異種ディスプレイデバイスを含む融合されたディスプレイ
電気泳動ディスプレイ(EPD)等の反射型ディスプレイと、バックライト液晶ディスプレイ等の放射型ディスプレイを、融合されたディスプレイを形成するように組み合わせることができる。この組み合わせは、反射型と放射型ディスプレイの要素とを交互にして、ディスプレイを互い違いに積層させるか、または、反射型と放射型とのディスプレイ要素を互いに散在させることを含むことがある。融合されたディスプレイ上の画像を、リフレッシュ速度、電力消費、色彩および/または動画の存在等の要因によって、反射型または放射モードあるいはその2つの組み合わせを用いて表示することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種ディスプレイデバイスを含む融合されたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ディスプレイは、電子書籍リーダー(「eブックリーダー」)、携帯電話、個人情報端末(PDA)、携帯メディアプレイヤー、タブレットコンピュータ、ネットブック、デスクトップコンピュータ、テレビ等の電子デバイスで見られる。これらのデバイスの電子ディスプレイは、本および映画等の情報、動作状態、およびコンテンツ項目を、視聴者に対して表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の電子ディスプレイは、放射型または反射型のいずれかである。電気泳動ディスプレイ(EPD)等のいくつかの反射型ディスプレイは、「紙上のインク」と同様の視覚的効果を提供する。これらは、主に、それらの表面に当たる光に対するその反射を変化させることで動作するため、「反射型」と称される。反射型ディスプレイは、典型的には、画像の形成後にほとんどまたはまったく電力を必要としないため、携帯アプリケーション、eブックリーダー等の、バッテリ電池に限りがある場合において有用である。反射型ディスプレイは、さらに、太陽光等の明るい条件において良好な視覚性を提供する。残念ながら、反射型ディスプレイは、典型的にはリフレッシュ速度が遅く、暗い条件でも利用できるように、特別な前面または側面のライトを必要とし、場合によっては、色彩をレンダリングしない。
【0004】
反射型ディスプレイに対して、放射型ディスプレイは、それ自体の光を生じさせる。放射型ディスプレイは、より高速なリフレッシュ速度および色彩出力を可能にし得るが、放射型ディスプレイは、太陽光等の明るい光において不鮮明になり、見えにくくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気泳動ディスプレイ(EPD)等の反射型ディスプレイ、および有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等の放射型ディスプレイを、融合されたディスプレイを形成するように組み合わせることができる。この組み合わせは、あるディスプレイをもう一方のディスプレイの上に積層することを含むことがあり、そのため、各ディスプレイの要素はほぼ同一線上にあり、反射型および放射型ディスプレイ要素が交互に配置されているか、または、反射型と放射型ディスプレイ要素が互いに散在している。融合されたディスプレイ上の画像を、反射型または放射モードあるいはその2つの組み合わせを用いて、リフレッシュ速度、電力消費、色の存在、動画の存在等の要因によって、表示することができる。
【0006】
例えば、eブック等の携帯型電子デバイスは、テキストをレンダリングするために反射モードを提供するために、反射型ディスプレイを使用し得る。この反射モードは、最小限の電力を使用し、デバイスのバッテリ寿命を長持ちさせることに役立つ一方で、「紙上のインク」と同様の視覚的経験を視聴者に提供する。ユーザが色彩写真、フルモーション動画クリップ、またはその他のコンテンツ等のコンテンツを視聴したいと思う場合、一方で、ディスプレイの全てまたは一部を、放射型ディスプレイによって提供される放射モードに移行させることができる。放射型ディスプレイは、次いで、写真またはフルモーションの動画クリップ等のコンテンツをレンダリングする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面を参照して、詳細に説明する。図において、参照番号の最も左端の桁は、その参照番号が最初に現れる図を示す。異なる図における同じ参照番号の利用は、同様または同一の項目を示す。
【0008】
【図1】融合されたディスプレイを使用する例示的な環境を示す。
【図2A】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図2B】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図3A】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図3B】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図4】例示的な融合されたディスプレイおよび反射型ディスプレイドライバモジュール、放射型ディスプレイドライバモジュール、および融合されたディスプレイ制御モジュールを示す概略図である。
【図5A】実質的に同じ面である放射型ディスプレイ要素を散在させる(interspersed)反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図5B】実質的に同じ面である放射型ディスプレイ要素を散在させる(interspersed)反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図6A】ある面に放射型ディスプレイ要素があり、別の面に反射型ディスプレイ要素が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図6B】ある面に放射型ディスプレイ要素があり、別の面に反射型ディスプレイ要素が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図7A】放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図7B】放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図8A】反射型電気泳動(EPD)ディスプレイの上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図8B】反射型電気泳動(EPD)ディスプレイの上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図9】動作時における、放射型の上に反射型が融合されたディスプレイの例示的なプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な環境
図1は、異種ディスプレイデバイスで構成される融合されたディスプレイを使用するための例示的な環境100を示す。環境100において、eブックリーダー、携帯メディアプレイヤー、ラップトップ、デスクトップコンピュータのディスプレイ等のデバイス102は、画像を生成する融合されたディスプレイ104を有する。この画像は、視覚的にレンダリングおよび消費できるテキスト情報、写真、動画、および/またはいずれか他のコンテンツを再現し得る。融合されたディスプレイ104、またはディスプレイの一部は、反射モード106、放射モード108で、またはいくつかの例では、同時に両方のモードで動作することができる。反射モード106の間、ディスプレイの要素は、少なくとも2つの状態、つまり非反射型状態および反射型状態を示すことができる。反射型状態において、テーブルランプまたはいずれかの他の光(例えば太陽光)等の光源110から放射される光は、暗いまたは黒いスポットをレンダリングするように、パススルーまたは暗い状態で、反射型ディスプレイ要素によって吸収され得る(「A」)。逆に、光源110からの光は、反射型ディスプレイ要素が反射型状態にある場合に、表面から、実質的に視聴者112に向けて反射され得る(「R」)。
【0010】
さらに、融合されたディスプレイ104の全てまたは一部は、放射モード108で動作することができる。放射モード108では、画素要素は、ディスプレイ104から発される独自の光(「E)」を発生させ、実質的に視聴者に向けて方向付けられる。画素要素(または「画素」)は、発光ダイオード、液晶およびバックライト等の組み合わせ等の光子を放射する要素を含むことがある。例えば、放射型ディスプレイは、電流を通過する際に光子を放射する回路要素を備える発光ダイオードを提供することができる。概して、放射型技術は、光子を発生させるために電気エネルギーを利用する。
【0011】
後述するように、ディスプレイ全体の一部は、コンテンツを消費するために視聴者112がデバイス102を動作する間に、反射モード106および放射モード108の間を移行することができる。例えば、視聴者112が、融合されたディスプレイ104において、アイザック・ニュートンによる自宅の修繕についてのeブックを視聴していることを想定されたい。この例において、最小限の電力を消費しながら、「紙上のインク」経験との強い視覚的な類似性を提供するため、デバイス102は、ディスプレイ上でのテキストの表示時に反射モード106を使用することができる。この例におけるeブックの一部として、視聴者112に対し、木の床をどのように補修するかを示す動画クリップのプロンプトが表示される。動画クリップのプロンプトを、最初は、反射モード106の利用によって提供することができる。動画クリップを視聴するためのプロンプトの選択時において、デバイス102は、反射モード106から放射モード108へ、融合されたディスプレイ104(破線によりこの図に示される)の一部を移行させることができる。デバイス102は、次いで、フルモーション動画および色彩の表示を可能にすることができる、放射モード108を使用して動画クリップを表示する。動画クリップの完了時、融合されたディスプレイ104の一部は、反射モード106に戻ることができる。代替の実施形態において、動画クリップのプロンプトを、最初に、表示された動画クリップのより良い視覚化または色彩を提供するように、放射モード108を使用して提供することができる。
【0012】
反射モード106または放射モード108であってもよい、融合されたディスプレイ104の一部のサイズおよび位置は、様々であってもよい。例えば、視聴者112が動画クリップのフルスクリーン表示を選択する場合、融合されたディスプレイ104は、主にまたは全体的に放射モード108であり、反射モード106の部分は少しまたはまったくなくてもよい。他の例において、ディスプレイ104の一部は、放射モード108でコンテンツをレンダリングしながら、反射モード106で追加のコンテンツをレンダリングすることができる。例えば、視聴者112は、色彩画像または動画の同時のディスプレイをさらに含む、テキストを含む記事を読むことができる。ここで、ディスプレイ104は、図1で図示するように、および上記のように、反射モード106の使用によってテキストをレンダリングしながら、放射モード108で色彩画像または動画を同時にレンダリングすることができる。
【0013】
例示的な構成および動作
図2AおよびBは、放射型ディスプレイ上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを図示する概略図200である。この図および以下の図において、画素の生成に使用されるディスプレイ要素(「要素」)は、互いにおよそ同じサイズであるものとして示される。しかしながら、いくつかの実施形態において、これらのディスプレイ要素は、ディスプレイタイプの間で、または同じ種類のディスプレイ内で、サイズが変動することがある。例えば、反射型ディスプレイ要素は放射型ディスプレイ要素よりも大きくてもよく、またはその逆でもよい。
【0014】
図2Aは、ディスプレイをまっすぐ見下ろす視聴者112の視点からの、一連の6つの要素の上面図202を示す。左から右へ、要素は、光を、吸収、反射、反射、放射、放射、および放射するように構成される。ライン「C」に沿ったこれらの6つの要素の断面図は、図2Bの204において示される。
【0015】
図2Bの断面図204は、融合されたディスプレイは、異種ディスプレイタイプの組み合わせを備えることを示す。この例では、断面図204は、融合されたディスプレイが、放射型ディスプレイ要素を含む放射型ディスプレイ206層を含むことを示す。放射型ディスプレイ206は、光を生成し、視聴者112に向けて上方に光を放射することにより、画像を生成する。例示的な放射型ディスプレイとしては、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、電界放出ディスプレイ等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0016】
所与の時点において、放射型ディスプレイ206の要素は、活性または不活性状態のいずれかで存在することがある。活性状態208で存在する放射要素は光を発し、一方で、不活性状態210で存在する放射要素は光を発しない。図2Aおよび2B、さらに、以下の図において、角度の付けられたクロスハッチ(crosshatch)は活性状態208の放射要素を示し、影部分は不活性状態210の放射要素を示す。
