形例3)
本実施形態に係る画像診断支援システム1は、CAD10により生成されたCAD結果を表示するとしたが、本実施形態はこれのみに限定されない。例えば、生化学検査による検査結果をCAD結果として表示してもよい。この場合、CAD結果の異常値は、生化学検査における検査項目の測定値のうち、自動分析装置等により異常であると判定された値である。
【0080】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上本発明によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムの提供を実現することができる。
【符号の説明】
【0082】
1…画像診断支援システム、10…CAD、20…サーバ装置、21…寄与度テーブル記憶部、23…関連疾患テーブル記憶部、25…緊急度テーブル記憶部、27…CAD結果データ記憶部、30…画像表示装置、31…テーブルデータ読込み部、33…CAD結果データ読込み部、35…チェックリスト生成部、37…入力部、39…表示部、41…システム制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAD(Computer Aided Diagnosis System)により生成されたデータを利用して医師等の画像診断を支援する画像診断支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CADは、X線CT装置や磁気共鳴イメージング装置により生成された医用画像を画像処理し、医用画像に含まれる異常領域を検出し、検出された異常領域から異常値を算出する。そしてCADは、検出された異常領域を強調表示したり、異常値を医師等に提示したりすることにより画像診断を支援している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
患者に複数の疾病が重なっていると、CADが指摘する異常領域や異常値の数が膨大になってしまう。従って、医師は、CADにより提示された膨大な量の情報の中から有益な情報を判別しなければならない。これは医師にとって手間であり、CADを利用した画像診断における効率の向上が望まれている。
【0004】
また、患者の容態に応じた分野を専門とする医師ではなく、他の分野を専門とする医師がその患者を診なければならない時がある。専門分野の医師であれば、これら膨大な情報の中から有益な情報のみを分析して、診断を確定できると考えられる。しかし、専門分野でない医師の場合、有益な情報とそうでない情報とを判別し難く、より多くの情報を参照することとなる。従って、CADを利用しても短時間で診断を確定することが困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008―142532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1局面に係る画像診断支援システムは、疾患の識別子と前記疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた第1テーブルを記憶する第1記憶部と、前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、前記疾患の識別子のうちの、ユーザにより入力された疾患の識別子に前記第1テーブル上で関連付けられた他の疾患の識別子を特定する第1特定部と、前記特定された識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する第2特定部と、前記特定された検査項目について異常があるか否か確認するための所見の確認項目を有する表示画像のデータを生成する生成部と、前記生成された表示画像を表示する表示部と、を具備する。
【0008】
本発明の第2局面に係る画像診断支援システムは、疾患の識別子と前記疾患の緊急度とを関連付けた第1テーブルを記憶する記憶部と、前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、前記疾患の識別子のうちの検査対象の疾患が所定の緊急度を有するか否かを前記第1テーブルに基づいて判定する判定部と、前記判定部により前記検査対象の疾患が前記所定の緊急度を有すると判定された場合、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する特定部と、前記特定された検査項目について異常あるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する表示部と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像診断支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1の寄与度テーブル記憶部に記憶されている寄与度テーブルの一例を示す図。
【図3】図1の関連疾患テーブル記憶部に記憶されている関連疾患テーブルの一例を示す図。
【図4】図1の緊急度テーブル記憶部に記憶されている緊急度テーブルの一例を示す図。
【図5】図1のチェックリスト生成部の構成を示す図。
【図6】図1の画像診断支援システムによる動作の流れの典型例を示す図。
【図7】図6のステップS5の流れの典型例を示す図である。
【図8】図7のステップS501において表示される画面例を示す図。
【図9】図7のステップS504において生成される検査確認リストの一例を示す図。
【図10】図7のステップS506において生成されるCAD結果リストの一例を示す図。
【図11】図7のステップS509において生成される所見確認リストの一例を示す図。
【図12】図6のステップS7において表示されるチェックリストの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わる画像診断支援システムを説明する。本実施形態に係る画像診断支援システムは、医師による画像診断を支援するためのコンピュータネットワークシステムである。
