説明

留置用デイバイス

【課題】 従来体内留置デイバイスに、細菌付着によるバイオフイルムや血栓形成防止のため、表面に抗菌、抗真菌薬や抗血栓薬を含有さした体内留置デイバイスがあったが、有効期限が短かく、相乗効果があり併用でき、異なる作用を有する体内留置デイバイスが求められていた。又同様に、相乗効果がある安価なバイオフイルム形成防止作用を有する水道用パイプ、冷却塔、水タンク船底や魚網が求められていた。
【解決手段】 体内留置デイバイスに超音波発生装置を設置し、体内留置デイバイスを振動さすことにより、細菌、真菌や血小板の付着を防止し、かつ体内留置デイバイスを伝播する波により、その表面上の細菌、真菌や血小板を運び去る。又水道用パイプ、冷却塔、水タンクや船底、魚網の一端にも超音波発生装置を設置し、その表面に波面を形成して、バイオフイルム形成を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用留置カテーテル、水道用パイプや冷却塔や水タンク又船底や魚網の血栓やバイオフイルム防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用留置カテーテルは、抗血栓剤又は抗菌剤をコーテイングしたのがあった。又船底や魚網にも抗菌剤を塗布したのがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2009−247910号公報
【特許文献2】 特開2005−334216号公報
【特許文献3】 特許公表2010−518246号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】 バイオフイルム入門−環境の世紀の新しい微生物像 日本微生物生態学会バイオフイルム研究会編
【非特許文献2】 エデストロムジパン情報コーナー
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の体内留置デイバイス例えば中心静脈カテーテル、尿道留置カテーテル、腹膜透析用留置カテーテルは、特許文献1記載のように抗菌剤や抗血栓剤をコーテイングしたのがあったが、アレルギー発生、細菌の耐性化の問題があり、その上効果持続が長くなかった
【0006】
浴槽配管、冷却塔又船底や魚網に付着したバイオフイルムを除去するには、運転を中止しなければならず機械的清掃が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は上記目的を達成するために、体内留置デイバイス、水道管、冷却塔、水タンク、船底、魚網に超音波発生素子を設置して、前記各デイバイスを振動さしている
【発明の効果】
【0008】
本発明留置デイバイスは、上記の様な形態をとっているので、留置用デイバイスを振動さす事により、細菌や血栓を振り払い又留置用デイバイスに波が伝わって、あたかも生体内の繊毛運動と同じ効果で、細菌や血栓を留置用デイバイス表面で移動さしている、体内留置デイバイスにては、体内挿入部からの細菌の侵入を防いでいる。
【0009】
非特許文献2に開示されているように、水流はデイバイス壁では制止しているので、血小板又は細菌の付着が生じているが、本発明留置用デイバイスは、超音波発生装置により高い周波数で振動させられているので、血小板又は細菌の付着が生じ難い。
【0010】
本発明留置用デイバイスの振動自体に、血栓の進行防止や最近の増殖防止作用は認められないが、血栓の発生や細菌の増殖の最初の段階を阻害して効果が生じているので、従来の抗血小板、抗菌剤の併用も可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 留置用デイバイスの外観図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
【実施例】
【0013】
中心静脈カテーテル、腹膜透析用カテーテル等は、体表面を貫いて体内に一部留置しているので、非特許文献1に開示されているように、体内中のカテーテル表面に細菌や真菌がバイオフイルムを形成し、敗血症の原因となっていたが、図1に示しているように、体内留置デイバイス1に圧電素子2を設置し、超音波を発生さすことで、体内留置部分に細菌や真菌の付着を防止し、ひいては、バイオフイルムの形成を防いでいる。
【0014】
そして、体内留置デイバイスに、体内から体外に向かう波を発生さすことにより、体外から体内に伝播する感染を防いでいる。
【0015】
気管カニューレにおいては、体内留置デイバイス1である気管カニューレの肺よりの一端に、圧電素子2を設置して超音波を発生し、痰を排出している。この時留置デイバイス2表面は振動しているので、細菌等によるバイオフイルムは形成し難くなっている。
【0016】
他の実施例として、水道用パイプや冷却塔や水タンク又船底や魚網である留置デイバイス1の一端に圧電素子2を設置して、留置デイバイス表面を振動さして、その表面にバイオフイルムが形成され難くしている。この時も機械的又化学的清掃が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、体内留置デイバイスである中心静脈カテーテル、腹膜透析用腹腔留カテーテル、気管カニューレ、又水中留置デイバイスである水道パイプ、冷却塔、水タンク又海水中留置デイバイスである船底、魚網等に利用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 留置デイバイス
2 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波発生器を設置した留置用デイバイス。
【請求項2】
音波発生器として超音波発生器を使用した請求項1記載の留置用デイバイス。

【図1】
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【公開番号】特開2012−115631(P2012−115631A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294826(P2010−294826)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511015076)
【Fターム(参考)】