【0017】
「E」で示され、放射要素において発せられる矢印は、活性状態の放射要素による光の放射を示す。放射型ディスプレイ206から放射される光「E」は、透明な層212および、発せられる光が、視聴者112による消費のためにそれぞれの要素を通過することを可能にするように構成される反射型ディスプレイ214の要素を、通過することができる。いくつかの実施形態では、層212は、半透明であってもよい。透明な層212は、放射型ディスプレイ206、反射型ディスプレイ214、または両方の回路の一部を含むことがある。反射要素を通る放射された光の通過は、以下により詳細に記載される。
【0018】
図示されるように、反射型ディスプレイ214は、反射型ディスプレイ要素を備える。反射型ディスプレイは、ランプ、太陽光等の他の光源110からの入射光を反射することにより、画像を生成する。例示的な反射型ディスプレイとしては、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、電気流体ディスプレイ等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0019】
反射型ディスプレイ214は、反射状態または非反射パススルー状態で動作するように、その要素を構成することができる。説明の簡潔性のために、かつ制限を目的とせず、反射型ディスプレイ214は、反射およびパススルー状態のみを有するものとして考察されている。いくつかの実施形態において、白および黒の間の値を有する画素を生成するように使用されるもの等の、追加の非反射および/または非パススルー状態を使用することができる。
【0020】
反射型ディスプレイ214は、反射型状態216で動作するように、1つ以上の要素を構成することができる。反射型状態において、入射光「R」は、概して、視聴者に向けて、反射型ディスプレイ要素から反射し、上面図202に示されるように、白い(暗くない)またはより明るく見える画素であるように見える。
【0021】
融合されたディスプレイが、放射型ディスプレイ206上に反射型ディスプレイ214を有する図2Bに示されるように構成される場合、放射型ディスプレイ206からの光を、デバイスが反射状態216にある間、視聴者112へと、反射型ディスプレイ214を通過することを防止することができる。このため、デバイスは、放射型ディスプレイがレンダリングするいずれかのコンテンツではなく反射型ディスプレイがレンダリングするコンテンツを表示することができる。
【0022】
さらに、反射型ディスプレイ214は、光がそれぞれの反射型ディスプレイ要素を通過することができるように、パススルー状態218で動作するために1つ以上の反射要素を構成することができる。例えば、および図2AおよびBに示されるように、放射型ディスプレイ206が反射型ディスプレイ214の下の要素から放射する光「E」は、パススルー状態218の反射型ディスプレイ要素を通過することができる。同様に、光源110からの入射光「A」は、不活性の「暗い」状態210である、以下の反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によって吸収されるパススルー状態である反射型ディスプレイ要素を通過することができる。このため、この吸収は「A」で上面図202に示されるように、暗い画素を作成する。図2Aおよび2B、さらに、以下の図において、垂直のハッチングは、パススルー状態の反射要素を示す。反射型ディスプレイの全てまたは一部がパススルー状態である例において、デバイスは、パススルー状態が提供する空の空間に光を放射することにより、放射型ディスプレイがレンダリングするコンテンツを表示することができる。
【0023】
この概略図では、放射型ディスプレイ要素および反射型ディスプレイ要素は、同一線上で、互い違いに積層されて構成される状態で示されている。しかしながら、他の実施形態では、2つのディスプレイの要素はそのように整列しないことがある。例えば、要素は、放射要素が反射要素よりも大きいか、またはその逆である場合のように、整列していないことがある。さらに、および図5Bを参照して後述されるように、これらのディスプレイ要素は、図2Bに記載され、上記に記載されるように、複数の面に積層されるのではなく、単一の面に存在することがある。
【0024】
図1の例に戻り、デバイス102がレンダリングする動画クリップが、再生を開始したことを想定されたい。放射モード108で指定された融合されたディスプレイ104の領域内において、反射型ディスプレイ214の要素は、パススルー状態218に入るように構成される。放射型ディスプレイ206の要素は、活性208であってもよく、かつ、反射型ディスプレイを通過し、視聴者112に対して動画画像を作成する光を発することができる。このため、デバイス102は、さらに、放射モード108を使用して動画画像をレンダリングしながら、電力効率が良く読み込みが容易な反射モード106において、視聴者112に対してコンテンツの大部分をレンダリングすることができる。
【0025】
上記の例は、2つの層を含む融合されたディスプレイを示し、記載しているが、他の実施形態は、ディスプレイデバイスの3つ以上の層を使用することができる。例えば、融合されたディスプレイは、放射型プラズマディスプレイの上に放射型の透明なOLEDディスプレイを有する層構造の、反射型EPDディスプレイを含むことがある。あるいは、他の実施形態は、いずれか他の数のディスプレイデバイスのいずれか他の組み合わせを使用することができる。
【0026】
図3Aおよび3Bは、反射型ディスプレイ上に放射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイを示す、概略図300である。この実施形態では、放射型ディスプレイ214は、入射光が達する、かつ、(要素状態が示すように)その下の反射型ディスプレイ206によって方向付けられることを可能にする、透明または半透明のディスプレイ(透明または半透明の要素を含む)を含む。いくつかの実施形態では、放射型ディスプレイ214は、透明または半透明の一部、さらに不透明な部分を含むことがある。かかる実施形態において、不透明な部分を、入射または放射される光による望ましくない干渉を最小限にするように構成することができる。
【0027】
概して、上層が作成する画像は、視聴者112の目に対する直接の光学的経路により、最もシャープになる。一方で、下層は、上層を通る追加の光の移動のために、いくらか、わずかに劣化し得る。図2Bおよび3Bが示す構成等の積層構成において、反射型ディスプレイ206の上部または下部に放射型ディスプレイ214を配置するかどうかの選択を、ディスプレイの予想される主な利用法によって決定することができる。例えば、デバイスが主にテキストの表示に使用される例において、反射型ディスプレイを、図2Bに示されるように、上層に配置することができる。一方で、携帯型メディアプレイヤー等のデバイスが、主に、放射型ディスプレイにより適している動画を表示するように使用される例において、放射型ディスプレイを、ここでは図3Bに示されるように、上層に配置することができる。
【0028】
図4は、異種ディスプレイを駆動するように使用される融合されたディスプレイおよびモジュールを示す、概略図400である。放射型ディスプレイドライバモジュール402は、放射型ディスプレイ206へ、導電体等により、動作可能に結合することができる。放射型ディスプレイドライバモジュール402は、放射型ディスプレイ214内の要素の状態を操作するように構成される。例えば、反射型ディスプレイドライバモジュール402は、点灯した画素を作成するために、不活性状態から活性状態へ、およびその逆に、放射要素を変化させることができる。
【0029】
次に、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、導電体等により、反射型ディスプレイ214へ動作可能に結合することができる。反射型ディスプレイドライバモジュール404は、反射型ディスプレイ214内の要素の状態を操作するように構成される。例えば、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、パススルー状態218から反射状態216へ反射要素を変化させ、このため、他の光源110から入射光によって見る場合に、明るい画素を作成することができる。さらに、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、反射型状態216からパススルー状態218へ、反射要素を変化させることができる。
【0030】
放射型ディスプレイドライバモジュール402および反射型ディスプレイドライバモジュール404は、2つのディスプレイの動作を連携することができる、融合されたディスプレイ制御モジュール406へ結合することができる。例えば、図1の動画クリップを表示するために、放射モード108のための融合されたディスプレイ104の一部を構成する場合、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、スクリーンの指定された一部についてパススルーモードに反射要素を設定するために、反射型ディスプレイドライバモジュール404へ、スクリーン座標を提供することができる。さらに、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、指定された一部内の要素を活性化するように放射型ディスプレイドライバモジュール402に命令し、それにより放射型ディスプレイに動画クリップをレンダリングさせることもできる。
【0031】
代替の実施形態において、シングルドライバモジュールを、両方のディスプレイタイプを制御するように使用することができる。例えば、シングルドライバモジュールは、あるいは、反射型ディスプレイの要素および放射型ディスプレイの要素を駆動することができる。逆に、シングルドライバモジュールは、同時に、反射型ディスプレイの要素および放射型ディスプレイの要素を駆動することができる。
同一平面上および積層による交互の構成
【0032】
図2〜3に示される反射型および放射型ディスプレイ要素の積層による同一線上の構成に対して、反射型および放射型ディスプレイ要素を、いくつかの例において、実質的に同じ面に配置することができる。図5Aおよび5Bは、かかる構成において放射型ディスプレイ要素が散在される反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図500である。
【0033】
図5Aは、放射要素および反射要素が交互に繰り返す、ディスプレイ要素の格子板構成を示す上面図502である。図5Bに示される504においてライン「C」に沿った断面図は、放射要素および反射要素が実質的に同じ面に存在する構成を示す。説明の便宜上のため、および、制限を目的とするものではないが、図5Aおよび5Bは、およそ同じ寸法を有する反射型ディスプレイ要素および放射型ディスプレイ要素を示す。しかしながら、他の実施形態では、これらのディスプレイ要素はサイズが変動することがある。例えば、反射要素は、放射要素よりもより狭い、より高い、より幅が広い等であってもよい。さらに、この実施形態では、反射型および放射型ディスプレイ要素の両方は、活性であってもよく、同時に、反射型および放射型ディスプレイの両方による相互のレンダリングを可能にする。
【0034】
図6Aおよび6Bは、1つの面において反射型ディスプレイ要素を含み、別の面において放射型ディスプレイ要素を散在させる、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図600である。図6Aは、図5Aについて上述されるのと同様の格子板構成の画素の上面図602を示す。しかしながら、図6Bは、ライン「C」に沿った断面図604を示し、これは、積層された2層設計が、上方への、および視聴者がレンダリングされるコンテンツを消費する際の視聴者112の潜在的な位置に向けた、暗くされていない経路を各ディスプレイ要素に提供するために、異種要素のオフセットにより、どのように構成されるかを示す。この例では、反射型ディスプレイ214は、放射型ディスプレイ206が存在する面の上の面に存在する。このため、より低い放射型ディスプレイ206から放射される光(「E」)は、反射型ディスプレイ214要素を通過しないが、この実施形態では、パススルーチャネル606を通る。同様に、各反射型ディスプレイ要素の下に、空洞608または他の構造があってもよい。
【0035】
上述のように、最上層の反射型ディスプレイまたは放射型の配置を、パフォーマンスおよび動作上の考慮点によって決定することができる。例えば、下層は、下層に対する上層の明瞭さを考慮して、より狭い視野を示し得る、または上層と比較するとより少ない入射光を受けることがある。このため、主要なアプリケーションがテキストデータを表示しているeブックリーダーの用途において、反射型ディスプレイは、ここに示すように、上層に存在することがある。一方で、主要なアプリケーションが動画または色彩画像をレンダリングしていることがある、携帯型メディアプレイヤーの例において、放射型ディスプレイは上層に存在することがある。
EPDおよびOLEDを使用する融合されたディスプレイ
【0036】
