説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラム

【課題】比較的簡素な構成であり、画像の読み取りを安定して行うことができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置1は、複数のセンサ画素5を有するイメージセンサ部3と、インターフェイス部7とを備える。イメージセンサ部3は、全体として略透明である。表示装置10は、複数の表示画素15を有する表示パネル13を有している。画像読取装置1は、イメージセンサ部3を表示装置10の表示パネル13上に重ねた状態で、表示装置10と共に用いられる。画像読取装置1の制御部は、表示画素15を発光させ、イメージセンサ部3の上面に載置された原稿90にて反射された光をセンサ画素5で検知し、原稿90を画像データとして読み取る。イメージセンサ部3と光源となる表示装置10とが分かれているため、イメージセンサ部3の構成を簡素にすることができ、また、光源の光量を均一にして、画像ノイズ量や濃度むらを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラムに関し、特に、2次元の画像を読み取ることができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿から画像データを読み取るイメージスキャナ(画像読取装置の一例)が備えられている装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、スキャナ装置、ファクシミリ装置、複写機など)が広く用いられている。
【0003】
現在、一般的には、イメージスキャナには縮小光学系の装置が利用されている。縮小光学系には、ミラースキャン方式やユニットスキャン方式などがある。
【0004】
これら縮小光学系の方式では、いずれもユニットに1次元センサを搭載し、それを走査することで2次元画像を読み取っている。したがって、ユニットが走査する時間がかかるため、画像読み取りの高速化には限界がある。
【0005】
そこで、将来的には、メカ移動機構のないセンサを原稿設置面全体に配置して構成されたエリアセンサを用いた密着型2次元画像読取装置が提案されている。このような画像読取装置は、短時間で(瞬時に)積載原稿データを読み取ることができる。また、このような画像読取装置は、読み取りセンサを搭載したモジュールが移動することがないので、モジュール移動時に発生する振動の影響がなく、画質も向上する(ピッチむらや色ずれを少なくすることができる)という効果がある。また、このような画像読取装置は、省スペースである。このような画像読取装置は、種々の利点を有しており、将来のスキャナとして注目されている。
【0006】
上記のような2次元画像読取装置において、エリアセンサを構成する各画素には、RGBの各色光源部と受光センサ部(光電変換部)とが備えられる。読み取り時は、RGB各色光源を順次点灯し、原稿から反射した光を受光センサ部で読み取る。そしてRGB各色のデータを重ね合わせて出力とする。
【0007】
また、下記特許文献1には、一部透明のフィルム状のフレキシブル検知装置が開示されている。フレキシブル検知装置は、m×nのセルのアレイを有する。各セルが所定の物理量を検出する。フレキシブル検知装置は、そのセンサに接続されたスイッチング機能を有する有機セルを備える。このフレキシブル検知装置は、画像読み取りの際には外光を利用する。特許文献1には、外光による原稿面反射光をセンサで検知し、画像読み取りを行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−150146公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述のようにエリアセンサを構成する各画素に光源部と受光センサ部とを備えた画像読取装置は、そのエリアセンサの構造が複雑になるという問題がある。
【0010】
また、特許文献1に開示されているフレキシブル検知装置のように外光を画像読取装置の光源とする場合、次のような問題点がある。すなわち、外光の光量は作業する場所により変化する。そのため、読み取り画像のノイズ量コントロールを行うことが難しく、読み取り画像がざらつき感のあるものになる恐れがある。また、作業者(ユーザ)などの影が、外光の光量むらを発生させ、読み取り画像に濃度むらが発生する恐れがある。
【0011】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、比較的簡素な構成であり、画像の読み取りを安定して行うことができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられる画像読取装置は、光を検出する光電変換部をそれぞれ含む2次元に配列された複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部と、発光素子の発光制御を行うことにより、2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して発光装置からの光を照射させる光源制御手段と、光源制御手段により照射された光の原稿からの反射光を光電変換部で検出させることにより、原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御手段とを備える。
【0013】
