説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】専用のバックライト装置を必要とすることなく、部費点数を増加させずに透過原稿の読み取りを行うことができるものとする
【解決手段】操作面に操作画像を表示して外部から入力操作される液晶タッチパネル120及び光源110を備えると共に、画像読取装置本体から離脱自在に配置された操作装置100を備え、操作装置100は、液晶タッチパネル120を動作状態、光源110を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードと、液晶タッチパネル120を非動作状態、光源110を点灯状態として略一様に発光させた操作面をコンタクトガラス35に配置された透過原稿D上に配置して透過原稿Dの透過光作成用の照明とできるバックライトモードと、に切換える制御手段130を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置及び画像形成装置に係り、特にコンタクトガラスに配置された反射原稿及び透過原稿からの反射光及び透過光を撮像素子上に結像して原稿画像を読取る画像読取装置及びこの画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読取装置で読取る原稿には光を反射するものだけでなく、光を透過するものもある。例えばスライド用ポジフィルム、ネガフィルム、レントゲン写真、OHP(オーバーへラドプロジェクタ)シートなどは光を透過する。原稿読取装置においては一般に原稿を光源により照明してその反射光像を読取手段により読取るが、光を透過する原稿を読取る場合には光源からの光が原稿を透過してしまって原稿の反射光像が暗くなり、良質の読取画像品質が得られない。
【0003】
このため、原稿読取装置において光を透過する原稿を読取る場合には原稿をバックライト装置等の照明装置で照明し、原稿の透過光像を読取手段に読み取らせるようにしている。原稿読取装置でバックライト装置を用いて透過原稿を読取る場合には、スイッチ等を操作して読取手段の動作モードを透過モードに変更し、読取手段内の増幅器のゲインを変更したり白基準読取タイミングの変更や上記光源の消灯等を行ったりする必要がある。このような調整がなされないと、透過原稿の読み取りが正常に行われないこととなる。
【0004】
特許文献1には、原稿台上の原稿を照明する照明手段、及び上記原稿台上の原稿からの反射光像を読取る読取手段を有する本体と、この本体に装着可能で上記原稿台上の原稿を照明してその透過光像を上記読取手段に読み取らせるバックライト装置と、このバックライト装置が上記本体に装着されたことを検知する検知手段と、この検知手段からの検知信号により上記読取手段の動作モードを原稿の反射光像と透過光像の各読み取りに対応するように変更する制御手段とを備えた原稿読取装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した画像読取装置にあっては、透過原稿の読み取りを行るようにするためには、画像読取装置には専用のバックライト装置を配置しなければならず、部品点数が増加するという問題がある。
【0006】
本発明は、専用のバックライト装置を必要とすることなく、部費点数を増加させずに透過原稿の読み取りを行うことができる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、コンタクトガラスに配置された反射原稿及び透過原稿からの反射光及び透過光を撮像素子上に結像して原稿画像を読取る画像読取装置において、操作面に操作画像を表示して外部から入力操作されるタッチパネル手段及び前記タッチパネル手段を裏面から照射する光源を備えると共に、画像読取装置本体から離脱自在に配置された操作装置を備え、前記操作装置は、前記タッチパネル手段を動作状態、前記光源を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードと、前記タッチパネル手段を非動作状態、前記光源を点灯状態として略一様に発光させた操作面を前記コンタクトガラスに配置された原稿上に配置して透過原稿の透過光作成用の照明とできるバックライトモードと、に切換える切換手段を備えることを特徴とする画像読取装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、前記操作装置のタッチパネル手段は、前記バックライトモードのとき、操作用の画像を表示することなく前記光源からの光を透過する状態となることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の画像読取装置において、操作装置のうち前記操作面と反対側である背面部に透過原