説明

画面情報生成方法、画面情報生成システムおよび画面情報生成プログラム

【課題】複数の画面で使用するレイアウト定義を共有することにより、システムの生産性および保守性をより向上させる。
【解決手段】情報処理装置は、処理部と、少なくとも1つの画面のテンプレートが記憶された記憶部とを有し、処理部は、所定の業務処理の業務データを受け付ける受付ステップと、使用する画面のテンプレートを特定するとともに、当該テンプレートの所定の領域に埋め込むコンテンツを前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成ステップと、特定した画面のテンプレートを記憶部から読み出し、読み出したテンプレートの前記所定の領域に前記生成したコンテンツを埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成ステップと、を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に提供する画面情報を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネット上では、様々な画面(Webページ)が公開されている。そして、複数の画面で同じレイアウトを用いる場合、例えば、フレームと呼ばれる画面分割技術を用いて、複数画面で共通する部分を別フレームとして作成する方法がある。
【0003】
また、スクリプト言語やJSP(Java Server Pages)などで、共通する部分を共通部品として生成し、画面生成時にインクルード(統合)する方法がある。例えば、非特許文献1には、Struts Tilesが記述されている。Strutsは、Apache Software Licenseに基づいて公開されたオープンソースのソフトウェアである。Struts Tilesでは、画面を構成する部品であるタイル毎に所定の文字列またはJSPファイルを指定して、タイル毎に情報を生成し、生成した情報をインクルードすることにより画面を生成する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Apache Software Foundation、“Struts”[online]、[平成18年2月1日検索]、インターネット<URL:http://struts.apache.org/struts-tiles/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレームを用いた場合、画面を仕切る枠(フレーム)やスクロールバーが画面上に表示されてしまうため、デザイン的に見栄えが悪くなる場合がある。また、フレームを用いた場合、クライアントのWebブラウザは、1つのWebページを表示するためにフレーム数分のHTMLファイルを要求するため、ネットワーク上の負荷が増大する。
【0006】
また、Struts Tilesを用いた場合、タイルの内容が異なる度に、レイアウト定義を作成する必要がある。
【0007】
図8は、Struts Tilesの画面の作成を模式的に示す図である。図示する例では、基本となるレイアウト1の画面81から派生したレイアウト2の画面82、レイアウト3の画面83およびレイアウト4の画面84を作成するものとする。Struts Tilesでは、レイアウト1と同じレイアウトを共有する画面82、83、84であっても、それぞれの画面のレイアウト定義を作成する必要がある。なお、基本となるレイアウト1の画面81と異なるタイル#3に埋め込まれる情報85、86、87を生成するプログラムも必要となる。
【0008】
すなわち、Struts Tilesでは、基本となるレイアウト1の画面81と同じレイアウトの画面を生成する場合であっても個別にレイアウト定義が必要であるため、使用する画面の数が増えると、画面の数だけ新たなレイアウト定義が必要となり、システムの生産性の観点において、あまり効率的でない。また、画面毎にレイアウト定義が作成されることにより、所定のレイアウトに変更が生じると、当該レイアウトを使用する各画面のレイアウト定義を修正する場合があり、システムの保守性について考慮されていない場合がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、複数の画面で使用するレイアウト定義を共有することにより、システムの生産性および保守性をより向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、情報処理装置が行う画面情報生成方法であって、前記情報処理装置は、処理部と、複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶部と、使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶部と、を有し、前記処理部は、所定の業務処理の業務データを受け付ける受付ステップと、前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶部から読み出す読出ステップと、前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成ステップと、前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成ステップと、を行う。
【0011】
