説明

疎水性化合物を封入するための、エンドウマメマルトデキストリンおよび/またはエンドウマメグルコースシロップの使用

本発明の主題は、デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科植物のデンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンまたはグルコースシロップを、有機化合物のカプセル封入のために使用することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の芳香性物質中の変化しやすいかつ/または揮発性の有機化合物、特に疎水性物質の封入、安定化、および保護のために、有機化合物のカプセル封入用にマメ科デンプンから作り出されるマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
製品中に存在する揮発性化合物がそれらの風味に貢献することは、食品業界の当業者に知られている。矯味料は、一般には主に揮発性分子を含む芳香性物質の混合物である。食品中に存在するある種の分子の揮発性および/または不安定性が、食品の風味および味質の経時的な変化の原因であることがある。したがって食品業界は、時間が経つにつれてこれらの矯味料が分解または消失するのを埋め合わせるために、それらの濃度を増すことを選択することが多い。しかしながらこれらの化合物の幾つかは高価であるため多量の矯味料の使用はコストに関する問題を提示する。
【0003】
「矯味料」または「芳香性物質」とは、それが添加される組成物に香りまたは味を付与する化合物を意味する。例としては香辛料含油樹脂、ニンニク香味の(alliaceous)精油、植物エキス、植物香味のエキス、およびタンパク質水解物を挙げることができる。
【0004】
矯味料は、油、非水系溶液、またはエマルションの形態で存在することができる。
【0005】
用語「変化しやすい」とは、環境との相互作用が分解、機能の減損、または破壊につながる不安定な化合物を表現する。したがってある種の分子は、熱、光、大気中の酸素、または湿度などの外部因子に対する感受性を有することがある。この感受性は、この分子が配合の段階から、あるいは食品の生産または貯蔵の間に、望ましくない化合物へ分解または転化し、こうしてそれら食品を消費に適さなくする原因であることがある。
【0006】
したがって、これらの変化しやすい化合物は、
−官能的性質を変えることのないすぐれた保存、および
−それら化合物が中に存在する食品に風味を添えるのに利用可能なこと
の両方を保証するように適切な方法で包装されなければならない。
【0007】
その生産の間の、食品製造工程の間の、または食品の貯蔵および使用の間の矯味料の揮発性分子および/または変化しやすい分子を保護するために、非常に多くのカプセル封入、マイクロカプセル封入、またはトラッピングの方法が開発されてきた。
【0008】
疎水性化合物の不安定性または可溶化、ある種の有効成分のバイオアベイラビリティまたは苦味の問題を解決するためにカプセル封入がしばしば用いられる医薬分野では同様の問題に直面する。カプセル封入はまた、有効成分の持続放出または制御放出を可能にする。もちろん、そのカプセル化剤(encapsulation agent)は生体適合性かつ生体吸収性であらねばならない。
【0009】
カプセル封入される有効成分を、そのままで、すなわちその固形または液状の自然のままの形でカプセル化剤中に取り込むことができる。それはまた、エマルションまたは水性懸濁液の形で取り込むこともできる。この水性乳濁液は、純粋な有効成分の乳化、または例えばシリコーン油型の適切な油中に予め溶解した有効成分の乳化によって得ることができる。
【0010】
最も多く使用されるカプセル化剤は、一般にオシド性のもの、すなわちコムギ、ジャガイモ、トウモロコシのデンプン、およびこれらの誘導体(変性したデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、グルコースシロップ、デキストロース、多価アルコールなど)、または最も多く使用される封入支持体であるアラビアゴム、またはサッカロース、またはシクロデキストリン、またはセルロースおよびその誘導体、またはアルギン酸型ガム、または寒天、またはカラゲニンである。
【0011】
カプセル封入による保護のすべての方法においてそのカプセル化剤は、下記の特徴を有しなければならない。すなわち
−封入される製品の特徴を変えず、
−無臭であり、
−高濃度においてさえ低粘度を有し、
−乾燥の間ずっとそのエマルションを安定化させ、
−毒性がなく、食すことができ、
−低吸湿性を有し、
−封入された活性物質を徐々に放出する能力を有し、かつ
−低コストを有する。
【0012】
様々なカプセル封入手法が存在し、カプセル封入される製品の意図する目的またはその使用法に応じて選択される。
【0013】
マトリックスシステムまたはコーティングシステムとして知られる第一のシステムは、吸蔵または吸着によって固体マトリックス中に物質を封入することを含む。このカプセル封入は、例えば噴霧乾燥または散布乾燥によって行われ、その間に矯味料が適切な連続相中で乳化され、次いで熱ドラフト中で噴霧乾燥される。この手法で最も多く使用されるカプセル化剤には、アラビアゴム、トウモロコシ、コムギ、タピオカまたはジャガイモのマルトデキストリン、デキストロース、ラクトース、およびゼラチンが挙げられる。流動床中での低温噴霧乾燥、造粒、押出、またはコーティングなどの他の手法もまた挙げられる。
【0014】
