説明

異形断面を有するポリマーフィラメント

本発明は、少なくとも一部が180度対称軸を持った断面ジグザグまたは二つの「W」形状を有するフィラメントから形成されたマルチフィラメント糸に関する。フィラメントは、一般に約0.1〜約4.0の範囲のフィラメント当たりデニールを有する。該フィラメントで形成された糸から製造された布は、高い水分吸上げ、ソフトな手触り、および絹のような光沢のある外観を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントの縦軸および180度対称軸に垂直な二つの「W」の異形断面を有する合成ポリマーフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
合成ポリマー、特にナイロン66およびナイロン6のようなポリアミドポリマー製の紡績繊維またはフィラメント、および同じポリアミドポリマーから溶融押出されたマルチフィラメント糸が多くのアパレル用途向けに生産されている。マルチフィラメント糸を含む各フィラメントにとって最も普通の断面(フィラメントの長軸に縦方向に取られた)形状は円形である。しかしながら、個々のフィラメント断面形状に関しては多くの変形が存在する。これらには、米国デラウェア州ウィルミントンのイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.DuPont de Nemours and Company of Wilmington,Delaware USA)から商業的に入手可能な、タクテル(TACTEL)(登録商標)ディアボロ(Diabolo)として知られている「ドッグボーン」断面のフィラメントが含まれる。双葉フィラメント断面形状が米国特許公報(特許文献1)(シューメイカー(Shoemaker)ら)に開示されている。他の知られている形状には、(特許文献2)(日本エステル株式会社)に開示されている三葉形または六葉形さえも含まれる。デュポン(DuPont)から入手可能な、クールマックス(Coolmax)TMとして知られている別の多葉断面繊維が米国特許公報(特許文献3)に示されている。
【0003】
円形以外の断面形状のフィラメントは、当該技術分野において輝き、きらめき、無光沢外観、および増加した不透明さまたはカバーとして知られるものをはじめとする多様な視覚的美観の布および衣服用のマルチフィラメント糸を提供する。より軽い布重量および布平坦性もまた、個々のフィラメント断面形状の変動によって達成される。アパレル用の合成フィラメントで使用されるこれら多数の異形断面繊維の中でも、ある種の他の断面が水分を吸収するまたは吸い上げるフィラメントの能力を高めるために開発されてきた。
【0004】
繊維を通るまたはそれに沿った水の毛管移動を意味する水分吸上げ(moisture wicking)は、水分がより容易に蒸発することができるように水分を皮膚から離して広げることによって着用者への着心地のよさを改善するので、アパレル布では望ましい特性と考えられる。さらに、水分を吸収するまたは吸い上げるフィラメントの能力を高めるために、断面、フィラメント当たりデニール(dpf)、およびフィラメントと布とに塗布される仕上剤配合物の組合せが開発されてきた。例えば、水分が表面化学により布の内側から外側へ移動するのを助けるために「両面」布が開発されてきた。典型的には、両面布は、主として外側に細かいフィラメント当たりデニール(dpf)フィラメントと、主として内側により粗いdpfフィラメントとを有する。この「両面」布は編物構造による横編み布で容易に成し遂げられるが、個々のフィラメントの最適形状による吸上げにおけるさらなる改善の余地はある。さらに、縦編み布および織布は、主として一面または他面上にフィラメント位置を維持するためのやり方で構築するのは困難であり、高くつく。それ故、特に織布または縦編み布では、優れた水分吸上げを与えるフィラメントが、特に活動着について着用者の着心地のよさを改善するために必要とされる。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002−0034903−A1号明細書
【特許文献2】特公平01−20243号公報
【特許文献3】米国特許第5,152,014号明細書
【特許文献4】米国特許第4,468,505号明細書
【特許文献5】カナダ特許第1,234,656号明細書
【特許文献6】米国特許第3,416,952号明細書
【特許文献7】米国特許第5,168,143号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アパレル向けのソフトな布手触りおよび絹のような光沢だけでなく布に高められた水分吸上げ特性を与えるマルチフィラメント合成糸を提供することを求める継続する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも一部が二つの「W」の横断面形状(フィラメントの縦軸に垂直に見られる時に)を有する合成ポリマーフィラメントから形成されたマルチフィラメント糸に関する。
【0008】
好ましい実施形態では、フィラメントの横断面は、ジグザグ形状の少なくとも7つの隣り合ったセグメントを含む。好ましくは、隣り合ったセグメントは約40度〜約60度の角度を形成する。フィラメント断面は呼び幅、呼び長さおよび呼び厚さを有する。呼び幅対呼び厚さの比は好ましくは約3未満であり、くぼみ(indentation)対厚さ比は好ましくは約0.25〜約0.6である。好ましくは、フィラメントは約0.1〜約4.0のフィラメント当たりデニールを有する。
