説明

画像読取装置、及び画像形成装置

【課題】ユーザーに対して、より確実に走査体の固定及び固定の解除を促す、画像読取装置、及び画像形成装置を得る。
【解決手段】操作パネルユニット24がロック位置P2に配置されているときには、操作パネルユニット24の側面が走査ユニット32の移動方向側に当てられ、走査ユニット32の移動が規制されている。操作パネルユニット24が使用位置P2に配置されているときには、に示すように、操作パネルユニット24の側面による走査ユニット32の移動規制が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(プリンタ)に、フラットベッド構成の画像読取装置(スキャナ)を一体化させた、MFP(Multi Function Printer)、AIO(All In One)と呼ばれるものがある。画像読取装置は、走査体であるキャリッジに、発光部と、結像光学系と、CCD(Charge Coupled Device)等からなる撮像素子基板とが取付けられており、キャリッジが走査すると、発光部から出射した光が原稿で反射し、結像光学系を通してCCDに結像されて、所定の画像データが得られる。
【0003】
キャリッジは、輸送時の衝撃等により、光学部品の取付け位置等が変わる可能性があり、工場からユーザーへ届ける時の輸送時や、ユーザーからの返品時に、キャリッジを画像読取装置の本体に固定する必要がある。このため、キャリッジを固定するための固定手段を設けた画像読取装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−295338
【0005】
【特許文献2】特開2005−234073
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ユーザーに対して、より確実に走査体の固定及び固定の解除を促す、画像読取装置、及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る画像読取装置は、 基準位置部材と、原稿に照射された光の反射光が結像される撮像素子と、光学部品を有し走査方向に移動可能な走査体と、前記基準位置部材と相対移動されることにより、前記走査体の前記走査方向の移動を許容する使用位置と、前記走査体の前記走査方向の移動を規制するロック位置と、の間で移動可能とされ、操作パネルユニットを少なくとも含んで構成された、ロック用移動部材と、を備えている。
【0008】
本発明の請求項2に係る画像読取装置は、前記ロック用移動部材は、前記使用位置では前記走査体の駆動の入力を可能とすると共に、前記ロック位置では前記走査体の駆動の入力を制限すること、を特徴としている。
【0009】
本発明の請求項3に係る画像読取装置は、前記ロック用移動部材が、前記走査体を収容した筐体を含んで構成され、前記筐体と前記基準位置部材とが相対移動されること、を特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る画像読取装置は、前記基準位置部材が、前記走査体を収容した筐体を含んで構成され、前記筐体と前記操作パネルユニットとが相対移動されること、を特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る画像読取装置は、前記基準位置部材に設けられた第1電気接点と、前記ロック用移動部材に設けられた第2電気接点と、を備え、前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されている状態で前記第1電気接点と第2電気接点とが接続されて走査体の駆動が可能とされ、前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されている状態で前記第1電気接点と第2電気接点とが離間されて走査体の駆動が不能とされていること、を特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る画像読取装置は、前記操作パネルユニット上に、前記走査体の駆動を指示する動作指示ボタンが配置され、前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されている状態で、前記動作指示ボタンが前記筐体の内部に配置されて指示入力不能とされ、前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されている状態で前記動作指示ボタンが前記筐体の外部に配置され指示入力可能とされていること、を特徴とする。
【0013】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読取装置と、画像を形成する画像形成部と、を備えている。
