説明

番組録画再生装置および番組録画再生方法

【課題】映像の粗さを目立たせることなく移動機用番組を再生できるようにする。
【解決手段】地上デジタル放送で送信される移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データとを記録手段に記録させ、記録手段に記録させる番組データが、移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを示す識別データを記録手段に記録させ、記録手段に記録されている識別データにしたがい番組データが移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを判定し、判定の結果に応じて映像サイズを変更して記録手段に記録されている番組データを用いて映像表示手段に映像を表示させ、かつ移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは固定受信機向け放送の番組データを用いるときよりも映像サイズを小さくして映像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送の番組の録画および再生を行う番組録画再生装置および番組録画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送や、BS(Broadcasting Satellite)放送、110度CS(Communication Satellite)放送といった衛星デジタル放送が実用化されていることに伴い、デジタル放送で送信される番組データを記録することによって番組の録画および再生を行う番組録画再生装置が普及している。
【0003】
ところで、地上デジタル放送では、日本国内においては、1つのチャンネルを13のセグメント(seg)に分割している。これにより、セグメント単位で帯域を利用できるようになっている。そして、多チャンネル放送では、1セグメント(チャンネル)を使った移動体受信機向けの放送(以下「1セグメント放送」といい、1seg(ワンセグ)ともいう)を行い、残りの12セグメントを使った固定受信機向けの1チャンネルのハイビジョン放送あるいは標準画質(SDTV)での3チャンネル放送を行うことができるようになっている。
【0004】
従来、デジタル放送で送信される番組データを記録する番組録画装置に関して、例えば特許文献1には、次のような番組録画装置が開示されている。この番組録画装置は、受信した番組データから分離した移動体受信機向け放送の番組の番組データ(移動機用番組データ)と、固定受信機向け放送の番組の番組データ(固定機用番組データ)とを記録媒体に記録して、固定受信機向け放送の番組と移動体受信機向け放送の番組とを双方とも再生できるようにしている。また、特許文献2には、1セグメント放送または12セグメント放送を受信し、1セグメント放送の番組を表示するときは画質を低さを目立たないように表示領域の大きさを変更する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−251803号公報
【特許文献2】特開2007−221695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、移動機用番組データと固定機用番組データとがたとえ同じ番組のデータであっても、移動機用番組データを用いて固定受信機向け放送用の表示装置に映像を表示すると、表示される映像の粗さが目立ってしまい、好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、移動機用番組データを用いて映像の粗さを目立たせることなく番組を再生できるようにした番組録画再生装置および番組録画再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、地上デジタル放送で送信される移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データとを記録手段に記録させる番組録画制御手段と、前記記録手段に記録させる番組データが、前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを示す識別データを前記記録手段に記録させる識別データ記録制御手段と、前記記録手段に記録されている前記識別データにしたがい前記番組データが前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを判定するデータ判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて映像サイズを変更して前記記録手段に記録されている番組データを用いて映像表示手段に映像を表示させ、かつ前記移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは前記固定受信機向け放送の番組データを用いるときよりも映像サイズを小さくして映像を表示させる再生制御手段とを有する番組録画再生装置を特徴とする。
【0009】