好ましくは光源制御手段は、2次元イメージセンサ部の画素のうち画像読み取り中のものに直接に光を照射する位置にある発光素子を発光させないようにし、その発光素子の周縁に位置する発光素子を発光させる。
【0014】
好ましくは画像読取装置は、2次元イメージセンサ部の各画素の反射光検出時間及び各画素の画像読み取り時の発光装置の各発光素子の発光時間の少なくとも一方を、画素毎に調整する調整手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは画像読取装置は、光源制御手段により発光素子を順次個別に点灯させ、センサ制御部により各発光素子からの直接光を2次元イメージセンサの各画素で検出させることにより、画像読み取り時の2次元イメージセンサの各画素の入射光量のばらつきを推測する推測手段をさらに備え、調整手段は、推測手段によるばらつきの推測結果に基づいて調整を行う。
【0016】
好ましくは発光装置は、画像表示機能を有する。
【0017】
好ましくは画像読取装置は、発光装置に、2次元イメージセンサ部上で原稿が載置されるべき部位を示す表示と、ユーザにより操作させるための所定の操作表示とを表示させる表示制御手段と、表示制御手段により表示された操作表示に対応する2次元イメージセンサ部上の所定の部位へのユーザの接触操作を、光電変換部により検知させる検知手段とをさらに備える。
【0018】
好ましくは画像読取装置は、発光装置に着脱可能に構成されている。
【0019】
好ましくは画像読取装置は、発光装置と一体に構成されている。
【0020】
この発明の他の局面に従うと、2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられ、2次元に配列された、光を検出する光電変換部を有する複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部を備えた画像読取装置の制御方法は、発光素子の発光制御を行うことにより2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して発光装置からの光を照射させる光源制御ステップと、光源制御ステップにより照射された光の原稿からの反射光を光電変換部で検出させることにより原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御ステップとを備える。
【0021】
この発明のさらに他の局面に従うと、2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられ、2次元に配列された、光を検出する光電変換部を有する複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部を備えた画像読取装置の制御プログラムは、発光素子の発光制御を行うことにより2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して発光装置からの光を照射させる光源制御ステップと、光源制御ステップにより照射された光の原稿からの反射光を光電変換部で検出させることにより原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
これらの発明に従うと、発光装置を光源として原稿の読み取りを行うことができる。したがって、画像読取装置としては比較的簡素な構成であって、画像の読み取りを安定して行うことができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図2】イメージセンサ部を構成するセンサ画素の一部を示す平面図である。
【図3】表示装置が接続された画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図4】画像読取装置及びそれが接続された表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】原稿が読み取り可能に載置された状態のイメージセンサ部及び表示パネルを示す側断面図である。
【図6】読み取り動作中の画像読取装置の側断面図である。
【図7】読み取り動作中の画像読取装置を時系列順に示す側断面図である。
【図8】第2の実施の形態における画像読取装置のキャリブレーション動作時を示す側断面図である。
【図9】第3の実施の形態における画像読取装置の制御部による表示制御が行われた状態を示す平面図である。
【図10】第4の実施の形態における画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置について説明する。
【0025】
画像読取装置は、2次元に配列された複数の画素を備える。画像読取装置は、等倍結像(センサ(画素)自体の解像度と原稿自体の読取解像度とが等しい)方式を採用する。すなわち画像読取装置は、原稿の画像情報をエリアタイプのイメージセンサ部で読み取り、光電変換、画像処理を行う密着型2次元画像読取装置である。
【0026】
[第1の実施の形態]
【0027】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像読取装置1の外観を示す斜視図である。
【0028】
図を参照して、画像読取装置1は、複数のセンサ画素(画素の一例)5を有するイメージセンサ部(2次元イメージセンサ部の一例)3と、インターフェイス部7とを有している。インターフェイス部7は、先端部に接続コネクタ7aが配された接続ケーブルを有している。
