説明

異常検査方法及びその装置

【課題】予期できない衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動による誤判定を防止して信頼性の高く確実に被検査体の異常判定を行うこと。
【解決手段】被検査体の音又は機械的振動を検出し、音又は機械的振動を各周波数成分に分けて当該各周波数成分における各最大ピーク値を抽出し、各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う際、特定番目の最大ピーク値として、各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音又は機械的振動に基づいて各種装置の異常を検出する異常検査方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば回転機器の製造工程において、その機械的総合評価を振動解析により自動的に行う方式が開発されている。その代表的なものを次に説明する。第1の方法は、回転機器等の被検査体において発生した機械的振動又は音を検出し、それらの検出信号をパワースペクトラム又は1/3オクダーブ周波数分析して、正常品と異常品とのパターンを比較判定する。
第2の方法は、被検査体において発生した機械的振動又は音の検出信号からハイパスフィルタにより約1kHz以上の高周波成分を取出し、その実効値やピーク値又は両者の比率から正常品と異常品とを比較判定する。
第3の方法は、第2の方法と同様にして得られた高周波領域の信号を包絡線検波回路により包絡線信号を抽出して、その正常品と異常品とを比較判定する方法である。
【0003】
しかしながら、第1の方法では、測定中の平均パワーを求めるものであるため、被測定物の軸受部のボール疵、ゴミの介在による回転異常、各構成部品の共振異常等に起因する衝撃的でたまにしか発生しないパルス状の信号の検出は困難である。
これに対して第2及び第3の方法では、第1の方法で検出できない異常信号の検出は可能であるが、その反面、実際の検査時において被検査体以外の振動源において発生する各種の音や機械的振動などの外乱の影響により正常品を異常品と誤判定してしまう欠点をもっている。その他、微妙なベアリング不良の検出は困難である。
【0004】
すなわち、製造ラインで発生する騒音や振動が、被検査体を検出して得た音又は振動検出信号に混入してしまい、微妙な異常音等の検出ができない。そこで、このような暗騒音や暗振動を除去して異常音の検出能力を高めた技術が特許文献1に開示されている。
この技術は、被検査体の音又は振動を検出し、この音又は振動検出信号を例えば各周波数成分ごとの各バンドパスフィルターを通して各周波数成分を取り出し、複数のサンプリング期間からなる検査時間内にサンプリング期間内における各周波数成分毎の最大ピーク値を1個づつ検出し、これをディジタル変換して演算制御部に記憶する。
【0005】
そして、これら記憶した最大ピーク値を各周波数成分ごとに大きさの順に並べ換えることにより外乱データを除去し、これら並べ換えられた最大ピーク値について外乱内容に対応して予め定められた特定番目の最大ピーク値を異常検出用の有効最大ピーク値として各周波数成分ごとに抽出し、これら周波数成分ごとの有効最大ピーク値と予め設けられている設定値とを比較することにより被検査体の異常を判定するものである。
【特許文献1】特公平4−4534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、外乱データの除去を検査時間にわたって取得した各周波数成分ごとの最大ピーク値の配列を大きさの順に並べ換え、大きい順から予め定められた特定番目のデータを有効最大ピーク値として異常判定に用いているので、規則的に発生する衝撃性の暗騒音や暗振動は除去できるが、予期できない暗騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの音、振動、物体を落下したときの音、振動に対しては除去する特定番目のデータ数の設定が困難となる。
このため、暗騒音や暗振動を除去するための特定番目のデータ数は、余裕を見込んだ数になり、この結果として被検査体に対する異常の判定能力を低下させてしまう。
【0007】
そこで本発明は、予期できない衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動による誤判定を防止して確実に被検査体の異常判定ができる信頼性の高い異常検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検査体の音又は機械的振動を検出し、音又は機械的振動を各周波数成分に分けて当該各周波数成分における各最大ピーク値を抽出し、各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う異常検査方法において、特定番目の最大ピーク値として、各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いる異常検査方法である。
【0009】
本発明は、被検査体の音又は機械的振動を検出し、音又は機械的振動を各周波数成分に分けて当該各周波数成分における各最大ピーク値を抽出し、各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う異常検査装置において、特定番目の最大ピーク値として、各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いる手段を具備した異常検査装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予期できない衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動による誤判定を防止して確実に被検査体の異常判定ができる信頼性の高い異常検査方法及びその装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の異常検査方法は、回転機器等の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽出して被検査体の異常判定を行う、より詳しくはこれら最大ピーク値を大きさの順に並び換えて得られる特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う異常検査方法において、被検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出し、この検出された外部の音又は機械的振動が予め設定されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプリング中の被検査体の音又は機械的振動を削除するものである。
【0012】
図1はかかる異常検査方法を適用した異常検査装置の構成図である。第1の音又は振動検出器1は、図2に示すように回転機器等の被検査体ST1の音又は振動を検出し、その音又は振動波形に対応した波形を有する第1の電気信号SA1に変換出力する機能を有している。
なお、この第1の音又は振動検出器1は、以下、第1の音検出器1として説明する。被検査体ST1は、防音室ST2内に各防振ゴムST3を介して収納されている。
【0013】
第1の音検出器1は、防音室ST2内に配置され、この防音室ST2内において被検査体ST1の音の振幅を検出するものとなる。この第1の音検出器1の出力側は、増幅器2を介して、異なる周波数帯域の周波数成分に分析する各周波数分析部301〜30nに接続されている。但し、この実施の形態においてはn=28である(以下同じ)。