図7Aおよび7Bは、ここでは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイとして示される、放射型ディスプレイ上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む、融合されたディスプレイを示す概略図700である。EPDは、明るいおよび暗いスポットを形成するために、小さい粒子を移動させるための電荷を使用する。OLEDディスプレイは、電気を光に変換させる。図7Aおよび7BはEPDディスプレイおよびOLEDディスプレイを示すが、他の実施形態は、いずれかの他の種類の反射型および放射型ディスプレイを使用することができる。
【0037】
この実施形態では、EPDは、電荷を使って操作することができる白い粒子を使用する。他の実施形態では、粒子は、他の色または色の組み合わせであってもよい。上面図702に示されるように、粒子は、入射光が「A」に入り、吸収されることを可能にし、放射された光「E」を逃がすことを可能にするように、各要素の周辺の周りに配置されている。いくつかのEPD実施形態では、粒子の構成を、粒子上の電荷と相互作用する、要素内の電圧を使用して開始することができる。
【0038】
他のEPD実施形態では、粒子を、これらが実質的に暗くされていない経路を提供するように、単一の壁、2つの壁、3つの壁、格納場所等に配置することができる。EPD要素が反射状態である場合、視聴者112に対して白い(暗くない)またはより明るく見える画素を生成するように、入射光「R」を反射する要素上に向けて、粒子がクラスタ状になる(cluster)。
【0039】
ライン「C」に沿った断面図704は、放射される光の通過を提供する、または入射光の吸収を可能にする、および暗い画素を生成するために、各要素の壁の周囲におけるクラスタ状の粒子の側面図を提供する。OLEDディスプレイ706は、光を発しない不活性状態要素708、および光を放射する活性状態710の要素を含む。透明な層712は、この放射される光「E」が、視聴者112に向けて、異種ディスプレイを通って通過することを可能にする。EPD反射型ディスプレイ714は、OLEDディスプレイ706の上部にある。
【0040】
図7Aおよび7Bは、反射モード106で動作する要素、さらに放射モード108で動作する要素を示す。例えば、反射モード106において、暗い画素を生成するために、OLEDディスプレイ要素は、非活性(「暗い」)状態708にされ、一方で、上部のEPD反射型ディスプレイ要素は、パススルー状態716に設定される。このため、入射光「A」は、反射型ディスプレイ要素を通過し、吸収される。この非反射は、視聴者112には、暗い画素として見える。反射モード106で白いまたは暗くない画素を生成するには、EPD反射型ディスプレイ要素を反射型状態718に設定することができ、こうして入射光が視聴者112の目に向けて反射される。反射状態718を実現するために、EPD反射型ディスプレイ要素内の粒子を、ここに示されるように、明るい色彩の粒をディスプレイ要素の上部の層へ配置することにより、反射を最大限にするように構成することができる。
【0041】
放射モード108が使用されている場合、活性OLED要素710の上部のEPD要素は、放射される光が視聴者112に向かって抜けることを可能にするように、パススルー状態716を維持するように構成される。
【0042】
別の実施形態では、OLEDディスプレイ706を、EPD714の少なくとも一部をバックライトで照らすように使用することができる。この場合、反射型状態718であるEPD要素は、画素について全体的に「より明るい」またはより高い照明値を生じさせるために、下層のOLED要素(これも活性状態である)を使用することもできる。OLEDおよびEPDの文脈で記載されているが、これらのバックライト照明技術を、一連の他の放射型および反射型ディスプレイタイプで使用することもできる。
【0043】
図8Aおよび8Bは、反射型電気泳動(EPD)ディスプレイ上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む融合されたディスプレイを示す概略図800である。図8Aは、ディスプレイ要素内のEPD粒子の構成を示す上面図802を示す。図8Bは、この実施形態では、動画再生のために最適化されたデバイスでみられるような、放射型OLED706がEPD反射型ディスプレイ714の上部に配置される様子を示す、ライン「C」に沿った断面図804を示す。この実施形態のOLED706は、入射光がEPD反射型ディスプレイ714の要素に達することを可能にするように、透明または半透明になっている。いくつかの実施形態では、活性OLED要素710の後面のEPD反射型ディスプレイ要素を、放射効率を上げるために、光を反射させるように構成することができる。
動作のプロセス
【0044】
図9は、図1、2A、2B、4、7A、および7Bに示されるアーキテクチャを使用して実施することができるが、これが必須ではない、動作中の、放射型ディスプレイの上に反射型が融合された、例示的なプロセスの流れ図である。プロセス900は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実施可能な動作シーケンスを表す、論理的な流れグラフのブロック集合として記載されている。ソフトウェアの文脈において、ブロックは、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、列挙された動作を実行する、コンピュータで実行可能な命令を表す。概して、コンピュータで実行可能な命令は、特定の機能を実行するまたは特定の抽象的なデータタイプを実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。動作が記述される順番は、制限を目的とするものではなく、いずれかの数の記述されたブロックは、プロセスの実施のために、いずれかの順番でおよび/または並列に組み合わせることができる。説明のために、プロセスは、図1、2A、2B、4、7A、および7Bのアーキテクチャの文脈において記載される。
【0045】
902において、反射型ディスプレイモードで動作する融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイの反射型ディスプレイ要素から反射する光によって、コンテンツをレンダリングする。例えば、視聴者112は、デバイス102上のeブックのテキストを読んでいてもよい。反射型ディスプレイドライバモジュール(例えばモジュール404)は、反射型ディスプレイ要素を制御することができる。
【0046】
904において、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、放射型ディスプレイモードでコンテンツをレンダリングするように、リクエストを受信する。例えば、eブックは、視聴者に対して再生することができる動画クリップを含むことがある。動画クリップは反射型ディスプレイが効率的に再現するには高速すぎるフルモーションの動画を含むため、いくつかの例では、放射型ディスプレイを選択することができる。
【0047】
906において、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、放射型ディスプレイの融合されたディスプレイの一部を指定する。例えば、図1の破線によって示される領域は、動画クリップを示す画像を包囲する。この指定を、融合されたディスプレイ制御モジュール406によって行うことができる。
【0048】
908において、放射型ディスプレイドライバモジュールは、放射型ディスプレイから放射される光が視聴者112へ達することを可能にするように、パススルー状態へ、融合されたディスプレイの指定された一部における反射要素を移行させる。この移行は、融合されたディスプレイ制御モジュール406の制御により、反射型ディスプレイドライバモジュール404の方向であってもよい。
【0049】
910において、コンテンツは、放射型ディスプレイドライバモジュール402の制御によって、活性放射要素から光を放射することにより、指定された一部にレンダリングされる。放射される光は、反射型ディスプレイ要素を通過し、視聴者112の目に達する。この例では、視聴者112は、反射型ディスプレイを通って、放射型ディスプレイによってレンダリングされる動画クリップを見る。
【0050】
まとめ
主題は構造的特徴および/または方法論的行為について、言語により記載されているが、添付の請求項に定義されている主題は、記載されている特定の特徴、寸法、または行為に必ずしも制限されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴、寸法、および行為は、請求項を実施するための例示的な形態として開示されている。さらに、本明細書に記載されているデバイスのいずれの特徴も、種々の材料または同様の構成で実施することができる。
【0051】
本出願において記載されるように、モジュールおよびエンジンを、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせを用いて実装することができる。さらに、記載される行為および方法を、コンピュータ、プロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって、メモリ、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体(CRSM)を含むメモリ上に格納される命令に基づいて実施することができる。
【0052】
CRSMは、その上に格納される命令を実施するように、コンピューティングデバイスによってアクセス可能ないずれかの利用可能な物理的な媒体にすることができる。CRSMとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み込み専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラム可能読み込み専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他の固体メモリ技術、コンパクトディスク読み込み専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多様性ディスク(DVD)または他の光ディスク格納、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納または他の磁気格納デバイス、あるいは所望の情報を格納するために使用可能、かつコンピューティングデバイスによってアクセス可能ないずれかの他の媒体を挙げることができるが、これらに制限されない。
【0053】
第1節。融合されたディスプレイデバイスは、
第1の制御モジュールによって駆動され、かつ、第1の種類のコンテンツをレンダリングし、パススルー状態を維持するように構成される電気泳動ディスプレイ(EPD)と、
第2の異なる制御モジュールによって駆動され、かつ、EPDの後面に配置される放射型ディスプレイと、を含み、放射型ディスプレイは、第2の種類のコンテンツをレンダリングするために、パススルー状態でEPDを通って光を放射させるように構成される。
【0054】
第2節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、EPDの全てまたは全て未満について、パススルー状態を維持するように構成される。
【0055】
第3節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、第1の種類のコンテンツは、テキストを備え、第2の種類のコンテンツは、色彩画像または動画を含む。
【0056】
第4節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、単色の粒子を含む。
【0057】
第5節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、EPDディスプレイの要素の少なくとも1つの側へ粒子を構成することにより、パススルー状態に入るようにさらに構成される。
【0058】
第6節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、放射型ディスプレイは、光の異なる色を生成するように構成される要素を含む。
【0059】
第7節。融合されたディスプレイデバイスであって、
融合されたディスプレイデバイス上にコンテンツをレンダリングするように、第1の制御モジュールによって駆動される透明または半透明の発光ダイオード(LED)ディスプレイと、
LEDディスプレイの後面に配置され、かつ、融合されたディスプレイデバイス上に異なるコンテンツをレンダリングするように、第2の制御モジュールによって駆動される、電気泳動ディスプレイ(EPD)と、を含む。
【0060】
第8節。デバイスであって、
融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される反射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイと、融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される放射型ディスプレイと、
融合されたディスプレイ上にそれぞれのコンテンツをレンダリングするように、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの両方を駆動するように構成される制御モジュールと、を含む。
【0061】