膜封入(membrane encapsulation)として知られる第二のシステムは、カプセル化される化合物を、ポリマー、脂質、糖質、または多糖の連続フィルムで取り囲むことからなる。使用される手法は、例えばコアセルベーション、共押出、またはリポソームの使用である。
【0015】
押出手法は、様々なポリマーの使用について記載した米国特許第6,187,351号明細書中に記載されており、これにはトウモロコシ、コメ、コムギ、またはタピオカのデンプンおよびマルトデキストリンが含まれる。
【0016】
欧州特許第1,304,044号明細書は、糖、変性デンプン、マルトデキストリン、およびセルロース誘導体と組み合わせた他のポリマーの使用について記載している。
【0017】
マルトデキストリンおよびグルコースシロップは、従来の方法でデンプンの酸および/または酵素加水分解によって得られる。これらはカプセル化剤として使用することができ、直鎖および分岐型多糖の複合混合物を含有する。この調整状態に関してはマルトデキストリンは、1から20のデキストロース当量(DE)を有する。グルコースシロップは20を超えるDEを有する。
【0018】
カプセル化の質は、例えば酸化に対するそのカプセル化剤による封入化合物の保護を測定することによって評価することができる。
【0019】
こうして、様々なDEのトウモロコシマルトデキストリンまたはトウモロコシグルコースシロップによるリモネンのカプセル封入時に、そのカプセル化剤のDEが増大すると、矯味料の経時的な酸化が減少することに気付いた(Reineccius G.A.(1988)“Spray drying of Food Flavors”In“Flavor Encapsulation”,eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.7,pp.55〜66)。換言すればカプセル封入による矯味料の保護は、トウモロコシマルトデキストリン(低DEを有する)の場合よりもトウモロコシグルコースシロップ(大きなDEを有する)の場合の方がすぐれている。さらにカプセル封入は、最も高度に加水分解されたトウモロコシマルトデキストリンの場合の方がすぐれている。
【0020】
さらに様々な野菜由来のマルトデキストリンによるカプセル封入の質の検討の結果、トウモロコシ、コメ、タピオカ、またはジャガイモのデンプンの誘導体(マルトデキストリン、グルコースシロップ)のDEが増大すると、そのデンプンが由来する野菜に無関係に酸化に対する封入化合物の保護は増大することが示された。さらに、高DEを有するトウモロコシ、タピオカ、またはコメのマルトデキストリンは、コムギ、タピオカ、またはコメのグルコースシロップでさえ、酸化に対するよりすぐれた保護を可能にするカプセル化剤である(Inglett G.E.,Gelbman P.,and Gary A.Reineccius(1988)“Encapsulation of Orange Oil:Use of Oligosaccarides from α−Amylase Modified Starches of Maize,Rice,Cassava,and Potato”in“Flavor Encapsulation”,eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.4,pp.29〜36)。これらの観察結果は、一般的原理として採用されている。
【0021】
従来技術はまた、カプセル化剤としてシクロデキストリン、デキストリン、またはアミロースの使用についても記載している。
【0022】
これらの分子は、結晶組織を形成する封入剤(encapsulating agent)の分子間、またはその封入分子の構造によって形成される空洞中のいずれかに閉じ込められるカプセル封入される分子と包接錯体を形成する。これらのカプセル化剤に関して主に使用される手法は、混練、結晶化、および凍結乾燥である。
【0023】
食品部門においてこれらの手法は、疎水性化合物を含有する水に溶ける親水性粉末を得ることを可能にし、または調理の間の矯味料の熱安定性の増加を可能にするので有利である。それらの両面の特徴により、これらは濃縮媒体中でのすぐれた錯体形成と、希薄水性媒体中でのまたは唾液と触れた後の封入分子の放出とを可能にする。
【0024】
β−シクロデキストリンは、シクロデキストリンのなかで最も多く使用されており、また生産するのに最も経済的である。しかしながらシクロデキストリンの使用は、高度に規制されている。
【0025】
これらの規制面の制約を免れるために、包接錯体を形成するカプセル化剤としてアミロースの使用の開発が構想されてきた。アミロースは、ヒドロキシル基の存在に起因する親水性外面を有し、かつ水素原子の存在に起因する疎水性内面を有する螺旋に組織化されている。この螺旋構造は、アミロースに、有効成分または矯味料のカプセル化のために必要な特徴を付与する。
【0026】
しかしながら純粋なアミロースの使用は、それらの結晶化または老化の傾向が大きいため工業規模で構想することができない。
【0027】
カプセル化のためにアミロースに富むデンプン(50%を超えるアミロースを含有するデンプン)を使用することはまた、それらが調製および使用のきわめて厳しい条件を必要とするので様々な制約を伴う。実際にはこれらのデンプンは、それらがアミロースに富むことが原因で急速に老化する。さらにそれらは120℃台のきわめて高い調理温度を必要とする。老化現象を防ぐためにはカプセル化を90から100℃程度の高温で行わなければならない。目下のところこれらの温度では変化しやすいかつ/または揮発性の化合物は、分解または蒸発する。これらの老化温度を下げるために、50%を超えるアミロースを含有するデンプンは、一般に化学基の固定によって変性される。これらのデンプンは安定化されていると呼ばれる。
