説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 少ない記憶容量で、読取動作のパフォーマンスを維持しつつ、正しいページ順の画像データを出力することができる。
【解決手段】 搬送される第1の原稿の第1面の画像を読み取り、第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、第1の原稿の第2面の画像を読み取り、第2の原稿の第2面の画像を読み取り可能な読取手段と、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第1面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第2面の画像を記憶手段に記憶し、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第1面の画像を出力した後、記憶手段に記憶された第1の原稿の第2面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第2面の画像を出力する出力手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機等の画像読取装置では、原稿を読取部から読み取り、読み取った画像データを画像処理して印刷したり、指定された宛先に送信したりしている。
このような画像読取装置には、原稿を重ねて置くと自動的に読み取り部に1枚ずつ搬送する自動原稿送り装置が付いているものがある。
自動原稿送り装置が無い画像読取装置では、ユーザが1枚ずつ原稿を置いて読み込ませなければならないため、非常に手間がかかる。そのため、自動原稿送り装置は非常に有益な装置である。
【0003】
自動原稿送り装置の中には、入力された原稿の両面を1つの読取部によって自動的に読み取る自動両面原稿送り機能が付いているものもある。自動両面原稿送りの方法は、最初に原稿の表面を読み取る。次に、原稿の表裏を反転し、原稿の裏面を読み取る。このまま機外に排紙すると、搬送する前の原稿と比較して表裏が逆の状態で排紙されるので、裏面を読み取った後に、再度原稿を反転し、原稿の表裏の向きを読み取り前の状態に戻して排紙する。
【0004】
上記のように自動両面原稿送り装置は、ユーザの手間をかけることなく自動的に原稿の両面を読み取ることができる有益な機能である。しかし、表面の読み取り後に原稿を反転するための原稿の搬送時や、裏面の読み取り後に原稿を反転するための原稿の搬送時など、原稿を読み取れない時間が長い。
【0005】
この原稿を読み取れない時間を短くするための技術として、特許文献1には、以下のような技術が示されている。
最初に、1枚目の原稿の表面を読み取り、次に1枚目の原稿を反転するために退避させつつ、2枚目の原稿の表面を読み取る。次に2枚目の原稿を反転するために1枚目の原稿を退避させた箇所とは別の場所に2枚目の原稿を退避させつつ、1枚目の原稿の裏面を読み取る。
【0006】
次に、1枚目の原稿を再反転するために、2枚目の原稿を退避させた場所とはさらに別の場所(第3の退避箇所)に退避しつつ、2枚目の原稿の裏面の読み取りを行う。次に2枚目の原稿を再度反転するため、第3の退避箇所に移動しつつ、1枚目の原稿を機外へ排出する。最後に、第3の退避箇所から2枚目の原稿を機外へ排出する。
【0007】
このように両面読み取り原稿の読み取り順序を変えて、1枚目の原稿を反転させている間の時間を利用して2枚目の原稿を読み取ることで、読み取り動作のパフォーマンスを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−327728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された方法のような順番で原稿の画像を読み取る場合、読み取られる順番が原稿のページ順とは異なる。1枚目の原稿の表面(1ページ目)を読み取った後、2枚目の原稿の表面(3ページ目)を読み取り、その後、1枚目の原稿の裏面(2ページ目)、2枚目の原稿の裏面(4ページ目)を読み取るためである。
このような順序で読み取られた原稿の画像を正しい順序で出力するには、複数ページの画像を一旦記憶手段に記憶し、それらのページを並べ替える必要がある。
しかしながら、次のような課題がある。画像読取装置には、読み取った原稿の画像を送信できるものがあり、送信の方法として、複数枚の原稿の画像の記憶が完了した後に送信を始めるメモリ送信と、原稿の画像を読み取りながら画像の送信を行うダイレクト送信がある。メモリ送信の場合には、記憶手段に複数枚の原稿の画像を記憶するのでページ順を正しく並べ替えることができるが、ダイレクト送信の場合には、複数枚の原稿の画像の記憶を完了しないうちに画像の送信を始めるので、送信される画像のページ順序が正しくならない。
また、コストを下げるために画像読取装置が容量の小さい記憶手段しか備えていない場合や、画像読取装置は容量の大きい記憶手段を有しているが使用状況によってその記憶手段の空き容量が少ない場合がある。その場合、読み取った複数ページ分の画像データを記憶するために充分な容量がないため、複数ページ分の画像データを一旦記憶することができず、それらのページを並べ替えて出力することができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、少ない記憶容量で、読取動作のパフォーマンスを維持しつつ、正しいページ順の画像データを出力することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の画像読取装置は以下に示す構成を備える。