【0009】
好ましくは、合成ポリマーフィラメントは、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロアミド、ポリエナントアミド、ナイロン10、ポリドデカノラクタム、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミドホモポリマー、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドホモポリマー、およびドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミドよりなる群から選択されるポリアミド合成ポリマーを含む。
【0010】
布は少なくとも一部が本発明の合成ポリマーフィラメントから形成されてもよい。糸が多数のフィラメントから形成される場合、本発明の合成ポリマーフィラメントは好ましくは前記糸中のフィラメントの総数の少なくとも約50%を構成する。好ましくは、糸は約15〜約200のデニールを有する。
【0011】
布は本発明による合成ポリマーフィラメントを含む糸で形成されてもよい。両面布は、一面または両面に繊維または本発明による繊維を含む糸を含んでもよい。水分吸上げを高めるために湿潤剤が布の一面に塗布されてもよい。好適な湿潤剤には、親水性ポリアミド、親水性シリコーン、および親水性ポリエステルが含まれる。
【0012】
本発明による合成ポリマーフィラメントは、各セグメントが近位端と遠心端とを画定し、第1セグメントの遠心端が第2セグメントの近位端に連結され、第2セグメントの遠心端が第3セグメントの近位端に連結され、第3セグメントの遠心端が第4セグメントの近位端に連結され、第4セグメントの遠心端が第5セグメントの近位端に連結され、第5セグメントの遠心端が第6セグメントの近位端に連結され、第6セグメントの遠心端が第7セグメントの近位端に連結され、および回転中心が第4セグメントに沿って画定され、かつ、フィラメントの横断面が前記回転中心のまわりに180度回転された時に対称である、ジグザグ形状の7つの隣り合ったセグメントを含む横断面を好ましくは有する。このジグザグ横断面形では、隣り合ったセグメントは好ましくは約40度〜約60度の角度を形成する。糸は、少なくとも一部がジグザグ横断面形の合成ポリマーフィラメントから形成されてもよく、布はかかる糸またはフィラメントから構築されてもよい。布は、水分吸上げを高めるために湿潤剤が一面に塗布された両面布であってもよい。
【0013】
本発明によるフィラメントは、ソフトな手触りおよび絹のような光沢のある外観と相まって、高い水分吸上げ能力を有するアパレル布を製造するのに特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のフィラメントの横断面形状は、図1に示されるように180度対称軸を有する二つの「W」形状である。二つの「W」形状は、逆「W」と第4レッグを共有する直立した「W」を含む。180度対称軸は、断面がその中心点Pのまわりに180度回転された時に、回転された断面形状が回転前の最初の断面形状に等しいことを意味する。図1に示される中心点Pはこの説明での参考のためのものであり、本発明によるフィラメント上にこのように目に見えないであろう。
【0015】
好ましいフィラメント横断面形状は、断面形状の第1自由端1aから始まり7つのセグメント(10、20、30、40、50、60および70)を通って第7セグメント70の自由端7まで横断する7つの隣り合ったセグメントよりなる。第1セグメント10は、第1セグメント10と第2セグメント20との接合部で形成された第1頂点1bで第2セグメント20に連結している。第2セグメント20は、第2セグメント20と第3セグメント30との接合部で形成された第2頂点2で第3セグメント30に連結している。第3セグメント30は、第3セグメント30と第4セグメント40との接合部で形成された第3頂点3で第4セグメント40に連結している。第4セグメント40は、第4セグメント40と第5セグメント50との接合部で形成された第4頂点4で第5セグメント50に連結している。第5セグメント50は、第5セグメント50と第6セグメント60との接合部で形成された第5頂点5で第6セグメント60に連結している。最後に、第6セグメント60は、第6セグメント60と第7セグメント70との接合部で形成された第6頂点6で第7セグメント70に連結している。断面は第2の自由端7で終わる。この構造では、隣り合ったセグメントは好ましくは約40度〜約60度の角度を形成する。
【0016】
本発明のフィラメントは合成熱可塑性ポリマーよりなる。より具体的には、本発明のフィラメントは、溶融紡糸可能なポリマーのホモポリマーおよび共重合体からなってもよい。特に好ましい紡糸可能なポリマーには、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリエナントアミド(ナイロン7)、ナイロン10、ポリドデカノラクタム(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンセバカミドホモポリマー(ナイロン)6,10)、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドホモポリマー(ナイロン6,12)、およびドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミド(ナイロン12,12)のようなポリアミドが含まれる。
