説明

画像診断装置、画像表示装置、及び印刷装置

【課題】アノテーションを医用画像上に付加することで作成される画像を印刷媒体に出力してもアノテーションと医用画像とが明瞭に視認できる技術を提供する。
【解決手段】医用画像上にアノテーションを表示し、印刷が要求されたとき、医用画像からアノテーションの背景色を取得し、背景色に基づきアノテーションの印刷色を取得し、この印刷色を呈するアノテーションを医用画像上に合成した印刷画像を作成及び出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アノテーションを付加した医用画像を印刷媒体に印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、X線CT装置及び超音波診断装置等の各種画像診断装置や、PACS、HIS、RIS、及び電子カルテシステム等の各種画像表示装置が配置されている。これら各装置は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示部を有し、撮影した被検体の医用画像を表示部に出力して表示させる。
【0003】
この画像診断装置や画像表示装置の画面には、アノテーションを付加する操作を受付ける操作ボタンがアイコン形式で配置される。このアイコンをクリックしてアノテーションを付加したい位置にドラッグすることで、このアイコンに対応したアノテーションが医用画像上に配置された状態で表示部に表示される(例えば、「特許文献1」参照)。アノテーションは、医用画像に対する注釈を示す情報である。このアノテーションは、文字列、矢印、及び図形等の各パーツを組み合わせで示される。
【0004】
医師や技師等が医用画像に対して注釈を付加したい場合に、このアノテーション機能が利用される。診断医等は、このアノテーションを参考に医用画像を用いた診断を行う。診断医等は、このアノテーションを付加した医用画像を表示部に表示させて閲覧する場合と、アノテーションを付加した医用画像を紙やフィルム等の印刷媒体に印刷して閲覧する場合とがある。
【0005】
そのため、各画像診断装置や各画像表示装置は、インクの塗布により画像を印刷媒体に出力するインクジェットプリンタや、電子写真方式により画像を紙やフィルム等の印刷媒体に出力するレーザプリンタ等の印刷装置を有し、又はこの印刷装置とローカル又はネットワーク経由により接続されている。これら各画像診断装置や各画像表示装置は、撮影した被検体の医用画像を印刷装置に出力して印刷媒体に印刷させる。医用画像にアノテーションが付加されている場合、アノテーションが付加された医用画像を印刷媒体に印刷させる。
【0006】
医用画像とアノテーションとは、表示画面において視認しやすいように予め配色が決められている。従来、アノテーションを付加した医用画像を印刷媒体に出力する場合、表示部で視認しやすい配色のままで印刷媒体に出力していた。
【0007】
【特許文献1】特開平7−31591号公報(段落0091)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、医用画像とアノテーションとは、表示画面において視認しやすいように予め配色が決められており、この表示部で視認しやすい配色のままで印刷媒体に出力していた。しかし、表示画面上と印刷媒体上とでは、適合する色空間やコントラストが異なるため、表示画面上で視認しやすかった画像も印刷媒体上では視認しにくいおそれがある。例えば、医用画像とアノテーションの色差が表示画面上では明瞭であったが、印刷媒体上では、アノテーションが医用画像内に埋もれてしまい視認しにくいといった場合がある。
【0009】
これにより、印刷媒体に出力した医用画像を基に読影する際、アノテーションと医用画像とを誤認することによる誤診の誘発のおそれや、誤認を防ぐために、読影する医師や技師に必要以上の神経を使わせるおそれがあった。
【0010】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アノテーションを医用画像上に付加することで作成される画像を印刷媒体に出力してもアノテーションと医用画像とが明瞭に視認できる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る画像診断装置は、入力された印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷手段を有し、又はこの印刷手段と接続される画像診断装置であって、医用画像を撮影する撮影手段と、アノテーションを生成するアノテーション描画手段と、前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示手段と、前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、を備え、前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を前記印刷手段に出力すること、を特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するために、請求項9記載の本発明に係る画像表示装置は、入力された印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷手段と接続される画像表示装置であって、医用画像を記憶する記憶手段と、アノテーションを生成するアノテーション描画手段と、前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示手段と、前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、を備え、前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を前記印刷手段に出力すること、を特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項17記載の本発明に係る印刷装置は、前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示装置と接続される印刷装置であって、前記表示装置から前記医用画像と前記アノテーション情報を受信する受信手段と、前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を印刷媒体に出力する前記印刷手段と、を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示手段で明瞭に視認可能に配色されたアノテーションが付加された医用画像を、印刷媒体で明瞭に視認可能に配色し直すことができるため、印刷媒体上でもアノテーションと医用画像とが明瞭に区別できる。従って、アノテーションと医用画像とを誤認することによる誤診の誘発のおそれを低減でき、また、読影する医師や技師の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るアノテーションを付加した医用画像を印刷媒体に出力する技術の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、各実施形態に係る画像診断装置1の構成を示すブロック図である。図2は、画像診断装置1の表示画面を示す図である。
【0017】
この画像診断装置1は、被検体の医用画像100を撮影する装置である。例えば、画像診断装置1は、超音波診断装置である。超音波診断装置は、被検体に超音波を送波し、被検体内の各位置から反射した反射波を受波して、反射波の強度から被検体内を画像化した医用画像100を生成する。
【0018】
この画像診断装置1は、撮影部2と、画像管理部3と、操作部4と、表示制御部5及び表示部6と、印刷画像作成部7及び印刷部8とを有する。
【0019】
撮影部2は、被検体を撮影して医用画像100を生成する。この撮影部2は、超音波診断装置であれば、超音波プローブ及び画像生成回路である。画像管理部3は、撮影した医用画像100を記憶する所謂ストレージである。操作部4は、キーボードやマウスやトラックボール等であり、表示制御部5に操作者によるマウスの移動量やクリック操作を示す信号を出力する。
【0020】