【0014】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、輸送の際に梱包材に収納される画像形成装置であって、前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されているときに、前記梱包材への収納が不能とされ、前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されているときに、前記梱包材への収納が可能とされていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、操作パネルユニットを含んで構成されたロック用移動部材により、走査体の移動の規制及び許容がなされるので、本構成を有しない場合と比べ、より確実にユーザーに対してロック用部材を使用位置に配置させるように促すことができる。
【0016】
請求項2の発明では、ロック用移動部材により、走査体の駆動の入力の制限及び許容がなされるので、さらに確実にユーザーに対してロック用部材を使用位置に配置させるように促すことができる。
【0017】
請求項3の発明では、筐体の移動により走査体の移動の規制及び許容が行われる。
【0018】
請求項4の発明では、操作パネルユニットの移動により走査体の移動の規制及び許容が行われる。
【0019】
請求項5の発明では、第1電気接点と第2電気接点との接続及び離間により、走査体の駆動の入力を制限及び許容が行われる。
【0020】
請求項6の発明では、動作指示ボタンが筐体内に配置されて走査体の駆動の入力が制限され、動作指示ボタンが筐体外に配置されて走査体の駆動の入力が許容される。
【0021】
請求項7の発明では、操作パネルユニットを含んで構成されたロック用移動部材により、走査体の移動の規制及び許容、駆動の入力の制限及び許容がなされるので、より確実にユーザーに対してロック用部材を使用位置に配置させるように促すことができる。
【0022】
請求項8の発明では、ユーザーに対して、画像形成装置を梱包材へ収納する際に、確実にロック用部材をロック位置に配置させるように促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1実施形態]
【0024】
本発明の画像読取装置、及び画像形成装置の実施形態を図面に基づき説明する。
【0025】
図1及び図2には、記録用紙上に画像形成を行う画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、原稿を読み取る原稿読取部12と、原稿読取部12の下部に配置された本体部14とを有している。本体部14では、原稿読取部12で読み取られた画像データに基づいて画像形成が行われる。また、原稿読取部12上には、当該原稿読取部12の開閉蓋を兼用する原稿搬送装置16が設けられている。
【0026】
原稿搬送装置16には、複写しようとする原稿を(複数枚の場合は重ねて)載せるフィーダートレイ18が設けられている。また、フィーダートレイ18の下方には、フィーダートレイ18から送り込まれて読み取られた原稿が排出される排紙トレイ20が設けられている。ここで、原稿搬送装置16及び原稿読取部12では、排紙トレイ20上に載せられた原稿(複数枚重ねられている場合は、その最上層の原稿)が、図示しない原稿反転ユニットへ送り込まれ、反転しながら原稿読取部12のプラテンガラス22(図2参照)上の読取領域を通過し、排紙トレイ20上に排出されることにより、原稿の読み取りが行われる。
【0027】
本体部14は、本体下部に配設された給紙トレイ26と、給紙トレイ26の上部に配置され画像形成を行う画像形成部120とを有している。また、原稿読取部12には、ユーザーが原稿読取、或いは複写指示等を入力操作するための表示部(パネル)23及びスタートボタン25を含む操作部(テンキー、スタートボタン等)を備えた操作パネルユニット24が配設されている。操作パネルユニット24の詳細については後述する。
【0028】
図3に示すように、画像形成部120は、本体を構成する筐体122に露光装置124が固定されており、露光装置124に隣接する位置に、画像形成装置10の各部の動作を制御するコントロールユニット42が設けられている。
【0029】
露光装置124は、原稿読取部12で読み取られた画像情報に基づいて、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応した光ビーム126Y、126M、126C、126Kを出射するようになっている。光ビーム126Y、126M、126C、126Kは、それぞれ対応する各感光体128Y、128M、128C、128Kに導かれる。
【0030】
画像形成部120の下方側には、前述の給紙トレイ26が配設されており、給紙トレイ26の上方には、記録用紙Pの先端部位置を調整する一対のレジストロール129が設けられている。また、画像形成部120の中央には、画像形成ユニット130が設けられている。画像形成ユニット130は、前述の4つの感光体128Y、128M、128C、128Kを備えており、これらが上下一列に並んでいる。