【0017】
本発明で使用されるホモポリマーおよび共重合体の製造方法は、当該技術分野では公知であり、当該技術分野で公知のように、触媒、共触媒、および共重合体を形成するための鎖分枝剤の使用を含んでもよい。ポリアミドはより低い弾性率のために一般によりソフトであり、かつ、それらはそれらの表面化学のためにより親水性であるので、好ましくは、繊維形成ポリマーは少なくとも1種のポリアミドである。より好ましくは、ポリマーはナイロン6、ナイロン6,6、またはそれらの組合せのようなポリアミドである。最も好ましくは、ポリアミドはナイロン6,6である。
【0018】
本発明のポリマーおよび生じたフィラメント、糸、およびアパレル物品は、重合工程中にまたは形成されたポリマーもしくは物品に添加されてポリマーまたは繊維特性の改善に貢献するかもしれない、通常の添加剤を含むことができる。これらの添加剤の例には、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、防炎加工剤、染料、光安定剤、重合触媒および助剤、接着促進剤、二酸化チタンのような艶消剤、マット剤、有機リン酸エステル、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0019】
本発明のポリマーおよび生じたフィラメント、糸、布およびアパレル物品は、それらの表面を永久的または半永久的親水性処理剤または仕上剤で処理することができる。これらの処理は一般に布およびアパレル物品の水分吸上げ特性を改善する。本発明で有用な好適な表面処理剤には、全体を参照により本明細書に援用される米国特許公報(特許文献4)に記載されているような、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)−ポリ[ポリ(オキシエチレン)アジパミド]共重合体[CAS No.92717−79−8]などの親水性セグメントで製造されたポリアミドのような親水性ポリマー組成物;クラリアント(Clariant)から商業的に入手可能である「サンドターHVリキッド(Sandotor HV Liquid)」のような親水性化シリコ−ン・マイクロエマルジョン;ポリオキシエチレンジエステルおよびアルキレンジエステル・セグメントの両方を含有するコポリエステルのような親水性コポリエステル;および(特許文献5)に記載されているもののようなある種の非イオン性界面活性剤が含まれる。これらの表面処理剤は、水吸上げ性能を改善するそれらの能力の点で異なり、かつ、洗濯による除去に対する耐久性または抵抗性の点で異なる。この性能のばらつきは、処理される繊維の組成、繊維に加えられる吸上げ処理の量、および処理の耐洗濯性をはじめとする幾つかの因子に依存する。
【0020】
ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)−ポリ[ポリ(オキシエチレン)アジパミド]共重合体が本発明の物品を処理するのに特に有用であることが分かった。ポリマーは、ポリオキシエチレンアジパミド・セグメントとポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントとよりなる。ポリ(オキシエチレン)アジパミド・セグメントは、ポリ(オキシエチレン)ジアミン[CAS No.65605−36−9]とアジピン酸との反応から形成される。ポリ(オキシエチレン)ジアミンは、オキシエチレン基と共に少量の、例えば、25モル%未満のオキシプロピレン基を含むことができる。
【0021】
ポリオキシエチレンアジパミド・セグメントは高い水親和性を有し、共重合体に、およびこうして処理繊維に親水性特性を与えるが、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントは低い水溶解度を有し、こうして繊維上の処理に耐久性を与える。これらのアジパミド共重合体は、処理されるべき基材に使用されたポリマーがナイロン6、ナイロン6,6、またはそれらの組合せである場合に特に有用であり、ポリアミドがナイロン6,6である場合に使用に最も好ましい。
【0022】
ポリオキシエチレンアジパミドおよびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントのそれぞれの長さは変わってもよい。ポリオキシエチレンアジパミド・セグメントの長さを大きくすると、処理の水吸上げ特性を増加させ、同時にその水溶解度を増加させ、こうしてその耐洗濯性を低下させる。ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントの長さを大きくすると、その水溶解度を低下させ、こうして処理のその耐洗濯性を増加させる。
【0023】
ポリエチレンオキシアジパミド・セグメントの好適な長さはまた、ポリ(オキシエチレン)ジアミンの商業的入手可能性によってある程度決定される。600、900、および2000の分子量のポリ(オキシエチレン)ジアミンがハンツマン・コーポレーション(Huntsman Corporation)から入手可能であり、従って特に有用である。それらはXTJ−500、XTJ−501、およびXTJ−502として知られている。
【0024】