表示制御部5及び表示部6は、医用画像100を画面に表示する。表示部6は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の画面に画像を表示する装置である。表示制御部5は、操作部4の操作に応じて画像管理部3から医用画像100を読み出し、読み出した医用画像100を表示部6に表示させる。
【0021】
この表示制御部5は、アノテーション描画部51を有する。アノテーション描画部51は、操作部4の操作に応じて、表示部6に表示されている医用画像100上にアノテーション110を付加した画像をオーバーレイ表示させる。
【0022】
図2に示すように、画面には、表示制御部5によって、医用画像100とともにアイコン120が配置される。表示制御部5は、医用画像100とアイコン120とを配置する画面フォーマットを予め記憶している。この画面フォーマットに医用画像100とアイコン120とを配置した画面画像を表示部6に出力する。
【0023】
アイコン120の一つは、アノテーション110を付加する処理に対応している。操作部4を用いて、アノテーション110を付加する処理に対応したアイコン120が押下され、任意の位置へドラッグされると、アノテーション描画部51は、押下されたアイコン120に対応するアノテーション110の画像を生成して、ドラッグされた位置にオーバーレイ表示する。
【0024】
アノテーション110は、図形111、矢印112、及び文字列113のパーツ又はこれらパーツの組み合わせで構成されている。アノテーション描画部51は、アノテーション110を構成する各パーツとそのパーツの位置関係とを示すアノテーションオブジェクトデータを予め記憶しており、押下したアイコン120に対応するアノテーションオブジェクトデータからアノテーション110の画像を生成してオーバーレイ表示する。
【0025】
アノテーション描画部51は、アノテーション110のオーバーレイ表示の際、このアノテーション110の表示に関するアノテーション表示情報511を生成し、アノテーション110が付加された医用画像100に関連付けて記憶させる。
【0026】
図3は、アノテーション表示情報511を示すデータ構造図である。アノテーション表示情報511は、アノテーション110を構成する各パーツの種別内容情報515、各パーツの配置領域情報512、及び表示色情報516を含んで構成される。
【0027】
種別内容情報515は、アノテーション110を構成する各パーツの種別又は内容を示す。パーツが文字列113である場合は、さらにその文字列113を示す情報を含んで構成されている。
【0028】
配置領域情報512は、配置されたパーツの配置領域を示す。この配置領域情報512は、各パーツが配置される基準座標513と、その基準座標513からの各パーツの大きさ情報を含んで構成されている。基準座標513は、操作部4を用いてドラッグされた座標を、パーツの位置関係で増減した座標値(x,y)である。大きさ情報は、基準座標513を基準とした範囲(dx,dy)である。尚、パーツが文字列113の場合は、フォントの種別毎に文字毎の範囲(dx,dy)は決まっており、文字列113のフォントの種別を示すフォント種別情報が大きさ情報として含まれる。
【0029】
座標値(x,y)と範囲(dx,dy)とを組み合わせた座標範囲(x,y)〜(x+dx,y+dy)が、パーツの配置領域となり、これらの配置領域の総計がアノテーション110の配置領域となる。
【0030】
アノテーション描画部51は、医用画像100を示す画像データにこのアノテーション表示情報511を関連付けてワークメモリに一時的に蓄積しておく。また、アノテーション描画部51は、アノテーション110が付加された医用画像100の保存操作に対応して、アノテーション表示情報511と医用画像100を表す画像データとを結合し、1ファイルとして画像管理部3に記憶しておく。
【0031】
印刷画像作成部7及び印刷部8は、医用画像100を印刷媒体に印刷する。印刷画像作成部7は、印刷画像を作成して印刷部8に出力する。印刷画像は、印刷媒体に印刷する画像である。アノテーション110が付加された医用画像100を印刷する場合、印刷画像作成部7は、アノテーション110を医用画像100上に合成した印刷画像を生成して印刷部8に出力する。印刷部8は、入力された印刷画像を、給紙された印刷媒体上に、インクジェットや電子写真方式で形成する装置であり、所謂プリンタや複写機である。
【0032】
印刷画像作成部7は、印刷色決定部71を有する。この印刷色決定部71は、医用画像100上にアノテーション110が付加されている場合、医用画像100に合成するアノテーション110の印刷色を決定する。印刷画像作成部7は、決定された印刷色を呈するアノテーション110を医用画像100に合成することで印刷画像を生成する。印刷色は、印刷画像内のアノテーション110を構成する画素の色情報である。
【0033】
この印刷色決定部71は、背景色取得部72と印刷色取得部73と印刷色記憶部74とを有する。背景色取得部72は、アノテーション110の背景色を医用画像100から取得する。印刷色取得部73は、印刷色記憶部74に記憶されている補色テーブル741を参照して、背景色に対応する印刷色を取得する。
【0034】
図4は、印刷色記憶部74に記憶されている補色テーブル741を示す図である。補色テーブル741は、背景色となりうる各色とその補色742とを対応付けて記憶している。補色742とは、色相環で正反対に位置する色である。即ち、各色に対して、その色との関係において一番コントラストの強い色が補色テーブル741で定義されている。印刷色決定部71は、背景色の補色742を補色テーブル741から印刷色として読み出すことで、印刷色を決定している。
【0035】
図5は、第1の実施形態に係る印刷色を決定し、印刷画像を作成する処理を示すフローチャートである。
【0036】
まず、背景色取得部72は、アノテーション表示情報511から配置領域情報512を読み出し(S01)、アノテーション110の配置領域を特定する(S02)。
【0037】
例えば、アノテーション110が円の図形111と文字列113で構成されている場合、円の基準座標513(x1,y1)と大きさ情報(dx1,dy1)とで示される(x1,y1)と(x1+dx1,y1)と(x1,y1+dy1)と(x1+dx1,y1+dy1)とで囲まれる領域が円の図形111の配置領域として特定され、フォント種別情報と文字列113とから算出される範囲(dx2,dy2)と文字列113の基準座標513(x2,y2)とで示される(x2,y2)と(x2+dx2,y2)と(x2,y2+dy2)と(x2+dx2,y2+dy2)とで囲まれる領域が文字列113の配置領域として特定される。
【0038】
アノテーション110の配置領域が特定されると、背景色取得部72は、医用画像100を画像管理部3から読み出し(S03)、アノテーション110の配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報を取得していく(S04)。そして、背景色取得部72は、取得した色情報毎、即ち色情報が示す値毎に、アノテーション110の配置領域内に配列する画素の数をカウントしていく(S05)。
【0039】
詳しくは、医用画像100の画像データのうち、アノテーション110の配置領域内に相当するデータ列を画素単位で順に読み出す。この画素単位のデータ列は、画素が有する色情報である。読み出したデータ列が示す色情報に対応してカウント数が存在すれば、このカウント数を1カウントアップする。読み出したデータ列が示す色情報に対応するカウント数が存在しなければ、読み出したデータ列が示す色情報と1を示すカウント数をワークメモリに対応付けて記憶する。これにより、アノテーション110の背景に存在する各色の画素数がカウントされる。
【0040】
アノテーション110の配置領域を構成する医用画像100内の各画素の色情報の読み出し、及び読み出した色情報毎の画素数のカウントが終了すると、背景色取得部72は、最大画素数に対応する色情報、即ちカウント数が最も大きかった色情報が示す色を、背景色としてワークメモリに記憶する(S06)。即ち、ワークメモリに記憶されているカウント数のうち、値が最も大きいカウント数に対応付けて記憶されている色情報を背景色とする。これにより、アノテーション110の背景に存在する色のうち、最も多い色が探索される。