また、本発明は、地上デジタル放送で送信される移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データとを記録手段に記録させ、前記記録手段に記録させる番組データが、前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを示す識別データを前記記録手段に記録させ、前記記録手段に記録されている前記識別データにしたがい前記番組データが前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを判定し、前記判定の結果に応じて映像サイズを変更して前記記録手段に記録されている番組データを用いて映像表示手段に映像を表示させ、かつ前記移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは前記固定受信機向け放送の番組データを用いるときよりも映像サイズを小さくして映像を表示させる番組録画再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
以上詳述したように、本発明によれば、移動機用番組データを用いて映像の粗さを目立たせることなく番組を再生できるようにした番組録画再生装置および番組録画再生方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る番組録画再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】モバイル向け番組の同時録画処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】別のモバイル向け番組の同時録画処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】録画設定画面を示す図で、(a)はワンセグ録画あり、(b)はワンセグ録画無しを示す図である。
【図5】関連付け処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】番組リスト表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】別の番組リスト表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】ファイル名の一例を示す図である。
【図9】12セグメント放送用の番組リストの一例を示す図である。
【図10】1セグメント放送用の番組リストの一例を示す図である。
【図11】リモートコントローラの一例を示す図である。
【図12】再生制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】映像サイズの一例を示す図である。
【図14】EPGデータを用いてLCDパネルに表示される電子番組表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る番組録画再生装置100の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る番組録画再生装置100は、地上デジタル放送の番組の映像を表示する映像表示手段と、その番組の録画を制御する番組録画制御手段とを備えた据え置き型の固定受信機である。
【0014】
なお、本実施の形態に係る番組録画再生装置100は、移動体受信機向け放送である1セグメント放送の番組を受信し、固定受信機向け放送である12セグメント放送の番組を受信するようになっている。
【0015】
図1に示すように、番組録画再生装置100は、第1、第2のデジタルチューナ101、102と、第1、第2のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調回路103、104と、第1、第2の復号回路105,106と、OSD回路107とを有している。
【0016】
また、番組録画再生装置100は、D/Aコンバータ108と、LCD(Liquid Crystal Display)109と、スイッチ(SW)110と、メモリ111とを有している。
【0017】
さらに、番組録画再生装置100は、CPU112と、HDD113と、USB(Universal Serial Bus)ポート114、カードスロット115、EPGデコード部116、通信I/F117およびLAN端子118を有している。
【0018】
第1、第2のデジタルチューナ101、102は、地上デジタル放送用のアンテナATが受け取った放送波が供給される。そして、デジタルチューナ101,102はそれぞれアンテナATから供給される放送波から、指定されたチャンネルに対応する所定周波数の信号成分を選択して受信する受信処理を行い、第1、第2の復調回路103、104に出力する。
【0019】
ここで、第1のデジタルチューナ101は12セグメント放送の放送波を受信する受信手段、第2のチューナ102は1セグメント放送の放送波を受信する受信手段である。また、12セグメント放送とは、1つのチャンネルを複数のセグメント(13のセグメント)に分割したうちの12セグメントを用いる地上デジタル放送、1セグメント放送とは、1つのセグメントを用いる地上デジタル放送である。
【0020】