【0028】
デンプンの「安定化」とは、デンプンの老化を遅らせまたは食い止めることを意図する、当業者に知られているあらゆる操作を意味する。安定化は、エステル化またはエーテル化によってデンプンのヒドロキシル官能基を置換することにより得られる。それはまた、酸化によっても得ることもできる。これらの安定化処理法は、具体的にはヒドロキシプロピル化、アセチル化、リン酸化、および酸化である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第6,187,351号明細書
【特許文献2】欧州特許第1,304,044号明細書
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Reineccius(ライネキウス)G. A. (1988) “Spray drying of Food Flavors(食品フレーバーの噴霧乾燥)” In “Flavor Encapsulation,”(“フレーバーカプセル化”において)eds. Sara J. Risch and Gary A. Reineccius(サラJ.リッシュおよびガリーA.ライネキウス編), chap. 7, pp.: 55-66(第7章、第55〜66頁).
【非特許文献2】Inglett(イングレット)G. E., Gelbman(ゲルブマン)P., and Gary A. Reineccius (およびゲアリーA.ライネキウス)(1988) “Encapsulation of Orange Oil: Use of Oligosaccharides from α-Amylase Modified Starches of Maize, Rice, Cassava, and Potato(オレンジオイルのカプセル化:メイズ、ライス、キャッサバ、およびポテトのαアミラーゼ修飾スターチからのオリゴ糖の使用).” In “Flavor Encapsulation,”(“フレーバーカプセル化”において)eds. Sara J. Risch and Gary A. Reineccius(サラJ.リッシュおよびガリーA.ライネキウス編), chap. 4, pp.: 29-36(第4章、第29〜36頁).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
富アミロースデンプンの安定化は、それらの老化温度を50〜60℃に下げることを可能にするが、それらの包接錯体形成能を低下させる。
【0032】
ワインなどのアルコール性液体の矯味料のカプセル封入の特定の脈絡では、欧州特許第820 702号明細書は、エンドウマメデンプンを噴霧乾燥または凍結乾燥によりカプセル化剤として使用することを記載している。エンドウマメデンプンは、そのカプセル封入にアルコールを保有することなく矯味料の保持の質を与えると云われる。その記載されている発明によれば長い多糖鎖の存在は、エンドウマメデンプンが矯味料を封入することができるための必須な特徴である。実際にはこの欧州特許第820 702号明細書は、加水分解エンドウマメデンプンの使用を除外しており、特にカプセル化剤としてのエンドウマメのマルトデキストリンおよびグルコースシロップの使用を全く除外している。この文献によればデンプンのこれら加水分解形態は、カプセル封入を可能にするには短すぎる糖鎖を含む。
【0033】
本発明の目的は、カプセル化剤と、そのカプセル化剤で使用することができるカプセル封入手法との範囲を広げることである。このカプセル化剤は、使用しやすく、毒性がなく、かつその封入化合物の制御放出を可能にしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、ある種のマメ科の、具体的にはエンドウマメのデンプンの加水分解生成物が、欧州特許第820 702号明細書の結論に反して、疎水性物質、具体的には芳香性物質のすぐれたカプセル化剤であるという発見に基づいている。
【0035】
本出願人は、新規なカプセル化剤を提案することを意図した試験の間に、意外なことにマメ科のデンプンに由来するマルトデキストリンおよびグルコースシロップが、トウモロコシ、コメ、コムギ、またはタピオカのデンプンに由来する同等の生成物の挙動とは異なる異例の挙動を取り、酸化に対して封入化合物を保護するそれらの能力は、それらのDEが低いほど優れているということを特徴とすることに注目した。
【0036】
本出願人はさらに、マメ科のものに由来するマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップが、他のデンプンに由来する対応する生成物よりもある種の封入化合物を酸化分解に対して一層良く保護することに注目した。
【0037】
したがって本発明は、デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科デンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを、有機化合物、好ましくは疎水性有機化合物のカプセル封入のために使用することに関する。
【0038】
好ましくはマメ科デンプンは、30%から40%の間に含まれる、特に35%から40%の間に含まれる、より好ましくは35%から38%の間に含まれるアミロース含量を有する(これらの百分率はデンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる)。
【発明を実施するための形態】