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像診断支援システム1の構成を示す図である。図1に示すように、画像診断支援システム1は、互いにネットワークを介して接続されたCAD(Computer Aided Diagnosis System)10とサーバ装置20と画像表示装置30とを含む。
【0013】
CAD10は、医師等のユーザによる画像診断を支援するために、X線CT装置や磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等により生成された医用画像のデータをCAD独自のアルゴリズムで画像処理するコンピュータ端末である。具体的には、CAD10は、医用画像のデータに含まれる病変部の候補として異常領域を抽出し、抽出された異常領域の座標位置や異常値を算出する。そしてCAD10は、算出された異常領域の座標位置や異常値等の臨床データ(以下、CAD結果のデータと呼ぶことにする)を医用画像のデータとともにサーバ装置20に送信する。
【0014】
CAD結果のデータは、画像診断における検査項目ごとに管理される。CAD結果は、具体的には、異常領域の座標位置や、異常値、異常値の概要説明、異常値の評価方法、疑いのある疾患の識別子を含む。異常領域の座標位置は、具体的には、医用画像上の座標やサイズに関する。異常値は、異常領域に関する様々な項目の特徴量のうちの、異常であるとCADにより評価された特徴量の値である。異常値の概要説明は、例えば、異常値に関する特徴量の概要説明である。異常値の評価方法は、異常有無の評価方法は、CADにより様々である。例えば、異常有無の評価の際に用いられた閾値と、その閾値を用いた判断基準とである。判断基準は、例えば、閾値以上であれば異常と判断するとか、閾値以下であれば正常(健康)と判断するといったようなものである。疑いのある疾患の識別子は、疑いのある疾患の名称やIDである。
【0015】
サーバ装置20は、様々な疾患に関する基礎情報や、患者に関するCAD結果のデータを管理するサーバコンピュータである。具体的には、サーバ装置20は、寄与度テーブル記憶部21、関連疾患テーブル記憶部23、緊急度テーブル記憶部25、及びCAD結果データ記憶部27を備える。
【0016】
寄与度テーブル記憶部21は、各疾患についての検査項目の寄与度を定義したテーブル(以下、寄与度テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。寄与度は、ある検査項目のある疾患に対する診断確定への寄与度合を示す指標である。寄与度が高ければ高いほど、他の寄与度の検査項目に比して優先的に検査・確認すべきである。寄与度テーブルは、検査項目の識別子に対して、その検査項目に関連する疾患の識別子と、その検査項目のその疾患への寄与度とを関連付けている。また、寄与度テーブルは、検査項目の識別子に、その検査項目の評価方法のデータを関連付けている。
【0017】
図2は、急性腹症に関する寄与度テーブルの一例を示す図である。なお急性腹症とは、突発的な腹痛を主症状とする腹部疾患群である。図2に示すように、急性腹症に関する疾患としては、例えば、消化管穿孔や、腸管壊死、腸閉塞、絞扼性イレウス等がある。また、これら疾患に関する検査項目としては、フリーエア、腹水(CT画像)、腹水穿刺、血管造影等がある。そして各検査項目の各疾患への寄与度が5段階、すなわちレベル1(関連性なし)〜レベル5(強い関連性あり)で定義されている。例えば、フリーエアの消化管穿孔への寄与度は、大きくレベル5である。従って、消化管穿孔が疑われたら、フリーエアが認められるか否かを他の検査項目(例えば、腹水が認められるか否か)に比して優先的に確認すべきである。なお、上記の寄与度テーブルは、寄与度を5段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち寄与度を5より少ない段階、あるいは5より多い段階に分けてもよい。例えば、寄与度を2段階、すなわちレベル1(関連性なし)とレベル2(関連性あり)とでもよい。
【0018】
関連疾患テーブル記憶部23は、疾患同士の関連度を定義したテーブル(以下、関連疾患テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。関連度とは、疾患同士の因果関係や相関関係を示す指標である。関連度が高いほど疾患同士の因果関係や相関関係が強いことを示し、一方の疾患が認められた場合、他方の疾患を併発している可能性が高い。関連疾患テーブルは、具体的には、疾患の識別子と、その疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けている。
【0019】
図3は、急性腹症に関する関連疾患テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、関連疾患テーブルは、疾患同士の関連度を5段階、すなわちレベル1(関連性なし)〜レベル5(因果関係あり)で定義している。例えば、腸管膜動静脈血栓症と腹部大動脈瘤破裂との関連度は、レベル4である。なお、上記の関連度テーブルは、関連度を5段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち関連度を5より少ない段階、あるいは5より多い段階に分けてもよい。例えば、関連度を2段階、すなわちレベル1(因果関係なし)とレベル2(因果関係あり)とでもよい。
【0020】
緊急度テーブル記憶部25は、疾患の緊急度を定義したテーブル(以下、緊急度テーブルと呼ぶことにする)のデータファイルを記憶する。緊急度とは、致死性の度合を示す指標である。緊急度が高いほど致死性が高く、緊急で治療・検査すべきである。具体的には、緊急度テーブルは、疾患の識別子と、その疾患の緊急度とを関連付けている。
【0021】