処理組成物中のこれらセグメントそれぞれの互いの相対量は、また、任意の所望の比で変わってもよい。ポリオキシエチレンアジパミド・セグメントの割合を増やすと、処理の水吸上げ特性を増加させ、同時にその水溶解度を増加させ、こうしてその耐洗濯性を低下させる。逆に、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントの割合を増やすと、その水溶解度を低下させ、こうしてその耐洗濯性を増加させる。共重合体中のポリオキシエチレンアジパミドおよびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)セグメントの相対量および長さのバランスを取って、繰り返し洗濯に対する好適な耐久性を維持しながら、水吸上げ性能を最大にすることができる。本発明にとって好ましい共重合体は、約18〜22%の範囲の重量百分率のナイロン6−6と共に約900〜約2000の分子量のポリ(オキシエチレン)ジアミンを使用する。ポリマーは米国特許公報(特許文献4)に記載されているように製造することができる。
【0025】
これらの共重合体は、本発明で使用される場合、任意の好適な溶液に溶解することができる。好ましい系は1,2−プロパンジオールおよび水の溶液であることが分かった。この組合せは、それだけでか、または下に記載されるような他の処理剤と組み合わせてかのどちらかで布へ塗布されてもよい溶液を提供する。溶液中のポリ(ヘキサメチレンアジパミド)−ポリ[ポリ(オキシエチレン)アジパミド]共重合体の量は約0.1%〜約40重量%の範囲であってもよい。最も好ましい範囲は約8%〜約15%である。共重合体のより高い百分率では、溶液はゲル化する傾向を有する。より低い百分率は許容し得るが、あまり経済的ではない。布への塗布については、溶液は過剰塗布なしに所望量だけの仕上剤の塗布を容易にするためにさらに水で希釈されてもよい。
【0026】
1,2−プロパンジオールが水への共重合体の溶解を促進するのに使用される。1,2−プロパンジオールの好ましい量は重量で親水性ポリアミド共重合体にほぼ等しい。より多い1,2−プロパンジオールが使用されてもよいが(例えば共重合体の重量の1.5倍)、塗布工程で必要とされる乾燥時間を長くするかもしれない。より少ない1,2−プロパンジオールが使用されてもよいが(例えば共重合体の重量の0.5倍)、親水性ポリアミド共重合体の溶解度を低下させる。米国特許公報(特許文献4)に教示されているように、1,2−プロパンジオールの使用はエタノールよりも好ましい。というのは、それは可燃性ではなく、それはより毒性が少なく、より発がん性ではなく、それのより少量が使用されてもよく、それはより高い沸点を有し、従って揮散がより少ないためである。
【0027】
親水性コポリエステルもまた本発明で有用な親水剤である。親水性コポリエステルには、ポリオキシエチレンジエステルおよびアルキレンジエステル・セグメントの両方を含有するコポリエステルが含まれる。それらは単純コポリエステルであってもよいし、すなわち、それらはポリオキシエチレンジエステルおよびポリアルキレンジエステル・セグメントだけを含有してもよく、コポリエステルはたった1つのポリエチレンオキシド、ジエステルおよびグリコールから誘導される。様々な分子量のポリエチレンオキシド、テレフタル酸ジメチル、およびエチレングリコールが、主としてコストおよび入手可能性のために、これらの共重合体用の最も普通の原料である。これらの単純な親水性コポリエステルを製造するのに使用されるコモノマーに関して多数の変形が可能である。これらの共重合体は、全体を参照により本明細書に援用される米国特許公報(特許文献6)に開示されている。これらの共重合体の例には、ステパン・カンパニー(Stepan Company)から商業的に入手可能である「ゼルコン(ZELCON)」5126[CAS No.9074−67−3]、および英国ロンドンのインペリアル・ケミカル・インダストリーズ、リミティッド(Imperial Chemical Industires,Limited,London,England)から商業的に入手可能である「ミリーズ(MILEASE)」T[CAS No.9016−88−0]が挙げられる。「ゼルコン」5126および「ミリーズ」Tの両方は、85%まで水を含有する水性分散系で固体である。
【0028】
前述されたこれらの永久的または半永久的親水性処理組成物は、塗り付け、塗装、浸し塗り、発泡塗り、ローラーのニップでの供給、噴霧、または他の方法のような任意の好適な方法によって布または繊維に塗布されてもよい。水吸上げおよび耐久性を達成するために、組成物は典型的には繊維上で少なくとも0.1重量%、好ましくは繊維上で少なくとも0.5重量%の固形分の最小レベルで塗布される。より高いレベルでの塗布は、親水性特性を改善するであろう。乾燥または溶剤の除去後に、耐久性のある親水性塗膜が布または繊維表面上に残る。この塗膜は、表面に置かれた水に速やかに布を湿らせ、繊維長さに沿っておよび布層を通って移動させる。
【0029】
例えば、紡糸および/または延伸工程の間に繊維上に塗布されてもよい他の添加剤には、帯電防止剤、平滑剤(slickening agent)、接着促進剤、酸化防止剤、抗菌剤、防炎加工剤、滑剤、およびそれらの組合せが含まれる。さらに、かかる追加の添加剤は、当該技術分野で公知であるようにプロセスの様々な工程の間に添加されてもよい。
【0030】
二つの「W」横断面を有する本発明のフィラメントは、他の断面、例えば、円形断面のフィラメント、および/またはポリマーと混合して糸を形成することができる。図5は、二つの「W」横断面110の複数のフィラメントと、より大きなdpfおよび様々な断面120のフィラメントとを含む糸100の図である。フィラメント110は、水分を導くためのチャネルとして働くそれらの縦長さに沿ったくぼみ80を有する。
