説明

画像評価方法、画像形成装置および画像形成システム

【課題】画像をより高い解像度でかつより高い精度で測定することが可能な、画像評価方法、画像形成装置および画像形成システムを提供する。
【解決手段】スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスにおける画像評価方法が提供される。画像評価方法は、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断するステップと、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定するステップと、スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を読取るステップと、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出するステップと、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスにおける画像評価方法、ならびに、当該画像評価方法を実行可能な画像形成装置および画像形成システムに関する。特に、画像形成プロセスによって形成された画像の色分布を測定する技術および当該測定結果に基づいて画像のムラを補正する技術に適している。
【背景技術】
【0002】
画像形成プロセスによって形成された画像には、仮に画像形成条件が一定であったとしても、様々な要因により、空間的なムラ(分布)が生じ、また、時間的にもその色が変動し得る。このような画像形成プロセスによって形成された画像の色が空間的および/または時間的に変動する要因としては、以下のようなものが考えられる。すなわち、画像形成プロセスを実行する画像形成装置を構成する各種部材の寸法バラツキや特性バラツキ、そして組み付けのバラツキなどにより空間的なムラが生じ、また、温度や湿度などの環境変動および/または部材の経時変化などで時間的に変動する。
【0003】
具体的には、画像形成装置の感光体や現像器の回転軸に偏心があると、感光体と現像器との間の距離を一定に保つことができず、感光体上のトナー付着量にバラツキが生じる。また、温度や湿度が変動すると、トナー帯電量や潜像電位などが変動することで、現像効率が変動し、その結果、感光体上のトナー付着量が安定せず色が変動する。
【0004】
このような画像に生じるムラを解消する技術として、米国特許第7,633,647号明細書(特許文献1)には、形成画像に生じる頁内および頁間の色差を補正する画像形成装置が提案されている。この特許文献1に開示される画像形成装置では、装置内に画像読取り手段(スキャナ)と空間的な誤差を決定する手段とを有している。そして、この画像形成装置は、まず、空間的に異なる複数の場所にテスト画像を作成し、それらを上記スキャナで読取る。読取った値から各テスト画像間に生じた誤差(空間的な)が決定され、上記誤差をキャンセルさせるように画像処理条件が調整される。この特許文献1では、インライン(装置内で通紙途中)でテスト画像を読取る構成とすることで、煩雑な調整工程の自動化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7633647号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、画像形成プロセスによって形成される画像の品位に対する要求がさらに高まってより、これにつれて、高精度かつ高解像度なムラ検知(色、濃度、光沢など)が必要となっている。
【0007】
ところで、一般的な画像形成装置では、複数の基本色(たとえば、Y,M,C,Kの4色)の合成とスクリーン処理とによって、所望の色を再現している。この方法によって色再現された画像の色、濃度、光沢などを測定する場合、仮に形成された画像内にムラが存在せず理想的な状態であったとしても、画像内の測定位置(座標位置)によっては測定値のバラツキが生じるという課題があった。
【0008】
このような測定値のバラツキは、スクリーン処理により基本色が離散的(ドット状やライン状)に配置されているために、色、濃度、光沢などを測定(算出)するための単位領域内に存在する基本色の量が、画像内の測定位置に依存して変動することに起因している。
【0009】
この課題は、画像をより高い解像度で測定した場合に問題となる。すなわち、より低い解像度で画像を測定した場合(基本色が離散的に配置される間隔に比較して測定範囲が十分に広い場合)には、測定領域が相対的に大きくなるため、画像内の測定位置に依存した変動率が小さくり、問題とはなりにくい。一方、より高い解像度で画像を測定した場合(基本色が離散的に配置される間隔と測定範囲とが近い値となっている場合)には、画像内の測定位置に依存した変動率が大きくなり、測定結果の誤差要因となる。このように、スクリーンを用いて形成された画像を評価する場合には、高精度な測定が困難となる。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、画像をより高い解像度でかつより高い精度で測定することが可能な、画像評価方法、画像形成装置および画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面によれば、スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスにおける画像評価方法を提供する。画像評価方法は、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断するステップと、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定するステップと、スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を読取るステップと、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出するステップと、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップとを含む。
【0012】
好ましくは、スクリーンの条件は、対応するスクリーンの空間周波数特性を含む。
さらに好ましくは、画像を読取るステップでは、複数の画素からなる検出部で画像を読取り、単位評価領域は、画素の大きさとスクリーンの周期との公倍数に略一致するように設定される。
【0013】
好ましくは、画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップでは、単位評価領域毎の測定結果を互いに比較することで、画像内のムラを評価する。
【0014】
さらに好ましくは、画像評価方法は、画像の評価結果に基づいて、画像形成プロセスを調整するステップをさらに含む。
【0015】
あるいは好ましくは、単位評価領域毎の測定結果を算出するステップでは、検出部の各画素で読取られた部分画像を単位評価領域に相当する数だけ集合させるとともに、集合させた部分画像についての代表値を単位評価領域毎の測定結果として算出する。
【0016】
さらに好ましくは、単位評価領域毎の測定結果を算出するステップでは、同一の単位評価領域に含まれる部分画像についての移動平均を算出することで、各単位評価領域についての測定結果を算出する。
【0017】
さらに好ましくは、単位評価領域の大きさを決定するステップは、検出部の各画素の検出範囲を光学的に変更するステップを含む。
【0018】
さらに好ましくは、単位評価領域の大きさを決定するステップは、検出部の各画素の検出範囲に応じて、画像読取時の露光条件を調整するステップをさらに含む。
【0019】
あるいはさらに好ましくは、各画素の検出範囲を光学的に変更するステップでは、検出部の各画素が読取る部分画像を予め定められた数だけ集合させた場合に、当該集合させた部分画像の全体が単位評価領域と実質的に一致するように、検出範囲を調整する。
【0020】
さらに好ましくは、単位評価領域は、検出部の各画素の大きさよりも大きく設定される。
【0021】
好ましくは、スクリーンの条件を判断するステップでは、外部入力された指示に基づいて、スクリーンの条件を判断する。
【0022】