これら周波数分析部301〜30nは、それぞれ増幅器2に直接に電気的接続された例えば中心周波数が20Hzから10000Hzまでの1/3オクターブごとの28チャンネルの周波数帯域の周波数成分を得るための各バンドパスフィルタ401〜40nと、これらバンドパスフィルタ401〜40nの出力側に各別に接続された各ピーク値検出回路501〜50nとから構成されている。
【0014】
このうち各ピーク値検出回路501〜50nは、それぞれ各サンプルアンドホールド回路601〜60n、各比較器701〜70n及び各アンド回路801〜80nから構成されている。
これらサンプルアンドホールド回路601〜60nは、それぞれ正半波ピーク値をホールドする機能を有するもので、各バンドパスフィルタ401〜40nの出力側に各別に接続されている。
各比較器701〜70nは、その各入力側にそれぞれ各バンドパスフィルタ401〜40nの出力側が各別に接続されるとともに各サンプルアンドホールド回路601〜60nの出力側が各別に接続されている。
【0015】
各アンド回路801〜80nは、その出力側が各サンプルアンドホールド回路601〜60nのコントロール入力側に接続されるとともに、入力側が各比較器701〜70nの出力側に各別に接続されている。
これらアンド回路801〜80nの他方の入力側は、後述するデコーダ9の出力側に接続されている。このような構成の各周波数分析部301〜30nは、マルチプレクサ10の入力側に接続されている。
一方、第2の音又は振動検出部201は、図2に示すように防音室ST2の外部に配置され、予期できない暗騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの音や振動、物体を落下したときの音や振動を検出し、その音又は振動波形に対応した波形を有する第2の電気信号SA2に変換出力する機能を有している。
【0016】
なお、この第2の音又は振動検出部201は、以下、第2の音検出部201として説明する。この第2の音検出器201の出力側は、増幅器202を介して、周波数分析部30n+1 に接続されている。
この周波数分析部30n+1は、増幅器202に直接に電気的接続されたバンドパスフィルタ40n+1 と、このバンドパスフィルタ40n+1の出力側に各別に接続されたピーク値検出回路50n+1 とから構成されている。
このうちバンドパスフィルタ40n+1は、その周波数帯域が異常判定に用いられる各バンドパスフィルタ401〜40nの全周波数帯域をカバーするように設定されている。
【0017】
又、ピーク値検出回路50n+1は、サンプルアンドホールド回路60n+1、比較器70n+1及びアンド回路80n+1から構成されている。サンプルアンドホールド回路60n+1は、それぞれ正半波ピーク値をホールドする機能を有するもので、バンドパスフィルタ40n+1の出力側に各別に接続されている。
比較器70n+1は、その各入力側にバンドパスフィルタ40n+1の出力側が各別に接続されるとともにサンプルアンドホールド回路60n+1の出力側が各別に接続されている。
アンド回路80n+1は、その出力側がサンプルアンドホールド回路60n+1のコントロール入力側に接続されるとともに、入力側が比較器70n+1の出力側に各別に接続されている。
このアンド回路80n+1の他方の入力側は、後述するデコーダ9の出力側に接続されている。このような構成の周波数分析部30n+1は、マルチプレクサ10の入力側に接続されている。
【0018】
このマルチプレクサ10の出力側は、アナログ−ディジタル変換器11からシステムバス12を介してマイクロコンピュータ13に接続されている。このマイクロコンピュータ13は、CPU(中央処理装置)14と、このCPU14にシステムバス15を介して接続された入出力インタフェース16と、データの書き込み・読み出し可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)17と、制御プログラムが格納されたROM(リード・オンリー・メモリ)18と、CRT(陰極線管)インタフェース19とから構成されている。
【0019】
このうちCPU14は、被検査体の異常判定を行う機能を有するもので、第1の演算手段14a、第2の演算手段14b及び第3の演算手段14cの各機能を有している。
第1の演算手段14aは、第1の音検出器1及び第2の音検出器201により検出される音の振幅のデータを各ピーク値検出回路301〜30n+1、マルチプレクサ10及びアナログ−ディジタル変換器11を通して取り込み、1回の検査時間内の各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値を大きさの順に並べ換える機能を有している。
第2の演算手段14bは、第1の演算手段14aにより大きさの順に並び換えられた各最大ピーク値について外乱内容に対応して予め定められ特定番目の最大ピーク値を有効最大ピーク値として各周波数成分ごとに抽出する機能を有している。
【0020】
又、この第2の演算手段14bは、1回の検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により検出された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除するデータ削除手段としての機能を有している。
この場合、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するデータ削除手段としての機能を有する。
【0021】
又、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する機能を有している。
第3の演算手段14cは、第2の演算手段14bにより得られた有効最大ピーク値と予め設けられている設定値との比較により異常判定を行う機能を有している。
【0022】
上記RAM17の一部は、設定値及び正常パターンを記憶させるための不揮発性RAMからなっている。なお、図示しないがマイクロコンピュータ13には、RAM17及びROM18に上記制御プログラムや設定値等を外部から格納させるための入力部が設けられている。
上記入出力インタフェース16は、システムバス12を介してアナログ−ディジタル変換器11に接続されている。さらに、この入出力インタフェース16は、システムバス20を介してデコーダ9及びマルチプレクサ10に接続されている。
又、この入出力インタフェース16は、回線21を介して微分回路22の入力側に接続されている。この微分回路22の出力側は、ストローブ線23を介してアナログ−ディジタル変換器11及び単安定マルチバイブレータ24の入力側に接続されている。
【0023】
この単安定マルチバイブレータ24の出力側は、ストローブ線25を介してデコーダ9に接続されている。これらデコーダ9、微分回路22及び単安定マルチバイブレータ24は、タイミング回路26を構成している。
さらに、このタイミング回路26及びマイクロコンピュータ13は、演算制御部27を構成している。又、CRTインタフェース19には、検査結果を表示するためのCRTディスプレイ28が接続されている。
次に上記の如く構成された装置の作用について図3に示す異常検査フローチャートに従って説明する。先ず、ステップ#1において、ROM18に後述する計算プログラムが格納されるとともに、RAM17に検査時間(例えば3秒)、サンプリング期間Δt(例えば0.1秒)、ピーク値を除外するための無効ピーク値数NIP(例えば2個)異常が検出されたサンプリング期間の前後の削除すべきサンプリング期間数が格納される。
なお、サンプリング期間Δtの長さは、外乱、例えばコンベア停止時の衝撃振動による影響時間より短くなるように設定するのが好ましい。検査時間の長さは、検出すべき被検査体の異常内容、例えば回転機器の回転異常によって決定する。
【0024】
又、無効ピーク値数NIPの数は、上記検査時間内において発生する外乱の回数を経験的に求めて、この経験的に求められた外乱の回数に基づいて決定する。しかして、被検査体1である回転機器に第1の音検出器1を接触させ、この回転機器を起動する。
