説明

疎水表面用の速効性の低発泡湿潤剤

本発明は、一般式(I)R−O−(A)n−(B)m−H (I)[式中、Rは、C8−アルキル基であり、Aは、プロピレンオキシであり、Bは、エチレンオキシであり、nは、平均値0.8〜2.0であり、かつmは、平均値2.0〜5.0である]の界面活性剤を、湿潤剤として疎水性ポリマー表面に用いる使用、並びに以下の成分a)請求項1に記載の一般式(I)の少なくとも1種の界面活性剤0.5〜50質量%、b)C8−アルコール1.0〜10質量%、及びc)一般式(IV)R−O−(A)n−H (IV)[式中、Rは、C8−アルキル基であり、Aは、プロピレンオキシであり、かつnは、平均値0.8〜2.0である]の化合物0.5〜30質量%を含有する湿潤剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C8−アルコールと、プロピレンオキシドと、エチレンオキシドとを基礎とする界面活性剤を、湿潤剤として疎水性ポリマー表面に用いる使用、並びに界面活性剤とC8−アルコールとを含有する湿潤剤に関する。
【0002】
8−アルコールと、プロピレンオキシドと、エチレンオキシドとを基礎とする界面活性剤は、技術水準から既に公知である。
【0003】
DD292147号は、湿潤させることが困難なダスト、例えば炭塵のための、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを含有するアルキルポリアルキレングリコールエーテルからなる湿潤剤を記載している。このためには、式2−エチルヘキサノール−(PO)2.5〜3.5−(EO)2〜3の湿潤剤を使用することが好ましい。炭塵は、芳香性が強い表面として、それぞれの技術用途に簡単には適用できない。この湿潤剤は、濃縮された塩溶液の存在下で有効であり、発泡せず、かつ湿潤時間が短い。
【0004】
DD298651号は、C6−C9−アルコール−プロポキシレート−エトキシレートをシリコーン用乳化剤として記載している。上述の化合物は、貯蔵期間6ヶ月の貯蔵安定性の水性ジオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造に使用される。
【0005】
EP0051878号A1においては、改善された湿潤特性及び一般に良好な脱脂特性及び/又は洗浄特性を有する非発泡性の非イオン性液状界面活性剤組成物を開示している。この組成物は、7〜11個の炭素原子を有するアルコールと、エチレン単位と、プロピレンオキシド単位とから構成された化合物を含有する。
【0006】
WO2004/005230号においては、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを含有する2−エチルヘキサノールのアルコキシレートを記載している。平均して、開示された化合物中には、1.6〜3.3単位のプロピレンオキシド及びこれに続く3.0〜5.5単位のエチレンオキシドが存在する。このアルコキシレートは、洗浄剤として硬質表面に使用される。
【0007】
本発明の課題は、疎水性ポリマー表面用の湿潤剤としての使用のための好適な界面活性剤を提供することである。
【0008】
前記課題は、一般式(I)
R−O−(A)n−(B)m−H (I)
[式中、Rは、C8−アルキル基であり、
Aは、プロピレンオキシであり、
Bは、エチレンオキシであり、
nは、平均値0.8〜2.0であり、かつ
mは、平均値2.0〜5.0である]の界面活性剤を、湿潤剤として疎水性ポリマー表面に使用することによって解決される。
【0009】
基Rは、直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC8−アルキル基であり、Rは、少なくとも1箇所で分枝したアルキル基であることが好ましい。Rは、1箇所で分枝したC8−アルキル基であることが特に好ましい。
【0010】
殊に好ましい実施形態においては、Rが2−エチルヘキサノールから誘導されたアルキル基である界面活性剤を本発明により使用する。
【0011】
一般式(I)のAは、プロピレンオキシである。本発明によれば、プロピレンオキシは、基−O−CH2−CH(CH3)−又は−O−CH(CH3)−CH2−を意味する。本発明により使用される界面活性剤においては、もっぱらアルコールにプロピレンオキシ単位が直接結合していることが理想的である。
【0012】
一般式(I)のBは、エチレンオキシである。本発明によれば、エチレンオキシは、基−O−CH2−CH2−を意味する。
【0013】
この界面活性剤は、ブロック構造を有することが理想的であり、すなわちプロピレンオキシブロックがC8−アルコールに直接に結合している。これに続いてエチレンオキシブロックが結合している。
【0014】