【0039】
「マメ科の」とは、本発明の意味の範囲内ではジャケツイバラ科(Caesalpiniaceae)、ネムノキ科(Mimosaceae)、またはマメ科(Papilionaceae)の系統に属する任意の植物、特にマメ科(Papilionaceae)の系統に属する任意の植物、例えばエンドウマメ、マメ(bean)、ソラマメ(broad bean)、ナタマメ(horse bean)、ヒラマメ、ルツェルン、クローバー、またはルピナスを意味する。
【0040】
この定義には、具体的にはR.HOOVERらによる論文、1991(HOOVE.R(1991)“Composition,structure,functionality and chemical modification of leguminous starches:a review”Can.J.Physiol.Pharmacol.,69,pp.79〜92)中に含まれる表のいずれか一つに記載されているすべての植物が含まれる。
【0041】
その封入能力は、時間の関数としての、かつ管理された条件下での封入化合物の酸化の進展を調べることによって判定するのが便利である(Reineccius G.A.(1988)“Spray drying of Food Flavors”In“Flavor Encapsulation”,eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.7,pp.55〜66)。この測定は、封入製品の周囲にカプセル化剤によって形成されるバリヤーの質の評価を可能にする。
【0042】
上述したように、DEが低い場合、本発明により使用されるマルトデキストリンおよびグルコースシロップの封入能力および保護力(抗酸化)の増大は、他の野菜由来のマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップで封入した場合には通常は観察されない。トウモロコシ、コメ、タピオカ、またはジャガイモについては逆の現象が観察される(Reineccius G.A.(1988)“Spray drying of Food Flavors”In“Flavor Encapsulation”,eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.7,pp.55〜66)。
【0043】
本発明において使用されるマルトデキストリンおよびグルコースシロップによる化合物のカプセル封入手法の例としては、噴霧乾燥、造粒、コーティング、混練、押出、凍結乾燥、結晶化、および任意の種類の従来のカプセル封入手法を挙げることができる。
【0044】
封入製品を含有するカプセル化剤は、製薬工業、化粧品工業、食品工業、製紙および不織布工業、織物、超発香性(super−odoriferous)製品および防臭剤、洗剤、あるいは植物衛生製品のためのものである。実際には本発明によるカプセル化剤は、異なる物理化学的特徴およびサイズを有する様々な化合物、特にビタミン、強力甘味料、着色剤、脂肪、脂肪親和性または親水性有効成分、親水性または疎水性分子、あるいはタンパク質でさえも封入を可能にする。
【0045】
本発明により使用される脱水マルトデキストリンおよびグルコースシロップは、それらが生み出されるデンプンの低アミロース含量のために、アミロースに富むすなわち50%を超えるアミロースを含有するデンプンの場合よりも低温で老化現象が観察されるので手に入れやすいという利点を有する。
【0046】
同一濃度では、アミロースに富むデンプンが90〜100℃から老化するのに続いて、エンドウマメデンプンの老化は60〜70℃でのみ始まる。この低い老化温度が酵素加水分解の使用を可能にする。これは、特にある種のトウモロコシデンプンの場合には構想することができないものである。
【0047】
実際にはこれらのデンプンの老化を防ぐために、きわめて高い温度、具体的には100〜110℃程度の温度が使用される。この温度では慣用的に使用される酵素が熱によって変性され、それによって不活性化される。
【0048】
したがって、本発明により使用されるマルトデキストリンおよびグルコースシロップは、マメ科のデンプンの管理された酸加水分解または酵素加水分解によって調製される。これらを調製するために当業者は、従来技術の既知の手法を参照することになる。
【0049】
本発明の幾つかのカプセル封入方法においてグルコースシロップは、脱水形態で使用される。この脱水は、当業者によく知られた手法に従って行われる。
【0050】
好ましくはマメ科植物は、エンドウマメ、マメ、ソラマメ、ナタマメ、またはこれらの混合物によって形成される群から選択される。
【0051】
別の有利な変形態様によればマメ科植物は、デンプンの重量単位(乾燥/乾燥)で少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%を含有する種子を産み出す様々なエンドウマメまたはナタマメの変種である。
【0052】
この高いデンプン含量が、特にカプセル化剤の獲得収率に関して本発明による様々なエンドウマメまたはナタマメに主要な利点を与える。結果として本発明によるマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップは製造が容易になり、かつ高収率で得ることが可能である。
【0053】
有利には前記マメ科植物はエンドウマメである。用語「エンドウマメ」は、ここではその最も広範な意味において、具体的にはそれら品種が一般に意図されている使用法(ヒトの消費、動物の栄養、および/または他の使用法)とは無関係に、