また、本発明は、画面情報生成システムであって、複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶手段と、使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶手段と、所定の業務処理の業務データを受け付ける受付手段と、前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶手段から読み出す読出手段と、前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成手段と、前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成手段と、を有する。
【0012】
また、本発明は、情報処理装置が実行する画面情報生成プログラムであって、前記情報処理装置は、処理部と、複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶部と、使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶部と、を有し、前記処理部に、所定の業務処理の業務データを受け付ける受付ステップと、前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶部から読み出す読出ステップと、前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成ステップと、前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、複数の画面で使用するレイアウト定義を共有することにより、システムの生産性および保守性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたWebシステムの全体構成を示す図である。
【図2】各装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】テンプレートおよびレイアウト定義の一例を示す図である。
【図4】Webシステムの処理を模式的に示す図である。
【図5】複数の画面で1つのテンプレートを共有する処理を模式的に示す図である。
【図6】業務データに応じて使用するテンプレートを切り替える処理を模式的に示す図である。
【図7】前画面のテンプレートを引き継ぐ処理を模式的に示す図である。
【図8】Struts Tilesの画面の作成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたWebシステムの全体構成図である。本実施形態のWebシステムは、少なくとも1つのクライアント1と、Webサーバ2と、アプリケーションサーバ3と、を有する。そして、各クライアント1とWebサーバ2とは、インターネットなどのネットワーク4により接続されている。
【0017】
クライアント1のWebブラウザ11は、ユーザの指示を受け付けてWebサーバ2から所望の情報を取得し、出力装置(不図示)に表示する。
【0018】
Webサーバ2は、各クライアント1からの要求を受け付けて、クライアント1に提供する情報を動的に生成し、生成した情報をクライアント1に送信する。なお、本実施形態では、クライアント1に提供する情報は、Webページを表示するための情報(以下、「画面情報」)とする。画面情報は、HTML(HyperText Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)などのマークアップ言語により記述されている。本実施形態ではHTMLにより記述された画面情報を例として以下説明する。
【0019】
図示するWebサーバ2は、制御部21と、画面生成部22と、少なくとも1つの情報生成ファイル23と、少なくとも1つのレイアウト定義ファイル24と、を有する。制御部21(フレームワークなど)は、クライアント1からの要求に応じてアプリケーションサーバ3と連携し、所定の業務データを情報生成ファイル23(または、画面生成部22)に引き渡す。
【0020】
画面生成部22は、クライアント1に提供する画面情報を動的に生成し、生成した画面情報をクライアント1に送信する。なお、本実施形態の画面生成部22は、情報生成ファイル23およびレイアウト定義ファイル24のプログラムを実行することにより、上記処理を実行するものとする。
【0021】
情報生成ファイル23は、例えば、JSP(Java Server Pages)の技術を用いたJSPファイルである。すなわち、情報生成ファイル23は、HTMLで記述された画面情報の中に、Java(登録商標)プログラムが記述されたファイルである。画面生成部22は、情報生成ファイル23に記述されたJava(登録商標)プログラムを実行することにより、レイアウト定義ファイル24を利用して画面情報(HTMLファイル)を動的に生成し、クライアント1に送信する。
【0022】
レイアウト定義ファイル24は、画面のテンプレート(雛型)のレイアウト情報が定義されたファイルである。すなわち、レイアウト定義ファイル24には、画面上での各コンテンツの配置場所が定義されている。本実施形態のテンプレートは、複数の画面で共有する、共通のレイアウトを定義するためのものである。なお、レイアウト定義ファイル24およびテンプレートについては、後述する。また、情報生成ファイル23およびレイアウト定義ファイル24は、Webサーバ2のメモリまたは外部記憶装置に記憶されている。
【0023】
アプリケーションサーバ3は、複数のビジネスロジック31を有する。各ビジネスロジック31は、Webサーバ2から送信された要求を受け付けて所定の業務処理を行い、処理結果である業務データをWebサーバ2に送信する。
【0024】
