説明

画素及びこれを用いた有機電界発光表示装置

【課題】駆動トランジスタのしきい値電圧にかかわらず均一な輝度の映像を表示できるようにした画素を提供する。
【解決手段】カソード電極が第2電源に接続される有機発光ダイオードと、前記第2電源に流れる電流量を制御する第1トランジスタと、i(iは自然数)番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第2トランジスタと、i+1番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第3トランジスタと、前記i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第4トランジスタと、制御線に制御信号が供給されたときにターンオンされる第5トランジスタと、前記第2トランジスタ及び第3トランジスタの共通ノードと前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第1キャパシタと、前記共通ノードと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関し、特に、駆動トランジスタのしきい値電圧にかかわらず均一な輝度の映像を表示できるようにした画素及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重量及び体積を減らすことが可能な各種平板表示装置が開発されている。平板表示装置には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)、電界放出表示装置(Field Emission Display Device)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel)、及び有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)などがある。
【0003】
平板表示装置のうち、有機電界発光表示装置は、電子と正孔との再結合により光を発生する有機発光ダイオードを用いて映像を表示する。このような有機電界発光表示装置は、速い応答速度を有し、かつ、低消費電力で駆動されるという長所がある。
【0004】
図1は、従来の有機電界発光表示装置の画素を示す回路図である。図1において、画素に備えられるトランジスタは、NMOSに設定される。
【0005】
図1に示すように、従来の有機電界発光表示装置の画素4は、有機発光ダイオードOLEDと、データ線Dm及び走査線Snに接続され、有機発光ダイオードOLEDを制御するための画素回路2とを備える。
【0006】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は、画素回路2に接続され、カソード電極は、第2電源ELVSSに接続される。この有機発光ダイオードOLEDは、画素回路2から供給される電流に対応して、所定輝度の光を生成する。
【0007】
画素回路2は、走査線Snに走査信号が供給されたとき、データ線Dmに供給されるデータ信号に対応して、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流量を制御する。このため、画素回路2は、第1電源ELVDDと有機発光ダイオードOLEDとの間に接続された第2トランジスタM2(すなわち、駆動トランジスタ)と、第2トランジスタM2、データ線Dm及び走査線Snの間に接続された第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2のゲート電極と第2電極との間に接続されたストレージキャパシタCstとを備える。
【0008】
第1トランジスタM1のゲート電極は、走査線Snに接続され、第1電極は、データ線Dmに接続される。また、第1トランジスタM1の第2電極は、ストレージキャパシタCstの一方の端子に接続される。ここで、第1電極は、ソース電極及びドレイン電極のいずれかに設定され、第2電極は、第1電極とは異なる電極に設定される。例えば、第1電極がドレイン電極に設定されると、第2電極は、ソース電極に設定される。走査線Sn及びデータ線Dmに接続された第1トランジスタM1は、走査線Snから走査信号が供給されたときにターンオンされ、データ線Dmから供給されるデータ信号をストレージキャパシタCstに供給する。このとき、ストレージキャパシタCstは、データ信号に対応する電圧を充電する。
【0009】
第2トランジスタM2のゲート電極は、ストレージキャパシタCstの一方の端子に接続され、第1電極は、第1電源ELVDDに接続される。また、第2トランジスタM2の第2電極は、ストレージキャパシタCstの他方の端子及び有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続される。この第2トランジスタM2は、ストレージキャパシタCstに格納された電圧値に対応して、第1電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2電源ELVSSに流れる電流量を制御する。
【0010】
ストレージキャパシタCstの一方の端子は、第2トランジスタM2のゲート電極に接続され、他方の端子は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続される。このストレージキャパシタCstは、データ信号に対応する電圧を充電する。
【0011】
このような従来の画素4は、ストレージキャパシタCstに充電された電圧に対応する電流を有機発光ダイオードOLEDに供給することにより、所定輝度の画像を表示する。しかしながら、このような従来の有機電界発光表示装置は、第2トランジスタM2のしきい値電圧のばらつきによって均一な輝度の映像を表示することができないという問題があった。
【0012】