第1の音検出器1は、回転機器の音を検出し、この音の振幅波形に対応した波形を有する第1の電気信号SA1を出力する。この第1の電気信号SA1は、増幅器2により増幅されたのち、各バンドパスフィルタ401〜40nに入力し、これらバンドパスフィルタ401〜40nにより所定の異なる周波数帯域の周波数成分の信号SC1〜SCnに変換される。
【0025】
以下、主としてn=28すなわち28チャンネルの場合(中心周波数が10000Hz)の信号SCnの信号処理方式について、図1及び図4に基づいて例示的に詳述する。
【0026】
信号SCnは、図4に示すように正弦波状波形となっている。他の信号SC1〜SC(n−1)についても波形はほぼ正弦波状をなしている。これら信号SC1〜SCnは、それぞれサンプルアンドホールド回路601〜60n及び各比較器701〜70nに入力される。
【0027】
このうちサンプルアンドホールド回路60nは、図4に示すようにピーク値を示す信号SDnを比較器70nに出力する。この比較器70nは、サンプルアンドホールド回路60nからの信号SDnを設定値として入力するとともにバンドパスフィルタ40nからの信号SCnを入力し、信号SCnより信号SDnが小さい場合には「0」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力し、かつ信号SCnより信号SDnが大きい場合には「1」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力する。
【0028】
図4に示す信号SCnは、例えば区間30においては単調増加しているので「0」を示す信号SEnがアンド回路80nに出力される。一方、アンド回路80nの他方の入力端には、後述するリセット時を除いて常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFnが出力されているので、アンド回路80nからは「0」を示す信号SGnがサンプルアンドホールド回路60nに出力される。
このサンプルアンドホールド回路60nは、アンド回路80nからの信号SFnが「0」のときピーク値をサンプリングし、信号SFn「1」のときピーク値をホールドする。
【0029】
従って、例えば区間30においては、サンプルアンドホールド回路60nはピーク値のサンプリング状態にあるので信号SDnも図4に示すように増加する。ところが、信号SCnの変曲点31を境界にして信号SEnは「1」となるので、アンド回路80nは「1」を示す信号SGnをサンプルアンドホールド回路60nに出力し、これによって変曲点31におけるピーク値Pn1がホールドされ、このピーク値Pn1を示す信号SDnがマルチプレクサ10に出力される。
【0030】
なお、図3には示さないが、他の周波数分析部301〜30(n−1)からも同様にしてピーク値P11…P(n-1)1を示す各信号SD1〜SD(n−1)が同時にマルチプレクサ10に出力される。
一方、第2の音検出器201は、防音室ST2の外部の音を検出し、その音の振幅波形に対応した波形を有する第2の電気信号SA2を出力する。この第2の電気信号SA2は、増幅器202により増幅されたのち、バンドパスフィルタ40n+1に入力し、信号SCn+1に変換される。
この信号SCn+1は、サンプルアンドホールド回路60n+1及び比較器70n+1に入力される。このうちサンプルアンドホールド回路60n+1は、ピーク値を示す信号SDn+1を比較器70n+1に出力する。
【0031】
この比較器70n+1は、サンプルアンドホールド回路60n+1からの信号SDn+1を設定値として入力するとともにバンドパスフィルタ40n+1からの信号SCn+1を入力し、信号SCn+1より信号SDn+1が小さい場合には「0」を示す信号SEn+1をアンド回路80n+1に出力し、かつ信号SCn+1より信号SDn+1が大きい場合には「1」を示す信号SEn+1をアンド回路80n+1に出力する。
アンド回路80n+1の他方の入力端には、上記同様に、リセット時を除いて常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFn+1が出力されているので、アンド回路80n+1からは「0」を示す信号SGn+1がサンプルアンドホールド回路60n+1に出力される。
【0032】
このサンプルアンドホールド回路60n+1は、アンド回路80n+1からの信号SFn+1が「0」のときピーク値をサンプリングし、信号SFn+1「1」のときピーク値をホールドする。
従って、サンプルアンドホールド回路60n+1は、防音室ST2の外部の音の振幅の波形に対応した信号SCn+1の変曲点におけるピーク値をホールドし、このピーク値を示す信号SDn+1をマルチプレクサ10に出力する。
【0033】
一方、CPU14は、入出力インタフェース16を介して所要の周波数分析部301〜30n、30n+1を指定する信号を、システムバス20を経由してデコーダ9及びマルチプレクサ10に出力する。
この信号SHがマルチプレクサ10に送られることにより、このマルチプレクサ10からは、図4に示すように各バンドパスフィルタ401〜40n、40n+1を通過した周波数成分の各ピーク値(例えば上記Pn1)、及び外部の音の振幅の波形に対応した信号SCn+1のピーク値を示す各信号SD1〜SDn、SDn+1のみが、各信号SI1〜SIn、SIn+1としてアナログ−ディジタル変換器11に順次出力される。
【0034】
これら信号SI1〜SIn、SIn+1のアナログ−ディジタル変換器11への入力時点より時間Δt1(数10μs)経過後に、CPU14は、図4に示すように入出力インタフェース16を介してパルス状の信号SJを時間Δt2(約30ms以下)ごとに微分回路22に出力する。
この微分回路22は、信号SJを微分した信号SKを単安定マルチバイブレータ24及びアナログ−ディジタル変換器11に出力する。この信号SKを入力した時点での各信号SI1〜SIn、SIn+1は、アナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値の各データ信号SL1〜SLn、SLn+1に変換され、これらデータ信号SL1〜SLn、SLn+1は入出力インタフェース16、CPU14を経てRAM17に伝送され、ステップ#2において、このRAM17の所定の番地にピーク値Pn1として格納される。
なお、図4において、信号SKの「1」を示す部分の前縁と信号SF1の「0」を示す部分の後縁との時間Δt3において異常検査は一時中断されるが、リアルタイムで正確にデータを収集するために、Shannonのサンプリング定理によりΔt3<1/2Fmax(ただしFmaxは最高周波数)を満足するように設定されている。
【0035】
一方、信号SKを入力した単安定マルチバイブレータ24は、この信号SKの後縁をトリガとして信号SMをストローブ信号としてデコーダ9に出力する。この信号SMを入力したデコーダ9は、信号SHが指定する各アンド回路801〜80n、80n+1に対してリセットのための「0」を示す信号SF1〜SFn、SFn+1を出力する。
図4に示すように、この「0」を示す信号SF1〜SFn、SFn+1を入力した各アンド回路801〜80n、80n+1は「0」を示す各信号をそれぞれサンプルアンドホールド回路601〜60n、60n+1に出力し、そのピーク値は例えば図4に示す信号SCの点33まで急減し、再び前述したようにして、図4に示す次のサンプリング期間Δt内における最大のピーク値Pn2をホールドしてマルチプレクサ10に出力する。
【0036】