搬送される第1の原稿の第1面の画像を読み取り、第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、第1の原稿の第2面の画像を読み取り、第2の原稿の第2面の画像を読み取り可能な読取手段と、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第1面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第2面の画像を記憶手段に記憶し、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第1面の画像を出力した後、記憶手段に記憶された第1の原稿の第2面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第2面の画像を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少ない記憶容量で、読取動作のパフォーマンスを維持しつつ、正しいページ順の画像データを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像読取装置を適用する画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像読取装置が備える自動原稿送り装置の構成を説明する断面図である。
【図3】図2に示した原稿読取装置の原稿搬送状態を説明する図である。
【図4】図2に示した原稿読取装置の原稿搬送状態を説明する図である。
【図5】図1に示した画像読取装置のデータ送信処理を示すブロック図である。
【図6】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図7】図1に示した画像読取装置のデータ送信処理を示すブロック図である。
【図8】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図10】画像読取装置の画像読取とデータ送信とのタイミングを示す図である。
【図11】画像読取装置の画像読取順序とデータ送信順序を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0014】
図1は、本実施形態を示す画像読取装置を適用する画像読取装置の構成を説明するブロック図である。本例は、読取部と記録部を備えて、読み取った画像データを記録媒体に画像出力する複写機能を実行可能な画像読取装置を例として説明する。なお、読取部には、後述するように自動原稿送り装置を接続可能に構成され、原稿台に載置された両面原稿の表裏それぞれの面の画像を読取り可能に構成されている。つまり、本実施形態の画像読取装置は、搬送される原稿の表面あるいは反転搬送される原稿の裏面を読取部が複数枚連続して読取可能に構成されている。
図1において、CPU101は、データバス111に接続されるデバイスを制御する。ROM102は、CPU101の制御プログラムを格納する。SRAM103は、オペレータが登録した設定値やデバイスの管理データや各種ワーク用バッファ等を格納する。DRAM104は、主としてCPU101のワークメモリあるいは画像データを保存するページバッファ領域として使用され、プログラム制御変数等を格納するために使用される。
【0015】
読取部105は、後述するように搬送される原稿の画像を読み取り、バイナリデータに変換する。読取部105では、原稿を自動的に読み取り部に送る自動原稿送り装置を備えている。ここで、自動原稿送り装置は、原稿を搬送路上内で読取面を反転させ、原稿の表面と裏面を第1の読取モードあるいは第2の読取モードで読み取り可能に構成されている。詳細は後述する。
【0016】
記録部106、読取部105が読み取った画像データを、記録紙に出力する。操作部107は、機器内の情報を表示するユーザとのインタフェース部及び入力部として使用される。画像処理部108は、コピーで扱う画像データの符号化復号化処理を行う。コピー画像の変倍処理部もここに含まれる。
I/F109は、ネットワークを介して、外部のPCや複合機、FAXと通信するための通信インタフェースとして用いられる。なお、本実施形態では、画像読取装置は、第2の読取モードが設定された場合において、I/F109を用いて、読み取った画像データを外部のPCや複合機、FAXに送信する例を説明する。
搬送制御部110は、搬送ローラや、当該搬送ローラを駆動するモータから構成されている。
なお、各部とCPU101とはデータバス111を介して繋がっており、画像データはデータバス111を通じてI/F109や、記録部106に転送される。なお、I/F109は、ネットワークに接続されるインターネットプロトコルであり、インターネットファクシミリ対応の画像読取装置、複合機と通信して、読み取る画像データの送受信処理が可能に構成されている。また、I/F109は、外部の印刷装置に接続され、当該印刷装置と所定のプロトコルでデータの送受信処理を行う。
【0017】
以下、読取部105に載置された原稿を、自動原稿送り装置を使用して読取部に送り、読み取った画像データをSRAM103に格納し、記録部106より記録用紙に印刷する例を説明する。
【0018】
以上のように構成された画像読取装置において、ユーザは、操作部107を操作することで、E−Mail送信、FAX送信、メディア書き込みのデータ送信の設定を行うことができる。この設定には両面読み取りをするという設定があり、両面読み取りを指示した場合は、読取部105の自動原稿送り装置で原稿を自動的に反転させることにより表面、裏面の両方を読み取ることができる。
【0019】
図2は、図1に示した画像読取装置が備える自動原稿送り装置の構成を説明するための断面図である。本例は、自動原稿送り装置が複数の紙搬送経路を備え、フラッパを使用してその搬送経路を切り替えている。
図2において、原稿台200に原稿が載置された後、操作部107上の読取開始ボタンがユーザにより押下されると、CPU101は、搬送制御部110によってローラ210、211、212を駆動させて原稿を搬送する。そして、CPU101は、読取部213を通過する際に読取部213に原稿を読み取らせる。