【0029】
イメージセンサ部3は、全体として略透明であり、薄板形状を有している。複数のセンサ画素5は、ドットマトリクスを成すように、格子状に略均等間隔で2次元に配列されている。なお、イメージセンサ部3は、後述のように原稿を読み取り可能な一部のみが略透明に形成されていてもよい。
【0030】
本実施の形態において、画像読取装置1は、外部の表示装置(発光装置の一例)10に着脱可能に構成されている。画像読取装置1は、表示装置10に接続されて、表示装置10に重ねて用いられる。
【0031】
表示装置10は、複数の表示画素(発光素子の一例)15を有する表示パネル13を有している。表示パネル13は、例えば、液晶ディスプレイである。表示装置10は、各表示画素15を駆動することにより表示パネル13に画像を表示する画像表示機能を有している。複数の表示画素15は、ドットマトリクスを成すように、格子状に略均等間隔で2次元に配列されている。各表示画素15は、例えば、RGB各色の光源を含んでいる。すなわち、表示装置10は、カラー画像を表示可能に構成されている。なお、表示パネル13は、モノクロ(Black and White)画像のみを表示可能に構成されていてもよい。また、表示パネル13は、有機EL(Electroluminescence)素子である複数の表示画素などを用いて画像を表示可能なものであってもよい。
【0032】
画像読取装置1は、表示装置10に接続コネクタ7aを接続して、表示装置10との間で所定の通信プロトコルに基づき有線通信可能にして用いられる。インターフェイス部7や接続コネクタ7a、表示装置10の内部のインターフェイス部(図示せず)は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に基づいて互いに有線接続可能に構成されている。なお、画像読取装置1と表示装置10とは、無線接続により互いに通信可能とされていてもよい。
【0033】
図2は、イメージセンサ部3を構成するセンサ画素5の一部を示す平面図である。
【0034】
図には、4つのセンサ画素5が示されている。図を参照して、各センサ画素5は、センサ部(光電変換部の一例)51、配線部53、及び透過部55を有する。透過部55は、略透明な材料で構成されており、イメージセンサ部3の一面とその裏面との間で光を透過する。
【0035】
センサ部51は、光が入射されると、その光のエネルギーに応じた電荷を発生する(光電変換)。各センサ部51で発生した電荷は、配線部53を通じて後述の画像処理部などに転送され、その画像処理部などで各センサ部51に入射した光が検出される。
【0036】
配線部53は、例えば、透明なITO(酸化インジウム錫)を用いて形成されており、例えば90%程度の透過率を有している。配線部53は、各センサ部51と、後述の制御部や画像処理部などとを接続するように配置されており、制御信号及び画像信号の伝送に用いられる。なお、配線部53の材質は種々選択可能であって、上記よりも透過率が低くなるように構成されていてもよい。
【0037】
図3は、表示装置10が接続された画像読取装置1の外観を示す斜視図である。
【0038】
図を参照して、画像読取装置1は、イメージセンサ部3を表示装置10の表示パネル13上に重ねた状態で、表示装置10と共に用いられる。イメージセンサ部3の上面には、原稿90が、その読み取られる面がイメージセンサ部3の表面に密着するようにして載置される。図に破線で示すように、原稿90は、イメージセンサ部3の上面のうち、所定の読み取り可能範囲内に載置される。なお、画像読取装置1は、イメージセンサ部3の上面の全面が読み取り可能範囲内となるように構成されていてもよいし、イメージセンサ部3の上面の一部が読み取り可能範囲内となるように構成されていてもよい。画像読取装置1は、後述するように、表示装置10の表示パネル13からの光を光源として、原稿90の上記読み取られる面の読み取りを行う。
【0039】
図4は、画像読取装置1及びそれが接続された表示装置10の構成を示すブロック図である。
【0040】
図を参照して、画像読取装置1は、センサ駆動部21と、画像処理部23と、センサ/表示制御部(以下、単に制御部と呼ぶ)25とをさらに有している。センサ駆動部21は、制御部25による制御に基づいて、イメージセンサ部3を駆動する。イメージセンサ部3及びセンサ駆動部21は、センサ部51をセンサ画素5毎に制御するためのアクティブマトリクス型の回路構成及び駆動回路を備えている。
【0041】
イメージセンサ部3は、表示パネル(表示部)13からの光情報を検出し、画像処理部23へその検出情報を転送する。すなわち、画像処理部23には、イメージセンサ部3の各センサ画素5の光電変換層で発生した電荷の情報が転送される。画像処理部23は、イメージセンサ部3から転送された信号電荷を画像信号として処理する。すなわち、画像処理部23は、イメージセンサ部3から転送された検出情報に基づいて、2次元画像データを生成する。これにより、原稿90が画像データとして読み取られる。
【0042】
また、表示装置10は、表示パネル13を駆動するための表示駆動部19をさらに有している。表示パネル13及び表示駆動部19は、表示画素15を制御するためのアクティブマトリクス型の回路構成及び駆動回路を備えている。表示駆動部19は、画像読取装置1の制御部25による制御に基づいて動作する。
【0043】
