説明

畜舎の扉錠機構

【課題】施錠機構を有した扉付き畜舎において、動物の出し入れを容易にし、畜舎内部の動物が開錠できない構造であり、開口部に柱がない畜舎においても、容易に扉の施錠、開錠ができ、取付面積が小スペースである施錠機構を提供する。
【解決手段】畜舎本体前面の上下に1次施錠部品を設け、畜舎本体前面の上下いずれかに水平軸線回りに回動自在な2次施錠部品と開錠部品を備え、垂直軸線回りに回動自在な扉には、上下に移動自在な上下移動部品を備え、上下移動部品には扉正面側から見て同垂直軸線上にならない位置に施錠用ピンを備え、扉が閉じる方向へ回転した際には、施錠用ピンが1次施錠部品によって1次施錠がなされると共に、施錠用ピンが開錠部品を回転させ、連動した2次施錠部品によって2次施錠がなされ、手で引くなどして2次施錠部品を回転させた際には、開錠部品が連動し、開錠されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は畜舎の扉錠機構に関する。
【背景技術】
【0002】
動物病院、ペット預かり所などにおいては、犬や猫等の動物を収容するステンレス製の畜舎が知られており、このような畜舎は、箱形の畜舎に開閉自在に取り付けられた扉を備え、この扉を施錠するための施錠機構を備えている。この種のものとしては、例えば下記の文献等に開示されている。
【特許文献1】特許公開平8−149936
【特許文献2】登録実用新案第3076193号
【特許文献3】実用新案公開平5−46265
【0003】
この種の畜舎は動物を抱きかかえながら、動物の出し入れを行なう事も多く、扉の開閉、施錠および開錠が容易に行なえることが要求される。また、動物の中にも猫や猿のように手が器用な動物が、畜舎の内部から開錠してしまうおそれがあるため、動物には開錠できない必要もある。
【0004】
ところで、畜舎には様々なサイズがあり、大きなサイズの畜舎においては、畜舎1台に対し、扉が観音開きに2枚取り付けられており、開口部中央には柱が設置され、その柱に扉の施錠機構が取り付けられている構造であった。
【0005】
また、畜舎はスペースを有効利用するために、何段にも重ねて設置されることもあり、そうした際にも問題なく扉が施錠、開錠できることも要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記、施錠機構を備え、柱が設置された畜舎においては、小型の動物を出し入れするには問題がないが、大型の動物を出し入れする際には、柱が邪魔になっていた。
【0007】
また、この種の扉施錠機構は、施錠用のピンと、そのピンの前後移動を抑制する為の形状を有した固定部品とで成り立っており、扉を施錠する際には、施錠用ピンまたは固定部品が上下移動をすることで、施錠用ピンが固定部品の前後移動抑制部分にはまりこみ、扉の施錠が行なわれる構造となっていたため、垂直方向のスペースが必要となっていた。
【0008】
また従来構造のまま、柱を取り払い、畜舎開口部の上下に施錠機構を取り付けたとしても、施錠用の上下移動部品が上下移動した際には、積み重ねられている畜舎の同様の部品と衝突してしまい、正常に施錠、開錠が行なわれない構造であった。
【0009】
本発明は前記の従来技術が有する問題点を解決しようとするものであって、畜舎の動物の出し入れを容易にし、畜舎内部の動物には開錠できない構造でありながら、開口部に柱が設置されていない畜舎においても、扉の施錠、開錠を容易に行なうことができ、従来の施錠機構よりも垂直方向の取り付け面積を小さくし、畜舎が積み重ねられた際にも、変わらない機能を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、本発明に係わる畜舎の扉錠機構は、畜舎本体と、この畜舎本体前面に開閉自在に取り付けられた扉において、この扉を施錠する施錠機構と、この扉を開錠する開錠機構を備え、前記扉のヒンジ部は垂直軸線回りに回動自在に取り付けられており、前記扉には、上下に移動自在に取り付けられた移動部品を備え、この移動部品には上下に一対の施錠用ピンを備え、前記畜舎本体前面の上下には、前記施錠用ピンにそれぞれ対応した1次施錠部品を備え、前記畜舎本体前