その後、CPU101は、原稿をローラ214によって搬送させる。ここで、CPU101は、原稿を上側のパスを通すためにフラッパ201が下向きの状態となるよう制御する。その後、CPU101は、ローラ215によって原稿を搬送させる。ここで、CPU101は、原稿を上部反転出口203に搬送するために、フラッパ220が下向きの状態になるよう制御し、搬送される原稿の搬送方向後端近辺をローラ215で挟持したまま、上部反転出口203に一旦退避させる。
そして、CPU101は、搬送制御部110によってローラ215を逆回転させ(図2の時計周りに回転させ)、原稿をローラ215、211、212によって搬送させる。そして、原稿が読取部213を通過する際に、CPU101は、読取部105によって原稿の裏面を読み取らせる。そして、CPU101は、今度はフラッパ201が上向きの状態になるよう制御し、さらに、CPU101は、フラッパ202が上向きの状態になるよう制御して、裏面が読み取られた原稿を再反転出口205の方向に搬送させる。そして、CPU101は、裏面側の読取が済んだ原稿の搬送方向後端を、ローラ217によって挟持した状態で再反転出口205に退避させる。その後、CPU101は、フラッパ221が下向きの状態になるよう制御し、搬送制御部110によってローラ217を逆回転させ(図2の時計周りに回転させ)、原稿を下部反転出口204に向かわせる。最後に、CPU101は、裏面の読取が終了した原稿を、ローラ217、216を経由して下部反転出口204から機外に排紙させる。これが第1の搬送経路系に基づく原稿搬送制御である。
【0020】
次に、第二の搬送経路について説明する。まず原稿台200に原稿が載置されると、CPU101は、搬送制御部110によってローラ210、211、212を駆動して原稿を搬送させ、原稿が読取部213を通過する際に、読取部213に原稿を読み取らせる。その後、CPU101は、原稿を、ローラ214を用いて搬送させる。ここで、CPU101は、フラッパ201が上向きになるように制御し、かつ、フラッパ202が下向きの状態になるように制御する。それによって、CPU101は、原稿を下部反転出口204に向けて搬送させる。そして、原稿がローラ216まで搬送されると、CPU101は、原稿の搬送方向後端近辺をローラ216によって挟持させ、原稿を下部反転出口204に一旦退避させる。
そして、CPU101は、搬送制御部110によってローラ216を逆回転させ(図2の時計回りに回転させ)、原稿をローラ215の方向に搬送させる。そして、CPU101は、搬送制御部110によって、ローラ215、211、212を駆動させ、原稿が読取部213を通過する際に読取部213によって原稿の裏面の画像を読み取らせる。そして、CPU101は、フラッパ201が上向きの状態になるよう制御し、かつ、フラッパ202が上向きの状態になるよう制御する。そして、CPU101は、原稿をローラ217の方向に搬送させ、ローラ217を経由して下側の再反転出口205に退避させる。そして、原稿の搬送方向後端をローラ205に挟持させ、フラッパ221が下向きの状態になるよう制御し、CPU101は、原稿を逆搬送し、ローラ217、216を経由して下部反転出口204から機外に排紙させる。
【0021】
以下、図2に示した自動原稿送り装置において、原稿の表裏を順序通りに読み取る「正順読みモード」を実行する際の画像読取装置の動作について図3を用いて説明する。
図3、図4は、図2に示した原稿読取装置の原稿搬送状態を説明する図である。なお、説明上、黒で示す原稿が先に読み込まれる原稿P1を示し、グレーで示す原稿P2が後から読み込まれる原稿を示す。なお、(301)〜(317)はそれぞれ原稿搬送ステップを示す。
【0022】
図3において、2枚の原稿P1,P2を重ねて、表面を上にして、自動原稿送り装置に載置した状態で、操作部107上の読取開始ボタンがユーザにより押下されると、両面読み取りが開始される。すると、まず、上述したようにローラ210、211、212等が駆動して、1枚目の原稿P1が搬送路上を搬送される(301)。
1枚目の原稿P1は表面を下にした状態で読取部213を通過し、1枚目の原稿P1の表面が読み取られる(302)。1枚目の原稿P1の表面の読み取りが終わると、原稿P1の裏面を読み取るために原稿P1を反転する。
【0023】
そのため、一旦原稿P1は先に送られ、反転準備に入る(303、304)。次に1枚目の原稿P1の裏面を読み取るため、原稿P1は、読取部213に向けて搬送される(305)。この時、原稿P1は裏面が上になっており、図でいう原稿P1の左端が搬送方向先頭に来る向きで搬送されることになる。そして、原稿P1は搬送パスに沿って送られ、裏面を下にした状態で読取部213を通過し、裏面が読み取られる(306)。
これで原稿P1の表面、裏面の読み取りが終了したが、この状態のまま原稿P1を機外に排紙すると、原稿台に置かれた順序と逆の状態で排紙されるため、排紙前に再度原稿の反転を行う。そのため、再度原稿P1は、反転準備に入る(307)。そして、同様の搬送パスを通り、原稿P1は再反転される(308)。最後に排紙の搬送パスを通過して原稿P1は機外に排紙される(309)。
【0024】
1枚目の原稿P1の表面、裏面を読み取り終えると、2枚目の原稿P2の読取りを開始する(310)。2枚目の原稿P2の両面読み取りの動作(310〜317)は、1枚目の原稿P1と同じ動作であるため説明は省略する。
このように「正順読みモード」での両面読み取りは、1枚毎に原稿の表面の読み取り、原稿反転、裏面の読取り、原稿再反転、排紙という順に動作することで実現している。
前述のような、「正順読みモード」では読取部213によって原稿を読み取らない時間が長くなってしまう。。
【0025】
具体的に、正順読みモードでは、原稿の画像のページ順を守って原稿の画像を読み取る。そのため、読取部213で原稿の表面を読み取ってから、当該原稿を反転し、裏面を読み取りを開始するまでの期間(303〜305)が大きく開いてしまう。
【0026】
さらに、正順読みモードの例では、原稿の裏面を読み終えた後、原稿を再反転する期間(306〜308)においても、2枚目の原稿の通る搬送パスと同じ経路を使用するため、再反転中は次の原稿を読み込めなくなっている。この部分も、読取効率が低下する原因となっている。
【0027】