但し、Δt>Δt2×(n+1)となるように設定されており、かつ(n+1)は周波数分析部の数である。一方、例えば、RAM17にピーク値Pn1が格納されると、[Δt−{Δt2×(n+1)}]時間後に、周波数分析部301を指定する信号SHがデコーダ9及びマルチプレクサ10に出力され、又、信号SJが微分回路22に出力され、周波数分析部30nと同様にして、ピーク値P11を示す信号SI1がアナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値のデータ信号SL1に変換され、このデータ信号SL1がRAM17に伝送され、このRAM17の所定の番地にピーク値P11として格納される。
【0037】
この後、リセットのための「0」を示す信号SF1がアンド回路801に出力されサンプルアンドホールド回路601は再びサンプリング状態に復帰する。このようにして、サンプリング期間Δt内に他の各周波数分析部302〜30n+1においてホールドされた最大のピーク値P21…P(n+1)1が順次RAM17の所定の番地に格納される。
なお、マイクロコンピュータ13から出力される信号SJのパルス間隔は、図5に示す信号SL1〜SLn、SLn+1に対応してSL1〜SLn、SLn+1をサンプリングする期間中はΔt2であり、例えば信号SLnから次のサンプリング期間Δtにおける信号SLn+1をサンプリングするまでのパルス間隔は、前記したように[Δt−{Δt2×(n+1)}]である。
このような信号SJのパルス間隔を得るためのプログラムは予めROM18中に格納されている。さらに、Δt2×(n+1)がサンプリング期間Δtに等しくなるように時間Δt2を設定してもよい。
上記各サンプリング期間Δt内において、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとに順次行われるRAM17へのピーク値の格納は図5に示すようにm回繰り返して行われる。RAM17においてはピーク値は各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとに格納する。
従って、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとにm個のデータが格納される。しかして、ステップ#3において、RAM17に格納されたデータ数がm×(n+1)(ただし、mはサンプリング回数、(n+1)は周波数分析部の数である)に達すると、CPU14の第1の演算手段14aは、ステップ#4において、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとにピーク値を大きい順に並び換える演算を行い、この演算結果を図6に示すようにRAM17に格納する。
【0038】
次にCPU14の第2の演算手段14bは、ステップ#5において、例えばコンベア停止時の衝撃振動、エアシリンダ動作時の衝撃振動などの被検査体以外の振動源からの外乱の影響を除外するために、各周波数成分ごとにRAM17に格納されている上記大きい順に並べられたピーク値の大きい側からNIP個、例えば2個のデータを除外し、NIP+1番目のデータを有効最大ピーク値PEM1…PEMnとして抽出しRAM17に格納する。
【0039】
又、この第2の演算手段14bは、ステップ#6に移り、1回の検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により検出された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク値を検索する。
そして、第2の演算手段14bは、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否かを判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除する。
この場合、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0040】
なお、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0041】
例えば、被検査体ST1を収納する防音室ST2の近傍に、例えば台車が通過したり、又は防音室ST2の近傍で物体が落下すると、第2の音検出器201は、台車の通過するときの音又は物体の落下したときの音を検出し、これら音の波形に対応した電気信号SA2を出力する。
【0042】
図7はかかる第2の音検出器201により台車の通過、又は物体の落下を検出したときの電気信号SA2の波形図である。この電気信号SAn+1には、サンプリング期間Ta内において台車の通過するときの音又は物体の落下したときの音を検出したときの波形Gaが現れている。
一方、第1の音検出器1から出力される電気信号SA1においても台車の通過の音、又は物体の落下の音による波形Gbが現れている。従って、第2の演算手段14bは、サンプリング期間Ta内において第2の音検出器201により検出された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク値すなわち波形Gaによるピーク値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間Ta内にサンプリングされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除する。すなわち、サンプリング期間Ta内における電気信号SA1が削除される。
【0043】
次にCPU14の第3の演算手段14cは、ステップ#7において、各周波数成分ごとに、予めRAM17に設定されている各設定値PT1…PTnと、これら各設定値PT1…PTnに対応する各有効最大ピーク値PEM1…PEMnとを比較し、有効最大ピーク値PEM1…PEMnのうち一つでも設定値を越えていれば「被検査体1に異常あり」と判定する。
なお、上記設定値は、実際の検査前に例えばN=100(個)程度の正常な被検査体に対して、前述したと同様にしてピーク値をRAM17に格納し、全部の被検査体について各周波数成分ごとに、ROM18に格納されている下式(1)(2)により有効最大ピーク値PEMkiの平均値Xi´及び標準偏差σiをCPU14にて演算しRAM17に格納する。
【数1】

【0044】
ここで、iは周波数成分を示すもので、i=1…nである。また、kは被検差物の数でk=…1Nであり、PEMkiはk番目の被検査体の周波数成分iについてのピーク値である。上記式(1)(2)によって求められた平均値Xi´及び標準偏差σiに基づいて各周波数成分ごとにROM18に格納されている次式(3)により設定値PT1…PTnを求める。
【数2】

【0045】
(ただしi=1…n)
ここで、Zは検査環境、検査基準に応じて任意に設定できる変数である。上記設定値PT1…PTn、有効最大ピーク値PEM1…PEMn及び異常の有無についての判定結果は、ステップ#7において、図8及び図9に示すように各周波数成分ごとにCRT28により表示される。
【0046】
これらの図において周波数成分の数nは28となっている。なお、CRT28における表示のためのプログラムはROM18に予め格納されている。図8は、波形が図7に示すような被検査体1の回転部分が固定部分に接触したときのいわゆる「当り異常」に起因するときの検査結果のCRT表示を示している。
【0047】
この図中において、棒グラフの影線部分は異常部分を示していて、有効最大ピーク値が設定値より大きいときに「異常」と判定している。異常を表わしている帯域は異常を示す棒グラフの直上部に矩形39…により表示されている。
このように上記第1の実施の形態においては、被検査体1に対して外部の音を第2の音検出器201により検出し、この検出された音の振幅が予め設定されたしきい値を越えると、少なくともサンプリング中の被検査体1の音の振幅のデータを削除するので、被検査体1の音の影響を受けることなく、予期せぬ衝撃性の暗騒音や暗振動を確実に検出して、確実に被検査体1の異常判定ができる。