第9節。第8節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、放射型ディスプレイ上に存在する。
【0062】
第10節。第8節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは反射型ディスプレイ上に存在する。
【0063】
第11節。第10節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイの少なくとも一部は透明または半透明である。
【0064】
第12節。デバイスであって、
互い違いに積層された反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの両方は、融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される。
【0065】
第13節。第12節に記載のデバイスであって、融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によってコンテンツをレンダリングするように構成される。
【0066】
第14節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、放射される光子を用いて画素を作成する。
【0067】
第15節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、入射光子を用いて画素を作成する。
【0068】
第16節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、融合されたディスプレイ上でコンテンツをレンダリングする場合に、反射型ディスプレイを通して光を放射する。
【0069】
第17節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、融合されたディスプレイ上のコンテンツをレンダリングする場合に、放射型ディスプレイを通して光を反射する。
【0070】
第18節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、または電気流体ディスプレイを備える。
【0071】
第19節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイの要素は、パススルー状態の場合に、光に対して実質的に透明または半透明になるように構成される。
【0072】
第20節。第19節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、パススルー状態である反射型ディスプレイの要素を通して光を放射することにより、コンテンツをレンダリングする。
【0073】
第21節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイの要素は、不活性状態である場合に、光に対して実質的に透明または半透明になるように構成される。
【0074】
第22節。第21節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、不活性状態の実質的に透明または半透明の放射型ディスプレイの要素を通って入射光を受け、受けた入射光を反射または吸収することにより、コンテンツをレンダリングする。
【0075】
第23節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、または電界放出ディスプレイを備える。
【0076】
第24節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの要素は、交互の格子板状に構成される。
【0077】
第25節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの要素は、互いに実質的に同一平面上である。
【0078】
第26節。第12節に記載のデバイスであって、融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイに加えて、少なくとも1つのディスプレイを備える。
【0079】
第27節。プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
放射型ディスプレイによって提供される放射ディスプレイモードに入るように、融合されたディスプレイの少なくとも一部を指定することであって、融合されたディスプレイは、少なくとも反射ディスプレイと放射ディスプレイを含む、指定することと、
反射型ディスプレイによって提供される反射型ディスプレイモードに入るように、融合されたディスプレイの少なくとも一部を指定することと、を含む行為を実行させる命令を格納する、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【0080】
第28節。第27節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、放射型ディスプレイの放射要素から放射される光を通過させるように、反射型ディスプレイを構成することを含む行為を実行させる、コンピュータ実行可能な命令をさらに格納する。
【0081】
第29節。プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
放射型ディスプレイの使用により、放射型ディスプレイおよび反射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイデバイス上で第1のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
反射型ディスプレイの使用により、融合されたディスプレイデバイス上の第2のコンテンツ部分をレンダリングすることを含む行為を実行させる、命令を格納する、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【0082】
第30節。第29節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、第1のコンテンツ部分は、色彩画像または動画を含み、第2のコンテンツ部分は、テキストの一部を含む。
【0083】
第31節。第29節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、反射型ディスプレイは、融合されたディスプレイデバイス内の放射型ディスプレイの上部に存在し、放射型ディスプレイの使用による第1のコンテンツ部分のレンダリングは、
反射型ディスプレイの少なくとも一部をパススルー状態にさせることと、第1のコンテンツ部分をレンダリングするために、パススルー状態の反射型ディスプレイの一部を通して、放射型ディスプレイから光を放射することと、を含む。
【0084】
第32節。第31節に記載の方法であり、反射型ディスプレイは、EPDのそれぞれの要素内で粒子を移動させることにより、第2のコンテンツ部分をレンダリングする電気泳動ディスプレイ(EPD)を含み、反射型ディスプレイの一部をパススルー状態へ入らせることは、その一部内のそれぞれの要素内の粒子を、要素の1つ以上の側へ移動させることを含む。
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種ディスプレイデバイスを含む融合されたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ディスプレイは、電子書籍リーダー(「eブックリーダー」)、携帯電話、個人情報端末(PDA)、携帯メディアプレイヤー、タブレットコンピュータ、ネットブック、デスクトップコンピュータ、テレビ等の電子デバイスで見られる。これらのデバイスの電子ディスプレイは、本および映画等の情報、動作状態、およびコンテンツ項目を、視聴者に対して表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の電子ディスプレイは、放射型または反射型のいずれかである。電気泳動ディスプレイ(EPD)等のいくつかの反射型ディスプレイは、「紙上のインク」と同様の視覚的効果を提供する。これらは、主に、それらの表面に当たる光に対するその反射を変化させることで動作するため、「反射型」と称される。反射型ディスプレイは、典型的には、画像の形成後にほとんどまたはまったく電力を必要としないため、携帯アプリケーション、eブックリーダー等の、バッテリ電池に限りがある場合において有用である。反射型ディスプレイは、さらに、太陽光等の明るい条件において良好な視覚性を提供する。残念ながら、反射型ディスプレイは、典型的にはリフレッシュ速度が遅く、暗い条件でも利用できるように、特別な前面または側面のライトを必要とし、場合によっては、色彩をレンダリングしない。
【0004】
反射型ディスプレイに対して、放射型ディスプレイは、それ自体の光を生じさせる。放射型ディスプレイは、より高速なリフレッシュ速度および色彩出力を可能にし得るが、放射型ディスプレイは、太陽光等の明るい光において不鮮明になり、見えにくくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気泳動ディスプレイ(EPD)等の反射型ディスプレイ、および有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等の放射型ディスプレイを、融合されたディスプレイを形成するように組み合わせることができる。この組み合わせは、あるディスプレイをもう一方のディスプレイの上に積層することを含むことがあり、そのため、各ディスプレイの要素はほぼ同一線上にあり、反射型および放射型ディスプレイ要素が交互に配置されているか、または、反射型と放射型ディスプレイ要素が互いに散在している。融合されたディスプレイ上の画像を、反射型または放射モードあるいはその2つの組み合わせを用いて、リフレッシュ速度、電力消費、色の存在、動画の存在等の要因によって、表示することができる。
【0006】
例えば、eブック等の携帯型電子デバイスは、テキストをレンダリングするために反射モードを提供するために、反射型ディスプレイを使用し得る。この反射モードは、最小限の電力を使用し、デバイスのバッテリ寿命を長持ちさせることに役立つ一方で、「紙上のインク」と同様の視覚的経験を視聴者に提供する。ユーザが色彩写真、フルモーション動画クリップ、またはその他のコンテンツ等のコンテンツを視聴したいと思う場合、一方で、ディスプレイの全てまたは一部を、放射型ディスプレイによって提供される放射モードに移行させることができる。放射型ディスプレイは、次いで、写真またはフルモーションの動画クリップ等のコンテンツをレンダリングする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面を参照して、詳細に説明する。図において、参照番号の最も左端の桁は、その参照番号が最初に現れる図を示す。異なる図における同じ参照番号の利用は、同様または同一の項目を示す。
【0008】
【図1】融合されたディスプレイを使用する例示的な環境を示す。
【図2A】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図2B】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図3A】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図3B】放射型ディスプレイの上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図4】例示的な融合されたディスプレイおよび反射型ディスプレイドライバモジュール、放射型ディスプレイドライバモジュール、および融合されたディスプレイ制御モジュールを示す概略図である。
【図5A】実質的に同じ面である放射型ディスプレイ要素を散在させる(interspersed)反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図5B】実質的に同じ面である放射型ディスプレイ要素を散在させる(interspersed)反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図6A】ある面に放射型ディスプレイ要素があり、別の面に反射型ディスプレイ要素が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図6B】ある面に放射型ディスプレイ要素があり、別の面に反射型ディスプレイ要素が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図7A】放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。が散在される、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図7B】放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図8A】反射型電気泳動(EPD)ディスプレイの上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図8B】反射型電気泳動(EPD)ディスプレイの上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図である。