稿読取時に使用する操作ボタンを配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載の画像読取装置において、前記操作ボタンは読取開始を指示するスタートボタンを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2又は3記載画像読取装置において、前記操作装置の背面部に透過原稿の読取に関する情報を表示する表示画面を配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか記載の画像読取装置において、前記操作装置がバックライトとして使用されることを検知する検知手段を備え、前記切換手段を切換動作させることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6記載の画像読取装置において、前記検知手段は、前記操作装置の姿勢を検知する姿勢検知手段又は前記操作装置の背面が他のものに接触したことを検出する接触検出手段であることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置によれば、透過原稿を読取る際に専用のバックライト等を使用する必要がなくなるので、簡単な構成で安価な装置で透過原稿の読み取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施例に係る画像読取装置の構成を示す断面図である。
【図3】実施例に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図4】操作装置の構成を示すブロック図である。
【図5】操作装置に配置されるセンサを説明する図であり、(a)は第1の例、(b)は他の例を示す模式図である
【図6】第2及び第3の実施例に係る操作装置を示すものであり、(a)は操作面を示す模式図、(b)は第2の実施例に係る操作装置の背面を示す模式図、(c)は第3の実施例に係る操作装置の背面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
コンタクトガラスに配置された反射原稿及び透過原稿からの反射光及び透過光を撮像素子上に結像して原稿画像を読取る画像読取装置において、操作面に操作画像を表示して外部から入力操作されるタッチパネル手段及び前記タッチパネル手段を裏面から照射する光源を備えると共に、画像読取装置本体から離脱自在に配置された操作装置を備え、前記操作装置は、前記タッチパネル手段を動作状態、前記光源を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードと、前記タッチパネル手段を非動作状態、前記光源を点灯状態として略一様に発光させた操作面を前記コンタクトガラスに配置された原稿上に配置して透過原稿の透過光作成用の照明とできるバックライトモードと、に切換えるる切換手段を備える。操作装置のうち前記操作面と反対側である背面部に透過原稿読取時に使用する操作ボタン及び読取に関する情報を表示する表示画面を配置している。
【実施例】
【0018】
以下に実施例に係る画像読取装置ついて説明する。図1は実施例に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。本例では画像形成装置としての複写機11について説明する。複写機11は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段12と、この画像形成手段12によって形成された記録媒体上のトナー像を、その記録媒体に定着する定着装置13と、画像形成手段12に記録媒体を給送する記録媒体搬送装置14と、画像形成手段12、定着装置13及び記録媒体搬送装置14を収容する第1の装置本体15と、原稿画像を読取る画像読取装置16と、画像読取装置16を収容する第2の装置本体17と、原稿を搬送する開閉体として圧板の機能を有する自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)18とを備えており、ADF18は第2の装置本体17にヒンジ機構(図示していない)を介して第2の装置本体17に開閉自在に搭載されている。
【0019】
ADF18は、原稿束を載置可能な原稿載置台20と、原稿載置台20に載置された原稿束の上面に当接して原稿束を送り出す当接位置及び原稿束から離隔する離隔位置の間で移動するピックアップローラ21と、ピックアップローラ21によって送り出された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して読取位置であるスリットガラス36に向かって搬送する給紙ベルト22、リバースローラ23、搬送ローラ対24からなる原稿搬送手段25と、読取位置で読取りが終了した原稿を原稿排紙台26に排紙する搬送ローラ対27及び排紙ローラ対28からなる原稿排紙手段29とを備えている。
