説明

画像閲覧システム

【課題】 1つの画像を分割した部分画像に対して、電子ペーパーを用いて見たい部分画像を即座に見ることができる環境を実現する
【解決手段】 1つの地図画像を複数に分割した部分地図画像を閲覧するために、第1電子ペーパーEP1が、第2電子ペーパーEP2が隣接されたことをセンサ11で検出し、自己の表示部2が表示している部分地図画像に当該同じ隣接位置関係で隣接する部分地図画像データを第2電子ペーパーEP2に提供して、第2電子ペーパーEP2の表示部2に当該隣接する部分地図画像を表示保持させる。また、この部分地図画像データの提供をサーバ40から行うこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示部を有する複数の表示装置を用いて、例えば大判の地図画像のように1つの表示部では表示しきれない大きさの画像を分割して表示する技術に関し、特に、画像を表示部に無電源状態で表示保持する機能を有する電子ペーパーを表示装置として用いて好適な画像閲覧技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、文書処理装置で作成される文書データやネットワークから取得するコンテンツデータは、パーソナルコンピュータのディスプレイ画面に画像として表示させたり、或いは、プリンタにより紙媒体の用紙に画像として印刷することで、ユーザの閲覧に供されている。
すなわち、電子データからなるドキュメントを画像として視覚化されてユーザの閲覧に供されている。
【0003】
近年では、紙媒体である用紙にとって代わることが可能な画像閲覧のための媒体として、画像を表示部に無電源状態で表示保持することができ且つ用紙の如く柔軟な薄型で持ち運び自在である電子ペーパーが開発されている。
電子ペーパーは、無電源状態で画像を表示保持する表示部を有した表示装置であり、その表示部への画像の書き込み形式で大別すると、電子データに基づいて自己で画像を表示部に書き込む機能を有する自己書き込み型電子ペーパーと、投影された画像を表示部に保持する光書き込み型電子ペーパーとがある。
このような電子ペーパーは、用紙と異なって表示部に表示保持した画像を消去したり上書きすることが可能であり、表示保持する画像を更新したり、繰り返し使用することができるので紙資源の節約等の観点からも利用促進が望まれている。
【0004】
ここで、パーソナルコンピュータもディスプレイ画面に画像を表示する表示装置であるが、パーソナルコンピュータに関する技術として、ディスプレイ画面の表示領域を9個のマトリックス状に区切り、中央領域に表示した画像に関連する画像を周辺の領域に表示する技術が知られている(非特許文献1参照。)。
また、電子データに基づく画像の表示において、画面表示されている画像をページめくりする技術が知られている(特許文献1、特許文献2参照。)。
また、電子データに基づく地図画像の表示において、画面表示されている地図画像を拡大又は縮小する技術が知られている(特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平8―76926号公報
【特許文献2】特開平10―161619号公報
【特許文献3】特開2000―163031号公報
【非特許文献1】「マンダラート」、インターネット<URL:http://www.mandal-art.com/product.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、電子データ化されたコンテンツ等の画像閲覧は、用紙への印刷表示又はディスプレイ画面への表示といった方法によって行われているが、これらの方法では用紙やディスプレイ画面の大きさによって表示される画像の大きさが決められていた。すなわち、大きなサイズの画像であっても、用紙やディスプレイ画面の大きさに収まるように縮小されて表示されるため、画像が不鮮明となってしまうといった課題があった。例えば、鮮明さを保持するためにはA0版の大きさが必要な広域地図の画像であっても、A4版程度の大きさでしか表示されないため細部の詳細が分かるようにユーザに提示することができなかった。
【0006】
このような課題の解決手段として、大きなサイズの画像を部分画像に分割して、部分画像を用紙やディスプレイ画面に表示することで画像の詳細を鮮明に表示する方法が考えられる。
しかしながら、このような方法にあっては、或る部分画像につながる他の部分画像を閲覧しようとする場合には、ユーザがパーソナルコンピュータを操作して所望の他の部分画像データをメモリから探し、見付けた部分画像データに基づいて当該部分画像を用紙に印刷表示する、或いは、ユーザがパーソナルコンピュータを操作して所望の他の部分画像データをメモリから探し、見付けた部分画像データに基づいて当該部分画像をディスプレイ画面に表示するといったことを行わなければならない。このような方法はユーザに煩雑な操作を強いることとなるだけでなく、用紙に印刷表示する場合には、ユーザが所望の部分画像を閲覧できるまでに比較的長い待ち時間を要し、多数の用紙を印刷によって消費してしまうという課題があり、また、1台のディスプレイ画面に表示する場合には、部分画像を1つずつしか閲覧できないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、1つの画像を分割した部分画像に対して、見たい部分画像を即座に見ることができる環境を実現することを目的としている。
また、本発明は、大版の地図画像のようにそのままでは用紙やディスプレイが面に詳細に表示することができない画像について、所望の部分を即座に鮮明に見ることができる環境を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧するために、一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを提供し、他の表示装置が、一の表示装置から取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示する。