【0031】
感光体128Y、128M、128C、128Kの回転方向上流側には、感光体128Y、128M、128C、128Kの表面を帯電する帯電ローラ132Y、132M、132C、132Kが設けられている。また、感光体128Y、128M、128C、128Kの回転方向下流側には、Y、M、C、Kの各トナーをそれぞれ感光体128Y、128M、128C、128K上に現像する現像器134Y、134M、134C、134Kが設けられている。
【0032】
一方、感光体128Y、128Mには第1中間転写体136が接触し、感光体128C、128Kには第2中間転写体138が接触している。そして、第1中間転写体136、第2中間転写体138には第3中間転写体140が接触している。第3中間転写体140と対向する位置には、転写ロール142が設けられている。ここで、転写ロール142と第3中間転写体140との間を記録用紙Pが搬送され、第3中間転写体140上のトナー像を記録用紙Pに転写させる。
【0033】
記録用紙Pが搬送される用紙搬送路144の下流には、定着装置146が設けられている。定着装置146は、定着ロール148と加圧ロール150を有しており、記録用紙Pを加熱・加圧してトナー像を記録用紙Pに定着させる。トナー像が定着された記録用紙Pは、用紙搬送ロール152で画像形成部120の上部に設けられた排出トレイ28に排出される。
【0034】
ここで、画像形成部120の画像形成について説明する。
【0035】
画像形成が開始されると、各感光体128Y〜128Kの表面が帯電ローラ132Y〜132Kによって一様に帯電される。露光装置124から出力画像に対応した光ビーム126Y〜126Kが、帯電後の感光体128Y〜128Kの表面に照射され、感光体128Y〜128K上に各色分解画像に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対して、現像器134Y〜134Kが選択的に各色、すなわちY〜Kのトナーを付与し、感光体128Y〜128K上にY〜K色のトナー像が形成される。
【0036】
その後、マゼンタ用の感光体128Mから第1中間転写体136にマゼンタのトナー像が一次転写される。また、イエロー用の感光体128Yから第1中間転写体136にイエローのトナー像が一次転写され、第1中間転写体136上で前記マゼンタのトナー像に重ね合わされる。
【0037】
一方、同様にブラック用の感光体128Kから第2中間転写体138にブラックのトナー像が一次転写される。また、シアン用の感光体128Cから第2中間転写体138にシアンのトナー像が一次転写され、第2中間転写体138上で前記ブラックのトナー像に重ね合わされる。
【0038】
第1中間転写体136へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー像は、第3中間転写体140へ二次転写される。一方、第2中間転写体138へ一次転写されたブラックとシアンのトナー像も、第3中間転写体140へ二次転写される。ここで、先に二次転写されているマゼンタ 、イエローのトナー像と、シアン、ブラックのトナー像とが重ね合わされ、カラー(3色)とブラックのフルカラートナー像が第3中間転写体140上に形成される。
【0039】
二次転写されたフルカラートナー像は、第3中間転写体140と転写ロール142との間のニップ部に達する。そのタイミングに同期して、レジストロール129から記録用紙Pが当該ニップ部分に搬送され、記録用紙P上にフルカラートナー像が三次転写(最終転写)される。
【0040】
この記録用紙Pは、その後、定着装置146に送られ、定着ロール148と加圧ロール150とのニップ部を通過する。その際、定着ロール148と加圧ロール150とから与えられる熱と圧力との作用により、フルカラートナー像が記録用紙Pに定着される。定着後、記録用紙Pは用紙搬送ロール152により排出トレイ28に排出され、記録用紙Pへのフルカラー画像形成が終了する。
【0041】
図1及び図4に示すように、原稿読取部12の筐体を構成するケース13の上面には開口が形成されており、当該開口に、透明のガラス板からなり原稿31が載置されるプラテンガラス22が嵌め込まれている。なお、原稿搬送装置16にあるフィーダートレイ18を用いることができない製本原稿等を、直接プラテンガラス22に載せて複写する場合は、原稿搬送装置16を上方へ開放することになる。
【0042】
プラテンガラス22の下部の装置内空間部には、原稿31の読み取りを行う走査ユニット32が配設されている。走査ユニット32は、画像形成装置10の正面から奥側に向かう方向を長手方向(主走査方向)として原稿31に向けて発光する棒状の光源39と、光源39と平行に配置され、原稿31で反射された光Lを反射する複数のミラーからなる反射部36と、反射部36で反射された光Lを集光する光学部品としてのレンズからなる集光部38と、集光部38で集光された光Lを受光(結像)して電気信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ40と、を有している。また、CCDラインセンサ40は、画像形成装置10の本体内に設けられた前述のコントロールユニット42に接続されている。なお、反射部36で複数のミラーにより光Lを折り返すのは、CCDラインセンサ40への結像に所定の光路長を必要とするためである。
【0043】
ここで、走査ユニット32が、前記主走査方向と直交する方向(副走査方向:矢印X)に移動することで、光源39からの発光光が、原稿31に記録された画像にライン状に照射される。続いて、原稿31からの反射光が、反射部36及び集光部38を介してCCDラインセンサ40で受光される。CCDラインセンサ40では、光電変換によって画像濃度に応じた電気信号をコントロールユニット42に出力する。そして、コントロールユニット42では、得られた電気信号に基づいて照射領域の画像濃度を検出する。このようにして、原稿31の画像の読み取りが行われる。
【0044】
一方、プラテンガラス22の周囲には、原稿セットガイド30が設けられている。原稿セットガイド30は、プラテンガラス22より僅かな凸状の段差となっており、原稿セットガイド30の段差に接するように原稿31の角部を合わせることにより、容易に原稿31の位置決めが行われる。原稿セットガイド30の周囲で画像形成装置10の奥側(図の上方)には、原稿搬送装置16の底面側に設けられたヒンジ部材(図示省略)が固定される固定部44A、44Bが設けられている。
【0045】
図5にも示すように、原稿読取部12内には、走査ユニット32が配設されている。走査ユニット32は、主走査方向(矢印Y方向)を長手方向とする長尺状とされている。走査ユニット32は、停止時には、図5においてケース13の左側に配置されている。走査ユニット32の内部には、前述の光源39と反射部36が配置されている。光源39の上方は、開放されて開口部68が形成され、反射部38の上方には、反射部36の大半を覆うようにしてカバー部材66が取付けられている。カバー部材66により、走査ユニット32内部の光源39から出射された光が、開口部68を経由して原稿31で反射して、再度開口部68を経由して、走査ユニット32内部の反射部36で反射されるようになっている。走査ユニット32の手前側には、ラック33が構成されている。
【0046】
原稿読取部12のケース13内には、副走査方向(X方向)の両端に搬送ローラ70A、70Bが設けられ、搬送ローラ70A、70Bに無端状のベルト72が架設されている。走査ユニット32は、ベルト72に取り付けられると共にベルト72に沿って配置されたレール部材71に係合されており、副走査方向(X方向)に移動可能とされている。また、ケース13内の左手前側で、走査ユニット32よりも右側には、リブ77が設けられている。さらに、ケース13内の走査ユニット32の手前側には、走査ユニット32のラック33に係合されるパネル用ロック部34が設けられている。パネル用ロック部34の詳細については後述する。ケース13内の手前側中央部には、図6にも示すように、係合凹部75、76が構成されている。
【0047】
操作パネルユニット24は、ケース13の手前側に設けられている。操作パネルユニット24は、上側からみて長方形状とされており、上面の左手前には各種の情報表示が行われる表示部23が設けられ、上面の右奥側には原稿の読取りの開始を指示するためのスタートボタン25が設けられている。操作パネルユニット24の奥側でリブ77に対応する位置には、凹部28が構成されている。凹部28には、リブ77が進入可能とされており、リブ77の進入を検知するセンサ29が設けられている。
【0048】
図6に示すように、操作パネルユニット24の下面奥側中央部には、係合凸部27が形成されている。係合凸部27は、ケース13に構成された係合凹部75、76に対応する位置に配置され、係合凹部75、76へ係合可能とされている。
【0049】
操作パネルユニット24は、図5(A)に示す使用位置P1と、図5(B)に示すロック位置P2との間を、ケース13に構成された不図示のガイドに沿って移動可能とされている。
【0050】
操作パネルユニット24がロック位置P2に配置されているときには、図5(B)に示すように、操作パネルユニット24の側面が走査ユニット32の移動方向側に当てられ、走査ユニット32の移動が規制されている。また、リブ77が凹部28内に進入して、センサ29により操作パネルユニット24がロック位置P2に配置されていることが検知される。このとき、表示部23には、ユーザーに対して操作パネルユニット24を引き出す操作を行う旨のメッセージが表示される。さらに、係合凸部27は係合凹部75と係合されている(図6(A)参照)。図7に示すように、表示部23はケース13の外側に配置され、スタートボタン25は、ケース13の内側に配置されている。