【0031】
本発明のフィラメントは、当該技術分野で公知であるように、使用されるポリマーのタイプに基づいて変わってもよい任意の好適な紡糸方法によって形成される。一般に、溶融紡糸可能なポリマーが溶融され、溶融ポリマーは、本発明の所望の二つの「W」断面に対応するデザインを有する紡糸口金キャピラリー・オリフィスを通して押し出される。押し出された繊維は次に、キャピラリー・オリフィスを出た繊維から熱を除去するための、空気のような、好適な媒体で急冷されるまたは凝固させられる。急冷後に、フィラメントは集中させられ、織編され、マルチフィラメント束として巻き取られる。
【0032】
本発明のフィラメントを製造するために用いられる紡糸口金キャピラリーは、上に記載された二つの「W」横断面を生み出すことができる任意の好適なキャピラリーであり得る。好適な一紡糸口金キャピラリー・プレートは、各列が互いに離れて間隔を置いて配置され、ジグザグ形状の角度に置かれた7スロットを有する、4列のスロット開口部を示す即製の図2により示されている。図2により図式的に示される紡糸口金プレートは、二つの「W」横断面形状の4つの同一フィラメントを形成することができる。
【0033】
単列の紡糸口金キャピラリー・スロットが図3に示されている。隣り合ったスロット・セグメントの任意の対によって形成される角度θは円弧の約40°〜60°である。さらに、図3を参照するに、スロット・セグメントは、任意の長さ(L)、例えば、約0.130mm〜約130mm、好ましくは約0.25mm〜約0.50mm、および約0.025mm〜約0.40mm、好ましくは約0.075mm〜約0.130mmのような任意の幅を有してもよい。
【0034】
それを通って溶融ポリマーが押し出される、図3により示される紡糸口金キャピラリーは、本発明の所望の断面を生み出すために切削される。キャピラリーすなわち紡糸口金ホアホールは、当該技術分野で公知であるように、参照により本明細書に援用される米国特許公報(特許文献7)に記載されているようなレーザー切断、穿孔、放電加工(EDM)、および打ち抜きによるような、任意の好適な方法によって切削されてもよい。好ましくは、キャピラリー・オリフィスはレーザー光を用いて切削される。
【0035】
好ましい実施形態のフィラメントについての寸法は、図4に示されるフィラメント110に関してさらに明示される。図4で、紡糸されたフィラメントの断面の幅(A)、最大厚さ(B)および最小厚さ(b)が示されている。図4に示されるように、フィラメント断面は、くぼみ80が各頂点の反対側に配置されるように造形される。最大厚さ(B)は2つの順次頂点(1bおよび2のような)間の距離として測定されるが、最小厚さ(b)は2つの順次くぼみ80間の距離として測定される。フィラメントの水分吸上げ能力を決定する点で重要であるフィラメント断面のくぼみ対厚さ比(ITR)は、方程式ITR=1−b/Bによって与えられる。
【0036】
好ましくは、本発明によるフィラメントは、約28〜42ミクロン、最も好ましくは約28〜35ミクロンの範囲の断面幅(A)を有する。好ましくは、約3のフィラメント当たりデニールを有するフィラメントについては、最大厚さ(B)は約12〜15ミクロンであり、最小厚さ(b)は約5〜10ミクロンである。好ましい紡糸フィラメントは3未満のA/B比、および約0.25〜0.60のくぼみ対厚さ比(ITR)を有する。最も好ましくは、ITRは、くぼみ80(図4)がより深くてフィラメントの長さに沿って優れた水分移動を提供するであろうことを示唆する、約0.40〜0.60である。
【0037】
フィラメントは、任意のタイプの糸、例えば、供給糸をテクスチャー加工するのに使用されるような、例えば、完全延伸糸または部分延伸糸へと形成することができる。従って、一実施形態では、フィラメントは、完全延伸糸、例えば、約35〜約50%破断伸びの延伸を有する糸であって、布およびアパレル物品を製造するのに直ちに使用されてもよい糸として紡績される。しかしながら、場合により、本発明のフィラメントは、公知の方法に従って、テクスチャー加工(また「嵩高加工」または「捲縮加工」としても知られる)されてもよい。本発明のこの実施形態では、フィラメントは、部分延伸糸、例えば、約55〜約75%破断伸びの延伸を有する糸として延伸され、次に、延伸仮撚りテクスチャリング、エア−ジェットテクスチャリング、ギア捲縮加工などによるような技法によってテクスチャー加工される。
【0038】
本発明のフィラメントは、任意の所望のデニール、フィラメント番手、およびフィラメント当たりデニール(dpf)を有するマルチフィラメント繊維または糸へと加工することができる。本発明のフィラメントから形成された糸は、典型的には、約10〜約300デニール、好ましくは約15〜約250デニール、最も好ましくは約20〜約150デニールの総合デニールを有する。本発明のフィラメントは、また典型的には、約0.1〜約4dpf、好ましくは約0.8〜約3.5、最も好ましくは約0.9〜約3.0のフィラメント当たりデニールを有する。一実施形態では、dpfは約2.9未満であり、または約2.5未満である。二つの「W」断面フィラメントは、例えば、約4よりも上のまたは下のdpfを有する他のフィラメントと混合することができる。
【0039】