【図9】動作時における、放射型の上に反射型が融合されたディスプレイの例示的なプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な環境
図1は、異種ディスプレイデバイスで構成される融合されたディスプレイを使用するための例示的な環境100を示す。環境100において、eブックリーダー、携帯メディアプレイヤー、ラップトップ、デスクトップコンピュータのディスプレイ等のデバイス102は、画像を生成する融合されたディスプレイ104を有する。この画像は、視覚的にレンダリングおよび消費できるテキスト情報、写真、動画、および/またはいずれか他のコンテンツを再現し得る。融合されたディスプレイ104、またはディスプレイの一部は、反射モード106、放射モード108で、またはいくつかの例では、同時に両方のモードで動作することができる。反射モード106の間、ディスプレイの要素は、少なくとも2つの状態、つまり非反射型状態および反射型状態を示すことができる。反射型状態において、テーブルランプまたはいずれかの他の光(例えば太陽光)等の光源110から放射される光は、暗いまたは黒いスポットをレンダリングするように、パススルーまたは暗い状態で、反射型ディスプレイ要素によって吸収され得る(「A」)。逆に、光源110からの光は、反射型ディスプレイ要素が反射型状態にある場合に、表面から、実質的に視聴者112に向けて反射され得る(「R」)。
【0010】
さらに、融合されたディスプレイ104の全てまたは一部は、放射モード108で動作することができる。放射モード108では、画素要素は、ディスプレイ104から発される独自の光(「E)」を発生させ、実質的に視聴者に向けて方向付けられる。画素要素(または「画素」)は、発光ダイオード、液晶およびバックライト等の組み合わせ等の光子を放射する要素を含むことがある。例えば、放射型ディスプレイは、電流を通過する際に光子を放射する回路要素を備える発光ダイオードを提供することができる。概して、放射型技術は、光子を発生させるために電気エネルギーを利用する。
【0011】
後述するように、ディスプレイ全体の一部は、コンテンツを消費するために視聴者112がデバイス102を動作する間に、反射モード106および放射モード108の間を移行することができる。例えば、視聴者112が、融合されたディスプレイ104において、アイザック・ニュートンによる自宅の修繕についてのeブックを視聴していることを想定されたい。この例において、最小限の電力を消費しながら、「紙上のインク」経験との強い視覚的な類似性を提供するため、デバイス102は、ディスプレイ上でのテキストの表示時に反射モード106を使用することができる。この例におけるeブックの一部として、視聴者112に対し、木の床をどのように補修するかを示す動画クリップのプロンプトが表示される。動画クリップのプロンプトを、最初は、反射モード106の利用によって提供することができる。動画クリップを視聴するためのプロンプトの選択時において、デバイス102は、反射モード106から放射モード108へ、融合されたディスプレイ104(破線によりこの図に示される)の一部を移行させることができる。デバイス102は、次いで、フルモーション動画および色彩の表示を可能にすることができる、放射モード108を使用して動画クリップを表示する。動画クリップの完了時、融合されたディスプレイ104の一部は、反射モード106に戻ることができる。代替の実施形態において、動画クリップのプロンプトを、最初に、表示された動画クリップのより良い視覚化または色彩を提供するように、放射モード108を使用して提供することができる。
【0012】
反射モード106または放射モード108であってもよい、融合されたディスプレイ104の一部のサイズおよび位置は、様々であってもよい。例えば、視聴者112が動画クリップのフルスクリーン表示を選択する場合、融合されたディスプレイ104は、主にまたは全体的に放射モード108であり、反射モード106の部分は少しまたはまったくなくてもよい。他の例において、ディスプレイ104の一部は、放射モード108でコンテンツをレンダリングしながら、反射モード106で追加のコンテンツをレンダリングすることができる。例えば、視聴者112は、色彩画像または動画の同時のディスプレイをさらに含む、テキストを含む記事を読むことができる。ここで、ディスプレイ104は、図1で図示するように、および上記のように、反射モード106の使用によってテキストをレンダリングしながら、放射モード108で色彩画像または動画を同時にレンダリングすることができる。
【0013】
例示的な構成および動作
図2AおよびBは、放射型ディスプレイ上に反射型ディスプレイを含む、例示的な融合されたディスプレイを図示する概略図200である。この図および以下の図において、画素の生成に使用されるディスプレイ要素(「要素」)は、互いにおよそ同じサイズであるものとして示される。しかしながら、いくつかの実施形態において、これらのディスプレイ要素は、ディスプレイタイプの間で、または同じ種類のディスプレイ内で、サイズが変動することがある。例えば、反射型ディスプレイ要素は放射型ディスプレイ要素よりも大きくてもよく、またはその逆でもよい。
【0014】
図2Aは、ディスプレイをまっすぐ見下ろす視聴者112の視点からの、一連の6つの要素の上面図202を示す。左から右へ、要素は、光を、吸収、反射、反射、放射、放射、および放射するように構成される。ライン「C」に沿ったこれらの6つの要素の断面図は、図2Bの204において示される。
【0015】
図2Bの断面図204は、融合されたディスプレイは、異種ディスプレイタイプの組み合わせを備えることを示す。この例では、断面図204は、融合されたディスプレイが、放射型ディスプレイ要素を含む放射型ディスプレイ206層を含むことを示す。放射型ディスプレイ206は、光を生成し、視聴者112に向けて上方に光を放射することにより、画像を生成する。例示的な放射型ディスプレイとしては、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、電界放出ディスプレイ等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0016】
所与の時点において、放射型ディスプレイ206の要素は、活性または不活性状態のいずれかで存在することがある。活性状態208で存在する放射要素は光を発し、一方で、不活性状態210で存在する放射要素は光を発しない。図2Aおよび2B、さらに、以下の図において、角度の付けられたクロスハッチ(crosshatch)は活性状態208の放射要素を示し、影部分は不活性状態210の放射要素を示す。
【0017】
「E」で示され、放射要素において発せられる矢印は、活性状態の放射要素による光の放射を示す。放射型ディスプレイ206から放射される光「E」は、透明な層212および、発せられる光が、視聴者112による消費のためにそれぞれの要素を通過することを可能にするように構成される反射型ディスプレイ214の要素を、通過することができる。いくつかの実施形態では、層212は、半透明であってもよい。透明な層212は、放射型ディスプレイ206、反射型ディスプレイ214、または両方の回路の一部を含むことがある。反射要素を通る放射された光の通過は、以下により詳細に記載される。
【0018】
図示されるように、反射型ディスプレイ214は、反射型ディスプレイ要素を備える。反射型ディスプレイは、ランプ、太陽光等の他の光源110からの入射光を反射することにより、画像を生成する。例示的な反射型ディスプレイとしては、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、電気流体ディスプレイ等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0019】
反射型ディスプレイ214は、反射状態または非反射パススルー状態で動作するように、その要素を構成することができる。説明の簡潔性のために、かつ制限を目的とせず、反射型ディスプレイ214は、反射およびパススルー状態のみを有するものとして考察されている。いくつかの実施形態において、白および黒の間の値を有する画素を生成するように使用されるもの等の、追加の非反射および/または非パススルー状態を使用することができる。
【0020】
反射型ディスプレイ214は、反射型状態216で動作するように、1つ以上の要素を構成することができる。反射型状態において、入射光「R」は、概して、視聴者に向けて、反射型ディスプレイ要素から反射し、上面図202に示されるように、白い(暗くない)またはより明るく見える画素であるように見える。
【0021】
融合されたディスプレイが、放射型ディスプレイ206上に反射型ディスプレイ214を有する図2Bに示されるように構成される場合、放射型ディスプレイ206からの光を、デバイスが反射状態216にある間、視聴者112へと、反射型ディスプレイ214を通過することを防止することができる。このため、デバイスは、放射型ディスプレイがレンダリングするいずれかのコンテンツではなく反射型ディスプレイがレンダリングするコンテンツを表示することができる。
【0022】
さらに、反射型ディスプレイ214は、光がそれぞれの反射型ディスプレイ要素を通過することができるように、パススルー状態218で動作するために1つ以上の反射要素を構成することができる。例えば、および図2AおよびBに示されるように、放射型ディスプレイ206が反射型ディスプレイ214の下の要素から放射する光「E」は、パススルー状態218の反射型ディスプレイ要素を通過することができる。同様に、光源110からの入射光「A」は、不活性の「暗い」状態210である、以下の反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によって吸収されるパススルー状態である反射型ディスプレイ要素を通過することができる。このため、この吸収は「A」で上面図202に示されるように、暗い画素を作成する。図2Aおよび2B、さらに、以下の図において、垂直のハッチングは、パススルー状態の反射要素を示す。反射型ディスプレイの全てまたは一部がパススルー状態である例において、デバイスは、パススルー状態が提供する空の空間に光を放射することにより、放射型ディスプレイがレンダリングするコンテンツを表示することができる。
【0023】
この概略図では、放射型ディスプレイ要素および反射型ディスプレイ要素は、同一線上で、互い違いに積層されて構成される状態で示されている。しかしながら、他の実施形態では、2つのディスプレイの要素はそのように整列しないことがある。例えば、要素は、放射要素が反射要素よりも大きいか、またはその逆である場合のように、整列していないことがある。さらに、および図5Bを参照して後述されるように、これらのディスプレイ要素は、図2Bに記載され、上記に記載されるように、複数の面に積層されるのではなく、単一の面に存在することがある。
【0024】
図1の例に戻り、デバイス102がレンダリングする動画クリップが、再生を開始したことを想定されたい。放射モード108で指定された融合されたディスプレイ104の領域内において、反射型ディスプレイ214の要素は、パススルー状態218に入るように構成される。放射型ディスプレイ206の要素は、活性208であってもよく、かつ、反射型ディスプレイを通過し、視聴者112に対して動画画像を作成する光を発することができる。このため、デバイス102は、さらに、放射モード108を使用して動画画像をレンダリングしながら、電力効率が良く読み込みが容易な反射モード106において、視聴者112に対してコンテンツの大部分をレンダリングすることができる。
【0025】
上記の例は、2つの層を含む融合されたディスプレイを示し、記載しているが、他の実施形態は、ディスプレイデバイスの3つ以上の層を使用することができる。例えば、融合されたディスプレイは、放射型プラズマディスプレイの上に放射型の透明なOLEDディスプレイを有する層構造の、反射型EPDディスプレイを含むことがある。あるいは、他の実施形態は、いずれか他の数のディスプレイデバイスのいずれか他の組み合わせを使用することができる。
【0026】
図3Aおよび3Bは、反射型ディスプレイ上に放射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイを示す、概略図300である。この実施形態では、放射型ディスプレイ214は、入射光が達する、かつ、(要素状態が示すように)その下の反射型ディスプレイ206によって方向付けられることを可能にする、透明または半透明のディスプレイ(透明または半透明の要素を含む)を含む。いくつかの実施形態では、放射型ディスプレイ214は、透明または半透明の一部、さらに不透明な部分を含むことがある。かかる実施形態において、不透明な部分を、入射または放射される光による望ましくない干渉を最小限にするように構成することができる。
【0027】
概して、上層が作成する画像は、視聴者112の目に対する直接の光学的経路により、最もシャープになる。一方で、下層は、上層を通る追加の光の移動のために、いくらか、わずかに劣化し得る。図2Bおよび3Bが示す構成等の積層構成において、反射型ディスプレイ206の上部または下部に放射型ディスプレイ214を配置するかどうかの選択を、ディスプレイの予想される主な利用法によって決定することができる。例えば、デバイスが主にテキストの表示に使用される例において、反射型ディスプレイを、図2Bに示されるように、上層に配置することができる。一方で、携帯型メディアプレイヤー等のデバイスが、主に、放射型ディスプレイにより適している動画を表示するように使用される例において、放射型ディスプレイを、ここでは図3Bに示されるように、上層に配置することができる。
