説明

画像読取装置

【課題】 被照射物の照射部に対して異なる傾斜角度で照射可能であると共に平板形状のコンパクトな照明部分を搭載する被照射物の透過部分を読み取る画像読取装置を提供する。
【解決手段】 光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、主走査方向に沿って設けた光源と、この光源の光りを副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する反射部を有する導光体とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙幣等のような被照射物の光の透過部分を読み取る画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の読取装置として、例えば、特開2000−113269号公報図1(特許文献1参照)に記載のものがあった。すなわち、この特許文献1には、紙幣等の透かし模様に光を照射し、その透過光を人工網膜チップにより検出し、透過部分(以下、「透かし部分」ともいう。)画像の形状等やその有無の情報を知識処理回路により処理して、紙幣等の鑑定を行う紙幣鑑定装置が記載されている。
【0003】
特開2003−87564号公報図2(特許文献2参照)には、いわゆる透過型と反射型とを併用した画像読取装置が記載されている。そして、その画像読取装置は、透過原稿用の光源を原稿カバーに収容し、その原稿カバーに着脱自在に原稿マットを係止し、反射原稿の読取時にはその原稿マットを原稿カバーに装着する一方、透過原稿の読取時には原稿マットを原稿カバーから取り外すように構成した画像読取装置が記載されている。
【0004】
実開平7−7259号公報図8(特許文献3参照)には、透明ロッド21の一方の端面21aまたは21bから透明ロッド21の内部に入射した光が、透明ロッド21の外周囲の表面で全反射を繰り返し、他方の端面21aまたは21bに向う間に、外周囲のうちの1つの表面に形成された光拡散面31で乱反射されて反対側の面21cから放出され、主走査方向Xにおいて均一な明るさを呈する照明装置およびこれを用いた画像読み取り装置が記載されている。
【0005】
特開2007−194797号公報図1(特許文献4参照)には、被照射物の一方の面側であって、被照射物の垂直面に対して所定角度だけ傾斜させて光源を配置し、この光源からの光が被照射物の透過部分における起伏により散乱された散乱光を受光することにより、被照射物の透過部分を読み取ることができる画像読取装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−113269号公報(第1図)
【0007】
【特許文献2】特開2003−87564号公報(段落0024、第2図)
【0008】
【特許文献3】実開平7ー7259号公報(第8図)
【0009】
【特許文献4】特開2007−194797号公報(段落0020、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された紙幣鑑定装置は、紙幣等の透かし部分の鑑定は、光源からのいわゆる直接光を紙幣等の透かし部分に対して透過させてこれを電気信号に変換して紙幣等の透かし部分の画像を読み取るものであった。
【0011】
また、特許文献2に記載された画像読取装置では、いわゆる透過型の画像読取装置(以下、単に「透過型」ともいう。)と反射型の画像読取装置(以下、単に「反射型」ともいう。)とを併用したものと考えることもできるが、この場合も、透過型による光の透過部分における画像の読み取りにおいては、いわゆる直接光により透過部分の画像の読み取りを行うものであった。
【0012】
また、特許文献3に記載された画像読み取り装置は、比較的個数の少ないLEDを副走査方向に並べて、主走査方向に導光しながら光拡散面から均一になるように光を徐々に放出するので照明照度が不足し高速で移動する原稿を読み取りような高速読み取りの用途には不向きであるという課題があった。
【0013】
また、特許文献4に記載された画像読取装置は、透過型光源21から出射した光をラッパ型導光体22を用いて、所定の角度でラッパ型導光体22の光射出部22aから出射した光を原稿1の搬送経路における照射部5に照射する構成としているので、透過型光源21から照射部5までの導光経路が比較的長くなり、透過型光源体20の搬送方向に対する垂直方向サイズが大きくなり、小型化には不向きであるとともに、単一の所定角度の照射しかできないという課題があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被照射物の照射部に対して異なる傾斜角度で照射可能であると共に平板形状のコンパクトな照明部分を搭載する被照射物の透過部分を読み取る画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に係る画像読取装置は、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、主走査方向に沿って設けた光源と、この光源の光りを副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する反射部を有する導光体とを備えたものである。
【0016】
請求項2に係る画像読取装置の前記導光体の反射部は、全反射面である請求項1に記載のものである。
【0017】
請求項3に係る画像読取装置の前記導光体の反射部は、表面に反射部材が施されている請求項1に記載のものである。