本発明の糸は、さらに、異なるdpf範囲を有する複数の異なるフィラメントから形成されてもよい。かかる場合には、糸は、本発明の多葉断面を有する少なくとも1つのフィラメントから形成されるべきである。好ましくは、複数の異なるフィラメントを含有する糸の各フィラメントは、同じまたは異なるdpfを有し、各dpfは約0.1〜約4dpf、好ましくは約0.8〜約3.5、最も好ましくは約0.9〜約3.0である。
【0040】
本発明のフィラメントは布を製造するのに使用されてもよい。任意の公知の好適な布製造方法が用いられてもよい。例えば、縦編み、丸編み、靴下編み、および並品の不織布への敷き込みが布を製造するのに好適である。一実施形態では、主として布の一面に本発明のフィラメントを使用して両面布が製造される。任意の他のタイプの糸が布の他の面を作り上げるのに使用されてもよいが、好ましくはかかる他の糸は異なる吸上げ能力を有する。両面布の他面に好適な糸は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、木綿、羊毛、レーヨンのような天然繊維、およびそれらの組合せから形成されてもよい。両面布は、当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい。例えば、布は、一面に本発明の二つの「W」断面を有するマルチフィラメント糸および他面に別の糸を使用して編まれてもよい。両面布の好適な製造方法には、縦編みおよび添え糸編みが含まれる。両面布は、水分が身体から引き離されるに任せるという便益を有する。一般に、より高いdpf布が衣服の内側に使用され、より低いdpf布が衣服の外側に使用される。しかしながら、本発明の二つの「W」断面マルチフィラメント糸が両面布のどちらかの面に使用されてもよい。例えば、本発明の二つの「W」断面マルチフィラメント糸は、布の外側に使用され、上に記載されたような親水剤などの仕上剤で処理されてもよい。別の実施形態では、木綿のような異なる糸が、内側上の二つの「W」マルチフィラメント糸と共に布の外側を形成するのに使用されてもよい。
【0041】
別の好ましい実施形態では、糸は、フィラメントの総数を基準にして少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約80%の本発明のフィラメントから形成され、かかる糸は布へと加工される。さらに別の好ましい実施形態では、本発明のフィラメントから形成された糸または布は、上に記載されたような永久的または半永久的親水性湿潤剤と組み合わされる。布は、水着、活動着、および既製服をはじめとする、任意のタイプのアパレル物品を製造するのに有用である。
【0042】
任意の所望の添加剤は布に直接塗布されてもよい。これらの添加剤の例には、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、防炎加工剤、染料、光安定剤、重合触媒および助剤、接着促進剤、二酸化チタンのような艶消剤、マット剤、有機リン酸エステル、永久的または半永久的親水性湿潤剤、ならびにそれらの組合せが挙げられる。好ましくは、好適な湿潤剤は、本発明のマルチフィラメント糸を用いて製造された布に添加される。布への直接塗布に好適な湿潤剤には、上に記載されたような親水剤が含まれる。
【0043】
本発明のフィラメントおよび糸を用いて製造された布は、優れた水分吸上げ特性、ソフトな手触り、および絹のような高い光沢を示すことが分かった。本発明の糸の水分吸上げは、垂直吸上げ試験または水平吸上げ試験によるような、公知の方法によって測定される。垂直吸上げ試験は、糸を管へと編み、次に管をこすって洗うかまたは所望の試薬で処理するかのどちらかをし、処理された管を風乾させることによって行われてもよい。次に管は、約8インチ(203mm)長さの1インチ(25.4mm)幅ストリップへと切断され、3インチ(75mm)を水中に、5インチ(125mm)を水よりも上にして水の上方に垂直につるされる。ストリップ上方へ吸い上げられる水の高さの観測が、1分、5分、10分、20分および30分でのような、あらかじめ定められた時間で目視により行われる。
【0044】
本発明の糸は、アパレルでの使用に好適な強力を有する。強力は、10インチのゲージ長で糸を保持する2つの掴み具を備えたインストロン(Instron)で測定される。次に糸は10インチ/分の歪み速度で引っ張られ、データはロードセルによって記録され、応力−歪み曲線が得られる。強力は、糸のデニールで割られた(グラム単位の)破壊強度である。本発明の部分延伸糸および完全延伸糸の両方は、デニール当たり約2〜約8、好ましくは約3〜約6グラムの強力を有することができる。
【0045】
糸の破断伸びは、任意の公知装置を用いて測定することができる。例えば、一方法は、アルフレッド・スーター・カンパニー(Alfred Suter Company)によって製造された撚糸機ヘッド(Twister Head)付きで1インチ×1インチ(25mm×25mm)平面ジョークランプ(インストロン・エンジニアリング・コーポレーション(Instron Engineering Corporation))を用いるインストロン試験機TTB(Instron Tester TTB)(インストロン・エンジニアリング・コーポレーション)で引っ張って破断することを含む。典型的に約10インチ長さの試料を、65%相対湿度および70°F(21℃)で60%毎分伸長速度でインチ当たり2回転の撚りにかけた。本発明の完全延伸糸および部分延伸糸の両方の破断伸びは約30%〜約80%、好ましくは約40%〜約60%であった。
【0046】
