説明

疎水性ポリマー物品のための染色促進剤としての重縮合物

【課題】疎水性ポリマー物品のための染色促進剤としての重縮合物の提供。
【解決手段】疎水性ポリマーからなる物品の染色又は印刷方法であって、前記物品を色付与化合物で処理する前に又は処理すると同時に、前記ポリマーを少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマーと接触させることからなるが、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としないものである方法は、良好な堅牢性を有する染色物品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染色促進剤として縮合ポリマーを使用した、繊維等の疎水性ポリマー物品の染色又は印刷方法、これらの縮合ポリマーを含む組成物、及びこれらの縮合ポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
染色促進剤又は染色加速剤は、ポリエステル又はポリオレフィン繊維等の疎水性ポリマー材料の改善された染料浸透を達成するために使用される。それらは、共重合結合をゆるめ、繊維中に染料を浸透させる。
【0003】
天然繊維は、開放した、部分的に中空の構造を有し、染料水溶液で容易に浸透されるため、染色促進剤は、天然繊維の染色には必要ではない。
【0004】
親水性繊維であるセルロースと比較して、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル又はポリアミド等の、程度の差はあるが疎水性の合成繊維に染料水溶液を浸透させることは困難である。水吸収速度は、ビスコースと比べて非常に低い。この低い吸収速度の理由は、ポリマー繊維が紡糸口金中で延伸される場合、堅固な繊維構造が得られることにある。延伸操作中、ポリマー鎖は非常に延伸され、堅固に充填され、実質的に空隙のない構造を形成する。
【0005】
ポリオレフィン又はポリエステルポリマーは、イオン基を含まず、通常、非イオン性の分散染料で染色される。これらの染料は、拡散機構を通して、ポリエステルを染色する。染浴を長期間沸騰させることは、例えば、ポリマー鎖が互いに結合する力をゆるめ、繊維の膨潤を生じさせる。これは、染料による繊維表面の限られた浸透を許す。しかしながら、ポリエステルにおける分散染料の吸収又は拡散速度は、非常に低い。この低い染色速度は、産業加工における経済的要求を満たすにはあまりにもコストがかかる。更に、濃い色合を達成することは困難であり、最終的な染色は、市販標準で要求される最小の堅牢性も満たさない。
【0006】
濃い色合及びかなりの堅牢性を達成するために、疎水性繊維材料の染色は、キャリヤー等の染色促進剤の存在下において行われる。染料キャリヤーはポリエステルの染色において、最も有用であることが発見された。多くの理論が進展し、キャリヤー染色機構を説明することができるようになった。しかしながら、キャリヤー染色機構に対する一致した見解は存在しない。
【0007】
米国特許第6,444,758号明細書は、ポリプロピレン繊維の可染性を改善するために、ハイパーブランチで両親媒性のポリマー状添加剤の使用を開示している。
【特許文献1】米国特許第6,444,758号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
利用可能な染色促進剤は、例えば、染色された材料の堅牢性、又は加工時間及び温度等の工業的染色における経済的要求等に関する全ての要求を満たす訳ではないため、疎水性材料の染色のために改善された方法がなお必要とされている。
【0009】
従って、本発明の根底にある問題は、高基準で上記の特徴基準を満たす、繊維等の疎水性材料の色素に対する親和性を改善するための方法を発見することにある。
【0010】
少なくとも1種の脂肪族ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合によって得られる特定の縮合ポリマーが、ポリオレフィン繊維等の疎水性ポリマーからなる物品の可染性を改善する特に効果的な染色促進剤であることが、今や発見された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の対象は、疎水性ポリマーからなる物品の染色又は印刷方法であって、前記物品を色付与化合物で処理する前に又は処理すると同時に、前記ポリマーを少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマーと接触させることからなるが、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としないものである方法に関する。
【0012】
本発明はまた、この方法に従って得られる物品に関する。
【0013】
本発明の他の対象は、
(a)少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマー、及び、
(b)疎水性ポリマー
を含む組成物であって、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としない組成物に関する。
【0014】
また、本発明の他の対象は、染料に対し良好な親和性を示す疎水性ポリマーからなる物品の製造方法であって、前記ポリマーを少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマーと接触させることからなるが、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としないものである方法に関する。
【0015】
本発明はまた、この方法に従って得られる物品に関する。
【0016】
本発明の方法及び本発明の組成物に付される縮合ポリマーは、米国特許第3,669,939号明細書に記載されている。しかしながら、縮合反応が、多少、より高い温度において行われた場合でも、価値のある縮合ポリマーが同様に製造され得ることが発見された。
【0017】
従って、本発明の更なる他の対象は、少なくとも200℃の温度において、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸を反応させることからなる、縮合ポリマーの製造方法に関する。
【0018】
縮合ポリマーは、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸から誘導され、そしてそれは、自己縮合して、ランダムかつ不規則で、欠損シークエンスを含むハイパーブランチ部分を製造し得る。
【0019】
ランダム縮合ポリマーは、それ自体が、ホモポリマー又はランダムコポリマーであり得る。
【0020】
本発明に有用なポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の例は、米国特許第3,669,939号明細書の1欄及び2欄に一般的に記載された化合物等の、1つのカルボン酸基及び少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物を含む。
【0021】
ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸は、例えば、ジメチロールプロピオン酸(2,2−ビス−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸又はBMPA)、α,α−ビス−(ヒドロ
キシメチル)−酪酸、α,α,α−トリス−(ヒドロキシメチル)−酢酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)−バレリン酸、α,α−ビス(ヒドロキシ)プロピオン酸、フェニル環に直接垂れ下がった少なくとも2つのヒドロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基)を有するα−フェニルカルボン酸、例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸であり得る。
【0022】
縮合ポリマーは、単一のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の自己縮合物であり得るか、又は、少なくとも2種の異なるポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の共縮合物であり得、その場合、高分子量で高いヒドロキシル基含有量の非常に枝分かれしたポリマーが製造され得る。ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸はまた、例えば、分子量、枝分かれ度、ヒドロキシル官能価又は特定の溶媒における可溶性に関し、自己縮合物を変性することが望まれる場合、モノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸及び/又はモノ−アミノ−モノ−カルボン酸と共縮合され得る。適当なモノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸は、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシオレイン酸及び乳酸を含む。適当なモノ−アミノ−モノ−カルボン酸は、グリシン、6−アミノカプロン酸及び11−アミノウンデカン酸を含む。
【0023】
可溶性又は相溶性等の性質は、共縮合において使用されるモノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸及び/又はモノ−アミノ−モノ−カルボン酸の割合及び種類を調節することによって変化し得る。例えば、ジメチロールプロピオン酸の自己縮合物のヒドロキシル値が、ジメチロールプロピオン酸と特定量の12−ヒドロキシステアリン酸の共縮合によって減少させられ得る。
【0024】
ブタノール及びデカノール等のモノ−ヒドロキシル化合物又はペンタエリトリトール等のポリ−ヒドロキシル化合物もまた、縮合反応において存在し得る。
【0025】
縮合ポリマーは、親油性の基を末端基としない。親油性の基を導く化合物は、縮合ポリマーの合成において除外されるが、モノ−又はジ−カルボン酸等のヒドロキシル基との反応が可能な化合物である。
【0026】
本発明の興味深い態様において、ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸は、脂肪族であり、芳香族は含まない。
【0027】
本発明の他の興味深い態様において、モノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸及びモノ−アミノ−モノ−カルボン酸は、脂肪族であり、芳香族は含まない。
【0028】
本発明に従った染色促進剤は、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸、及び、必要であれば、モノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸、モノ−アミノ−モノ−カルボン酸、モノ−ヒドロキシル化合物及びポリ−ヒドロキシル化合物の群から選択される少なくとも1種の化合物の、好ましくは、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸、及び、必要であれば、モノ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸及びモノ−アミノ−モノ−カルボン酸の群から選択される少なくとも1種の化合物の、特に、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合によって製造される。
【0029】
縮合ポリマーは、単一のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸のホモポリマーであることが特に好ましい。
【0030】
上述したように、縮合ポリマーのハイパーブランチ部分は、ランダムかつ不規則で、欠損シークエンスを含む。それらは、直鎖の、及び十分に枝分かれした繰返し単位を含む。例えば、ジメチロールプロピオン酸から誘導される縮合ポリマーは、以下の枝分かれした
及び直鎖構造の混合物からなり得る:
【化1】