本発明の別の局面よれば、画像形成プロセスを実行する画像形成装置を提供する。画像形成装置は、濃淡を表現するための複数のスクリーンと、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する判断手段と、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する決定手段と、記スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を読取る読取手段と、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出する算出手段と、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像を評価する評価手段とを含む。
【0023】
本発明のさらに別の局面よれば、画像形成プロセスを実行する画像形成装置と画像形成装置によって形成された画像を評価する評価装置とを含む画像形成システムを提供する。画像形成システムは、濃淡を表現するための複数のスクリーンと、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する判断手段と、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する決定手段と、スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を読取る読取手段と、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出する算出手段と、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像を評価する評価手段とを含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像をより高い解像度でかつより高い精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】画像形成プロセスに用いられるスクリーンの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う単位評価領域について説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置において画像評価方法を実現するための制御機能を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従う画像評価方法を実現するための制御手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に従う検出部の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態2に従う検出部の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態2に従う画像形成装置において画像評価方法を実現するための制御機能を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に従う画像評価方法を実現するための制御手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3に従う画像安定化制御システムの構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0027】
[I.概要]
本発明の実施の形態は、スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスにおける画像評価方法に向けられている。本実施の形態に従う画像評価方法では、スクリーンに含まれる周期性(典型的には、スクリーンの空間周波数特性)を考慮して、画像を測定するための範囲(以下、「単位評価領域」とも称す。)を決定する。すなわち、単位評価領域の大きさ(サイズ)をスクリーンの周期性に応じて決定することで、対象の画像に設定される複数の単位評価領域の間で、各単位評価領域に本来的に含まれるべき色を均一化できる。これにより、画像内の測定位置(座標位置)に依存して測定値のバラツキを生じるという問題の発生を回避した上で、画像内の色、濃度、光沢などのムラをより高精度に測定する。
【0028】
以下、図1および図2を参照して、このような本実施の形態に従う画像評価方法の原理的な内容について説明する。
【0029】
図1は、画像形成プロセスに用いられるスクリーンの一例を示す図である。すなわち、図1(a)には、いわゆるドットスクリーンの例を示し、図1(b)には、いわゆるラインスクリーンの例を示す。なお、本実施の形態に従う画像評価方法を適用できるスクリーンは、これらのドットスクリーンおよびラインスクリーンに限定されるものではなく、周期性を有する任意のスクリーンに適用可能である。
【0030】
図1(a)に示すドットスクリーンでは、トナー付着領域がドット状(典型的には、四角形または円形)に設けられており、再現すべき画像の濃度が高くなるほど、このドット状のトナー付着領域の面積が大きくなる。このドットスクリーンでは、隣接するドット間の距離がスクリーン周期になる。なお、図1(a)では、左右方向の距離をスクリーン周期として示しているが、上下方向にもスクリーン周期を定義することができる。
【0031】
また、図1(b)に示すラインスクリーンでは、トナー付着領域がライン状(典型的には、所定の角度を有した線)に設けられており、再現すべき画像の濃度が高くなるほど、このトナー付着領域の線幅が大きくなる。このラインスクリーンでは、隣接するライン間の距離がスクリーン周期になる。
【0032】
次に、これらのスクリーンに対して設定される単位評価領域について説明する。図2は、本発明の実施の形態に従う単位評価領域について説明するための図である。図2には、上下方向および左右方向のいずれのスクリーン周期も同一で、同一の大きさのドットが均等な間隔で配置されている、すなわち均一な濃度のドットパターンを例に説明する。図2には、単位評価領域AR1−1,AR1−2,AR1−3と、単位評価領域AR2−1,AR2−2,AR2−3とが設定されている例を示す。ここで、単位評価領域AR1−1,AR1−2,AR1−3の各々における上下方向および左右方向のそれぞれの辺は、スクリーン周期の2倍を超えて、かつ3倍未満の長さを有している。一方、単位評価領域AR2−1,AR2−2,AR2−3の各々における上下方向および左右方向の辺は、いずれもスクリーン周期の2倍と一致している。
【0033】
単位評価領域AR1−1,AR1−2,AR1−3のそれぞれに含まれるドットの数について見ると、それぞれ、7個、5個、8個である。画像内の色、濃度、光沢などのムラを評価する場合には、単位評価領域AR1−1,AR1−2,AR1−3のそれぞれについての測定結果を互いに比較する必要があるが、図2に示すようなサイズを設定すると、仮にトナー付着が理想的であったとしても、測定される結果のバラツキが生じることになる。すなわち、このような単位評価領域AR1−1,AR1−2,AR1−3では、本来的に正しい測定を行なうことができない。
【0034】
これに対して、単位評価領域AR2−1,AR2−2,AR2−3のそれぞれに含まれるドットの数について見ると、いずれも4個で同一となる。すなわち、トナー付着が理想的であれば、単位評価領域AR2−1,AR2−2,AR2−3のそれぞれにおける測定結果は常に一致することになる。このような条件下によれば、より高精度に画像内の色、濃度、光沢などのムラを評価することができる。
【0035】
このように、本実施の形態においては、スクリーンに含まれる周期性を考慮して、単位評価領域が決定される。なお、画像形成プロセスによって、使用されるスクリーンが切換えられるので、選択されたスクリーンに依存して単位評価領域の大きさは決定される。これにより、画像形成プロセスによって形成された画像に生じるムラをより高解像度で測定した場合であっても、その測定精度を高い状態に保つことができる。また、その測定結果を用いて、画像形成プロセスを適切に補正することもできる。
【0036】
[II.実施の形態1]
<A.装置構成>