面の上下いずれかに水平軸線回りに回動自在である2次施錠部品と、水平軸線回りに回動自在である開錠部品を備えており、手で押すなどして扉を閉める方向に、扉または扉に取り付けられた部品に外力が与えられる際には、扉が回転しその外力と、各部品に与えられる重力によって1次施錠がなされると共に、2次施錠部品が連動し2次施錠がなされ、手で引くなどして2次施錠部品を回転させることで開錠部品が連動し、1次施錠および2次施錠を開錠することが出来ることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係わる畜舎の扉錠機構は、畜舎本体と、この畜舎本体前面に開閉自在に取り付けられた扉において、この扉を施錠する施錠機構と、この扉を開錠する開錠機構を備え、前記扉のヒンジ部は垂直軸線回りに回動自在に取り付けられており、前記扉には、上下に移動自在に取り付けられた移動部品を備え、この移動部品には上下に一対の施錠用ピンを備え、前記畜舎本体前面の上下には、前記施錠用ピンにそれぞれ対応した1次施錠部品を備え、前記畜舎本体前面の上下いずれかに水平軸線回りに回動自在である2次施錠部品と、水平軸線回りに回動自在である開錠部品を備えており、上下移動部品に取り付いている施錠用ピンは、上部に取り付いているものと、下部に取り付いているものが、扉正面側から見た際には同一垂直線上に重ならない位置に取り付けられており、前記畜舎を同じ向きで縦に重ねて設置した際、また前記畜舎を同じ向きで縦に重ねて設置して上下移動部品が上下移動をした際には、下側畜舎の上部施錠用ピンおよび上下移動部品と、上側畜舎の下部施錠用ピンおよび上下移動部品が衝突する事がないことを特徴とするものである。
【0012】
さらにまた、本発明に係わる畜舎の扉錠機構は、請求項1,2いずれか1項に記載の、開口部に柱が設置されていない畜舎本体と、この畜舎本体前面の左右に、観音開きに開閉自在に取り付けられた扉において、前記左右の扉にはそれぞれ対応した前記施錠機構を左右対称に備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、畜舎の動物の出し入れを容易にし、畜舎内部の動物には開錠できない構造でありながら、開口部に柱が設置されていない畜舎においても、扉の施錠、開錠を容易に行なうことができ、従来の施錠機構よりも垂直方向の取り付け面積を小さくし、畜舎が積み重ねられた際にも、変わらない機能をそなえた畜舎の扉錠機構を得る事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明に係わる施錠機構を備えた扉を、観音開きに2枚取り付けた状態の、柱が設置されていない畜舎の全体斜視図を示している。
【0016】
畜舎本体1には、ヒンジ部品2に垂直回転軸をもつ回動自在な扉14と扉15が取り付けられており、2枚の扉は左右対称形状となっており、扉の開閉、施錠機構等は同条件となっている。
【0017】
図2は扉を取り付ける前の畜舎本体の斜視図を示している。上側1次施錠部品6と8は、取付部品5に固定され一体となっており、ヒンジ部品2、下側1次施錠部品3、取付部品5は畜舎本体1に対して、ねじなどによって取り付けられ、固定されている。
【0018】
図3は上側1次施錠部品6および8に、2次施錠部品と開錠部品を取り付けた場合の、分解斜視図を示している。軸ピン22は、開錠部品13と2次施錠部品11と座金21の穴を通り、上側1次施錠部品8に固定されており、開錠部品13と2次施錠部品11と座金21は、水平軸線回りに回動自在となっている。同様に左右対称形状となっている反対側も、軸ピン22は開錠部品12と2次施錠部品10と座金21の穴を通り、上側1次施錠部品6に固定されており、開錠部品12と2次施錠部品10と座金21は、水平軸線回りに回動自在となっている。2次施錠部品と開錠部品は、上側1次施錠部品または下側1次施錠部品のいずれかに取り付けることで、施錠および開錠機能を果たす事が出来る。
【0019】