【0020】
また、排紙ローラ対28は、駆動ローラ28aと、駆動ローラ28aに摺接する従動ローラ28b及び従動ローラ28cとを備えており、排紙ローラ対28の近傍には切換爪30が設けられている。
【0021】
切換爪30は、第1の切換位置と第2の切換位置との間で移動するようになっており、切換爪30が第1の切換位置に切換られると、駆動ローラ28a及び従動ローラ28bによって原稿が原稿排紙台26に排紙されるようになっている。また、切換爪30が第2の切換位置に切換られると、駆動ローラ28a及び従動ローラ28cによって原稿がスイッチバック通路31に搬送されるようになっている。
【0022】
スイッチバック通路31には正逆回転自在なスイッチバックローラ対32が設けられており、スイッチバック通路31に搬送される原稿は、スイッチバックローラ対32によって図1中、右方向に搬送された後、スイッチバックローラ対32が逆転駆動することにより、再搬送経路を介して搬送ローラ対24に搬送される。このため、原稿が反転されて読取位置に搬送される。
【0023】
また、画像読取装置16は、光学系34を収容した第2の装置本体17と、第2の装置本体17の上部に固定配置されたコンタクトガラス35及びスリットガラス36とを備えている。
【0024】
この画像読取装置16にあっては、閉じられた原稿や本等からなる原稿をコンタクトガラス35上に原稿を載置して、その原稿DをADF18によって押圧することにより、原稿を読取ることができる。また、ADF18によって自動搬送される原稿はスリットガラス36の読取位置で読取られるようになっている。
【0025】
即ち、画像読取装置としての光学系34は、光源37と第1ミラー38とを有する第1走行体39と、第2ミラー40及び第3ミラー41を有する第2走行体42と、結像レンズ43と、撮像素子であるCCDイメージセンサ44とを備えており、第1走行体39及び第2走行体42は、図1に示した位置から右方に移動し、このとき、光源37から出射する光によって原稿を照明し、その反射光を第1ミラー38、第2ミラー40及び第3ミラー41の順に反射した後、結像レンズ43を通してCCDイメージセンサ44に入射する。このようにして原稿画像がCCDイメージセンサ44に結像されることにより、原稿の画像が読取られる。
【0026】
また、ADF18によって原稿を読取る場合には、図1中、右方に示す位置に第1走行体39及び第2走行体42を固定した状態で上述した手順で走行する原稿を読取る。また、画像形成手段12は、ドラム状の感光体からなる第1像担持体45Y、第2像担持体45C、第3像担持体45M及び第4像担持体45BKを備えており、これら第1〜第4像担持体45Y〜45BKには、複数の支持ローラに巻き掛けられた無端ベルトからなる中間転写ベルト46が対向配置されている。
【0027】
また、第1〜第4像担持体45Y〜45BKは、それぞれ図1における時計方向に回転駆動されるようになっており、中間転写ベルト46は図1中、矢印A方向に回転駆動される。このとき、第1像担持体45Yは、帯電ローラ47によって所定の極性に帯電される。
【0028】
また、光書き込みユニット48からは、上述した原稿の読取り結果に応じた画信号に基づいて光変調されたレーザビームLが出射されるようになっており、第1像担持体45Yの帯電面にそのレーザビームLが照射されることによって第1像担持体45Yに静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置49によってイエロートナー像として可視像化される。
【0029】
また、一次転写ローラ50には、転写電圧が印加されることによって、第1像担持体45Y上に形成されたトナー像が図1中、矢印A方向に回転する中間転写ベルト46上に一次転写される。
【0030】
トナー像転写後の第1像担持体45Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置52によって除去される。本実施の形態の複写機11においては、第1像担持体45Yと、その周囲に配設された帯電ローラ47と、現像装置49と、クリーニング装置52とによって一体的なプロセスカートリッジが構成されている。
【0031】
また、現像装置49は、粉体状のトナーを収容した現像容器53を有し、そのトナーによって静電潜像が可視像化される。また、現像容器53内のトナー量が減少したとき、トナーボトル54Yから現像容器53にトナーが補給される。
【0032】