実際に、画素4の各々に第2トランジスタM2のしきい値電圧が異なるように設定された場合、画素4の各々は、同一のデータ信号に対応して、互いに異なる輝度の光を生成するため、均一な輝度の映像を表示することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開特許第2007−0116389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明の目的は、駆動トランジスタのしきい値電圧にかかわらず均一な輝度の映像を表示できるようにした画素及びこれを用いた有機電界発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施例による画素は、カソード電極が第2電源に接続される有機発光ダイオードと、第1電源から前記有機発光ダイオードを経由して前記第2電源に流れる電流量を制御する第1トランジスタと、データ線に接続され、i(iは自然数)番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第2トランジスタと、前記第2トランジスタと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続され、i+1番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第3トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート電極と基準電源との間に接続され、前記i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第4トランジスタと、前記有機発光ダイオードのアノード電極と初期電源との間に接続され、制御線に制御信号が供給されたときにターンオンされる第5トランジスタと、前記第2トランジスタ及び第3トランジスタの共通ノードと前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第1キャパシタと、前記共通ノードと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと、を備える。
【0016】
好ましくは、前記第5トランジスタは、前記第2トランジスタがターンオンされる期間のうちの一部の期間においてターンオンされる。前記第5トランジスタは、前記第2トランジスタと同時にターンオンされる。前記基準電源は、前記初期電源より高い電圧に設定される。
【0017】
本発明の実施例による有機電界発光表示装置は、走査線に走査信号を順次供給し、制御線に制御信号を順次供給するための走査駆動部と、データ線に前記走査信号と同期するようにデータ信号を供給するためのデータ駆動部と、前記走査線、制御線及びデータ線の交差部に位置する画素とを備え、i(iは自然数)番目の水平ラインに位置する前記画素は、カソード電極が第2電源に接続される有機発光ダイオードと、第1電源から前記有機発光ダイオードを経由して前記第2電源に流れる電流量を制御する第1トランジスタと、データ線に接続され、i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第2トランジスタと、前記第2トランジスタと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続され、i+1番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第3トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート電極と基準電源との間に接続され、前記i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第4トランジスタと、前記有機発光ダイオードのアノード電極と初期電源との間に接続され、i番目の制御線に前記制御信号が供給されたときにターンオンされる第5トランジスタと、前記第2トランジスタ及び第3トランジスタの共通ノードと前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第1キャパシタと、前記共通ノードと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備える。
【0018】
好ましくは、前記データ信号の電圧は、前記基準電源と同一または高い電圧に設定される。前記初期電源は、前記基準電源から前記第1トランジスタのしきい値電圧を減じた電圧より低い電圧に設定される。前記初期電源は、前記有機発光ダイオードがオフ可能な電圧に設定される。前記走査駆動部は、前記走査信号が供給される期間のうちの一部の期間において前記制御信号を供給する。前記走査駆動部は、前記i番目の走査線に供給される走査信号と同時に、前記i番目の制御線に前記制御信号を供給する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画素及びこれを用いた有機電界発光表示装置によれば、駆動トランジスタのしきい値電圧のばらつきにかかわらず均一な輝度の映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の画素を示す回路図である。
【図2】本発明の実施例による有機電界発光表示装置を示す図である。
【図3】図2における画素の実施例を示す図である。
【図4】図3における画素の駆動方法を示すタイミング図である。
【図5】図3における画素の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる好ましい実施例を、添付した図2ないし図5を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の実施例による有機電界発光表示装置を示す図面である。
【0022】