【0041】
背景色が取得されると、印刷色取得部73は、印刷色記憶部74から補色テーブル741を読み出す(S07)。補色テーブル741を読み出すと、印刷色取得部73は、背景色と同一の色情報を有する色に対応する補色742を取得する(S08)。
【0042】
例えば、補色テーブル741には、R(レッド)の階調値が255、G(グリーン)の階調値が255、及びB(ブルー)の階調値が0である黄色に対して、R(レッド)の階調値が153、G(グリーン)の階調値が51、及びB(ブルー)の階調値が255である紫色を示す補色742が対応付けられている。印刷色取得部73は、この黄色の背景色を取得すると、黄色に対応する紫色の補色742が取得されてワークメモリに記憶される。尚、取得した背景色が補色テーブル741にない場合、取得した背景色に近似する色に対応する補色742を取得する。
【0043】
印刷画像作成部7は、アノテーション表示情報511の種別内容情報515と印刷色決定部71で取得された印刷色とから、アノテーション110の背景色と補色742の関係にある色を呈するアノテーション110の画像を作成し(S09)、アノテーション表示情報511の配置領域情報512で特定される配置領域を構成する医用画像100内の各画素を、この印刷用のアノテーション110画像で構成する各画素に変換することで印刷画像を作成する(S10)。そして、印刷画像作成部7は、この印刷画像を印刷部8に出力する。
【0044】
図6は、このような画像診断装置1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0045】
撮影部2により被検体が撮影されて医用画像100が生成されると(S11)、撮影部2は、生成した医用画像100を画像管理部3へ出力する(S12)。画像管理部3は、入力された医用画像100を記憶しておく(S13)。
【0046】
操作部4を用いて、画像を表示させる要求が入力されると(S14)、画像管理部3は、要求された医用画像100を読み出して表示制御部5に出力する(S15)。表示制御部5は、入力された医用画像100と予め記憶しているアイコン120を、予め記憶している画面フォーマットに配置することで表示画面を作成し、読み出された医用画像100を表示部6に表示させる(S16)。
【0047】
操作部4を用いて、アノテーション110の選択とアノテーション110の配置位置の選択が入力されると(S17)、アノテーション描画部51は、選択されたアノテーション110を生成して、選択された配置位置にオーバーレイ表示させる(S18)。同時に、アノテーション描画部51は、選択されたアノテーション110のアノテーション表示情報511を、読み出された医用画像100と関連付けて生成する(S19)。
【0048】
操作部4を用いて、アノテーション110が付加された医用画像100を保存する入力がなされると(S20)、画像管理部3は、一時的に記憶されているアノテーション表示情報511を、関連付けてある医用画像100の画像データと結合させて1ファイルとして記憶しておく(S21)。
【0049】
操作部4を用いて、アノテーション110が付加された医用画像100を表示させる要求が入力されると(S22)、画像管理部3は、要求された医用画像100とこの医用画像100と結合しているアノテーション表示情報511を読み出して表示制御部5に出力する(S23)。表示制御部5は、入力された医用画像100を表示部6に表示させる(S24)。さらに、アノテーション描画部51は、入力されたアノテーション表示情報511に含まれる各パーツの種別内容情報515と表示色情報516からアノテーション110を生成し、入力されたアノテーション表示情報511に含まれる配置領域情報512で示される配置位置に生成したアノテーション110をオーバーレイ表示させる(S25)。
【0050】
操作部4を用いて、アノテーション110が付加された医用画像100の印刷操作が入力されると(S26)、印刷色決定部71は、補色テーブル741と医用画像100とアノテーション表示情報511を読み出して(S27)、アノテーション表示情報511に含まれる配置領域情報512を参照して医用画像100からアノテーション110の背景色を取得し(S28)、補色テーブル741を参照して背景色の補色742を取得する(S29)。
【0051】
そして、印刷画像作成部7は、取得した補色742を呈するアノテーション110をアノテーション表示情報511と取得した補色742とから作成し、印刷する医用画像100に合成することで、印刷画像を作成する(S30)。印刷画像を作成すると、印刷画像作成部7は、印刷画像を印刷部8に出力する(S31)。
【0052】
印刷部8は、入力された印刷画像を給紙された印刷媒体に出力する(S32)。
【0053】
図7は、この第1の実施形態に係る画像診断装置1において、表示部6に表示されたアノテーション110が付加された医用画像100(図中a)と、印刷媒体に出力された同じくアノテーションが付加された医用画像100(図中b)とを示す図である。
【0054】
図7に示すように、表示部6に表示されたアノテーション110(図中a)と印刷媒体に出力されたアノテーション110(図中b)とでは、配色が異なる。そして、図7(a)に示すように、印刷媒体に出力されたアノテーション110の配色とその背景色とでは、補色742の関係となっているため、コントラストが強く、印刷媒体上では、医用画像100とアノテーション110とが明瞭に区別可能となっている。
【0055】
このように、本実施形態に係る画像診断装置1では、付加されたアノテーション110の配色を背景色を基準に調整してから、印刷媒体に医用画像100を出力する。従って、表示部6で明瞭に視認可能に配色されたアノテーション110と医用画像100とを、印刷媒体で明瞭に視認可能に配色し直すことができるため、印刷媒体上でもアノテーション110と医用画像100とが明瞭に区別できる。従って、アノテーション110と医用画像100とを誤認することによる誤診の誘発のおそれを低減でき、また、読影する医師や技師の負担を軽減することができる。
【0056】
また、本実施形態では、付加されたアノテーション110の配色を背景色の補色742に変更してから印刷媒体に出力する。従って、アノテーション110と医用画像100との視認性が格段に向上し、印刷媒体上でのアノテーション110と医用画像100とをさらに明瞭に区別できる。
【0057】
尚、画像管理部3にアノテーション110を付加した医用画像100を記憶させる場合、画面に表示された医用画像100をキャプチャして、そのキャプチャした医用画像100を画像管理部3に記憶させる場合がある。この場合、アノテーション110が付加された医用画像100は、医用画像100を示す画像データとアノテーション表示情報511ではなく、アノテーション110が画像として含まれる画像データとして記憶されてしまうため、アノテーション110が付加された医用画像100を保存する保存ボタンが押下されたことを契機に、印刷画像作成部7でアノテーション110の背景色と補色742の関係にある配色に調整しておき、その後、画像管理部3に記憶させるようにすればよい。
【0058】
又は、画面に表示した色を有するアノテーション110が付加された医用画像100の表示用の画像データと、背景色と補色742の関係にある配色を有するアノテーション110が付加された医用画像100の印刷用の画像データとを別々に作成するようにして、アノテーション110が付加された医用画像100を再度表示させるときには、表示用の画像データを用い、印刷するときには印刷用の画像データを用いるようにしてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
背景色は、アノテーション110の配置領域全体に対して取得してもよいが、アノテーション110を構成する図形111や矢印112や文字列113等のパーツ毎に取得してもよい。
【0060】
図8は、アノテーション110を構成するパーツの配置領域毎に背景色を取得して印刷色を決定する印刷色決定部71の処理を示すフローチャートである。
【0061】
まず、背景色取得部72は、アノテーション表示情報511に複数の配置領域情報512が存在する場合は、アノテーション表示情報511から各パーツの配置領域情報512を読み出し(S41)、アノテーション110を構成するパーツ毎の配置領域を特定する(S42)。
