説明

番組選択装置、番組選択方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び集積回路

【課題】視聴者が番組を選択する際、複数の番組の中から所望の番組を直接的に選択することが可能な番組選択装置を提供すること。
【解決手段】マルチメディア(映像・音声)と、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTransport Streamとした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積する番組選択装置100であって、蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブル108を生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブル108を更新する地理座標取得手段107と、地理座標が記録された記録媒体から地理座標110を読み取る地理座標読取手段109と、地理座標取得手段107で取得した地理座標と地理座標読取手段109で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段111と、地理座標比較手段111の比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択手段112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送およびメディアにおける番組および映像選択システムに関し、特に、複数の番組および映像の中から所望の番組および映像を選択する番組選択装置、番組選択方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送はアナログ技術からデジタル技術への転換という変革期を迎えており、BS、CSをはじめとする衛星放送だけでなく、地上波放送のデジタル化が進んでいる。デジタル放送では、従来のアナログ放送に比べ高画質・高音質のハイビジョン放送にとどまらず、様々な情報を電波に乗せて送るデータ放送、時間帯によってハイビジョン放送や複数の標準テレビ放送を組み合わせて放送するマルチ編成などといった多くのサービスが特徴である。また、デジタル化されたことで電波の使用効率が向上し、多くの情報の送信が可能になったことにより、急速に多チャンネル化が進んでいる。
【0003】
しかし、チャンネル数が増えることで、視聴者が所望する番組選択が困難となるため、複数のチャンネルの中から所望の番組を選択する技術が要望されている。
複数のチャンネルの中から所望の番組を選択する従来の技術としては、各映像の空間情報と各映像の相関関係を示す情報とチャンネル番号を関連付け、現在選択されている映像を元に視聴者に直感的に番組を選択させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−355676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、視聴者が所望する番組を選択するためには、現在選択されている映像を元に、あらかじめ用意された映像の相関関係をたどる必要があるため、所望の番組を選択するためには視聴者の複数回の操作が必要となるという課題を有していた。
本発明は、前記課題を解決するもので、番組選択の際に、視聴者が一度の操作で所望する番組の選択が可能な番組選択装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1の発明の番組選択装置は、放送局からマルチメディア(映像・音声)と、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTransport Stream(以下、TSと記載)とした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積する装置であって、蓄積されている番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新するための地理座標取得手段と、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取手段と、地理座標取得手段で取得した地理座標と地理座標読取手段で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段と、地理座標比較手段での比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択手段を備える。
【0006】
また、請求項2の発明の番組選択装置は、地理座標読取手段で読み取った地理座標を、視聴者の指定した方位、距離に従って修正する地理座標修正手段を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明の番組選択装置は、地理座標比較手段で視聴者が指定した距離以内の差異であれば一致と判断するように比較精度を変更する地理座標比較精度変更手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明の番組選択装置は、地理座標読取手段で読み取った地理座標を記憶し、前記地理座標取得手段により番組地理情報テーブルが更新される毎に、前記地理座標比較手段で地理座標を比較することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明の番組選択装置は、マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納したタイトル情報をひとつのTSとした複数のタイトルが含まれているメディアを読み取り、タイトル情報を蓄積する番組選択装置であって、蓄積されたタイトル情報から地理座標を取得しタイトル地理情報テーブルを生成し、以降タイトル情報が更新される毎にタイトル地理情報テーブルを更新する地理座標取得手段と、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取手段と、地理座標取得手段で取得した地理座標と地理座標読取手段で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段と、地理座標比較手段の比較結果が一致したタイトルを選択する地理座標タイトル選択手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項6の発明の番組選択方法は、蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項7の発明の番組選択プログラムは、蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項8の発明の番組選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項9の発明の番組選択装置用の集積回路は、蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得部と、地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取部と、前記地理座標取得部で取得した地理座標と前記地理座標読取部で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較部と、前記地理座標比較部の比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明における番組選択装置によれば、放送局が番組情報に地理座標を格納した複数の番組を放送する、もしくは、メディアのタイトル情報に地理座標を格納した複数のタイトルをメディアに記録し、視聴者が視聴したい場所の地理座標を記録した記録媒体を保持することで、視聴者は、記録媒体に記録された地理情報を番組選択装置に読み取らせるだけで、複数の番組およびタイトルの中から視聴者が所望する番組およびタイトルを直接的に選択することが出来る。
また、記録媒体から読み取った地理座標を修正可能とすることで、柔軟に視聴者が所望する番組を選択することが出来る。
また、記録媒体から読み取った地理座標の比較精度を変更可能とすることで、視聴者が選択可能な番組の幅が広がる。
また、記録媒体から読み取った地理座標を記憶することで、番組地理情報テーブルが更新される毎に地理座標を比較することが出来、視聴者が所望する番組を継続的に監視することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図である。番組選択装置100は、放送局からマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組のデジタル信号をアンテナから受信し、受信したデジタル信号を復調するチューナー101と、受信したTSからMPEG2信号や番組情報などの付加情報を取り出すTSデコード部102と、TSデコード部102で取り出されたMPEG2信号のAVデータ(映像データと音声データ)の同期を取りながら復号するAVデコード部104と、復号されたAVデータをディスプレイやスピーカーに出力するAV出力部105と、TSデコード部で取り出されたセクションを解析して、番組配列情報(SI)に含まれる番組情報を番組情報記憶部106に登録するセクション解析部103と、番組情報記憶部106に登録されている番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブル108を生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブル108を更新する地理座標取得手段107と、記録媒体に記録されている地理座標を読み取り、番組選択装置内部に地理座標110を取り込む地理座標読取手段109と、地理座標取得手段107で取得した地理座標と地理座標読取手段109で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段111と、比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択手段112と、リモートコントローラ等による視聴者からの操作を受け付ける操作受付部113と、操作受付部で視聴者からの操作を受け付けた結果、番組を選択する番組選択手段114と、からなっている。
【0016】
番組配列情報(SI)201は、MPEG2-SYSTEMで標準化された伝送制御信号であり、チューニング情報、番組タイムスケジュール情報、そして、有料放送に関する情報などマルチメディアを制御するために必要な情報を含む。図2には、番組情報203をEIT(Event Information Table)202に含めた構成を示す。番組情報205は、EITのdescriptor204に含められる。
番組情報205は、番組を特定する情報から構成され、番組を識別する番組ID206と、番組名207と、番組の開始時間208と、番組に含まれる映像の地理座標種別209と、地理座標210、などから構成される。
【0017】
図3は、図2に記載した地理座標種別の一覧を示す。地理座標種別には、GPSから取得した緯度および経度情報やサービス提供者作成の情報のような、地理座標の種別を定義する。サービス提供者作成の情報とは、座席位置、競技場内の論理位置のように、サービス提供者が独自に定義できる情報を意味する。本実施の形態1では、図3より、GPSから取得した緯度および経度を使用する。なお地理座標種別は、地理座標の種別を特定出来るデータであれば、図3に定義した値、形式や種類に依存しない。