【0018】
請求項4に係る画像読取装置は、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の複数の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段とを備え、前記センサは、前記点灯制御手段で時分割された電気信号をそれぞれ検出するものである。
【0019】
請求項5に係る画像読取装置の前記導光体の反射部は、全反射面である請求項4に記載のものである。
【0020】
請求項6に係る画像読取装置の前記導光体の反射部は、表面に反射部材が施されている請求項4に記載のものである。
【0021】
請求項7に係る画像読取装置は、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源と面対称で対向設置され、前記第1光源と同一スペクトル光を前記第1光源と逆方向に照射する第3光源と、前記第2光源と面対称で対向設置され、前記第2光源と同一スペクトル光を前記第2光源と逆方向に照射する第4光源と、前記第1光源乃至前記第4光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する複数の反射部を有する導光体と、この導光体のそれぞれの反射部に入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、前記導光体の複数の反射部は、前記第1光源及び前記第3光源から導光された光と、前記第2光源及び前記第4光源から導光された光とは異なる照射角度で被照射物の照射部に照射するものである。
【0022】
請求項8に係る画像読取装置の前記導光体反射部は、全反射面である請求項7に記載のものである。
【0023】
請求項9に係る画像読取装置は、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の複数の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段とを備え、前記センサは、前記点灯制御手段で時分割された電気信号をそれぞれ検出するものである。
【0024】
請求項10に係る画像読取装置は、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光量比率を選択して制御する点灯制御手段と、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサとを備え、被照射物の前記照射部に異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号を切替え検出するものである。
【0025】
請求項11に係る画像読取装置は、透かし部分を有する紙幣を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから紙幣の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記透かし部分で透過した透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号をそれぞれ検出し、紙幣の真偽判定を行うものである。
【0026】
請求項12に係る画像読取装置は、透過性のホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記ホログラム領域で透過した透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域における異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号を検出するものである。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係る画像読取装置によれば、被照射物の搬送経路に沿って副走査方向に光源からの光りを照射部まで導光し、反射部で所定の照射角度で反射させてから被照射物の透過部分を読み取るので、装置に搭載する照明光学系が薄型で構成できるのでコンパクトな画像読み取りを得ることが可能である。
【0028】
また、照射部に対して、導光体の反射部に異なる照射角度の反射面を複数設けることにより、被照射物の平面パターンの形状やサイズを読み取る場合には直下照明とし、紙幣などの厚みが変化する透かし部分を読み取る場合には、直下照明による基材の透過率による真偽判別のみならず斜光照明による紙幣の起伏を読み取る真偽判別とすることにより高精度な紙幣などの真偽判別が可能となる。
【0029】
また、透過光によるホログラム読み取りを行う場合では、直下照明と斜光照明とを併用又は複数の照射角度の異なる斜光照明を組み合わせることにより、高精度なホログラム画像の真偽判別が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1による画像読取装置の断面構成図である。図1において、1は紙幣、有価証券又は小切手、フィルム等の被照射物(以下、単に「原稿」或いは「紙幣」という。)であって、半透明又は透明の透かし部分(以下、透過部分ともいう。)と光がほぼ透過しない反射部分とを有するものである。
【0031】