−野生「丸エンドウマメ(smooth pea)」品種、および
−突然変異の「丸エンドウマメ」および「しわエンドウマメ(wrinkled pea)」品種
を含めて考えられている。
【0054】
前記突然変異品種は、具体的には、C−L HEYDLEYらの論文(HEYDLEY C−L(1996)“Developing novel pea starches”Proceedings of the Symposium of the Industrial Biochemistry and Biotechnology Group of the Biochemical Society,pp.77〜87)に記載されているような「r突然変異体」、「rb突然変異体」、「rug3突然変異体」、「rug4突然変異体」、「rug5突然変異体」、および「lam突然変異体」として知られるものである。
【0055】
本発明において使用されるグルコースシロップは、好ましくは30未満のデキストロース当量を有する。
【0056】
本発明において使用されるマメ科植物由来のマルトデキストリンは、有利には18未満の、また好ましくは3から7の間に含まれるデキストロース当量(DE)を有する。実際にはそれは、酸化に対して封入化合物の最適な保護を与える、すぐれたカプセル化剤であることが分っている低DEを有するこれらの生成物である。
【0057】
本発明によりカプセル封入される化合物は、好ましくは矯味料、着色剤、脂溶性ビタミン、発香性分子、強力甘味料、および脂肪から選択される。
【0058】
具体的には脂肪酸、モノグリセリド、デカナール、オクタナール、ヘキサナール、ブタノール、メントン、フェンコン、リモネン、ナフトール、香辛料含油樹脂、ニンニク香味の精油、ベンズアルデヒド、ジアセチル(2,3−ブタンジオン)、バニリン、チモール、メントール、ショウノウ、ゲラニオール、カルボン、δ−ヘプタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、およびキノリンを挙げることができる。
【0059】
本発明の主題はまた、
−デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科デンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを、乳化剤を含有する水系溶媒中へ溶解すること、
−カプセル封入される疎水性有機化合物の溶液を有機溶媒中に加えること、
−得られた混合物を、せん断力を加えることによって乳化すること、および
−得られたエマルションを乾燥すること
を含む、カプセル封入の方法である。
【0060】
エマルションの乾燥は、任意の適切な手法によって行うことができる。例えば噴霧乾燥および流動床噴霧を挙げることができる。
【0061】
本発明による別の方法では、カプセル化剤は水に溶解した状態ではなく、固体の状態で使用される。換言すればカプセル化剤は、それを完全に溶解するには不十分だが、ペーストを得ることを可能にするには十分な少量の水と混ぜ合わされる。次いでこのペーストを、混練および/または混合によって、そのカプセル封入される化合物と混ぜ合せて粉末状態または適切な溶媒に溶かした溶解状態にする。
【0062】
このようなカプセル封入の方法は、具体的には
−カプセル封入される疎水性有機化合物と、
−デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科のデンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンおよび/または脱水グルコースシロップと、
−前記マルトデキストリンおよび/または前記脱水グルコースシロップを完全に溶解するには不十分な量の水と
を含有する混合物を混練りすること、および
乾燥によってこの水を除去すること
を含む。
【0063】
前述の方法は、例えば押出機中で遂行することができる。
【0064】
この乾燥段階は、例えば乾燥器または造粒機中で行うことができる。
【0065】
本発明によるカプセル化剤の使用により、70%を超える、または80%を超えるカプセル化収率、またさらに90%を超えるカプセル化収率さえ得ることが可能になる。
【0066】
以下の実施例は、エンドウマメのマルトデキストリンおよび脱水グルコースシロップが、矯味料および/または有効成分などの疎水性化合物を高収率でカプセル封入すること、およびある種の環境要因に対して封入物質を効果的に保護することを可能にすること示す。この保護の有効性は、他のデンプンに由来するマルトデキストリンおよびグルコースシロップについて観察されるものと同等またはそれよりも大きい。
【実施例】
【0067】
実施例1
カプセル化剤としてエンドウマメまたはトウモロコシのマルトデキストリンまたは脱水グルコースシロップ、乳化剤、および封入される分子としてリモネンを含む組成物を調製した。
【0068】
トウモロコシおよびエンドウマメのマルトデキストリンまたは脱水グルコースシロップは、当業技術者に知られている手順に従って、そのデンプンの酵素加水分解によって得た。
【0069】
これらカプセル化剤のDEは、文献に記載されている糖還元試験(sugar reduction test)(Food Chemicals Codex,4th edition,1st July 1996.Section 5,General Tests and Assays,Appendix X:Carbohydrates(Starches,Sugars,and Related Substances))によって測定した。
【0070】
使用したマルトデキストリン(MD)および脱水グルコースシロップ(DGS)は、