図4は、急性腹症に関する疾患の緊急度テーブルの一例を示す図4である。図4に示すように、緊急度テーブルは、疾患の緊急度を3段階、すなわちレベル1(保存的治療)、レベル2(保存的治療又は緊急手術)、レベル3(緊急手術)で定義している。例えば、レベル3に属する疾患は、消化管穿孔、絞扼性イレウス、腸管壊死、腹部大動脈瘤破裂、子宮外妊娠破裂等である。なお、上記の緊急度テーブルは、緊急度を3段階で定義しているが、これに限定されない。すなわち緊急度を3より少ない段階、あるいは3より多い段階に分けてもよい。例えば、緊急度を2段階、すなわちレベル1(緊急手術の必要なし)とレベル2(緊急手術の必要あり)とでもよい。
【0022】
CAD結果データ記憶部27は、CAD10から送信されたCAD結果のデータを記憶する。CAD結果は、検査項目の識別子に関連付けられて記憶される。また、CAD結果データ記憶部27は、CAD結果のデータに関連付けて医用画像のデータを記憶する。
【0023】
画像表示装置30は、画像診断を支援するために、CAD結果を本実施形態に係る表示レイアウトで表示するコンピュータ端末である。具体的には、画像表示装置30は、テーブルデータ読込み部31、CAD結果データ読込み部33、チェックリスト生成部35、入力部37、表示部39、及びシステム制御部41を有する。
【0024】
テーブルデータ読込み部31は、システム制御部41からの制御のもと、サーバ装置20の寄与度テーブル記憶部21から寄与度テーブルのデータファイルを、関連疾患テーブル記憶部23から関連疾患テーブルのデータファイルを、緊急度テーブル記憶部25から緊急度テーブルのデータファイルを読み込むモジュールである。読み込まれたデータファイルは、システム制御部41によりチェックリスト生成部35に供給される。
【0025】
CAD結果データ読込み部33は、システム制御部41による制御のもと、CAD結果データ記憶部33からCAD結果のデータと医用画像のデータを読み込むモジュールである。読み込まれたCAD結果のデータは、システム制御部41によりチェックリスト生成部35に供給される。
【0026】
チェックリスト生成部35は、テーブルデータ読込み部31からのデータファイルやCAD結果データ読込み部33からのCAD結果のデータに基づいて、関連度や緊急度に応じた優先順位を反映させた検査項目のチェックリストのデータを生成するモジュールである。生成されたチェックリストのデータは、システム制御部41により表示部39に供給される。
【0027】
入力部37は、ユーザによるシステム制御部41への指示を入力する。入力部37としては、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチキーパネル等の入力デバイスが適宜利用可能である。
【0028】
表示部39は、チェックリスト生成部35により生成されたチェックリストのデータを表示する。表示部39としては、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機EL(electro luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスが適宜利用可能である。
【0029】
システム制御部41は、画像診断支援システム1の中枢として機能する。システム制御部41は、入力部37からのチェックリストの表示指示を受けて各部を制御し、本実施形態に特有のチェックリストの生成・表示処理を実行する。
【0030】
図5は、チェックリスト生成部35の構成を示す図である。図5に示すように、チェックリスト生成部35は、検査項目特定部351、CAD結果特定部352、確認疾患特定部353、検査確認リスト生成部354、CAD結果リスト生成部355、所見リスト生成部356、チェックリスト構成部357、及びチェックリスト表示制御部358を有する。
【0031】
検査項目特定部351は、特定の疾患の識別子を検索キーとしてテーブルデータ読込み部31からの寄与度テーブルのデータファイルを検索し、寄与度テーブルに含まれる検査項目の中から、寄与度テーブル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。そして検査項目特定部351は、特定された検査項目の中から、優先して表示すべき検査項目(以下、表示検査項目と呼ぶことにする)を寄与度に従って特定する。特定の疾患の識別子は、CAD結果に含まれる疾患の識別子であっても、確認疾患特定部353により特定された疾患の識別子であっても、ユーザにより入力部37を介して入力された疾患の識別子でもよい。
【0032】
CAD結果特定部352は、特定された表示検査項目の識別子を検索キーとしてCAD結果データ読込み部33からのCAD結果を検索し、表示検査項目に関連するCAD結果(以下、表示CAD結果を呼ぶことにする)のデータを特定する。
【0033】
確認疾患特定部353は、特定の疾患の識別子を検索キーとしてテーブルデータ読込み部31からの関連疾患テーブルや緊急度テーブルのデータファイルを検索し、関連疾患テーブルや緊急度テーブル上で検索キーに関連付けられた疾患を特定する。特定された疾患は、予め定められたレベルよりも高い関連度の疾患や緊急度の疾患である。このように関連疾患テーブルや緊急度テーブルにより特定された疾患は、他の疾患に比して優先的に確認すべき疾患である。従って、確認疾患特定部353により特定される疾患を確認疾患と呼ぶことにする。なお、特定の疾患の識別子は、特定の疾患の識別子は、CAD結果のデータに含まれる疾患の識別子であっても、ユーザにより入力部37を介して入力された疾患の識別子でもよい。
【0034】
検査確認リスト生成部354は、検査項目特定部351により特定された表示検査項目の検査名を寄与度(優先度)順に並べたリスト(以下、検査確認リストと呼ぶことにする)を生成する。検査確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0035】
CAD結果リスト生成部355は、CAD結果特定部352により特定された表示CAD結果のリスト(以下、CAD結果リストと呼ぶことにする)を生成する。検査確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0036】
