説明

異物検出方法および装置

【課題】高感度で安定した異物検出が容易に行えるよう被測定物のデュアルエネルギーX線画像に合わせて最適な差分処理用の重みパラメータを自動設定する。
【解決手段】画像処理手段(6)は、デュアルエネルギーX線画像からローエネルギーとハイエネルギーの等価厚画像ペアを生成する等価厚画像生成手段(61)と、前記等価厚画像ペアに対し混入異物の成分と被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める分離行列算出手段(63)と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求めるパラメータ算出手段(64)と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する異成分画像分離手段(67)と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する異物検出手段(68)と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、被測定物のデュアルエネルギーX線画像を差分処理して混入異物の有無検出を行う、異物検出方法および異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品中の外来性異物や食肉中の残骨といった混入異物のX線検査を高コントラストな異成分画像を用い高感度に実施したい場合に有効な標準的方法として、ローエネルギーとハイエネルギーのデュアルエネルギーX線画像をローエネルギーとハイエネルギーの等価厚画像ペアに対数変換してから重み付き差分処理することにより異成分画像を分離するエネルギーサブトラクション(特許文献1参照)が知られている。
【0003】

食品や食肉といった被測定物を透過したローエネルギーX線とハイエネルギーX線の強度は、間接変換型X線検出器を複数用いたエネルギー別フォトインテグレーションX線光学系(特許文献2参照)によって、または、X線光子到着毎に当該光子エネルギーを弁別する直接変換型X線検出器を単数用いたエネルギー別フォトカウンティングX線光学系によって、ローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアすなわちデュアルエネルギーX線画像に変換できる。
【0004】

前記エネルギー別フォトインテグレーションX線光学系の場合、当該X線光学系に依存して発生する前記デュアルエネルギーX線画像の相対位置ずれを無くすためイメージレジストレーション処理が必要になる。前記エネルギー別フォトカウンティングX線光学系の場合、当該相対位置ずれは発生しない。
【0005】
混入異物を異成分として高コントラストに検出できるようにエネルギー帯域を適切に設定しておくとともに、前記重み付き差分処理の重みパラメータの設定が最適であれば、相対位置ずれの無いデュアルエネルギーX線画像に前記エネルギーサブトラクションを適用することによって直ちに高コントラストな異成分画像が分離できて、混入異物の有無判定が当該異成分画像に対する簡単な閾値処理で実現できる。
【0006】
【特許文献1】特開平04−11473号公報
【特許文献2】特開2002−365368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記エネルギーサブトラクションは食品中の外来性異物や食肉中の残骨といった混入異物のX線検査を高コントラストな異成分画像を用いて高感度に実施したい場合に効果を発揮する方法ではあるが,デュアルエネルギーX線画像の撮像条件や食品や食肉といった被測定物に依存する前記重み付き差分処理の重みパラメータを最適に設定する作業が微妙で煩わしいという欠点の克服が課題であった。
【0008】
本発明の目的は、前記重みパラメータを自動設定することによって当該欠点を克服した異物検出方法および異物検出装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】