【0062】
例えば、アノテーション110が円の図形111と文字列113で構成されている場合、円の図形111の配置領域は、円の図形111の基準座標513(x1,y1)と大きさ情報(dx1,dy1)とで示される(x1,y1)と(x1+dx1,y1)と(x1,y1+dy1)と(x1+dx1,y1+dy1)とで囲まれる領域であり、文字列113の配置領域は、フォント種別情報と文字列113とから算出される範囲(dx2,dy2)と文字列113の基準座標513(x2,y2)とで示される(x2,y2)と(x2+dx2,y2)と(x2,y2+dy2)と(x2+dx2,y2+dy2)とで囲まれる領域である。
【0063】
アノテーション110を構成するパーツ毎の配置領域が特定されると、背景色取得部72は、医用画像100を画像管理部3から読み出し(S43)、第1のパーツに対する配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報を取得していく(S44)。そして、背景色取得部72は、取得した色情報毎、即ち色情報が示す値毎に、第1のパーツに対する配置領域内に配列する画素の数をカウントしていく(S45)。これにより、第1のパーツの背景に存在する色毎の画素数がカウントされる。
【0064】
第1のパーツの配置領域を構成する医用画像100内の各画素の色情報の読み出し、及び読み出した色情報毎の画素数のカウントが終了すると、背景色取得部72は、最大画素数に対応する色情報を、第1のパーツの背景色としてワークメモリに記憶する(S46)。これにより、第1のパーツの背景に存在する最も多い色が探索される。
【0065】
第1のパーツの背景色が取得されると、第2のパーツ、第3のパーツ・・・と、全てのパーツの配置領域情報512に対する背景色の取得が終了するまで(S47,Yes)、背景色を取得するパーツを次のパーツに切り替えて(S48)、S43〜S46を繰り返し、読み出した各配置領域情報512に対応して背景色を取得していく。
【0066】
例えば、アノテーション110が円の図形111と文字列113で構成されている場合、(x1,y1)と(x1+dx1,y1)と(x1,y1+dy1)と(x1+dx1,y1+dy1)とで囲まれる円の図形111の配置領域について背景色を取得し、(x2,y2)と(x2+dx2,y2)と(x2,y2+dy2)と(x2+dx2,y2+dy2)とで囲まれる文字列113の配置領域について背景色を取得する。
【0067】
各パーツの背景色が取得されると、印刷色取得部73は、印刷色記憶部74から補色テーブル741を読み出す(S49)。補色テーブル741を読み出すと、印刷色取得部73は、各背景色と同一の色情報を有する色に対応する補色742をそれぞれ取得し(S50)、取得した各補色742を印刷色としてアノテーション表示情報511の種別内容情報515に対応付けてワークメモリに記憶する(S51)。
【0068】
印刷画像作成部7は、アノテーション表示情報511の各種別内容情報515と印刷色決定部71で取得された各印刷色とから、各パーツの背景色と補色742の関係にある色を呈する各パーツの画像を作成し(S52)、作成された各パーツの配置領域情報512で特定される配置領域を構成する医用画像100内の各画素を、それぞれの背景色に対する補色742を呈する各パーツの画像で構成する各画素に変換する(S53)。そして、印刷画像作成部7は、この印刷画像を印刷部8に出力する。
【0069】
図9は、この第2の実施形態に係る画像診断装置1において、表示部6に表示されたアノテーション110が付加された医用画像100(図中a)と、印刷媒体に出力された医用画像100(図中b)とを示す図である。
【0070】
図9に示すように、表示部6に表示されたアノテーション110(図中a)と印刷媒体に出力されたアノテーション110(図中b)とでは、配色が異なる。さらに、印刷媒体に出力されたアノテーション110(図中b)は、パーツとその背景色とでは、それぞれ補色742の関係となっているため、アノテーション110の配置領域が複数色に跨っている場合、各パーツの配色が異なる。例えば、画面上では、文字列113のパーツの背景色と矢印112及び円の図形111のパーツの背景色とが異なるようにアノテーション110がオーバーレイ表示され、しかもアノテーション110全体が同一色であっても、印刷媒体上では、文字列113の色は、その背景色の補色742で出力され、矢印112及び円の図形111の色は、その背景色の補色742で出力される。
【0071】
従って、アノテーション110が複数の背景色に跨ってオーバーレイ表示されていても、印刷媒体上では、医用画像100とアノテーション110とが明瞭に区別可能となる。
【0072】
(第3の実施形態)
背景色は、アノテーション110の配置領域全体に対して、又はパーツ毎に取得してもよいが、アノテーション110に文字列113が含まれる場合は、文字単位で背景色を取得してもよい。
【0073】
図10は、アノテーション110を構成する文字単位で背景色を取得して印刷色を決定する印刷色決定部71の処理を示すフローチャートである。尚、文字列113以外の矢印112や図形111については、第1又は第2の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0074】
まず、背景色取得部72は、アノテーション表示情報511に文字列113を表す種別内容情報515が存在する場合には、配置領域情報512に含まれる基準座標513とフォント種別情報を読み出す(S61)。
【0075】
文字は、フォントの種類によって文字毎に幅が決まっている。背景取得部は、n=1に初期化し(S62)、読み出したn番目の基準座標513(x,y)とn番目の文字の大きさ(Lxn,Ly)とから、n番目の文字の配置領域を、基準座標513(x,y)と(x+ΣLxn,y)と(x,y+Ly)と(x+ΣLxn,y+Ly)とで囲まれる領域に特定する(S63)。
【0076】
そして、背景色取得部72は、基準座標513を(x+ΣLxn,y)とし(S64)、n=n+1とし(S65)、n番目の文字が存在すれば(S66,Yes)、S63をn番目の文字について繰り返す。
【0077】
このS61〜S66の処理によって、各文字の配置領域が特定される。例えば、先頭の文字の大きさ(Lx1,Ly)と基準座標513(x,y)とから、先頭の文字の配置領域は、(x,y)と(x+Lx1,y)と(x,y+Ly)と(x+Lx1,y+Ly)とで囲まれる領域に特定される。2番目の文字の配置領域は、2番目の文字の大きさ(Lx2,Ly)と先頭の文字の配置領域の終端の座標となる基準座標513(x+Lx1,y)とから、(x+Lx1+1,y)と(x+Lx1+Lx2,y)と(x+Lx1+1,y+Ly)と(x+Lx1+Lx2,y+Ly)とで囲まれる領域に特定される。
【0078】
一方、n番目の文字が存在しなければ(S66,No)、各文字の配置領域についてS43〜S53の処理を行うことで、各文字の配置領域の背景色を取得し、背景色の補色742を取得し、各文字の配色をこの補色742としたアノテーション110を医用画像100に合成する。
【0079】
図11は、この第3の実施形態に係る画像診断装置1において、印刷媒体に出力された医用画像100を示す図である。
【0080】
図11に示すように、印刷媒体に出力されたアノテーション110は、文字列113部分が複数の背景色と跨っている。例えば、「hoge」なる文字列113がアノテーション110を構成する文字のパーツとして医用画像100に付加されており、「ho」の前二文字と「ge」の後二文字とは、異なる背景色に跨っている。このようなアノテーション110では、「h」と「o」と「g」と「e」の各文字についてその背景色が取得され、取得された背景色と補色742の関係にある色で各文字が配色されるため、「ho」と「ge」とでは、配色が異なって印刷媒体に出力される。
【0081】
従って、文字毎にその背景色と補色742の関係にある色を呈するために、医用画像100とアノテーション110に含まれる文字とが、文字列113が複数の背景色に跨っていても明瞭に区別可能となる。
【0082】
(第4の実施形態)