【0048】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
この第2の実施の形態は、図1に示す異常検査装置を図9に示す被検査体ST0 に適用したものである。以下、図1に示す異常検査装置に従い説明する。回転機器等の被検査体ST10は、ベースST11上に各防振ゴムST12を介して載置されている。ベースST11上には、支柱ST13が立設され、この支柱ST13の先端部に防振ゴムST14を介してシリンダST15が設けられている。
そして、このシリンダST15の駆動先端に防振ゴムST16を介して第1の音又は振動検出器1が設けられている。この第1の音又は振動検出器1は、被検査体ST10の音又は振動を検出し、その音又は振動波形に対応した波形を有する第1の電気信号SA1に変換出力する機能を有している。
【0049】
なお、この第1の音又は振動検出器1は、以下、第1の振動検出器1として説明する。この第1の音検出器1の出力側は、増幅器2を介して、異なる周波数帯域の周波数成分に分析する各周波数分析部301〜30nに接続されている。
第2の音又は振動検出部201は、図9に示すようにベースST11上に設けられ、予期できない暗騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの音や振動、物体を落下したときの音や振動を検出し、その音又は振動波形に対応した波形を有する第2の電気信号SA2に変換出力する機能を有している。
なお、この第2の音又は振動検出部201は、以下、第2の振動検出部201として説明する。この第2の振動検出器201の出力側は、増幅器202を介して、周波数分析部30n+1 に接続されている。
【0050】
一方、CPU14は、被検査体ST10の異常判定を行う機能を有するもので、第1の演算手段14a、第2の演算手段14b及び第3の演算手段14cの各機能を有している。
【0051】
第1の演算手段14aは、第1の振動検出器1及び第2の振動検出器201により検出される各振動のデータを各ピーク値検出回路301〜30n+1、マルチプレクサ10及びアナログ−ディジタル変換器11を通して取り込み、1回の検査時間内の各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値を大きさの順に並べ換える機能を有している。
第2の演算手段14bは、第1の演算手段14aにより大きさの順に並び換えられた各最大ピーク値について外乱内容に対応して予め定められ特定番目の最大ピーク値を有効最大ピーク値として各周波数成分ごとに抽出する機能を有している。
【0052】
又、この第2の演算手段14bは、1回の検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の振動検出器201により検出されたベース201上の外部の振動の最大ピーク値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST10の振動のデータを削除するデータ削除手段としての機能を有している。
【0053】
この場合、第2の演算手段14bは、第2の振動検出器201により検出された振動がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除するとともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除する。
【0054】
なお、第2の演算手段14bは、第2の振動検出器201により検出された振動がしきい値より小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除する。
第3の演算手段14cは、第2の演算手段14bにより得られた有効最大ピーク値と予め設けられている設定値との比較により異常判定を行う機能を有している。
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。先ず、上記実施の形態の同様に、ROM18に後述する計算プログラムが格納されるとともに、RAM17に検査時間(例えば3秒)、サンプリング期間Δt(例えば0.1秒)、ピーク値を除外するための無効ピーク値数NIP(例えば2個)、異常が検出されたサンプリング期間の前後の削除すべきサンプリング期間数が格納される。
【0055】
なお、サンプリング期間Δtの長さは、外乱、例えばコンベア停止時の衝撃振動による影響時間より短くなるように設定するのが好ましい。検査時間の長さは、検出すべき被検査体ST10の異常内容、例えば回転機器の回転異常によって決定する。又、異常が検出されたサンプリング期間の前後の削除すべきそれぞれのサンプリング期間数は、その外部の状態に合わせて適宜決められる。
又、無効ピーク値数NIPの数は、上記検査時間内において発生する外乱の回数を経験的に求めて、この経験的に求められた外乱の回数に基づいて決定する。しかして、回転機器等の被検査体ST10が起動すると、第1の振動検出器1は、回転機器の振動を検出し、その振動波形に対応した波形を有する第1の電気信号SA1を出力する。
【0056】
この第1の電気信号SA1は、増幅器2により増幅されたのち、各バンドパスフィルタ401〜40nに入力し、これらバンドパスフィルタ401〜40nにより所定の異なる周波数帯域の周波数成分の信号SC1〜SCnに変換される。
このうち、例えば信号SCnは、図4に示すように正弦波状波形となっている。他の信号SC1〜SC(n−1)についても波形はほぼ正弦波状をなしている。
これら信号SC1〜SCnは、それぞれサンプルアンドホールド回路601〜60n及び各比較器701〜70nに入力される。このうちサンプルアンドホールド回路60nは、図4に示すようにピーク値を示す信号SDnを比較器70nに出力する。
この比較器70nは、サンプルアンドホールド回路60nからの信号SDnを設定値として入力するとともにバンドパスフィルタ40nからの信号SCnを入力し、信号SCnより信号SDnが小さい場合には「0」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力し、かつ信号SCnより信号SDnが大きい場合には「1」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力する。
【0057】
図4に示す信号SCnは、例えば区間30においては単調増加しているので「0」を示す信号SEnがアンド回路80nに出力される。一方、アンド回路80nの他方の入力端には、後述するリセット時を除いて常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFnが出力されているので、アンド回路80nからは「0」を示す信号SGnがサンプルアンドホールド回路60nに出力される。
このサンプルアンドホールド回路60nは、アンド回路80nからの信号SFnが「0」のときピーク値をサンプリングし、信号SFn「1」のときピーク値をホールドする。
【0058】
従って、例えば区間30においては、サンプルアンドホールド回路60nはピーク値のサンプリング状態にあるので信号SDnも図4に示すように増加する。ところが、信号SCnの変曲点31を境界にして信号SEnは「1」となるので、アンド回路80nは「1」を示す信号SGnをサンプルアンドホールド回路60nに出力し、これによって変曲点31におけるピーク値Pn1がホールドされ、このピーク値Pn1を示す信号SDnがマルチプレクサ10に出力される。
【0059】
なお、他の周波数分析部301〜30(n−1)からも同様にしてピーク値P11…P(n-1)1を示す各信号SD1〜SD(n−1)が同時にマルチプレクサ10に出力される。
【0060】