【0051】
操作パネルユニット24が使用位置P2に配置されているときには、図5(A)に示すように、操作パネルユニット24の側面による走査ユニット32の移動規制が解除される。また、リブ77が凹部28内から出て、センサ29により操作パネルユニット24がロック位置P2に配置されていないことが検知される。さらに、係合凸部27は係合凹部76と係合される(図6(B)参照)。図1に示すように、表示部23及びスタートボタン25は、ケース13の外側に配置される。
【0052】
図8に示すように、パネル用ロック部34は、ピニオン34A、スライド爪35、及び、ガイド34Bを備えている。スライド爪35は、略L字状とされ、L字の一辺がX方向に配置され(この部分を以下「規制部35A」という)、他辺がY方向に配置され(この部分を以下「保持部35B」という)ている。保持部35Bには、ピニオン34Aが所定のトルクをもって回転可能に支持されている。ピニオン34Aは、ラック33と係合されている。
【0053】
スライド爪35は、非規制位置Q1(図8(A)参照)と規制位置Q2(図8(B)参照)との間を移動可能とされている。スライド爪35が非規制位置Q1に配置されているときには、操作パネルユニット24は使用位置P1からロック位置P2への移動が可能とされており、スライド爪35が規制位置Q2に配置されているときには、スライド爪35により規制されて操作パネルユニット24は使用位置P1からロック位置P2への移動が不能とされている。ガイド34Bは、ケース13に沿って配置され、スライド爪35が係合されている。
【0054】
図9に示すように、画像形成装置10は、搬送される際に、梱包材92、94、梱包箱96に梱包される。梱包材92は発泡材で構成され、原稿読取部12及び原稿搬送装置16を収納可能な第1収納部R1が構成されている。原稿読取部12の操作パネルユニット24が使用位置P1に配置されているときには、操作パネルユニット24が突出されているため第1収納部R1への原稿読取部12の収納は不可能とされている。操作パネルユニット24がロック位置P2に配置されているときには、操作パネルユニット24の一部がケース13内に収納されているため第1収納部R1への原稿読取部12の収納が可能とされている。
【0055】
梱包材94についても、発泡材で構成され、本体部14を収納可能な第2収納部R1が構成されている。原稿読取部12及び原稿搬送装置16が第1収納部R1内に収納され、本体部14が第2収納部R2内に収納された状態で、梱包材92、94が、箱状の梱包箱96へ収納される。
【0056】
上記のように梱包されている画像形成装置10をユーザーが使用する場合には、梱包箱96から梱包材92、94に収納された状態の画像形成装置10を取り出し、梱包材92、94を取り外す。そして、操作パネルユニット24を、ロック位置P2から使用位置P1へ移動させる。これにより、操作パネルユニット24による走査ユニット32のX方向への移動規制が解除されると共に、スタートボタン25がケース13の外に配置され、操作可能になる。
【0057】
不図示の電源用コンセントを接続させ、電源スイッチをONにすることにより、画像形成装置10へ電力が供給される。原稿31をプラテンガラス22上に置いてスタートボタン25を押すと、走査ユニット32はX方向へ移動しつつ原稿31を読み取る。このとき、パネル用ロック部34のピニオン34Aは非規制位置Q1から、走査ユニット32のラック33の移動に追従してX方向へ移動して規制位置Q2へ配置される。これにより、操作パネルユニット24の、使用位置P1からロック位置P2への移動が阻止される。
【0058】
ユーザーが、修理等のために画像形成装置10を搬送する際には、操作パネルユニット24を使用位置P1からロック位置P2へ押し込み、走査ユニット32を固定する。その後、梱包材92の第1収納部R1へ原稿読取部12及び原稿搬送装置16を収納する。また、本体部14を梱包材94の第2収納部R2へ収納し、梱包材92、94を梱包箱96へ収納する。
【0059】
本実施形態の画像形成装置10では、初期の使用時に、ユーザーが操作パネルユニット24をロック位置P2から使用位置P1へ移動させずに駆動を試みても、スタートボタン25がケース13内に配置されているため、走査ユニット32を駆動させることはできない。これにより、ユーザーに対して、スタートボタン25を操作可能な位置に配置させて、走査ユニット32の固定を解除することを促すことができる。
【0060】
[第2実施形態]
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一の部分について同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0062】