すなわち、一の表示装置が主導的に動作して、隣接する他の表示装置へ該当する部分画像データを提供して表示させる。
【0009】
また、本発明は、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧するために、一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像の識別情報を提供し、他の表示装置が、一の表示装置から取得した部分画像識別情報に基づいて当該一の表示装置の表示部が表示している部分画像に当該一の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像を自己の表示部に表示する。
すなわち、部分画像を表示している一の表示装置に隣接する他の表示装置が自律的に動作して、該当する部分画像を表示する。
【0010】
また、本発明は、サーバが提供する1つの画像を複数に分割した部分画像データにより、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いてサーバから取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧するために、一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報をサーバへ提供し、サーバが、取得した特定情報に対応する部分画像データを他の表示装置へ提供し、他の表示装置が、サーバから取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示する。
すなわち、サーバが主導的に動作して、一の表示装置から取得する特定情報に基づいて、他の表示装置に該当する部分画像データを提供して表示させる。
【0011】
また、本発明は、サーバが提供する1つの画像を複数に分割した部分画像データにより、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いてサーバから取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧するために、一の表示装置が、他の表示装置に隣接したことを検出し、当該他の表示装置が表示部に表示している部分画像の識別情報を取得して、当該他の表示装置が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報をサーバへ提供し、サーバから取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示する。
すなわち、或る部分画像を表示している他の表示装置に隣接する一の表示装置とサーバとが協働して、一の表示装置がサーバから提供された該当する部分画像データに基づいて部分画像を表示する。
【0012】
本発明は、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧システムとして構成され、一の表示装置は、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを提供する部分画像提供手段とを有し、 他の表示装置は、一の表示装置から部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段とを有する。
【0013】
また、本発明は、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧システムとして構成され、一の表示装置は、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像の識別情報を提供する部分画像識別情報提供手段とを有し、他の表示装置は、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、一の表示装置から部分画像識別情報を取得する部分画像識別情報取得手段と、取得した部分画像識別情報に基づいて一の表示装置の表示部が表示している部分画像に当該一の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像を自己の表示部に表示させる書き込み手段とを有する。
【0014】
また、本発明は、サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧システムとして構成され、サーバは、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、特定情報に対応する部分画像データを提供する部分画像提供手段とを有し、一の表示装置は、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報をサーバへ提供する部分画像特定情報提供手段とを有し、他の表示装置は、サーバから部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段とを有する。
【0015】
また、本発明は、サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧システムとして構成され、サーバは、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、特定情報に対応する部分画像データを提供する部分画像提供手段とを有し、一の表示装置は、他の表示装置に隣接したことを検出するセンサと、当該他の表示装置が表示部に表示している部分画像の識別情報を取得する部分画像識別情報提供手段と、当該他の表示装置が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報をサーバへ提供する部分画像特定情報提供手段と、サーバから部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段とを有する。
【0016】