【0031】
縮合ポリマーが、十分に枝分かれした、部分的に枝分かれした及び直鎖のシークエンスの複合ランダム混合物からなることが分かり得る。
【0032】
好ましくは、ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸は、式(1)
【化2】

(式中、Rは、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は基−CH2OHを表わす。)で表わされる化合物である。
【0033】
基Rは、直鎖又は枝分かれしたものであり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、第二ブチル基及び第三ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基及びn−ドデシル基を表わす。
【0034】
Rは、好ましくは、炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基を表わす。
【0035】
縮合ポリマーは、慣用の方法によって、例えば、溶媒の存在下において、上記成分を溶融重縮合又は重縮合し、排出水を共沸蒸留、減圧蒸留、不活性ガスを使用したスパージング等の既知の方法によって除去することによって製造され得る。
【0036】
好ましい製造方法において、エステル化触媒が、全反応混合物に基づき、約0.1ないし約2質量%の量で反応混合物中に存在する。好ましくは、エステル化触媒は、全反応混合物の約0.2ないし約1質量%の量で反応混合物中に存在する。エステル化触媒は、あらゆる一般的に既知の触媒、例えば、プロトン酸、ルイス酸、チタネート、亜鉛触媒及び錫触媒であり得る。
【0037】
反応は、例えば、約140℃ないし約220℃の温度範囲において行われる。興味深い態様において、方法は、約150℃ないし約190℃の温度範囲において行われる。他の興味深い態様において、方法は、少なくとも200℃の温度において行われる。この態様において、上限温度は、例えば220℃、好ましくは210℃である。重縮合が溶媒の存在下において行われる場合、適当な高沸点溶媒、例えば、テトラグリムが使用される。
【0038】
プロトン酸触媒は、例えば、ナフタレンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸(p−TSA)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸又はリン酸である。チタネート触媒は、例えば、テトラブチルチタネートである。亜鉛触媒は、例えば、亜鉛粉末又は有機亜鉛化合物である。錫触媒は、例えば、錫粉末又はジブチル錫オキシド等の有機錫化合物である。
【0039】
本発明に関して、物品は、鋳造物、成形品、テープ、プラスチックフィルム又は繊維、好ましくは繊維を指す。
【0040】
上述の繊維は、広範囲な様々な加工形態において、例えば、糸、織布又はメリヤス生地として、及びカーペットの形態において存在し得る。
【0041】
疎水性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリウレタン及びポリシロキサン及び、これらのポリマーのあらゆる混合物であり得る。
【0042】
好ましくは、疎水性ポリマーはポリオレフィンである。
【0043】
ポリオレフィンのための例は以下の通りである:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0044】
ポリオレフィン、すなわち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なった、及び特に以下の方法によって製造することができる。
i)ラジカル重合(通常、高圧下及び高温で)。
ii)通常一種又は一種より多くの周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属は通常1個又は1個より多くの、代表的にはp−又はs−配位され得るオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールのような配位子を有する。これらの金属錯体は遊離状態であり得るか、あるいは代表的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素のような基質上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。触媒は重合において単独で使用されることができ、又は代表的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンのようなさらなる活性化剤を使用することができ、該金属は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素である。活性化剤はさらなるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基を用いて都合よく修飾され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(Standard Oil Indiana)、チグラー(−ナッタ)(Ziegler(−Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセン又はシングルサイト触媒(single site catalyst)(SSC)と命名される。
【0045】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0046】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの相互又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、及び一酸化炭素とそれらのコポリマー、又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー、及びそのようなコポリマー相互及び1)に記載されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物。
【0047】
好ましいポリオレフィンは、ポリエチレン又はポリプロピレン及び、モノ−及びジ−オレフィンとそれらのコポリマー、特にポリエチレン又はポリプロピレン、特に好ましくはポリプロピレンである。
【0048】
本発明のポリスチレンは、スチレン−ブタジエンコポリマー及びブロックコポリマー、ABS、IPS及びスチレン−イソプレンコポリマー及びブロックコポリマーを含む。
【0049】
縮合ポリマー添加剤の他に、疎水性ポリマーは、例えば以下に示すような更なる添加剤(安定剤)を含み得る:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状ノニルフェノール又は側鎖において枝分かれしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチル −ウンデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチル −ヘプタデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0050】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0051】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0052】
1.4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0053】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0054】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチ
レンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0055】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0056】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0057】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0058】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0059】
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0060】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0061】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0062】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0063】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0064】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0065】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル社より供給されるナウガードXL−1(登録商標:Naugard)。
【0066】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン系抗酸化剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス−(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ジ[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−4−オール。
【0067】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−第二ブチル−5−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−第三アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−5−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−5−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェノール];2−[3−第三ブチル−5−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−ヒドロキシ−フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2−ヒドロキシ−3−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0068】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0069】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル、例えば、4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0070】
2.4.アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα
−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0071】
2.5.ニッケル化合物、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような所望により他の配位子を伴う1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えば、メチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、所望により他の配位子を伴う1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0072】
2.6.立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS登録番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシル
スクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0073】
2.7.オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0074】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ノニルオキシプロポキシ)−5−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン。
【0075】
3.金属奪活剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0076】
4.ホスフィット及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット。
特に好ましいものは以下のホスフィットである:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(登録商標:Irgafos)168、チバ スペシャルティ ケミカルズ コーポレーション)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化3】