本実施形態の画像形成装置60は、図10に示すように、本体部14の上部に支持部材50が固定されている。支持部材50上には、原稿読取部12が取り付けられている。原稿読取部12は、図11に示すように、支持部材50上で、使用位置P3(図11(B)参照)とロック位置P4(図11(A)参照)との間を移動可能とされている。
【0063】
本実施形態の操作パネルユニット52は、ケース13の手前側に固定されている。ケース13と相対移動されない点、及び、センサ29、凹部28を有していない点以外については、第1実施形態の操作パネルユニット24とほぼ同一構成を有している。
【0064】
支持部材50の上面には、第1接点54が固定されている。第1接点54は、ケース13の底面に構成された不図示の孔を挿通してケース13内に配置されている。また、原稿読取部12のケース13には、第2接点56が固定されている。原稿読取部12がロック位置P4に配置されているときに、第1接点54と第2接点56とは離間されて走査ユニット32への電力供給は不能とされ、原稿読取部12が使用位置P3に配置されているときに、第1接点54と第2接点56とは接続されて、走査ユニット32への電力供給が可能とされている。
【0065】
また、支持部材50の上面には、ロック突部材51が固定されている。ロック突部材51は、ケース13の下底に構成された溝13Aに係合され、ケース13内に突出されている。溝13Aは、手前側から見て、走査ユニット32の右側にY方向に沿って構成され、ロック突部材51は溝13Aに沿って移動可能とされている。原稿読取部12がロック位置P4に配置されているときに、ロック突部材51は走査ユニット32に当てられて走査ユニット32のX方向の移動を規制する(図11(A)参照)。原稿読取部12が使用位置P3に配置されているときに、ロック突部材51は走査ユニット32のY方向手前側に配置され、走査ユニット32のX方向の移動が許容される。
【0066】
図13に示すように、画像形成装置60は、搬送される際に、梱包材62、64、梱包箱65に梱包される。梱包材62は発泡材で構成され、原稿読取部12及び原稿搬送装置16を収納可能な第3収納部R3が構成されている。梱包材64についても、発泡材で構成され、本体部14を収納可能な第4収納部R4が構成されている。
【0067】
ここで、原稿読取部12が使用位置P3に配置されているときには、図12に示すように、梱包材62と梱包材64との位置がズレて互いの側面が面一でないため、箱状の梱包箱65に収納することができない。原稿読取部12がロック位置P4に配置されているときには、図13に示すように、梱包材62と梱包材64の側面同士が面一になっているため、箱状の梱包箱65に収納することができる。
【0068】
上記のように梱包されている画像形成装置60をユーザーが使用する場合には、梱包箱65から梱包材62、64に収納された状態の画像形成装置60を取り出し、梱包材62、64を取り外す。そして、原稿読取部12を、ロック位置P4から使用位置P3へ移動させる。これにより、ロック突部材51による走査ユニット32のX方向への移動規制が解除されると共に、第1接点54と第2接点56とが接続されて、走査ユニット32の駆動が可能になる。
【0069】
不図示の電源用コンセントを接続させ、電源スイッチをONにすることにより、画像形成装置60へ電力が供給される。原稿31をプラテンガラス22上に置いてスタートボタン25を押すと、走査ユニット32はX方向へ移動しつつ原稿31を読み取る。
【0070】
ユーザーが、修理等のために画像形成装置60を搬送する際には、原稿読取部12を使用位置P3からロック位置P4へ押し込み、ロック突部材51で走査ユニット32を固定する。その後、梱包材62の第3収納部R3へ原稿読取部12及び原稿搬送装置16を収納する。また、本体部14を梱包材64の第4収納部R4へ収納し、梱包材62、64を梱包箱65へ収納する。
【0071】
本実施形態の画像形成装置60では、初期の使用時に、ユーザーが原稿読取部12をロック位置P4から使用位置P3へ移動させずに駆動を試みても、第1接点54と第2接点56が接続されていないため、走査ユニット32を駆動させることはできない。これにより、ユーザーに対して、原稿読取部12を使用位置P3へ移動させて、走査ユニット32の固定を解除することを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態の画像形成装置で原稿搬送装置を取り外した状態の斜視図である。
【図3】第1実施形態の画像形成部の構成図である。
【図4】第1実施形態の原稿読取部を模式的に示した側面図である。
【図5】第1実施形態の原稿読取部の内部の構成図である。
【図6】第1実施形態の操作パネルユニットの側面図である。
【図7】第1実施形態の画像形成装置の操作パネルユニットがロック位置に配置された状態の斜視図である。
【図8】第1実施形態の画像形成装置のパネル用ロック部の構成を示す図である。