まず、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置について説明する。本実施の形態に従う画像形成装置は、上述したような画像評価方法を実行可能であるとする。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1の全体構成を示す概略図である。図3には、スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスを実行する画像形成装置の典型例として、タンデム型カラーデジタルプリント機を示す。もちろん、図3に示す構成に限られるものではなく、カラー画像形成装置およびモノクロ画像形成装置のいずれでもよく、さらに、複写機、FAX、MFP(Multi-Functional Peripheral)装置であってもよい。
【0038】
図3を参照して、画像形成装置1は、電子写真方式(電子写真プロセス)に従う画像形成プロセスを用いて画像を形成する。画像形成装置1は、トナー画像を形成する画像プロセス部10と、トナー画像が転写される媒体(以下、「記録シート」とも称す。)Sを搬送するシート搬送部30と、記録シートSに転写されたトナー像を定着させる定着装置40と、画像形成プロセスを制御するための画像形成部50と、ユーザーなどからの指示を受け付ける入力部60と、画像形成装置1の全体制御を司る制御部70と、記録シートS上の定着後の画像を測色する検出部80とを含む。
【0039】
画像形成装置1は、たとえばネットワーク(典型的には、LAN(Local Area Network))に接続された外部の端末装置(図示しない)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色からなるカラーのトナー画像を記録シートS上に形成する。
【0040】
画像プロセス部10は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて形成されたそれぞれのトナー像が転写される中間転写ベルト16とを含む。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、それぞれY,M,C,K色の単色トナー像をそれぞれ形成し、これらの単色のトナー像が中間転写ベルト16を介して順次積層される。
【0041】
中間転写ベルト16は、画像形成装置1の上下方向のほぼ中央位置において水平方向に沿って張架されており、矢印Xで示す方向に周回移動する。中間転写ベルト16の周回移動域の下方には、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが、中間転写ベルト16の周回移動方向に沿ってその順番で配置されている。
【0042】
Y色のトナーによるトナー画像を形成する画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム11Yと、その周囲に配設された帯電器12Y、露光部13Y、現像器14Yとを有する。画像形成ユニット10Yは、帯電工程、露光工程、現像工程を順番に経て、感光体ドラム11Y上にY色のトナー画像を形成する。他の画像形成ユニット10M,10C,10Kについても、画像形成ユニット10Yと同様の構成になっており、M,C,Kのトナー画像を感光体ドラム11M,11C,11K上にそれぞれ形成する。中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kに対向配置された1次転写ローラー15Y,15M,15C,15Kによって、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kに形成されたそれぞれのトナー画像は、中間転写ベルト16上における同一の転写領域に多重転写される。中間転写ベルト16における画像形成ユニット10Kに近接した一方の端部には、2次転写ローラー17が中間転写ベルト16に対向配置されており、両者の間に転写ニップN1が形成されている。
【0043】
シート搬送部30は、画像プロセス部10の下方に設けられた給紙カセット31を有する。シート搬送部30は、プリントジョブ実行時に、給紙カセット31内に収容された記録シートSを、中間転写ベルト16と2次転写ローラー17との間の転写ニップN1を通過する搬送路35に1枚ずつ繰り出す。搬送路35に繰り出された記録シートSは、転写ニップN1を通過する間に、中間転写ベルト16上に多重転写されたトナー画像が一括して転写され、転写ニップN1のさらに上方に設けられた定着装置40へと搬送される。定着装置40は、搬送路35を搬送される記録シートSを電磁誘導加熱方式によって加熱するとともに、トナー画像を記録シートに押圧することによって、記録シートS上にトナー画像を定着させる。定着後の記録シートSは、一対の排紙ローラー38によって、排出トレイ39上に排出される。
【0044】
定着装置40は、第1回転体である加熱ローラー41と、第2回転体である加圧ローラー42と、加熱ローラー41を加熱するための電磁誘導コイル43とを含む。加熱ローラー41および加圧ローラー42は、それぞれ、軸方向両端部が図示しないフレームに軸受部材などを介して回転自在に支持されており、加熱ローラー41と加圧ローラー42とが相互に圧接されることによって、記録シートSが通過する定着ニップN2が形成されている。
【0045】
画像形成部50は、上述したような画像形成プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、(1次および2次)転写工程、定着工程)を制御する。後述するように、画像形成部50は、複数のスクリーンからなるスクリーン群のデータを保持しており、必要なスクリーンを用いて濃淡(ハーフトーン)を表現する。
【0046】
入力部60は、画像形成装置1の前部などに設けられたユーザーインターフェイスであり、典型的には、表示ディスプレイ、タッチパネル、各種入力ボタン、表示インジケーターなど含む操作パネルである。ユーザーは、入力部60を介して、画像形成プロセスに係る設定を入力する。
【0047】
制御部70は、画像形成部50と通信可能に構成されるとともに、検出部80による検出結果に基づいて、記録シートS上の画像に対する評価を行なう。この制御部70において実行される制御ロジックの詳細については後述する。
【0048】
画像形成部50および制御部70の各々は、主たる構成要素として、予め定められた順序でプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムの実行に必要なワーキング領域を提供するRAM(Random Access Memory)と、プログラムを提供するROM(Read Only Memory)などを有する。さらに、画像形成部50および/または制御部70の全部または一部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアとして実装してもよい。
【0049】
検出部80は、記録シートSの測色を行い、その結果を制御部70へ出力する。検出部80は、記録シートS上に形成された画像を読取るように構成されており、典型的には、ラインセンサーが用いられる。このラインセンサーは、複数の画素が一列に配置された検出器であり、検出部としては、CCD(Charged Couple Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーなどが用いられる。代替的に、複数の画素を行列状(二次元状)に配置した撮像センサーなどを採用してもよい。
【0050】
<B.画像評価方法に係る制御機能>
次に、本実施の形態に従う画像評価方法を実現するための制御機能について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1において画像評価方法を実現するための制御機能を示すブロック図である。
【0051】
図4を参照して、画像形成部50は、その制御機能として、帯電工程制御部51と、露光工程制御部52と、現像工程制御部53と、転写工程制御部54と、定着工程制御部55と、スクリーンデータベース(DB)56とを含む。スクリーンデータベース56には、解像度や再現すべき画像の種類(文字/写真など)に応じた複数のスクリーン57が格納されている。
【0052】
帯電工程制御部51、露光工程制御部52、現像工程制御部53、転写工程制御部54、および、定着工程制御部55は、それぞれ帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、および、定着工程の進行を制御する。特に、スクリーン57を用いて画像を再現する必要がある場合などには、帯電工程制御部51および/または露光工程制御部52は、入力部60を介してユーザーが指定する画像形成条件に従って、対応するスクリーンを参照して画像(トナー像)を形成する。