第1、第2のOFDM復調回路103、104は、それぞれ第1、第2のデジタルチューナ101、102によって抽出された信号成分について、所定の復調処理を施し、さらに誤り訂正等の処理を施して、それぞれ番組データ(詳しくはトランスポートストリーム:Transport Stream)を生成する。生成される番組データ(トランスポートストリーム)はそれぞれ第1、第2の復号回路105,106に入力される。
【0021】
第1、第2の復号回路105,106は、それぞれ入力されるトランスポートストリームに復号化処理を施してデジタル映像信号およびデジタル音声信号を生成する。ここで、第1の復号回路105は12セグメント放送用、第2の復号回路106は1セグメント放送用である。
【0022】
OSD回路107は、入力されるデジタル映像信号について、OSD(On Screen Display)信号を重畳して、D/Aコンバータ108に出力する。このOSD信号は、CPU112が生成している。
【0023】
D/Aコンバータ108は、入力されるデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換して出力する。LCDパネル109は、アナログ映像信号を用いて視聴中の番組の映像を表示する映像表示手段である。
【0024】
そして、スイッチ110は各種の操作スイッチを有し、メモリ111はRAM、ROMなどを有している。ROMには、制御プログラムやCPU112が実行するプログラムが書き込まれている。RAMは、CPU112によるプログラムの実行に必要なワークエリアを提供し得るようになっている。
【0025】
CPU112は、メモリ111に記憶されている制御プログラムに従い上述の各モジュールを制御して、映像表示や音声出力などを統括する。また、CPU112は、後述する番組録画プログラムにしたがい作動して、後述するモバイル向け番組の同時録画を制御する番組録画制御手段としての機能を有している。CPU112は、モバイル向け番組の同時録画を行う場合、第1、第2のOFDM復調回路103、104によって復調された番組データを用いる。
【0026】
HDD(Hard Disk Drive)113は、第1、第2のOFDM復調回路103、104によって復調されたデータを地上デジタル放送の番組データとして記録する記録手段としての機能を有している。
【0027】
USBポート114は、USBケーブル203のコネクタを接続することができる。USBポート114には、USBケーブル203を介してUSB接続用のHDD201が接続される。
【0028】
カードスロット115は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)などのメモリカード202が差込まれ、その差込まれたメモリカード202に対するデータの読み書きを行う。メモリカード202には、携帯端末装置250向けの番組データなどが記録される。
【0029】
携帯端末装置250は、移動体受信機であって、例えば地上デジタル放送の番組を視聴可能な携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレーヤなどである。
【0030】
EPGデコード部116は、第1、第2のOFDM復調回路103、104によって復調された番組データから、重畳されている後述するEPGデータを分離抽出する。
【0031】
通信I/F117は、LAN端子118に接続される装置(例えばLAN対応のHDD202)との情報伝送を行う。
【0032】
LAN端子118は、イーサネットを用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。LAN端子118は、LAN対応の外付けHDD204等の機器が接続され、これらの機器と情報伝送を行うために使用される。
【0033】
次に、以上の構成を有する番組録画再生装置100におけるモバイル向け番組の同時録画について、図2,3を参照して説明する。図2はCPU112による番組録画プログラムにしたがったモバイル向け番組の同時録画処理の動作手順を示すフローチャート、図3は別の同時録画処理の動作手順を示すフローチャートである。CPU112は図2または図3に示すフローチャートに沿った動作を実行することによって、モバイル向け番組の同時録画処理を実行する。
【0034】
ここで、番組録画再生装置100におけるモバイル向け番組の同時録画とは、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送であるときに、その12セグメント放送の番組の番組データ(以下「12セグ番組データ」という)に加えて、その1セグメント放送の番組の番組データ(以下「1セグ番組データ」という)を同時にHDD113に記録することによって、携帯端末装置250向けに番組を録画することを意味している。
【0035】
CPU112はスイッチ110に備えられたスイッチや後述するリモコン400を用いた所定の操作によって、地上デジタル放送の番組の録画を実行するように指示されたときに図2または図3に示すフローチャートに沿って同時録画処理を実行する。
【0036】
CPU112は同時録画処理を開始すると、EPGデコード部116から取得される1セグメント放送のEPG(Electronic Program Guide)データと、12セグメント放送のEPGデータとを参照する(S1)。