2は、原稿1の一方の面側(図1において下側)に配置した密着イメージセンサ(以下、単に「CIS」という。)である。3はCIS2において両側に配置した反射型光源であり、原稿1の一方の面側に配置され、原稿1の幅方向(主走査方向)に亘ってLEDチップをアレイ状に直線的に配列したものである。4は反射型光源3から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した反射型導光体であり、光射出部4aを有する。5は照射部であり、反射型光源3からの光が、原稿1の搬送経路における原稿1に照射される主走査方向直線状部分であって、搬送される原稿1の読み取り部分を意味する。
【0032】
6は、CIS2内に異物等の混入を防止する機能を有する透明プラスチック材で構成した約2.5mm厚の透過体で、原稿1はこの透過体6の外側においてガイドされるように搬送される。7は反射型光源3から出射した光が原稿1の一方の面側で反射され、その反射光を副走査方向に反射させる第1ミラー、8は第1ミラー7からの反射光を受光する凹型の第1レンズミラー(第1レンズ 第1非球面ミラーとも呼ぶ)、9は第1レンズ8からの平行光を受光するアパーチャー、9aは周囲が遮光され、アパーチャー9を通過する光の色収差を緩和するアパーチャー9の表面又は近傍に設けた開口部、10はアパーチャー9からの透過光を受光する凹型の第2レンズミラー(第2レンズ 第2非球面ミラーとも呼ぶ)、11は第2レンズ10からの光を受光し、反射させる第2ミラーである。
【0033】
12は開口部9aを通過した第2レンズ10からの反射光を第2ミラー11を介して受光し、光電変換する光電変換回路及びその駆動回路からなるMOS半導体構成のセンサIC(センサとも呼ぶ)、13はセンサIC12を載置するセンサ基板であり、第1センサ基板13aと第2センサ基板13bからなる。14はセンサIC12で光電変換された信号を信号処理する信号処理IC(ASIC)、15はASIC14などを載置する信号処理基板、16はセンサ基板13と信号処理基板15とを電気接続する内部コネクタである。17は反射型光源3からの発熱を緩和させるアルミ材などで構成した放熱ブロックである。
【0034】
18は第1ミラー7及び第2ミラー11のミラー系や第1レンズ8及び第2レンズ10などのレンズ系で構成した結像手段(レンズ体)であるテレセントリックな結像光学系を収納する筐体である。19は反射形光源3及び反射型導光体4などの照明光学系(照明装置)を収納する筐体である。
【0035】
一方、20は原稿1の主走査方向に亘って光を出射する透過型光源体である。この透過型光源体20において、21は主走査方向に亘ってLEDチップをアレイ状に直線的に配列した透過型光源、22は透過型光源21から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した透過型導光体であり、22aは透過型導光体22の光射出部、22bは透過型光源21からの導光された光りを反射させて光りを光射出部22aから照射させる楔形の溝で形成したミラー反射面又は全反射面で形成した反射部である。そして、光射出部22aから出射した光は、原稿1の搬送経路における照射部5に照射するように構成している。
【0036】
また、光射出部22aから出射する光は、原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対してほぼ平行して照射される。23は透過型光源21を駆動するための電力を供給する外部コネクタ、24は透過型光源体20の筐体である。25はCIS2外部に設けられ、原稿1を搬送方向に搬送するプラテンローラ又はプーリなどで構成された搬送手段である。26は原稿1の透過部分を検知するフォトセンサであり、26Tはフォトセンサ26の発光部分、26Rはフォトセンサ26の受光部分である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0037】
図2は、図1に示した断面図の主走査方向の別位置における断面図であり、光の伝搬経路を形成する結像光学系部分は、読み取り位置に対して隣接するブロック毎に図1に示すものとシンメトリーの構造となっている。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0038】
図3は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の透過型光源体20の筐体24を除去した模式平面図である。図3において、27は透過型光源21に電源や制御信号を供給する内部コネクタ、28は多数の白色発光のLEDを主走査方向にアレイ状に配列した透過型光源21を載置する基板である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0039】
図4は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の透過型光源体20の筐体24を除去した読み取り位置から見た模式側面図である。図4において、29は白色発光LEDなどで構成された透過型光源21の照射方向に集光性を持たせるために基板28のLED載置部分を覆うようにシリコン材などの透明モールド樹脂をスポットコーティングした集光レンズであり、透過型光源21の副走査方向への指向性の広がりを制限する役目を担う。また、単一波長のLEDチップを用いたものにおいては、蛍光発光させるため集光レンズ29に蛍光発光樹脂を使用して複数の波長を有する擬似白色光源としても良い。図中、図3と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0040】