図4は畜舎本体に取り付ける前の、右側の扉の斜視図である。扉15には固定部品17が上下に1個ずつ溶接などで動かないように固定されており、固定部品17にはそれぞれ長方形の穴17Aが開いている。その穴を通るようにして上下移動部品18が上下移動自在に取り付けられている。上下移動部品18には施錠用ピン19が上下に1個ずつ溶接などで動かないように固定されており、側面にはストッパー部品20が溶接などで動かないように固定されている。
【0020】
上下移動部品18の下部は直角に2箇所曲がった部分18Aがあり、その曲げがあることによって、上下移動部品18は下側の固定部品17の長方形の穴17Aを一部分しか通らず、重力が与えられている状況下において、下方向へ落下せずに停止している。また、扉正面側から見た際には、上側の施錠用ピン19と下側の施錠用ピン19は異なる垂直軸線上に位置している。
【0021】
さらに、上下移動部品18またはそれに取り付いている部品に外力が加えられ、上方向に移動した際には、ストッパー部品20は上側の固定部品の長方形の穴17Aを通らず、上への移動が抑制される。すなわち、上下移動部品18の上下の移動距離、上限位置、下限位置は部品形状によって定められている。
【0022】
図5の(A)と(B)は、畜舎本体1に右側の扉15が取り付いた状態の、施錠時および開錠時の側面図で、図5(A)は扉が閉まり、1次施錠、2次施錠がなされている状態を示しており、図5(B)は1次施錠、2次施錠が開錠され、扉が若干開いている状態を示している。
【0023】
上下移動部品18に取り付いている施錠用ピン19は、左右逆向きに取り付いているが、上下共に同形状となっている。上下の施錠用ピン19は上下移動部品18に取り付いて固定されている為、上下移動部品18が上下移動した際にも、上下共に同じ動きとなる。また、扉側面側から見た際の施錠用ピン19の中心軸は同垂直軸線上となっている。上側1次施錠部品8と下側1次施錠部品3の施錠部形状は同じになっており、扉側面側から見た際には、上側の施錠用ピン19と上側1次施錠部品8の位置関係と、下側の施錠用ピン19と下側1次施錠部品3の位置関係は同じとなっている。そのため、上側の施錠用ピン19が移動し、上側1次施錠部品8に1次施錠される際には、下側の施錠用ピン19も同様に移動し、下側1次施錠部品3に1次施錠されることとなり、上下反対の状況においても同様の動きとなる。
【0024】
図6の(A)、(B)、(C)、(D)は、畜舎本体1に取り付いた、扉15またはそれに取り付いている部品に外力が加わり、扉が閉まる方向に回転した際に、1次施錠、2次施錠が行なわれる段階を示した側面図を表している。
【0025】
図6(A)は扉15が少し開いた状態の図を示している。上下移動部品18と施錠用ピン19は、重力により最下位置で止まっており、2次施錠部品11と開錠部品13は1次施錠部品8の受け部分8Aに当たり、図の位置で停止している。
【0026】
図6(B)は、図6(A)から扉15が閉じる方向に回転した状態を表している。上下移動する施錠用ピン19が、1次施錠部品8の斜面8Bを上がり、回動自在な開錠部品13を上に押し上げている。
【0027】
図6(C)は、図6(B)から扉15が閉じる方向に回転した状態を表している。施錠用ピン19は1次施錠部品8の斜面8Bを上がりきり、その隣にある溝8Cへ落下しているところであり、開錠部品13は施錠用ピン19に押されて回転し、開錠部品13の曲げ部分13Aは2次施錠部品11の端面11Aに当たり、連動して2次施錠部品11も回転している。前記の通り、施錠用ピン19は上下移動するが、1次施錠部品8や開錠部品13を乗り越えないように、上限位置が定められている。
【0028】
図6(D)は、図6(C)から扉15が閉じる方向に回転し、1次施錠、2次施錠が行われたところを示している。施錠用ピン19は重力によって落下し、1次施錠部品8の溝8Cへはまることで、施錠用ピン19の前後運動が抑制され1次施錠が完了し、開錠部品13に連動して回転してきた2次施錠部品11が施錠用ピン19の上へ落下し、施錠用ピン19が2次施錠部品11の溝部分にはまる事によって、施錠用ピン19の上下運動が抑制され2次施錠が完了となる。
【0029】
図7の(A)、(B)、(C)、(D)は、畜舎本体1に取り付いた、1次施錠、2次施錠がなされている扉15が、開錠される段階を示した側面図を表している。
【0030】