一方、第2の振動検出器201は、ベースST11上の外部の振動を検出し、その振動波形に対応した波形を有する第2の電気信号SA2を出力する。この第2の電気信号SA2は、増幅器202により増幅されたのち、バンドパスフィルタ40n+1に入力し、信号SCn+1に変換される。
この信号SCn+1 は、サンプルアンドホールド回路60n+1及び比較器70n+1に入力される。このうちサンプルアンドホールド回路60n+1は、ピーク値を示す信号SDn+1を比較器70n+1に出力する。
この比較器70n+1は、サンプルアンドホールド回路60n+1からの信号SDn+1を設定値として入力するとともにバンドパスフィルタ40n+1からの信号SCn+1を入力し、信号SCn+1より信号SDn+1が小さい場合には「0」を示す信号SEn+1をアンド回路80n+1に出力し、かつ信号SCn+1より信号SDn+1が大きい場合には「1」を示す信号SEn+1をアンド回路80n+1に出力する。
【0061】
アンド回路80n+1の他方の入力端には、上記同様に、リセット時を除いて常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFn+1が出力されているので、アンド回路80n+1からは「0」を示す信号SGn+1がサンプルアンドホールド回路60n+1に出力される。
このサンプルアンドホールド回路60n+1は、アンド回路80n+1からの信号SFn+1が「0」のときピーク値をサンプリングし、信号SFn+1「1」のときピーク値をホールドする。
従って、サンプルアンドホールド回路60n+1は、ベースST11上の外部の振動の波形に対応した信号SCn+1の変曲点におけるピーク値をホールドし、このピーク値を示す信号SDn+1をマルチプレクサ10に出力する。
【0062】
一方、CPU14は、入出力インタフェース16を介して所要の周波数分析部301〜30n、30n+1を指定する信号を、システムバス20を経由してデコーダ9及びマルチプレクサ10に出力する。
この信号SHがマルチプレクサ10に送られることにより、このマルチプレクサ10からは、図4に示すように各バンドパスフィルタ401〜40n、40n+1を通過した周波数成分の各ピーク値(例えば上記Pn1)、及び外部の振動の波形に対応した信号SCn+1のピーク値を示す各信号SD1〜SDn、SDn+1のみが、各信号SI1〜SIn、SIn+1としてアナログ−ディジタル変換器11に順次出力される。
【0063】
これら信号SI1〜SIn、SIn+1のアナログ−ディジタル変換器11への入力時点より時間Δt1(数10μs)経過後に、CPU14は、図4に示すように入出力インタフェース16を介してパルス状の信号SJを時間Δt2(約30ms以下)ごとに微分回路22に出力する。
この微分回路22は、信号SJを微分した信号SKを単安定マルチバイブレータ24及びアナログ−ディジタル変換器11に出力する。この信号SKを入力した時点での各信号SI1〜SIn、SIn+1は、アナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値の各データ信号SL1〜SLn、SLn+1に変換され、これらデータ信号SL1〜SLn、SLn+1は入出力インタフェース16、CPU14を経てRAM17に伝送され、このRAM17の所定の番地にピーク値Pn1として格納される。
なお、図4において、信号SKの「1」を示す部分の前縁と信号SF1の「0」を示す部分の後縁との時間Δt3において異常検査は一時中断されるが、リアルタイムで正確にデータを収集するために、Shannonのサンプリング定理によりΔt3<1/2Fmax(ただしFmaxは最高周波数)を満足するように設定されている。
【0064】
一方、信号SKを入力した単安定マルチバイブレータ24は、この信号SKの後縁をトリガとして信号SMをストローブ信号としてデコーダ9に出力する。この信号SMを入力したデコーダ9は、信号SHが指定する各アンド回路801〜80n、80n+1に対してリセットのための「0」を示す信号SF1〜SFn、SFn+1を出力する。
図4に示すように、この「0」を示す信号SF1〜SFn、SFn+1を入力した各アンド回路801〜80n、80n+1は「0」を示す各信号をそれぞれサンプルアンドホールド回路601〜60n、60n+1に出力し、そのピーク値は例えば図4に示す信号SCの点33まで急減し、再び前述したようにして、図4に示す次のサンプリング期間Δt内における最大のピーク値Pn2をホールドしてマルチプレクサ10に出力する。
【0065】
但し、Δt>Δt2×(n+1)となるように設定されており、かつ(n+1)は周波数分析部の数である。一方、例えば、RAM17にピーク値Pn1が格納されると、[Δt−{Δt2×(n+1)}]時間後に、周波数分析部301を指定する信号SHがデコーダ9及びマルチプレクサ10に出力され、又、信号SJが微分回路22に出力され、周波数分析部30nと同様にして、ピーク値P11を示す信号SI1がアナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値のデータ信号SL1に変換され、このデータ信号SL1がRAM17に伝送され、このRAM17の所定の番地にピーク値P11として格納される。
【0066】
この後、リセットのための「0」を示す信号SF1がアンド回路801に出力されサンプルアンドホールド回路601は再びサンプリング状態に復帰する。このようにして、サンプリング期間Δt内に他の各周波数分析部302〜30n+1においてホールドされた最大のピーク値P21…P(n+1)1が順次RAM17の所定の番地に格納される。
なお、マイクロコンピュータ13から出力される信号SJのパルス間隔は、図5に示す信号SL1〜SLn、SLn+1に対応してSL1〜SLn、SLn+1をサンプリングする期間中はΔt2であり、例えば信号SLnから次のサンプリング期間Δtにおける信号SLn+1をサンプリングするまでのパルス間隔は、前記したように[Δt−{Δt2×(n+1)}]である。
このような信号SJのパルス間隔を得るためのプログラムは予めROM18中に格納されている。さらに、Δt2×(n+1)がサンプリング期間Δtに等しくなるように時間Δt2を設定してもよい。
【0067】
上記各サンプリング期間Δt内において、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとに順次行われるRAM17へのピーク値の格納は図5に示すようにm回繰り返して行われる。RAM17においてはピーク値は各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとに格納する。
従って、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとにm個のデータが格納される。しかして、RAM17に格納されたデータ数がm×(n+1)(ただし、mはサンプリング回数、(n+1)は周波数分析部の数である)に達すると、CPU14の第1の演算手段14aは、各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとにピーク値を大きい順に並び換える演算を行い、この演算結果を図6に示すようにRAM17に格納する。
【0068】
次にCPU14の第2の演算手段14bは、例えばコンベア停止時の衝撃振動、エアシリンダ動作時の衝撃振動などの被検査体ST10以外の振動源からの外乱の影響を除外するために、各周波数成分ごとにRAM17に格納されている上記大きい順に並べられたピーク値の大きい側からNIP個、例えば2個のデータを除外し、NIP+1番目のデータを有効最大ピーク値PEM1…PEMnとして抽出しRAM17に格納する。