−DE17.4のトウモロコシマルトデキストリン、すなわちGlucidex(登録商標)17
−DE12のトウモロコシマルトデキストリン、すなわちGlucidex(登録商標)12
−DE7のエンドウマメマルトデキストリン
−DE13.5のエンドウマメマルトデキストリン
−DE17のエンドウマメマルトデキストリン
−DE21.5のエンドウマメの脱水グルコースシロップ
である。
【0071】
使用した乳化剤は、流動デンプン、より具体的にはオクテニルコハク酸基をグラフトすることによって変性した「ろう状」トウモロコシデンプンである。この乳化剤は、本出願人によってCLEARGUM(登録商標)CO01の名称で市販されている。
【0072】
【表1】

【0073】
カプセル化の実験計画は下記の通りである。すなわち、そのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップと乳化剤とを脱塩水中で70℃において10分間ゆっくり撹拌して溶解することによってプレエマルションを得る。並行して、封入される分子を含有する溶液を調製し、30℃に予熱し、次いでプレエマルションに加え、10分間激しく撹拌し続ける。
【0074】
このプレエマルションを、10分間、温度5℃(水槽に浸漬)においてPOLYTRON PT 45/2M装置中で24,000rpmの速さでかなりのせん断を施す。
【0075】
噴霧乾燥(Lab Plant噴霧乾燥機SD05)は、175℃の入力温度により、かつ内部で2バール程度の圧力を可能にする直径1mmの射出ノズルの使用によって、60℃に予熱したエマルション上で行われる。
【0076】
カプセル化率を測定するためにリモネンの保持率の測定を行う。この検討は、文献(Inglett G.E.,Gelbman P.,and Gary A.Reineccius(1988)“Encapsulation of Orange Oil:Use of Oligosaccharides from α−Amylase Modified Starches of Maize,Rice,Cassava,and Potato”In“Flavor Encapsulation”eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.4,pp.29〜36)に記載の標準的な方法で行う。この保持率は、噴霧乾燥の間に封入されたリモネンの量を反映する。
【0077】
非封入リモネンの分率は、噴霧乾燥後に得られる粒子表面のリモネンおよび噴霧乾燥の間に蒸発したリモネンに対応する。
【0078】
噴霧乾燥後、粒子の表面のリモネン部分を回収するために、得られた粉末をヘキサンなどの非水溶媒で洗浄する。
【0079】
次いで、今度は封入リモネンを回収するために噴霧乾燥された粉末を可溶化する。
【0080】
それぞれの部分についてリモネンおよびリモネン酸化物をアセトン中に可溶化し、次いで精製し、DB1カラム(長さ30m、内径0.32mm、フィルム厚1μm)で始まるガスクロマトグラフィー(VARIAN 8200 CXオートサンプラー・クロマトグラフ)によって分析する。クロマトグラフィーは、60から250℃の温度勾配下において7℃/分の変化率で行う。キャリヤーガスは、10psi(68947.5728Pa)の圧力のヘリウムである。目盛定めは、4−メチル−2−ペンタノン(MIBC)0.15g/Lのアセトンの内標準原液で行う。これら原液は、リモネン2g/Lのアセトン溶液およびリモネン酸化物1g/Lのアセトン溶液である。
【0081】
噴霧乾燥の間に蒸発したリモネンの量は、リモネンの総量、粒子表面のリモネン、および封入リモネンから推定される。
【0082】
リモネンの保持率は、非封入リモネンに対する封入リモネンの比に対応する。
【0083】
【表2】

【0084】
エンドウマメマルトデキストリンについて観察されるリモネンの保持率は、トウモロコシマルトデキストリンで得られるものに匹敵する(表2参照)。したがってエンドウマメマルトデキストリンは、トウモロコシマルトデキストリンについて観察されるものに匹敵する比率で基体のコーティングを可能にする。このカプセル化率は、DE7のエンドウマメマルトデキストリンの場合よりもすぐれてさえある。実際には後者の場合、リモネンの保持率は、トウモロコシマルトデキストリンについて観察される保持率よりもかなり大きい。さらにこの保持率はまた、DE21.5のエンドウマメの脱水グルコースシロップの場合にも大きいことに気付く。
【0085】
実施例2
実施例1と同一の組成物を、噴霧乾燥によるリモネンのカプセル封入のために使用する。リモネンの封入量を求めるために、あるいはエンドウマメまたはトウモロコシのマルトデキストリン(MD)および/または脱水グルコースシロップ(DGS)の封入能力、すなわち外部環境の攻撃に対する保護力を求めるために、時間の関数としてのリモネンの酸化の測定を行う(図1および表3参照)。この封入リモネンを乾燥器中で70℃の温度において20、40、および60日間インキュベートする。このリモネンおよびリモネン酸化物をアセトン中に可溶化し、次いで精製し、実施例1に記載の条件に従ってガスクロマトグラフィー(VARIAN 8200 CXオートサンプラー・クロマトグラフ)によって分析する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】リモネンの酸化の測定の図である。
【0087】
【表3】

【0088】