図2に示すように、本発明の実施例による有機電界発光表示装置は、走査線S1ないしSn+1、制御線CL1ないしCLn、及びデータ線D1ないしDmに接続されるように位置する画素140と、走査線S1ないしSn+1及び制御線CL1ないしCLnを駆動するための走査駆動部110と、データ線D1ないしDmを駆動するためのデータ駆動部120と、走査駆動部110及びデータ駆動部120を制御するためのタイミング制御部150とを備える。
【0023】
走査駆動部110は、タイミング制御部150から走査駆動制御信号SCSを受信する。走査駆動制御信号SCSを受信した走査駆動部110は、走査信号を生成し、生成された走査信号を走査線S1ないしSn+1に順次供給する。また、走査駆動部110は、制御信号を生成し、生成された制御信号を制御線CL1ないしCLnに順次供給する。ここで、制御信号は、走査信号が供給される期間のうちの第1期間において走査信号と重畳するように供給される。例えば、i(iは自然数)番目の走査線Siに走査信号が供給される期間のうちの第1期間においてi番目の制御線CLiに制御信号が供給される。制御信号は、走査信号と同じ極性(例えば、ハイ電圧)の電圧に設定される。
【0024】
データ駆動部120は、タイミング制御部150からデータ駆動制御信号DCSを受信する。データ駆動制御信号DCSを受信したデータ駆動部120は、走査信号と同期するようにデータ線D1ないしDmにデータ信号を供給する。
【0025】
タイミング制御部150は、外部から供給される同期信号に対応して、データ駆動制御信号DCS及び走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部150で生成されたデータ駆動制御信号DCSは、データ駆動部120に供給され、走査駆動制御信号SCSは、走査駆動部110に供給される。また、タイミング制御部150は、外部から供給されるデータDataをデータ駆動部120に供給する。
【0026】
画素部130は、外部から第1電源ELVDD、第2電源ELVSS、基準電源Vref、及び初期電源Vintを受けて各々の画素140に供給する。第1電源ELVDD、第2電源ELVSS、基準電源Vref、及び初期電源Vintを受けた画素140の各々は、データ信号に対応する光を生成する。
【0027】
ここで、第1電源ELVDD、データ信号の電圧Vdata、基準電源Vref、及び初期電源Vintの電圧は、下記式1のように設定される。
【0028】
【数1】

【0029】
上記式1を参照すると、基準電源Vrefは、データ信号の電圧Vdataと同一または低い電圧に設定される。また、初期電源Vintは、基準電源Vrefより低い電圧に設定される。実際に、初期電源Vintは、基準電源Vrefから駆動トランジスタのしきい値電圧を減じた電圧より低い電圧に設定される。一方、上記式1には含まれていないが、第2電源ELVSSは、有機発光ダイオードOLEDを経由して電流が流れることができるように十分に低い電圧に設定される。例えば、第2電源ELVSSは、基準電源Vrefより低い電圧に設定される。
【0030】
一方、i(iは自然数)番目の水平ラインに位置する画素140は、i番目の走査線Si、i番目の制御線CLi、及びi+1番目の走査線Si+1に接続される。この画素140は、NMOS型の複数のトランジスタを備え、駆動トランジスタのしきい値電圧が補償される電流を有機発光ダイオードに供給する。
【0031】
図3は、本発明の第1実施例による画素を示す図である。図3では、説明の便宜上、n番目の水平ラインに位置し、第mデータ線Dmに接続された画素140を示すものとする。
【0032】
図3に示すように、本発明の第1実施例による画素140は、有機発光ダイオードOLEDと、データ線Dm、走査線Sn、Sn+1、及び制御線CLnに接続され、有機発光ダイオードOLEDを制御するための画素回路142とを備える。
【0033】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は、画素回路142に接続され、カソード電極は、第2電源ELVSSに接続される。この有機発光ダイオードOLEDは、画素回路142から供給される電流に対応して、所定輝度の光を生成する。
【0034】
画素回路142は、第n走査線Snに走査信号が供給されたとき、第mデータ線Dmに供給されるデータ信号及び第1トランジスタのしきい値電圧に対応する電圧を充電し、第n+1走査線Sn+1に走査信号が供給されたときに充電された電圧に対応する電流を有機発光ダイオードOLEDに供給する。このため、画素回路142は、第1ないし第5トランジスタM1ないしM5、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を備える。
【0035】
第1トランジスタ(駆動トランジスタ)M1のゲート電極は、第1ノードN1に接続され、第1電極は、第1電源ELVDDに接続される。また、第1トランジスタM1の第2電極は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極(すなわち、第3ノードN3)に接続される。この第1トランジスタM1は、第1ノードN1に印加される電圧に対応して、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流量を制御する。
【0036】
第2トランジスタM2のゲート電極は第n走査線Snに接続され、第1電極は、第mデータ線Dmに接続される。また、第2トランジスタM2の第2電極は、第2ノードN2に接続される。この第2トランジスタM2は、第n走査線Snに走査信号が供給されたときにターンオンされ、第mデータ線Dmと第2ノードN2とを電気的に接続させる。
【0037】