制御部25は、センサ駆動部21を制御し、イメージセンサ部3を駆動させる。また、制御部25は、インターフェイス部7を介して表示駆動部19を制御し、表示パネル13を発光制御する。制御部25は、表示駆動部19とセンサ駆動部21とを制御することにより、表示パネル13とイメージセンサ部3とを同期させて制御する。
【0044】
図5は、原稿90が読み取り可能に載置された状態のイメージセンサ部3及び表示パネル13を示す側断面図である。
【0045】
図を参照して、波括弧Aで示す部分は、イメージセンサ部3を構成する1つのセンサ画素5を示す。また、波括弧Bで示す部分は、表示パネル13を構成する1つの表示画素15を示す。画像の読み取りは、原稿90の一部の範囲についての読み取りを、原稿90の全範囲を読み取るまで、読み取り範囲を変えながら、順次行うことにより行われる。本実施の形態において、センサ画素5のピッチよりも表示画素15のピッチの方が大きい。そのため、画像の読み取りは、具体的には、以下のようにして行われる。
【0046】
図6は、読み取り動作中の画像読取装置1の側断面図である。
【0047】
図において、矢印は、光の放射方向を示す。原稿90の一部の範囲についての読み取りは、制御部25が、イメージセンサ部3の一部のセンサ画素5と、それに対応する表示パネル13の表示画素15とを駆動することにより行われる。
【0048】
画像の読み取り時には、発光(点灯)する対象となる表示画素15に電源が供給され、その表示画素15が発光する(発光中画素15aとなる)。発光中画素15aから放射された光は、イメージセンサ部3を透過し、原稿90に照射される。この照射光が原稿90の表面で反射され、原稿90の表面の色に応じた反射光が発生する。反射光は、センサ画素5のうち読み取りを行うもの(読取中画素5a)に入射し、読取中画素5aにより反射光が検出される。これにより、原稿90が画像データとして読み取られる。
【0049】
本実施の形態においては、複数のセンサ画素5は、それらの全てが同時に読み取りを行うようには制御されない。複数のセンサ画素5は、それらのうち一部のもの(読取中画素5a)が、読み取りを行うように制御される。また、複数の表示画素15は、それら全てが同時には発光されない。複数の表示画素15は、それらのうち、読取中画素5aの周辺のものであって読取中画素5aに面しないものが発光するように制御され、発光中画素15aとなる。換言すると、制御部25は、原稿90の反射光を読み取るため、発光中画素15a(表示画素15)からの直接光が入射するセンサ画素5についてはその光検出を停止させる。また、制御部25は、原稿90からの反射光を読み取り可能な位置にあるセンサ画素5のみを読取中画素5aとして、光検出動作を実行する。
【0050】
例えば、図に示す画像読取装置1の断面において、共に同一の表示画素15cにのみ面する2つのセンサ画素5が読取中画素5aであるとする。このとき、その断面において、表示画素15cの両側部の表示画素15が発光中画素15aとなる。すなわち、その断面において、一組の発光中画素15aが、その間に表示画素15c及び読取中画素5aを挟むようにして位置する。このように、制御部25は、センサ画素5のうち画像読み取り中のものに直接に光を照射する位置にある表示画素15を発光させないようにし、その表示画素15の周縁に位置する表示画素15を発光させて発光中画素15aとする。したがって、読取中画素5aには、発光中画素15aから原稿90に照射され、原稿90の読み取り面(イメージセンサ部3に密着する面)で反射した光のみが入射する。
【0051】
図7は、読み取り動作中の画像読取装置1を時系列順に示す側断面図である。
【0052】
図において、時刻T=t0,t1,t2は、時間の経過順に並んでいる。図を参照して、時刻T=t0のとき、上述の図6と同様に、原稿90の一部分の画像の読み取りが行われているとする。この部分の画像の読み取りが終了すると、読取中画素5aの位置及び発光中画素15aの位置が変更され、原稿90の画像の読み取り範囲が変更される。読取中画素5a及び発光中画素15aの位置の変更は、例えば次のようにして行われる。
【0053】
まず、時刻T=t0において読取中画素5aを挟むように位置していた上記一組の発光中画素15aのうち一方(第1の発光中画素15aと呼ぶ)が、その他方(第2の発光中画素15aと呼ぶ)から離れる側に位置する、隣の表示画素15に移動する。これにより、時刻T=t1において、時刻T=t0の時点よりも多くのセンサ画素5が一組の発光中画素15a間の読取中画素5aとなる。このとき、2つの表示画素15に面する1つのセンサ画素5cが、読取中画素5aのうちに含まれる。
【0054】
その後、時刻T=t2において、上記第2の発光中画素15aが、上記第1の発光中画素15aに近づく側に位置する、隣の表示画素15に移動する。これに伴い、読取中画素5aも、発光中画素15aに面しないように、2つの発光中画素15aの間に移動する。これにより、時刻T=t2においては、時刻T=t0として示すような状態から、発光中画素15aが移動することにより、読取中画素5aの位置が変更される。
【0055】
このように、読取中画素5aの位置は、発光中画素15aの位置に応じて変更される。読取中画素5a及び発光中画素15aが、互いに連携しながらイメージセンサ部3上や表示パネル13上で移動することにより、イメージセンサ部3上に載置された原稿90の全領域の画像情報が取得され、原稿90が画像データとして読み取られる。これにより、読取中画素5aには、発光中画素15aからの直接光が入射しないので、原稿90の読み取りを確実に行うことができる。
【0056】