所見確認リスト生成部356は、確認疾患特定部353により特定された確認疾患の検査項目について異常の有無を確認可能なリスト(以下、所見確認リストと呼ぶことにする)を生成する。所見確認リストは、チェックリストに含まれる表示領域である。
【0037】
チェックリスト構成部357は、検査確認リストのデータやCAD結果リストのデータ、所見確認リストのデータ、医用画像のデータ等を組み合わせてチェックリストのデータを構成する。
【0038】
チェックリスト表示制御部358は、チェックリスト生成部35内の各部を制御して、チェックリストのデータを生成する。生成されたチェックリストのデータは、表示部39に供給される。また、チェックリスト表示制御部358は、入力部37からの指示をチェックリスト上に反映される。例えば、チェックリスト表示制御部358は、入力部37からの指示に応じて種々の項目を強調させたる、所見確認リスト上のチェックボックスにチェックを入れたり外したり、疾患の識別子をチェックリスト上に入力したりする。また、チェックリスト表示制御部358は、CAD結果に含まれる異常領域の座標位置を医用画像上で強調したりする。
【0039】
以下、システム制御部41による制御のもとに行なわれるチェックリストの生成・表示処理の臨床応用例を具体的に説明する。図6は、チェックリストの生成・表示処理の典型的な流れを示す図である。
【0040】
図6に示すように、医師等のユーザが入力部37を介してチェックリストの表示を画像診断支援システム1に要求することにより、チェックリストの生成・表示処理が実行される(ステップS1)。まずCAD10は、診断対象の患者に関する医用画像のデータを取り込んで画像処理して、異常領域のデータや異常値のデータを生成することによりCAD結果のデータを生成する(ステップS2)。以下、説明の簡単のためCAD結果のデータは、異常領域のデータであるとする。
【0041】
ステップS2の段階においてCAD10は、ユーザが必要であると判断した検査項目、例えば、血管造影検査等についてのCAD結果のデータを生成する。血管造影検査の場合におけるCAD結果としては、例えば、医用画像上の狭窄候補領域や梗塞候補領域の座標位置である。生成されたCAD結果データは、患者IDや検査ID等のCAD結果データを特定するための識別子に関連付けられてCAD結果データ記憶部27に記憶される。CAD結果データは、その由来となった医用画像のデータとその医用画像の画像ID(あるいはスライス番号)とに関連付けられている。
【0042】
次にCAD結果データ読込み部33は、診断対象の患者に関するCAD結果データをCAD結果データ記憶部27から読み込む(ステップS3)。具体的には、まず、ユーザは、入力部37を介してCAD結果の識別子を入力する。そしてCAD結果データ読込み部33は、入力された識別子を検索キーとしてCAD結果データ記憶部27を検索し、検索キーに関連付けられたCAD結果データを特定して読み込む。読み込まれたCAD結果データは、チェックリスト生成部35に供給される。なお上記においては、診断対象のCAD結果のデータは、その識別子の入力に応じて読み込まれるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、診断対象のCAD結果のデータが生成されると自動的に読み込まれるとしてもよい。
【0043】
そしてテーブルデータ読込み部31は、各テーブル記憶部21、23、25から各テーブルファイルを読み込む(ステップS4)。読み込まれたテーブルファイルは、チェックリスト生成部35に供給される。
【0044】
CAD結果データ読込み部33からCAD結果データが、テーブルデータ読込み部31からテーブルファイルのデータが供給されるとチェックリスト生成部35は、これらデータに基づいてチェックリストのデータを生成する(ステップS5)。以下、チェックリストの生成処理におけるチェックリスト生成部35の典型的な動作例を説明する。なお、以下の説明を具体的に行なうため、疾患の識別子は疾患の名称、検査項目の識別子は検査項目の名称であるとする。
【0045】
図7は、チェックリストの生成処理におけるチェックリスト生成部35の動作の典型的な流れを示す図である。図7に示すように、まず、チェックリスト生成部35のチェックリスト表示制御部358は、疾患の名称が入力されることを待機している(ステップS501)。待機中、表示部39には図8のような疾患名の入力を促す画面が表示される。この表示画像には、疾患名の入力欄RI1と確定ボタンB1が表示される。入力欄RI1には、ユーザが診断対象の患者が患っていると疑っている疾患名が入力部37を介して入力される。
【0046】
入力欄RI1に疾患名が入力され、確定ボタンB1が入力部37を介して押される(ステップS501:YES)、チェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に第1の特定処理を行なわせる(ステップS502)。ステップS502において検査項目特定部351は、入力された疾患の名称を検索キーとして寄与度テーブルを検索し、このデータファイル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。この段階においては、ステップS501において入力された疾患に臨床学的に関連する全ての検査項目が特定される。
【0047】
関連する検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に表示検査項目の特定処理を行なわせる(ステップS503)。ステップS503において検査項目特定部351は、ステップS502において特定された検査項目同士の寄与度を比較し、優先的に表示させる検査項目(表示検査項目)を特定する。具体的には、検査項目特定部351は、所定の寄与度を有する検査項目を表示検査項目に設定する。例えば、所定の寄与度としては、例えば、ステップS502において入力された疾患に強い関連性のあるレベル、図2におけるレベル5である。この所定の寄与度は、予め設定されていてもよいし、入力部37を介してユーザにより任意に設定可能である。
【0048】