【0037】
ここで、EPGデータは電子的な番組情報である。番組録画再生装置100は後述するSIを放送信号から分離し、そのSIに含まれるEPGデータを用いることにより、LCD109に例えば図14に示すような電子番組表120を表示することができる。
【0038】
デジタル放送では、EPGデータがサービス情報(SI:service information)として放送信号に重畳されている。SIには、デジタル放送の番組を視聴するために必要な情報や、EIT(Event Information Table)があり、EIT中にEPGデータが含まれている。
【0039】
EPGデータには、例えば、番組名(番組のタイトル)、番組のジャンル、番組開始時刻、番組終了時刻、番組内容のデータなどが含まれている。後述するS2では、番組名のデータを比較することによって、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送であるか否かを判定することができる。
【0040】
次に、CPU112は、1セグメント放送のEPGデータと12セグメント放送のEPGデータとを比較して判定手段としての動作を行い、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送であるか否かのサイマル判定を行う(S2)。
【0041】
例えば、上述のとおり、CPU112は、少なくとも番組名のデータの比較結果に基づいて、サイマル判定を行えばよいが、番組名、番組のジャンル、または放送時間の少なくとも1つに基づいて判定してもよい。番組名、番組のジャンル、放送時間の3つが一致するときは、サイマル放送である確率が高くなるため、番組名、番組のジャンル、放送時間の3つを用いると、サイマル判定を正確に行える。この場合、CPU112は、番組名などが完全一致の場合にサイマル放送であると判定すればよいが、完全一致でなく、例えば類似度90%以上の部分一致の場合にサイマル放送であると判定してもよい。
【0042】
そして、CPU112は、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送であると判定したときはS3に進むが、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送ではないと判定したときはS4に進む。
【0043】
CPU112は、S3に進むと同時録画処理を行い、12セグ番組データと、その12セグメント放送のサイマル放送であると判定された1セグ番組データとをともにHDD113に記録させる。ここでは、12セグ番組データと1セグ番組データとを同時にHDD113に記録しているが、例えば、記録開始時刻を同時にするほか、1セグ番組データの記録開始時刻を12セグ番組データよりも少し遅らせ、記録終了時刻が同じになるようにしてHDD113に記録してもよい。ここで、CPU112は、識別データ記録制御手段としての動作を行う。そして、12セグ番組データを記録させるときは12セグ番組データであることを示す識別データをHDD113に記録させ、1セグ番組データを記録させるときは1セグ番組データであることを示す識別データをHDD113に記録させる。
【0044】
CPU112は、S4に進むときは単独録画処理を行い、12セグ番組データだけをHDD113に記録させる。CPU112は、S3またはS4を実行すると、モバイル向け番組の同時録画処理を終了する。
【0045】
番組録画再生装置100が以上のようにしてモバイル向け番組の同時録画処理を実行することによって、1セグメント放送が12セグメント放送のサイマル放送であるときは、12セグ番組データと、そのサイマル放送の1セグ番組データとが自動的にHDD113に記録されるようになる。このとき、HDD113に記録される番組データは、12セグ番組データと、そのサイマル放送の1セグ番組データになるので、双方の番組データは同じ番組のデータとなる。そのため、番組録画再生装置100では、12セグ番組データと、同じ番組の1セグ番組データとを確実に記録してモバイル向け番組の録画を行うことができる。したがって、同じ番組の高レートの番組データと、低レートの番組データとを保持できるので、再エンコードなしに双方を使い分けることができる。
【0046】
この場合、例えば、1セグ番組データだけをHDD113からメモリカード202に移動させ、そのメモリカード202を携帯端末装置250に装着することで、12セグメント放送の番組と同じ番組を携帯端末装置250を用いて視聴することができる。
【0047】
12セグ番組データは1セグ番組データに比べてデータサイズが大きいため、メモリカード202に移動させ、携帯端末装置250で番組を視聴することには適さない。一方、1セグ番組データは12セグ番組データに比べてレートが低いため、番組録画再生装置100での番組の再生には適さない。しかし、12セグ番組データと、1セグ番組データとを同時に記録するだけでは、同じ番組の番組データを記録できないことがある。
【0048】
そこで、番組録画再生装置100では、前述のようにしてサイマル判定を行い、サイマル放送であると判定されたときに、12セグ番組データと、そのサイマル放送であると判定された1セグ番組データとを同時にHDD113に記録している。