本発明は、表示装置として可搬性を有するノート型パーソナルコンピュータを用いることもできるが、好ましくは、非接触式の通信手段及び書き込まれた画像を無電源状態で表示保持する表示部とを有する電子ペーパーを表示装置として用いる。
また、本発明は、部分画像に分割して表示する画像に特段の限定はないが、表示部の大きさより大きなサイズで表示することが好ましい比較的大きな画像の表示に適用して好適であり、例えば、1つの地図画像を複数に分割した部分地図画像の閲覧に適用して好適である。
【0017】
また、前記センサを矩形を成す表示装置の四隅及び各辺にそれぞれ設けられた指向性センサとするとともに、センサで検出される矩形を成す表示装置に四隅及び各辺にそれぞれ配置されて各配置位置を示す情報をセンサにより検出可能に保持する位置情報保持手段を設け、また、表示装置又はサーバに該当する部分画像データを特定するために位置情報間の対応テーブルを設けるのが好ましい。
これによって、表示装置間の隣接関係が正しく検出され、当該位置関係に基づいた部分画像の表示がなされる。
【0018】
また、表示装置には自己を識別するための自己識別情報が設定され、
前記表示装置同士又は表示装置とサーバとは、当該自己識別情報により主体を識別した非接触通信でデータ通信を行うのが好ましい。
これによって、混信が防止されるとともに、表示装置の可搬性は損なわれず、接触式の通信を行う場合のように場所に拘束されることなく、部分画像を閲覧することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、1つの画像を複数の部分画像に分割し、表示装置間の隣接関係に基づいて該当する部分画像を表示するようにしたため、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、印刷用紙の浪費を招くことなく、見たい部分画像を即座に見ることができる環境を実現することができる。
特に、本発明によると、今まで鮮明に表示することができなかった大判の画像を自由な作業環境で鮮明に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、ドキュメントを表示保持する媒体として本発明に用いられる電子ペーパーEPについて、図11〜図14に示す例を参照して具体的に説明する。
電子ペーパーEPは画像データに基づいて表示部2に表示保持する画像を自己で書き込む機能を有する自己書き込み型であり、電子ペーパーと称せられるように紙の様に薄型で柔軟性を有する表示装置である。
なお、下記に説明する電子ペーパーEPの諸機能は、後述する本発明を実施するシステム態様に応じて取捨選択して電子ペーパーEPに設ければよい。
【0021】
図11(a)には本例の電子ペーパーEPを正面視して示し、同図(b)には当該自電子ペーパーEPを側面視で示してある。図示の電子ペーパーEPは画像(本例では分割された部分地図画像)を表示保持する表示部2とデータの処理を司る処理部3とを有しており、同図(a)には処理部3に内蔵されている諸機能部も表してある。
電子ペーパーEPは、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型表示装置であり、大部分の面積を占める表示部2の一片に処理部3が設けられている。なお、表示部2の大きさは用途に応じた大きさのものとされ、また、表示部2と処理部3とを着脱可能として、例えばクリップ形式の処理部3を表示部2に装着して接続することにより電子ペーパーEPを構成するようにしてもよい。
【0022】
処理部3には、表示部2を画像データに基づいて駆動するドライバ4、外部とデータ通信するための通信部(図示の例では非接触通信を行う無線部)5、画像データ等の必要なデータを読み書き自在に保持するメモリ6、本発明に係る種々な制御処理を行うプロセッサ7、これら機能手段の駆動電力を供給するバッテリ8、部分画像の表示指示等のユーザ操作入力を受け付けるボタン等の操作部9が設けられている。
なお、通信部5は、システムの実施構成に応じて、例えば、端子を接触させることによりデータ通信を行う接触形式や、赤外線等による光通信の非接触形式であってもよい。
【0023】
更に、電子ペーパーEPは、メモリ6に保持した画像データに基づいてドライバ4が表示部2に画像を書き込んで表示し、また、操作部9からの操作入力や受信した画像データに応じたプロセッサ7による処理で、表示する画像を切り換え変更することができ、ドライバ4の駆動電力を除去しても表示部2に画像を表示状態で保持し続ける機能を有している。
【0024】
このような自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の断面構造を表す図13に示すように、複写機にトナーとして利用されている微細な着色粒子(図示の例では、白色粒子21と黒色粒子22)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極23間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板24で挟んだ構造となっている。着色粒子21、22が自由に移動できるように電極層23間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層23には着色粒子21、22との接触を防止する絶縁層25が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0025】