このような「正順読みモード」よりも効率的に原稿を読み取るために、複数枚の原稿の片面を連続的に読み取り、その後で当該複数枚の原稿の裏面を連続的に読み取る「一括読みモード」も存在する。なお、本実施形態において、「正順読みモード」を第1の読取モードと呼び、「一括読みモード」を第2の読取モードと呼ぶ。
ここで、「一括読みモード」での両面読み取りの動作に関して図4を用いて説明する。
【0028】
ユーザは、2枚の原稿を重ねて、原稿の表面を上にして、原稿を自動原稿送り装置に置き、両面読み取りの開始を指示する。両面読み取りの開始が指示されると、まず、1枚目の原稿P1が搬送される(401)。1枚目の原稿は表面を下にした状態で読取部213を通過し、1枚目の原稿P1の表面が読み取られる(402)。これにより、1枚目の原稿P1の表面の読み取りが終了する。
【0029】
次に、画像読取装置は、原稿P1の裏面の画像を読み取るために原稿P1を反転する。そのため、一旦原稿P1を先に送り反転準備に入る。この時に原稿P1は上側の搬送パスを通るようにフラッパの位置がCPU101及び搬送制御部110により制御される。また、この時点で2枚目の原稿P2の表面を読み取るために、2枚目の原稿P2が搬送される(403)。
【0030】
このように1枚目の原稿P1を搬送しつつ、2枚目の原稿P2の表面を読取部213で読み取る(404)。次に、1枚目の原稿P1の裏面を読み取るため、反転した原稿P1を再度読取部213に向けて搬送する。それと同時に、2枚目の原稿P2も裏面を読み取るために先に送り反転する。この時、2枚目の原稿P2が下側の搬送パスを通るようにフラッパの位置がCPU101により制御され、1枚目の原稿P1は裏面が上になっており、原稿P1の後端が搬送方向先頭に来る向きで搬送される(405)。
【0031】
このように1枚目の原稿P1は搬送パスに沿って送られ、裏面を下にした状態で再度読取部213を通過し裏面が読み取りされる。この時、2枚目の原稿P2は先に送られて反転される(406)。これで1枚目の原稿P1の表面、裏面の読み取りが終了したので、再反転を行う。1枚目の原稿P1は読取部213を通った後、一番下の搬送パスを通り再度反転される。同時に2枚目の原稿P2は裏面が上で、原稿P2の後端が搬送方向先頭に来る向きで搬送され裏面読みが開始される(407)。
【0032】
一方、1枚目の原稿P1は再反転の搬送パス内で反転され、同時に2枚目の原稿P2は読取部213で裏面が読み取りされる(408)。1枚目の原稿P1は反転後排紙動作に入り、同時に2枚目の原稿P2はそのまま再反転するための搬送パスに入り反転する(409)。その後、1枚目の原稿P1は機外に排紙され、2枚目の原稿P2も反転された後、機外に排紙される(410〜412)。
【0033】
このように「一括読みモード」では、原稿P1の表裏を反転するための期間に次の原稿P2を搬送し、搬送された原稿P2の画像を読み取ることで、高い読取効率を実現している。
【0034】
なお、「正順読みモード」の場合、1枚目の表面、1枚目の裏面、2枚目の表面、2枚目の裏面、3枚目の表面、3枚目の裏面‥‥という順序で画像が読み取られることになる。
しかし、「一括読みモード」では、1枚目の表面、2枚目の表面、1枚目の裏面、2枚目の裏面、3枚目の表面、4枚目の表面‥‥という順序で画像が読み取られることになる。これをページで示すと、1ページ、3ページ、2ページ、4ページとなる。以後、複数枚の原稿の読み取り順は、5ページ、7ページ、6ページ、8ページ、9ページ、11ページ、10ページ、12ページ、、、となる。
このような順序で読み取られた原稿の画像を正しい順序で出力するには、複数ページの画像を一旦DRAM104のような記憶手段(またはHDDを利用してもよい)に記憶し、それらのページを並べ替える必要がある。
しかしながら、次のような課題がある。画像読取装置における、画像の送信方法として、複数枚の原稿の画像の記憶が完了した後に送信を始めるメモリ送信と、原稿の画像を読み取りながら画像の送信を行うダイレクト送信がある。メモリ送信の場合には、DRAM104等の記憶手段に複数枚の原稿の画像を記憶するのでページ順を正しく並べ替えることができる。一方、ダイレクト送信の場合には、複数枚の原稿の画像の記憶を完了しないうちに画像の送信を始めるので、送信される画像のページ順序が正しくならない。
そこで本実施形態では、読み取った原稿の画像の送信方法として、ダイレクト送信が指定されている場合には「正順読みモード」で原稿の画像を読み取り、それ以外の送信方法が指定されている場合には「一括読みモード」で原稿の画像を読み取る例を説明する。
【0035】
図5は、図1に示した画像読取装置のデータ送信処理のモジュールを説明するブロック図である。本例は、FAX、E−MAIL送信やメディア保存などの外部装置へデータ送信する典型的な読み取りデータ送信処理例である。なお、読み取りデータ送信処理に係る各モジュールは、画像読取装置100のROM102に記憶されており、SRAM103やDRAM104に読み出されCPU101によって実現される。
【0036】
図5において、501は入力処理部で、原稿読み込み設定や送信設定を行うモジュールである。502は送信設定解析部で、送信設定を解析する処理を行うモジュールである。
503は読取方法決定部で、「正順読みモード」、「一括読みモード」のどちらの読み込み方法で読み取り装置を動作させるかを決定する処理を行うモジュールである。504はデータ送信部で、データを外部に送信する処理を行うモジュールである。
【0037】
図6は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、画像読取装置100のデータ送信処理例である。なお、各ステップは、CPU101がROM102から図5に示す各プログラムをDRAM104にロードして実行することで実現される。