また図2より、GPSから取得した緯度および軽度を使用する際、地理座標210の単位はdms度分秒単位を使用しているが、他の単位を使用しても良い。
【0018】
本発明の実施の形態1では、放送局からマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信する上記構成からなる番組選択装置において、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標が、番組の番組情報に格納されている地理座標の近傍に存在する場合であって、例えば視聴者が体感したサッカー観戦の臨場感を自宅で再現する場合を説明する。
【0019】
図4は、マルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物(サッカー場)300とその周囲のカメラの位置関係を示す斜視図である。サッカー場300の周囲には、8台のカメラ(カメラ301〜カメラ308)が設置されており、例えば視聴者はある座席位置309から観戦しているとする。図5に示すように、それぞれのカメラには、カメラを識別するカメラ番号と、カメラ位置を示す地理座標が割り当てられている。また、カメラで撮影された映像には番組IDが割り当てられ、映像には撮影したカメラ位置を示す地理情報が番組情報に付加される。本実施の形態1では、図4のように、カメラ301からカメラ308が同一の撮影対象であるサッカー場300を撮影する場合、番組ID1-1から番組ID1-8までの合計8チャンネルから構成されるマルチチャンネルでサッカー場の映像が放送される。
【0020】
図6は、図4のマルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物(サッカー場)300とその周囲のカメラの位置関係を示す斜視図の座標を示したイメージ図である。視聴者の座席位置とカメラの位置を結んだ直線距離を点線401〜408で表している。なお、点線401は図4で示しているところの、視聴者の座席位置309とカメラ301を結んだ直線距離を表しており、その他も同様に、図4の視聴者の座席位置309とカメラ302〜308の各々を結んだ直線距離を表している。また、視聴者の座席位置は、経度:132度10分58秒5000、緯度:36度00分35秒5000とする。
【0021】
図7は、地理座標取得手段107から生成された番組地理情報テーブル108の詳細を表す。番組地理情報テーブル108は、番組情報から取得した番組ID701、地理座標種別702、地理座標703の情報を保持する。
【0022】
次に、本発明の実施の形態1に関わる動作を図8〜10のフローチャートに基づいて説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における、視聴者が所望する番組を選択するフローチャートであり、他の実施の形態においても基本となるものである。番組選択装置では、アンテナから受信した複数の番組の番組情報に格納されている地理座標を取得する(ST1000)。また、一方では、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標を読み取る(ST2000)。これらの処理は、非同期に実行される。それぞれ地理座標を取得した後、その番組から取得した地理座標と記録媒体から読み取った地理座標を比較し、比較結果が一致する番組を選択する(ST3000)。
【0023】
図9は、番組の番組情報に格納されている地理座標を取得する処理(図8のST1000)に関する詳細なフローチャートである。まず、複数の番組をアンテナから受信し(ST1001)、受信した番組の番組情報を取得し、番組情報記憶部106に登録する(ST1002)。次に、登録した番組情報記憶部106の番組情報に含まれている地理座標を地理座標取得手段107で取得し、番組地理情報テーブル108を生成する(ST1003)。なお、上記処理においては、番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブル108を更新する。
【0024】
図10は、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標を読み取る処理(図8のST2000)に関する詳細なフローチャートである。なお、この処理は、視聴者がサッカー観戦において、座席位置の地理座標を記録媒体に記録していることを前提とする。番組選択装置100が記録媒体を検知した場合(ST2001のY)、記録媒体に記録されている地理座標を地理座標読取手段109で読み取る(ST2002)。番組選択装置100が記録媒体を検知しなかった場合(ST2001のN)は、検知するまで記録媒体に記録されている地理座標を読み取ることは出来ない。
【0025】
図11は、番組の番組情報に格納されている地理座標と記録媒体から読み取った地理座標を比較し、比較結果が一致する番組を選択する処理(図8のST3000)に関する詳細なフローチャートである。まず、図8のST1000(図9)および図8のST2000(図10)で取得した、番組の番組情報に格納されている地理座標と記録媒体から読み取った地理座標を地理座標比較手段111で比較する(ST3001)。その際、記録媒体から読み取った地理座標110に最も近い地理座標を持つ番組IDを選択する(ST3002)。例えば、記録媒体から読み取った地理座標110が経度:132度10分58秒5000、緯度:36度00分35秒5000の場合、図7より、最も近い地理座標を持つ映像は番組ID1-1の経度:132度10分58秒0000、緯度:36度00分35秒0000であるため、番組ID1-1が選択される。番組IDが選択されると、番組IDに対応する番組情報を番組情報記憶部106から取り出す(ST3003)。取り出した番組情報に対応するAVデータ(映像データと音声データ)が同期を取りながらAVデコード部104で復号され、AV出力部105によりAVデータがディスプレイやスピーカーに出力される(ST3004)。