一方、クリーニング装置52は、第1像担持体45Yから除去されたトナーを受け入れるクリーニング容器55を備えており、クリーニング容器55内のトナーは、トナー搬送装置によって、図示していない廃トナー容器に搬送される。このように、現像容器53、トナーボトル54Y、クリーニング容器55及び廃トナー容器にはトナーが収容されている。
【0033】
また、上述した動作と同様にして、第2像担持体45C、第3像担持体45M及び第4像担持体45BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト46上に順次重ねて一次転写される。
【0034】
これらの第2像担持体45C、第3像担持体45M、第4像担持体45BKにトナー像を形成する現像装置の現像容器内のトナー量が減少したときも、各トナーボトル54C、54M、54BKから、その各現像容器にトナーが補給される。
【0035】
このようにして、中間転写ベルト46上に転写された重ねトナー像は、二次転写ローラ56の作用によって記録媒体に二次転写され、その転写後の中間転写ベルト46上に付着する転写残トナーは、ベルト用のクリーニング装置52により除去される。このクリーニング装置52のクリーニング容器55にもトナーが収容され、そのトナーは図示していない廃トナー容器に搬送される。
【0036】
また、記録媒体搬送装置14は中間転写ベルト46の下方に配置されており、この記録媒体搬送装置14は、転写紙又は樹脂シート等からなる記録媒体Sを収容した給紙カセット57と、最上位の記録媒体Sに接触する給紙ローラ58と、レジストローラ対59とを有し、給紙ローラ58の回転によって最上位の記録媒体Sが図1中、矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体Sは、レジストローラ対59の回転によって、所定のタイミングで中間転写ベルト46と、中間転写ベルト46に対向配置された二次転写ローラ56との間に給送される。
【0037】
この記録媒体Sが中間転写ベルト46と二次転写ローラ56との間を通過するとき、二次転写ローラ56には転写電圧が印加されることによって中間転写ベルト46上の重ねトナー像が記録媒体に二次転写される。このようにして、画像形成手段12により、記録媒体上にトナー像が形成されるのである。
【0038】
また、トナー像が形成された記録媒体は定着装置13を通過し、このとき画像形成手段12によって形成された記録媒体上のトナー像がその記録媒体に定着される。また、定着装置13によって画像が定着された記録媒体Sは排紙ローラ対60によって記録媒体排紙台61上に排紙される。
【0039】
この記録媒体排紙台61は、画像形成手段12を収納する第1の装置本体15と画像読取装置16を収納する第2の装置本体17の間に形成されており、本実施の形態では、排紙ローラ対60による記録媒体Sの排紙方向下流側の第1の装置本体15及び第2の装置本体17の間が開放される胴内排紙型の複写機11となっている。
【0040】
また、排紙ローラ対60の上流側には切換レバー62が設けられており、この切換レバー62は記録媒体の表面の複写が終了したときに、記録媒体Sの裏面に複写を行うときに、反転通路63側に切換られるようになっている。
【0041】
即ち、記録媒体Sの後端が排紙ローラ対60に挟持されると、排紙ローラ対60が逆転駆動するとともに、切換レバー62が反転通路63に連通する位置に切換られ、記録媒体Sが反転通路63に向かって搬送される。
【0042】
この反転通路63には反転ローラ対64が設けられており、この反転ローラ対64によって反転通路63を搬送される記録媒体は、二次転写ローラ56側に搬送される。
【0043】
一方、スリットガラス36上には反射ガイド板65が設けられており、この反射ガイド板65は原稿の読取時の白基準を構成するとともに、光源37からの光を反射するようになっている。
【0044】
また、コンタクトガラス35とスリットガラス36の間にはガイド部材が設けられており、このガイド部材71は、スリットガラス36を通過した原稿を掬い上げて搬送ローラ対27に向かって案内するようになっている。
【0045】
本例に係る複写機11には、操作装置100(図1には示されていない:図3参照)が配置されている。この操作装置100は画像読取装置16を含む複写機11を操作するものであり、第2の装置本体17に着脱可能に配置されている。また、操作装置100は、操作用のタッチパネルを備え、透過原稿を読取る際にバックライトとして使用できるものである。
【0046】
次に画像読取装置16について説明する。図2は実施例に係る画像読取装置の構成を示す断面図である。この画像読取装置16の内部には、上述のように光源37及び両端支持された第1ミラー38よりなる第1走行体39、そして、やはり両端支持された第2ミラー40、第3ミラー41よりなる第2走行体42、及び、原稿Dの反射光をCCD等の撮像素子であるCCDイメージセンサ44上に結像させる結像レンズ43が設けられており、ホストコンピュータから送られてくる1ライン毎の画像読取要求の信号に応じて、第1走行体39及び第2走行体42はそれぞれ2:1の速度で原稿に沿って移動しながら逐次画像の読取を行うよう構成されている。