【0077】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルア
ミン。
【0078】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0079】
7.アミンオキシド、例えば、米国特許第5,844,029号明細書及び、米国特許第5,880,191号明細書に開示されたアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシド及びトリヘキサデシルアミンオキシド。
【0080】
8.ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書又は欧州特許出願公開第0591102号明細書に開示されたもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0081】
9.チオ相乗化合物、例えば、ジラウリルチオプロピオネート又はジステアリルチオプロピオネート。
【0082】
10.ペルオキシド掃去剤、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0083】
11.ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0084】
12.塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、
ナトリウムリシノレート、カリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0085】
13.核剤、例えば、タルカムのような無機物質、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー状化合物。
【0086】
14.充填剤及び強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0087】
15.他の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、染料、蛍光増白剤、レオロジー添加剤、触媒、流れ改良剤、スリップ剤、架橋剤、架橋増進剤、ハロゲン掃去剤、防煙剤、防炎加工剤、帯電防止剤、透明剤及び発泡剤。
【0088】
縮合ポリマーは、有利には、成分(a)及び(b)の総質量に基づき、約0.1ないし約20質量%、好ましくは約0.5ないし約5質量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0089】
縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤は、あらゆる既知の方法によって、例えば、溶融ブレンド、溶液ブレンド、溶液キャスティング及び溶液からの吸着によって、疎水性ポリマーに適用又は配合され得る。
【0090】
例えば、縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤は、成形前又は成形後に、もしくは溶解又は分散した添加剤混合物を疎水性ポリマーに適用し、その後、必要に応じて、溶媒を蒸発させることによって疎水性ポリマー中に配合され得る。縮合ポリマー添加剤及び所望の更なる添加剤はまた、これらの成分を、例えば約2.5質量%ないし約25質量%の濃度で含むマスターバッチの形態でも疎水性ポリマーへ添加され得る。
【0091】
例えば、縮合ポリマー、所望の更なる添加剤及び疎水性ポリマーは、溶媒中のポリマー濃度が該溶媒の約5ないし約50質量%の範囲にある相互に相溶性の溶媒中に全て溶解され得る。溶液は、その後、適当な温度で乾燥させられ、ポリマーと該添加剤のブレンドを含むキャストフィルムを製造し得る。
【0092】
さもなければ、縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤は、縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤を揮発性溶媒中に溶解させることによって疎水性ポリマー中にブレンドされ、縮合ポリマー及び更なる添加剤の全濃度が約5ないし約50質量%の溶液が得られる。溶液は、その後、疎水性ポリマーと混合され、混合物を乾燥させることによって、添加剤で実質的に均一に被覆されたポリマー粒子が得られる。被覆されたポリマー粒子は、その後、混合物が溶融ブレンドされ、押出される押出機へ供給され、縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤を含む疎水性ポリマーの押出物が製造され得る。
【0093】
液体形態の場合、縮合ポリマーは、液体添加剤混合物がポリマー粒子の表面上に均一に分散されるまで、液体添加剤混合物中でポリマー粒子を撹拌することによって、ポリマー粒子へ直接適用され得る。ポリマーは、その後、押出機へ供給され、添加剤を含む疎水性ポリマーの押出物が製造され得る。
【0094】
本発明の組成物はまた、縮合ポリマー、所望の更なる添加剤及び固体の疎水性ポリマー
状材料を押出機へ供給し、その後、溶融ブレンドし、溶融混合物を、例えば紡糸口金を用いて押出すことによって製造され得る。さもなければ、ポリマー状材料及び添加剤は、成分が溶融形態にあるサーモスタットを備えた容器中で溶融ブレンドされ得り、その後、混合物は冷却される。
【0095】
縮合ポリマーは疎水性ポリマー中に持続性であるため、可染性は、実質、永久に改善される。
【0096】
縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤はまた、重合前又は重合中に、又は疎水性ポリマーの架橋前に添加され得る。
【0097】
縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤はまた、そのままの形態で、もしくはワックス、オイル又はポリマー中に封入された形態で、疎水性ポリマー中に配合され得る。
【0098】
縮合ポリマー及び所望の更なる添加剤はまた、疎水性ポリマー上に噴霧又は被覆され得る。これらはまた、疎水性ポリマー上に他の添加剤(例えば上記慣用の添加剤)又はそれらの溶融液と共に噴霧又は被覆され得るように、該他の添加剤又はそれらの溶融液を希釈するために使用され得る。重合触媒の不活性化中における噴霧による添加が特に有利であり、例えば、不活性化のために使用した蒸気を使用して噴霧を行うこともできる。
【0099】
球状重合ポリオレフィンの場合、例えば、所望により、他の添加剤と一緒に、縮合ポリマーを噴霧により適用することが有利であり得る。
【0100】
本発明の興味深い態様において、縮合ポリマーは、繊維等の疎水性ポリマーからなる製品を縮合ポリマーの水溶液又は分散液(縮合ポリマーの濃度は、水溶液又は分散液の総質量に基づき、約0.1質量%ないし約25質量%、好ましくは約0.1質量%ないし約10質量%である。)と接触させることによって、疎水性ポリマー中に配合される。製品の処理は、染色プロセスの前に、又は染色プロセスと同時に、縮合ポリマーを含む別個の浴中で該製品を前処理することによって、又は染料液へ縮合ポリマーを添加することによって行われ得る。好ましくは、縮合ポリマーは染料液へ添加される。
【0101】
色付与化合物として、分散染料、酸性染料等、好ましくは分散染料のような疎水性ポリマー材料の染色に有用な染料が考慮される。
【0102】
適当な酸性染料は、例えば、Colour Index,第3版(No.85までの追加事項及び補正事項を含めた第3改訂版、1987年)の‘‘Acid Dyes’’に記載された染料を含む。使用され得るアニオン性染料は、様々な種類の染料類に属し得り、1つ以上のスルホン酸基を含み得る。それらは、例えば、少なくとも2つのスルホン酸基を有するトリフェニルメタン染料、それぞれ、1つ以上ののスルホン酸基を有する、重金属非含有モノアゾ及びジアゾ染料、及び重金属含有、即ち、銅−、クロム−、ニッケル−又はコバルト−含有、モノアゾ、ジアゾ、アゾメチン及びホルマザン染料、特に、金属原子に結合した、アゾ染料2分子、又はアゾ染料1分子及びアゾメチン染料1分子を含む金属染料、特に、配位子としてモノ−及び/又はジ−アゾ染料及び/又はアゾメチン染料を含み、かつ中心原子としてクロム又はコバルトイオンを含むこのような染料、並びに、アントラキノン染料、特に1−アミノ−4−アリールアミノアントラキノン−2−スルホン酸及び1,4−ジアリールアミノ−又は1−シクロアルキルアミノ−4−アリールアミノアントラキノンスルホン酸を含む。
【0103】
適当な分散染料は、Colour Index,第3版(No.85までの追加事項及び補正事項を含む第3改訂版、1987年)の‘‘Disperse Dyes’’に記
載されたものである。例は、カルボキシル−及び/又はスルホ−非含有ニトロ、アミノ、アミノケトン、ケトンイミン、メチン、ポリメチン、ジフェニルアミン、キノリン、ベンズイミダゾール、キサンテン、オキサジン又はクマリン染料、及び特に、アントラキノン染料及びアゾ染料、例えばモノアゾ又はジアゾ染料である。
【0104】
分散染料として、例えば、以下の式で表わされる染料が考慮される;
【化4】

