説明

画像読取装置

【課題】 簡単な構成にて高品質の両面画像読取りを行うことができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】 原稿読取り位置にある原稿ガラスに対向する位置に背景板を備えた画像読取装置において、背景板に、白色プレートと黒色プレートを着脱自在に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート原稿上の画像を読み取る機能を備えた、ファクシミリ・複写機・スキャナ等の画像形成装置に搭載される画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
資源の有効活用・情報の圧縮を目的として、最近の画像形成装置の出力には、両面印字が一般的に行われている。画像形成装置に搭載される画像読取装置において、両面印字された原稿、特に比較的薄手な用紙に記録された両面原稿の画像を読取ろうとすると、裏面の画像が透けて表面読取り画像に写り込んでしまう“裏写り”という問題が発生することがある。
そこで、例えば特許文献1や2では、このような裏写りを防止するようにした画像読取装置が提案されている。これらの従来技術においては、反射率の高い白色背景部と、反射率の低い黒色背景部とを持ち、両面に画像を有する原稿を読取る場合には、原稿の読取位置を移動するか、背景面を回転またはスライドさせることで反射率の低い黒色背景部を読取位置として、裏面の画像が透けるのを防止している。
【特許文献1】特許第3534935号
【特許文献2】特開2000−59569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の技術においては、背景板を反射率の異なる複数のプレートで構成し、これを画像読取手段と連動させているので、載置された原稿に沿って画像読取手段が移動する形式の画像読取装置にも適用することができるが、白背景読取り位置と、黒背景読取り位置が異なることから原稿の挙動により、白背景読取り位置と黒背景読取り位置で画像に差が発生してしまう。
また、特許文献2においては、背景板自体が移動し、読取り位置自体は変化しないため原稿の挙動による画像差はないが、白黒切換え機構が複雑でコストアップは必然である。
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、低コストな簡単な構成にて、高品質の両面画像読取りを行うことができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原稿読取り位置にある原稿ガラスに対向する位置に背景板を備えた画像読取装置において、背景板に、白色プレートと黒色プレートを着脱自在に設けた画像読取装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、白色プレートと黒色プレートは両者貼り合わせて一体として設けられている画像読取装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、白色プレートまたは黒色プレートは、背景板の凹部に保持される画像読取装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像読取装置において、白色プレートまたは黒色プレート、あるいは一体として設けられている白色プレートと黒色プレートを、背景板の凹部に保持するための保持プレートを設けた画像読取装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像読取装置において、保持プレートの材質はマグネットであり、背景板、または白色プレートまたは黒色プレート、あるいは一体として設けられている白色プレートと黒色プレートも材質はマグネットである画像読取装置を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、原稿読取り位置にある原稿ガラスに対向する位置に背景板を備えた画像読取装置において、背景板に、白色プレートと黒色プレートを着脱自在に設けたので、簡単な構成にて高品質の両面画像読取りを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像読取装置の全体構成図、図2は図1に示す画像読取装置の要部拡大図である。以下、その構成を動作と併せて説明する。
原稿トレイ1に搭載された原稿Oは、呼び出しコロ2にて呼び出され、分離部3にて分離された最も上の原稿Oのみが搬送ローラ4に搬送される。さらに原稿Oは搬送ローラ4により、前ガイド5に案内されADF読取ガラス6上に送られて、原稿読取り位置にて、照明ランプ7により照射される。
照明ランプ7により照射された原稿Oの反射光が、第1ミラー8、第2ミラー9、第3ミラー10にて反射され、レンズ11を介して、画像読取基板12に設けられているCCD13に送られて原稿の情報が読取られる。ADF読取ガラス6と対向する位置には、ADF読取ガラス6との間にある隙間(通常0.5mm程度)をもって、背景板14が設置されている。この背景板14により原稿Oの浮きを規制している。
照明ランプ7の近傍には、原稿面の照度を上げるために設けられた対向反射板15がある。照明ランプ7、第1ミラー8、対向反射板15は、第1走行体16に搭載されている。第2ミラー9、第3ミラー10は第2走行体17に搭載されている。原稿Oの情報が読取られた原稿Oは、後ガイド18に案内されて排紙ローラ19によって排紙トレイ20上に排紙される。符号21は固定原稿を読取るためのコンタクトガラスである。
背景板14の表面には、着脱自在に白色、又は黒色のプレートが取り付けられおり、ユーザにより、白色/黒色の切換えが自由になされる。
【0007】
図3は図2に示す背景板の第1の例を示す図である。背景板14の下面中央の凹部14−1内には、両面テープ等により接合された白色プレート31、黒色プレート32が設けてあり、この例では上側の黒色プレート32が凹部14−1に嵌合されている。そして、白色プレート31の下方から添設したマグネットプレート33の吸着力により、一体化された白色プレート31及び黒色プレート32を磁性体から成る背景板14に対して着脱可能に保持する。
凹部14−1を設けることで安定してプレートを背景板14に保持することができる。この際、背景板14の底部の原稿案内面の下方にプレートが突出すると、原稿搬送の妨げになるので、突出しないようにすることが肝要である。
片面画像読取りの際は、図のように白色プレート31を下にして、原稿と対面させる。両面画像読取りの際は、マグネットプレート33を背景板14から外し、一体となっている白色プレート31、黒色プレート32を取り出し、上下を逆にして、つまり黒色プレート32を下にして背景板14に再セットする。
図4は図2に示す背景板の第2の例を示す図である。マグネットプレート33を背景板14の中央上面に配置してマグネット製(或いは磁性体製)の白色プレート31、黒色プレート32を背景板14の凹部14−1に吸着保持する。白色プレート31、黒色プレート32は一体になっている。
ここで、図3に示す第1の例、図4に示す第2の例共に、白色プレート31、黒色プレート32を一体として、読取モードに応じて、原稿と原稿Oと対面するプレート面を切り換えているが白色プレート31、黒色プレート32を分離して、必要なプレートのみを一枚ずつその都度、背景板14に装着するようにしても勿論差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置の全体構成図である。
【図2】図1に示す画像読取装置の要部拡大図である。
【図3】図2に示す背景板の第1の例を示す図である。
【図4】図2に示す背景板の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
【0009】
6 ADF読取ガラス(読取ガラス)
14 背景板
14−1 凹部
31 白色プレート
32 黒色プレート
33 マグネットプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取り位置にある原稿ガラスに対向する位置に背景板を備えた画像読取装置において、背景板に、白色プレートと黒色プレートを着脱自在に設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読取装置において、白色プレートと黒色プレートは両者貼り合わせて一体として設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像読取装置において、白色プレートまたは黒色プレートは、背景板の凹部に保持されることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像読取装置において、白色プレートまたは黒色プレート、あるいは一体として設けられている白色プレートと黒色プレートを、背景板の凹部に保持するための保持プレートを設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像読取装置において、保持プレートの材質はマグネットであり、背景板、または白色プレートまたは黒色プレート、あるいは一体として設けられている白色プレートと黒色プレートも材質はマグネット、又は磁性体であることを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−110549(P2007−110549A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300792(P2005−300792)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】