そして、自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の動作原理を表す図12に示すように、電極23に電圧を印加していない状態(但し、電極23は前回の駆動時の極性に帯電している)では、負(マイナス)に帯電した白色粒子21は裏面側に溜まる一方、正(プラス)に帯電した黒色粒子22は表面側に溜まり、表示部2を表面側から目視すると表示部2は黒色な状態となる。そして、電子データに基づいてドライバ4が動作して表示する画像情報に応じたマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子21と黒色粒子22との位置関係が入れ替わって、表示部2に白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストによる画像情報が表示される。なお、異なる電子データに基づいてドライバ4を動作させることにより、白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストにより表示部2に表示される画像情報を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
したがって、電子ペーパーEPは、紙のように薄く柔軟である性質に加えて、表示部2に表示した画像情報を無電源保持する性質があるので、あたかも紙の如く用いることができる表示記録媒体である。
【0026】
なお、電子ペーパーEPは、図14に示すように、無線部5、メモリ6、プロセッサ7等といった処理部3の機能部分を電子ペーパーの表示部2とは別の着脱可能な無線ICタグ27として構成し、当該無線ICタグ27を電子ペーパーEPに取り付けることにより上記と同様な構成とするようにしてもよい。なお、無線ICタグとした場合等において、バッテリは非接触式の通信相手となるタグリーダーからの起電力を保持するコンデンサとするようにしてもよい。
また、電子ペーパーの表示部2としては、強誘電液晶に代表されるメモリー性のある液晶や、帯電された粒子を移動させて表示を切り替える電気泳動方式、帯電された粒子を回転させて表示を切り替える粒子回転方式、磁気により粒子を移動させて表示を切り替える磁気泳動方式、小型バッテリー駆動の薄型の液晶やEL素子を用いてもよい。
【0027】
次に、表示装置として電子ペーパーEPを用いた本発明の実施例に係る画像閲覧システムを説明する。
ここで、以下の説明する実施例(図1、図7〜図9参照)で用いる電子ペーパーEPは、図11〜14を参照して説明した構成を基本として、本発明に係る処理を実行するために、更に、他の電子ペーパーが隣接されたことを検出するセンサ11と、隣接位置の関係を示すための位置情報(実施例では、位置ID)をセンサ11により検出可能に保持する位置ID保持部12とが備えられている。なお、センサ11及び位置ID保持部12の詳細は後述する。
また、本発明に係る処理を実行するためのプログラミングがなされたプロセッサ7が制御部7を構成し、ドライバ4が表示部2に画像データに基づいて画像を表示保持させる書き込み部4を構成している。
【0028】
図1に示す画像閲覧システムは、一方の電子ペーパー(第1の電子ペーパー)EP1が主導的に動作して、隣接する位置に置かれた他の電子ペーパー(第2の電子ペーパー)EP2へ該当する部分画像データを提供して表示させる例である。
なお、以下に説明する実施例では、図3に示すように、地図画像を9個の部分地図画像に分割し、これら部分地図画像データを隣接する他の電子ペーパーへ非接触通信で提供して表示させる。元の地図画像はかなり大きな表示部でないと詳細な表示ができないサイズであるが、各分割画像は電子ペーパーEPの表示部2で鮮明に表示することができるサイズとなっている。
【0029】
本例では、第1の電子ペーパーEP1のメモリ6には、分割された全ての部分地図画像データ(全データ)、図4に示す位置関係に応じた対応テーブル(関係データ)、当該第1電子ペーパーEP1に自己を識別するために予め設定されている識別情報(自己ID)が記憶されていおり、また、第2の電子ペーパーEP2のメモリ6には、当該第2電子ペーパーEP2に自己を識別するために予め設定されている識別情報(自己ID)が記憶されている。
ここで、自己IDは電子ペーパーの製造時等においてメモリ6に予め固定的に記憶されるが、部分地図画像データや対応テーブルはサーバ40から必要に応じて取得してメモリ6に記憶される。なお、サーバ40は、部分地図画像データや対応テーブル等のデータを保持するデータベース41、電子ペーパーの通信部5と非接触でデータ通信を行う通信部42、データ通信制御等の処理を行う制御部43を有している。
【0030】
センサ11と位置ID保持部12は、図2に示すように各電子ペーパーに備えられている。
なお、図2では、基準となる第1電子ペーパーEP1に隣接して、他の電子ペーパーEP2、EP3が2つの配置された状態を示しており、また、各電子ペーパーは処理部3をなすクリップ式の無線ICタグ27を有したタイプとして示している。
本例の位置ID保持部12はセンサ11に一体に構成されており、この位置ID保持部12と一体のセンサ11が1つの電子ペーパーについて合計8個設けられている。すなわち、一体型のセンサ11、12が、電子ペーパーの四隅及び各辺の中央にそれぞれ外方に向けて設けられている。
【0031】
本例のセンサ11は指向性を有する光センサであり、位置ID保持部12は保持した位置IDを光センサで読み取り可能なバーコードである。
複数の電子ペーパーを正しく桝目状に隣接配置した場合、電子ペーパーの隅に設けられたセンサ11は斜めに配置されているので、他の電子ペーパーの隅に設けられた位置ID保持部12からしか位置IDを読み取ることができず、また、各辺に設けられたセンサ11は辺に対して直角に配置されているので、他の電子ペーパーの辺に設けられた位置ID保持部12からしか位置IDを読み取ることができない。
なお、位置ID保持部12をICタグとし、センサ11を当該ICタグから位置IDを読み取るリーダとする等、公知の種々な構成を採用することができる。
【0032】
図2に示す例を更に詳しく説明すると、第1電子ペーパーEP1には位置ID保持部12を有するセンサ11が左上隅から時計回りに8個(便宜的に、それぞれに1A〜8Aの符号を付してある)設けられており、第2電子ペーパーEP2には位置ID保持部12を有するセンサ11が左上隅から時計回りに8個(便宜的に、それぞれに1B〜8Bの符号を付してある)設けられており、第3電子ペーパーEP3には位置ID保持部12を有するセンサ11が左上隅から時計回りに8個(便宜的に、それぞれに1C〜8Cの符号を付してある)設けられている。