【0026】
最も近い地理座標を判断する方法は、例えば、経度と緯度から、記録媒体から読み取った地理座標110と、番組地理情報テーブル108に存在する各々の番組IDの地理座標703の距離を求める方法がある。まず、GPSの緯度経度の精度は、赤道面の半径が6378137.00m、極方向の半径が6356752.31mとして計算される場合、経度の1秒あたりの距離は約30.9m、緯度の1秒あたりの距離は24.7mとなる。これらの値から、図6を参考に距離を計算する。はじめに、点線401の距離の求め方を示す。まず、経度方向の1マスの距離は1/2秒より15.45m、緯度方向の1マスの距離は1/2秒より12.35mである。つまり、点線401の距離は√{(15.45)2+(12.35)2}より約19.78mとなる。同様に、点線402の距離は約29.14m、点線403の距離は約63.66m、点線404の距離は約77.21m、点線405の距離は約124.54m、点線406の距離は約110.93m、点線407の距離は約108.85m、点線408の距離は約47.97mとなり、視聴者の座席位置309に最も近い距離は19.78mの点線401となり、カメラ301が持つ地理座標が視聴者の座席位置309に最も近いということが判断出来る。つまり、カメラ301の映像を持つ番組ID1−1が選択されることとなる。なお、最も近い地理座標を判断する方法は、この方法に限定されるものではない。
【0027】
なお、実施の形態1では、地理座標種別がGPSから取得した緯度および経度の場合を示したが、サービス提供者が作成した情報(ある空間における空間位置や座席番号等)の場合でも、同様に最も近いカメラを判定する。また、記録媒体から読み取った地理座標と番組の番組情報に格納されている地理座標が一致する場合も含まれる。
【0028】
以上説明したように、番組選択装置がサッカー観戦時に記録した視聴者の地理座標を記録媒体から読み取ることで、番組の番組情報に格納されている地理座標と記録媒体から読み取った地理座標を比較し、記録媒体から読み取った地理座標に最も近い地理座標を持つ映像を選択することが可能となり、視聴者がサッカー観戦で体感した近傍の視点での臨場感を自宅で味わうことが出来る。
【0029】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1と同様、放送局からマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信する番組選択装置において、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標が、番組の番組情報に格納されている地理座標の近傍に存在する場合であって、例えば視聴者が体感したサッカー観戦の臨場感を自宅で再現する場合に、視聴者が体感した視点の映像とは異なる視点からの映像を視聴したい場合を説明する。なお、図4のマルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物300とその周辺のカメラの地理座標を示す斜視図および、図5のカメラ番号と地理座標の組み合わせを示したイメージ図、図6のマルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物とその周囲のカメラの位置関係を示す斜視図の座標を示したイメージ図、図7の番組地理情報テーブルを表す図は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0030】
図12は、実施の形態2における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図である。基本的に、図1と同様であるが、記録媒体から読み取った地理座標を、視聴者の指定した方位、距離に従って修正する地理座標修正手段115を備える構成となっている。
【0031】
次に、本発明の実施の形態2に関する動作を図13のフローチャートに基づいて説明する。なお、番組の番組情報に格納されている地理座標の取得フローチャート(図9)、記録媒体に記録されている地理座標の読み取りフローチャート(図10)、地理座標の比較および番組選択のフローチャート(図11)に関しては、実施の形態1で示した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0032】
図13は、地理座標修正手段115を備えることによる、地理座標修正処理に関するフローチャートである。なお、この処理は、番組選択装置が、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標を読み取っていることを前提とする。また、この地理座標修正処理のタイミングは、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標の読み取り時に行っても良いし、番組選択後に行っても良い。まず、視聴者から保持していた地理座標を修正する指示を受けた場合(ST4001のY)、例えばリモートコントローラから方位と距離が入力されると(ST4002)、その指示に従い、記録媒体から読み取った地理座標を修正する(ST4003)。視聴者から保持していた地理座標を修正する指示を受けなかった場合(ST4001のN)は、処理は行わない。
【0033】
以上説明したように、上記実施の形態1の基本構成に、記録媒体から読み取った地理座標を修正する手段を追加することで、視聴者がサッカー観戦で体感した臨場感とは異なる視点からサッカー観戦を楽しむことが出来る。