(式中、
1は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表わし、
2は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表わし、
3は、水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を表わし、
4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わし、
5は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基を表わし、
6及びR7は、互いに独立して、水素原子、アリル基、未置換の又はヒドロキ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、フェニル基又はフェノキシ基を表わす。);
【化5】

[式中、
8は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、フェニル基又はフェニルスルホニル基(ここで、フェニル基及びフェニルスルホニル基のベンゼン環は、未置換であるか、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換される。)、スルホ基又は炭素原子数1ないし4のアルキル−スルホニルオキシ基を表わし、
9は、ヒドロキシ基、アミノ基、N−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、フェニルアミノ基(フェニル基のベンゼン環は、未置換であるか、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換される。)、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基又はハロゲン原子を表わし、
10は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表わし、
11は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェノキシ基又は基−O−C65−SO2−NH−(CH23−O−C25を表わし、
12は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基又はニトロ基を表わし、
13は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基又はニトロ基を表わす。];
【化6】

(式中、
14は、未置換の又はヒドロキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
15は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
16は、シアノ基を表わし、
17は、式−(CH23−O−(CH22−O−C65で表わされる基を表わし、
18は、水素原子、ニトロ基又はシアノ基を表わし、
19は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表わす。);
【化7】

(式中、
20は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
21は、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
22は、基−COOCH2CH2OC65を表わし、かつR23は、水素原子を表わすか、又は、
22は、水素原子を表わし、かつR23は、基−N=N−C65を表わす。);
【化8】

(式中、
環A及びBは、未置換であるか、又はハロゲン原子で一回以上置換される。);
【化9】

(式中、
24は、未置換の又はヒドロキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のアルカノイルオキシ基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基を表わす。);
【化10】


【化11】

(式中、
25は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
26は、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
27は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、
28は、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子又はフェニルスルホニルオキシ基を表わす。);
【化12】

(式中、
29、R30、R31及びR32は、互いに独立して、水素原子又はハロゲン原子を表わし、
33は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わし、
34は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基を表わし、
35及びR36は、互いに独立して、水素原子、未置換の又はヒドロキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、シアノ基、アセトキシ基又はフェノキシ基を表わす。);
【化13】

(式中、R37は、水素原子又はハロゲン原子を表わす。);
【化14】

(式中、R38は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、又は、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基でアルキル基を置換された炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基を表わす。);
【化15】

(式中、
39は、水素原子、又は、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基でフェニル基を置換されたチオフェニル基を表わし、
40は、水素原子、ヒドロキシ基又はアミノ基を表わし、
41は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基でフェニル基を置換されたチオフェニル基、フェノキシ基又はフェニル基を表わし、
42は、未置換の又はハロゲン原子で置換されたフェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わす。);
【化16】