【0028】
図4は、異種ディスプレイを駆動するように使用される融合されたディスプレイおよびモジュールを示す、概略図400である。放射型ディスプレイドライバモジュール402は、放射型ディスプレイ206へ、導電体等により、動作可能に結合することができる。放射型ディスプレイドライバモジュール402は、放射型ディスプレイ214内の要素の状態を操作するように構成される。例えば、反射型ディスプレイドライバモジュール402は、点灯した画素を作成するために、不活性状態から活性状態へ、およびその逆に、放射要素を変化させることができる。
【0029】
次に、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、導電体等により、反射型ディスプレイ214へ動作可能に結合することができる。反射型ディスプレイドライバモジュール404は、反射型ディスプレイ214内の要素の状態を操作するように構成される。例えば、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、パススルー状態218から反射状態216へ反射要素を変化させ、このため、他の光源110から入射光によって見る場合に、明るい画素を作成することができる。さらに、反射型ディスプレイドライバモジュール404は、反射型状態216からパススルー状態218へ、反射要素を変化させることができる。
【0030】
放射型ディスプレイドライバモジュール402および反射型ディスプレイドライバモジュール404は、2つのディスプレイの動作を連携することができる、融合されたディスプレイ制御モジュール406へ結合することができる。例えば、図1の動画クリップを表示するために、放射モード108のための融合されたディスプレイ104の一部を構成する場合、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、スクリーンの指定された一部についてパススルーモードに反射要素を設定するために、反射型ディスプレイドライバモジュール404へ、スクリーン座標を提供することができる。さらに、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、指定された一部内の要素を活性化するように放射型ディスプレイドライバモジュール402に命令し、それにより放射型ディスプレイに動画クリップをレンダリングさせることもできる。
【0031】
代替の実施形態において、シングルドライバモジュールを、両方のディスプレイタイプを制御するように使用することができる。例えば、シングルドライバモジュールは、あるいは、反射型ディスプレイの要素および放射型ディスプレイの要素を駆動することができる。逆に、シングルドライバモジュールは、同時に、反射型ディスプレイの要素および放射型ディスプレイの要素を駆動することができる。
同一平面上および積層による交互の構成
【0032】
図2〜3に示される反射型および放射型ディスプレイ要素の積層による同一線上の構成に対して、反射型および放射型ディスプレイ要素を、いくつかの例において、実質的に同じ面に配置することができる。図5Aおよび5Bは、かかる構成において放射型ディスプレイ要素が散在される反射型ディスプレイ要素を含む、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図500である。
【0033】
図5Aは、放射要素および反射要素が交互に繰り返す、ディスプレイ要素の格子板構成を示す上面図502である。図5Bに示される504においてライン「C」に沿った断面図は、放射要素および反射要素が実質的に同じ面に存在する構成を示す。説明の便宜上のため、および、制限を目的とするものではないが、図5Aおよび5Bは、およそ同じ寸法を有する反射型ディスプレイ要素および放射型ディスプレイ要素を示す。しかしながら、他の実施形態では、これらのディスプレイ要素はサイズが変動することがある。例えば、反射要素は、放射要素よりもより狭い、より高い、より幅が広い等であってもよい。さらに、この実施形態では、反射型および放射型ディスプレイ要素の両方は、活性であってもよく、同時に、反射型および放射型ディスプレイの両方による相互のレンダリングを可能にする。
【0034】
図6Aおよび6Bは、1つの面において反射型ディスプレイ要素を含み、別の面において放射型ディスプレイ要素を散在させる、例示的な融合されたディスプレイを示す概略図600である。図6Aは、図5Aについて上述されるのと同様の格子板構成の画素の上面図602を示す。しかしながら、図6Bは、ライン「C」に沿った断面図604を示し、これは、積層された2層設計が、上方への、および視聴者がレンダリングされるコンテンツを消費する際の視聴者112の潜在的な位置に向けた、暗くされていない経路を各ディスプレイ要素に提供するために、異種要素のオフセットにより、どのように構成されるかを示す。この例では、反射型ディスプレイ214は、放射型ディスプレイ206が存在する面の上の面に存在する。このため、より低い放射型ディスプレイ206から放射される光(「E」)は、反射型ディスプレイ214要素を通過しないが、この実施形態では、パススルーチャネル606を通る。同様に、各反射型ディスプレイ要素の下に、空洞608または他の構造があってもよい。
【0035】
上述のように、最上層の反射型ディスプレイまたは放射型の配置を、パフォーマンスおよび動作上の考慮点によって決定することができる。例えば、下層は、下層に対する上層の明瞭さを考慮して、より狭い視野を示し得る、または上層と比較するとより少ない入射光を受けることがある。このため、主要なアプリケーションがテキストデータを表示しているeブックリーダーの用途において、反射型ディスプレイは、ここに示すように、上層に存在することがある。一方で、主要なアプリケーションが動画または色彩画像をレンダリングしていることがある、携帯型メディアプレイヤーの例において、放射型ディスプレイは上層に存在することがある。
EPDおよびOLEDを使用する融合されたディスプレイ
【0036】
図7Aおよび7Bは、ここでは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイとして示される、放射型ディスプレイ上に反射型電気泳動(EPD)ディスプレイを含む、融合されたディスプレイを示す概略図700である。EPDは、明るいおよび暗いスポットを形成するために、小さい粒子を移動させるための電荷を使用する。OLEDディスプレイは、電気を光に変換させる。図7Aおよび7BはEPDディスプレイおよびOLEDディスプレイを示すが、他の実施形態は、いずれかの他の種類の反射型および放射型ディスプレイを使用することができる。
【0037】
この実施形態では、EPDは、電荷を使って操作することができる白い粒子を使用する。他の実施形態では、粒子は、他の色または色の組み合わせであってもよい。上面図702に示されるように、粒子は、入射光が「A」に入り、吸収されることを可能にし、放射された光「E」を逃がすことを可能にするように、各要素の周辺の周りに配置されている。いくつかのEPD実施形態では、粒子の構成を、粒子上の電荷と相互作用する、要素内の電圧を使用して開始することができる。
【0038】
他のEPD実施形態では、粒子を、これらが実質的に暗くされていない経路を提供するように、単一の壁、2つの壁、3つの壁、格納場所等に配置することができる。EPD要素が反射状態である場合、視聴者112に対して白い(暗くない)またはより明るく見える画素を生成するように、入射光「R」を反射する要素上に向けて、粒子がクラスタ状になる(cluster)。
【0039】
ライン「C」に沿った断面図704は、放射される光の通過を提供する、または入射光の吸収を可能にする、および暗い画素を生成するために、各要素の壁の周囲におけるクラスタ状の粒子の側面図を提供する。OLEDディスプレイ706は、光を発しない不活性状態要素708、および光を放射する活性状態710の要素を含む。透明な層712は、この放射される光「E」が、視聴者112に向けて、異種ディスプレイを通って通過することを可能にする。EPD反射型ディスプレイ714は、OLEDディスプレイ706の上部にある。
【0040】
図7Aおよび7Bは、反射モード106で動作する要素、さらに放射モード108で動作する要素を示す。例えば、反射モード106において、暗い画素を生成するために、OLEDディスプレイ要素は、非活性(「暗い」)状態708にされ、一方で、上部のEPD反射型ディスプレイ要素は、パススルー状態716に設定される。このため、入射光「A」は、反射型ディスプレイ要素を通過し、吸収される。この非反射は、視聴者112には、暗い画素として見える。反射モード106で白いまたは暗くない画素を生成するには、EPD反射型ディスプレイ要素を反射型状態718に設定することができ、こうして入射光が視聴者112の目に向けて反射される。反射状態718を実現するために、EPD反射型ディスプレイ要素内の粒子を、ここに示されるように、明るい色彩の粒をディスプレイ要素の上部の層へ配置することにより、反射を最大限にするように構成することができる。
【0041】
放射モード108が使用されている場合、活性OLED要素710の上部のEPD要素は、放射される光が視聴者112に向かって抜けることを可能にするように、パススルー状態716を維持するように構成される。
【0042】
別の実施形態では、OLEDディスプレイ706を、EPD714の少なくとも一部をバックライトで照らすように使用することができる。この場合、反射型状態718であるEPD要素は、画素について全体的に「より明るい」またはより高い照明値を生じさせるために、下層のOLED要素(これも活性状態である)を使用することもできる。OLEDおよびEPDの文脈で記載されているが、これらのバックライト照明技術を、一連の他の放射型および反射型ディスプレイタイプで使用することもできる。
【0043】
図8Aおよび8Bは、反射型電気泳動(EPD)ディスプレイ上に透明な放射型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む融合されたディスプレイを示す概略図800である。図8Aは、ディスプレイ要素内のEPD粒子の構成を示す上面図802を示す。図8Bは、この実施形態では、動画再生のために最適化されたデバイスでみられるような、放射型OLED706がEPD反射型ディスプレイ714の上部に配置される様子を示す、ライン「C」に沿った断面図804を示す。この実施形態のOLED706は、入射光がEPD反射型ディスプレイ714の要素に達することを可能にするように、透明または半透明になっている。いくつかの実施形態では、活性OLED要素710の後面のEPD反射型ディスプレイ要素を、放射効率を上げるために、光を反射させるように構成することができる。
動作のプロセス
【0044】
図9は、図1、2A、2B、4、7A、および7Bに示されるアーキテクチャを使用して実施することができるが、これが必須ではない、動作中の、放射型ディスプレイの上に反射型が融合された、例示的なプロセスの流れ図である。プロセス900は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実施可能な動作シーケンスを表す、論理的な流れグラフのブロック集合として記載されている。ソフトウェアの文脈において、ブロックは、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、列挙された動作を実行する、コンピュータで実行可能な命令を表す。概して、コンピュータで実行可能な命令は、特定の機能を実行するまたは特定の抽象的なデータタイプを実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。動作が記述される順番は、制限を目的とするものではなく、いずれかの数の記述されたブロックは、プロセスの実施のために、いずれかの順番でおよび/または並列に組み合わせることができる。説明のために、プロセスは、図1、2A、2B、4、7A、および7Bのアーキテクチャの文脈において記載される。
【0045】
902において、反射型ディスプレイモードで動作する融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイの反射型ディスプレイ要素から反射する光によって、コンテンツをレンダリングする。例えば、視聴者112は、デバイス102上のeブックのテキストを読んでいてもよい。反射型ディスプレイドライバモジュール(例えばモジュール404)は、反射型ディスプレイ要素を制御することができる。
【0046】
904において、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、放射型ディスプレイモードでコンテンツをレンダリングするように、リクエストを受信する。例えば、eブックは、視聴者に対して再生することができる動画クリップを含むことがある。動画クリップは反射型ディスプレイが効率的に再現するには高速すぎるフルモーションの動画を含むため、いくつかの例では、放射型ディスプレイを選択することができる。