本発明の発明者は、食品中の外来性異物や食肉中の残骨といった混入異物のX線吸収スペクトルと食品や食肉といった被測定物のX線吸収スペクトルが異なっている点に着眼して独立成分分析を行った結果、混入異物が被測定物の異成分画像として分離できるという事実を実験により見出していたが、この事実を応用すれば設定が煩わしいエネルギーサブトラクションにおける重みパラメータを最適に自動設定することができると考え、本発明に到達したものである。
【0010】
本発明の請求項1に係わる異物検出方法は、被測定物のデュアルエネルギーX線画像を差分処理して混入異物の有無検出を行う異物検出方法であって、前記デュアルエネルギーX線画像としてローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成する段階と、前記等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める段階と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求める段階と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する段階と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する段階と、を含む構成を有している。
【0011】
この構成により、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物のデュアルエネルギーX線画像に合わせて自動設定することが可能となり高感度な異物検出ができる。
【0012】
本発明の請求項2に係わる異物検出方法は、本発明の請求項1に係わる異物検出方法において、前記等価厚画像ペアに独立成分分析を適用して分離行列を求める段階の前に、前記等価厚画像ペアの画像ノイズを低減する段階を付加したものである。
すなわち被測定物のデュアルエネルギーX線画像を差分処理して混入異物の有無検出を行う異物検出方法であって、前記デュアルエネルギーX線画像としてローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成する段階と、前記等価厚画像ペアの画像ノイズを低減する段階と、前記画像ノイズを低減された等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める段階と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求める段階と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する段階と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する段階と、を含む構成を有している。
【0013】
この構成により、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物のノイズ低減されたデュアルエネルギーX線画像に合わせて自動設定することが可能となり高感度な異物検出ができる。
【0014】
本発明の請求項3に係わる異物検出装置は、被測定物3にX線を照射するX線照射手段2と、前記被測定物を透過したX線強度をローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアに変換するX線検出手段4と、前記X線画像ペアをデュアルエネルギーX線画像として記憶する画像入力手段5と、前記デュアルエネルギーX線画像を差分処理して被測定物に混入している異物の有無を検出する画像処理手段6と、を具備した異物検出装置において、画像処理手段6に請求項1の異物検出方法を用いている。
すなわち請求項1の異物検出方法を用いた前記画像処理手段6は、前記デュアルエネルギーX線画像からローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成する等価厚画像生成手段61と、前記等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める分離行列算出手段63と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求めるパラメータ算出手段64と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する異成分画像分離手段67と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する異物検出手段68と、を具備している。
【0015】
この構成により、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物に合わせて自動設定することが可能となり高感度な異物検出装置が実現できる。
【0016】
本発明の請求項4に係わる異物検出装置は、本発明の請求項3に係わる異物検出装置において、前記等価厚画像ペアの画像ノイズを低減する画像ノイズ低減手段62を備え、前記分離行列を求める手段は、ノイズ低減された等価厚画像ペアに対し分離行列を求めるようにしたものである。
【0017】
この構成により、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物のノイズ低減されたデュアルエネルギーX線画像に合わせて自動設定することが可能となり高感度な異物検出装置が実現できる。
【0018】
本発明の請求項5に係わる異物検出装置は、本発明の請求項3または4に係わる異物検出装置において、前記画像処理手段6の中に、パラメータ算出手段64で求められた重みパラメータを記憶させるパラメータ記憶手段69と、前記記憶させた重みパラメータを参照するパラメータ参照手段60と、を付加したものである。
【0019】
この構成により、特定の被測定物に合わせて求めらた前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを記憶させておき、同種の被測定物に対しても毎回行っていた分離行列算出から重みパラメータ算出にいたる計算処理に替えて、当該重みパラメータを参照させることによって、最適な重みパラメータを求めた特定の被測定物と同種の被測定物を高速に検査できるようにした高感度な異物検出装置が実現できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に係わる異物検出方法は、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物のデュアルエネルギーX線画像に合わせて自動設定することが可能となり、高感度で安定した異物検出を行うことができる。
【0021】
本発明の請求項2に係わる異物検出方法は、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物のノイズ低減されたデュアルエネルギーX線画像に合わせて自動設定することが可能となり、格段に高感度で安定した異物検出を行うことができる。
【0022】
本発明の請求項3または4に係わる異物検出装置は、前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを被測定物に合わせて自動設定することが可能となるため、高感度で安定した異物検出を行うことができる。
【0023】
本発明の請求項5に係わる異物検出装置は、特定の被測定物に合わせて求められた前記差分処理に用いる最適な重みパラメータを記憶させておき、当該重みパラメータを参照させることによって、同種の被測定物を高速に検査できるため、高感度で高速な異物検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0025】
1.第1実施形態(図1〜図2)
本実施形態の異物検出装置は図1に示すように、被測定物3を搬送する搬送手段1と、被測定物3にX線を照射するX線照射手段(X線源)2と、前記被測定物を透過したX線強度をローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアに変換するX線検出手段4と、前記X線画像ペアをデュアルエネルギーX線画像として記憶する画像入力手段5と、前記デュアルエネルギーX線画像を差分処理して被測定物に混入している異物の有無を検出する画像処理手段6とを備え、必要に応じて画像表示手段7を備えている。
【0026】
搬送手段1は、例えばX線を良く透過するベルトコンベアで実現され、対向配置されたX線源2とX線検出手段4の間を通して被測定物3を搬送する。X線源2から照射されたX線は、被測定物3による吸収と前記ベルトコンベアによる僅かな吸収を受けてこれらを透過した後、X線検出手段4に到達する。
【0027】
X線検出手段4は、例えばX線光子到着毎に当該光子エネルギーを弁別する直接変換型X線ラインセンサで実現され、エネルギー別フォトカウンティングX線光学系を成すことによって、前記X線ラインセンサによる1ライン上のサンプリングピッチと略等しいサンプリングピッチで搬送方向にサンプリングすることによって被測定物3と前記ベルトコンベアを透過したX線強度をエネルギー帯域別の画像データとしてメモリー上に取り込み、ローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアに変換する。
【0028】
なお図示しないが、X線検出手段4として前記直接変換型X線ラインセンサに替えてローエネルギー用とハイエネルギー用に2台の間接変換型X線ラインセンサを用いることで、エネルギー別フォトインテグレーションX線光学系を成しても良い。
【0029】