第3トランジスタM3のゲート電極は、第n+1走査線Sn+1に接続され、第1電極は、第2ノードN2に接続される。また、第3トランジスタM3の第2電極は、第1ノードN1(すなわち、第1トランジスタM1のゲート電極)に接続される。この第3トランジスタM3は、第n+1走査線Sn+1に走査信号が供給されたときにターンオンされ、第1ノードN1と第2ノードN2とを電気的に接続させる。
【0038】
第4トランジスタM4のゲート電極は、第n走査線Snに接続され、第1電極は、基準電源Vrefに接続される。また、第4トランジスタM4の第2電極は、第1ノードN1に接続される。この第4トランジスタM4は、第n走査線Snに走査信号が供給されたときにターンオンされ、基準電源Vrefの電圧を第1ノードN1に供給する。
【0039】
第5トランジスタM5のゲート電極は、第n制御線CLnに接続され、第1電極は、第3ノードN3に接続される。また、第5トランジスタM5の第2電極は、初期電源Vintに接続される。この第5トランジスタM5は、第n制御線CLnに制御信号が供給されたときにターンオンされ、初期電源Vintを第3ノードN3に供給する。
【0040】
第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、第1ノードN1と第3ノードN3との間に直列に接続される。また、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の共通ノードは、第2トランジスタM2及び第3トランジスタM3の共通ノード(すなわち、第2ノードN2)に接続される。ここで、第2キャパシタC2及び第3トランジスタM3は、第1ノードN1と第2ノードN2との間に並列に接続される。
【0041】
図4は、図3の画素を駆動するためのタイミング図である。
【0042】
図3及び図4を関連づけて画素140の動作過程を詳細に説明すると、まず、第n走査線Snに走査信号が供給され、走査信号が供給される期間のうちの第1期間において制御線CLnに制御信号が供給される。
【0043】
走査線Snに走査信号が供給されると、第2トランジスタM2及び第4トランジスタM4がターンオンされる。第2トランジスタM2がターンオンされると、データ線Dmからデータ信号が第2ノードN2に供給される。第4トランジスタM4がターンオンされると、基準電源Vrefが第1ノードN1に供給される。
【0044】
制御線CLnに制御信号が供給されると、第5トランジスタM5がターンオンされる。第5トランジスタM5がターンオンされると、初期電源Vintが第3ノードN3に供給される。ここで、初期電源Vintは、有機発光ダイオードOLEDがオフ可能な電圧に設定され、これにより、有機発光ダイオードOLEDにおいて不要な光は生成されない。
【0045】
この後、第2期間において、制御線CLnへの制御信号の供給が中断される。制御線CLnへの制御信号の供給が中断されると、第5トランジスタM5がターンオフされる。第5トランジスタM5がターンオフされると、第3ノードN3の電圧は、基準電源Vrefの電圧から第1トランジスタM1のしきい値電圧を減じた電圧まで上昇する。
【0046】
より詳細に説明すると、第1期間において、第1ノードN1の電圧は、基準電源Vrefに設定され、第3ノードN3の電圧は、初期電源Vintに設定される。ここで、初期電源Vintの電圧は、基準電源Vrefの電圧から第1トランジスタM1のしきい値電圧を減じた電圧より低い電圧に設定される。したがって、第5トランジスタM5がターンオフされると、第3ノードN3の電圧は、基準電源Vrefの電圧から第1トランジスタM1のしきい値電圧を減じた電圧まで上昇する。
【0047】
この場合、第2ノードN2と第1ノードN1との間、すなわち、第2キャパシタC2には、Vdata−Vrefの電圧が充電され、第2ノードN2と第3ノードN3との間、すなわち、第1キャパシタC1には、Vdata−Vref+Vth(M1)の電圧が充電される。
【0048】
この後、第n走査線Snへの走査信号の供給が中断され、第2トランジスタM2及び第4トランジスタM4がターンオフされる。また、第n+1走査線Sn+1に走査信号が供給され、第3トランジスタM3がターンオンされる。第3トランジスタM3がターンオンされると、第1ノードN1と第2ノードN2とが電気的に接続される。この場合、第2キャパシタC2の両端の電圧は0に設定され、第1トランジスタM1のゲート電極及びソース電極間の電圧Vgs(M1)は、第1キャパシタC1に充電された電圧に設定される。すなわち、第1トランジスタM1のゲート電極及びソース電極間の電圧Vgs(M1)は、下記式2のように設定される。
【0049】
【数2】

【0050】
第1トランジスタM1のVgsの電圧により、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流量は、下記式3のように設定される。
【0051】
【数3】

【0052】
上記式3を参照すると、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流は、データ信号の電圧Vdataと基準電源Vrefとの差電圧によって決定される。ここで、基準電源Vrefは、固定された電圧であるため、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流は、データ信号によって決定される。すなわち、本願発明においては、第1トランジスタM1のしきい値電圧のばらつきにかかわらず均一な輝度の映像を表示することができる。
【0053】
一方、図3においては、トランジスタがNMOSで形成されたものとして示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図3に示す画素は、図5のようにPMOSトランジスタに変更可能である。この場合、図4に示す波形の極性が反転して供給されることが異なるだけで、動作過程は同様に設定される。
【0054】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であるのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