【0034】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、放送局からマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信する番組選択装置において、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標が、番組の番組情報に格納されている地理座標の近傍に存在しない場合であって、例えば番組録画や番組視聴の際に、視聴者が訪れた場所やその周辺の映像が放送されている番組を選択する場合を説明する。
【0035】
図14は、実施の形態3における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図である。基本的に、図1と同様であるが、地理座標の比較において、視聴者が指定した距離以内の差異であれば一致と判断するように比較精度を変更する地理座標比較精度変更手段116を備える構成となっている。
【0036】
一日のうちに放送される複数の番組の番組情報は、例えば図15の番組のロケ地と地理座標の組み合わせを示したイメージ図に示すように、鳩時計台で撮影した映像は経度:140度15分24秒1234、緯度:44度00分98秒5678、ガラス民芸村で撮影した映像は経度:124度10分05秒0123、緯度:26度00分35秒4567、というように、ロケ地に対応する地理座標を持っており、それぞれの番組は、番組ID1から番組IDNまでの複数の番組で放送されるものとする。
図16では、地理座標取得手段107から生成された番組地理情報テーブル108の詳細を表す。なお、ロケ地を表す地理座標は、一つの番組IDに複数含まれていても良い。
【0037】
次に、本発明の実施の形態3に関わる動作を図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、番組の番組情報に格納されている地理座標の取得フローチャート(図9)、記録媒体に記録されている地理座標の読み取りフローチャート(図10)、地理座標の比較および番組選択のフローチャート(図11)に関しては、実施の形態1で示した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
図17は、地理座標比較精度変更手段116を備えることによる、比較精度変更処理に関するフローチャートである。なお、この処理は、番組選択装置が、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標を読み取っていることを前提とする。また、この比較精度変更処理のタイミングは、視聴者が保持している記録媒体に記録されている地理座標の読み取り時に行っても良いし、番組選択後に行っても良い。まず、視聴者から保持していた地理座標の比較精度を変更する指示を受けた場合(ST5001のY)、例えばリモートコントローラから距離が入力されると(ST5002)、その指示に従い、記録媒体から読み取った地理座標から視聴者が指定した距離以内の差異がある地理座標は一致と判断するように比較精度を変更する(ST5003)。視聴者から保持していた地理座標の比較精度を変更する指示を受けなかった場合(ST5001のN)は、処理は行わない。
【0039】
以上説明したように、上記実施の形態1の基本構成に、地理座標の比較精度を変更する手段を追加することで、視聴者が訪れた場所やその周辺の映像が放送されている番組を選択することが出来る。
【0040】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、本発明の実施の形態1から3で説明した放送局からマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信する番組選択装置において、地理座標読取手段で読み取った地理座標を記憶し、番組地理情報テーブルが更新される毎に、地理座標の比較を行う場合を説明する。
実施の形態4における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図は、図1と同様である。
【0041】
次に、本発明の実施の形態4に関する動作を図18のフローチャートに基づいて説明する。なお、番組の番組情報に格納されている地理座標の取得フローチャート(図9)、記録媒体に記録されている地理座標の読み取りフローチャート(図10)、地理座標の比較および番組選択のフローチャート(図11)に関しては、実施の形態1で示した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
図18は、番組地理情報テーブルの更新状態監視処理に関するフローチャートである。まず、読み取った地理座標を記憶する(ST6001)。次に、番組地理情報テーブルが更新されるかを監視し、番組地理情報テーブルが更新された場合(ST6002のY)、処理を終了する。番組地理情報テーブルが更新されない場合(ST6002のN)、番組地理情報テーブルが更新されるまで、監視を続ける。
【0043】
以上説明したように、地理座標読取手段で読み取った地理座標を記憶することで、番組地理情報テーブルが更新される毎に地理座標を比較することが出来、視聴者が所望する番組を継続的に監視することが出来る。
【0044】
(実施の形態5)
実施の形態1から4では、デジタル放送での番組選択装置について説明したが、番組選択装置はこれに限定されるものではなく、番組の番組情報に格納される地理座標をメディアに含む番組選択装置であっても良い。
【0045】