【0049】
一方、図3に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートと比較して、S2とS3の間で、S5、S6を実行する点が異なっている。
【0050】
CPU112は、S2からS5に進むと、後述する録画設定画面300をLCD109に表示させる。続くステップ6では、録画設定画面300で1セグ録画有りが選択されていたか否かを判定し、選択されていたときはS3に進み、そうでなければS4に進む。そのほかのステップは図2の場合と同様である。
【0051】
録画設定画面300は図4に示すように、1セグ録画の有り無しを入力するための入力部301を有し、この入力部301を用いて視聴者が1セグ録画の有り無しを入力できる。図4(a)は1セグ録画有りの場合、図4(b)は1セグ録画無しの場合である。1セグ録画有りの場合はS6からS3に進むので、サイマル放送であると判定されると、1セグ番組データと、12セグ番組データとが同時にHDD113に記録される。
【0052】
このように、図3に示すフローチャートに沿って、モバイル向け番組の同時録画処理を実行するときは、視聴者が1セグ録画の有り無しを選択でき、モバイル向け番組の同時録画が視聴者の選択した内容にしたがって実行されるようになる。
【0053】
ところで、モバイル向け番組の同時録画処理によって記録された12セグ番組データと、1セグ番組データとは、再生に適した装置が異なる等から、区別せずに対等に扱うと、視聴者の使い勝手を向上させることが難しい。
【0054】
そのため、番組録画再生装置100では、図5,6,7に示すフローチャートに沿った動作を実行する。番組録画再生装置100では、CPU112が関連付け手段としての動作を行う。そして、CPU112は、12セグ番組データをHDD113に記録させるための12セグ用ファイル(固定受信機用ファイル)または1セグ番組データをHDD113に記録させるための1セグ用ファイル(移動受信機用ファイル)のファイル名を次のようにして生成することにより、12セグ番組データに1セグ番組データを関連付けている。
【0055】
そして、モバイル向け番組の同時録画の場合、12セグ番組データおよび1セグ番組データは、ファイル名による関連付けが行われてHDD113に記録されている。
【0056】
CPU112は図5のフローチャートに沿って関連付け処理を開始すると、S11に進み、12セグ番組データを記録する12セグ録画かどうかを判定し、12セグ録画のときはS12、そうでなければS16に進む。S12では、12セグ用ファイルのファイル名を生成する。後述するとおり、ファイル名はファイル名本体と拡張子(ファイルの種類を識別するための文字列)からなっている。S12では、その拡張子を12セグメント放送固有の内容(12セグメント放送専用の内容)で生成する。
【0057】
次に、CPU112は、S13に動作を進めると、同時録画処理(S3)を行うか否かを判定する。CPU112は、同時録画処理を行うときはS14に動作を進め、そうでなければS15に動作を進める。CPU112は、S14では、12セグ番組データについて、サイマル放送の1セグ番組データが有るか無いかを管理するための管理データとして、1セグ番組データ有り(1セグ録画有り)を示すデータをHDD113に記録し、S15では、管理データとして、1セグ録画無しを示すデータをHDD113に記録して、関連付け処理を終了する。CPU112は、S14,15を実行するときに管理データ記録制御手段としての動作を行う。
【0058】
一方、CPU112は、S11からS16に動作を進めると、S13と同様に、同時録画処理(S3)を行うか否かを判定する。CPU112は、同時録画処理を行うときはS17に動作を進め、そうでなければS18に動作を進める。CPU112は、S17では、1セグ用ファイルのファイル名を生成する。この場合、CPU112は対応する12セグ用ファイルのファイル名と、ファイル名本体は等しくかつ拡張子を異ならせたファイル名を生成する。また、S17では、拡張子を1セグメント放送固有の内容(1セグメント放送専用の内容)で生成する。
【0059】
CPU112は、S18では、単独で録画した1セグメント放送の番組に対応したファイル名本体と1セグメント放送固有の拡張子を用いてファイル名を生成する。S17またはS18を実行すると、関連付け処理を終了する。
【0060】
以上のようにして、関連付け処理を行うことにより、モバイル向け番組の同時録画が行われた場合、12セグ用ファイルには、例えば図8に示すファイル名310が付され、1セグ用ファイルにはファイル名320が付される。ファイル名310はファイル名本体311と拡張子312とを有し、ファイル名320はファイル名本体311と拡張子313とを有している。
【0061】
ファイル名310とファイル名320とは、同じファイル名本体311(図8では、“toshib ppp 0900”)を有している。また、拡張子312は12セグメント放送固有の文字列(例えば図8に示すように“dtv”とすることができる)であり、拡張子313は1セグメント放送固有の文字列(例えば“seg”)とすることができる。