なお、制御部25は、センサ画素5のピッチについての情報及び表示画素15のピッチについての情報を有していてもよい。この場合、制御部25は、それらのピッチについての情報に基づいて、各センサ画素5や及び表示画素15の制御を、上述の通りに適切に行うことができる。これにより、制御部25は、原稿90を一部分ずつ順次読み取ることができる。
【0057】
また、制御部25は、読取中画素5aに発光中画素15aからの直接光が入射したかどうかを、入射した光の強度などにより判断し、任意の読取中画素5aに対して発光させる表示画素15を適宜決定するように構成されていてもよい。例えば、ある読取中画素5aにおいて読み取りを行う際、その読取中画素5aにおいて、強い直接光の入射が検出された場合を想定する。このとき、制御部25は、原稿90の読み取りを中断し、発光中画素15aをそれに隣接する表示画素15などに移動させ、読取中画素5aに直接光が入射しないようにする。これにより、原稿90の読み取りを確実に行うことができる。
【0058】
また、表示画素15の発光は、例えば、RGB各色について、色毎に行うようにしてもよい。この場合、画像処理部23において、表示画素15の各色発光時のセンサ画素5の読み取り画像データを合成することにより、原稿90をカラー画像として読み取ることができる。また、表示画素15は、例えば、白色や緑色など単色で発光するように構成されていてもよい。この場合、原稿90をモノクロ画像として速やかに読み取ることができる。
【0059】
[第2の実施の形態]
【0060】
第2の実施の形態における画像読取装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、画像読取装置1は、センサ画素5と表示画素15との位置関係を自ら検知するキャリブレーション動作を行い、その検知結果に基づいて、読み取った画像データの補正処理を実行可能である点が第1の実施の形態と異なる。
【0061】
キャリブレーション動作は、例えば、画像読取装置1が表示装置10に接続され、イメージセンサ部3が表示パネル13上に重ねられたときなどに、制御部25による制御の下で実行される。キャリブレーション動作は、ユーザによる操作指示に基づいて実行開始されてもよいし、制御部25が原稿90を読み取る前に自動的に実行開始するようにしてもよい。
【0062】
図8は、第2の実施の形態における画像読取装置1のキャリブレーション動作時を示す側断面図である。
【0063】
図を参照して、キャリブレーション動作が開始されると、制御部25は、表示画素15を1つずつ順次発光させる(発光中画素15aとする)。また、制御部25は、そのときの表示画素15からの直接光をセンサ画素5で検出する。制御部25は、各表示画素15について、表示画素15からの直接光を検出したセンサ画素5(発光検出画素5d)の位置を検出することにより、表示画素15に対するセンサ画素5の位置関係を事前に検出することができる。制御部25は、このようなキャリブレーション動作から得た表示画素15とセンサ画素5との位置関係の情報を、図示しないメモリなどに記憶する。
【0064】
なお、制御部25は、複数の表示画素15を部分的にすなわち一列ずつ又は複数個ずつ発光させて、キャリブレーション動作を実行してもよい。
【0065】
ここで、表示画素15のピッチとセンサ画素5とのピッチが異なる場合、複数の表示画素15にまたがる位置にあるセンサ画素5cが生じることになる(例えば上記図7の時刻T=t1における図に示す)。原稿90の読み取りを行う際、制御部25は、上記第1の実施の形態で説明したように、表示画素15から直接光が入射するセンサ画素5についてはその光検出を停止させる。また、制御部25は、原稿90からの反射光を読み取ることができる位置にあるセンサ画素5のみ光検出動作を実行するように制御を行う。したがって、複数の表示画素15にまたがるセンサ画素5cは、比較的離れている表示画素15を光源として原稿90の読み取りを行うことになる。他方、複数の表示画素15にまたがらない位置にあるセンサ画素5は、比較的近くの表示画素15を光源として原稿90の読み取りを行うことになる。そのため、原稿90の表面の色が一様であったとしても、各センサ画素5が受け取ることができる原稿90からの反射光の光エネルギーにはばらつきが生じる。センサ画素5が受け取る光エネルギーのばらつきは、読み取られた画像データのむらの発生を引き起こすことがある。
【0066】
制御部25は、キャリブレーション動作により検出した表示画素15とセンサ画素5との位置関係の情報に基づいて、上記のように画像読み取り時に発生しうる各センサ画素5が受け取る光エネルギーのばらつき(入射光量のばらつき)を推測する。制御部25は、推測した結果に基づいて、以下のように、読み取る画像データについての調整(補正処理)を行う。
【0067】
第2の実施の形態において、制御部25は、原稿90の読み取り時に、各センサ画素5が読取中画素5aとなるときの時間を調整(補正)する。例えば、制御部25は、図7において時刻T=t1で示すようなセンサ画素5cの読み取り時間を、他の読取中画素5aの読み取り時間(時刻T=t0,t2など)よりも若干長くする。これにより、読み取り時間が長い分だけセンサ画素5cに入射する光量を多くすることができ、各センサ画素5に入射する原稿90からの反射光の光量を均一にすることができる。このように、制御部25は、各センサ画素5の反射光検出時間を、センサ画素5毎に調整する補正処理を行うことにより、原稿90をむらのない画像データとして読み取ることができる。