次に動作について説明する。図5は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック構成図である。図5において、30は反射型光源3及び透過型光源21の点灯・消灯動作を制御する光源駆動回路(点灯制御手段)である。31は制御部(CPU)であり、光源駆動回路30も制御する。すなわち、フォトセンサ26により、原稿1の透過部分を最初に検出するタイミング信号(検出信号)が光源駆動回路30やCPU31に入力される。このとき、原稿1の搬送速度が一定の場合には、フォトセンサ26と照射部5との所定距離Lに対応した時間経過後に、原稿1の透過部分が照射部5に差し掛かるので、そのタイミングで光源駆動回路30を駆動制御して、透過型光源21を点灯させる一方、反射型光源3を消灯させる。CPU31は、フォトセンサ26により原稿1の透過部分を検出している時間だけ透過型光源21の点灯、反射型光源3の消灯を継続するように光源駆動回路30を制御する。
【0041】
他方、CPU31に読み取りシステム信号(SCLK)が入力された後、フォトセンサ26が原稿1の透過部分を検出していない間においては、CPU31は、フォトセンサ26を原稿1の反射部分が通過しているものとして、反射型光源3を点灯させ、透過型光源21を消灯させるように光源駆動回路30を駆動制御する。このように、CPU31により光源駆動回路30を駆動制御して、反射型光源3と透過型光源21の点灯・消灯を制御する。なお、32はアナログ信号(SO)を増幅する可変増幅器、33はアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(アナログデジタル)変換器、34は補正回路、35は照合回路である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0042】
図6は、フォトセンサ26の出力信号(FO)と反射型光源3及び透過型光源21の点灯信号との関係を時間軸に対する変化の様子を示したタイムチャートである。原稿1は、例えば、250mm/secで搬送されているものとする。フォトセンサ26における原稿1が反射部分である場合には、フォトセンサ26の出力信号(FO)は低レベルであるので、反射型光源3は点灯(ON)し、透過型光源21は消灯(OFF)している。ところが、フォトセンサ26における原稿1が透過部分に差し掛かった場合には、フォトセンサ26の出力信号(FO)は高レベルとなる。このとき、フォトセンサ26の出力信号(FO)が所定のレベル範囲内、すなわち、Vth(L)とVth(H)間に、フォトセンサ26の出力信号が立ち上がった時点から、例えば、200ms後に反射型光源3が消灯(OFF)し、透過型光源21が点灯(ON)する。そして、フォトセンサ26の出力信号(FO)がVth(L)とVth(H)間だけ継続する。
【0043】
図7に反射型光源読み取り領域と透過型光源読み取り領域との画像出力(SO)の時間的変化を示す。スタート信号(SI)に同期して順次画像出力(SO)が現われ、各ライン出力間にはブランキング期間を設けることにより、読み取り時間の変更や搬送スピードの変更を行うことができる。
【0044】
次に、図5に示す全体ブロック構成図について説明する。まず、読み取りシステム信号(SCLK)に基づいて、CIS2のクロック信号(CLK)と同期した0.5ms/Lineのスタート信号(SI)がセンサIC12に入力されると、そのタイミングによりセンサIC12において光電変換されたアナログ信号(SO)が出力される。SOは、可変増幅器32により増幅された後に、A/D変換器33によりアナログデジタル(A/D)変換され、補正回路34及び照合回路35に入力される。補正回路34ではサンプル・ホールドを含むシェーディング補正や全ビット補正などが行われる。
【0045】
SOから得られたデジタル信号データの補正は、あらかじめ設定された基準信号データを記憶したデジタルデータをRAM1領域から読み出し、原稿1から採取したイメージ情報と補正回路34により演算加工する。これは、CIS2を構成する反射型光源3、透過型光源21及びセンサIC12等における個々の素子のばらつきを考慮してセンサIC12による光電変換出力を均一化するために行うものである。
【0046】
また、補正回路34に組み込まれた照合回路35については、図8にその構成を示している。照合回路35は、原稿1の透過部分における画像信号をあらかじめ決められた画像パターンや真偽判別パターンに対応したデジタルデータをRAM2から読み出し、実際に読み取られた透過部分における画像データとの照合を行うものである。すなわち、透過型光源21を点灯させて原稿1の透過部分における画像を読み取る場合には、前記のとおり、CIS2に収納されている反射型光源3を消灯することにより、原稿1の透過部分を読み取るが、こうして得られた照度をセンサIC12により光電変換して画像出力信号(SIG)とする。そして、この画像出力信号(SIG)は、RAM2に収納された透過部分の画像データと比較照合し、一致した場合には一致信号(A)を外部に出力する。
なお、照合方法の詳細については、特許文献4に詳しいので説明を省略する。
【0047】
以上から実施の形態1による画像読取装置によれば、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送し、主走査方向に沿って設けた光源からの光りを副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を直下(落射)照明する反射部を有する導光体を備えたので平板形状のコンパクトな照明部分を搭載した被照射物の透過部分を読み取る画像読取装置を得ることが可能となる。
【0048】
実施の形態2.