【0062】
ファイル名310とファイル名320とは、拡張子のみが異なり、同じファイル名本体311を有しているため、視聴者には、12セグ用ファイルと1セグ用ファイルとが互いに関連付けられていることが明確になる。しかも、拡張子312,313がそれぞれ12セグメント放送または1セグメント放送固有の文字列になっているので、ファイル名によって、12セグメント放送または1セグメント放送いずれの番組データであるのかが明らかになる。視聴者はファイル名を見るだけで、いずれの番組データであるのを判断することができる。
【0063】
また、番組録画再生装置100では、12セグ用ファイルと1セグ用ファイルとが前述のようにして互いに関連付けられているため、12セグ用ファイルに対する移動や削除といった操作を1セグ用ファイルに対する操作と連動させることができる。したがって、視聴者の使い勝手を向上させることができる。
【0064】
例えば、12セグメント放送用の後述する番組リスト350から、1セグメント放送用の番組リスト360に画面を遷移させたときに、番組リスト350でカーソルが当っていた番組と関連付けられている番組にカーソルを当てる。
【0065】
また、番組リスト350において、番組データの移動または複製を指示してから番組リスト360に画面を遷移させたときに、番組リスト350で移動または複製を指示した番組データと関連付けられている番組データを移動または複製する。
【0066】
さらに、番組リスト350で番組データの削除を指示してから番組リスト360に画面を遷移させたときに、番組リスト350で削除が指示された番組データと関連付けられている番組データを削除する。
【0067】
番組リスト350において番組データのロックまたはアンロックを指示してから番組リスト360に画面を遷移させたときに、ロックまたはアンロックが指示された番組データと関連付けられている番組データをロックまたはアンロックする。
【0068】
そして、番組録画再生装置100は、図6のフローチャートに沿って作動することにより、番組リスト350を表示することができる。
【0069】
CPU112は図6のフローチャートに沿って番組リスト表示処理を開始すると、S21に進み、HDD113に記録されている番組データファイルを参照する。番組データファイルは12セグ用ファイルまたは1セグ用ファイルが含まれている。続いて、CPU112はS22に進み、参照した番組データファイルのファイル名の拡張子が12セグメント放送固有であるか否かを判定し、その場合はS23、そうでなければS26に動作を進める。こうして、拡張子が1セグメント放送固有の番組データファイルは番組リスト350に表示しないようにしている。
【0070】
S23では、管理データが1セグ番組データの有り無しのいずれであるかを判定する。1セグ番組データ有りの場合はS24、そうでなければS25に動作を進める。
【0071】
S24では、後述する1セグアイコン351aを備えた番組明細データを生成し、S25では、1セグアイコンのない番組明細データを生成する。S26では、番組データファイルの読み込みが終了したか否かを判定し、終了した場合はS27、そうでなければS21に戻る。
【0072】
S27に進むと、S24またはS25で生成した番組明細データを用いて番組リスト350を表示して、番組リスト表示処理を終了する。番組録画再生装置100はS14、S15を実行することによって管理データを記録しており、S23ではその管理データを参照している。こうすることにより、12セグ番組データすべてを参照する場合よりも、1セグ番組データの有り無しを簡易に判定している。
【0073】
また、番組録画再生装置100は図7のフローチャートに沿って作動することにより番組リスト360を表示することができる。
【0074】
CPU112は図7のフローチャートに沿って番組リスト表示処理を開始すると、S31に進み、HDD113に記録されている番組データファイルを参照する。続いて、CPU112はS32に進み、参照した番組データファイルのファイル名の拡張子が1セグメント放送固有であるか否かを判定し、その場合はS33、そうでなければS34に動作を進める。こうして、拡張子が1セグメント放送固有の番組データファイルだけを番組リスト360に表示するようにしている。
【0075】
S33では、番組明細データを生成する。S34では、番組データファイルの読み込みが終了したか否かを判定し、終了した場合はS35、そうでなければS31に戻る。
【0076】
S35に進むと、S33で生成した番組明細データを用いて番組リスト360を表示して、番組リスト表示処理を終了する。
【0077】
そして、番組リスト350は12セグメント放送の録画した番組一覧であって、例えば図9に示すように、番組明細351と番組明細352とを有している。番組明細351は1セグアイコン351aを有している。1セグアイコン351aは、同時録画処理が行われたことで、12セグ番組データに加えてそのサイマル放送の1セグ番組データがHDD113に記録されていることを示している。したがって、番組明細351は前述のS3、S14を実行して記録された12セグ用ファイルのファイル名に対応している。また、番組明細352は1セグアイコンを有していないので、12セグ番組データだけがHDD113に記録されている。したがって、番組明細352は前述のS4、S15を実行して記録された12セグ用ファイルのファイル名に対応している。