上記説明した、クライアント1、Webサーバ2およびアプリケーションサーバ3は、いずれも、例えば図2に示すようなCPU901と、メモリ902と、HDD等の外部記憶装置903と、キーボードやマウスなどの入力装置904と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置905と、ネットワークと接続するための通信制御装置906と、を備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、各装置の各機能が実現される。
【0025】
例えば、クライアント1、Webサーバ2およびアプリケーションサーバ3の各機能は、クライアント1用のプログラムの場合はクライアント1のCPU901が、Webサーバ2用のプログラムの場合はWebサーバ2のCPU901が、そして、アプリケーションサーバ3用のプログラムの場合はアプリケーションサーバ3のCPU901が、それぞれ実行することにより実現される。なお、入力装置904および出力装置905については、各装置が必要に応じて備えるものとする。また、Webサーバ2およびアプリケーションサーバ3は、1つのコンピュータ装置内に設けることとしてもよい。
【0026】
次に、レイアウト定義ファイル24に定義される画面のテンプレートについて説明する。なお、本実施形態の画面のテンプレートは、フレーム機能を用いて画面を複数のフレームで仕切ることなく、1つの画面内に複数のコンテンツが表示されるものとする。
【0027】
図3(a)は、レイアウト定義ファイル24に定義されたテンプレートの一例(テンプレートA)を示す図である。テンプレートは、複数画面で共通して使用するコンテンツ(以下、「共通コンテンツ」)が表示される共通コンテンツ領域と、画面毎に独自に生成されるコンテンツ(以下、「メインコンテンツ」)が表示されるメインコンテンツ領域とを有する。
【0028】
図示するテンプレートAでは、共通コンテンツ#1領域31、共通コンテンツ#2領域32、および、メインコンテンツ領域33の3つの領域から構成される。共通コンテンツ領域31、32には、所定の静的コンテンツが表示されるものとする。例えば、共通コンテンツ#1領域31には画面のタイトルを、共通コンテンツ#2領域33にはメニューを、表示することが考えられる。メインコンテンツ領域33には、ビジネスロジック31からの業務データに基づいて動的に生成される情報が表示される。
【0029】
図3(b)は、図3(a)に示すテンプレートAのレイアウト定義の一例を示したものである。なお、本実施形態のレイアウト定義は、JSPファイルであるレイアウト定義ファイル24に記述されているものとする。図示するレイアウト定義では、共通コンテンツ記述部36aにおいて、共通コンテンツ#1領域31および共通コンテンツ#2領域32に埋め込むコンテンツの情報が記述されている。
【0030】
図示する例では、共通コンテンツ#1領域31には「X.jsp」(不図示)のJSPファイルから取得するコンテンツ(例えば、タイトル)を埋め込むことが、また、共通コンテンツ#2領域32には「Y.jsp」(不図示)のJSPファイルから取得するコンテンツ(例えば、メニュー)を埋め込むことが記述されている。なお、図示するようにJSPファイル名(「X.jsp」など)を記述することなく、共通コンテンツ領域31、32に埋め込むコンテンツ(タイトルなどの文字列)を、直接、レイアウト定義の中に記述することとしてもよい。
【0031】
また、メインコンテンツ記述部36bにおいて、メインコンテンツ領域33には、情報生成ファイル23が動的に生成したメインコンテンツを埋め込むことを記述している。図示する例では、メインコンテンツを埋め込むこと示す記述(マーク)として、<nsp:getField>タグを用いている。
次に、本実施形態のWebシステムの処理について説明する。
【0032】
図4は、Webシステムの処理を模式的に示した図である。なお、Webサーバ2が、図3(b)に示すレイアウト定義を用いて、図3(a)に示すテンプレートAの画面情報(HTMLファイル)を生成する場合を例に以下説明する。
【0033】
まず、クライアント1のWebブラウザ11は、ユーザの指示を受け付けて、所定の画面情報をWebサーバ2に要求する(S11)。
【0034】
Webサーバ2の制御部21は、クライアント1からのリクエストを受信し、当該リクエストに含まれる情報(例えば、ユーザIDなど)を引数として、アプリケーションサーバ3の所定のビジネスロジック31にアクセスする(S12)。そして、ビジネスロジック31は、リクエストの情報に基づいて業務データを生成し、生成した業務データを制御部21に送信する(S13)。なお、図示する例では、顧客名と、当該顧客が所有する日本円の資産金額およびドルの資産金額とが、業務データとして送信されるものとする。
【0035】
そして、制御部21は、業務データの送信元ビジネスロジック31に対応する情報生成ファイル23を特定する。そして、制御部21は、特定した情報生成ファイル23を呼び出し、業務データを引き渡す(S14)。本実施形態では、ビジネスロジック31毎(または、ビジネスロジックの種別毎)に、対応する情報生成ファイル23があらかじめ定められているものとする。なお、制御部21は、送信元のビジネスロジック31だけでなく、受信した業務データに基づいて情報生成ファイル23を特定することとしてもよい。
【0036】
制御部21が情報生成ファイル23を呼び出すことにより、画面生成部22は、指定された情報生成ファイル23の中に記述されたプログラムを実行し、以下の処理を行う。すなわち、画面生成部22は、利用する画面のテンプレート(すなわち、当該テンプレートのレイアウトが定義されたレイアウト定義ファイル24)を特定する。また、画面生成部22は、特定したテンプレートのメインコンテンツ領域に埋め込むメインコンテンツを、業務データに基づいて動的に生成する。なお生成されるメインコンテンツは、HTMLのブロックであって、長さに特別な制限はない。