【0047】
ここで、反射原稿を読取るときには、光源37から照射される光による原稿Dの反射光が第1ミラー38で反射され第2ミラー40、第3ミラー41、結像レンズ43を経てCCDイメージセンサ44に結像される。一方透過原稿を読取るときには、バックライトとして使用される操作装置100から照射される光による原稿Dの透過光が第1ミラー38で反射され第2ミラー40、第3ミラー41、結像レンズ43を経てCCDイメージセンサ44に結像される。
【0048】
原稿の読み取りに際しては、第1走行体39が一定の速度で往動するとともに、第2走行体42が第1走行体39の1/2の速度で第1走行体39に追従して往動する。これにより、コンタクトガラス35上の原稿が光学的に走査される。コンタクトガラス35上の原稿が光源等により照明されて、その反射光像が第1ミラー38、第2ミラー40、第3ミラー41を介して結像レンズ43に導かれ、結像レンズ43によりCCDイメージセンサ44上に結像される。
【0049】
このCCDイメージセンサ44は、結像された原稿Dの反射光像を光電変換してアナログ画像信号とし出力するものであり、これにより原稿の読み取りが行われる。また、原稿の反射光、透過光の光量に応じて増幅器のゲインの最適化が行われる。そして、原稿Dの読み取り終了後に、第1走行体39と第2走行体42はホームポジション位置に復動する。なお、CCDイメージセンサ44から出力されたアナログ画像信号は、アナログ/デジタル変換器によりデジタル画像信号に変換され、画像処理回路を搭載した回路基板において、反射光あるいは透過光に応じた各々の画像処理(2値化、多値化、階調処理、変倍処理、編集処理など)が施される。
【0050】
次に、実施例に係る複写機11における操作装置100について説明する。図3は実施例に係る画像形成装置の外観を示す斜視図、図4は操作装置の構成を示すブロック図である。本例において操作装置100は、図3に示すように、複写機11の第2の装置本体17に取り外し可能に取付けられている。透過原稿を読取るときには、操作装置100を第2の装置本体17から取り外して反転し、コンタクトガラス35上の透過原稿上に配置して透過原稿読取用の光源として使用する。操作装置100は、図示していないケーブルで複写機11に接続され、操作に関するデータを授受する他、電力が供給される。なお、操作装置100と複写機11とは無線でデータの授受を行うものとすることができ、このときには操作装置100には電力源として複写機11本体から充電できるバッテリーが配置される。なお、図3では、ADF18は跳ね上げられた状態であり図示を省略している。
【0051】
操作装置100は、図4に示すように、冷陰極管あるいはLEDからなる光源110と、この光源110の表側に配置される公知の液晶タッチパネル120と、切換手段である制御手段130とを備えて構成される。制御手段130は、操作装置100で複写機11の操作を行う操作モードと、操作装置100を反転してコンタクトガラス35上に配置し透過原稿のバックライトとするバックライトモードに切り換える。即ち、制御手段130は、液晶タッチパネル120を動作状態として操作用のボタン等を表示し、光源110を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードと、液晶タッチパネル120を非動作状態として前記ボタン等を表示せず、光源110を点灯状態として略一様に発光させた操作面をコンタクトガラス35に配置された透過原稿D上に配置して透過原稿Dの透過光作成用の照明とできるバックライトモードとに切換える。
【0052】
また、操作装置100には、操作装置100がバックライトとして使用されることを検知する検知手段であるセンサ140を備える。前記制御手段130は、このセンサ140からの信号に基づいて光源110及び液晶タッチパネル120を制御する他、センサ140の検知結果は複写機11に送出され、複写機11は透過原稿の画像データに対応した画像処理などを実行する。
【0053】
次に操作装置100に配置されるセンサについて説明する。図5は操作装置に配置されるセンサを説明する図であり、(a)は第1の例、(b)は他の例を示す模式図である。図5(a)に示す例は、操作装置100の内部に操作装置100の姿勢を検知するセンサ140、例えば機械的スイッチを配置している。このセンサ140は、上下方向に配置される2枚の電極141,142の間に重力で移動する接点143を配置したものであり、操作装置100が操作面を上にした状態から操作面を下にした位置に反転されると、接点143が電極141から離れ、電極142に接触することにより操作装置100の反転を検知する。制御手段130は、このセンサ140の検知により前記制御手段が液晶タッチパネルのボタン等の表示を停止し無地の状態にする。なお、このセンサとしては電子的なスイッチとすることができる。