【0053】
制御部70は、その制御機能として、入力画像バッファ71と、変換部72と、スクリーン条件取得部73と、単位評価領域決定部74と、評価画像バッファ75と、評価部76と、補正制御部77とを含む。これらの制御部位は、CPUなどの演算装置が予め登録されたプログラムを実行することで実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0054】
先に、このような制御機能によって本実施の形態に従う画像評価方法を実現するための処理手順について説明する。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態1に従う画像評価方法を実現するための制御手順を示すフローチャートである。図5を参照して、まず、制御部70は、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する(ステップS1)。より具体的には、制御部70のスクリーン条件取得部73は、画像形成部50からスクリーン条件を取得する。
【0056】
続いて、制御部70は、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する(ステップS2)。より具体的には、画像形成部50において実行される画像形成プロセスで用いられるスクリーンの条件に適した単位評価領域の大きさ(サイズ)を制御部70の単位評価領域決定部74が決定する。
【0057】
続いて、制御部70は、スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を読取る(ステップS3)。より具体的には、画像形成部50が指定されたスクリーンの条件に従って画像形成プロセスを実行することで画像を生成(記録シートS上にトナー像を定着)し、検出部80が当該画像をスキャンすることで、評価対象の画像を示す入力画像が制御部70の入力画像バッファ71へ一次的に格納される。
【0058】
続いて、制御部70は、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出する(ステップS4)。より具体的には、制御部70の変換部72が入力画像バッファ71に格納されている入力画像を単位評価領域毎に所定の画像変換処理を行なうことで、評価画像を生成する。この評価画像が入力画像内のムラなどの評価に用いられる。このとき、単位評価領域は、評価画像の「1画素」に相当する入力画像内の領域を示すことになる。
【0059】
続いて、制御部70は、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像(評価画像)を評価する(ステップS5)。より具体的には、制御部70の評価部76は、評価画像バッファ75に格納されている評価画像に基づいて、入力画像内の色、濃度、光沢などのムラの有無/程度などを評価する。
【0060】
最終的に、制御部70は、ステップS5における評価結果に基づいて、入力画像内に補正の必要なムラが存在しているか否かを判断する(ステップS6)。入力画像内に補正の必要なムラが存在している場合(ステップS6においてYESの場合)には、制御部70は、評価画像の評価結果に基づいて、画像形成プロセスを調整する(ステップS7)。より具体的には、制御部70の補正制御部77は、評価部76からの評価結果に基づいて、画像形成部50における画像形成プロセスにおける変動(ムラの発生)を補正するための補正値を算出して画像形成部50へ出力する。画像形成部50は、補正制御部77からの補正値に従って、次回以降の画像形成プロセスを補正する。
【0061】
ステップS7の実行後、画像評価手順は終了する。また、入力画像内に補正の必要なムラが存在していない場合(ステップS6においてNOの場合)には、ステップS7の処理はスキップされる。
【0062】
以下、各ステップのより詳細な内容について説明する。
(b1:スクリーン条件の判断(ステップS1))
ユーザーは、入力部60(典型的には、操作パネル)などを操作して画像形成プロセスについての条件を設定する。この画像形成プロセスについての条件は、解像度や画質モードなどを含む。上述したように、画像形成部50には、複数のスクリーン57がスクリーンデータベース56に予め用意されており、ユーザーが選択した画像形成プロセスの条件に対応するスクリーン(スクリーン条件)が決定される。そして、制御部70(スクリーン条件取得部73)は、この決定されたスクリーン条件を取得する。このように、スクリーンの条件を判断するステップS1では、ユーザーなどから外部入力された指示に基づいて、スクリーン条件が判断される。
【0063】
このスクリーン条件は、対応するスクリーンの空間周波数特性を含む。たとえば、ドットスクリーンやラインスクリーンであれば、上述した図1および図2に示すようなスクリーン周期である。
【0064】
(b2:単位評価領域の決定(ステップS2))
上述したように、制御部70(単位評価領域決定部74)は、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する。この単位評価領域は、スクリーン条件に対応して、評価画像における1画素のサイズに相当する。以下の説明では、この単位評価領域を測色画素サイズPcとも記す。この測色画素サイズPcは、入力画像内の1画素分のムラデータとして扱われる領域の大きさである。
【0065】
上述の図2を用いて説明したように、スクリーンに含まれる周期性を考慮して単位評価領域(測色画素サイズPc)を決定する。典型例として、検出部80が図6に示すような結像光学系81とラインセンサー82とで構成される場合には、ラインセンサー82における1画素撮像サイズPiとの関係で、単位評価領域(測色画素サイズPc)を以下のように決定できる。
【0066】
図6には、ラインセンサーの概略図を示しており、X方向(主走査方向)に沿って1ライン分の画像が読取られる。ラインセンサーおよび/または記録シートSは、Y方向(副走査方向)に相対移動され、記録シートSに転写されたトナー像は、1ライン分ずつ順次読取られることになる。このラインセンサーは、複数の画素が少なくとも一列(X方向に沿って)配置されており、これらの各画素がトナー像(画像)を読取る。各画素のX方向の長さが「1画素撮像サイズPi」に相当する。そして、単位評価領域(測色画素サイズPc)は、画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)とスクリーンの周期(スクリーン周期Ps)との公倍数に略一致するように設定される。
【0067】
このような関係を数式で示すと、以下のようになる。
Pc≒n×Pi≒m×Ps
ここで、n,mは自然数である。
【0068】
上式から明らかであるように、単位評価領域(測色画素サイズPc)の大きさは、スクリーン条件毎に異なったものとなる。たとえば、スクリーン条件A(スクリーン周期Ps)およびスクリーン条件B(スクリーン周期Ps)のそれぞれにおける測色画素サイズPcおよびPcは、以下のように示すことができる。
【0069】
スクリーン条件Aの場合:Pc≒n×Pi≒m×Ps
スクリーン条件Bの場合:Pc≒n×Pi≒m×Ps
上述したように、測色画素サイズPcを検出部80のラインセンサー82における1画素撮像サイズPiとスクリーン周期Psとの略公倍数となるように決定することで、図2を用いて説明したように、評価画像の1画素単位に存在すべきドットまたはラインの数が一定となる。これにより、測定のバラツキを低減でき、測定精度が向上する。
【0070】
上述したように、単位評価領域(測色画素サイズPc)は、検出部80のラインセンサー82の各画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)よりも大きく設定される。そのため、ラインセンサー82の各画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)は、可能な限り小さい(高解像度)ことが好ましい。さらに、単位評価領域(測色画素サイズPc)よりも小さく、かつ、画像形成部50に予め用意されているすべてのスクリーンのスクリーン周期Psとの公倍数を小さくできるサイズであることが好ましい。
【0071】