ユーザは、画像読取装置100の原稿台に両面原稿を載置する。また、ユーザは、操作部107を用いて、原稿の読取設定(原稿のサイズや色、読取解像度等)と、画像データの送信先を入力する。このとき、CPU101は、ユーザによって入力された値に従って原稿の読取設定を行う(S601)。次に、CPU101は、ユーザによって入力された送信先を、画像データの送信先としてセットする(S602)。そして、ユーザによって原稿読取開始ボタンが押下されると、CPU101は、データ送信処理を開始する(S603)。S603で、具体的に、CPU101は、原稿をS602で設定された読取設定に従って、読取部105に読み取らせ、原稿の画像データを生成し、生成された画像データをS603で設定された宛先に送信する処理を開始する。
次に、データ送信処理が開始されると、CPU101は、原稿の送信方法としてダイレクト送信が指定されているか、それ以外の送信方法が指定されているかを判定する(S604)。
【0038】
ここで、CPU101がダイレクト送信の処理が指定されていると判断した場合は、CPU101は読取方法決定部503を実行して、原稿の読み取り方法を「正順読みモード」に決定して(S605)、S606へ進む。
そして、CPU101は、上述した「正順読みモード」で原稿の画像の読み取りを行い、読み取って得た画像データをDRAM104に保存し、DRAM104に保存された画像データから順に送信先へ送信して(S606)、本処理を終了する。なお、DRAM104に記憶された画像データのうち、送信済みの画像データが記憶された記憶領域は新たな画像データで上書き可能であるものとする。
一方、S604で送信方法がダイレクト送信以外(メモリ送信)に指定されているとCPU101が判断した場合、CPU101は、原稿の読み取り方法を「一括読みモード」に決定する(S607)。そして、CPU101は、上述した「一括読みモード」で原稿の画像の読み取りを行い、複数枚の原稿の画像を読み取って、それらの画像を示す画像データを一旦DRAM104に記憶した後、それらの画像データのページ順を正しい順に並べ替える。その後、CPU101は、並べ替えられた画像データを送信先に送信して(S608)、本処理を終了する。
このように画像読取装置において、読み取った原稿の画像の送信方法として、ダイレクト送信が指定されている場合には「正順読みモード」で原稿の画像を読み取り、それ以外の送信方法が指定されている場合には「一括読みモード」で原稿の画像を読み取る。それによって、読取動作のパフォーマンスを向上させつつ、正しいページ順の画像データを送信先に送信することができる。
〔第2実施形態〕
【0039】
上記第1実施形態に示す図5のフローチャートにおいて、読み取った画像データを送信する送信先は外部装置を想定する場合について説明した。しかしながら、読み取った画像データの送信先は、外部装置に限らず、SDカードやUSBメモリカードであってもよい。
この場合、図6のフローチャートにおいて、画像データの送信先(格納先)がSDカードやUSBメモリカードになる。
〔第3実施形態〕
【0040】
第1実施形態では、読み取った画像データをダイレクト送信を設定する時に、読み取り順序を解決方法は、ダイレクト送信設定時に、「正順読みモード」を使用することで、送信先に正しいページ順で画像データを送信する場合について説明した。この場合、正しいページ順で画像データを送信することはできるが、「正順読みモード」を使用するため、読み取りパフォーマンスが向上しない。
本実施形態では、ダイレクト送信のように、原稿の画像を読み取りながら画像を送信する送信方法のときでも、「一括読みモード」で複数枚の原稿を読み取って、画像を送信することによって、読取動作のパフォーマンスを維持する方法について説明する。
なお、本実施形態によれば、「一括読みモード」で複数枚の原稿を読み取る際に、記憶手段の容量を抑えることができる。そのため、本実施形態に係る発明は、必ずしも、画像の送信方法がダイレクト送信であるか否かを判定する例に関わらない。
例えば、コストを下げるために容量の小さい記憶手段しか備えていない画像読取装置が、「一括読みモード」で原稿の画像を読み取って送信する場合に適用することができる。また、容量の大きい記憶手段を有しているが空き容量が少ない画像読取装置が、「一括読みモード」で原稿の画像を読み取って送信する場合にも適用することができる。
【0041】
図7は、図1に示した画像読取装置のデータ送信処理のモジュールを説明するブロック図である。本例は、FAX、E−MAIL送信やメディア保存などの外部装置へ読み取る画像データを送信する典型的な読み取りデータ送信処理例である。なお、読み取りデータ送信処理に係るプログラムは、画像読取装置100のROM102に記憶されており、SRAM103やDRAM104に読み出されCPU101によって実行されることでデータ送信処理が実現される。
【0042】
図7において、701は入力処理部で、原稿読み込み設定や送信設定を行うモジュールである。702は読取設定解析部で、読み取り設定解析を行うモジュールである。703は読取解析部で、読み取り面の表裏判定や読み取り面数を解析するモジュールである。
704はデータ格納バッファ制御部で、読み込みデータを記憶領域に確保した一時バッファに格納するや取り出す制御を行うモジュールである。705はデータ送信部で、データを外部に送信するモジュールである。
【0043】
図8は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、画像読取装置100のデータ送信処理例である。なお、各ステップは、CPU101がROM102から図5に示す各プログラムをDRAM104にロードして実行することで実現される。
まず、ユーザは、画像読取装置100の原稿台に両面原稿を載置する。また、ユーザは、操作部107を用いて、原稿の読取設定(原稿のサイズや色、読取解像度等)と、画像データの送信先を入力する。このとき、CPU101は、ユーザによって入力された値に従って、原稿の読取設定を行う(S801)。次に、CPU101は、ユーザによって入力された送信先を、画像データの送信先としてセットする(S802)。そして、ユーザによって原稿読取開始ボタンが押下されると、CPU101は、データ送信処理を開始する(S803)。S803で、具体的に、CPU101は、原稿をS602で設定された読取設定に従って、読取部105に読み取らせ、原稿の画像データを生成し、生成された画像データをS603で設定された宛先に送信する処理を開始する。