表示検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査確認リスト生成部354に検査確認リストの生成処理を行なわせる(ステップS504)。ステップS504において検索確認リスト生成部354は、ステップS503において特定された表示検査項目に関する検査確認リストのデータを生成する。生成された検査確認リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0049】
図9は、生成される検査確認リストの一例を示す図である。図9に示すように、検査確認リストは、例えば、検査項目欄、優先度欄、確認欄を有する。検査項目欄には、優先度や寄与度の高い検査項目の名称が上から順番に配列される。例えば図9においては、寄与度の大きい方から順番に血管造影検査(梗塞)、血液(一般)、血液(生化学)が上から順番に配列される。各検査項目の優先度は、診断対象の疾患やユーザにより決定される。ある疾患を診断する際、必ず確認すべき検査項目には「必須」、必須の確認事項ではない検査項目には「非必須」が割当てられる。例えば、最高レベルである寄与度5の検査項目には自動的に「必須が割当てられ、その他の寄与度の検査項目には自動的に「非必須」が割当てられる。確認項目には、その検査項目が確認済みの場合「確認」が割当てられ、まだ確認されていない場合「未確認」が割当てられる。なお優先度の替わりに寄与度が表示されてもよい。
【0050】
またステップS503において表示検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、CAD結果特定部352に表示CAD結果の特定処理を行なわせる(ステップS505)。ステップS505においてCAD結果特定部352は、ステップS503において特定された表示検査項目の識別子を検索キーとしてCAD結果データ読込み部33からのCAD結果のデータを検索し、表示検査項目に関連付けられた表示CAD結果のデータを特定する。すなわちステップS505において、表示検査項目に関するCAD結果のデータが特定される。
【0051】
表示CAD結果が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、CAD結果リスト生成部355にCAD結果リストの生成処理を行なわせる(ステップS506)。ステップS506においてCAD結果リスト生成部355は、特定された表示CAD結果に関するCAD結果リストのデータを生成する。生成されたCAD結果リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0052】
図10は、検査項目「血管造影検査」に関するCAD結果リストの一例を示す図である。図10に示すように、CAD結果確認リストは、例えば、CAD結果欄や所見欄を有する。CAD結果欄には、例えば、その検査項目に関する複数のCAD結果を互いに区別するためにCAD10等により割当てられたCAD結果の名称が表示される。例えば、検査項目「血管造影検査」におけるCAD結果は梗塞候補領域であるので、CAD結果欄には「梗塞候補1」や「梗塞候補2」等が表示される。CAD結果の名称には、そのCAD結果のデータが関連付けられている。例えば、「梗塞候補1」には、それに対応する梗塞候補領域の座標位置のデータが関連付けられている。所見欄には、CAD結果に基づいてのユーザの判断(所見)が示される。所見は、例えば、ユーザにより入力部27を介して入力される。
【0053】
また、ステップS501において疾患名が入力されると(ステップS501:YES)、チェックリスト表示制御部358は、確認疾患特定部353に確認疾患の特定処理を行なわせる(ステップS507)。ステップS507において確認疾患特定部353は、入力された疾患名を検索キーとして関連疾患テーブルのデータファイルを検索し、関連疾患テーブル上で検索キーに関連付けられ且つ関連度の高い疾患を特定する。例えば、最高レベルである関連度5の疾患が特定される。次に確認疾患特定部353は、特定された疾患の名称を検索キーとして緊急度テーブルのデータファイルを検索し、緊急度の高い疾患を特定する。このようにして特定された疾患は、ステップS501において入力された疾患に対しての関連度が高く且つ緊急度の高い疾患(確認疾患)である。
【0054】
確認疾患が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、検査項目特定部351に第2の検査項目の特定処理を行なわせる(ステップS508)。ステップS508において検査項目特定部351は、確認疾患の名称を検索キーとして寄与度テーブルのデータファイルを検索し、このデータファイル上で検索キーに関連付けられた検査項目を特定する。特定された検査項目は、確認疾患について診断するうえで必要な検査項目である。また特定された検査項目が多い場合は、ステップS503のように検査項目同士の寄与度を比較することにより、検査項目を寄与度の高いもののみに限定してもよい。
【0055】
検査項目が特定されるとチェックリスト表示制御部358は、所見確認リスト生成部356に所見確認リストの生成処理を行なわせる(ステップS508)。ステップS508において所見確認リスト生成部358は、ステップS507において特定された検査項目について所見確認リストのデータを生成する。生成された所見確認リストのデータは、チェックリスト構成部357に供給される。
【0056】
図11は、所見確認リストの一例を示す図である。図11に示すように、所見確認リストは、複数の所見の確認項目を有する。確認項目は、検査項目ごとに予め階層的に用意されている。例えば、検査項目「腸壊死」の場合、図11に示すように、確認項目「腸壊死箇所の有無」があり、その下層に確認項目「腸壊死箇所の有無」についてさらに詳細に確認するための確認項目「腹水の色」と「MR High Intencity」とがある。各確認項目の横には、対応する確認項目に異常がある場合にチェックされるチェックボックスBO1と異常がない場合にチェックされるチェックボックスBO2とが設けられる。また、確認項目の上部には、確認項目を確認した上でのユーザによる総合的な判断(所見)が入力される入力欄RI2が設けられる。