このような1画素撮像サイズPiを有するラインセンサーを採用すれば、複数の異なるスクリーン周期の条件(たとえば、スクリーン条件A,B,…)のいずれについても、そのスクリーン条件に対応した測色画素サイズ(たとえば、Pc,Pc,…)をより小さくすることができ、より高解像度な測色が可能となる。
【0072】
(b3:入力画像の読取り(ステップS3))
上述したように、ユーザーに指定されたスクリーンの条件に従って、画像形成部50が画像形成プロセスを実行することで形成された画像を読取る(スキャンする)。この読取られた画像(入力画像)は、入力画像バッファ71に格納される。上述したように、検出部80の各画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)は、可能な限り小さくなるように設計されるので、入力画像は比較的高解像度な2次元画像となる。
【0073】
(b4:単位評価領域毎の測定結果の算出(ステップS4))
ステップS4においては、単位評価領域毎の測定結果が算出される。この測定結果は、入力画像のムラを評価するためのムラデータに相当する。より具体的には、入力画像を単位評価領域の大きさに応じた画像サイズに変換するとともに、単位評価領域の特性を示す情報を算出する。より具体的には、制御部70の変換部72は、入力画像の画素サイズを変換するとともに、色、濃度、光沢などの分布データに変換する。なお、画素サイズ変換処理と分布データへの変換処理とについての実行順番はいずれであってもよい。
【0074】
すなわち、ステップS4に示す単位評価領域毎の測定結果の算出処理においては、ラインセンサー82の各画素で読取られた部分画像を単位評価領域に相当する数だけ集合させるとともに、集合させた部分画像についての代表値を単位評価領域毎の測定結果として算出する。
【0075】
より具体的には、画素サイズ変換処理では、入力画像バッファ71に一次的に格納されている入力画像(2次元画像)に対して、評価画像において「1画素」として扱われる領域サイズ(単位評価領域)毎に変換処理が実行される。これにより、ムラデータが高精度で作成される。この画素サイズ変換処理により、各画像における1画素のサイズは、「ラインセンサー82における1画素撮像サイズPi」から「1画素撮像サイズPiのn倍である測色画素サイズPc」に変換される。
【0076】
この画素サイズ変換処理の一例として、垂直方向および水平方向に隣接する連続したn個の画素データを平均化して、1つの画素に相当する情報が算出される。このような平均化による変換処理を採用することで、ランダムノイズが低減し、S/N(信号対ノイズ)特性が向上する。
【0077】
より好ましい画素サイズ変換処理としては、入力画像(2次元画像データ)の全体に対して、移動平均処理を用いて変換する。このような移動平均処理を採用することで、空間的な分布が滑らかになり、評価画像の分布データをより正確に把握できる。このように、ステップS4の単位評価領域毎の測定結果を算出するステップでは、同一の単位評価領域に含まれる部分画像についての移動平均を算出することで、各単位評価領域についての測定結果を算出することが好ましい。
【0078】
また、分布データへの変換処理の一例として、単位評価領域の情報が所定のデータ形式に変換される。すなわち、単位評価領域を代表する情報が算出される。この単位評価領域を代表する情報は、色情報(たとえば、L*a*b*座標系)、濃度、反射率、光沢、直接反射率、間接反射率などを含む。このとき、単位評価領域の各々を示す情報は、一種類に限定されることなく、複数の情報を算出してもよいし、あるいは、使用目的に応じて使い分けてもよい。
【0079】
(b5:評価画像の評価および補正要否判断(ステップS5およびS6))
上述のような処理によって算出された評価画像(ムラデータ)に基づいて、入力画像における画質の評価が行なわれる。すなわち、画像内の色、濃度、光沢などのムラの有無および/または程度が測定する。このような評価処理の位置例としては、評価画像全体の平均値(各単位評価領域の情報についての全体平均)からのずれ量が予め定められたしきい値を超えているか否かなどの判断を含む。そして、ずれ量が予め定められたしきい値を超えている場合には、後述のステップS7に示すムラの補正処理が実行される。
【0080】
このように、ステップS5の画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップでは、単位評価領域毎の測定結果を互いに比較することで、画像内のムラを評価する。
【0081】
(b6:補正処理(ステップS7))
ステップS7の画像形成プロセスを調整する処理では、画像形成部50における画像形成条件や画像データを修正するための情報(指令)が生成される。すなわち、評価画像(ムラデータ)についての評価結果から、入力画像(画像形成部50により形成された画像)が所望の目標値となるように、画像形成部50に対してフォードバック制御を行なう。このようなフィードバック制御の対象は、評価画像についての評価結果に応じて決定されればよく、一連の画像形成プロセスのうち、任意の必要な工程を調整すればよい。典型的には、画像処理部やプロセス条件などを調整することが好ましい。
【0082】
より具体的には、再現される画像の特性を決定するγ特性やルックアップ(LUT)テーブルなどを空間的に切換える(たとえば、主走査方向を複数に分割し、各分割した領域について使用するγ特性を指定するなど)、補正係数を空間的に設定するなどのフィードバック処理が挙げられる。このようなフィードバック処理によって、再現される画像におけるムラ補正を実現でき、画像をより高品位な形成できる。あるいは、形成される画像の元データを直接補正するようなフィードバック処理を行ってもよい。
【0083】
プロセス条件に対してフィードバック処理する場合には、ムラの発生具合などから発生要因を特定し、ムラを抑制または除去できるようなプロセス条件を変更すればよい。一例として、光沢ムラが発生している場合であれば、定着部の温度分布に対してフィードバック処理を行なうことで光沢ムラの発生を抑制できる。別の一例としては、評価画像(ムラデータ)からバラツキ値を演算し、当該バラツキ値が最小化するようにプロセス条件を修正または最適化するようなフィードバック処理を行なってもよい。
【0084】
以上のような、一連の処理を実行することで、画像のムラを抑制した、より高品質な画像形成プロセスを実現できる。
【0085】
[III.実施の形態2]
上述の実施の形態1において説明したように、単位評価領域(測色画素サイズPc)がラインセンサー82の画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)とスクリーンの周期(スクリーン周期Ps)との公倍数に略一致するように設定されることが好ましい。以下に説明する、実施の形態2においては、ラインセンサー82の画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)を可変させることで、単位評価領域をより適切に設定できる構成について説明する。
【0086】
<A.装置構成>
本発明の実施の形態2に従う画像形成装置については、検出部80の構成を除いて、図1に示す実施の形態2に係る画像形成装置は、図3に示す実施の形態1に従う画像形成装置1と同様の構成を有するので、詳細な説明は繰返さない。
【0087】
図7は、本発明の実施の形態2に従う検出部80#の構成を示す概略図である。図7を参照して、検出部80#は、図6と同様のラインセンサー82に加えて、各画素の入力側に設けられた光学系83を含む。この光学系83は、光学倍率調整機構として機能し、画素に入力する像についての光学的な倍率の制御を可能とする倍率調整部の一例である。すなわち、光学系83は、検出部80の各画素の検出範囲を光学的に変更する。
【0088】
後述するように、光学系83が主走査方向(X方向)および副走査方向(Y方向)のいずれとも直交する方向(Z方向)に移動することで、ラインセンサー82における1画素撮像サイズPiを実質的にPi’に変化させることができる。このように実質的な1画素撮像サイズを可変にすることで、単位評価領域(測色画素サイズPc)を画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)とスクリーンの周期(スクリーン周期Ps)との公倍数に略一致するように設定するという原則をより容易に実現できる。それにより、画像のムラをより高精度に検出できる。