【0044】
次に、データ送信処理が開始されると、CPU101は、ユーザによって両面読取を行うよう設定されている、片面読取が設定されているかを判定する(S804)。ここで、片面読取が設定されているとCPU101が判断した場合は、CPU101が原稿を読み込んだ順序通りに送信先へ読み取る画像データを送信して(S805)、本処理を終了する。
一方、S804で、原稿の読取方法として両面読取を行うよう設定がされているとCPU101が判断した場合、CPU101は、図7に示した複数枚滞留読込用送信処理を実行して(S806)、本処理を終了する。
【0045】
図9は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、図8に示したS806に示した複数枚滞留読込用送信処理の詳細手順である。なお、各ステップは、CPU101がROM102から図5に示す各プログラムをDRAM104にロードして実行することで実現される。
なお、本実施形態では、第2の読取モードで2枚の表面原稿を連続して読み取る場合、読取部105が1枚目の表面原稿から読み取る画像データをI/F109に出力し、2枚目の表面原稿から読み取る画像データをページバッファに保存する。次に、第2の読取モードで読取部が2枚連続して表面原稿を読み終えた後、2枚の表面原稿を表裏反転搬送して、さらに第2の読取モードで2枚の裏面原稿を連続して読み取る場合以下の制御を行う。
具体的には、CPU101は、読取部105が1枚目の裏面原稿から読み取る画像データをI/F109に出力する。その後、CPU101は、読取部105が読み取るべき2枚目の裏面原稿と対となる表面原稿の画像データをページバッファから先に読み出してI/F109に出力する。その後、CPU101は、ページバッファから読み出した表面原稿の画像データと対となるべく読取部105が読み取る2枚目の裏面原稿の画像データをI/F109に出力する。以下、各ステップに従い画像読取装置の制御方法について説明する。
まず、CPU101が、読み込み原稿の有無判定を行う(S901)。ここで、原稿が無いとCPU101が判断した場合は、複数枚滞留読み込み用送信処理を終了する(S806)。
一方、S901で、原稿が有るとCPU101が判断した場合は、CPU101は読取部213により搬送される原稿の読み込み処理を開始させる(S902)。次に、CPU101は、読取部213が読み込んだ原稿が、表面であるか裏面であるかを判定する(S903)。
【0046】
ここで、読取部213が読み込んだ原稿が表面であるとCPU101が判断した場合は、CPU101は、S910で、S902で読み込みを開始した原稿を読み込む前までに読み込んだ表面と裏面の読み込み面数が一致しているか否かを判断する(S907)。
【0047】
ここで、S902で読み込みを開始した原稿を読み込む前までに読み込んだ表面と裏面の読み込み面数が一致していないとCPU101が判断した場合、CPU101は、S909へ処理を進める。そして、CPU101はデータ格納バッファ制御部704を実行して、記憶領域をデータ保存用の一時バッファ領域(ページバッファ領域)に、読み込んだ原稿を元にした表面画像データを一時保存する(S909)。なお、ページバッファ領域は、DRAM104上に、例えば、1複数枚滞留読み込み用送信処理において、連続して送信する表面のページ数から1を減算したページ分の表面画像データを蓄えることが可能な領域として確保される。そして、CPU101は読取部213が読み込み完了した面数と種別をカウントする(S910)。その後、S901へ戻り、CPU101は次ページの読み込み原稿の有無判定を行い、原稿が無くなるまで、継続して同様の処理を続ける。
【0048】
一方、S907で、S902で読み込みを開始した原稿を読み込む前までに読み込んだ表面と裏面の読み込み面数が一致しているとCPU101が判断した場合は、CPU101は今回読み込んだ原稿を元にした画像データを送信先に送信する(S908)。そして、S910へ進む。次に、CPU101は読取部213が読み込み完了した面数と種別をカウントする(S910)。その後、S901へ戻り、CPU101が、次ページの読み込み原稿の有無判定を行い、原稿が無くなるまで、継続して同様の処理を続ける。
【0049】
一方、S903で、読取部213が読み込んだ原稿が裏面であるとCPU101が判断した場合は、CPU101は、読み込んだ原稿を元にした裏面画像データを送信先に送信する(S904)。そして、CPU101はS910の面数カウント処理に基づいて、S902で読み込みを開始した原稿を読み込む前までに読み込んだ表面と裏面の読み込み面数に二以上差があるか否かを判断する(S905)。
【0050】
ここで、読み込んだ表面と裏面の読み込み面数に二以上差があるとCPU101が判断した場合、CPU101はS909でバッファ領域に一時保存した表面画像データを取り出し、CPU101が取り出した表面画像データを送信先に送信する(S906)。その後、S910へ進み、CPU101が読み込み完了した面数と種別をカウントする。
【0051】
一方、S905で、今までに読み込んだ表面と裏面の読み込み面数の差が二未満であるとCPU101が判断した場合、S910へ進み、CPU101は、読み込み完了した面数と種別をカウントして、S901へ戻る。以後、CPU101は、次ページの読み込み原稿の有無判定を行い、原稿が無くなるまで、継続して同様の処理を続ける。
このように、第2の読取モードで基づいて原稿を高速に読み取る場合において、原稿の読み取り順序が変更されても、外部装置へ読み取った画像データを正常なページ順序で送信を行うことができる。つまり、搬送される原稿の表面あるいは反転搬送される原稿の裏面を読取部が複数枚連続して読取る場合において、各原稿の表面画像データと裏面画像データとが交互に続く画像データに編成してI/F109等の処理手段に出力できる。
【0052】