【0068】
なお、制御部25は、センサ画素5の反射光検出時間に代えて、各センサ画素5の画像読み取り時の各発光中画素15aの発光時間をセンサ画素5毎に調整してもよい。また、制御部25は、上記反射光検出時間と上記発光時間とを共に調整してもよい。このようにしても、各センサ画素5に入射する原稿90からの反射光の光量を均一にすることができ、原稿90をむらのない画像データとして読み取ることができる。
【0069】
なお、画像データの補正方法は、上述に限られるものではない。制御部25は、キャリブレーション動作から得た情報に基づいて、原稿90から読み取った画像データの補正処理を以下のように行ってもよい。すなわち、キャリブレーション動作における検知結果より、複数の表示画素15にまたがるセンサ画素5cや、複数の表示画素15にまたがらないセンサ画素5の配置が明らかになる。制御部25は、例えば、画像データのうちセンサ画素5cにより検出された部分についてその明るさ(濃度)を増加させるか、画像データのうちセンサ画素5により検出された部分についてその明るさを減少させるか、又はその両方を行うか、いずれかの補正処理を行う。制御部25は、補正処理を、例えば画像処理部23により実行させる。これにより、上記のような画像データのむらを取り除き、良好な画像データを得ることができる。
【0070】
また、制御部25は、センサ画素5毎の検出値のダイナミックレンジが略均一になるように、適宜、発光中画素15aの光の強さを調節するようにしてもよい。これにより、センサ画素5と表示画素15とのピッチが異なることなどによる、読み取り画像データの明度ムラなどを小さくすることができる。
【0071】
なお、第2の実施の形態において、制御部25は、表示画素15とセンサ画素5との位置関係の検出結果に基づいて、原稿90の読み取り動作を行うようにしてもよい。すなわち、この位置関係の検出結果によれば、任意の読取中画素5aに対して、直接光を入射させない位置にある表示画素15を発光中画素15aとして選択可能である。したがって、画像読取装置1を表示画素15のピッチなどが未知である表示装置10と組み合わせるときでも、上述のようなキャリブレーション動作を実行して確実に原稿90を読み取り可能にすることができる。また、制御部25は、画像読取装置1と表示装置10との位置関係が所定の位置関係よりもずれていても、その状態に応じて適切に読取中画素5aとそれに対応する発光中画素15aとを駆動させることができる。したがって、画像読取装置1と表示装置10との位置あわせを厳密に行うことなく、原稿90を容易に画像データとして読み取ることができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
【0073】
第3の実施の形態における画像読取装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、制御部25が、表示装置10について所定の表示制御を行う点や、制御部25が、操作表示に対応するイメージセンサ部3上の所定の部位へのユーザの接触操作を検知する点が第1の実施の形態と異なる。
【0074】
図9は、第3の実施の形態における画像読取装置1の、制御部25による表示制御が行われた状態を示す平面図である。
【0075】
図を参照して、制御部25の表示制御により表示パネル13に表示された画像には、載置位置表示71と、ユーザに行うべき操作を示す説明表示73と、操作表示75が含まれる。説明表示73は、例えば、原稿90を載置位置表示71により示された部分に載置するべき旨をユーザに示す。載置位置表示71は、イメージセンサ部3上で原稿90が載置されるべき部位を示す表示である。ユーザは、説明表示73に従って、載置位置表示71を目印として、イメージセンサ部3上の適切な位置に原稿90を載置することができる。
【0076】
操作表示75は、ユーザにより操作させるための、例えば押ボタン状の表示である。操作表示75は、読み取りを実行する旨や、操作を中止させる旨や、設定機能を実行する旨など、ユーザが利用可能な種々のコマンドに対応するように表示されている。
【0077】
制御部25は、イメージセンサ部3のうち、操作表示75に対応する部位にユーザが触れると、以下のようにしてそれを検知する。すなわち、イメージセンサ部3にユーザが触れると、画像表示を行うために表示画素15から発光した光が、ユーザにより反射され、その反射光がセンサ画素5に入射する。これにより、ユーザが触れた部位のセンサ画素5に入射する光量が、画像表示後のユーザが触れていない状態から変化する。したがって、制御部25は、イメージセンサ部3のうちユーザが触れた部位を検知することができる。
【0078】
ここで、制御部25は、ユーザが触れた部位が、表示している画像のうち操作表示75に対応するかどうかを判断する。制御部25は、例えば、表示している画像のうち、操作表示75を他の部位とは異なる色調や明度で表示するなどし、予め、イメージセンサ部3で操作表示75を検知する。制御部25は、このようにして操作表示75を検知した部位に、ユーザが触れたことを検知した場合には、操作表示75に対応する部位にユーザが触れたと判断する。このとき、制御部25は、操作表示75に対応するコマンドがユーザから入力されたと判断し、そのコマンドに対応し、画像読み取り処理などを実行させる。
【0079】
なお、この判断は、例えば、予めイメージセンサ部3が表示パネル13に対し位置決めされて重ねられている場合には、イメージセンサ部3のうち操作表示75に対応する所定の部位にユーザが触れたかどうかを判断することにより行ってもよい。