実施の形態1では、透過型光源体20は、楔状の溝を設けた透過型導光体22としたが、実施の形態2では、透過型導光体に平坦凹部を有するものについて説明する。図9は、実施の形態2による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。図9において、40は透過型光源21から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した透過型導光体であり、40aは透過型導光体40の光射出部、40bは透過型光源21から導光された光りを反射させて光射出部40aから照射させるミラー反射面又は全反射面で形成した反射部である。そして、光射出部40aから出射した光は、原稿1の搬送経路における照射部5に照射するように構成している。
【0049】
また、光射出部40aから出射する光は、全反射面の場合には原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対して45度以下の狭角で照射される。40cは透過型導光体40の平坦面(平坦部)であり、この平坦部のサイズを変更することにより所定の照射角度を得る。その他の構成・動作は実施の形態1で説明したものと同一である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0050】
以上から実施の形態2による画像読取装置によれば、光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送し、主走査方向に沿って設けた光源からの光りを副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を斜光照明する反射部を有する導光体を備えたので平板形状のコンパクトな照明部分を搭載した被照射物の透過部分を読み取る画像読取装置を得るとともに起伏のある透過パターンに対して高精度で読み取りを行なうことが可能となる。
【0051】
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、透過型光源体から照射する光は、それぞれ所定の照射角度から照射するようにしたが、実施の形態3では、異なる傾斜角度から照射可能な透過型光源体について説明する。図10は、実施の形態3による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。図10において、21aは第1列目の透過型光源、21bは第2列目の透過型光源、41は透過型光源21から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した透過型導光体であり、41aは透過型導光体41の光射出部、41bは透過型光源21から導光された光りを反射させてから光射出部41aから照射させるミラー反射面又は全反射面で形成した楔状の凹部を有する反射部である。照射光は原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対してほぼ平行に光射出部41aから照射される。
【0052】
41cは透過型導光体41の反射部41bと対向する反対面に切り欠き形成して設けられた傾斜面(ミラー面)であり、原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対して45度以下の狭角で照射される。そして、光射出部41aから出射した照射角度のそれぞれ異なる光は、原稿1の搬送経路における照射部5に照射するように構成している。
【0053】
なお、一方側に設けた透過型光源21a(第1光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する反射部41bと透過型光源21b(第2光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する反射部(傾斜面)41cは、他方側に設けた透過型光源21a(第3光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する反射部41bと透過型光源21b(第4光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する反射部(傾斜面)41cと面対称の関係にある。
【0054】
図11は、この発明の実施の形態3による画像読取装置の基板28に搭載した透過型光源の説明図である。図11において、21aは搬送方向の垂直面に4.23mmピッチでアレイ状に配列した第1列目光源(第1光源)、21bは搬送方向の垂直面に第1列目光源21aと平行して配置した第2列目光源(第2光源)である。なお、第1光源21aと第2光源21bは同一の基板28上に設置したが、個別に設けた基板に平行配置しても良く、第1光源21aと第2光源21bの相対照度レベルを調整するため副走査方向に位置を幾分離間させる構成としても良い。
【0055】
図12は、この発明の実施の形態3による画像読取装置の透過型光源部分の結線図である。図12において、透過型光源21の第1列目光源21aと、平行配置した透過型光源21の第2列目光源21bとは独立回路を形成し、それぞれLEDコントロール信号端子(LEDC−1)及びLEDコントロール信号端子(LEDC−2)の制御信号により、電源端子(VDD)から電力供給され点灯・消灯駆動する。
【0056】
次に実施の形態3による画像読取装置の駆動タイミングについて図13を用いて説明する。図13において、直下照明する場合には、CPU31に連動してASIC14は光源点灯信号(LEDCー1)をON(閉)し、光源駆動回路30は第1光源21aに電源を供給することにより、第1光源21aは照射部5に対して直下照明する。その間連続的に駆動するCLK信号に同期してスタート信号(SI)はセンサIC12の駆動回路を形成する各素子(画素)のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したイメージ情報(SIG)を得る。
【0057】
斜光照明する場合には、光源点灯信号(LEDC−2)をON(閉)し、光源駆動回路30は第2光源21bに電源を供給することにより、第2光源21bは照射部5に対して斜めから斜光照明する。スタート信号(SI)はセンサIC12の駆動回路を形成する各素子のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したイメージ情報(SIG)を得る。
【0058】
以上から実施の形態3に係わる画像読取装置によれば、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、透過型導光体の異なる角度から原稿に照射可能になるので、紙幣の透かしなど透過部分の起伏を読み取り真偽判別する場合には斜光照明で読み取り、透過フィルムなどの平面パターン画像のサイズなどを読み取る場合には、直下照明で読み取ることにより、1種類の透過型光源体で真偽判別や高精度のパターンサイズ測定などの切換読み取りが可能になる効果がある。
【0059】
実施の形態4.