本実施形態によれば、E−mail送信、FAX送信、メディア保存などの処理を行う場合に、第2の読取モードが設定されていても、原稿の読み取り順序をページが揃った状態に調整することができる。これにより、第2の読取モードで、原稿の読取処理を高速化する場合であっても、原稿の入れ替えが必要なページのみを一時的にバッファ領域に保存して、画像データの処理すべきページ順序を並べ替えた状態で処理できる。しかも、2枚目(原稿が3枚以上ある場合には2枚目以降)の表面の画像データを保存すべきページバッファ領域は、最小限のメモリ容量で済む。
【0053】
図10は、本実施形態を示す画像読取装置の画像読取とデータ送信とのタイミングを示す図である。以下、図11を参照して、図8,図9に示した制御に基づく各原稿の画像読取と、読み取った画像データの送信順序変更処理を説明する。以下、画像読取装置に対して、両面読み込みと、複数枚読み込みと、ダイレクト送信とが設定された場合の画像データを外部装置に送信する処理例について説明する。
図10において、図面の上から下に向けて、時間経過を示しており、上から下の順序で処理が行われる。自動両面装置で読み込んだ原稿の読み取り順序は、表面(1)1001→表面(2)1002→裏面(1)1004→裏面(2)1005→表面(3)1006→表面(4)1007→裏面(3)1009→裏面(4)1010の順序となる。
図11は、本実施形態を示す画像読取装置の画像読取順序とデータ送信順序を説明する図である。
図11において、上段側に原稿読取順番を示し、下段側にデータ送信順番を示す。なお、(1)〜(4)は各ページを示す。
最初に読み込んだ表面(1)1001は、S903の判定結果が表面判定かつ、S907の判定結果が読み込んだ表面の数(0面)と読み込んだ裏面の数(0面)が一致しているとCPU101が判断するため、そのまま送信先へ画像データを送信する(S908)。
【0054】
次に、読み込んだ表面(2)1002は、S903の判定結果が表面判定かつ、S907の判定結果が読み込んだ表面の数(1面)と読み込んだ裏面の数(0面)が一致していないとCPU101が判断する。その場合、CPU101は、S909の処理でバッファ領域にデータ(1003)を一時保存する。その次に読み込んだ裏面(1)1004は、S903の判定結果が裏面であり、かつ、S905の判定結果が読み込んだ表面の数(2面)と読み込んだ裏面の数(0面)に二以上差があるとCPU101が判断する。その場合、CPU101は、S906に処理を進める。そして、CPU101は、バッファ領域に一時保存した画像データ(1003)を取り出し、送信先に取り出した画像データを送信する。
その次に読み込んだ裏面(2)1005は、S903の判定結果が裏面判定かつS905の判定結果が、読み込んだ表面の数(2面)と読み込んだ裏面の数(1面)に二以上差がないとCPU101が判断するため、裏面(2)のデータを送付のみ行う。
【0055】
図10に示した手順により、図11に示したように、表面(1)1101→表面(2)1102→裏面(1)1103→裏面(2)1104→表面(3)1105→表面(4)1106→裏面(3)1107→裏面(4)1108の順に読み込まれる。そして、読込んだ画像を送信する際、表面(1)1109→裏面(1)1110→表面(2)1111→裏面(2)S1112→表面(3)S1113→裏面(3)S1114→裏面(4)S1115→表面(4)S1116とページ順が揃った状態で送信される。
【0056】
以上のような方法によって、ダイレクト送信のように、原稿の画像を読み取りながら画像を送信する送信方法のときでも、「一括読みモード」で複数枚の原稿を読み取って、画像を送信することによって、読取動作のパフォーマンスを維持することができる。
なお、上述したように、本実施形態によれば、「一括読みモード」で複数枚の原稿を読み取る際に、記憶手段の容量を抑えることができる。そのため、本実施形態に係る発明は、必ずしも、画像の送信方法がダイレクト送信であるか否かを判定する例に関わらない。
例えば、コストを下げるために容量の小さい記憶手段しか備えていない画像読取装置が、「一括読みモード」で原稿の画像を読み取って送信する場合に適用することができる。また、容量の大きい記憶手段を有しているが空き容量が少ない画像読取装置が、「一括読みモード」で原稿の画像を読み取って送信する場合にも適用することができる。
〔第4実施形態〕
【0057】
上記実施形態では、図8、図9において、読み取った画像データの送信先を外部の装置とする場合について説明したが、読み取った画像データの送信先(格納先)記録先がSDカードやUSBメモリカードであってもよい。なお、本実施形態では、外部メモリの一例として、SDカードやUSBメモリカードとするが、他の種類の外部メモリであってもよい。
【0058】
上述したように、本実施形態に係る画像読取装置は、例えば、以下のような構成を有する。具体的に、本実施形態に係る画像読取装置は、搬送される第1の原稿の第1面の画像を読み取り、第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、第1の原稿の第2面の画像を読み取り、第2の原稿の第2面の画像を読み取り可能な読取手段を有する。さらに、本実施形態に係る画像読取装置は、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第1面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第1の原稿の第2面の画像を記憶手段に記憶する。そして、本実施形態に係る画像読取装置は、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第1面の画像を出力した後、記憶手段に記憶された第1の原稿の第2面の画像を出力し、読取手段によって読み取られた第2の原稿の第2面の画像を出力する出力手段とを有する。