【0080】
このように、第3の実施の形態では、制御部25は、表示装置10の画像表示機能を利用して、表示装置10に画像読取動作に関する種々の表示を表示させる。したがって、ユーザは、画像の読み取りを容易に実行させることができる。また、表示制御により、制御部25は、画像読取装置1にタッチパネル機能を持たせることができるので、画像読取装置1がより便利に利用可能になる。
【0081】
なお、表示制御は上述のものに限られない。例えば、制御部25は、画像読取動作中にその旨を示す説明表示を行うなどしてもよい。また、制御部25は、種々の設定画面を表示し、ユーザからの操作指示を上述と同様の方式で受け付けることにより、原稿90のサイズの指定や、読み取り解像度の指定など、読み取りに関する設定の変更を受け付けるようにしてもよい。
【0082】
[第4の実施の形態]
【0083】
第4の実施の形態においては、画像読取装置が表示装置と一体に構成されている点が、上述の第1から第3の実施の形態とは異なる。
【0084】
図10は、第4の実施の形態における画像読取装置41の外観を示す斜視図である。
【0085】
画像読取装置41は、表面に、表示読取パネル43を有している。表示読取パネル43は、上述と同様の表示画素15を有する表示パネルの上面に、上述と同様のセンサ画素5を有する略透明なイメージセンサパネルが重ねられて構成されているものである。画像読取装置41は、表示画素15を発光させながら、表示読取パネル43の上面に載置された原稿90からの反射光をセンサ画素5で検出することにより、原稿90を画像データとして読み取る。すなわち、画像読取装置41の画像読み取り時の動作や、画像読取装置41の制御部の制御内容は、上述の第1から第3の実施の形態におけるそれと同様である。
【0086】
このように、画像読取装置41では、表示装置と一体に構成され、イメージセンサパネルが表示パネルに対して固定されており、各センサ画素5と表示画素15との位置関係が固定されている。したがって、画像読取装置41の制御部は、予め設定された位置関係情報などに基づいて、適切に各センサ画素5の読取制御及び各表示画素15の発光制御を行い、むらの少ない画像データを読み取ることができる。また、画像読み取りを行わないときには、表示パネルに画像を表示させて画像読取装置41を表示装置として使用することができるため、画像読取装置41の利便性が高くなる。
【0087】
[実施の形態における効果]
【0088】
以上のように構成された画像読取装置は、略透明なイメージセンサ部を表示装置の表示パネル上に重ねて設け、表示装置と連携させて原稿の読み取りを行うことができる。イメージセンサ部と光源となる表示装置とが分かれているため、イメージセンサ部の構成を簡素にすることができ、画像読取装置の製造コストを低減することができる。また、表示装置を光源として画像データの読み取りを行うことにより、光源の光量は常に均一にすることができるので、例えば外光を光源として使用する場合と比較して、画像ノイズ量や濃度むらを抑制し、品質の高い画像データの読み取りを安定して行うことができる。
【0089】
特に、画像読取装置を表示装置に着脱可能に構成した場合には、画像読取装置単体としては光源部を有しない簡素な構成にすることができる。したがって、画像読取装置を小型化し、それにより容易に収納可能になる。また、画像読取装置の製造コストを低くすることができる。また、通常はパーソナルコンピュータと接続して用いられるモニタなどを表示装置として使用することができるため、別途専用の光源装置を用意しなくても、画像の読み取りを行うことができる。なお、画像の読み取りを行わないときには、表示装置から画像読取装置を取り外し、表示装置を本来の画像表示機能に用いることができるため、表示装置の利便性を損なうことがない。
【0090】
[その他]
【0091】
なお、画像読取装置のイメージセンサ部は、フィルム状の曲がりやすい形状、物性を有していてもよい。これにより、表示パネルの表面が曲面となっている表示装置などと共に画像読取装置を用いることが可能になる。また、非使用時には、イメージセンサ部を曲げて、画像読取装置をコンパクトに収納することができる。
【0092】
また、画像読取装置は、表示装置に代えて、画像表示機能を有しない発光装置に接続され、その発光装置を光源として使用可能に構成されていてもよい。
【0093】
また、画像読取装置は、イメージセンサ部及び表示装置(発光装置の一例)をイメージスキャナ及び画像表示部に搭載したスキャナ装置、ファクシミリ装置、複写機やこれらの複合機(MFP)などであってもよい。これらの装置の有する他の機能(データ送信機能、ファクシミリ送信機能、複写機能など)と共に、イメージセンサ部を利用した画像読取機能や表示装置の画像表示機能を用いることにより、画像読取装置をより便利に利用可能にすることができる。
【0094】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0095】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記の文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0096】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 画像読取装置
3 イメージセンサ部(2次元イメージセンサ部の一例)