【0047】
906において、融合されたディスプレイ制御モジュール406は、放射型ディスプレイの融合されたディスプレイの一部を指定する。例えば、図1の破線によって示される領域は、動画クリップを示す画像を包囲する。この指定を、融合されたディスプレイ制御モジュール406によって行うことができる。
【0048】
908において、放射型ディスプレイドライバモジュールは、放射型ディスプレイから放射される光が視聴者112へ達することを可能にするように、パススルー状態へ、融合されたディスプレイの指定された一部における反射要素を移行させる。この移行は、融合されたディスプレイ制御モジュール406の制御により、反射型ディスプレイドライバモジュール404の方向であってもよい。
【0049】
910において、コンテンツは、放射型ディスプレイドライバモジュール402の制御によって、活性放射要素から光を放射することにより、指定された一部にレンダリングされる。放射される光は、反射型ディスプレイ要素を通過し、視聴者112の目に達する。この例では、視聴者112は、反射型ディスプレイを通って、放射型ディスプレイによってレンダリングされる動画クリップを見る。
【0050】
まとめ
主題は構造的特徴および/または方法論的行為について、言語により記載されているが、添付の請求項に定義されている主題は、記載されている特定の特徴、寸法、または行為に必ずしも制限されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴、寸法、および行為は、請求項を実施するための例示的な形態として開示されている。さらに、本明細書に記載されているデバイスのいずれの特徴も、種々の材料または同様の構成で実施することができる。
【0051】
本出願において記載されるように、モジュールおよびエンジンを、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせを用いて実装することができる。さらに、記載される行為および方法を、コンピュータ、プロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって、メモリ、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体(CRSM)を含むメモリ上に格納される命令に基づいて実施することができる。
【0052】
CRSMは、その上に格納される命令を実施するように、コンピューティングデバイスによってアクセス可能ないずれかの利用可能な物理的な媒体にすることができる。CRSMとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み込み専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラム可能読み込み専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他の固体メモリ技術、コンパクトディスク読み込み専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多様性ディスク(DVD)または他の光ディスク格納、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納または他の磁気格納デバイス、あるいは所望の情報を格納するために使用可能、かつコンピューティングデバイスによってアクセス可能ないずれかの他の媒体を挙げることができるが、これらに制限されない。
【0053】
第1節。融合されたディスプレイデバイスは、
第1の制御モジュールによって駆動され、かつ、第1の種類のコンテンツをレンダリングし、パススルー状態を維持するように構成される電気泳動ディスプレイ(EPD)と、
第2の異なる制御モジュールによって駆動され、かつ、EPDの後面に配置される放射型ディスプレイと、を含み、放射型ディスプレイは、第2の種類のコンテンツをレンダリングするために、パススルー状態でEPDを通って光を放射させるように構成される。
【0054】
第2節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、EPDの全てまたは全て未満について、パススルー状態を維持するように構成される。
【0055】
第3節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、第1の種類のコンテンツは、テキストを備え、第2の種類のコンテンツは、色彩画像または動画を含む。
【0056】
第4節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、単色の粒子を含む。
【0057】
第5節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、EPDは、EPDディスプレイの要素の少なくとも1つの側へ粒子を構成することにより、パススルー状態に入るようにさらに構成される。
【0058】
第6節。第1節に記載の融合されたディスプレイデバイスであって、放射型ディスプレイは、光の異なる色を生成するように構成される要素を含む。
【0059】
第7節。融合されたディスプレイデバイスであって、
融合されたディスプレイデバイス上にコンテンツをレンダリングするように、第1の制御モジュールによって駆動される透明または半透明の発光ダイオード(LED)ディスプレイと、
LEDディスプレイの後面に配置され、かつ、融合されたディスプレイデバイス上に異なるコンテンツをレンダリングするように、第2の制御モジュールによって駆動される、電気泳動ディスプレイ(EPD)と、を含む。
【0060】
第8節。デバイスであって、
融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される反射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイと、融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される放射型ディスプレイと、
融合されたディスプレイ上にそれぞれのコンテンツをレンダリングするように、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの両方を駆動するように構成される制御モジュールと、を含む。
【0061】
第9節。第8節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、放射型ディスプレイ上に存在する。
【0062】
第10節。第8節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは反射型ディスプレイ上に存在する。
【0063】
第11節。第10節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイの少なくとも一部は透明または半透明である。
【0064】
第12節。デバイスであって、
互い違いに積層された反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの両方は、融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される。
【0065】
第13節。第12節に記載のデバイスであって、融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によってコンテンツをレンダリングするように構成される。
【0066】
第14節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、放射される光子を用いて画素を作成する。
【0067】
第15節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、入射光子を用いて画素を作成する。
【0068】
第16節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、融合されたディスプレイ上でコンテンツをレンダリングする場合に、反射型ディスプレイを通して光を放射する。
【0069】
第17節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、融合されたディスプレイ上のコンテンツをレンダリングする場合に、放射型ディスプレイを通して光を反射する。
【0070】
第18節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、または電気流体ディスプレイを備える。
【0071】
第19節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイの要素は、パススルー状態の場合に、光に対して実質的に透明または半透明になるように構成される。
【0072】
第20節。第19節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、パススルー状態である反射型ディスプレイの要素を通して光を放射することにより、コンテンツをレンダリングする。
【0073】
第21節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイの要素は、不活性状態である場合に、光に対して実質的に透明または半透明になるように構成される。
【0074】
第22節。第21節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイは、不活性状態の実質的に透明または半透明の放射型ディスプレイの要素を通って入射光を受け、受けた入射光を反射または吸収することにより、コンテンツをレンダリングする。
【0075】
第23節。第12節に記載のデバイスであって、放射型ディスプレイは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、または電界放出ディスプレイを備える。
【0076】
第24節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの要素は、交互の格子板状に構成される。
【0077】
第25節。第12節に記載のデバイスであって、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイの要素は、互いに実質的に同一平面上である。
【0078】
第26節。第12節に記載のデバイスであって、融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイおよび放射型ディスプレイに加えて、少なくとも1つのディスプレイを備える。
【0079】
第27節。プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
放射型ディスプレイによって提供される放射ディスプレイモードに入るように、融合されたディスプレイの少なくとも一部を指定することであって、融合されたディスプレイは、少なくとも反射ディスプレイと放射ディスプレイを含む、指定することと、
反射型ディスプレイによって提供される反射型ディスプレイモードに入るように、融合されたディスプレイの少なくとも一部を指定することと、を含む行為を実行させる命令を格納する、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【0080】
第28節。第27節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、放射型ディスプレイの放射要素から放射される光を通過させるように、反射型ディスプレイを構成することを含む行為を実行させる、コンピュータ実行可能な命令をさらに格納する。
【0081】
第29節。プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
放射型ディスプレイの使用により、放射型ディスプレイおよび反射型ディスプレイを含む融合されたディスプレイデバイス上で第1のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
反射型ディスプレイの使用により、融合されたディスプレイデバイス上の第2のコンテンツ部分をレンダリングすることを含む行為を実行させる、命令を格納する、1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【0082】
第30節。第29節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、第1のコンテンツ部分は、色彩画像または動画を含み、第2のコンテンツ部分は、テキストの一部を含む。
【0083】
第31節。第29節に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、反射型ディスプレイは、融合されたディスプレイデバイス内の放射型ディスプレイの上部に存在し、放射型ディスプレイの使用による第1のコンテンツ部分のレンダリングは、
反射型ディスプレイの少なくとも一部をパススルー状態にさせることと、第1のコンテンツ部分をレンダリングするために、パススルー状態の反射型ディスプレイの一部を通して、放射型ディスプレイから光を放射することと、を含む。
【0084】