図7(A)は1次施錠、2次施錠がなされている状態を示している。施錠用ピン19が1次施錠用部品8の溝8Cにはまり込み、施錠用ピン19の前後移動が抑制されることで1次施錠がなされており、施錠用ピン19の上に2次施錠用部品11の溝部分が覆いかぶさっていることで、施錠用ピン19の上下移動が抑制され、2次施錠がなされている。
【0031】
図7(B)は2次施錠部品11を手で引くなどして、軸ピン22を中心に回転させた図を示している。2次施錠部品11を持ち上げる事で2次施錠が開錠され、さらに回転していくと、2次施錠部品11の端面11Aが開錠部品13の曲げ部分13Aにぶつかり、開錠部品13は2次施錠部品11に連動して回転する。さらには開錠部品13が施錠用ピン19と接触して、施錠用ピン19を持ち上げる。
【0032】
図7(C)は、図7(B)よりさらに2次施錠部品11が回転していった状態を示している。施錠用ピン19は開錠部品13に押し上げられる。施錠用ピン19は前記の通り、開錠部品13を乗り越えないように上限位置が定められている為、開錠部品13に押し出され、1次施錠部品8の溝8Cから抜け出し、1次施錠も開錠される。さらには、押し出された施錠用ピン19は1次施錠部品8の斜面8Bを滑り降りて、扉15が開く。
【0033】
図7(D)は、図7(C)よりさらに開錠部品13が回転し、扉15が開いた状態を示している。扉15に開く方向へ力が加わった事で、扉15が開き、施錠用ピン19は1次施錠部品8の斜面8Bを滑りきり、2次施錠部品11と開錠部品13は重力によって、1次施錠部品8の受け部分8Aに当たり停止している。扉の開閉が可能となり、施錠機構は図6(A)で示した状態と同じ状態に戻る為、再び扉を閉めて施錠することが可能となる。
【0034】
図8は下側1次施錠部品4に、2次施錠部品と開錠部品を取り付けた際の、分解斜視図を示している。軸ピン22は、開錠部品13と2次施錠部品11と座金21の穴を通り、下側1次施錠部品4に固定されており、開錠部品13と2次施錠部品11と座金21は、水平軸線回りに回動自在となっている。同様に左右対称形状となっている反対側も、軸ピン22は開錠部品12と2次施錠部品10と座金21の穴を通り、下側1次施錠部品4に固定されており、開錠部品12と2次施錠部品10と座金21は、水平軸線回りに回動自在となっている。
【0035】
図8で示したように、下側に2次施錠部品10および11、開錠部品13を取り付けたときも、上側に取り付けたときと同様の機能を果たす事が出来るようになっている。
【0036】
図9は本発明を使用した畜舎を、同じ向きで縦に重ねた状態の正面図を示している。上下の畜舎の、奥行位置と左右の位置は同じとなっている。また、図9の上側の畜舎には下側に2次施錠部品と開錠部品が取り付いており、下側の畜舎には上側に2次施錠部品と開錠部品が取り付いているが、上下の畜舎の施錠機能は同じとなっている。
【0037】
畜舎を重ねた場合においても、上下の扉14および15は、支障なく開閉することでき、各畜舎の上下の施錠用ピン19は扉正面側から見た際に同垂直線上となっていないことで、上下移動部品18が上下に移動した際にも衝突することなく、扉の施錠および、開錠を行なう事が出来る。
【0038】
図10は柱が設置されていない畜舎本体1に取り付いた扉14と扉15が、開いている状態の全体斜視図を示している。左右の扉が開いた際には、畜舎前面の開口部には障害物もなくなり、空間が開放されるため、動物の出し入れがしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係わる施錠機構を備えた扉を、観音開きに2枚取り付けた状態の、柱が設置されていない畜舎の全体斜視図である。
【図2】扉を取り付ける前の畜舎本体の斜視図を示している。
【図3】上側1次施錠部品に、2次施錠部品と開錠部品を取り付けた場合の、分解斜視図を示している。
【図4】畜舎本体に取り付ける前の、右側の扉の斜視図である