【0078】
このように、視聴者は番組リスト350に表示される番組明細に1セグアイコン351aがあるか否かによって、12セグ番組データに加えて同じ番組の1セグ番組データが記録されていること、または12セグ番組データだけが記録されていることを確認することができる。
【0079】
番組リスト360は1セグメント放送の録画した番組一覧であって、図10に示すように、番組明細361と番組明細362とを有している。このうち、番組明細361は番組明細351と番組名が同じ“スポーツニュース”になっている。したがって、視聴者は、番組リスト360により、1セグメント放送について、12セグメント放送と同じ番組の録画が行われていることを確認することができる。番組明細361は前述のS3、S14を実行して記録された1セグ用ファイルのファイル名に対応している。番組明細362は単独で記録された1セグ用ファイルのファイル名に対応している。
【0080】
そして、視聴者が番組リスト350上の番組明細351、番組明細352、番組リスト360上の番組明細361、番組明細362にカーソルを合わせて、図11に示すリモコン400の再生ボタン401を押すことにより、CPU112が対応する番組データをHDD113から読み出して録画した番組を再生する。
【0081】
この場合、CPU112は再生制御手段としての動作を行い図12に示すフローチャートに沿って作動することで、12セグ番組データ、1セグ番組データのいずれを用いるかによって、再生される映像を表示する大きさ(映像サイズという)を変更して番組を再生する。
【0082】
CPU112は再生制御処理を開始すると、再生ボタン401による再生指示に応じた番組データをHDD113から読み取る(S41)。次に、読み取った番組データに対応した識別データをHDD113から読み取る(S42)。次に、CPU112はデータ判定手段としての動作を行い、識別データが1セグ番組データを示すデータか否かを判定する(S43)。CPU112は識別データが1セグ番組データを示すときはS44、そうでなければS45に動作を進める。S44では、番組を再生するモードを決めるための再生モードデータを部分画面モードに設定し、S45では、再生モードデータを全画面モードに設定する。続くS46でCPU112が再生制御手段としての動作を行い、設定された再生モードデータにしたがって番組を再生させると、再生制御処理が終了する。
【0083】
そして、番組が全画面モードで再生されるときは図13に示すLCD109の表示画面400全体を用いて映像が表示される。また、番組が部分画面モードで再生されるときは1セグ用の再生エリア401だけに映像を表示させて番組が再生される。再生エリア401以外の部分は、映像の表示されない黒色表示になる。再生エリア401は移動体受信機用の再生領域であって、表示画面400の中央Pを含む領域で、表示画面400よりも小さく、映像の粗さが目立たない程度の大きさに設定されている。ここでは、再生エリア401を中央Pを含む領域に設定しているが、右端や左端といった中央Pを含まない領域に設定してもよい。
【0084】
1セグ番組データは、12セグ番組データに比べるとレートが低く画素数も少ないため、固定受信機よりも小さい画面で再生されることに適している。そのため、1セグ番組データをそのまま用いて表示画面400全体に映像を表示すると、映像の粗さが目立ってしまい好ましくない。そこで、番組録画再生装置100では、番組データが1セグ番組データであるか否かに応じて映像サイズを変更して番組を再生するようにしている。そして、番組データが12セグ番組データであるときは表示画面400全体を用いて映像を表示させて、きめ細かく綺麗な映像を大きな画面に表示して番組を再生する一方、番組データが1セグ番組データであるときは表示画面400全体よりも小さい再生エリア401だけに映像を表示して、粗さが目立つことなく番組を再生できるようにしている。
【0085】
なお、以上の実施の形態では、地上デジタル放送の番組の映像を表示する映像表示手段と、その番組の録画を行う番組録画制御手段とを備えた録画機能付のテレビジョンを例にとって説明している。ただし、本発明は、映像表示手段を備えないDVDレコーダ、HDDレコーダなどの番組録画再生装置についても適用することができる。
【0086】
また、以上の実施の形態における番組録画再生装置100は、1セグメント放送の番組を受信する受信手段と、12セグメント放送の番組を受信する受信手段とを備えている。受信手段は、移動体受信機向け放送または固定受信機向け放送を受信することができればよく、1セグメント放送および12セグメント放送とは別方式の放送を受信する受信手段を備えてもよい。例えば、1つのチャンネルの周波数帯域をセグメントに分けることなく行われる移動体受信機向け放送と固定受信機向け放送とを受信する受信手段でもよい。
【0087】
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