又、この第2の演算手段14bは、1回の検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により検出されたベースST11上の外部の振動の最大ピーク値を検索する。
【0069】
そして、第2の演算手段14bは、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否かを判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST10の音の振幅のデータを削除する。
この場合、第2の演算手段14bは、第2の振動検出器201により検出された振動がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除するとともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除する。
例えば、被検査体ST10を載置するベースST11の近傍に、例えば台車が通過したり、又はベースST11の近傍で物体が落下すると、第2の振動検出器201は、台車の通過するときの振動又は物体の落下したときの振動を検出し、これら振動の波形に対応した電気信号SA2を出力する。
【0070】
一方、第1の振動検出器1から出力される電気信号SA1においても台車の通過の振動、又は物体の落下の振動による波形Gbが現れる。従って、第2の演算手段14bは、サンプリング期間Ta内において第2の振動検出器201により検出されたベースST11上の振動の最大ピーク値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST10の振動のデータを削除する。
次にCPU14の第3の演算手段14cは、各周波数成分ごとに、予めRAM17に設定されている各設定値PT1…PTnと、これら各設定値PT1…PTnに対応する各有効最大ピーク値PEM1…PEMnとを比較し、有効最大ピーク値PEM1…PEMnのうち一つでも設定値を越えていれば「被検査体ST10に異常あり」と判定する。
【0071】
このように上記第2の実施の形態においては、被検査体ST10に対して外部の音を第2の振動検出器201により検出し、この検出された振動が予め設定されたしきい値を越えると、少なくともサンプリング中の被検査体ST10の振動のデータを削除するので、被検査体ST10の振動の影響を受けることなく、予期せぬ衝撃性の暗騒音や暗振動を確実に検出して、確実に被検査体ST10の異常判定ができる。
【0072】
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一部分についてはその説明を省略する。
この発明の異常検査方法は、被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う異常検査方法において、特定番目の最大ピーク値として、各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いるものである。
【0073】
ここで、所定の割合は、各周波数成分毎に設定される。具体的に説明すると、上記第1の実施の形態では、第1の演算手段14aにより各周波数分析部301〜30n、30n+1ごとにピーク値を大きい順に並び換える演算を行い、この演算結果を図6に示すようにRAM17に格納する。
続いて、第2の演算手段14bは、例えばコンベア停止時の衝撃振動、エアシリンダ動作時の衝撃振動などの被検査体以外の振動源からの外乱の影響を除外するために、各周波数成分ごとにRAM17に格納されている上記大きい順に並べられたピーク値の大きい側からNIP個、例えば2個のデータを除外し、NIP+1番目のデータを有効最大ピーク値PEM1…PEMnとして抽出しRAM17に格納する。
【0074】
この第2の演算手段14bは、1回の検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により検出された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク値を検索する。
そして、この第2の演算手段14bは、この最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否かを判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除する。
この場合、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0075】
又、第2の演算手段14bは、第2の音検出器201により検出された音がしきい値より小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0076】
これに対して第3の実施の形態では、回転機器等の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に別けてこれら成分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換えて上記図6と同様なデータ列とする。
【0077】
十分防音対策された防音室内や十分振動絶縁された被検査体上であれば、希に発生する衝撃波或いは突発性の暗騒音や暗振動は、被検査体の音又は振動よりも大きい。
【0078】
そこで、データ列の全サンプル数に対し所定の割合で大きい方からデータを削除し、残ったデータの中の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う。すなわち、最も大きい方から次式で得られた除外データ数を削除して、衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動の影響を受けない有効最大ピーク値を得る。ここで、指定値は、除外データ数を全サンプル数の割合(百分率)とする。
【0079】
除外データ数=全サンプル数−(全サンプル数×指定値)/100 …(4)
なお、除外するデータを決めるのに用いる所定の割合は、例えば書き換え可能な記録媒体に予め記録しておき、検査の際に、記録媒体からその割合を呼び出して実際に除外されるデータ数を計算し、この値を用いて測定データ処理を行い除外した後の残りのデータを用いて異常判定を行う。
【0080】
この所定の割合は、各周波数成分毎に設定することができる。この所定の割合としては、例えば除外する分を全サンプル数の30%程度以下にする。そして、上記指定値は、書き換え可能な記録媒体に格納しておき、本プログラムの実行開始直後に前記計算を1回行い、各周波数毎の除外データ数をRAM上に記録する。
以降、検査する毎にRAM上に記録された除外データ数を使って有効最大ピーク値を得て、これと予め設定された判定基準とを比較して異常判定を行う。このように上記第3の実施の形態によれば、回転機器等の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に別けてこれら成分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換えてデータ列とし、このデータ列の全サンプル数に対し所定の割合で大きい方からデータを削除し、残ったデータの中の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行うようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもなく、そのうえ異常音又は異常振動の減衰時間は各周波数成分毎に異なるので、これまでのように特定する順位(特定番目)を減衰時間が長い低周波数域で合わせると減衰時間が短い高周波数域では必要異常にデータを削減してしまう場合があり、一方それを減衰時間が短い高周波数域で合わせると暗騒音や暗振動がその低周波数域では十分に減衰しないので不要なデータが残る場合がある。これらはともに誤判定を生じてしまう原因となるが、上記第3の実施の形態によれば、そうした誤判定を防止できるので、より信頼性の高い異常検出が可能となる。