糸のボイルオフ収縮は、任意の公知の方法を用いて測定されてもよい。例えば、それは、重りを糸の長さからつるして0.1グラム/デニール荷重を糸にかけ、その長さ(L)を測ることによって測定されてもよい。次に重りが取り除かれ、糸は沸騰水中に30分間浸漬される。次に糸は取り出され、同じ重りで再び荷重をかけられ、その新たな長さが記録される(L)。パーセント収縮(S)は次式を用いて計算される。
収縮(%)=100(L−L)/L
【0047】
低い収縮率は、ほとんどの紡績目的にとって非常に望ましい。本発明の糸は、約10%未満、好ましくは約7%未満、最も好ましくは約6%未満の収縮率を有する。
【0048】
本発明は次の非限定的な実施例によってこれから例示されるであろう。
【実施例】
【0049】
(実施例A)
80デニール−26フィラメントの二つの「W」横断面糸を290℃の温度で紡糸した。該糸を、45〜47の相対粘度(RV)を有するナイロン6,6と紡糸した。二つの「W」横断面を有するパック当たり3端の構造の紡糸口金を用いて標準ナイロンパック配合物を使用した。ナイロン6,6を3000〜3200ヤード毎分の巻取速度で紡糸し、2.5〜2.7倍の延伸比で延伸した。フィラメントの強力はデニール当たり3.6グラムであり、糸は42%の破断伸びを有した。糸は実質的に図4に示されたものの断面形状を有した。標準スピン仕上剤/第2スピン仕上剤を使用した。糸の顕微鏡写真を図5に示す。
【0050】
糸を6ハーネス不規則朱子織で織った。製織の後、各試料を垂直吸上げ試験によって試験した。すべての仕上剤を除去するために試料を十分にこすって洗った。試料を約8インチ長さの1インチ(25mm)幅ストリップに切断し、次に、3インチ(75mm)を水中に、5インチ(125mm)を水よりも上にして水の上方に垂直につるした。5インチ(125mm)までの、ストリップ上方への水吸上げの高さを時間の関数として測定した。1分、5分、10分および30分で観測を行った。試験は、5インチ(125mm)に達した時に停止した。
【0051】
(比較例1および2)
対照断面もまた比較のために測定した。これらの対照糸は双葉(また「蚕」としても知られる)およびドッグボーン(また「ディアボロ」としても知られる)断面のものであり、それぞれを同じナイロン6,6ポリマーから形成した。80デニールおよび28フィラメントの蚕断面フィラメント糸(比較例a)と90デニールおよび26フィラメントのディアボロ断面フィラメント糸(比較例2)とを比較のために使用した。それぞれを織り、本発明糸と同じ方法で製造した。
【0052】
比較糸を本発明実施例Aに類似のやり方で形成した。糸のそれぞれを実施例Aと同じナイロン6,6から製造した。同じ朱子織布を織り、実施例Aと同じやり方で試料を取った。よこ方向にだけ(垂直吸上げ試験によって)測定した織布の水分吸上げ特性を下の表1に報告する。
【0053】
【表1】

【0054】
これらのデータは、朱子織布中の二つの「W」横断面糸が対照と比べて優れた吸上げ特性を呈することを示す。例えば、蚕(すなわち双葉)断面形状のフィラメントからの朱子織布は、本発明の約半分の吸上げ能力を有した。ディアボロ糸朱子織布は本発明の約1/3の吸上げ能力を有した。
【0055】
本発明は好ましい実施形態に関連して記載されてきたが、本発明の範囲内の変形は当業者に思い付き得る。従って、本発明は特許請求の範囲によって網羅されることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】二つの「W」横断面形状を有する本発明によるフィラメントの図である。
【図2】それぞれが二つの「W」横断面形状を有する本発明によるフィラメントを製造するための7スロットを含む4キャピラリーを有する紡糸口金プレートの図である。
【図3】二つの「W」横断面形状を有するフィラメントを製造するための7スロットを含む単一紡糸口金キャピラリーの図である。
【図4】本発明による二つのW断面形状のフィラメントの好ましい実施形態の断面の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジグザグ形状の少なくとも7つの隣り合ったセグメントを含む横断面を含む合成ポリマーフィラメントであって、前記断面が呼び幅、呼び長さおよび呼び厚さを有することを特徴とするフィラメント。
【請求項2】
隣り合ったセグメントが約40度〜約60度の角度を形成することを特徴とする請求項1に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項3】
ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロアミド、ポリエナントアミド、ナイロン10、ポリドデカノラクタム、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミドホモポリマー、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドホモポリマー、およびドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミドよりなる群から選択されるポリアミド合成ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項4】
呼び幅対呼び厚さの比が約3未満であることを特徴とする請求項1に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項5】