【0033】
例えば、図3に示すように分割された地図画像について、基準となる第1電子ペーパーEP1の表示部2に部分地図X22を表示させた状態で、図2に示すように、第1電子ペーパーEPの左側に第2電子ペーパーEP2を隣接させて配置すると、後述のような処理により当該第2電子ペーパーEP2の表示部2には地図上で当該隣接位置と同じ位置関係で部分地図X22に隣接する部分地図X21が表示保持され、また、第1電子ペーパーEPの右下に第3電子ペーパーEP3を隣接させて配置すると、後述のような処理により当該第3電子ペーパーEP3の表示部2には地図上で当該隣接位置と同じ位置関係で部分地図X22に隣接する部分地図X33が表示保持される。
【0034】
このように複数の電子ペーパーを隣接させた状態では、互いに対応する配置関係にあるセンサ11と位置ID保持部12とが正対し、センサ11により位置ID保持部12が保持する位置IDが読み取られる。図2に示す例では、第1電子ペーパーEP1と第2電子ペーパーEP2とでは8Aと4Bとが正対し、第1電子ペーパーEP1と第3電子ペーパーEP3とでは5Aと1Cとが正対して、位置IDがセンサ11によって読み取られて制御部7に入力される。
すなわち、上記の配置関係とセンサの指向性により、例えば、図5(a)や(b)に示すように複数の電子ペーパーが桝目状に正しく隣接する場合には位置IDの読み取りがなされ、図5(c)や(d)に示すように複数の電子ペーパーが乱雑に隣接する場合には位置IDの読み取りがなされない。
【0035】
図4には上記関係データとしての対応テーブルを示してあり、センサ11で読み取られた位置IDに基づいて当該対応テーブルを参照して隣接する他の電子ペーパーに提供する部分地図が特定される。
図4には、上記符号を便宜的に利用して第1電子ペーパーEPの各位置ID保持部12には位置IDとして1A〜8Aが保持され、他の電子ペーパーも同様に1*〜8*(*は各電子ペーパーによる)の位置IDが保持されている例を示している。また、図4には、基準となる第1電子ペーパーと隣接する他の電子ペーパーとの位置関係に応じて、地図の分割対応に応じて、他の電子ペーパーに提供する部分地図データがデータID(X11〜X33)として設定してあり、各データIDによりそれぞれの部分地図データが読み出しできるようになっている。
【0036】
なお、このような2つの位置IDの対応による部分画像が予め設定されていることにより、位置IDの対応関係がテーブルに設定されていない場合には部分画像の提供はなされない。このことは、2つの電子ペーパーが桝目状に正しく隣接されない状態で位置IDの読み取りがなされても部分画像が他の電子ペーパーに提供されて表示されないことを意味しており、隣接する部分地図画像の正しい表示が確保される。
【0037】
図1に示す実施例では、部分画像X22を表示部2に表示保持している基準となる第1電子ペーパーEPに、他の電子ペーパーEP2が隣接配置されると、次のような処理がなされて、当該第2電子ペーパーEP2の表示部2に該当する隣接部分地図画像が表示保持される。
第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2が隣接配置されると、第1電子ペーパーEP1のセンサ11が第2電子ペーパーEP2の位置ID保持部12から位置IDを読み取る。各センサ11には一体の位置ID保持部12と同じ位置IDが予め設定されて制御部7により管理されており、第1電子ペーパーEP1の制御部7が、読み取りを行った自己のセンサ11の位置IDと読み取った相手の位置IDとに基づいて、図4に示す対応テーブルから該当する隣接部分地図画像を特定する。
【0038】
なお、読み取りを行った自己のセンサ11の位置IDと読み取った相手の位置IDとに基づいて電子ペーパー同士の隣接関係が特定されるため、第1電子ペーパーの制御部7が、更に、自己の表示部2が現在表示している部分地図画像のIDと図3に示すような部分地図画像間の隣接関係とに基づいて、隣接された他の電子ペーパーに提供する部分地図画像を特定するようにしてもよい。
【0039】
そして、第1電子ペーパーEP1の制御部7が、特定した部分地図画像データをメモリ6から読み出して通信部5により第2電子ペーパーEP2へ送信する。なお、このデータ通信は電子ペーパーに設定されている自己IDを伴って行われ、第2電子ペーパーEP2は送信された部分地図画像データを混信することなく通信部5で受信する。
第2電子ペーパーEP2では、受信した部分地図画像データに基づいて書き込み部4が表示部2を駆動し、表示部2に部分地図画像を書き込んで表示保持させる。
したがって、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2を隣接させる作法を行うと、第1電子ペーパーEP1の表示部2に表示保持されている部分地図画像にこれら電子ペーパーの隣接位置関係と同じ関係で隣接する部分地図画像が第2電子ペーパーEP2の表示部2に表示保持される。
【0040】
例えば図6に示すように、A0版の大きな地図画像Mを複数の部分地図画像Mに分割しておき、基準となる一の電子ペーパーEPに或る部分地図画像mを表示させた状態で、他の電子ペーパー(例えば、表示部に何も表示されていない白紙状態)が隣接されると、当該他の電子ペーパーの表示部に隣接する他の部分地図画像が表示保持される。
【0041】
図7に示すシステムは、部分地図画像を表示部2に表示している第1電子ペーパーEP1に隣接する第2電子ペーパーEP2が自律的に動作して、該当する部分地図画像を表示部2に表示する例である。なお、上記の実施例と同様に部分には同一符号を付し、重複する説明は割愛する。
本例では、第2電子ペーパーEP2のメモリ6に全ての部分地図画像データがデータIDで識別されて保持されており、第2電子ペーパーEP2自身が表示対象となる全ての部分地図画像データをサーバからの提供を受ける等して予め保持している。
【0042】