このブロック構造は、工業用界面活性剤として、方法技術的理由のために、全てのプロピレンオキシドとアルコールとが依然として反応していないにもかかわらずエチレンオキシドの計量供給を開始した場合に、場合により中断されることがある。
【0015】
本発明により使用される一般式(I)の界面活性剤のnは、C8−アルコールに結合したプロピレンオキシ単位の数の平均値である。
【0016】
「平均値」という記載は、個々の分子中に種々の数のアルキレンオキシ単位が存在しうる工業製品と関係する。この工業製品中では、相応のアルキレンオキシ単位の数の平均して存在する割合を記載している。例えば、平均0.5の値は、平均して、それぞれ第二の分子が相応の単位を有することを意味する。
【0017】
本発明によれば、nが平均値0.8〜2.0、好ましくは0.8〜1.8、特に好ましくは1.3〜1.6の界面活性剤を使用する。
【0018】
本発明により使用される一般式(I)の界面活性剤のmは、界面活性剤中に含まれるエチレンオキシ単位の数の平均値である。
【0019】
本発明によれば、mが平均値2.0〜5.0、好ましくは2.8〜4.0、特に好ましくは2.8〜3.2の界面活性剤を使用する。
【0020】
一般式(I)の界面活性剤は、極めて良好な低発泡特性と、生分解性と、疎水性ポリマー表面上での湿潤速度とが組み合わさっており、その結果それを本発明により湿潤剤として疎水性ポリマー表面に使用することができる。
【0021】
本発明にかかるアルコールアルコキシレートの基礎をなすアルコール成分ROHについては、純粋なC8−アルコールだけでなく、C8−アルコールの種々の異性体の混合物も挙げられる。例として、種々の構造異性体の混合物が挙げられる。アルコール成分としては、1種のC8−アルコールの異性体のみが本発明により使用される一般式(I)の界面活性剤中に存在することが好ましい。
【0022】
本発明により使用される界面活性剤又はこの界面活性剤の混合物は、一般式ROHのアルコール又はC8−アルコールの相応の異性体の混合物を最初にプロピレンオキシドと反応させ、次いでエチレンオキシドと反応させることによって製造することが好ましい。この場合、このアルコキシ化は、アルコキシ化触媒の存在下で実施することが好ましい。この場合、特に塩基性触媒、例えば水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムを使用する。特定のアルコキシ化触媒、例えばWO95/04024号に記載されているような改変されたベントナイト又はヒドロタルシトによって、導入されたアルキレンオキシドの量の統計分布は極めて狭くなり、その結果「狭い範囲」のアルコキシレートが得られる。
【0023】
適切な反応条件、例えば温度、圧力、反応時間、溶剤、生成物の後処理及び精製等は、当業者に知られている。同様に、本発明により使用可能な界面活性剤の製造に好適な反応も当業者に知られている。
【0024】
本発明の好ましい実施形態においては、一般式(II)
【数1】

[式中、「φ界面活性剤溶液、10秒」は、界面活性剤0.02質量%水溶液の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突10秒後の接触角であり、
「φ蒸留水」は、蒸留水の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突10秒後の接触角である]で示される湿潤性NLPEが、>0.41である界面活性剤を湿潤剤として疎水性ポリマー表面に使用する。
【0025】
特に好ましくは、本発明により使用される湿潤剤は、湿潤性NLPEが>0.48であり、殊に好ましくは>0.52であり、なかんずく好ましくは>0.58である。
【0026】
疎水性ポリマー表面についての湿潤性NLPEの定義:
疎水性ポリマー表面についての湿潤性は、界面活性剤0.02質量%水溶液の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突10秒後の接触角を介して算出される。この基準として、蒸留水を用いる同様の実験を利用する。
【0027】
本発明の更に好ましい実施形態においては、一般式(III)
【数2】

[式中、「φ蒸留水」及びNLPEは、上述の定義のとおりであり、かつ「φ界面活性剤溶液、50ミリ秒」は、界面活性剤0.02質量%水溶液の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突50ミリ秒後の接触角である]で示される湿潤速度NGPEが、>0.85である界面活性剤を、疎水性ポリマー表面の湿潤剤として使用する。
【0028】
本発明により使用される湿潤剤は、湿潤速度NGPEが特に好ましくは、>0.87であり、殊に好ましくは>0.90であり、なかんずく好ましくは>0.92である。