【0054】
図5(b)に示す例ではセンサ150は機械的スイッチであり、その接触部151が操作装置100のコンタクトガラス35が配置される原稿台上に配置されたことを検知する。
【0055】
なお、操作装置100が反転され透過原稿の読取が行われると判断されたときには、複写機11は、読取装置内の増幅器のゲインを変更したり白基準読取タイミングの変更や、通常光源の消灯等を行ったりし、透過原稿読み取り可能な状態となる。
【0056】
このような操作装置100で透過原稿Dの画像を読取るには、まず操作装置100を操作して、透過原稿読取の指定、サイズの指定、枚数などを設定する透過原稿の読み取り設定を行う。そして、コンタクトガラス35上に透過原稿Dを配置し、操作装置100を第2の装置本体17から取り外して反転し、透過原稿Dを覆うように操作装置100を被せる。操作装置100のセンサ140(150)は、操作装置100が反転されたことを検知し、これを制御手段130及び複写機11に伝送する。制御手段130は、センサ140からの信号を受け、液晶タッチパネル120を動作状態、光源110を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードから、液晶タッチパネル120を非動作状態、前記光源110を点灯状態として略一様に発光させた操作面を前記コンタクトガラスに配置された原稿上に配置して透過原稿の透過光作成用の照明とできるバックライトモードに切換える。
【0057】
また、複写機11は、センサ140からの信号を受け、読取条件等の設定を行い、所定時間経過後画像読取動作を行う。これにより透過原稿の読取が行われる。
【0058】
なお、この読取においては、操作装置100はコンタクトガラス35上で透過原稿Dを完全に覆うことが望ましいこのため、透過原稿は操作装置100の液晶タッチパネル120のサイズより小さいことが望ましい。また、操作装置100はコンタクトガラス35の読取範囲に正しい姿勢で配置されることが望ましい。このため、コンタクトガラス35が配置される原稿読取部上に操作装置100の設置設定用の案内突起等を設けることができる。
【0059】
次に、第2及び第3の実施例に係る操作装置について説明する。図6は第2及び第3の実施例に係る操作装置を示すものであり、(a)は操作面を示す模式図、(b)は第2の実施例に係る操作装置の背面を示す模式図、(c)は第3の実施例に係る操作装置の背面を示す模式図である。
【0060】
第2の実施例に係る操作装置200は、図6(a)に示すように、操作面には液晶タッチパネル120が配置されている他、裏面には、操作ボタン170としてスタートボタン171及びストップボタン172が配置されている。操作装置200における操作ボタン170の接続状態を図4中に破線で示した。本例によれば、操作装置100を反転して原稿台上にセットした状態で、操作ボタン170の操作により、読み取り開始及び停止を指示することができ、操作性を向上させることができる。なお、この操作ボタン170は、図3中に破線で示したように制御手段130に接続されており、過原稿読み取りと判断されたとき使用可能となるものとし、誤操作を防止する。
【0061】
第3の実施例に係る操作装置300は、図6(c)に示すように、操作装置300の背面に前記操作ボタン170に加えて液晶表示部180を配置したものである。操作装置300における操作ボタン170及び液晶表示部180の接続状態を図4中に破線で示した。操作装置300をバックライトとして使用する際、原稿の読取り条件やコピー枚数等の設定は操作装置300を反転する前であって複写機11に取付けられた状態で入力する。本例によれば、操作装置300をバックライトと使用すべく反転し、コンタクトガラス35上に配置した状態で読取り前に設定情報が容易に確認できる。
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、透過原稿を読取る際に専用のバックライト等を使用する必要がなくなるので、簡単な構成で安価に透過原稿読み取りが可能となる。
【0063】
また、本発明によれば、操作装置を反転してバックライトとして使用する状態としても、裏面に配置されたスイッチで原稿読取り開始停止ができる。
【0064】
また、操作装置を反転すると、検知手段で操作装置が透過原稿読取り状態であるということを検出するので、この検出状態を操作装置や画像形成装置に伝えることにより、透過原稿読み取りのため設定を操作装置や画像形成装置に行わせることができ、容易な操作で透過原稿を読取ることができる。