実施の形態3では、透過型光源体から照射する光は直下照明と斜光照明としたが、実施の形態4では、異なる角度から照射する複数の斜光照明が可能な透過型光源体について説明する。図14は、実施の形態4による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。図14において、42は透過型光源21から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した透過型導光体であり、42aは透過型導光体42の光射出部、42bは透過型光源21aの照射光軸中心に全反射面の中心がある反射部(第1全反射面)、42cは透過型光源21bの照射光軸中心に全反射面の中心がある反射部(第2全反射面)、42dは平坦部である。
【0060】
なお、全反射面42b、42cは照射部5に近接した透過型導光体42の一部を切り欠いて形成され、この部分を透過型導光体42の切り欠き部と呼ぶ。
【0061】
また、一方側に設けた透過型光源21a(第1光源)から導光された光りを反射する全反射面42bと透過型光源21b(第2光源)から導光された光りを反射する全反射面42cは、他方側に設けた透過型光源21a(第3光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する全反射面42bと透過型光源21b(第4光源と呼ぶ)から導光された光りを反射する全反射面42cと面対称の関係にある。
【0062】
次に実施の形態4による画像読取装置の駆動タイミングについて図15を用いて説明する。図15において、CPU31に連動してASIC14は光源点灯信号(LEDCー1)を0.25ms期間ON(閉)し、それを受けて光源駆動回路30は透過型光源21aに電源を供給することにより、透過型光源21aは白色光を発する。その間連続的に駆動するCLK信号に同期してスタート信号(SI)はセンサIC12の駆動回路を形成する各素子(画素)のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したイメージ情報(SIG)を得る。
【0063】
その後光源点灯信号(LEDC−2)を0.25ms期間ON(閉)し、光源点灯信号(LEDC−1)をOFF(開)し、光源駆動回路30が光源21bに電源を供給することにより、透過型光源21bは白色光を発する。スタート信号(SI)はセンサIC12の駆動回路を形成する各素子のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したイメージ情報(SIG)を得る。上記の動作で1ライン分の読み取りを完了し、次ラインの読み取りに移行する。
【0064】
以上から実施の形態4に係わる画像読取装置によれば、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、透過型導光体42の異なる角度から原稿1に照射可能になるので、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、透過型導光体42の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、時分割毎にセンサIC12で受光することで、透過光としてのホログラム画像の変化を短時間で認識し、真偽判別できる効果がある。
【0065】
実施の形態4では、透過型導光体42の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、時分割毎にセンサIC12で受光するようにしたが実施の形態5では、反射型導光体4からの光りを異なる傾斜角度から照射可能な反射型導光体について説明する。図16は、実施の形態5による画像読取装置の反射型光源を含む照明光学系の模式断面図である。図16において、3aは第1列目の反射型光源、3bは第2列目の反射型光源、43は反射型光源3a、3bから出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した反射型導光体であり、43aは反射型導光体43の光射出部、43bは反射型導光体43に切り欠き形成して設けられ、反射型光源3aの照射光軸中心に全反射面の中心がある反射部(第1反射面)である。この第1反射面43bから原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対して45度以下の狭角で光が照射される。
【0066】
43cは反射型導光体43の反射部43bと対向する反対面に切り欠き形成して設けられ、反射型光源3bの照射光軸中心に傾斜面の中心がある反射部(第2反射面)である。この第2反射面43cから原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対して45度以上の広角で光が照射される。そして、光射出部43aから出射した照射角度のそれぞれ異なる光は、原稿1の搬送経路における照射部5に照射するように構成している。43dは第1反射面近傍の平坦部、43eは第2反射面43c近傍の平坦部である。図中、図10と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0067】
以上から実施の形態5に係わる画像読取装置によれば、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、反射型導光体43の異なる角度から原稿1に照射可能になるので、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光をそのまま副走査方向に導光し、反射型導光体43の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、時分割毎にセンサIC12で受光することで、反射光としてのホログラム画像の変化を短時間で認識し、真偽判別できる効果がある。
【0068】
実施の形態6.
実施の形態3〜5では、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、対応する導光体の反射部にそれぞれ入射するようにしたが、実施の形態6では、異なる反射部に光が入射する量を軽減する構造について説明する。図17は、実施の形態6による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。図17において、44は透過型光源21から出射した光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した透過型導光体であり、44aは透過型導光体44の光射出部、44bは透過型光源21から導光された光りを反射させてから光射出部44aから照射させるミラー反射面又は全反射面で形成した楔状の凹部を有する反射部である。照射光は原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対してほぼ平行に光射出部44aから照射される。
【0069】
44cは透過型導光体44の反射部44bと対向する反対面に切り欠き形成して設けられた傾斜面(ミラー面)であり、原稿1の搬送方向と直交する結像光学系の光軸に対して45度以下の狭角で照射される。そして、光射出部44aから出射した照射角度のそれぞれ異なる光は、原稿1の搬送経路における照射部5に照射するように構成している。
【0070】
透過型導光体44の端部から副走査方向に照射された光は集光レンズ29で集光されるものの光射出部44a側では幾分放射特性の広がりがあるので、透過型導光体44の端部から光射出部44aに漸近するにつれて透過型導光体44の厚みを厚くし(△tで表示)、反射面44b及び傾斜面44cの面積を大きくすることにより、透過型光源21aから照射した光りが傾斜面44cに入射し、透過型光源21bから照射した光りが反射面44bに入射することを軽減する。
【0071】
実施の形態7.