【0029】
疎水性ポリマー表面についての湿潤速度NGPEの定義:
疎水性ポリマー表面についての界面活性剤の湿潤速度は、界面活性剤水溶液の液滴の、ポリエチレン表面上での時間的に経過する接触角を介して算出される。この速度は、表面上での液滴の衝突50ミリ秒後の接触角及び同じ表面についての湿潤性NLPEから算出される。この基準として、蒸留水を用いる同様の実験を再び利用する。
【0030】
一般的には、本発明にかかる好適な疎水性又は疎水性化されたポリマー表面は、それぞれ天然材料若しくは人工的に製造された材料か又は種々の材料の混合物から構成されていてよい。
【0031】
疎水性ポリマー表面は、例えば、全種の疎水性又は疎水性化されたバイオポリマー又はプラスチックであると解される。
【0032】
一般式(I)の界面活性剤を、湿潤剤として、木綿、ポリ−THF−ベースのポリマー、例えばLycra(R)又はPEEK、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ゴム、シリコーン、ポリブタジエン、ポリスチレン及びABSからなる群から選択された疎水性ポリマー表面に使用することが好ましい。更に、一般式(I)の界面活性剤を、湿潤剤として植物、例えば葉、針葉又は動物、例えば昆虫のキチン殻の表面に使用することができる。更に、これらの材料の混合物を使用することもできる。ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、木綿及びこれらの混合物が特に好ましい。
【0033】
一般式(I)の界面活性剤を、湿潤剤として、成形部品、繊維、ダスト、顆粒、粉末、シート、布、糸からなる群から選択された疎水性ポリマー表面に使用することが好ましい。この場合、粉末及びダストはそれほど好ましくない。
【0034】
この疎水性ポリマー表面は、繊維、糸及び布からなる群から選択されていることが特に好ましい。
【0035】
本発明にかかる低発泡性又は泡蒸発性の界面活性剤は、多岐にわたる用途に使用することができる。この界面活性剤は、非イオン性界面活性剤として、好ましくは清浄剤及び洗浄剤配合物中、及び界面活性剤含有配合物中で化学工業用途、例えば工業における洗浄工程及び家庭用品、例えば織物清浄剤又は食品分野の洗浄工程、例えば飲料瓶若しくは容器の洗浄、又は食品加工工業における施設の洗浄にか又は食器洗浄剤中に使用することが好ましい。この場合、硬質表面、例えばガラス、セラミック、塗料、プラスチック又は金属の洗浄が特に重要である。更にこの界面活性剤は、工業用洗浄剤及び金属加工工業における洗浄工程に使用される。
【0036】
この界面活性剤は、他の多数の化学工業工程に有利に使用することもでき、一般的には金属加工工業において、例えば冷却滑沢剤、硬化油、ハイドロリックエマルジョン、研磨化合物、離型剤、ドローイングオイル、媒染剤、金属洗浄剤又は金属乾燥剤に使用することができる。
【0037】
これに関しては、界面活性剤を、織物の製造及び加工の際に使用することもできる。この織物の製造及び加工の際の界面活性剤の用途は、顕著に多岐にわたるものであり、これは主として以下の分野:繊維の前処理剤、レーヨン繊維、スピン仕上物及び織物溶融物の製造、着色助剤、艶出剤、疎水化剤、印刷用の助剤、帯電防止剤又はフロック加工剤及び被覆剤に関連している。
【0038】
更に、この界面活性剤は、皮革工業、製紙工業、印刷工業、電気工業及び光学工業に使用することができる。この場合、重要な用途分野は、塗料、顔料及び印刷インクである。これらの用途分野においては、界面活性剤は水系でも非水系でも使用される。非水系においては、この界面活性剤は、とりわけ、分散助剤、沈殿防止剤又は流動助剤として利用される。このために、界面活性剤により、いわゆるハイソリッド系の製造が可能になる。界面活性剤の大部分は水系を伴い、そこでこの界面活性剤は乳化重合又は乳化縮重合により製造されたプラスチック分散液を基礎とするバインダーの安定化の他に、しばしば使用される有機又は無機顔料の分散助剤としても利用される。更にこの界面活性剤は塗料剤の付着特性を改善する。
【0039】
更に、この界面活性剤は、水処理の際、例えば廃水洗浄の際に使用することができる。
【0040】
更に、この界面活性剤は、植物保護配合物中で使用することができる。
【0041】
更にこの化合物は、界面活性剤又は乳化剤として、プラスチック製造工業及びプラスチック加工工業において使用することができる。プラスチック製造及びプラスチック加工の際の主な用途分野は:プラスチック分散液の製造、パール重合体の製造、発泡剤の製造、界面活性離型剤の使用、マイクロカプセルの製造、充填剤とプラスチックとの接着性の改善、特定の効果、例えば発泡性、充填剤許容性又は湿潤性を達するためのプラスチック分散液への添加剤、非水系用の乳化剤、プラスチック着色、プラスチック又は接着剤の静電防止性付与である。