【0057】
ステップS504、S506、S509が行なわれるとチェックリスト表示制御部358は、チェックリスト構成部357にチェックリストの構成処理を行なわせる(ステップS510)。ステップS510においてチェックリスト構成部357は、検査確認リスト、CAD結果リスト、及び所見確認リスト等を組み合わせてチェックリストのデータを生成する。生成されたチェックリストのデータは表示部39に供給される。
【0058】
このようにチェックリストのデータが生成されると、チェックリスト生成部35によるチェックリストの生成処理が終了する。
【0059】
再び図6に戻ってシステム制御部41による制御のもとに行なわれるチェックリストの生成・表示処理の説明の続きを行なう。
【0060】
ステップS5においてチェックリスト生成部35によりチェックリストのデータが生成されると表示部39は、チェックリストを表示する(ステップS6)。表示部39はチェックリストを表示することで、ユーザに確認疾患に関する確認項目の確認を促す。
【0061】
図12は、チェックリストの一例を示す図である。図12に示すように、チェックリストには、検査確認リストR1、CAD結果リストR2、医用画像R3、及び所見確認リストR4を有する。上述のように検査確認リストR1には、優先度の高い検査項目が上から順番に表示される。これによりユーザは、優先して確認すべき検査項目を迅速に確認できる。検査項目に関するCAD結果リストが表示された場合には「確認済み」が、まだ表示されていない場合には「未確認」が確認欄に表示される。この確認欄を参照することでユーザは、その検査項目を確認したか否かを一目瞭然に把握できる。
【0062】
初期的に表示されるCAD結果リストR2には、検査確認リストR1に表示されている検査項目の中の最も優先すべき検査項目に関するCAD結果のリストが表示される。典型的には、最上位に表示されている検査項目に関するCAD結果のリストが表示される。CAD結果リストR2の横には、医用画像R3が表示される。初期的に表示される医用画像R3は、CAD結果リストR2の最上位にCAD結果に関連付けられた医用画像である。
【0063】
医用画像R3を表示する際、表示部39は、CAD結果に含まれる異常領域の医用画像R3上における座標位置P1を特定し、特定された座標位置をハイライト(強調)して表示される。ハイライトの方法としては、例えば、異常領域の座標位置P1の色や輝度を変化させたり、点滅させたりするとよい。また、他の方法としては、異常領域の輪郭のみを強調したり、矢印等で座標位置P1を指し示したりしてもよい。このように異常領域の座標位置P1をハイライト表示することにより、ユーザに異常領域を一目瞭然に把握させることができる。
【0064】
上述のように、所見確認リストR4は、初期的には、確認疾患に関する確認すべき検査項目に関する所見確認リストが表示される。確認項目は、確認疾患への寄与度の高い順に上から表示されているので、ユーザによる必須の確認項目の確認し忘れを防止できる。また、確認項目の横にチェックボックスBO1とBO2とを表示させることにより、確認項目の確認をユーザに促すことができる。このように、確認疾患に関する検査項目の異常の有無を、寄与度順に従ってチェックリスト形式で表示することで、専門医のユーザだけでなく専門医でないユーザに対してもより迅速に診断を確認させることができる。
【0065】
チェックリストを確認するとユーザは、チェックリスト上で入力部37を介して診断の確定のため種々の操作をする。チェックリスト生成部35(チェックリスト表示制御部358)は、ユーザからの操作に応じてチェックリストを更新し(ステップS8)、表示部39は、更新されたチェックリストを表示する(ステップS9)。
【0066】
例えば、検査項目欄上の検査項目の名称がマウス(入力部37)等によりクリックされることを契機として、表示部39は、CAD結果リストR2を切り替える。具体的には、クリックされた名称に対応する検査項目に関するCAD結果リストを表示する。また、検査項目欄上の検査項目の名称がクリックされることを契機として、表示部39は、確認欄における「確認済み」と「未確認」とを切り替える。
【0067】
またCAD結果欄上のCAD結果の名称(例えば、図12における「梗塞候補1」等)がユーザによりクリックされることを契機としてチェックリスト表示制御部358は、クリックされた名称に対応するCAD結果に関連付けられた異常領域のスライス番号と座標とを特定する。そして表示部39は、特定されたスライス番号を有する医用画像R3を表示し、表示された医用画像R3上における異常領域の座標位置P1をハイライトして表示する。
【0068】
またユーザによりハイライト箇所にマウスカーソルが合わされること(マウスカーソルの先端座標がハイライトの座標領域に含まれること)を契機として、表示部39は、その異常領域に関する所見確認リストR4を表示する。
【0069】
また、所見の入力欄RI2に疾患名が入力されるとチェックリスト生成部35は、ステップS507、S508、及びS509の順に処理をし、入力された疾患名に基づく確認疾患と、その検査項目とを特定し、新たな所見確認リストを生成する。
【0070】
なお上述のように確認項目は、階層的に用意されている。これら全階層の確認項目が初期的に所見確認リストR4上に表示される必要はない。例えば、初期的には最上層の確認項目のみが表示されるとしてもよい。この場合、下層の確認項目は、その上層の確認項目選択されることを契機としてチェックリスト生成部35により所見確認欄R4に新たに設けられ、表示部39に表示される。なおチェックボックスBO1へのチェックは、ユーザにより入力部37を介して入力される。チェックボックスBO2にチェックが入れられてもその下層の確認項目は表示されない。図12を参照しながら具体的に説明する。図12の場合、最上の確認項目は、「腸壊死箇所の有無」や「穿孔箇所の有無」であり、初期的にはこれら最上の確認項目のみが表示され、確認項目「腹水の色」や「MR High Intensity」、「フリーエア」は表示されない。そしてユーザにより入力部37を介して「腸壊死箇所の有無」や「穿孔箇所の有無」に対応するチェックボックスBO1にチェックが入れられることを契機として、その下層の確認項目「腹水の色」や「MR High Intensity」、「フリーエア」が表示される。 このようにユーザ操作に応じてチェックリストを更新することで、ユーザ所望の検査項目や確認項目等のチェックリスト上の情報を動的に表示することができる。