【0037】
図4に示す情報生成ファイル23の一例23Aには、レイアウト定義ファイル24を呼び出す呼出部231と、メインコンテンツを生成する生成部232とを有する。図示する呼出部231には、「LayoutA.jsp」(図3(b)参照)のレイアウト定義ファイル24を呼び出し、テンプレートA(図3(a)参照)を使用することが記述されている。また、図示する生成部232には、生成したメインコンテンツを埋め込む領域(場所)と、業務データ(顧客名、資産金額)を用いて顧客の資産を示すメインコンテンツを生成することが記述されている。なお、呼出部231は<nsp:getField>タグを、また、生成部232は、<nsp:setField>タグを用いて記述されている。
【0038】
そして、画面生成部22は、情報生成ファイル23で指定されたレイアウト定義ファイル24を呼び出し、生成したメインコンテンツを引き渡す(S15)。これにより、画面生成部22は、呼び出されたレイアウト定義ファイル24を実行し、画面情報(HTMLファイル)を生成する。図示する例では、画面生成部22は、図3(b)に示すレイアウト定義ファイル24で定義されたテンプレートAを用いて画面情報を生成する。すなわち、画面生成部22は、レイアウト定義ファイル24の<nsp:getField>タグで記述されたメインコンテンツ領域に生成したメインコンテンツを埋め込むことによりHTML形式のタグへと変換し、HTMLのみで記述された画面情報(HTMLファイル)を生成する。
【0039】
そして、画面生成部22は、生成した画面情報をクライアント1に送信する(S16)。そして、クライアント1のWebブラウザ11は、画面情報のタグを解析し、表示画面29を出力装置に表示する(S17)。
【0040】
次に、1つのテンプレートを用いて複数の画面を生成する処理を説明する。
【0041】
図5は、複数の画面を生成する処理を模式的に示す図である。図示する例では、アプリケーションサーバ3のビジネスロジック#1から業務データ(#1)51aを受信した場合、および、アプリケーションサーバ3のビジネスロジック#2から業務データ(#2)51bを受信した場合に、同じテンプレートA53を用いて複数の画面 55a、55bを生成する。
【0042】
業務データ(#1)51aには、顧客名と、日本円の資産金額と、ドルの資産金額とが含まれているものとする。Webサーバ2の制御部21は、業務データ(#1)51aを受信すると、当該業務データ(#1)に対応する情報生成ファイル23a(図4参照)に、当該業務データ(#1)を送出する。これにより、画面生成部22は、情報生成ファイル23aを実行することにより、情報生成ファイル23aに記述されたテンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を呼び出すとともに、業務データ(#1)用のメインコンテンツ54aを生成する。すなわち、画面生成部22は、生成したメインコンテンツ54aと、当該メインコンテンツを埋め込む領域とを指定して、テンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を呼び出す。そして、画面生成部22は、テンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を実行することにより、メインコンテンツ領域に業務データ(#1)用のメインコンテンツ54aを埋め込んだ画面55aの画面情報を生成する。
【0043】
また、業務データ(#2)51bには、顧客名と、購入する株の銘柄とが含まれているものとする。Webサーバ2の制御部21は、業務データ(#2)51bを受信すると、当該業務データ(#2)に対応する情報生成ファイル23bに、当該業務データ(#2)を送出する。これにより、画面生成部22は、情報生成ファイル23bを実行することにより、情報生成ファイル23bに記述されたテンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を呼び出すとともに、業務データ(#2)用のメインコンテンツ54bを生成する。すなわち、画面生成部22は、生成したメインコンテンツ54bと、当該メインコンテンツを埋め込む領域とを指定して、テンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を呼び出す。そして、画面生成部22は、テンプレートA53のレイアウト定義ファイル24を実行することにより、メインコンテンツ領域に業務データ(#2)用のメインコンテンツ54bを埋め込んだ画面55bの画面情報を生成する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態では、レイアウトが同じ画面については、レイアウト定義ファイル24でテンプレートをあらかじめ定義しておくことで、テンプレートを共有することができる。すなわち、新たなビジネスロジックを追加する際に、追加するビジネスロジック固有のメインコンテンツを生成する情報生成ファイル23のみを生成するだけで、既存のレイアウト定義ファイル24(テンプレート)を利用して当該ビジネスロジック固有の画面を生成することができる。これにより、システムの生産性および保守性をより向上させることができる。また、レイアウト定義ファイル24を共用することで、リソースを低減することができる。
【0045】
次に、テンプレート(すなわち、レイアウト定義ファイル24)の指定方法について説明する。テンプレートの指定方法としては、情報生成ファイル23の中に使用するテンプレートのレイアウト定義ファイル名を記述する第1の方法(図4参照)と、ビジネスロジック31の業務データに基づいてテンプレートを指定する第2の方法と、前画面で使用したテンプレートを引き継ぐ第3の方法とがある。第1の方法については、図4で既に説明したため、ここでは、第2の方法と、第3の方法について説明する。