【0089】
なお、図7に示すような光学系83を画素の前段に配置することで、各画素から見た視野範囲が変化し、それに伴って各画素に入射する光量の絶対値が変化し得る。これにより、検出部のS/N(信号対ノイズ)特性が変動する。そこで、このような光学系83により影響を低減するために、光学系83の位置に応じて、撮像時の露光条件(露光量など)を調整することが好ましい。この露光条件の調整については、より詳述に後述する。
【0090】
<B.画像評価方法に係る制御機能>
次に、本実施の形態に従う画像評価方法を実現するための制御機能について説明する。図8は、本発明の実施の形態2に従う画像形成装置1において画像評価方法を実現するための制御機能を示すブロック図である。図8に示す本実施の形態に従う画像形成装置の制御機能については、図4に示す実施の形態1に従う画像形成装置の制御機能に比較して、さらに、倍率調整部78および露光条件調整部79とをさらに含む。その他の部位については、図4を参照して説明したので、詳細な説明は繰返さない
倍率調整部78は、単位評価領域決定部74と連携して、単位評価領域を決定するに際して、検出部80#に関連付けられた光学系83を調整する。この光学系83の位置に応じた光学倍率αを1画素撮像サイズPiに乗じた値が、ラインセンサー82における実質的な1画素撮像サイズPi’(=α×Pi)となる。
【0091】
露光条件調整部79は、倍率調整部78により決定された光学系83の位置に応じて、露光条件を調整する。この露光条件の調整方法は、複数種類の方法が考えられるが、露光条件調整部79は、決定した露光条件に応じた指令値をこれらの露光条件を調整するための露光機構へ出力する。
【0092】
上述したように、単位評価領域(測色画素サイズPc)が、画素の大きさ(実質的な1画素撮像サイズPi’(=α×Pi))とスクリーンの周期(スクリーン周期Ps)との公倍数に略一致するように設定されるので、この設定の自由度は「公倍数」と「光学倍率α」との2自由度となる。この2つの変数を同時に決定してもよいが、本実施の形態においては、より制約の大きい「公倍数」を単位評価領域決定部74が先に決定し、倍率調整部78が「光学倍率α」を続いて決定するというロジックを採用する。すなわち、前者の決定段階が「粗調整」に相当し、後者の決定段階が「微調整」に相当する。
【0093】
図9は、本発明の実施の形態2に従う画像評価方法を実現するための制御手順を示すフローチャートである。図9を参照して、まず、制御部70は、画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する(ステップS1)。より具体的には、制御部70のスクリーン条件取得部73は、画像形成部50からスクリーン条件を取得する。
【0094】
続いて、制御部70は、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する(ステップS2−1)。より具体的には、画像形成部50において実行される画像形成プロセスで用いられるスクリーンの条件に適した単位評価領域の大きさ(サイズ)を制御部70の単位評価領域決定部74が決定する(粗調整)。このとき、単位評価領域の大きさ(サイズ)は、スクリーン周期Psを基準として、そのある整数倍の大きさに設定される。
【0095】
続いて、制御部70は、ステップS2−1において決定された単位評価領域の大きさ(サイズ)を実現するために必要な光学倍率αを決定する(ステップS2−2)。すなわち、単位評価領域の大きさを決定する工程において、制御部70は、検出部80#の各画素の検出範囲(実質的な1画素撮像サイズPi’)を光学的に変更する。より具体的には、先に決定された単位評価領域の大きさ(サイズ)を実現するために必要な光学倍率αを倍率調整部78が算出して決定する(微調整)。
【0096】
続いて、制御部70は、ステップS2−2において決定された光学倍率αに応じて露光条件を決定する(ステップS2−3)。すなわち、単位評価領域の大きさを決定する工程において、制御部70は、検出部80の各画素の検出範囲に応じて、画像読取時の露光条件を調整する。
【0097】
続いて、制御部70は、スクリーンの条件に従って画像形成プロセスによって形成された画像を、先に決定された光学倍率αおよび露光条件の下で読取る(ステップS3)。より具体的には、画像形成部50が指定されたスクリーンの条件に従って画像形成プロセスを実行されることで画像を生成(記録シートS上にトナー像を定着)し、検出部80#のラインセンサー82が当該画像をスキャンすることで、評価対象の画像を示す入力画像が制御部70の入力画像バッファ71へ一次的に格納される。
【0098】
続いて、制御部70は、読取られた画像を用いて、単位評価領域毎の測定結果を算出する(ステップS4)。より具体的には、制御部70の変換部72が入力画像バッファ71に格納されている入力画像を単位評価領域毎に所定の画像変換処理を行なうことで、評価画像を生成する。この評価画像が入力画像内のムラなどの評価に用いられる。このとき、単位評価領域は、評価画像の「1画素」に相当する入力画像内の領域を示すことになる。
【0099】
続いて、制御部70は、算出された単位評価領域毎の測定結果に基づいて、画像形成プロセスによって形成された画像(評価画像)を評価する(ステップS5)。より具体的には、制御部70の評価部76は、評価画像バッファ75に格納されている評価画像に基づいて、入力画像内の色、濃度、光沢などのムラの有無/程度などを評価する。
【0100】
最終的に、制御部70は、ステップS5における評価結果に基づいて、入力画像内に補正の必要なムラが存在しているか否かを判断する(ステップS6)。入力画像内に補正の必要なムラが存在している場合(ステップS6においてYESの場合)には、制御部70は、評価画像の評価結果に基づいて、画像形成プロセスを調整する(ステップS7)。より具体的には、制御部70の補正制御部77は、評価部76からの評価結果に基づいて、画像形成部50における画像形成プロセスにおける変動(ムラの発生)を補正するための補正値を算出して画像形成部50へ出力する。画像形成部50は、補正制御部77からの補正値に従って、次回以降の画像形成プロセスを補正する。
【0101】
ステップS7の実行後、画像評価手順は終了する。また、入力画像内に補正の必要なムラが存在していない場合(ステップS6においてNOの場合)には、ステップS7の処理はスキップされる。
【0102】
以下、各ステップのより詳細な内容について説明する。
(b1:スクリーン条件の判断(ステップS1))
上述の実施の形態1と同様の処理に従って、スクリーン条件が判断される。
【0103】
(b2:単位評価領域の決定(ステップS2−1〜S2−3))
上述したように、制御部70(単位評価領域決定部74および倍率調整部78)は、スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する。上述したように、光学倍率αを考慮すると、単位評価領域(測色画素サイズPc)、画素の大きさ(1画素撮像サイズPi)、およびスクリーンの周期(スクリーン周期Ps)の間の関係を数式で示すと、以下のようになる。
【0104】
Pc=n×Pi’=n×α×Pi=m×Ps
ここで、n,mは自然数である。
【0105】
上述の粗調整では、まず、以下の式が成立するように、スクリーンの周期(スクリーン周期Ps)を基準にして、測色画素サイズPcが決定される(ステップS2−1)。
【0106】
Pc=m×Ps≒n×α×Pi
ここで、αは調整前の光学倍率である。
【0107】
すなわち、実施の形態1のステップS2と同様の手順で測色画素サイズPcが決定される。つまり、検出部80#の本来の1画素撮像サイズPiとスクリーン周期Psとの略公倍数とから測色画素サイズPcが決定される。このように、粗調整においては、検出部80#の本来の1画素撮像サイズPiを用いて設定処理が行なわれる。
【0108】
続いて、微調整として、以下の式が成立するように、光学倍率αが調整される(ステップS2−2)。
【0109】
Pc=m×Ps=n×α×Pi
ここで、αは調整後の光学倍率である。
【0110】
すなわち、測色画素サイズPcを、検出部80#の本来の1画素撮像サイズPiとスクリーン周期Psとの公倍数(整数)により近付けるように、光学倍率αを調整する。
【0111】