【0071】
更新作業が行なわれている間チェックリスト生成部35は、確認する必要性の高い検査項目の中でまだ実施していない(未オーダの)検査項目があるか否かを判定している(ステップS10)。未実施の検査項目がある場合(ステップS10:YES)チェックリスト生成部35は、未実施の検査項目がなくなるまで待機している。この間表示部39は、未実施の検査項目の横に未実施である旨の情報を表示する。例えば、未実施の検査項目の名称の文字を反転表示させたり点滅させたり、あるいは文字の色を変えて表示する。このようにして表示部39は、未実施の検査を実施するようにユーザを促す。この際、表示部39は、図示しないオーダリングシステム等からのオーダ情報に従って、未実施の検査をするためのモダリティの空き情報を表示するとよい。例えば、未実施の検査項目として血管造影検査がある場合、表示部39は、X線診断装置が空いているとか、空いてない旨の情報を表示する。
【0072】
未実施の検査項目がある判定されるとCAD10は、未実施の検査項目が実行されるのを待機する(ステップS11)。そしてユーザにより未実施の検査項目について検査が実施されると(ステップS11:YES)、実施された検査項目に関するCAD結果のデータを生成する(ステップS2)。そして再びステップS3〜S10が繰り返される。このようにしてステップS2〜S11が繰り返され、確認する必要性の高い検査項目の中に未実施の検査項目がなくなると(ステップS10:NO)、チェックリスト生成・表示処理が終了する。
【0073】
チェックリスト生成・表示処理の終了後、チェックリストのデータは図示しない記憶部に記憶される。このチェックリストは、必要に応じて読み出され、観察や診断に利用される。
【0074】
上記構成により画像診断支援システム1は、ユーザが疑っている疾患に関連し、緊急性を有する疾患(確認疾患)を特定し、特定された確認疾患への診断確定に対する寄与度が大きい検査項目を特定する。そして、特定された検査項目についての異常の有無を確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する。これにより、ユーザによる疾患の見落としを防止したり、ユーザに緊急性の高い確認項目を優先して確認するように促したりする。
【0075】
かくして本実施形態によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムを提供することが可能となる。
【0076】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0077】
(変形例1)
上記実施形態においては、入力部27を介して入力された疾患の名称に基づいて確認疾患を特定した。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、チェックリスト生成部35は、CAD結果に含まれる疾患の名称を検索キーとして緊急度テーブルを検索し、この検索キーが所定の緊急度を有しているか否かを判定する。そして所定の緊急度を有していると判定された場合、チェックリスト生成部35は、その疾患を確認疾患とし、上記実施形態と同様にして、確認疾患の名称に寄与度テーブル上で関連付けられた検査項目を特定し、確認疾患に関する所見確認リストのデータを生成する。そして表示部39は、生成された所見確認リストを表示する。すなわち表示部39は、特定された検査項目について異常があるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する。このように緊急性を有する疾患に関する所見確認リストを自動的に生成して表示することにより、ユーザに対して迅速に所見の確認を促すことができる。従って、緊急時においても迅速且つ確実な画像診断を行なうことができる。なお緊急度テーブルと関連疾患テーブルとの両方を利用して確認疾患を特定してもよい。
【0078】
(変形例2)
本実施形態に係る画像診断支援システム1は、図1に示すように、CAD、サーバ装置、及び画像処理装置から構成されるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、図1に示す構成要素を含む1つのコンピュータ装置(具体的には、図1のCAD、サーバ装置、又は画像表示装置)であってもよい。
【0079】
(変形例3)
本実施形態に係る画像診断支援システム1は、CAD10により生成されたCAD結果を表示するとしたが、本実施形態はこれのみに限定されない。例えば、生化学検査による検査結果をCAD結果として表示してもよい。この場合、CAD結果の異常値は、生化学検査における検査項目の測定値のうち、自動分析装置等により異常であると判定された値である。
【0080】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上本発明によれば、画像診断の効率向上や画像診断時間の短縮を可能とする画像診断支援システムの提供を実現することができる。
【符号の説明】
【0082】
1…画像診断支援システム、10…CAD、20…サーバ装置、21…寄与度テーブル記憶部、23…関連疾患テーブル記憶部、25…緊急度テーブル記憶部、27…CAD結果データ記憶部、30…画像表示装置、31…テーブルデータ読込み部、33…CAD結果データ読込み部、35…チェックリスト生成部、37…入力部、39…表示部、41…システム制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患の識別子と前記疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた第1テーブルを記憶する第1記憶部と、