(式中、
43は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
44及びR45は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表わし、
46は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わし、
47は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基を表わし、
48及びR49は、互いに独立して、水素原子、又は、未置換の又はヒドロキシ基で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、フェニル基又はフェノキシ基を表わす。)。
【0105】
炭素原子数1ないし4のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基及びイソブチル基、好ましくはメチル基及びエチル基が考慮される。
【0106】
炭素原子数1ないし4のアルコキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基及びイソブトキシ基、好ましくはメトキシ基及びエトキシ基、特にメトキシ基が考慮される。
【0107】
ハロゲン原子として、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子、好ましくは塩素原子及び臭素原子が考慮される。
【0108】
炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基として、例えば、アセチルアミノ基及びプロピオニルアミノ基、特にアセチルアミノ基が考慮される。
【0109】
炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基として、例えば、メトキシ−メトキシ基、メトキシ−エトキシ基、エトキシ−メトキシ基、エトキシ−エトキシ基、エトキシ−n−プロポキシ基、n−プロポキシ−メトキシ基、n−プロポキシ−エトキシ基、エトキシ−n−ブトキシ基及びエトキシ−イソプロポキシ基、好ましくはエトキシ−メトキシ基及びエトキシ−エトキシ基が考慮される。
【0110】
N−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基として、例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−第二ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基及びN,N−ジエチルアミノ基、好ましくはN−イソプロピルアミノ基が考慮される。
【0111】
炭素原子数2ないし4のアルカノイルオキシ基として、例えば、アセチルオキシ基及びプロピオニルオキシ基、好ましくはアセチルオキシ基が考慮される。
【0112】
炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基として、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基及びn−ブトキシカルボニル基、好ましくはメトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が考慮される。
【0113】
炭素原子数1ないし4のアルキルスルホニルオキシ基として、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基及びn−ブチルスルホニルオキシ基、好ましくはメチルスルホニルオキシ基及びエチルスルホニルオキシ基が考慮される。
【0114】
染料は、既知の染色方法によって、繊維材料に適用される。好ましくは、繊維は、必要であれば、慣用のアニオン性又は非イオン性分散剤の存在下、及び縮合ポリマーの存在下において、80ないし140℃の温度範囲で、浸染法によって水溶液又は分散液から染色される。
【0115】
分散染料の場合、使用前に、これらの染料を染料配合物に転化することは都合が良い。これは、0.1ないし10ミクロンの平均粒子サイズまで染料を微粉砕することによって行われる。微粉砕は、分散剤の存在下において行われ得る。典型的には、乾燥染料が分散剤と微粉砕されるか、又は分散剤とペースト形態において混練され、そしてその後、減圧
下で、又は噴霧乾燥によって乾燥させられる。
【0116】
染色促進剤はまた、サーモゾル法によって繊維材料を染色するために、及び、例えば、回転、フラットスクリーン印刷又はインクジェット印刷によって、又は、間接的に、熱転写印刷によって、繊維材料を印刷するために適当である。
【0117】
印刷の場合、縮合ポリマーは、有利には、縮合ポリマーを含む水溶液又は分散液で繊維を前処理することによって、又は印刷ペースト又はインクへ縮合ポリマーを添加することによって、繊維の製造中に、繊維材料中に配合される。
【0118】
慣用の増粘剤、例えば、アルギネート、デキストリン、アラビアゴム、クリスタルゴム、イナゴマメゴム、トラガカント、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉等の変性又は非変性天然物、又は、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそれらのコポリマー、又はポリビニルアルコールを含む合成物が、印刷のために使用され得る。
【0119】