実施の形態1〜6では、導光体の光射出部から照射された光はそのまま照射部5を照射したが、実施の形態7では、不要光の照射を防止し、照射角度範囲を狭くする構造について説明する。図18は、実施の形態7による画像読取装置の透過型光源体の平面図である。図18において、45は透過型導光体の照射光軸中心付近にスリットを設け照射角度範囲を狭くした透過型光源体、46は直下照明用のスリット部、47は斜光照明用のスリット部48は透過型光源体の筐体である、
図18に示すように互いに異なる照射角度に対して透過光源体45の照射領域にスリット部を設けることにより、直下照明用スリット部46と斜光照明用スリット部47とを筐体48に中空領域を設置することにより、異なる反射面や傾斜面から照射された光の照射角度中心領域だけの照射光をスポット的に照射することで高精細な画像であっても切れの良い画質を維持して読み取ることが可能となる。
【0072】
実施の形態8.
実施の形態1〜7では、導光体の照射部近傍付近の導光体近傍に成形加工などにより切り欠き部を設けた一体型構成の導光体構造としたが、図19に示すように透過型導光体を副走査方向に平行して分割した構造とし、隣接する接合部に反射部材を塗布又は蒸着して専用の全反射経路を形成することで隣接する全反射経路に不要光の漏洩を防止し、照射効率の高い露光比率の設定が可能となる。同様に隣接する接合部に光吸収部材を塗布又は蒸着して遮光し、隣接する全反射経路に不要光の漏洩を防止することでも露光比率の設定が容易となる。
【0073】
実施の形態9.
実施の形態1〜8では導光体の端部両側から光りを照射することとしたが、図20に示すように原稿1の皺や浮きによる不都合がない搬送手段を用いる場合や、高速読み取りを必要としない用途にあっては必ずしも導光体の両側から光りを照射する必要はなく片側からだけで照射しても相応の効果を奏する。
【0074】
実施の形態10.
実施の形態1〜9では、ミラー系やレンズ系で構成した結像手段(レンズ体)を用いてテレセントリックな結像光学系で説明したが、実施の形態10では、普及型の結像光学系を使用した場合について説明する。図21はこの発明の実施の形態10による画像読取装置の断面構成図である。図21において、50は照射部5からの光りを収束させるロッドレンズアレイなどのレンズ体、51は反射形光源3、52は反射型導光体である。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0075】
次に動作について説明する。図21において、主走査方向に延在する透過型光源21から照射された光は透過型導光体22内部を副走査方向に伝搬し、反射部22bで反射し原稿1の照射部5を照明する。原稿1を通過した透過光はロッドレンズアレイ50で収束し、ロッドレンズアレイ50で収束された光はセンサIC12で受光される。センサIC12で光電変換されたアナログ信号はセンサ基板13を介して信号処理基板15で信号処理される。その他の機能については実施の形態1に準ずる。
【0076】
本実施の形態10ではセンサIC12に入射した光に対応する受光面は一列に直線配置されているのでセンサ基板13及び信号処理基板15は各1個の基板で対応可能である。
【0077】
以上から実施の形態10に係る画像読取装置によれば、透過型光源21から照射した光を透過型導光体22内部で副走査方向に伝搬させて透過型導光体22の反射部22bから原稿1を照明する照明ユニットと、原稿1から入射する光情報をロッドレンズアレイ50で結像させるのでファイバレンズなどを用いた普及タイプの画像読取装置(CIS)にも適用可能である。
【0078】
実施の形態11.
実施の形態1〜10では、異なる角度から照射可能なCIS2を原稿1の搬送経路に1セット配置したが、CISを原稿1の搬送経路に複数個平行設置して、異なる光学波長の光源からの照射光をそれぞれ検出することにより、個々の被照射物の特徴にあった画像の識別、又は真偽判別をさらに高精度で行え、紙幣1の両面読み取りのためにCIS2を平行配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の実施の形態1による画像読取装置の断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による画像読取装置の断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による画像読取装置の透過型光源体の模式平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による画像読取装置の透過型光源体の模式側面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1による画像読取装置のフォトセンサのタイミング図である。
【図7】この発明の実施の形態1による画像読取装置の駆動タイミング図である。
【図8】この発明の実施の形態1による画像読取装置の照合回路のブロック構成図である。
【図9】この発明の実施の形態2による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図10】この発明の実施の形態3による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図11】この発明の実施の形態3による画像読取装置の基板に搭載した透過型光源の説明図である。
【図12】この発明の実施の形態3による画像読取装置の透過型光源部分の結線図である。
【図13】この発明の実施の形態3による画像読取装置の駆動タイミング図である。
【図14】この発明の実施の形態4による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図15】この発明の実施の形態4による画像読取装置の駆動タイミング図である。
【図16】この発明の実施の形態5による画像読取装置の反射型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図17】この発明の実施の形態6による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図18】この発明の実施の形態7による画像読取装置の透過型光源体の平面図である。
【図19】この発明の実施の形態8による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図20】この発明の実施の形態9による画像読取装置の透過型光源を含む照明光学系の模式断面図である。
【図21】この発明の実施の形態10による画像読取装置の断面構成図である。
【図22】この発明の実施の形態11による画像読取装置の設置方法を説明する断面構成図である。
【符号の説明】
【0080】
1・・被照射物(紙幣) 2・・密着イメージセンサ(CIS)
3・・反射型光源
3a・・第1列目の反射型光源 3b・・第2列目の反射型光源
4・・反射型導光体 4a・・ 光射出部
5・・照射部 6・・透過体 7・・第1ミラー 8・・第1レンズ