100…番組録画再生装置、101…第1のデジタルチューナ、102…第2のデジタルチューナ、109…LCDパネル、113,201,204…HDD、250…携帯端末装置、300…録画設定画面、400…表示画面、401…再生エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送で送信される移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データとを記録手段に記録させる番組録画制御手段と、
前記記録手段に記録させる番組データが、前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを示す識別データを前記記録手段に記録させる識別データ記録制御手段と、
前記記録手段に記録されている前記識別データにしたがい前記番組データが前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを判定するデータ判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じて映像サイズを変更して前記記録手段に記録されている番組データを用いて映像表示手段に映像を表示させ、かつ前記移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは前記固定受信機向け放送の番組データを用いるときよりも映像サイズを小さくして映像を表示させる再生制御手段と
を有する番組録画再生装置。
【請求項2】
前記再生制御手段は、前記固定受信機向け放送の番組データを用いるときは、前記映像表示手段の表示画面全体を用いて映像を表示させることを特徴とする請求項1記載の番組録画再生装置。
【請求項3】
前記再生制御手段は、前記移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは、前記映像表示手段の中央を含み、かつ決められたサイズに割り当てられた移動体受信機用再生領域に映像を表示させることを特徴とする請求項2記載の番組録画再生装置。
【請求項4】
前記移動体受信機向け放送が前記固定受信機向け放送のサイマル放送であるか否かの判定を行う判定手段を更に有し、
前記番組録画制御手段は、前記判定手段によって、前記移動体受信機向け放送が前記固定受信機向け放送のサイマル放送であると判定されたときは、前記固定受信機向け放送の番組データと前記移動体受信機向け放送の番組データとをともに前記記録手段に記録させることを特徴とする請求項1記載の番組録画再生装置。
【請求項5】
前記判定手段によって前記サイマル放送であると判定された前記移動体受信機向け放送の番組データの、前記固定受信機向け放送の番組データへの関連付けを行う関連付け手段を更に有し、
前記番組録画制御手段は、前記関連付け手段によって関連付けられた番組データを前記記録手段に記録させることを特徴とする請求項4記載の番組録画再生装置。
【請求項6】
前記関連付け手段は、前記固定受信機向け放送の番組データを前記記録手段に記録させるための固定受信機用ファイルと、前記移動体受信機向け放送の番組データを前記記録手段に記録させるための移動受信機用ファイルとに、ファイル名本体とファイルの種類を識別するための識別用文字列とを備えたファイル名を付し、前記固定受信機用ファイルのファイル名と、前記移動受信機用ファイルのファイル名とを、前記ファイル名本体を一致させかつ前記識別用文字列を異ならせることによって前記関連付けを行うことを特徴とする請求項5記載の番組録画再生装置。
【請求項7】
更に、前記再生制御手段の制御にしたがい前記映像を表示する映像表示手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の番組録画再生装置。
【請求項8】
地上デジタル放送で送信される移動体受信機向け放送の番組データと固定受信機向け放送の番組データとを記録手段に記録させ、
前記記録手段に記録させる番組データが、前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを示す識別データを前記記録手段に記録させ、
前記記録手段に記録されている前記識別データにしたがい前記番組データが前記移動体受信機向け放送の番組データと前記固定受信機向け放送の番組データのいずれであるかを判定し、
前記判定の結果に応じて映像サイズを変更して前記記録手段に記録されている番組データを用いて映像表示手段に映像を表示させ、かつ前記移動体受信機向け放送の番組データを用いるときは前記固定受信機向け放送の番組データを用いるときよりも映像サイズを小さくして映像を表示させることを特徴とする番組録画再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−303226(P2009−303226A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164186(P2009−164186)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【分割の表示】特願2008−97410(P2008−97410)の分割
【原出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】