水及び染料の他に、染料液又は印刷ペーストは、更なる助剤、例えば、それ自体既知のシェーディング染料(shading dye)、塩、緩衝物質、湿潤剤、消泡剤、均展剤又は繊維材料の性質に影響を及ぼす薬剤、例えば、柔軟剤、防炎添加剤、又は、汚れ忌避剤(dirt repellent)、撥水剤及び撥油剤、並びに、水軟化剤、及び、天然又は合成増粘剤、例えば、アルギネート及びセルロースエーテルを含み得る。
【0120】
引用された疎水性ポリマー物品、特に繊維材料は、均一な色合で染色され、非常に良好な最終用途性質、特に光、熱移動、プリーティング、塩素化に対する良好な堅牢性、及び、例えば、水、汗及び洗浄に対する堅牢性等の耐候処理に対する良好な堅牢性を有し、かつ染色はまた、摩擦に対する優れた堅牢性によっても特徴づけられる。
【0121】
以下の実施例で本発明をより詳細に説明する。それらは、いかなる手段においても本発明を制限すると理解されるべきでない。本発明は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない具体的な実施例の変更及び修正を全て包含することを断言する。
【実施例】
【0122】
実施例1:縮合ポリマーの製造
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸120.7g(BMPA、0.90mol)、ジブチル錫オキシド2.50g(0.01mol)及びテトラグリム100.9g(0.45mol)をデーン スタークトラップを備えた反応フラスコへ添加した。反応混合物を205℃まで加熱し、この温度で4時間維持した。反応塊を周囲温度まで冷却し、多量のヘプタンを添加し、溶媒を除去した。ヘプタン層をデカンテーションし、残った樹脂を、メタノール300g及びトルエン400gの混合物に溶解させた。メタノールを減圧下で留去し、トルエン及び残存テトラグリムをデカンテーションによって取り除いた。樹脂を熱トルエン(80℃)400gで2度抽出し、トルエンをデカンテーションした。樹脂を、減圧下で恒量まで乾燥させた。表題の化合物110gを、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定した3254の分子量を有する白色樹脂固体として得た。
【0123】
実施例2:ポリプロピレン繊維製造
繊維等級ポリプロピレン、モンテル プロファックス6301、ペバックスMV1074(2.5質量%、アトフィナ社)及びプラタミド1651(2.5質量%、アトフィナ社)を、ターブラミキサー上で15分間混合した。チヌビン327 0.5質量%、チマソルブ944 0.1質量%及びイルガスタブFS210 0.1質量%もまた含まれた
。配合物を、41個の孔の円形紡糸口金を有するヒルズ ラボ 繊維押出機(Hill Lab Fiber Extruder)中に供給した。押出機の温度プロフィールは、204℃、218℃、232℃、246℃及び246℃であった。750psiの定圧が、フィードバックループを通してスクリュー速度を調節した。供給、延伸及び緩和ロールは、79℃、100℃及び100℃であり、そして1分当り120m、600m及び575m回転する。
延伸比は5:1(600:120)であった。繊維を、供給ロールの直前に繊維仕上げ水溶液6%と接触させた。繊維仕上げ溶液は、ゴウルストンインダストリー社製のルロールPP−4521である。ラインの末端においてリーソナワインダーがスプール上へ繊維を収集した。1フィラメント当りの最終デニールは、10であった。糸の全デニールは、410(41×10)であった。収集した繊維を、スプールから取外し、ローソン ヘムフィルFAKサンプラー編み機を用いて編み、ソックスとした。試料10gをソックスから切り取った。
【0124】
染料溶液製造:染料1.0gを蒸留水2kgに溶解させることによって、染料溶液を製造した。これらの溶液は、染料原液として取扱われる。分散染料のために、水を63−85℃まで加熱し、その後、染料を水へ添加した。
【0125】
染料補助溶液製造:染料補助溶液は、緩衝液(硫酸アンモニウム 1.25g/L)、均展剤(チバ ティネガル ALS 0.625g/L)、滑剤(チバフルイド LA 1.875g/L)及び脱泡剤(チバフロー SF 0.125g/L)を含有した。10%(w/w)の濃度において酢酸を使用し、pHを4.5−5.5に調整した。
【0126】
ポリプロピレン繊維染色:プログラムで制御可能なローチェス染浴を以下の条件に設定した:125℃まで1分当り2℃、温度を上昇させ、60分間、125℃において維持し、続いて1分当り5.5℃の最大冷却において冷却する。
【0127】
染料原液40g、補助溶液160g、上記したように製造したポリプロピレンソックス10g及び染色促進剤1gを、ローチェス社製のスチール製250mLシリンダーへ添加した。シリンダーを密封し、染浴中へ置き、上記サイクル/ローテーションを開始した。染料サイクルが完了した後、ソックスはシリンダーから取り出し、その後の染料含有量の分析のために、染料溶液を残しておいた。その後、ソックスを水道水ですすいだ。過剰な水を遠心分離によってソックスから除去し、強制空気炉中で、100℃において15分間乾燥させた。その後、ソックスを、還元洗浄し、繊維に固定されなかった遊離染料を除去した。これは、以下の溶液200mLを用いて、70℃において20分間、染色したプロピレンソックスを処理することによって行った:40%NaOH w/v 5cc/L、ヒドロ亜硫酸ナトリウム 2g/L及びチバポン OS 1g/L)。ソックスを、上記したようにすすぎ、乾燥させた。