本例では、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2が隣接配置されると、第1電子ペーパーEP1のセンサ11が第2電子ペーパーEP2の位置ID保持部12から位置IDを読み取り、第1電子ペーパーEP1の制御部7が、読み取りを行った自己のセンサ11の位置IDと読み取った相手の位置ID、更には自己が表示している部分地図画像とに基づいて、図4に示す対応テーブルから該当する隣接部分地図画像を特定する。
【0043】
そして、第1電子ペーパーEP1の制御部7が、特定した部分地図画像データのデータIDを通信部5により第2電子ペーパーEP2へ送信する。第2電子ペーパーEP2では、受信した部分地図画像データIDに基づいて、制御部7がメモリ6から該当する部分地図画像データを読み出し、書き込み部4が表示部2を駆動して表示部2に部分地図画像を表示保持させる。
したがって、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2を隣接させる作法を行うと、第1電子ペーパーEP1の表示部2に表示保持されている部分地図画像にこれら電子ペーパーの隣接位置関係と同じ関係で隣接する部分地図画像が第2電子ペーパーEP2の表示部2に表示保持される。
【0044】
ここで、図7に示す例において、第2電子ペーパーEP2に対応テーブル(図3)を保持させておくとともに、第2電子ペーパーEP2側で隣接する第1電子ペーパーの位置IDやその表示している部分地図画像IDの読み取りを行い、隣接関係に基づく自己の表示部2での部分地図画像の表示保持を自律して行うようにしてもよい。すなわち、第1電子ペーパーEP1とどのような位置関係で隣接しているか、第1電子ペーパーEP1が表示している部分地図画像がどれであるかに基づいて、第2電子ペーパーEP2が該当する隣接部分地図画像データを特定して、当該部分地図画像を表示部2に書き込む。
【0045】
このような自律的な電子ペーパー(第2電子ペーパーEP2)を少なくとも2枚用意しておくと、これら電子ペーパーを交互に移動させて隣接関係を変更していくことにより、隣接する部分地図画像を順々に変更して表示させることができる。
例えば、16分割や25分割などといったように分割数の多い大きな画像を電子ペーパーで閲覧する場合、大判の画像を電子ペーパーという窓を通して順々に見て行くと言ったような作法が実現でき、少数の電子ペーパーにより大きな画像の所望部分を閲覧することができる。
【0046】
図8に示すシステムは、サーバ40が主導的に動作して、第1電子ペーパーEP1から取得する特定情報に基づいて、第2電子ペーパーEP2に該当する部分地図画像データを提供して表示させる例である。なお、上記の実施例と同様に部分には同一符号を付し、重複する説明は割愛する。
本例では、サーバ40のデータベース41に、関係データテーブル(図4)と、全ての部分地図画像データがデータIDで識別されて保持されており、第1電子ペーパーEP1は主に隣接位置等を検出してサーバ40に特定情報(検出データ等)を提供する装置として機能し、第2電子ペーパーEP2は主にサーバ40から提供された部分地図画像を表示部2に表示保持する装置として機能する。
【0047】
本例では、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2が隣接配置されると、第1電子ペーパーEP1のセンサ11が第2電子ペーパーEP2の位置ID保持部12から位置IDを読み取り、第1電子ペーパーEP1の制御部7が、読み取りを行った自己のセンサ11の位置IDと読み取った相手の位置ID、更には自己が表示している部分地図画像のIDを特定情報として通信部5からサーバ40に送信する。
サーバ40では、通信部42で受信した特定情報に基づいて、制御部43が、第1電子ペーパーEP1が表示保持している部分地図画像に電子ペーパー間の隣接関係を同じくして隣接する部分地図画像を特定し、特定した部分地図画像データを通信部42により第2電子ペーパーEP2へ送信する。
【0048】
第2電子ペーパーEP2では、通信部5で受信した部分地図画像データに基づいて、書き込み部4が表示部2を駆動して表示部2に部分地図画像を表示保持させる。
したがって、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2を隣接させる作法を行うと、第1電子ペーパーEP1の表示部2に表示保持されている部分地図画像にこれら電子ペーパーの隣接位置関係と同じ関係で隣接する部分地図画像が第2電子ペーパーEP2の表示部2に表示保持される。
【0049】
図9に示すシステムは、或る部分画像を表示している第1電子ペーパーEP1に隣接する第2電子ペーパーEP2とサーバ40とが協働して、第2電子ペーパーEP2がサーバ40から提供された該当する部分地図画像データに基づいて部分画像を自らの表示部2に表示する例である。なお、上記の実施例と同様に部分には同一符号を付し、重複する説明は割愛する。
本例では、サーバ40のデータベース41に、関係データテーブル(図4)と、全ての部分地図画像データがデータIDで識別されて保持されており、第1電子ペーパーEP1は主に自己が表示している部分地図画像を特定するIDを提供する装置として機能し、第2電子ペーパーEP2は主に隣接位置関係や第1電子ペーパーに表示されている隣接画像の情報に基づいてサーバ40と通信して該当する部分地図画像データを取得して表示部2に表示保持する装置として機能する。
【0050】
本例では、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2が隣接配置されると、第2電子ペーパーEP2のセンサ11が第1電子ペーパーEP1の位置ID保持部12から位置IDを読み取り、また、第2電子ペーパーEP2が第1電子ペーパーEP1にアクセスして、第1電子ペーパーEP1が表示部2に表示している部分地図画像のIDを通信部5による通信で取得する。そして、第2電子ペーパーEP2の制御部7が、読み取りを行った自己のセンサ11の位置IDと読み取った相手の位置ID、更には第1電子ペーパーEP1が表示している部分地図画像のIDを特定情報として通信部5からサーバ40に送信する。