前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、
前記疾患の識別子のうちの、ユーザにより入力された疾患の識別子に前記第1テーブル上で関連付けられた他の疾患の識別子を特定する第1特定部と、
前記特定された識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する第2特定部と、
前記特定された検査項目について異常があるか否か確認するための所見の確認項目を有する表示画像のデータを生成する生成部と、
前記生成された表示画像を表示する表示部と、
を具備する画像診断支援システム。
【請求項2】
前記表示部は、ユーザにより前記確認項目が選択された場合、前記選択された確認項目についての詳細な確認項目を表示する、ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項3】
前記第2テーブルは、前記疾患の識別子と前記検査項目とを前記検査項目の前記疾患に対する寄与度とに応じて関連付け、
前記生成部は、前記特定された検査項目を前記寄与度順に並べて前記表示画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項4】
前記検査対象に関する前記検査項目ごとの臨床データを入力する入力部をさらに備え、
前記第2特定部は、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定し、
前記生成部は、前記特定された検査項目に関する臨床データを前記記憶部から読み出し、前記読み出された臨床データを前記表示画像に含める、
ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記検査項目を検査するために必要なモダリティに関する空き情報を前記表示画像に含める、ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項6】
疾患の識別子と前記疾患の緊急度とを関連付けた第1テーブルを記憶する記憶部と、
前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、
前記疾患の識別子のうちの検査対象の疾患が所定の緊急度を有するか否かを前記第1テーブルに基づいて判定する判定部と、
前記判定部により前記検査対象の疾患が前記所定の緊急度を有すると判定された場合、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する特定部と、
前記特定された検査項目について異常があるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する表示部と、
を具備する画像診断支援システム。
【請求項1】
疾患の識別子と前記疾患に臨床学的に関連する他の疾患の識別子とを関連付けた第1テーブルを記憶する第1記憶部と、
前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、
前記疾患の識別子のうちの、ユーザにより入力された疾患の識別子に前記第1テーブル上で関連付けられた他の疾患の識別子を特定する第1特定部と、
前記特定された識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する第2特定部と、
前記特定された検査項目について異常があるか否か確認するための所見の確認項目を有する表示画像のデータを生成する生成部と、
前記生成された表示画像を表示する表示部と、
を具備する画像診断支援システム。
【請求項2】
前記表示部は、ユーザにより前記確認項目が選択された場合、前記選択された確認項目についての詳細な確認項目を表示する、ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項3】
前記第2テーブルは、前記疾患の識別子と前記検査項目とを前記検査項目の前記疾患に対する寄与度とに応じて関連付け、
前記生成部は、前記特定された検査項目を前記寄与度順に並べて前記表示画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項4】
前記検査対象に関する前記検査項目ごとの臨床データを入力する入力部をさらに備え、
前記第2特定部は、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定し、
前記生成部は、前記特定された検査項目に関する臨床データを前記記憶部から読み出し、前記読み出された臨床データを前記表示画像に含める、
ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記検査項目を検査するために必要なモダリティに関する空き情報を前記表示画像に含める、ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援システム。
【請求項6】
疾患の識別子と前記疾患の緊急度とを関連付けた第1テーブルを記憶する記憶部と、
前記疾患の識別子と前記疾患に関する検査項目とを関連付けた第2テーブルを記憶する第2記憶部と、
前記疾患の識別子のうちの検査対象の疾患が所定の緊急度を有するか否かを前記第1テーブルに基づいて判定する判定部と、
前記判定部により前記検査対象の疾患が前記所定の緊急度を有すると判定された場合、前記検査対象の疾患の識別子に前記第2テーブル上で関連付けられた検査項目を特定する特定部と、
前記特定された検査項目について異常があるか否かを確認するための所見の確認項目をチェックリスト形式で表示する表示部と、
を具備する画像診断支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−4951(P2011−4951A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151139(P2009−151139)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]