【0128】
染料吸収量を、染色後に得られた溶液に対して、元々の染料溶液の吸光度を比較することによって、測定分析した。
【0129】
仕上げられたソックスを2つに折り、K/S値を、データカラー分光光度計SF600(Datacolor Spectrophotometer SF600)上で最小反射率の波長において測定した。装置条件は、CIE lab、D65光源、10度観測装置、スペクトル成分含有(SCI)、小面積観察(SAV)、スキャン波長=400−700nmであった。より高いK/S値は、改善された染料吸収量を示す。K/S値は、K/S=(1−R)2/2R(式中、K=吸収、S=スキャッタリング、R=最小反射率における反射値。)によって計算した。
【0130】
アトラス Ci65A キセノン アーク ウェザロメーターを用い、ASTM G26に従って、試料の耐候性試験を行った。ウェザロメーター(乾燥)条件は、ブラックパネル温度=63℃、放射照度=0.35W/m2、湿球温度降下=14℃、状態調節水=38℃、サイクル=連続光、フィルター=ホウケイ酸塩である。
【0131】
色の変化又はDEは、以下の式を使用して、反射値からのCIEシステムから得られたL、a及びbの値から計算した:
[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2=ΔE(DE)
【0132】
実施例3:ポリプロピレン繊維の染色
実施例2で製造したポリプロピレンソックスを、上記染色法に従って、テラシル ブルー 3RLを用いて染色した。染料吸収のパーセントが高いほど、ポリプロピレン染色吸収量の促進において染色促進剤はより有効である。
染色促進剤 染料吸収(%)
アトマー502 80
メシチレン 87
実施例1 99
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これは、本発明の化合物が、ポリプロピレン繊維のための優れた染色促進剤であることを証明した。
【0133】
実施例4:ポリプロピレン繊維の染色
実施例2で製造したポリプロピレンソックスを、上記染色法に従って、テラシル ブルー HLBを用いて染色した。染料吸収のパーセントが高いほど、ポリプロピレン染色吸収量の促進において染色促進剤はより有効である。
染色促進剤 染料吸収(%)
アトマー502 83
実施例1 96
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これは、本発明の化合物が、ポリプロピレン繊維のための優れた染色促進剤であることを証明した。
【0134】
実施例5:ポリプロピレン繊維の染色
実施例2で製造したポリプロピレンソックスを、上記染色法に従って、TiO2 0.5質量%を更に添加し、テラシル ブルー 3RLを用いて染色した。染料吸収のパーセントが高いほど、ポリプロピレン染色吸収量の促進において染色促進剤はより有効である。
染色促進剤 染料吸収(%)
アトマー502 81
実施例1 94
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これは、本発明の化合物が、ポリプロピレン繊維のための優れた染色促進剤であることを証明した。
【0135】
実施例6:染色されたポリプロピレン繊維におけるK/S値
製造され、実施例4で染色されたポリプロピレンソックスにおけるK/S値を測定した。より高いK/S値は、改善された染料吸収量を示す。
染色促進剤 K/S値
アトマー502 2.2
実施例1 2.8
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これは、K/S値によって判断されるように、本発明の化合物が、ポリプロピレン繊維のための優れた染色促進剤であることを証明した。
【0136】
実施例7:染色されたポリプロピレン繊維におけるK/S値
製造され、実施例5で染色されたポリプロピレンソックスにおけるK/S値を測定した。より高いK/S値は、改善された染料吸収量を示す。
染色促進剤 K/S値
アトマー502 6.6
実施例1 8.9
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これは、K/S値によって判断されるように、本発明の化合物が、ポリプロピレン繊維のための優れた染色促進剤であることを証明した。
【0137】
実施例8:染色されたポリプロピレンソックスのキセノン耐候試験
製造され、実施例5で染色されたポリプロピレンソックスに促進キセノン耐候試験を受けさせた。表示した時間後、DEを、上記方法に従って測定した。DE値は、表示した曝露時間後の色の変化を示す。低いDE値は、色の変化がより少ないことを示し、非常に望ましい。
染色促進剤 80時間後のDE
メシチレン 27
アトマー502 22
実施例1 21
アトマー502は、ポリオキシエチレン脂肪エーテルである。
これらのデータは、実施例1が染色されたポリプロピレンソックスの耐候性に悪影響を及ぼさないことを示す。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマー、及び、
(b)疎水性ポリマー
を含む組成物であって、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としない組成物。
【請求項2】
前記ポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸が、式(1)
【化1】