リモネンの酸化率の測定は、リモネンの酸化に対するトウモロコシのマルトデキストリンおよび/または脱水グルコースシロップと、エンドウマメのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップとの間の同等のカプセル化の質、すなわち同等の封入能力を表わしている。
【0089】
エンドウマメのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップの封入支持体としての使用の間に観察されるカプセル化の型を求めるために、そのエンドウマメのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップのDEの関数としてのリモネン酸化の進展の比較を行う(図1)。
【0090】
トウモロコシまたはジャガイモのマルトデキストリンおよびグルコースシロップの封入支持体としての使用時に、そのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップのDEが低下すると、リモネン酸化の増加が観察されることは、今までに文献に記載されている(Reineccius G.A.(1988)“Spray drying of Food Flavors”In“Flavor Encapsulation”,eds.Sara J.Risch and Gary A.Reineccius,chap.7,pp.55〜66)。したがってトウモロコシまたはジャガイモのマルトデキストリンおよびグルコースシロップを用いたカプセル化の質は、それらのDEが増加すると高くなる。
【0091】
エンドウマメのマルトデキストリンおよびグルコースシロップの場合、逆の現象が観察される(図1参照)。実際にカプセル化剤としてエンドウマメのマルトデキストリンまたはグルコースシロップを用いた噴霧乾燥によるカプセル封入時に、そのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップのDEが低下すると、リモネンの酸化は減少する。換言すればその封入能力は、エンドウマメのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップのDEが低下すると増大する。さらにエンドウマメマルトデキストリンは、エンドウマメの脱水グルコースシロップで得られるものよりも、その封入された基体の外部環境に対するより良好な保護を可能にする。
【0092】
したがってトウモロコシ(またはジャガイモ)のマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを用いたカプセル封入の間に観察される現象と、エンドウマメのマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを用いた封入の間に観察される現象は、同じ原理には従わない。
【0093】
実施例3
エンドウマメまたはトウモロコシのマルトデキストリンを用いた、あるいはシクロデキストリンに対してのみ使用されるカプセル化手法によるβ−シクロデキストリンを用いたメントールの封入を行うために、カプセル化組成物を調製する。この封入は、カプセル化剤(マルトデキストリンまたはシクロデキストリン)68%、水22.7%、およびメントール9.3%を含む組成物を混練りすることによって、すなわちダブル・エンベロープ・ニーダー中で混合することによって行う。
【0094】
矯味料を、徐々にカプセル化剤に加える。この混合物を5から10分間混合し、次いで70℃の乾燥段階にかける。乾燥組成物は、88%のエンドウマメまたはトウモロコシのマルトデキストリンまたはβ−シクロデキストリンと12%のメントールとを含む。
【0095】
それらマルトデキストリンまたはβ−シクロデキストリンとメントールとの間の錯化レベルを測定するために示差熱量分析(ACDまたはDSC;METTLER DSC 30装置)を行う。
【0096】
この検討の間に混合物を再加熱段階にかけられ、その間に混合物は状態変化を受ける。こうしてカプセル化剤とメントールの間の錯化レベルに正比例したシグナルの振幅(ΔCp)であるガラス転移温度(Tg)が求められる。
【0097】
この検討の間にたどられる実験計画は下記である。試料を−20℃に2分間保ち、次いで10℃/分の割合で−20から180℃まで温度を変化させる。
【0098】
β−シクロデキストリンに関して得られるカプセル化のレベルは100%である(結果は示さない)。この比率は、β−シクロデキストリンとメントールの混練りによるカプセル化の場合に一般に得られる。
【0099】
【表4】

【0100】
測定された錯化レベルが100%である場合、その測定値を確認するために新たな分析を行う。
【0101】
この分析が94から100%程度のエンドウマメマルトデキストリン/メントール錯化率を示すのに対し、トウモロコシマルトデキストリン/メントール錯体について観察される錯化率はずっと低く、55から64%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科のデンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンまたはグルコースシロップの、有機化合物のカプセル封入への使用。
【請求項2】