このようにして、スクリーン条件(スクリーン周期Ps)に応じて、測色画素サイズPcおよび対応する光学倍率αが決定される。
【0112】
以上のように、検出部80#の各画素の検出範囲を光学的に変更する工程では、検出部80#の各画素が読取る部分画像を予め定められた数だけ集合させた場合に、当該集合させた部分画像の全体が単位評価領域(測色画素サイズPc)と実質的に一致するように、検出範囲が調整される。
【0113】
このような測色画素サイズPcおよび対応する光学倍率αの調整により、測色画素サイズPcを、1画素撮像サイズPiとスクリーン周期Psとの公倍数により近付けることができるため、測定のバラツキを縮小させることができ、画像のムラをより高い精度で測定することができる。
【0114】
これに伴って、光学倍率調整機構である光学系83を設けることによって、より小さい公倍数を採用することができるため、測色画素サイズPcを小さくできる。これによって、解像度をより高めることができる。すなわち、光学系83のような光学倍率調整機構が存在しない場合には、1画素撮像サイズPiとスクリーン周期Psとの間の関係によっては、公倍数が大きくなり過ぎ、測色画素サイズPcの大きさが過大となって、十分な解像度を得られない場合があるが、光学倍率調整機構によって、より小さな公倍数を採用することができるようになる。
【0115】
上述のような光学倍率αの調整に伴って、検出部80#の測色時の露光条件が調整される。検出部80#によって検出された入力画像の(信号対ノイズ)特性は、入力する光量(すなわち、被写体への露光量)に依存する。すなわち、露光量がより多い(明るい)ほど、S/N特性がよくなる。入力画像の必要な精度を確保するためには、光学倍率αに応じて露光条件を調整することが好ましい。このような露光条件の調整手段としては、光源の強度や露光時間(通紙速度/印刷速度)の変更が挙げられる。
【0116】
例えば、光学倍率αが相対的に小さく設定され、検出部80#に入射する光量が不足するような場合には、光源からの照射光量を増加させ、一方、光学倍率αが相対的に大きく設定され、検出部80#に入射する光量が過大となるような場合には、光源からの照射光量を減少させるように制御される。なお、光源からの照射光量を減少させることで、消費電力を低減することもできる。
【0117】
また、より高精度な測定が必要な場合には光源からの照射光量を増加し、低精度でよい場合には光源からの照射光量を低減するようにしてもよい。
【0118】
(b3:入力画像の読取り(ステップS3))
上述の実施の形態1と同様の処理に従って、入力画像が読取られる。
【0119】
(b4:単位評価領域毎の測定結果の算出(ステップS4))
上述の実施の形態1と同様の処理に従って、単位評価領域毎の測定結果が算出される。
【0120】
(b5:評価画像の評価および補正要否判断(ステップS5およびS6))
上述の実施の形態1と同様の処理に従って、評価画像の評価および補正要否判断が行なわれる。
【0121】
(b6:補正処理(ステップS7))
上述の実施の形態1と同様の処理に従って、補正処理が行われる。
【0122】
以上のような、一連の処理を実行することで、画像のムラを抑制した、より高品質な画像形成プロセスを実現できる。
【0123】
[IV.実施の形態3]
上述の実施の形態1および2においては、画像形成プロセスを提供するとともに、画像評価機能を搭載した画像形成装置について例示したが、画像評価機能を画像形成装置とは別の主体で提供するようにしてもよい。このように画像評価機能を別の主体で実現することにより、複数の画像形成装置に対して、一括して画像評価機能を提供することもできる。
【0124】
図10は、本発明の実施の形態3に従う画像安定化制御システムの構成例を示す模式図である。図10を参照して、複数の画像形成装置1−1,1−2,…,1−Nが共通のネットワークNWに接続されており、当該ネットワークNWには、本実施の形態に従う画像評価機能を提供するサーバー装置SRVも接続されている。
【0125】
サーバー装置SRVは、図4または図8に示す制御部70が提供する各ロジックを有しており、接続されている画像形成装置1−1,1−2,…,1−Nの別にこれらのロジックを実行する。これによって、画像形成装置1−1,1−2,…,1−Nの各々は、スクリーン条件ならびに検出部80または80#により検出された入力画像をサーバー装置SRVへ送信することで、サーバー装置SRVから画像形成プロセスに必要な補正値を受けることができる。各画像形成装置は、この受信した補正値に基づいて、自機の画像形成プロセスを調整する。
【0126】
図10に示すようなネットワーク構成を採用することで、各画像形成装置1−1,1−2,…,1−Nのフィードバック処理に関するロジックの部分を省略することができるため、コストを低減できる。
【0127】
[V.その他の実施の形態]
本発明に係る実施の形態1〜3について上述したが、これらは、あくまでも例示であって、本発明の技術的範囲がこれらの実施の形態に限定されることはない。念のため、本発明の他の実施の形態について、以下さらに概略的に説明する。
【0128】
(1) 上述の実施の形態1および2に示した処理の実行順序は、フローチャートとして図示したものに限られない。本発明の目的を達成できれば、いずれの実行順序を採用してもよい。たとえば、入力画像(2次元画像データ)を予め取得しておき、続いて、単位評価領域の大きさ(サイズ)をスクリーン条件に基づいて決定してもよい。
【0129】
(2) 図5および図9のステップS4に含まれる画素サイズ変換処理の実装例として、上述の実施の形態においては隣接するn個の画素データを平均化する方法を例示したが、連続する画素のn個おきに抽出する方法を採用してもよい。
【0130】
(3) 上述の実施の形態2においては、単位評価領域(測色画素サイズPc)を決定するために、スクリーン条件の各々について、粗調整および微調整の2段階の調整方法を例示したが、これに限られることはない。たとえば、単位評価領域(測色画素サイズPc)を検出部80#のラインセンサー82における1画素撮像サイズPiのn倍(固定値)とし、その上で、光学倍率αを調整するようにしてもよい。
【0131】
(4) 上述のスクリーン条件(スクリーン周期)の判断方法としては、ユーザーが画像形成条件などを指定することに応答して取得される例を示したが、画像形成装置自身がスクリーン条件を決定し、これを検知するようにしてもよい。あるいは、プリントの元画像に応じてスクリーン条件を自動的に決定し、これを検知するようにしてもよい。このような場合、ユーザーインターフェイスである入力部60は必ずしも必要ない。
【0132】
あるいは、入力された画像情報に基づいて、最適なスクリーン条件を装置(たとえば、制御部70)が決定し、その条件を取得してもよい。すなわち、検出部80が測色することにより取得された入力画像(2次元画像データ)から、その画像を表現するために用いられているスクリーン条件を判別し、または、スクリーン周期を抽出してもよい。このようなスクリーン条件の判別/スクリーン周期の抽出は、たとえば、入力画像に対するFFTなどの画像処理によって実現することができる。このような方法を実現するための手順を以下に例示する。
【0133】
手順1:入力画像(2次元画像データ)の取得
手順2:取得した入力画像に基づいてスクリーン条件(周期)の決定
手順3:単位評価領域(測色画素サイズPc)の決定
手順4:入力画像の画素サイズ変換
手順5:評価画像(ムラデータ)の生成
手順6:ムラの補正処理
(5) 上述の実施の形態1および2においては、典型的な制御構成として、図4および図8にそれぞれブロック図を示すが、本発明の技術的範囲がこれらのブロック図に示す制御構成と全く同一に実装されているものに限定されることはなく、上述したような本発明に係る機能を実現できれば、任意の制御構造を用いて実装することができる。
【0134】
[VI.別の局面]
本発明は、別の局面として、さらに以下のように表現することができる。
【0135】
(1) 本発明のさらに別の局面に従えば、形成画像のムラ検知方法を提供する。このムラ検知方法は、スクリーン条件を決定するステップと、複数の画素を有する画像を読取るステップと、スクリーン条件に基づいて1画素として扱う測定領域を決定するステップと、画像を読取るステップにおいて取得した画像に対して、画素サイズを上記測定領域大きさになるように変換するステップとを含む。
【0136】