背景色をアノテーション110の配置領域全体に対して取得し、取得した背景色と補色742の関係にある色をアノテーション110全体に対して配色してもよいが、アノテーション110の配置領域が複数の背景色に跨る場合、一の背景色と補色742の関係にある色が、他の背景色と同系色である場合もある。その場合、それぞれの背景色とは異なる色を選び直し、選び直した色をアノテーション110に配色するようにしてもよい。一番強いコントラストとはならないが、他の背景色と混ざり合うことを防止することができる。
【0083】
図12は、第4の実施形態に係る印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【0084】
まず、背景色取得部72は、アノテーション表示情報511から配置領域情報512を読み出し(S71)、アノテーション110の配置領域を特定する(S72)。
【0085】
アノテーション110の配置領域が特定されると、背景色取得部72は、医用画像100を画像管理部3から読み出し(S73)、アノテーション110の配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報を取得していく(S74)。そして、背景色取得部72は、取得した色情報毎、即ち色情報が示す値毎に、アノテーション110の配置領域内に配列する画素の数をカウントしていく(S75)。例えば、アノテーション110が黄色と紫色の領域に跨っていれば、アノテーション110が配置されている配置領域内に存在する黄色の画素数と紫色の画素数をカウントする。
【0086】
アノテーション110の配置領域を構成する医用画像100内の各画素の色情報の読み出し、及び読み出した色情報毎の画素数のカウントが終了すると、背景色取得部72は、最大画素数に対応する色情報を背景色とする(S76)。黄色の画素数が最も多ければ、黄色が背景色として取得される。
【0087】
背景色が取得されると、印刷色取得部73は、印刷色記憶部74から補色テーブル741を読み出す(S77)。補色テーブル741を読み出すと、背景色に対応する補色742を取得する(S78)。補色742を取得すると、アノテーション110の配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報と補色742とを比較する(S79)。
【0088】
この比較は、各色情報が示すRGBの各階調値と補色742が示すRGBの各階調値とを比較し、値が一致又は近似していれば、補色742と色情報とが一致すると判断する。近似は、補色742の各階調値が各色情報が示す各階調値の所定の範囲内にある場合をいう。
【0089】
黄色の補色742は、紫色であるため、印刷色取得部73は、補色742として紫色を取得する。この補色742として取得された紫色と、アノテーション110が黄色と紫色の領域に跨っていれば、補色742としての紫色と、アノテーション110の背景に存在する黄色と紫色を比較する。
【0090】
比較の結果、補色742と一致する色情報が存在すると(S79,Yes)、補色テーブル741に記憶されている各色と、背景色取得部72が取得した各色情報とを比較して、アノテーション110の配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報が示す色と一致しない色を探索する(S80)。即ち、補色テーブル741を、補色742を記憶するための他、各色の色情報を記憶するテーブルとしても利用する。例えば、補色テーブル741に緑色が記憶されている場合、黄色と紫色の色情報と緑色の色情報とは一致しないため、この緑色の色情報が該当する。
【0091】
背景色が取得した各色情報が示す色と一致しない色が見つかると、その色をアノテーション110の印刷色として記憶する(S81)。印刷色が記憶されると、S09及びS10の合成処理を行い、アノテーション110の背景に存在しない色を呈するアノテーション110を医用画像100に合成した印刷画像を作成する。
【0092】
図13は、この第4の実施形態に係る印刷画像を示す図であり、(a)は、第1の実施形態に係る印刷画像を示す模式図、(b)は、第4の実施形態に係る印刷画像を示す模式図である。
【0093】
図13(a)に示すように、最大の画素数を有する色と補色742の関係にある色で配色されたアノテーション110を医用画像100に合成した印刷画像を出力すると、最大の画素数ではないがアノテーション110の背景に存在する色と、アノテーション110の色とが同系色になってしまう。そのため、アノテーション110は、最大の画素数を有する背景色とは強いコントラストを有するが、アノテーション110の一部がその背景の色と混ざり合ってしまう場合がある。
【0094】
しかし、図13(b)に示すように、この第4の実施形態によれば、アノテーション110が複数の色を呈する領域に跨っていても、その何れの色とも異なる色で配色されたアノテーション110が医用画像100に合成される。
【0095】
従って、アノテーション110が複数の背景色に跨ってオーバーレイ表示されていても、印刷媒体上では、医用画像100とアノテーション110とが明瞭に区別可能となる。グレースケールの医用画像100は、補色742の関係に二色のグラデーションで表現される場合も多いが、この場合であっても第4の実施形態に係る画像診断装置1では、医用画像100とアノテーション110とが明瞭に区別可能となる。
【0096】
(第5の実施形態)
第1乃至第4の実施形態では、色相の違いによってアノテーション110と医用画像100とを区別させたが、アノテーション110と医用画像100とを明度の違いによって区別させてもよい。第5の実施形態では、印刷色記憶部74は、補色テーブル741に代えて、ハイコントラスト色である黒と白の色情報を記憶している。印刷色取得部73は、背景色の明度を算出し、背景色の明度とは反対の明度となる黒又は白色をアノテーション110の印刷色とする。
【0097】
図14は、第5の実施形態に係る印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【0098】
まず、背景色取得部72は、アノテーション表示情報511から配置領域情報512を読み出し(S91)、アノテーション110の配置領域を特定する(S92)。
【0099】
アノテーション110の配置領域が特定されると、背景色取得部72は、医用画像100を画像管理部3から読み出し(S93)、アノテーション110の配置領域内に配列する医用画像100上の各画素が有する色情報を取得していく(S94)。そして、背景色取得部72は、取得した色情報毎、即ち色情報が示す値毎に、アノテーション110の配置領域内に配列する画素の数をカウントしていく(S95)。
【0100】
アノテーション110の配置領域を構成する医用画像100内の各画素の色情報の読み出し、及び読み出した色情報毎の画素数のカウントが終了すると、背景色取得部72は、最大画素数に対応する色情報を背景色とする(S96)。
【0101】
背景色が取得されると、印刷色取得部73は、この背景色の明度を算出する(S97)。明度の算出は、例えばHSB表色系の明度(Brightness)を算出する。HSB座標系は、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Brightness)の三つの成分からなる色空間である。RGB各成分の最大値をmaxとすると、明度(B)は、B(HSB)=maxとなる。
【0102】
背景色の明度を算出すると、印刷色取得部73は、閾値と明度とを比較する(S98)。閾値は、背景色の明度が取りうる階調値の中間値である。階調値が0〜255の計256段階であれば、閾値は、128である。印刷色取得部73は、この閾値を予め記憶しており、記憶している閾値を読み出して背景色の明度と比較する。
【0103】
比較の結果、背景色の明度が閾値以上であれば(S98,Yes)、印刷色取得部73は、印刷色記憶部74から白色の色情報を印刷色として記憶する(S99)。一方、背景色の明度が閾値未満であれば(S98,No)、印刷色取得部73は、印刷色記憶部74から黒色の色情報を印刷色として取得する(S100)。閾値以上であれば、背景色は全体として黒みがかっているため、白色が印刷色として取得され、閾値未満であれば、背景色は全体として白みがかっているため、黒色が印刷色として取得される。