サーバ40では、通信部42で受信した特定情報に基づいて、制御部43が、第1電子ペーパーEP1が表示保持している部分地図画像に電子ペーパー間の隣接関係を同じくして隣接する部分地図画像を特定し、特定した部分地図画像データを通信部42により第2電子ペーパーEP2へ送信する。
【0051】
第2電子ペーパーEP2では、通信部5で受信した部分地図画像データに基づいて、書き込み部4が表示部2を駆動して表示部2に部分地図画像を表示保持させる。
したがって、第1電子ペーパーEP1に第2電子ペーパーEP2を隣接させる作法を行うと、第1電子ペーパーEP1の表示部2に表示保持されている部分地図画像にこれら電子ペーパーの隣接位置関係と同じ関係で隣接する部分地図画像が第2電子ペーパーEP2の表示部2に表示保持される。
【0052】
図10に示す例は、電子ペーパーEPの表示部2に、部分地図画像2aと、隣接させるべき他の部分地図画像を指定する指定画像2bとを表示させたものである。
指定画像2bは部分地図画像2aの縁部に上下左右に4個表示され、当該指定画像2bは隣接すべき相手の指定画像2bと同じ記号(aa、bb…)が表示されている。したがって、それぞれ部分地図画像2aを表示部に表示保持している複数の電子ペーパーEPを、指定画像2の記号を合わせて並べることで、これら部分画像に分割された地図画像の全体を閲覧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例に係る画像閲覧システムの構成図である。
【図2】電子ペーパーのセンタ及び位置IDの配置を説明する図である。
【図3】画像の分割を説明する図である。
【図4】対応付けテーブルの一例を示す図である。
【図5】電子ペーパー間の隣接関係検出を説明する図である。
【図6】本発明に係る閲覧作法を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る画像閲覧システムの構成図である。
【図8】本発明の他の実施例に係る画像閲覧システムの構成図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る画像閲覧システムの構成図である。
【図10】本発明の他の実施例に係る画像閲覧システムの構成図である。
【図11】電子ペーパーの一例を示す図である。
【図12】電子ペーパーの動作原理を説明する図である。
【図13】電子ペーパーの構造を説明する図である。
【図14】電子ペーパーの他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
2:表示部、 4:ドライバ(書き込み部)、
5:通信部、 6:メモリ、
7:プロセッサ(制御部)、 11:センサ:、
12:位置ID保持部、 40:サーバ、
41:データベース、 42:通信部、
43:制御部、 1A〜8A:位置ID、
X11〜X33:部分地図画像、 EP:電子ペーパー、
EP1:第1電子ペーパー、 EP2:第2電子ペーパー、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧システムであって、
一の表示装置は、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを提供する部分画像提供手段と、を有し、
前記他の表示装置は、前記一の表示装置から部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段と、を有することを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項2】
画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧システムであって、
一の表示装置は、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像の識別情報を提供する部分画像識別情報提供手段と、を有し、
前記他の表示装置は、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、前記一の表示装置から部分画像識別情報を取得する部分画像識別情報取得手段と、取得した部分画像識別情報に基づいて前記一の表示装置の表示部が表示している部分画像に当該一の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像を自己の表示部に表示させる書き込み手段と、を有することを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像閲覧システムにおいて、
前記センサは、矩形を成す表示装置の四隅及び各辺にそれぞれ設けられた指向性センサであり、
前記センサで検出される矩形を成す表示装置は、四隅及び各辺にそれぞれ配置されて各配置位置を示す情報を前記センサにより検出可能に保持する位置情報保持手段を有し、
また、表示装置は、前記表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを特定するために前記位置情報間の対応テーブルを有していることを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像閲覧システムにおいて、
前記表示装置は、自己を識別するための自己識別情報が設定され、
前記表示装置同士は、当該自己識別情報により主体を識別した非接触通信でデータ通信を行うことを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項5】
サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧システムであって、
サーバは、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、特定情報に対応する部分画像データを提供する部分画像提供手段と、を有し、