画像入力手段5は、被測定物3の前記X線画像ペアを相対位置ずれの無いデュアルエネルギーX線画像として記憶し、画像処理手段6に出力する。なお前記エネルギー別フォトインテグレーションX線光学系を成した場合は、メモリー上に取り込まれたX線画像ペアの相対位置ずれを無くすため、ここでイメージレジストレーション処理を行う。
【0030】

画像処理手段6は画像処理プログラム等が実装されたCPU等で、図2に示す本発明に係わる異物検出方法が実装されており、画像入力手段5から出力された相対位置ずれの無いデュアルエネルギーX線画像の入力を受けて(ステップS101)、等価厚画像生成手段61で対数変換を行うことによってローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成し(ステップS102)、必要に応じて画像ノイズ低減手段62で前記等価厚画像ペアにエッジ保存平滑化処理等を適用して画像ノイズを低減し(ステップS103)、分離行列計算手段63で当該等価厚画像ペアに独立成分分析を適用して分離行列を求め(ステップS104)、分離ベクトル判別手段641でローエネルギーのハイエネルギーからの差分に近い方の分離ベクトルを異成分の分離ベクトルとして判別し(ステップS105)、分離ベクトル正規化手段642で当該異成分の分離ベクトルをローエネルギーからスケーリングされたハイエネルギーが差し引かれる形に正規化し(ステップS106)、パラメータ設定手段643で前記正規化された分離ベクトルを前記差分処理の重みパラメータとして自動設定する(ステップS107)。すなわち手段641〜643(ステップS105〜S107)から構成されるパラメータ算出手段64によって前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求めて自動設定する。さらに、前記自動設定された重みパラメータを用いて異成分画像分離手段67で前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離し(ステップS108)、異物検出手段68で前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する(ステップS109)ことによって混入異物の有無検出を行う。
【0031】
前記独立成分分析としてはFastICA(Fast
Independent Component Analysis)やSOBI(Second Order Blind Identification)といった一般的で公知な信号分離アルゴリズムを適用することが可能である。独立成分分析の概略を図5に示す。図5(a)はローエネルギー等価厚画像を示し、図5(b)はハイエネルギー等価厚画像を示し、図5(c)は混入異物の成分画像を示し、図5(d)は被測定物の成分画像を示しており、独立成分分析は前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように分離行列を求めるものである。なお、前記独立成分分析の入力となる等価厚画像ペアには少なくとも被測定物3の主要部分が含まれていることが必要であり、分離対象となる異成分異物は含まれていても含まれていなくても良い。なぜなら、例えばソーセージの異物検査のように、被測定物を略単一成分とみなすことが可能であれば、前記独立成分分析により独立成分として分離できる2種類の信号は被測定物(ソーセージ)の信号とそれ以外(残骨、金属、ガラス、石などの硬質異物)の信号であるとみなすことができるからである。
【0032】
ステップS104で計算された分離行列の要素である2つの分離ベクトルを(a,b)、(c,d)とすれば、前記等価厚画像ペアの対応画素における濃度ペアを成分としたベクトル(L,H)に対して、2つの独立成分は X=aL+bH、Y=cL+dH で与えられるが、このままでは、XとYのどちらが異成分画像の濃度に相当するかは不定であり、かつ、XとYの濃度倍率も反転状態を含み不定であり、最適な重みパラメータによるエネルギーサブトラクションに結びつけることができない。
【0033】
そこで、ステップS105では、Lをローエネルギー成分、Hをハイエネルギー成分、正値の重みパラメータをkとして、前記差分処理に該当するところのZ=L−kH なるエネルギーサブトラクションが分離ベクトル(1,−k)によって分離できる成分に等しいことに着目し、(a,b)と(c,d)のうち(1,−k)に近い方を異成分の分離ベクトルとして判別する。具体的には、ローエネルギー等価厚画像はハイエネルギー等価厚画像よりも高コントラストかつ鮮明になるため前記等価厚画像ペアの濃度が同程度になるように前記対数変換しておけばkは1に近い値になるという知見に基き、例えば b/a と d/c の計算値を評価して−1に近い値を算出した方の分離ベクトルを異成分の分離ベクトルと判別すれば良い。
【0034】
そして、ステップS106では、前記判別された分離ベクトルを(a,b)として、(a,b)に倍率 1/a を掛けて、(1,b/a)という形に変形することによって当該分離ベクトルを正規化する。
【0035】
そして、ステップS107では、前記正規化された分離ベクトルを(1,b/a)として、Z=L−kH なる前記差分処理に対して、k=−b/a と自動設定する。
【0036】
そして、ステップS108では、Z=L−kH なる前記差分処理を実行する。
【0037】