【0104】
印刷色が記憶されると、S09及びS10の合成処理を行い、アノテーション110の背景に存在しない色を呈するアノテーション110を医用画像100に合成した印刷画像を作成する。
【0105】
この実施形態によると、例えば、黄色の背景にアノテーション110が付加されている場合は、印刷画像は、黒色のアノテーション110となり、紫色の背景にアノテーション110が付加されている場合には、印刷画像は、白色のアノテーション110となる。従って、一般的な補色742では若干ぼやけた印象を与えるが、背景色の明度とは反対の明度の黒俣は白をアノテーション110に配色することによって、はっきりとした視覚効果を与え、医用画像100とアノテーション110とがさらに明瞭に区別可能となる。尚、この印刷色の決定は、カラーの印刷画像であっても、グレースケールの印刷画像であっても適用することができる。
【0106】
(第6の実施形態)
第1乃至第5の実施形態に係るアノテーション110の配色や明度の変更に加えて、アノテーション110に円や矩形等の図形111や矢印112が含まれる場合は、これら図形111や矢印112を、形状を強調する印刷図形のパーツに変更するようにしてもよい。
【0107】
図15は、第6の実施形態に係る画像診断装置1の構成を示すブロック図である。
【0108】
第6の実施形態に係る画像診断装置1の印刷画像作成部7は、パーツオブジェクト変更部75とパーツオブジェクト記憶部76を更に備えている。
【0109】
パーツオブジェクト変更部75は、アノテーション110に含まれる図形111や矢印112の形状を強調する印刷図形のパーツに変更する。印刷画像作成部7は、変更された印刷図形のパーツを医用画像100に合成して印刷画像を作成する。
【0110】
パーツオブジェクト変更部75は、パーツオブジェクト記憶部76に記憶されている印刷図形のパーツを読み出す。パーツオブジェクト記憶部76には、印刷図形のパーツを表す情報が図形テーブル761として記憶されている。
【0111】
図16は、図形テーブル761を示すデータ構造図である。図形テーブル761には、他の図形パーツとして、雷型や星形等の印刷図形のパーツを表す形状変更用の種別内容情報762と、矢印112や円や矩形等の図形111を表す変更元の種別内容情報515とが対応付けされている。
【0112】
パーツオブジェクト変更部75は、図形テーブル761を参照し、アノテーション表示情報511に含まれている変更元の種別内容情報515に対応付けられている雷型や星形等の他の図形を表す形状変更用の種別内容情報762を取得する。印刷画像作成部7は、このパーツオブジェクト変更部75が取得した形状変更用の種別内容情報762に従って印刷用のアノテーション110を作成する。
【0113】
図17は、このアノテーション110のパーツを変更して印刷画像を作成する処理を示すフローチャートである。
【0114】
まず、パーツオブジェクト変更部75は、アノテーション表示情報511から変更元となる種別内容情報515を取得する(S111)。変更元となる種別内容情報515を取得すると、パーツオブジェクト変更部75は、図形テーブル761をパーツオブジェクト記憶部76から読み出す(S112)。
【0115】
変更元となる種別内容情報515と図形テーブル761を読み出すと、パーツオブジェクトは、アノテーション表示情報511に含まれている変更元となる種別内容情報515に対応付けられている雷型や星形等の印刷図形のパーツを表す形状変更用の種別内容情報762を取得する(S113)。
【0116】
印刷画像作成部7は、図形テーブル761から読み出した形状変更用の種別内容情報762と印刷色決定部71で取得された印刷色とから、アノテーション110の背景色と補色742の関係にある色を呈し、形状が強調されたアノテーション110の画像を作成し(S114)、アノテーション表示情報511の配置領域情報512で特定される配置領域を構成する医用画像100内の各画素を、この印刷用のアノテーション110画像で構成する各画素に変換することで印刷画像を作成する(S115)。そして、印刷画像作成部7は、この印刷画像を印刷部8に出力する。
【0117】
図18は、この第6の実施形態に係る印刷画像を示す模式図である。図18の(a)や(b)に示すように、アノテーション110の矢印112は、例えば雷型に置き換わり、アノテーション110の円の図形111は、円と円の全周位に放射状に並ぶ三角形状を組み合わせた図形とで構成される図形111に置き換わる。この第6の実施形態に係る画像診断装置1によると、印刷されるアノテーション110は、その色に加えて特徴的な形状に置き換わり、さらに医用画像100とアノテーション110とを明確に区別することが可能となる。
【0118】
以上のように、第1乃至第6の実施形態によれば、印刷されるアノテーション110は、背景色を基準にその配色が調整されるため、医用画像100とアノテーション110とが印刷画像において明瞭に区別できる。従って、アノテーション110と医用画像100とを誤認することによる誤診の誘発のおそれを低減でき、また、読影する医師や技師の負担を軽減することができる。
【0119】
特に、印刷されるアノテーション110を、背景色と補色742の関係にある色、又は背景色の明度と反対の明度を有する白又は黒に変更することで、より明瞭にアノテーション110と医用画像100とを区別できる。
【0120】
また、アノテーション110が配置される配置領域は、複数の色を有する場合がある。しかし、アノテーション110のパーツや文字毎に補色742が決定され、又はアノテーション110の背景に含まれない色をアノテーション110の印刷色とすることで、アノテーション110が複数色に跨っていても医用画像100とアノテーション110とを明瞭に区別することができる。
【0121】
また、アノテーション110の配色に加え、アノテーション110を構成する図形111パーツを特徴的な図形111パーツに変更することで更に明瞭に区別することができる。
【0122】
この第1乃至第6の実施形態に係る画像診断装置1は、印刷部8を有する超音波診断装置を前提に説明したが、X線CT装置やX線診断装置や磁気共鳴イメージング装置や核医学診断装置等の撮影部2を有さない装置にも適用できる。
【0123】
図19は、印刷部8を有さない画像診断装置1を示すブロック図である。印刷部8を有さない画像診断装置1は、ネットワークインターフェース等の送信部9をさらに備える。送信部9は、プリンタや複写機等で構成される印刷部8と接続されたネットワークNに接続され、印刷部8に対して印刷画像を送信が可能となっている。この画像診断装置1は、印刷画像作成部7で印刷画像を作成すると、送信部9により印刷画像を印刷部8に送信する。印刷部8は、送信部9より送信された印刷画像を印刷媒体に出力する。
【0124】
また、このアノテーション110を付加した医用画像100を印刷色や形状を変更した印刷画像に変更する態様は、画像診断装置1の外部にネットワークNを介して接続された印刷装置200にも適用できる。
【0125】
図20は、画像診断装置1と印刷装置200とをネットワークで接続した態様を示す構成図である。
【0126】
この態様では、画像診断装置1は、撮影部2と画像管理部3と表示制御部5と表示部6と操作部4と送信部9とを備え、印刷装置200は、受信部10と印刷画像作成部7と印刷部8を有する。この印刷装置200は、プリンタや複写機、又はコンピュータで構成される制御装置とこの制御装置に制御されるプリンタや複写機とで構成されている。受信部10は、主にネットワークインターフェースを含み構成される。
【0127】
この態様では、画像診断装置1は、印刷ボタンが押下されると、医用画像100とアノテーション表示情報511とを印刷装置200に送信する。医用画像100とアノテーション表示情報511とを受信した印刷装置200は、アノテーション110の配色や形状を変更して医用画像100に合成することで印刷画像を作成し、印刷媒体に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像診断装置の表示画面を示す図である。
【図3】アノテーション表示情報を示すデータ構造図である。
【図4】補色テーブルを示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る印刷色を決定し、印刷画像を作成する処理を示すフローチャートである。