5 センサ画素(画素の一例)
10 表示装置(発光装置の一例)
15 表示画素(発光素子の一例)
25 制御部
41 画像読取装置(表示装置(発光装置の一例)と一体のもの)
51 センサ部(光電変換部の一例)
90 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられる画像読取装置であって、
光を検出する光電変換部をそれぞれ含む2次元に配列された複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部と、
前記発光素子の発光制御を行うことにより、前記2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して前記発光装置からの光を照射させる光源制御手段と、
前記光源制御手段により照射された光の前記原稿からの反射光を前記光電変換部で検出させることにより、前記原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御手段とを備える、画像読取装置。
【請求項2】
前記光源制御手段は、前記2次元イメージセンサ部の画素のうち画像読み取り中のものに直接に光を照射する位置にある発光素子を発光させないようにし、その発光素子の周縁に位置する発光素子を発光させる、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記2次元イメージセンサ部の各画素の反射光検出時間及び各画素の画像読み取り時の前記発光装置の各発光素子の発光時間の少なくとも一方を、前記画素毎に調整する調整手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光源制御手段により前記複数の発光素子を順次部分的に点灯させ、前記センサ制御部により各発光素子からの直接光を前記2次元イメージセンサの各画素で検出させることにより、画像読み取り時の前記2次元イメージセンサの各画素の入射光量のばらつきを推測する推測手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記推測手段による前記ばらつきの推測結果に基づいて前記調整を行う、請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記発光装置は、画像表示機能を有する、請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記発光装置に、前記2次元イメージセンサ部上で原稿が載置されるべき部位を示す表示と、ユーザにより操作させるための所定の操作表示とを表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された操作表示に対応する前記2次元イメージセンサ部上の所定の部位へのユーザの接触操作を、前記光電変換部により検知させる検知手段とをさらに備える、請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記発光装置に着脱可能に構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記発光装置と一体に構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項9】
2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられ、
光を検出する光電変換部をそれぞれ含む2次元に配列された複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部を備えた画像読取装置の制御方法であって、
前記発光素子の発光制御を行うことにより、前記2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して前記発光装置からの光を照射させる光源制御ステップと、
前記光源制御ステップにより照射された光の前記原稿からの反射光を前記光電変換部で検出させることにより、前記原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御ステップとを備える、画像読取装置の制御方法。
【請求項10】
2次元に配列された複数の発光素子を有する発光装置に重ねて用いられ、
光を検出する光電変換部をそれぞれ含む2次元に配列された複数の画素を有し、光を透過させることができるように構成された2次元イメージセンサ部を備えた画像読取装置の制御プログラムであって、
前記発光素子の発光制御を行うことにより、前記2次元イメージセンサ部上に載置された原稿に対して前記発光装置からの光を照射させる光源制御ステップと、
前記光源制御ステップにより照射された光の前記原稿からの反射光を前記光電変換部で検出させることにより、前記原稿の2次元画像データを読み取るセンサ制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像読取装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−245820(P2010−245820A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91999(P2009−91999)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】