また、本実施形態に係る画像読取装置は、例えば、搬送される第1の原稿の第1面の画像及び第1の原稿の第2面の画像を読み取った後に、第2の原稿の第1面の画像及び第2の原稿の第2面の画像を読み取る第1の読取動作を実行可能である。そして、搬送される第1の原稿の第1面の画像及び第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、第1の原稿の第2面の画像及び第2の原稿の第2面の画像を読み取る第2の動作を実行可能である。そして、本実施形態に係る画像読取装置は、画像の出力方法として第1の出力方法と第2の出力方法のいずれかを指定可能である。第1の出力方法は、読取手段によって読み取られた原稿の画像を記憶手段に記憶した後に当該画像を出力する方法である。第2の出力方法は、読取手段によって読み取られた原稿の画像を記憶手段に記憶しながら当該画像を出力する第2の出力方法である。さらに、本実施形態に係る画像読取装置は、指定手段によって第2の出力方法が指定された場合に、読取手段に第2の読取動作を実行させる制御手段とを有する。
【0059】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0060】
100 画像読取装置
105 読取部
109 プリンタI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される第1の原稿の第1面の画像を読み取り、第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第1の原稿の第2面の画像を読み取り、前記第2の原稿の第2面の画像を読み取り可能な読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた前記第1の原稿の前記第1面の画像を出力し、前記読取手段によって読み取られた前記第1の原稿の第2面の画像を記憶手段に記憶し、前記読取手段によって読み取られた前記第2の原稿の第1面の画像を出力した後、前記記憶手段に記憶された前記第1の原稿の第2面の画像を出力し、前記読取手段によって読み取られた前記第2の原稿の第2面の画像を出力する出力手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
片面読取を実行するか、両面読取を実行するかを設定する設定手段と、
前記読取手段は、前記設定手段によって前記両面読取が設定された場合に、搬送される前記第1の原稿の第1面の画像を読み取り、前記第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第1の原稿の第2面の画像を読み取り、前記第2の原稿の第2面の画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記設定手段によって前記片面読取が設定された場合に、搬送される前記第1の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第2の原稿の第1面の画像を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記設定手段によって前記片面読取が設定され、前記読取手段によって、搬送される前記第1の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第2の原稿の第1面の画像を読み取る場合に、前記出力手段は、前記第1の原稿の第1面の画像を出力し、前記第2の原稿の第2面の画像を出力することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記出力手段は、原稿の画像を外部装置に送信する送信手段、または原稿の画像を外部のメモリに格納する格納手段であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
搬送される第1の原稿の第1面の画像及び第1の原稿の第2面の画像を読み取った後に、前記第2の原稿の第1面の画像及び前記第2の原稿の第2面の画像を読み取る第1の読取動作、及び、搬送される第1の原稿の第1面の画像及び第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第1の原稿の第2面の画像及び前記第2の原稿の第2面の画像を読み取る第2の読取動作とを実行可能な読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた原稿の画像を記憶手段に記憶した後に当該画像を出力する第1の出力方法と、前記読取手段によって読み取られた原稿の画像を前記記憶手段に記憶しながら当該画像を出力する第2の出力方法のいずれかを指定する指定手段と、
前記指定手段によって前記第2の出力方法が指定された場合に、前記読取手段に前記第2の読取動作を実行させる制御手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
搬送される第1の原稿の第1面の画像を読み取り、第2の原稿の第1面の画像を読み取った後に、前記第1の原稿の第2面の画像を読み取り、前記第2の原稿の第2面の画像を読み取り可能な読取工程と、
前記読取工程で読み取られた前記第1の原稿の前記第1面の画像を出力し、前記読取工程で読み取られた前記第1の原稿の第2面の画像を記憶手段に記憶し、前記読取工程で読み取られた前記第2の原稿の第1面の画像を出力した後、前記記憶手段に記憶された前記第1の原稿の第2面の画像を出力し、前記読取工程で読み取られた前記第2の原稿の第2面の画像を出力する出力工程とを有することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載された画像読取装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−55419(P2013−55419A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190879(P2011−190879)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】