(2) この局面に従うムラ検知方法は、好ましくは、取得したムラを補正する補正制御ステップを含む。
【0137】
(3) この局面に従うムラ検知方法では、測定領域は、画像を読取るステップで用いた読取手段の画素サイズとスクリーン周期との略公倍数に設定される。
【0138】
(4) この局面に従うムラ検知方法では、上記スクリーン条件を決定するステップでは、取得したデータに基づいてスクリーン条件が決定される。
【0139】
(5) この局面に従うムラ検知方法では、取得したデータの空間周波数特性からスクリーン条件が決定される。
【0140】
(6) この局面に従うムラ検知方法では、画像を読取るステップで用いた読取手段に対して読取り倍率制御手段が設けられており、上記測定領域の調整に使用される。
【0141】
(7) この局面に従うムラ検知方法では、上記測定領域の調整は、読取り画素数による粗調整と、倍率制御による微調整との組み合わせである。
【0142】
(8) この局面に従うムラ検知方法では、上記測定領域サイズに基づいて、露光量調整手段を有する。
【0143】
(9) この局面に従うムラ検知方法では、画像を読取るステップで用いた読取手段の画素サイズは、上記測定領域の画素サイズよりも小さい。
【0144】
(10) 上記測定領域のデータは、画像読取り手段により取得したデータを移動平均することで作成する。
【0145】
(11) 上述の機能を搭載した画像形成装置。
(12) 上述の機能を搭載した画像形成システム。
【0146】
[VII.利点]
本実施の形態によれば、画像をより高い解像度でかつより高い精度で測定することが可能となる。
【0147】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0148】
1 画像形成装置、10 画像プロセス部、10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット、11Y,11M,11C,11K 感光体ドラム、12Y,12M,12C,12K 帯電器、13Y,13M,13C,13K 露光部、14Y,14M,14C,14K 現像器、15Y,15M,15C,15K 1次転写ローラー、16 中間転写ベルト、17 2次転写ローラー、30 シート搬送部、31 給紙カセット、35 搬送路、38 排紙ローラー、39 排出トレイ、40 定着装置、41 加熱ローラー、42 加圧ローラー、43 電磁誘導コイル、50 画像形成部、51 帯電工程制御部、52 露光工程制御部、53 現像工程制御部、54 転写工程制御部、55 定着工程制御部、56 スクリーンデータベース、57 スクリーン、60 入力部、70 制御部、71 入力画像バッファ、72 変換部、73 スクリーン条件取得部、74 単位評価領域決定部、75 評価画像バッファ、76 評価部、77 補正制御部、78 倍率調整部、79 露光条件調整部、80,80# 検出部、82 ラインセンサー、83 光学系、AR1,AR2 単位評価領域、N1 転写ニップ、N2 定着ニップ、NW ネットワーク、S 記録シート、SRV サーバー装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンを用いて濃淡を表現する画像形成プロセスにおける画像評価方法であって、
前記画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断するステップと、
前記スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定するステップと、
前記スクリーンの条件に従って前記画像形成プロセスによって形成された画像を読取るステップと、
読取られた画像を用いて、前記単位評価領域毎の測定結果を算出するステップと、
算出された前記単位評価領域毎の測定結果に基づいて、前記画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップとを備える、画像評価方法。
【請求項2】
前記スクリーンの条件は、対応するスクリーンの空間周波数特性を含む、請求項1に記載の画像評価方法。
【請求項3】
前記画像を読取るステップでは、複数の画素からなる検出部で画像を読取り、
前記単位評価領域は、前記画素の大きさと前記スクリーンの周期との公倍数に略一致するように設定される、請求項2に記載の画像評価方法。
【請求項4】
前記画像形成プロセスによって形成された画像を評価するステップでは、前記単位評価領域毎の測定結果を互いに比較することで、画像内のムラを評価する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像評価方法。
【請求項5】
前記画像の評価結果に基づいて、前記画像形成プロセスを調整するステップをさらに備える、請求項4に記載の画像評価方法。
【請求項6】
前記単位評価領域毎の測定結果を算出するステップでは、前記検出部の各画素で読取られた部分画像を前記単位評価領域に相当する数だけ集合させるとともに、集合させた部分画像についての代表値を前記単位評価領域毎の測定結果として算出する、請求項3に記載の画像評価方法。
【請求項7】
前記単位評価領域毎の測定結果を算出するステップでは、同一の単位評価領域に含まれる部分画像についての移動平均を算出することで、各単位評価領域についての測定結果を算出する、請求項6に記載の画像評価方法。
【請求項8】
前記単位評価領域の大きさを決定するステップは、前記検出部の各画素の検出範囲を光学的に変更するステップを含む、請求項6または7に記載の画像評価方法。
【請求項9】
前記単位評価領域の大きさを決定するステップは、前記検出部の各画素の検出範囲に応じて、画像読取時の露光条件を調整するステップをさらに含む、請求項8に記載の画像評価方法。
【請求項10】
各画素の検出範囲を光学的に変更するステップでは、前記検出部の各画素が読取る部分画像を予め定められた数だけ集合させた場合に、当該集合させた部分画像の全体が前記単位評価領域と実質的に一致するように、前記検出範囲を調整する、請求項8または9に記載の画像評価方法。
【請求項11】
前記単位評価領域は、前記検出部の各画素の大きさよりも大きく設定される、請求項6〜10のいずれか1項に記載の画像評価方法。
【請求項12】
前記スクリーンの条件を判断するステップでは、外部入力された指示に基づいて、前記スクリーンの条件を判断する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像評価方法。
【請求項13】
画像形成プロセスを実行する画像形成装置であって、
濃淡を表現するための複数のスクリーンと、
前記画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する判断手段と、
前記スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する決定手段と、
前記スクリーンの条件に従って前記画像形成プロセスによって形成された画像を読取る読取手段と、
読取られた画像を用いて、前記単位評価領域毎の測定結果を算出する算出手段と、
算出された前記単位評価領域毎の測定結果に基づいて、前記画像形成プロセスによって形成された画像を評価する評価手段とを備える、画像形成装置。
【請求項14】
画像形成プロセスを実行する画像形成装置と前記画像形成装置によって形成された画像を評価する評価装置とを含む画像形成システムあって、
濃淡を表現するための複数のスクリーンと、
前記画像形成プロセスにおいて用いられるスクリーンの条件を判断する判断手段と、
前記スクリーンの条件に基づいて、単位評価領域の大きさを決定する決定手段と、
前記スクリーンの条件に従って前記画像形成プロセスによって形成された画像を読取る読取手段と、
読取られた画像を用いて、前記単位評価領域毎の測定結果を算出する算出手段と、
算出された前記単位評価領域毎の測定結果に基づいて、前記画像形成プロセスによって形成された画像を評価する評価手段とを備える、画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−242782(P2012−242782A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115839(P2011−115839)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】