【0081】
なお、本発明は、上記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。例えば、異常検査装置は被検査体として回転機器に限ることなく、例えば原子炉、製造設備等の異常検出にも用いることができる。このとき、外乱の影響時間の長短に応じて、サンプリング期間Δt及び無効ピーク値数NIPを適宜変更する必要がある。
さらに、表示部としてCRTを用いているが、印字装置のようなものでもよい。又、各ピーク検出回路501〜50n+1は、実効値検出回路であってもよく、或いは正半波ピーク値をホールドしただけでなく負半波ピーク値もホールドして絶対値ピーク値とする検出回路であってもよい。又、第2の音又は振動検出器201の出力信号を利用して、衝撃性又は突発性の暗騒音や暗振動が入ってきたときはホールド状態になるように各ピーク検出回路501〜50n+1の各サンプルアンドホールド制御信号を直接制御してもよい。
【0082】
図10はかかる衝撃性又は突発性の暗騒音や暗振動が入ってきたときにホールド状態とする場合の構成図である。第2の音又は振動検出器201の出力側は、増幅器202、バンドパスフィルタ203、ピーク値又は実効値検出回路204、比較回路205を介して、各周波数分析部50n+1に接続されている。
【0083】
この周波数分析部50n+1は、サンプルアンドホールド回路60n+1と、比較器70n+1と、アンド回路80n+1と、これら比較器70n+1とアンド回路80n+1との間に接続されたアンド回路90n+1とから構成されている。
このうちアンド回路90n+1の入力部には、第2の音又は振動検出器201からの電気信号が入力している。又、上記第1〜第3の実施の形態では、被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換え、予め定められた特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行う場合について説明したが、これは被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽出して被検査体の異常判定を行う場合でも、被検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出し、この検出された外部の音又は機械的振動が予め設定されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプリング中の被検査体の音又は機械的振動を削除することにより、信頼性の高い異常検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係わる異常検査装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】第1及び第2の音又は振動検出器の配置図。
【図3】異常検出動作のフローチャート。
【図4】異常検出動作のタイミング図。
【図5】本装置の演算制御部に逐次入力する最大ピーク値を示す図。
【図6】本装置の演算制御部のRAMにて大きい順に並べ換えられた最大ピーク値の模式図。
【図7】被検査体の音及びその外部音の信号波形を示す図。
【図8】検査結果の表示例を示す図。
【図9】本発明に係わる異常検査装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明装置の変形例を示す構成図。
【符号の説明】
【0085】
1:第1の音又は振動検出器、ST1:被検査体、301〜30n,30n+1:周波数分析部、201:第2の音又は振動検出部、501〜50n,50n+1:ピーク値検出回路、10:マルチプレクサ、13:マイクロコンピュータ、14a:第1の演算手段、14b:第2の演算手段、14c:第3の演算手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体の音又は機械的振動を検出し、前記音又は前記機械的振動を各周波数成分に分けて当該各周波数成分における各最大ピーク値を抽出し、前記各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて前記被検査体の異常判定を行う異常検査方法において、
前記特定番目の最大ピーク値として、前記各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いることを特徴とする異常検査方法。
【請求項2】
前記所定の割合は、前記各周波数成分毎に設定されることを特徴とする請求項1記載の異常検査方法。
【請求項3】
前記被検査体の前記異常判定は、前記音又は前記機械的振動の各データを前記各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、この並び換えたデータ列の全サンプル数に対し所定の割合で大きい方から前記データを削除し、残った前記データの中の前記最大ピーク値に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の異常検査方法。
【請求項4】
最も大きい方から削除する除外データ数は、前記除外データ数を全サンプル数の割合(百分率)を指定値とすると、
除外データ数=全サンプル数−(全サンプル数×指定値)/100
により得、衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動の影響を受けない有効最大ピーク値を得ることを特徴とする請求項3記載の異常検査方法。
【請求項5】
被検査体の音又は機械的振動を検出し、前記音又は前記機械的振動を各周波数成分に分けて当該各周波数成分における各最大ピーク値を抽出し、前記各最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピーク値に基づいて前記被検査体の異常判定を行う異常検査装置において、
前記特定番目の最大ピーク値として、前記各周波数成分における全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用いる手段、
を具備したことを特徴とする異常検査装置。
【請求項6】
前記手段は、前記所定の割合を前記各周波数成分毎に設定することを特徴とする請求項5記載の異常検査装置。
【請求項7】
前記手段は、前記並び換えた前記音又は前記機械的振動のデータ列の全サンプル数に対し所定の割合で大きい方から前記データを削除し、残った前記データの中の前記最大ピーク値を用いることを特徴とする請求項5記載の異常検査装置。
【請求項8】
最も大きい方から削除する除外データ数は、前記除外データ数を全サンプル数の割合(百分率)を指定値とすると、
除外データ数=全サンプル数−(全サンプル数×指定値)/100
により得、衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動の影響を受けない有効最大ピーク値を得ることを特徴とする請求項7記載の異常検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−58314(P2006−58314A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290387(P2005−290387)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【分割の表示】特願平9−3767の分割
【原出願日】平成9年1月13日(1997.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】