前記マメ科のデンプンが、デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる30%から40%の間に含まれる、好ましくは35%から40%の間に含まれる、より好ましくは35%から38%の間に含まれるアミロース含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記マメ科植物が、エンドウマメ、マメ、ソラマメ、およびナタマメから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記マメ科植物がエンドウマメであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記グルコースシロップが、30未満のデキストロース当量(DE)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記マルトデキストリンが、18未満の、好ましくは3から7の間に含まれるデキストロース当量(DE)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記封入される化合物が、疎水性化合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記封入される化合物が、矯味料、着色剤、脂溶性ビタミン、発香性分子、強力甘味料、および脂肪から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記封入される化合物が、脂肪酸、モノグリセリド、デカナール、オクタナール、ヘキサナール、ブタノール、メントン、フェンコン、リモネン、ナフトール、香辛料含油樹脂、ニンニク香味の精油、ベンズアルデヒド、ジアセチル(2,3−ブタンジオン)、バニリン、チモール、メントール、ショウノウ、ゲラニオール、カルボン、δ−ヘプタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、およびキノリンから選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
疎水性有機化合物をカプセル封入する方法であって、
−デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科のデンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップを、乳化剤を含有する水系溶媒中へ溶解すること、
−前記カプセル封入される疎水性有機化合物の溶液を有機溶媒中に加えること、
−得られた前記混合物を、せん断力を加えることによって乳化すること、および
−得られた前記エマルションを、好ましくは噴霧乾燥によって乾燥すること
を含む、方法。
【請求項11】
疎水性有機化合物をカプセル封入する方法であって、
−前記カプセル封入される疎水性有機化合物と、
−デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる25%から50%の間に含まれるアミロース含量を有するマメ科のデンプンから酸または酵素加水分解によって得られるマルトデキストリンおよび/または脱水グルコースシロップと、
−前記マルトデキストリンおよび/または前記脱水グルコースシロップを完全に溶解するには不十分な量の水と
を含有する混合物を混練りすること、および
前記水を乾燥によって除去すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記マメ科のデンプンが、デンプンの乾燥重量に対する乾燥重量として表わされる30から40%の間に含まれる、好ましくは35から40%の間に含まれる、より好ましくは35から38%の間に含まれるアミロース含量を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記マメ科植物が、エンドウマメ、マメ、ソラマメ、およびナタマメからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記マメ科植物がエンドウマメであることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項15】
前記グルコースシロップが、30未満のデキストロース当量(DE)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項16】
前記マルトデキストリンが、18未満の、好ましくは3から7の間に含まれるデキストロース当量(DE)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項17】
前記封入される化合物が、脂肪酸、モノグリセリド、デカナール、オクタナール、ヘキサナール、ブタノール、メントン、フェンコン、リモネン、ナフトール、香辛料含油樹脂、ニンニク香味の精油、ベンズアルデヒド、ジアセチル(2,3−ブタンジオン)、バニリン、チモール、メントール、ショウノウ、ゲラニオール、カルボン、δ−ヘプタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、およびキノリンから選択されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−533485(P2010−533485A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516546(P2010−516546)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051284
【国際公開番号】WO2009/024690
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(591169401)
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
【Fターム(参考)】