第32節。第31節に記載の方法であり、反射型ディスプレイは、EPDのそれぞれの要素内で粒子を移動させることにより、第2のコンテンツ部分をレンダリングする電気泳動ディスプレイ(EPD)を含み、反射型ディスプレイの一部をパススルー状態へ入らせることは、その一部内のそれぞれの要素内の粒子を、要素の1つ以上の側へ移動させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制御モジュールによって駆動され、かつ、第1の種類のコンテンツをレンダリングし、パススルー状態を維持するように構成される、電気泳動ディスプレイ(EPD)と、
第2の異なる制御モジュールによって駆動され、かつ、前記EPDの後面に配置される放射型ディスプレイであって、前記放射型ディスプレイは、第2の種類のコンテンツをレンダリングするために、前記パススルー状態で、前記EPDを通して光を放射するように構成される、放射型ディスプレイと、
を備えることを特徴とする融合されたディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記EPDは、前記EPDの全てまたは全て未満について、前記パススルー状態を維持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の融合されたディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記EPDは、前記EPDディスプレイの要素のうちの少なくとも1つの側に粒子を配置することにより、前記パススルー状態に入るようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の融合されたディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される反射型ディスプレイと、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される放射型ディスプレイと、を含む融合されたディスプレイと、
前記融合されたディスプレイ上に前記それぞれのコンテンツをレンダリングするように、前記反射型ディスプレイと前記放射型ディスプレイとの両方を駆動するように構成される制御モジュールと、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
前記反射型ディスプレイは、前記放射型ディスプレイの上に存在することを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
互い違いに積層された反射型ディスプレイと放射型ディスプレイとを備え、前記反射型ディスプレイと前記放射型ディスプレイとの両方は、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される融合されたディスプレイ、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によって、コンテンツをレンダリングするように構成されることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記放射型ディスプレイは、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングする際に、前記反射型ディスプレイを通して光を放射することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記反射型ディスプレイは、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、または電気流体ディスプレイを備えることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記放射型ディスプレイは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、または電界放出ディスプレイを備えることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
プロセッサによって実行される際に、前記プロセッサに、
前記放射型ディスプレイの使用により、放射型ディスプレイと反射型ディスプレイとを含む融合されたディスプレイデバイス上で第1のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
前記反射型ディスプレイの使用により、前記融合されたディスプレイデバイス上で第2のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
を含む行為を実行させる命令を格納することを特徴とする1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項12】
前記第1のコンテンツ部分は、色彩画像または動画を含み、前記第2のコンテンツ部分は、テキストの一部を含むことを特徴とする請求項11に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記反射型ディスプレイは、前記融合されたディスプレイデバイス内の前記放射型ディスプレイ上に存在し、前記放射型ディスプレイの使用によって前記第1のコンテンツ部分を前記レンダリングすることは、
前記反射型ディスプレイの少なくとも一部をパススルー状態に入らせることと、
前記第1のコンテンツ部分をレンダリングするように、前記放射型ディスプレイから、前記反射型ディスプレイの前記一部を通して、前記パススルー状態で、光を放射することと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記反射型ディスプレイは、前記EPDのそれぞれの要素内の粒子を移動させることで、前記第2のコンテンツ部分をレンダリングする電気泳動ディスプレイ(EPD)を備え、前記反射型ディスプレイの前記一部を前記パススルー状態に入らせることは、前記要素の1つ以上の側へ、前記一部内のそれぞれの要素内の粒子を移動させることを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項1】
第1の制御モジュールによって駆動され、かつ、第1の種類のコンテンツをレンダリングし、パススルー状態を維持するように構成される、電気泳動ディスプレイ(EPD)と、
第2の異なる制御モジュールによって駆動され、かつ、前記EPDの後面に配置される放射型ディスプレイであって、前記放射型ディスプレイは、第2の種類のコンテンツをレンダリングするために、前記パススルー状態で、前記EPDを通して光を放射するように構成される、放射型ディスプレイと、
を備えることを特徴とする融合されたディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記EPDは、前記EPDの全てまたは全て未満について、前記パススルー状態を維持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の融合されたディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記EPDは、前記EPDディスプレイの要素のうちの少なくとも1つの側に粒子を配置することにより、前記パススルー状態に入るようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の融合されたディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される反射型ディスプレイと、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される放射型ディスプレイと、を含む融合されたディスプレイと、
前記融合されたディスプレイ上に前記それぞれのコンテンツをレンダリングするように、前記反射型ディスプレイと前記放射型ディスプレイとの両方を駆動するように構成される制御モジュールと、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
前記反射型ディスプレイは、前記放射型ディスプレイの上に存在することを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
互い違いに積層された反射型ディスプレイと放射型ディスプレイとを備え、前記反射型ディスプレイと前記放射型ディスプレイとの両方は、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングするように構成される融合されたディスプレイ、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記融合されたディスプレイは、反射型ディスプレイ要素または放射型ディスプレイ要素によって、コンテンツをレンダリングするように構成されることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記放射型ディスプレイは、前記融合されたディスプレイ上にコンテンツをレンダリングする際に、前記反射型ディスプレイを通して光を放射することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記反射型ディスプレイは、電気泳動ディスプレイ(EPD)、コレステリック液晶ディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、または電気流体ディスプレイを備えることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記放射型ディスプレイは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、バックライト液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、または電界放出ディスプレイを備えることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
プロセッサによって実行される際に、前記プロセッサに、
前記放射型ディスプレイの使用により、放射型ディスプレイと反射型ディスプレイとを含む融合されたディスプレイデバイス上で第1のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
前記反射型ディスプレイの使用により、前記融合されたディスプレイデバイス上で第2のコンテンツ部分をレンダリングすることと、
を含む行為を実行させる命令を格納することを特徴とする1つ以上のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項12】
前記第1のコンテンツ部分は、色彩画像または動画を含み、前記第2のコンテンツ部分は、テキストの一部を含むことを特徴とする請求項11に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記反射型ディスプレイは、前記融合されたディスプレイデバイス内の前記放射型ディスプレイ上に存在し、前記放射型ディスプレイの使用によって前記第1のコンテンツ部分を前記レンダリングすることは、
前記反射型ディスプレイの少なくとも一部をパススルー状態に入らせることと、
前記第1のコンテンツ部分をレンダリングするように、前記放射型ディスプレイから、前記反射型ディスプレイの前記一部を通して、前記パススルー状態で、光を放射することと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記反射型ディスプレイは、前記EPDのそれぞれの要素内の粒子を移動させることで、前記第2のコンテンツ部分をレンダリングする電気泳動ディスプレイ(EPD)を備え、前記反射型ディスプレイの前記一部を前記パススルー状態に入らせることは、前記要素の1つ以上の側へ、前記一部内のそれぞれの要素内の粒子を移動させることを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公表番号】特表2013−502616(P2013−502616A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525690(P2012−525690)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/046018
【国際公開番号】WO2011/022546
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(506329306)アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド (56)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/046018
【国際公開番号】WO2011/022546
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(506329306)アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド (56)
【Fターム(参考)】
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