【0042】
本発明はまた、
以下の成分
a)一般式(I)の少なくとも1種の界面活性剤0.5〜50質量%、
b)C8−アルコール1.0〜10質量%、及び
c)一般式(IV)
R−O−(A)n−H (IV)
[式中、Rは、C8−アルキル基であり、
Aは、プロピレンオキシであり、かつ
nは、平均値0.8〜2.0である]の化合物0.5〜30質量%
を含有する湿潤剤に関する。
【0043】
本発明にかかる湿潤剤は、成分a)として、0.5〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは8〜25質量%の一般式(I)の界面活性剤を含有する。この界面活性剤の構成及び好ましい含有物質は、上述のとおりである。
【0044】
本発明にかかる湿潤剤は、成分b)として、1.0〜10質量%、好ましくは1.5〜5.0質量%、特に好ましくは1.5〜4.0質量%のC8−アルコールを含有する。このC8−アルコールに関しては、既に一般式(I)の界面活性剤に関して挙げられたアルコールが該当する。この成分b)は、本発明にかかる湿潤剤中で、コサーファクタント及び湿潤剤としての相乗作用を示す。
【0045】
本発明にかかる湿潤剤は、成分c)として、0.5〜30質量%、好ましくは2.0〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%の一般式(IV)
R−O−(A)n−H (IV)
[式中、Rは、C8−アルキル基であり、
Aは、プロピレンオキシドであり、かつ
nは、平均値0.8〜2である]の化合物を含有する。
【0046】
基Rは、直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC8−アルキル基であり、Rは、少なくとも1箇所で分枝したアルキル基であることが好ましい。Rは、1箇所で分枝したC8−アルキル基であることが特に好ましい。殊に好ましい実施形態においては、本発明にかかる湿潤剤は、成分c)として、Rが2−エチルヘキサノールから誘導されたアルキル基である化合物を含有する。
【0047】
好ましい実施形態においては、本発明にかかる湿潤剤の成分a)又はc)のRは、2−エチルヘキサノールから誘導されたアルキル基である。
【0048】
特に好ましい実施形態においては、成分a)、b)及びc)は、同じC8−アルコールから誘導される。このC8−アルコールは、2−エチルヘキサノールであることが殊に好ましい。
【0049】
一般式(IV)の化合物は、エトキシ化されていない、すなわちもっぱらプロポキシ化された界面活性剤であり、本発明にかかる湿潤剤中で有効な消泡剤として作用する。この消泡作用は、本発明にかかる湿潤剤中においては望ましいものである。
【0050】
一般式(IV)のAは、プロピレンオキシである。本発明によれば、プロピレンオキシは、基−O−CH2−CH(CH3)−又は−O−CH(CH3)−CH2−を意味する。
【0051】
本発明にかかる湿潤剤中においては、成分c)として、一般式(IV)で示され、その式中、nは、平均値0.8〜2.0、好ましくは0.8〜1.8、特に好ましくは1.3〜1.6である化合物を使用する。平均値の説明に関しては、既に挙げた説明が該当する。
【0052】
本発明により使用される一般式(IV)の界面活性剤は、一般式ROHのアルコール又は相応の異性体C8−アルコールの混合物と、プロピレンオキシドとを反応させることによって製造することが好ましい。この場合、このアルコキシ化は、アルコキシ化触媒の存在下で実施することが好ましい。この場合、特に塩基性触媒、例えば水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムを使用する。特定のアルコキシ化触媒、例えばWO95/04024号に記載されているような改変されたベントナイト又はヒドロタルシトによって、導入されたアルキレンオキシドの量の統計分布は極めて狭くなり、その結果「狭い範囲」のアルコキシレートが得られる。
【0053】
適切な反応条件、例えば温度、圧力、反応時間、溶剤、生成物の後処理及び精製等は、当業者に知られている。同様に、本発明により使用可能な界面活性剤の製造に好適な反応も当業者に知られている。
【0054】
本発明にかかる湿潤剤は、成分a)と、b)と、c)とを任意の順序で混合することによって製造してよく、好適な溶剤の存在下で製造することが好ましい。好適な溶剤は、極性溶剤、例えばアルコール、ケトン、水又は塩溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液である。溶剤の混合物を使用してもよい。
【0055】