(式中、Rは、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は基−CH2OHを表わす。)で表わされる化合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記縮合ポリマーがホモポリマーである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
Rが炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
Rがメチル基を表わす、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
前記疎水性ポリマーがポリオレフィンである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記疎水性ポリマーがポリエチレン又はポリプロピレンである、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
疎水性ポリマーからなる物品の染色又は印刷方法であって、前記物品を色付与化合物で処理する前に又は処理すると同時に、前記ポリマーを少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマーと接触させることからなるが、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としないものである方法。
【請求項9】
前記色付与化合物が少なくとも1種の分散色素を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記物品が繊維材料である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記繊維材料が浸染法に従って染色される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記縮合ポリマーが色付与化合物と同時に繊維材料に適用される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
染料に対し良好な親和性を示す疎水性ポリマーからなる物品の製造方法であって、前記ポリマーを少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸の縮合により得られた縮合ポリマーと接触させることからなるが、但し、前記縮合ポリマーが親油性の基を末端基としないものである方法。
【請求項14】
少なくとも200℃の温度において、少なくとも1種のポリ−ヒドロキシル−モノ−カルボン酸を反応させることからなる、縮合ポリマーの製造方法。
【請求項15】
請求項8記載の方法により得られた物品。
【請求項16】
請求項13記載の方法により得られた物品。



【公表番号】特表2009−513743(P2009−513743A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518206(P2006−518206)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051291
【国際公開番号】WO2005/005545
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】