【図6】画像診断装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】第1の実施形態に係る画像診断装置において、表示部に表示されたアノテーションが付加された医用画像(図中a)と、印刷媒体に出力された同じくアノテーションが付加された医用画像(図中b)とを示す図である。
【図8】第2の実施形態に係るパーツの配置領域毎に背景色を取得して印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る画像診断装置において、表示部に表示されたアノテーションが付加された医用画像(図中a)と、印刷媒体に出力された医用画像(図中b)とを示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る文字単位で背景色を取得して印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係る画像診断装置において、印刷媒体に出力された医用画像を示す図である。
【図12】第4の実施形態に係る印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【図13】第4の実施形態に係る印刷画像を示す図であり、(a)は、第1の実施形態に係る印刷画像を示す模式図、(b)は、第4の実施形態に係る印刷画像を示す模式図である。
【図14】第5の実施形態に係る印刷色を決定する処理を示すフローチャートである。
【図15】第6の実施形態に係る画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図形テーブルを示すデータ構造図である。
【図17】アノテーションのパーツを変更して印刷画像を作成する第6の実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図18】第6の実施形態に係る印刷画像を示す模式図である。
【図19】印刷部を有さない画像診断装置を示すブロック図である。
【図20】画像診断装置と印刷装置とをネットワークで接続した態様を示す構成図である。
【符号の説明】
【0129】
1 画像診断装置
2 撮影部
3 画像管理部
4 操作部
5 表示制御部
51 アノテーション描画部
511 アノテーション表示情報
512 配置領域情報
513 基準座標
514 大きさ情報
515 種別内容情報
516 表示色情報
6 表示部
7 印刷画像作成部
71 印刷色決定部
72 背景色取得部
73 印刷色取得部
74 印刷色記憶部
741 補色テーブル
742 補色
75 パーツオブジェクト変更部
76 パーツオブジェクト記憶部
761 図形テーブル
762 形状変更用の種別内容情報
8 印刷部
9 送信部
10 受信部
100 医用画像
110 アノテーション
111 図形
112 矢印
113 文字列
120 アイコン
200 印刷装置
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷手段を有し、又はこの印刷手段と接続される画像診断装置であって、
医用画像を撮影する撮影手段と、
アノテーションを生成するアノテーション描画手段と、
前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示手段と、
前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、
前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、
前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、
を備え、
前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を前記印刷手段に出力すること、
を特徴とする画像診断装置。
【請求項2】
前記背景色取得手段は、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色情報毎に前記配置領域の画素数をカウントし、最大画素数に対応する色情報を前記背景色とすること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項3】
前記印刷色取得手段は、
各色とその補色とを対応付けて予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色と対応付けられている前記補色を前記印刷色として、前記印刷色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項4】
前記印刷色取得手段は、
前記医用画像内の各色に対する各補色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色情報とは異なる前記補色を前記印刷色として、前記補色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項5】
前記印刷色取得手段は、
白及び黒の印刷色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色の明度に応じて、その明度と反対の明度となる白又は黒の印刷色を、前記色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項6】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記パーツの配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記パーツ毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記パーツ毎に前記印刷色を呈する前記パーツを組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項7】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記文字列を構成する文字の配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記背景色取得手段は、
前記文字毎に前記アノテーションの前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記文字毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記文字毎の前記印刷色を呈する前記各文字を組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項8】
前記アノテーションに含まれる各図形の種類に対応させて形状を強調する印刷図形を予め記憶する印刷図形記憶手段と、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションの図形に応じて、前記印刷図形記憶手段から前記印刷図形を取得する印刷図形取得手段と、
を更に備え、
前記印刷画像作成手段は、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションに含まれる図形に代えて、前記印刷画像取得手段で取得された前記印刷図形を前記医用画像上の前記配置領域に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項1記載の画像診断装置。
【請求項9】
入力された印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷手段と接続される画像表示装置であって、
医用画像を記憶する記憶手段と、
アノテーションを生成するアノテーション描画手段と、
前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示手段と、
前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、
前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、