好ましい実施形態においては、本発明にかかる湿潤剤の成分a)、b)及びc)は水溶液中に存在し、すなわち、本発明にかかる湿潤剤に溶剤として水を使用する。
【0056】
本発明にかかる湿潤剤は、低発泡性である。衝撃発泡法(Schlagschummethode)EN12728(40℃、2g/lの界面活性剤、10゜のドイツ硬度)によれば、本発明にかかる湿潤剤に関しては、<40ml、好ましくは<30ml、特に好ましくは<20ml、殊に好ましくは<15mlの泡が示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
R−O−(A)n−(B)m−H (I)
[式中、Rは、C8−アルキル基であり、
Aは、プロピレンオキシであり、
Bは、エチレンオキシであり、
nは、平均値0.8〜2.0であり、かつ
mは、平均値2.0〜5.0である]の界面活性剤を、湿潤剤として、木綿、ポリ−THF−ベースのポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ゴム、シリコーン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ABS、植物表面及び動物表面からなる群から少なくとも1種の材料から選択された疎水性ポリマー表面に用いる使用。
【請求項2】
一般式(I)の界面活性剤の、一般式(II)
【数1】

[式中、「φ界面活性剤溶液、10秒」は、界面活性剤0.02質量%水溶液の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突10秒後の接触角であり、かつ
「φ蒸留水」は、蒸留水の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突10秒後の接触角である]で示される湿潤性NLPEが、>0.41であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
一般式(I)の界面活性剤の、一般式(III)
【数2】

[式中、「φ蒸留水」及びNLPEは、請求項2に定義されたとおりであり、かつ「φ界面活性剤溶液、50ミリ秒」は、界面活性剤0.02質量%水溶液の液滴の、40℃でのポリエチレン表面上でのその液滴の衝突50ミリ秒後の接触角である]で示される湿潤速度NGPEが、>0.85であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Rが、2−エチルヘキサノールから誘導されたアルキル基であることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載の使用。
【請求項5】
疎水性ポリマー表面が、成形部品、繊維、ダスト、顆粒、粉末、シート、布及び糸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載の使用。
【請求項6】
以下の成分
a)請求項1に記載の一般式(I)の少なくとも1種の界面活性剤0.5〜50質量%、
b)C8−アルコール1.0〜10質量%、及び
c)一般式(IV)
R−O−(A)n−H (IV)
[式中、Rは、C8−アルキル基であり、
Aは、プロピレンオキシであり、かつ
nは、平均値1.3〜1.6である]の化合物0.5〜30質量%
を含有する湿潤剤。
【請求項7】
成分a)及びc)のRが、2−エチルヘキサノールから誘導されたアルキル基であることを特徴とする、請求項6に記載の湿潤剤。
【請求項8】
成分a)、b)及びc)が、同じC8−アルコールから誘導されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の湿潤剤。
【請求項9】
成分が、
a)5.0〜30質量%、
b)1.5〜5.0質量%、及び
c)2.0〜20質量%
で存在することを特徴とする、請求項6から8までの何れか1項に記載の湿潤剤。
【請求項10】
8−アルコールが、2−エチルヘキサノールであることを特徴とする、請求項6から9までの何れか1項に記載の湿潤剤。
【請求項11】
成分a)、b)及びc)が水溶液中に存在することを特徴とする、請求項6から10までの何れか1項に記載の湿潤剤。

【公表番号】特表2007−535400(P2007−535400A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509956(P2007−509956)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004461
【国際公開番号】WO2005/105285
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】