【図9】第1実施形態の画像形成装置を梱包する状態を示す側断面図である。
【図10】第2実施形態の画像形成装置で原稿搬送装置を取り外した状態の斜視図である。
【図11】第2実施形態の原稿読取部と支持部材の構成図である。
【図12】第2実施形態の画像形成装置の梱包が不可の状態を示す側断面図である。
【図13】第2実施形態の画像形成装置の梱包が可能な状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 画像形成装置
12 原稿読取部
13 ケース
14 本体部
16 原稿搬送装置
22 プラテンガラス
23 表示部
24 操作パネルユニット
25 スタートボタン
31 原稿
32 走査ユニット
34 パネル用ロック部
35 スライド爪
50 支持部材
51 ロック突部材
52 操作パネルユニット
54 第1接点
56 第2接点
60 画像形成装置
62 梱包材
64 梱包材
66 カバー部材
65 梱包箱
75 係合凹部
77 リブ
76 係合凹部
92 梱包材
94 梱包材
96 梱包箱
P1 使用位置
P2 ロック位置
P2 使用位置
P3 使用位置
P4 ロック位置
Q1 非規制位置
Q2 規制位置
R1 収納部
R2 収納部
R3 収納部
R4 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準位置部材と、
原稿に照射された光の反射光が結像される撮像素子と、
光学部品を有し走査方向に移動可能な走査体と、
前記基準位置部材と相対移動されることにより、前記走査体の前記走査方向の移動を許容する使用位置と、前記走査体の前記走査方向の移動を規制するロック位置と、の間で移動可能とされ、操作パネルユニットを少なくとも含んで構成された、ロック用移動部材と、
を備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記ロック用移動部材は、前記使用位置では前記走査体の駆動の入力を可能とすると共に、前記ロック位置では前記走査体の駆動の入力を制限すること、を特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ロック用移動部材は、前記走査体を収容した筐体を含んで構成され、前記筐体と前記基準位置部材とが相対移動されること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記基準位置部材は、前記走査体を収容した筐体を含んで構成され、前記筐体と前記操作パネルユニットとが相対移動されること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記基準位置部材に設けられた第1電気接点と、前記ロック用移動部材に設けられた第2電気接点と、を備え、
前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されている状態で前記第1電気接点と第2電気接点とが接続されて走査体の駆動が可能とされ、前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されている状態で前記第1電気接点と第2電気接点とが離間されて走査体の駆動が不能とされていること、を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記操作パネルユニット上には、前記走査体の駆動を指示する動作指示ボタンが配置され、
前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されている状態で、前記動作指示ボタンが前記筐体の内部に配置されて指示入力不能とされ、前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されている状態で前記動作指示ボタンが前記筐体の外部に配置され指示入力可能とされていること、を特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
画像を形成する画像形成部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項8】
輸送の際に梱包材に収納される画像形成装置であって、
前記ロック用移動部材が前記使用位置に配置されているときに、前記梱包材への収納が不能とされ、前記ロック用移動部材が前記ロック位置に配置されているときに、前記梱包材への収納が可能とされていること、
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−303127(P2009−303127A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157910(P2008−157910)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】