【0046】
図6は、第2の方法を説明するための説明図である。
【0047】
第2の方法では、Webサーバ2の制御部21が、ビジネスロジック31からの業務データに基づいて、所定のテンプレートを特定する。なお、業務データの中に、使用するテンプレートが指定されていることとしてもよい。そして、制御部21は、図4のS14において、業務データとともに特定したテンプレートが定義されたレイアウト定義ファイル24のファイル名(識別情報)を、情報生成ファイル23に引き渡す。図示する例では、テンプレートB、テンプレートCまたはテンプレートDを指定する場合を示している。
【0048】
情報生成ファイル23は、図4のS15において、メインコンテンツを生成し、生成したメインコンテンツを受け付けたテンプレートのレイアウト定義ファイル24に送出する。なお、第2の方法において、制御部21が呼び出す情報生成ファイル23には、呼び出すレイアウト定義ファイル24の記述がされていないか、あるいは、レイアウト定義ファイル24の記述がされている場合であっても制御部21が指定したテンプレートのレイアウト定義ファイル24が優先されるものとする。
【0049】
画面生成部22は、呼び出された各レイアウト定義ファイル24の記述に従って、所定の領域に共通コンテンツおよびメインコンテンツを配置した画面情報を生成する。なお、図6には、各レイアウト定義ファイルで定義されたテンプレートB61b、テンプレートC61cおよびテンプレートD61dを示している。
【0050】
メインコンテンツ領域は、テンプレートB61bおよびテンプレートC61cに示すように1つだけでなく、テンプレートD61dに示すように2つ以上であってもよい。メインコンテンツ領域が2つの場合、情報生成ファイル23の生成部232(図4参照)には、メインコンテンツ#1用およびメインコンテンツ#2用の2つの<nsp:setField>タグが記述され、2つのメインコンテンツが生成されるものとする。また、レイアウト定義24(図3(b)参照)では、メインコンテンツ#1用およびメインコンテンツ#2用の2つの<nsp:getField>タグが記述され、各メインコンテンツ領域にそれぞれのメインコンテンツが埋め込まれるものとする。
【0051】
第2の方法によれば、業務データに応じて使用するテンプレートを動的に切り替えることができる。
【0052】
図7は、第3の方法を説明するための説明図である。
【0053】
第3の方法では、画面遷移をする際に、前画面で用いたテンプレートを引き継ぐ。図7(a)の第1の画面71は、テンプレートAを用いて生成され画面であって、メインコンテンツ領域72にはリンク先(遷移先)に遷移するためにリンク先情報が埋め込まれたリンクボタン73が表示されている。
【0054】
通常のリンクボタン73では、リンク先の画面を生成する情報生成ファイル(JSPファイル)のファイル名のみが埋め込まれている。しかしながら、第3の方法では、情報生成ファイルだけでなく、現在表示している第1の画面で使用されたテンプレートの情報も併せて埋め込まれている。例えば、リンクボタン73には<a href=“/a/b/c.jsp?Layout=A.jsp”>が埋め込まれているものとする。
【0055】
リンクボタン73に自画面71のテンプレートの情報を埋め込む場合、レイアウト定義ファイル24には、例えば、テンプレート引継ぎパラメータが指定されているものとする。テンプレート引継ぎパラメータが指定されている場合、画面生成部22は、リンク先の画面で使用するテンプレートとして、当該レイアウト定義ファイル24のテンプレートの情報(レイアウト定義ファイル24のファイル名など)を付加したリンク先情報を生成する。
【0056】
第1の画面71のリンクボタン73がクリックされると、クライアント1はWebサーバ2にリンク先の画面を要求するリクエストを送信する。送信されるリクエストには、リンクボタン73に埋め込まれたテンプレートの情報が含まれる。Webサーバ2の制御部21は、図4で説明したように、クライアント1からのリクエストを受け付けると、アプリケーションサーバ3のビジネスロジック31にアクセスし、業務データを取得する。そして、制御部21は、クライアント1からのリクエストで指定された情報生成ファイル23に当該リクエストで指定されたテンプレートの情報を送出する。
【0057】
そして、情報生成ファイル23は、業務データに基づいてメインコンテンツを生成し、リクエストで指定されたテンプレートのレイアウト定義ファイル24を呼び出し、リンク先の画面74の画面情報を生成する。
【0058】
図7(b)は、ポップアップなどのようにメインコンテンツのみのテンプレートを使用した第1の画面76についても、図7(a)と同様に、前画面のテンプレートを利用してリンク先の画面77を生成することを示している。
【0059】
第3の方法では、情報生成ファイル23の中に使用するテンプレートの情報を記述することなく、前画面で使用したテンプレートの情報をクライアント1から取得し、取得したテンプレートを用いてリンク先の画面情報を生成することができる。
【0060】
以上、本発明の一実施形態を説明した。
【0061】