図19は、実施の形態5における、メディアでの番組選択装置の機能ブロック図である。番組選択装置500は、メディアからマルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納したタイトル情報を取得し、取得したAVデータの同期を取りながら復号するAVデコード部501と、復号されたAVデータをディスプレイやスピーカーに出力するAV出力部502と、タイトル情報を登録するタイトル情報記憶部503と、タイトル情報記憶部503に登録されているタイトル情報から地理座標を取得しタイトル地理情報テーブル505を生成する地理座標取得手段504と、記録媒体に記録されている地理座標を読み取り、番組選択装置内部に地理座標507を取り込む地理座標読取手段506と、地理座標取得手段504で取得した地理座標と地理座標読取手段506で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段508と、比較結果が一致した番組を選択する地理座標タイトル選択手段509と、リモートコントローラ等による視聴者からの操作を受け付ける操作受付部510と、操作受付部で視聴者からの操作を受け付けた結果、タイトルを選択するタイトル選択手段511と、からなっている。
【0046】
なお、上記には基本構成となる図19のみを説明したが、実施の形態2から実施の形態4に記載した地理座標読取手段で読み取った地理座標を、視聴者の指定した方位、距離に従って修正する地理座標修正手段、地理座標比較手段で視聴者が指定した距離以内の差異であれば一致と判断するように比較精度を変更する地理座標比較精度変更手段を追加することも可能である。また、地理座標を取得してからタイトルを選択するまでの処理は、番組を放送で受信するか、メディアから取得するかの相違以外は、実施の形態1から4に記載した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0047】
(実施の形態1〜実施の形態5の第1の補足事項)
上記実施の形態に基づいて説明してきたが、現状において最善の効果が期待出来るシステム例として提示したに過ぎない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で変更実施することが出来る。
番組選択装置の地理座標読取手段は、SDスロットのような物理的なコネクタでも良いし、非接触ICカードのリーダ・ライタや、赤外線および無線受信部等であっても良い。
(実施の形態1〜実施の形態5の第2の補足事項)
また、TSのエンコード方法は、MPEG2でも良いし、MPEG1やMPEG4、MPEG7を用いても良い。
(実施の形態1〜実施の形態5の第3の補足事項)
また、番組の番組情報に格納されている地理座標は、番組配列情報(SI)のEITに含めても良いし、PMT(Program Map Table)やSDT(Service Description Table)に含めても良く、SIの種類に依存するものではない。また、ある周期で同じデータを繰り返し送信するDSM-CC(Digital Storage Media-Command and Control)に含めても良い。
(実施の形態1〜実施の形態5の第4の補足事項)
また、番組の番組情報に格納されている地理座標は、1〜2週間前から送信されるEPGデータの中に含まれても良い。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる番組選択装置、番組選択方法、番組選択プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、集積回路は、複数の番組の中から視聴者が所望する番組を直接的に選択可能な番組選択装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図
【図2】番組情報をEITに含めた場合の番組配列情報の構成図
【図3】地理座標種別の例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1および実施の形態2における、マルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物とその周囲のカメラの位置関係を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態1および実施の形態2における、カメラ番号と地理座標の組み合わせを示したイメージ図
【図6】本発明の実施の形態1および実施の形態2における、マルチアングルで多方向から撮影される撮影対象物とその周囲のカメラの位置関係を示す斜視図の座標を示したイメージ図
【図7】本発明の実施の形態1および実施の形態2における、番組地理情報テーブルを表す図
【図8】本発明の実施の形態1における、視聴者が所望する番組を選択するフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における、番組の番組情報に格納されている地理座標の取得フローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における、記録媒体に記録されている地理座標の読み取りフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1における、地理座標の比較および番組選択のフローチャート
【図12】本発明の実施の形態2における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図
【図13】本発明の実施の形態2における、記録媒体に記録されている地理座標の修正フローチャート
【図14】本発明の実施の形態3における、デジタル放送での番組選択装置の機能ブロック図
【図15】本発明の実施の形態3における、番組のロケ地と地理座標の組み合わせを示したイメージ図
【図16】本発明の実施の形態3における、番組地理情報テーブルを表す図
【図17】本発明の実施の形態3における、記録媒体に記録されている地理座標の比較精度変更フローチャート
【図18】本発明の実施の形態4における、番組地理情報テーブルの更新状況監視フローチャート
【図19】本発明の実施の形態5における、メディアでの番組選択装置の機能ブロック図
【符号の説明】
【0050】
100 番組選択装置
107 地理座標取得手段