約0.1〜約4.0のフィラメント当たりデニールを有する請求項1に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項6】
約0.25〜0.6のくぼみ対厚さ比を有する請求項1に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項7】
少なくとも一部が請求項1に記載の合成ポリマーフィラメントから形成される糸。
【請求項8】
前記糸が多数のフィラメントから形成され、かつ、請求項1に記載の合成ポリマーフィラメントが前記糸中のフィラメントの数の少なくとも約50%を構成することを特徴とする請求項7に記載の糸。
【請求項9】
約15〜約200のデニールを有する請求項7に記載の糸。
【請求項10】
少なくとも一部が請求項7に記載の糸から形成される布。
【請求項11】
少なくとも一部が請求項1に記載の合成ポリマーフィラメントから形成される布。
【請求項12】
布の一面上に請求項1に記載の合成ポリマーフィラメントを含む両面布であることを特徴とする請求項11に記載の布。
【請求項13】
湿潤剤が一面に塗布されることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項14】
前記湿潤剤が親水性ポリアミド、親水性シリコ−ン、および親水性ポリエステルよりなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の布。
【請求項15】
ジグザグ形状の7つの隣り合ったセグメントを含む横断面を含む合成ポリマーフィラメントであって、各セグメントが近位端と遠心端とを画定し、第1セグメントの遠心端が第2セグメントの近位端に連結され、前記第2セグメントの遠心端が第3セグメントの近位端に連結され、前記第3セグメントの遠心端が第4セグメントの近位端に連結され、前記第4セグメントの遠心端が第5セグメントの近位端に連結され、前記第5セグメントの遠心端が第6セグメントの近位端に連結され、前記第6セグメントの遠心端が第7セグメントの近位端に連結され、および回転中心が前記第4セグメントに沿って画定され、かつ、前記フィラメントの横断面が前記回転中心のまわりに180度回転された時に対称であることを特徴とするフィラメント。
【請求項16】
隣り合ったセグメントが約40度〜約60度の角度を形成することを特徴とする請求項15に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項17】
ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロアミド、ポリエナントアミド、ナイロン10、ポリドデカノラクタム、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミドホモポリマー、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドホモポリマー、およびドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミドよりなる群から選択されるポリアミド合成ポリマーを含むことを特徴とする請求項15に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項18】
約1.0〜約4.0のフィラメント当たりデニールを有する請求項15に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項19】
約0.25〜約0.6のくぼみ対厚さ比を有する請求項15に記載の合成ポリマーフィラメント。
【請求項20】
少なくとも一部が請求項15に記載の合成ポリマーフィラメントから形成される糸。
【請求項21】
前記糸が多数のフィラメントから形成され、かつ、請求項14に記載の合成ポリマーフィラメントが前記糸中のフィラメントの総数の少なくとも約50%を構成することを特徴とする請求項20に記載の糸。
【請求項22】
約15〜約200のデニールを有する請求項20に記載の糸。
【請求項23】
少なくとも一部が請求項20に記載の糸から形成される布。
【請求項24】
前記布の一面上に請求項14に記載の合成ポリマーフィラメントを含む両面布であることを特徴とする請求項22に記載の布。
【請求項25】
湿潤剤が一面に塗布されることを特徴とする請求項24に記載の布。
【請求項26】
前記湿潤剤が親水性ポリアミド、親水性シリコ−ン、および親水性ポリエステルよりなる群から選択されることを特徴とする請求項25に記載の布。
【請求項27】
逆W形状の部分とセグメントを共有する直立したW形状の部分を含む二つの「W」形状に配置された多数のセグメントを有する横断面を含むことを特徴とする合成ポリマーフィラメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−501334(P2007−501334A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503612(P2006−503612)
【出願日】平成16年2月13日(2004.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/004496
【国際公開番号】WO2004/074560
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【Fターム(参考)】