前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、
を備え、
前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を前記印刷手段に出力すること、
を特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
前記背景色取得手段は、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色情報毎に前記配置領域の画素数をカウントし、最大画素数に対応する色情報を前記背景色とすること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記印刷色取得手段は、
各色とその補色とを対応付けて予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色と対応付けられている前記補色を前記印刷色として、前記印刷色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記印刷色取得手段は、
前記医用画像内の各色に対する各補色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色情報とは異なる前記補色を前記印刷色として、前記補色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記印刷色取得手段は、
白及び黒の印刷色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色の明度に応じて、その明度と反対の明度となる白又は黒の印刷色を、前記色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記パーツの配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記パーツ毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記パーツ毎に前記印刷色を呈する前記パーツを組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項15】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記文字列を構成する文字毎に前記アノテーションの前記背景色を取得し、
前記背景色取得手段は、
前記文字の配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記文字毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記文字毎の前記印刷色を呈する前記文字を組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項16】
前記アノテーションに含まれる各図形の種類に対応させて形状を強調する印刷図形を予め記憶する印刷図形記憶手段と、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションに含まれる図形に応じて、前記印刷図形記憶手段から前記印刷図形を取得する印刷図形取得手段と、
を更に備え、
前記印刷画像作成手段は、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションに含まれる図形に代えて、前記印刷画像取得手段で取得された前記印刷図形を前記医用画像上の前記配置領域に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
【請求項17】
前記医用画像とともに、この医用画像上にアノテーションを表示する表示装置と接続される印刷装置であって、
前記表示装置から前記医用画像と前記アノテーション情報を受信する受信手段と、
前記医用画像から前記アノテーションの背景色を取得する背景色取得手段と、
前記背景色に基づき、前記アノテーションの印刷色を取得する印刷色取得手段と、
前記印刷色を呈する前記アノテーションを前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成する印刷画像作成手段と、
前記印刷画像作成手段で作成された前記印刷画像を印刷媒体に出力する前記印刷手段と、
を備えること、
を特徴とする印刷装置。
【請求項18】
前記背景色取得手段は、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色情報毎に前記配置領域の画素数をカウントし、最大画素数に対応する色情報を前記背景色とすること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項19】
前記印刷色取得手段は、
各色とその補色とを対応付けて予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色と対応付けられている前記補色を前記印刷色として、前記印刷色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項20】
前記印刷色取得手段は、
前記医用画像内の各色に対する各補色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記アノテーションの配置領域内に配列する前記医用画像の各画素が有する色とは異なる前記補色を前記印刷色として、前記補色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項21】
前記印刷色取得手段は、
白及び黒の印刷色を予め記憶する印刷色記憶手段を含み、
前記背景色の明度に応じて、その明度と反対の明度となる白又は黒の印刷色を、前記色記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項22】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記パーツの配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記パーツ毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記パーツ毎に前記印刷色を呈する前記パーツを組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項23】
前記アノテーションは、文字列、矢印、若しくは図形の何れかで表されるパーツの組み合わせであり、
前記背景色取得手段は、
前記文字列を構成する文字の配置領域毎に前記背景色を取得し、
前記背景色取得手段は、
前記文字毎に前記アノテーションの前記背景色を取得し、
前記印刷色取得手段は、
前記文字毎の前記印刷色を取得し、
前記印刷画像作成手段は、
前記文字毎の前記印刷色を呈する前記文字を組み合わせて前記医用画像上に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項24】
前記アノテーションに含まれる各図形に対応させて形状を強調する印刷図形を予め記憶する印刷図形記憶手段と、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションに含まれる図形に応じて、前記印刷図形記憶手段から前記印刷図形を取得する印刷図形取得手段と、
を更に備え、
前記印刷画像作成手段は、
前記医用画像上に配置された前記アノテーションに含まれる図形に代えて、前記印刷画像取得手段で取得された前記印刷図形を前記医用画像上の前記配置領域に合成した前記印刷画像を作成すること、
を特徴とする請求項17記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−160269(P2009−160269A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1494(P2008−1494)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】