108 番組地理情報テーブル
109 地理座標読取手段
110 地理座標
111 地理座標比較手段
112 地理座標番組選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディア(映像・音声)と、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTransport Stream(以下、TSと記載)とした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積する番組選択装置であって、
蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得手段と、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取手段と、
前記地理座標取得手段で取得した地理座標と前記地理座標読取手段で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段と、
前記地理座標比較手段の比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択手段とを備えることを特徴とする番組選択装置。
【請求項2】
前記地理座標読取手段で読み取った地理座標を、視聴者の指定した方位、距離に従って修正する地理座標修正手段を備えることを特徴とする、請求項1記載の番組選択装置。
【請求項3】
前記地理座標比較手段で視聴者が指定した距離以内の差異であれば一致と判断するように比較精度を変更する地理座標比較精度変更手段を備えることを特徴とする、請求項1記載の番組選択装置。
【請求項4】
前記地理座標読取手段で読み取った地理座標を記憶し、前記地理座標取得手段により番組地理情報テーブルが更新される毎に、前記地理座標比較手段で地理座標を比較することを特徴とする、請求項1記載の番組選択装置。
【請求項5】
マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納したタイトル情報をひとつのTSとした複数のタイトルが含まれているメディアを読み取り、タイトル情報を蓄積する番組選択装置であって、
蓄積されたタイトル情報から地理座標を取得しタイトル地理情報テーブルを生成し、以降タイトル情報が更新される毎にタイトル地理情報テーブルを更新する地理座標取得手段と、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取手段と、
前記地理座標取得手段で取得した地理座標と前記地理座標読取手段で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較手段と、
前記地理座標比較手段の比較結果が一致したタイトルを選択する地理座標タイトル選択手段とを備えることを特徴とする番組選択装置。
【請求項6】
マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積する番組選択方法であって、
蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、
前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、
前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとを含むことを特徴とする番組選択方法。
【請求項7】
マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積するための番組選択プログラムであって、
蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、
前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、
前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積するための番組選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得ステップと、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取ステップと、
前記地理座標取得ステップで取得した地理座標と前記地理座標読取ステップで読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較ステップと、
前記地理座標比較ステップの比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
マルチメディアと、マルチメディアの内容に関連する地理座標を格納した番組情報をひとつのTSとした複数の番組を受信し、番組情報を蓄積する番組選択装置用の集積回路であって、
蓄積された番組情報から地理座標を取得し番組地理情報テーブルを生成し、以降番組情報が更新される毎に番組地理情報テーブルを更新する地理座標取得部と、
地理座標が記録された記録媒体から地理座標を読み取る地理座標読取部と、
前記地理座標取得部で取得した地理座標と前記地理座標読取部で読み取った地理座標とが一致するか比較する地理座標比較部と、
前記地理座標比較部の比較結果が一致した番組を選択する地理座標番組選択部とを備えることを特徴とする集積回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−34611(P2010−34611A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314777(P2006−314777)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】