【0065】
また、操作装置を反転しても、設定された透過原稿の読み取り設定を確認することができ、機械設定でのミス、読み取りミスを防止することができる。
【符号の説明】
【0066】
11 複写機
12 画像形成手段
13 定着装置
14 記録媒体搬送装置
15 第1の装置本体
16 画像読取装置
17 第2の装置本体
18 自動原稿搬送装置(ADF)
19 ヒンジ機構
20 原稿載置台
21 ピックアップローラ
22 給紙ベルト
23 リバースローラ
24 搬送ローラ対
25 原稿搬送手段
26 原稿排紙台
27 搬送ローラ対
28 排紙ローラ対
28a 駆動ローラ
28b 従動ローラ
28c 従動ローラ
29 原稿排紙手段
30 切換爪
31 スイッチバック通路
32 スイッチバックローラ対
34 光学系
35 コンタクトガラス
36 スリットガラス
37 光源
38 第1ミラー
39 第1走行体
40 第2ミラー
41 第3ミラー
42 第2走行体
43 結像レンズ
44 CCDイメージセンサ
45Y〜45BK 第1〜第4像担持体
46 中間転写ベルト
47 帯電ローラ
48 ユニット
49 現像装置
50 一次転写ローラ
52 クリーニング装置
53 現像容器
54C、54M、54BK トナーボトル
54Y トナーボトル
55 クリーニング容器
56 二次転写ローラ
57 給紙カセット
58 給紙ローラ
59 レジストローラ対
60 排紙ローラ対
61 記録媒体排紙台
62 切換レバー
63 反転通路
64 反転ローラ対
65 反射ガイド板
71 ガイド部材
100 操作装置
110 光源
120 液晶タッチパネル
130 制御手段
140 センサ
141,142 電極
143 接点
150 センサ
151 接触部
170 操作ボタン
171 スタートボタン
172 ストップボタン
180 液晶表示部
200 操作装置
300 操作装置

【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平1−198864号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトガラスに配置された反射原稿及び透過原稿からの反射光及び透過光を撮像素子上に結像して原稿画像を読取る画像読取装置において、
操作面に操作画像を表示して外部から入力操作されるタッチパネル手段及び前記タッチパネル手段を裏面から照射する光源を備えると共に、画像読取装置本体から離脱自在に配置された操作装置を備え、
前記操作装置は、
前記タッチパネル手段を動作状態、前記光源を点灯状態として画像読取装置の操作を行う操作モードと、
前記タッチパネル手段を非動作状態、前記光源を点灯状態として略一様に発光させた操作面を前記コンタクトガラスに配置された原稿上に配置して透過原稿の透過光作成用の照明とできるバックライトモードと、
に切換える切換手段を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記操作装置のタッチパネル手段は、前記バックライトモードのとき、操作用の画像を表示することなく前記光源からの光を透過する状態となることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
操作装置のうち前記操作面と反対側である背面部に透過原稿読取時に使用する操作ボタンを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記操作ボタンは読取開始を指示するスタートボタンを含むことを特徴とする請求項3記載の画像読取装置
【請求項5】
前記操作装置の背面部に透過原稿の読取に関する情報を表示する表示画面を配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記操作装置がバックライトとして使用されることを検知する検知手段を備え、前記切換手段を切換動作させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記操作装置の姿勢を検知する姿勢検知手段又は前記操作装置の背面が他のものに接触したことを検出する接触検出手段であることを特徴とする請求項6記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−206359(P2010−206359A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47779(P2009−47779)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】