一の表示装置は、他の表示装置が隣接されたことを検出するセンサと、隣接する他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための前記特定情報を前記サーバへ提供する部分画像特定情報提供手段と、を有し、
前記他の表示装置は、前記サーバから部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段と、を有することを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項6】
サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧システムであって、
サーバは、複数の部分画像に分割された画像データを保持する記憶手段と、特定情報に対応する部分画像データを提供する部分画像提供手段と、を有し、
一の表示装置(第2)は、他の表示装置に隣接したことを検出するセンサと、当該他の表示装置が表示部に表示している部分画像の識別情報を取得する部分画像識別情報提供手段と、当該他の表示装置が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報を前記サーバへ提供する部分画像特定情報提供手段と、前記サーバから部分画像データを取得する部分画像取得手段と、取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示させる書き込み手段と、を有することを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の画像閲覧システムにおいて、
前記センサは、矩形を成す表示装置の四隅及び各辺にそれぞれ設けられた指向性センサであり、
前記センサで検出される矩形を成す表示装置は、四隅及び各辺にそれぞれ配置されて各配置位置を示す情報を前記センサにより検出可能に保持する位置情報保持手段を有し、
前記サーバは、前記表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを特定するために前記位置情報間の対応テーブルを有していることを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像閲覧システムにおいて、
前記表示装置は、自己を識別するための自己識別情報が設定され、
前記表示装置と前記サーバとは、当該自己識別情報により主体を識別した非接触通信でデータ通信を行うことを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像閲覧システムにおいて、
1つの地図画像を複数に分割した部分地図画像を閲覧することを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像閲覧システムにおいて、
前記表示装置は、非接触式の通信手段と、書き込まれた画像を無電源状態で表示保持する表示部とを有する電子ペーパーであることを特徴とする画像閲覧システム。
【請求項11】
画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧方法であって、
一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを提供し、
前記他の表示装置が、前記一の表示装置から取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示することを特徴とする画像閲覧方法。
【請求項12】
画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて、1つの画像を複数に分割した部分画像を閲覧する画像閲覧システムであって、
一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像の識別情報を提供し、
前記他の表示装置が、前記一の表示装置から取得した部分画像識別情報に基づいて前記一の表示装置の表示部が表示している部分画像に当該一の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像を自己の表示部に表示することを特徴とする画像閲覧方法。
【請求項13】
サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧方法であって、
一の表示装置が、他の表示装置が隣接されたことを検出し、当該他の表示装置へ自己の表示部が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報を前記サーバへ提供し、
前記サーバが、取得した前記特定情報に対応する部分画像データを前記他の表示装置へ提供し、
前記他の表示装置が、前記サーバから取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示することを特徴とする画像閲覧方法。
【請求項14】
サーバが1つの画像を複数に分割した部分画像データを提供して、画像を表示する表示部をそれぞれ有する複数の表示装置を用いて取得した部分画像データに基づく部分画像を閲覧する画像閲覧方法であって、
一の表示装置が、他の表示装置に隣接したことを検出し、当該他の表示装置が表示部に表示している部分画像の識別情報を取得して、当該他の表示装置が表示している部分画像に当該他の表示装置と同じ位置関係で隣接する部分画像データを取得するための特定情報を前記サーバへ提供し、前記サーバから取得した部分画像データに基づいて自己の表示部に部分画像を表示することを特徴とする画像閲覧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−30563(P2006−30563A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208862(P2004−208862)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】