画像表示手段7は、異物検出手段68の異物検出結果に対応する検査結果情報をフラットパネルディスプレイ等に表示する。
【0038】
2.第2実施形態(図3〜図4)
本実施の形態は、第1実施形態の画像処理手段6において、自動設定された重みパラメータを記憶させるためのパラメータ記憶手段69と、前記記憶させた重みパラメータを参照させるためのパラメータ参照手段60と、を付加したものであり、その他の構成に関しては第1実施形態と同様である。それゆえ、パラメータ記憶手段69とパラメータ参照手段60について説明し、第1実施形態と同様の部分は図中に第1実施形態と同じ符号を付して第1実施形態の説明を援用することによって、再度の説明は省略する。
【0039】

パラメータ記憶手段69は、パラメータ算出手段64で自動設定した前記差分処理の重みパラメータを受けて異成分画像分離手段67に出力するとともに、図示しない運転モード信号がパラメータ記憶を示しているとき、前記パラメータを図示しない参照用メモリーに記憶する(ステップS202)。
【0040】

パラメータ参照手段60は、前記運転モード信号がパラメータ参照を示していないとき、等価厚画像生成手段61が出力した、画像ノイズ低減手段62が存在する場合はさらに画像ノイズ低減手段62を経由した、等価厚画像ペアを受けて分離行列算出手段63に出力する。そして前記運転モード信号がパラメータ参照を示しているとき、前述したステップS104からステップS202までの流れを切り替えて、記憶していた前記差分処理の重みパラメータを前記参照用メモリーから読み出して異成分画像分離手段67に直接出力する(ステップS201)。
【産業上の利用可能性】
【0041】

以上説明したように本発明は、高感度で安定した異物検出が容易に行えるよう被測定物のデュアルエネルギーX線画像に合わせて最適なエネルギーサブトラクション用の重みパラメータを自動設定するため、デュアルエネルギーX線データを出力する検出手段を備えた異物検出装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる異物検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わる異物検出方法の概略の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係わる異物検出装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係わる異物検出方法の概略の流れを示すフローチャートである。
【図5】一般的で公知な独立成分分析の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1…搬送手段
2…X線源
3…被測定物
4…X線検出手段
5…画像入力手段
6…画像処理手段
7…画像表示手段
60…パラメータ参照手段
61…等価厚画像生成手段
62…画像ノイズ低減手段
63…分離行列算出手段
64…パラメータ算出手段
641…分離ベクトル判別手段
642…分離ベクトル正規化手段
643…パラメータ設定手段
67…異成分画像分離手段
68…異物検出手段
69…パラメータ記憶手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物のデュアルエネルギーX線画像を差分処理して混入異物の有無検出を行う異物検出方法であって、前記デュアルエネルギーX線画像としてローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成する段階と、前記等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める段階と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求める段階と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する段階と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する段階と、を含む構成を有していることを特徴とする異物検出方法。
【請求項2】
前記等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める段階の前に、前記等価厚画像ペアの画像ノイズを低減する段階を付加した請求項1に記載の異物検出方法。
【請求項3】
被測定物(3)にX線を照射するX線照射手段(2)と、前記被測定物を透過したX線強度をローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアに変換するX線検出手段(4)と、前記X線画像ペアをデュアルエネルギーX線画像として記憶する画像入力手段(5)と、前記デュアルエネルギーX線画像を差分処理して被測定物に混入している異物の有無を検出する画像処理手段(6)と、を具備した異物検出装置において、前記画像処理手段(6)は、前記デュアルエネルギーX線画像からローエネルギー等価厚画像とハイエネルギー等価厚画像の等価厚画像ペアを生成する等価厚画像生成手段(61)と、前記等価厚画像ペアに対し前記混入異物の成分と前記被測定物の成分とに分離するように独立成分分析を適用して分離行列を求める分離行列算出手段(63)と、前記分離行列の要素である2つの分離ベクトルに基いて前記差分処理の重みパラメータを求めるパラメータ算出手段(64)と、前記重みパラメータを用いた前記差分処理によって前記等価厚画像ペアから前記混入異物の成分画像を分離する異成分画像分離手段(67)と、前記混入異物の成分画像を閾値処理して異物検出する異物検出手段(68)と、を備えたことを特徴とする異物検出装置。
【請求項4】
前記等価厚画像ペアの画像ノイズを低減する画像ノイズ低減手段(62)を備え、前記分離行列を求める手段は、ノイズ低減された等価厚画像ペアに対し分離行列を求めることを特徴とする請求項3に記載の異物検出装置。
【請求項5】
前記画像処理手段(6)に、前記パラメータ算出手段で求められた重みパラメータを記憶させるパラメータ記憶手段(69)と、前記記憶させた重みパラメータを参照するパラメータ参照手段(60)と、を付加した請求項3または4に記載の異物検出装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−91483(P2010−91483A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263207(P2008−263207)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】