【図5】(A)、(B)畜舎本体に右側の扉が取り付いた状態の、施錠時および開錠時の側面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)、(D)畜舎本体に取り付いた扉が、閉まる方向に回転した際に、1次施錠、2次施錠が行なわれる段階を示した側面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)、(D)畜舎本体に取り付いた、1次施錠、2次施錠がなされている扉が、開錠される段階を示した側面図である。
【図8】下側1次施錠部品に、2次施錠部品と開錠部品を取り付けた際の、分解斜視図を示している。
【図9】本発明を使用した畜舎を、同じ向きで縦に重ねた状態の正面図を示している。
【図10】柱が設置されていない畜舎本体に取り付いた扉が、開いている状態の全体斜視図を示している。
【符号の説明】
【0040】
1 畜舎本体
2 ヒンジ部品
3、4 下側1次施錠部品
5 取付部品
6、8 上側1次施錠部品
8A 上側1次施錠部品の受け部
8B 上側1次施錠部品の斜面
8C 上側1次施錠部品の溝
10、11 2次施錠部品
11A 2次施錠部品の端面
12、13 開錠部品
13A 開錠部品の曲げ部
14、15 扉
17 固定部品
17A 固定部品の長方形穴
18 上下移動部品
18A 上下移動部品の曲げ部
19 施錠用ピン
20 ストッパー部品
21 座金
22 軸ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畜舎本体と、この畜舎本体前面に開閉自在に取り付けられた扉において、この扉を施錠する施錠機構と、この扉を開錠する開錠機構を備え、前記扉のヒンジ部は垂直軸線回りに回動自在に取り付けられており、前記扉には、上下に移動自在に取り付けられた移動部品を備え、この移動部品には上下に一対の施錠用ピンを備え、前記畜舎本体前面の上下には、前記施錠用ピンにそれぞれ対応した1次施錠部品を備え、前記畜舎本体前面の上下いずれかに水平軸線回りに回動自在である2次施錠部品と、水平軸線回りに回動自在である開錠部品を備えており、手で押すなどして扉を閉める方向に、扉または扉に取り付けられた部品に外力が与えられる際には、扉が回転しその外力と、各部品に与えられる重力によって1次施錠がなされると共に、2次施錠部品が連動し2次施錠がなされ、手で引くなどして2次施錠部品を回転させることで開錠部品が連動し、1次施錠および2次施錠を開錠することが出来ることを特徴とする畜舎の扉錠機構。
【請求項2】
畜舎本体と、この畜舎本体前面に開閉自在に取り付けられた扉において、この扉を施錠する施錠機構と、この扉を開錠する開錠機構を備え、前記扉のヒンジ部は垂直軸線回りに回動自在に取り付けられており、前記扉には、上下に移動自在に取り付けられた移動部品を備え、この移動部品には上下に一対の施錠用ピンを備え、前記畜舎本体前面の上下には、前記施錠用ピンにそれぞれ対応した1次施錠部品を備え、前記畜舎本体前面の上下いずれかに水平軸線回りに回動自在である2次施錠部品と、水平軸線回りに回動自在である開錠部品を備えており、上下移動部品に取り付いている施錠用ピンは、上部に取り付いているものと、下部に取り付いているものが、扉正面側から見た際には同一垂直線上に重ならない位置に取り付けられており、前記畜舎を同じ向きで縦に重ねて設置した際、また前記畜舎を同じ向きで縦に重ねて設置して上下移動部品が上下移動をした際には、下側畜舎の上部施錠用ピンおよび上下移動部品と、上側畜舎の下部施錠用ピンおよび上下移動部品が衝突する事がないことを特徴とする畜舎の扉錠機構。
【請求項3】
開口部に柱が設置されていない畜舎本体と、この畜舎本体前面の左右に、観音開きに開閉自在に取り付けられた扉を備え、前記左右の扉にはそれぞれ対応した前記施錠機構を左右対称に備えたことを特徴とする請求項1,2いずれか1項に記載の畜舎の扉錠機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−68791(P2010−68791A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267946(P2008−267946)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(592022903)株式会社ヨシカワ (4)
【Fターム(参考)】