9・・アパーチャー 9a・・開口部 10・・第2レンズ
11・・第2ミラー 12・・センサ 13・・センサ基板
13a・・第1センサ基板 13b・・第2センサ基板
14・・信号処理IC(ASIC) 15・・信号処理基板
16・・内部コネクタ 17・・放熱ブロック 18・・筐体
19・・筐体 20・・透過型光源体 21・・透過型光源
21a・・第1列目光源(第1光源又は第3光源)
21b・・第2列目光源(第2光源又は第4光源)
22・・透過型導光体 22a・・光射出部 22b・・反射部
23・・外部コネクタ 24・・透過型光源体の筐体
25・・搬送手段
26・・フォトセンサ(検出手段) 26T・・発光部分 26R・・受光部分
27・・内部コネクタ 28・・基板 29・・集光レンズ
30・・点灯制御手段 31・・制御部(CPU) 32・・可変増幅器(増幅器)
33・・アナログデジタル変換器 34・・補正回路 35・・照合回路
40・・透過型導光体 40a・・光射出部 40b・・反射部
40c・・平坦部
41・・透過型導光体 41a・・光射出部 41b・・反射部(楔状反射部)
41c・・反射部(傾斜面)
42・・透過型導光体 42a・・光射出部 42b・・反射部(第1全反射面)
42c・・反射部(第2全反射面) 42d・・平坦部
43・・反射型導光体 43a・・光射出部 43b・・反射部(第1反射面)
43c・・反射部(第2反射面)
43d・・第1反射面近傍の平坦部 43e・・第2反射面近傍の平坦部である。
44・・透過型導光体 44a・・光射出部 44b・・反射部(楔状反射部)
44c・・反射部(傾斜面)
45・・透過型光源体 46・・直下照明用スリット部 47・・斜光照明用スリット部
48・・筐体
50・・レンズ体 51・・反射型光源 52・・反射型導光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、主走査方向に沿って設けた光源と、この光源の光りを副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する反射部を有する導光体とを備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記導光体の反射部は、全反射面である請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記導光体の反射部は、表面に反射部材が施されている請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の複数の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段とを備え、前記センサは、前記点灯制御手段で時分割された電気信号をそれぞれ検出する画像読取装置。
【請求項5】
前記導光体の反射部は、全反射面である請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記導光体の反射部は、表面に反射部材が施されている請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項7】
光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源と面対称で対向設置され、前記第1光源と同一スペクトル光を前記第1光源と逆方向に照射する第3光源と、前記第2光源と面対称で対向設置され、前記第2光源と同一スペクトル光を前記第2光源と逆方向に照射する第4光源と、前記第1光源乃至前記第4光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する複数の反射部を有する導光体と、この導光体のそれぞれの反射部に入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、前記導光体の複数の反射部は、前記第1光源及び前記第3光源から導光された光と、前記第2光源及び前記第4光源から導光された光とは異なる照射角度で被照射物の照射部に照射する画像読取装置。
【請求項8】
前記導光体反射部は、全反射面である請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、被照射物の一方の面側に配置され、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサと、被照射物の他方の面側に配置され、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから被照射物の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の複数の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段とを備え、前記センサは、前記点灯制御手段で時分割された電気信号をそれぞれ検出する画像読取装置。
【請求項10】
光の透過部分を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光量比率を選択して制御する点灯制御手段と、被照射物の前記透過部分を通過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された前記透過光を受光するセンサとを備え、被照射物の前記照射部に異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号を切替え検出する画像読取装置。
【請求項11】
透かし部分を有する紙幣を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから紙幣の照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記透かし部分で透過した透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号をそれぞれ検出し、紙幣の真偽判定を行う画像読取装置。
【請求項12】
透過性のホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の反射部を有する導光体と、この導光体の反射部のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記ホログラム領域で透過した透過光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域における異なる照射角度から照射した光の前記透過光の電気信号を検出する画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−301200(P2009−301200A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153094(P2008−153094)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】