110;走査駆動部
120;データ駆動部
130;画素部
140;画素
142;画素回路
150;タイミング制御部
OLED;有機発光ダイオード
M1〜M5;第1ないし第5トランジスタ
N1〜N3;第1ないし第3ノード
C1、C2;第1キャパシタ、第2キャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード電極が第2電源に接続される有機発光ダイオードと、
第1電源から前記有機発光ダイオードを経由して前記第2電源に流れる電流量を制御する第1トランジスタと、
データ線に接続され、i(iは自然数)番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第2トランジスタと、
前記第2トランジスタと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続され、i+1番目の走査線に走査信号が供給されたときにターンオンされる第3トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と基準電源との間に接続され、前記i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第4トランジスタと、
前記有機発光ダイオードのアノード電極と初期電源との間に接続され、制御線に制御信号が供給されたときにターンオンされる第5トランジスタと、
前記第2トランジスタ及び第3トランジスタの共通ノードと前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第1キャパシタと、
前記共通ノードと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備えることを特徴とする画素。
【請求項2】
前記第5トランジスタは、前記第2トランジスタがターンオンされる期間のうちの一部の期間においてターンオンされることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項3】
前記第5トランジスタは、前記第2トランジスタと同時にターンオンされることを特徴とする請求項2に記載の画素。
【請求項4】
前記基準電源は、前記初期電源より高い電圧に設定されることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項5】
走査線に走査信号を順次供給し、制御線に制御信号を順次供給するための走査駆動部と、
データ線に前記走査信号と同期するようにデータ信号を供給するためのデータ駆動部と、
前記走査線、制御線、及びデータ線の交差部に位置する画素を備え、
i(iは自然数)番目の水平ラインに位置する前記画素は、
カソード電極が第2電源に接続される有機発光ダイオードと、
第1電源から前記有機発光ダイオードを経由して前記第2電源に流れる電流量を制御する第1トランジスタと、
データ線に接続され、i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第2トランジスタと、
前記第2トランジスタと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続され、i+1番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第3トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と基準電源との間に接続され、前記i番目の走査線に前記走査信号が供給されたときにターンオンされる第4トランジスタと、
前記有機発光ダイオードのアノード電極と初期電源との間に接続され、i番目の制御線に前記制御信号が供給されたときにターンオンされる第5トランジスタと、
前記第2トランジスタ及び第3トランジスタの共通ノードと前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第1キャパシタと、
前記共通ノードと前記第1トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備えることを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項6】
前記データ信号の電圧は、前記基準電源と同一または高い電圧に設定されることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項7】
前記初期電源は、前記基準電源から前記第1トランジスタのしきい値電圧を減じた電圧より低い電圧に設定されることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記初期電源は、前記有機発光ダイオードがオフ可能な電圧に設定されることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記走査駆動部は、前記走査信号が供給される期間のうちの一部の期間において前記制御信号を供給することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記走査駆動部は、前記i番目の走査線に供給される走査信号と同時に、前記i番目の制御線に前記制御信号を供給することを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−250260(P2010−250260A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207022(P2009−207022)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】