本実施形態では、複数の画面で共通して使用するテンプレートをレイアウト定義ファイル24にあらかじめ定義しておく。これにより、レイアウトが同じ画面については、テンプレートを共有することにより、容易に画面を生成することができる。すなわち、新たなビジネスロジックを追加する際に、追加するビジネスロジック固有のメインコンテンツを生成する情報生成ファイル23のみを生成するだけで、既存のレイアウト定義ファイル24(テンプレート)を利用して当該ビジネスロジック固有の画面を生成することができる。これにより、システムの生産性および保守性をより向上させることができる。また、レイアウト定義ファイル24を共用することで、リソースを低減することができる。
【0062】
また、本実施形態では、情報生成ファイル23の中に使用するテンプレートの情報を記述することなく、前画面で使用したテンプレートの情報を取得し、当該テンプレートを用いて画面情報を生成することができる(図7参照)。
【0063】
また、本実施形態では、フレーム機能を用いることなく、1つの画面(Webページ)で複数のコンテンツを表示する。これにより、フレームを用いた場合に、クライアント1側でフレーム数分のコンテンツ(HTMLファイル)を要求し、ネットワーク上の負荷が増大することを回避することができる。また、クライアント1がフレーム数分のコンテンツをWebサーバ2に要求するたびに発生するユーザ認証処理の回数を低減することができる。また、フレームやスクロールバーが画面上に表示されないため、デザイン的に見栄えの良い(より統一感のある)画面を生成することができる。
【0064】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1:クライアント、11:Webブラウザ、2:Webサーバ、21:制御部、22:画面生成部、23:情報生成ファイル、24:レイアウト定義ファイル、3:アプリケーションサーバ、31:ビジネスロジック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が行う画面情報生成方法であって、
前記情報処理装置は、
処理部と、
複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶部と、
使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶部と、を有し、
前記処理部は、
所定の業務処理の業務データを受け付ける受付ステップと、
前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶部から読み出す読出ステップと、
前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成ステップと、
前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成ステップと、を行うこと
を特徴とする画面情報生成方法。
【請求項2】
請求項1記載の画面情報生成方法であって、
前記読出ステップは、前記業務処理の種別または前記業務データに基づいて、前記使用するテンプレートを特定すること
を特徴とする画面情報生成方法。
【請求項3】
請求項1記載の画面情報生成方法であって、
前記処理部は、前画面で使用したテンプレートを指定する情報をクライアントから取得する取得ステップを、さらに行い、
前記読出ステップは、前記取得ステップで取得した、指定された情報のテンプレートを、前記テンプレート記憶部から読み出すこと
を特徴とする画面情報生成方法。
【請求項4】
画面情報生成システムであって、
複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶手段と、
使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶手段と、
所定の業務処理の業務データを受け付ける受付手段と、
前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶手段から読み出す読出手段と、
前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成手段と、
前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成手段と、を有すること
を特徴とする画面情報生成システム。
【請求項5】
情報処理装置が実行する画面情報生成プログラムであって、
前記情報処理装置は、
処理部と、
複数の画面で共通して使用する、複数のコンテンツを埋め込む領域を有するテンプレートを、少なくとも1つ記憶するテンプレート記憶部と、
使用するテンプレートおよびコンテンツを埋め込む領域が指定された情報生成ファイルを、少なくとも1つ記憶する情報生成ファイル記憶部と、を有し、
前記処理部に、
所定の業務処理の業務データを受け付ける受付ステップと、
前記業務処理に対応する情報生成ファイルを特定し、当該情報生成ファイルに指定されたテンプレートを前記テンプレート記憶部から読み出す読出ステップと、
前記テンプレートの複数の領域に埋め込む複数のコンテンツを、前記業務データに基づいて生成するコンテンツ生成ステップと、
前記テンプレートの複数の領域に、前記生成した複数のコンテンツをそれぞれ埋め込み、画面情報を生成する画面情報生成ステップと、を実行させるための
画面情報生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−84161(P2012−84161A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252679(P2011−252679)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2006−57681(P2006−57681)の分割
【原出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】