疾患の細胞貯蔵庫を診断しモニターする方法
本発明は患者におけるウイルス感染または疾患を診断しおよび/またはモニターするためのアッセイ方法を提供し、該アッセイ方法は白血球試料を、白血球内のRNAまたはDNA および RNA両者を染色する蛍光細胞膜透過性色素と混合し;単球、顆粒球およびリンパ球よりなる群から選択した白血球の3つの主要な亜集団の少なくとも2つを全白血球から同定し;次いで少なくとも2つの細胞亜集団の蛍光強度をお互いに比較し、少なくとも以下の比率:単球:顆粒球、単球:リンパ球、および顆粒球:リンパ球の1つを得る工程を含む。ウイルス感染はHIVである可能性があり、疾患はAIDSである可能性がある。本発明はさらに、前記した工程によるウイルスまたは細菌感染を伴った患者の細胞のウイルス、寄生性または細菌貯蔵庫をモニターする方法も提供する。該アッセイ方法または方法を行うためのキットも提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
HIV疾患におけるCD4モニタリングおよびHIVウイルス負荷測定は、HIV感染患者の質の高いケアのモニタリングに対する基盤である。HIV疾患においては、ウイルス負荷が経時的な動的変化の最適なマーカーのひとつとなる。ウイルス負荷は疾患の進行についての予測を容易とし、治療への応答を予測し、その治療の効果をモニターするのに重要である。ウイルス負荷アッセイは現在ウイルス負荷のレベル(線形力学範囲)を広範囲に渡って定量し、0.2logの優良な再現性を有する。血漿HIV RNAの定量測定は2通りの方法で表現される: HIV-RNAコピー数/ml血漿(またはIU/ml)を、または対数等価物(log10、ここでは1-logの変化が10倍の変化を意味する)。3倍の変化(0.5log10コピー)はアッセイ内の変動および生物学的変動からなるが、臨床的には10倍 (1-log10) の差異は有意であると見なされる。
【背景技術】
【0002】
HIV血漿ウイルス負荷の検査室尺度は、DNAまたはRNAの標的領域を増幅する核酸増幅技術によって行われる。これは非常に感度が高く、コンタミネイションを防ぐための厳格なプロトコルに忠実である熟練したスタッフが存在する、専用の研究環境が求められる熟練した検査手段である。この手順はまた、費用がかかり、高価なキットおよびテスト用の機材の供給に依存する。現在、臨床管理として受け入れられた、3つのFDAに認可されたHIV RNAアッセイがある 逆転写酵素PCR Roche Amplicor HIV-1モニター(登録商標)テスト、bioMerieux NucliSens(登録商標) HIV-1 QTアッセイ、および Versant(登録商標)HIV-1 RNA 3.0アッセイ (bDNA)。3つ全てのアッセイは高い処理能力で、Amplicor およびNASBAアッセイは標的HIV-RNAを測定可能な量の核酸生成物まで増幅し (標的増幅)、他方bDNAは取り込んだHIV-RNA標的から獲得した信号を増幅する (シグナル増幅)。
【0003】
一回のウイルス負荷テスト(Roche Amplicor)費用はおよそUS$50 からUS$100になる。これは発展途上国においては費用が負担しきれない、または手が届かず (高い処理能力のテストについての実施から実現可能ではない) 、特に患者の追跡調査ではそうである。いくつかの、異なる基盤を用いる代替費用で効果的な手順が研究されている。例として、p24抗原定量ELISAアッセイ (Perkin-Elmer Lifeおよび Analytical Sciences, Turku, Finland) は、主要ウイルスコアタンパク質p24を定量することによって生体でウイルス複製を測定する、高価ではない代替案として次第に人気がでてきている。 血漿から回収した、ExaVir(登録商標)酵素免疫測定法(Cavidi Tech-AB, Uppsala, Sweden)によるELISA形式で測定されたウイルスの逆転写酵素活性の測定もまた代替費用における効果的な分析として開発されてきた。
【0004】
いくつかの他の要因が疾患の進行と関係があることが示されており、調査下の研究における診断測定手段への他の取り組みの基盤を形成している。これらの要因のいくつかの例は以下の通りである:
(i)HIVにおける生存を独立して予測するものとされている可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体の血清中濃度;
(ii)以下に示す可溶性免疫学的因子:
−β2ミクログロブリン血漿中濃度;
−タイプIIの腫瘍壊死因子;
−互いに陽性に関与する可溶性CD27、およびHIV感染におけるCD4+ T細胞の減少に対し適した独立したマーカーであるsCD27;
−HIV感染における可溶性CD40リガンドは治療効果を評価する新しい代理マーカーとしての役目を果たすことが示されている;
−可溶性CD8のレベルもまた、無症状性HIV感染におけるCD38の発現と関与することが示されている;
−刺激下のヒト単球/マクロファージによって生産されたネオプテリンは、細胞免疫活性化および酸化的ストレスの程度を測定するHIV および他の自己免疫疾患のマーカーとして提案されてきた;
−内皮マーカーのレベルもまた、有意に初期のウイルス負荷と相関する;
−ヘモグロビンもまた、HIVの独立した予後インジケーターであることが示されている;
−HIV感染の初期における脂質および急性タンパク質改変もまた、疾患の進行と相関することが判明している。
【0005】
これら全ての代替的なアプローチにも拘わらず、ウイルス負荷はモニタリングにおいて一番重要であり、臨床的に有効な尺度である。それにも拘わらず、未だに開発途上国においてウイルス荷測定へのアクセス性が増加するよう、手頃で、信頼性があり、簡単でかつ堅実であるウイルス負荷モニタリングアッセイまたは代替疾患モニタリングアッセイ、またはテストに対する必要性が存在する。
【0006】
本発明の第1の具体例によると、ウイルス感染または疾患を診断および/またはモニターするアッセイ方法が提供され、そのアッセイ方法は:
・白血球の試料を、白血球内のRNAまたはDNA および RNA両者を染色する蛍光細胞膜透過性色素と混合し;
・単球、顆粒球およびリンパ球よりなる群から選択された白血球の3つの主要な亜集団の少なくとも2つを全白血球から同定し;
・同定された亜集団各々の蛍光強度を決定し; 次いで
・少なくとも2つの細胞の亜集団の蛍光光度をお互いに比較する;
工程を含む。
【0007】
白血球の試料は患者の臍帯血試料を含む血液試料から得ることができ、この場合、アッセイ方法はまた、白血球試料を得るために赤血球を溶解する工程も含み得る。別法として、培養細胞は白血球試料を形成し得る。
【0008】
典型的には、単球、顆粒球およびリンパ球の亜集団は全てアッセイ方法において同定される。
【0009】
各亜集団の蛍光強度は蛍光強度の平均値または中央値から、または各亜集団のマーカーまたは領域境界から決定し得る。
【0010】
1つの亜集団の蛍光強度を他の亜集団の蛍光強度と比較することによって計算できる典型的な比率は以下のものである: 単球:顆粒球、単球:リンパ球および顆粒球:リンパ球。
【0011】
顆粒球集団またはリンパ球集団の蛍光強度の平均値に対する単球集団の蛍光強度の平均値の比率は患者における細胞のウイルス貯蔵庫のインジケーターとなり得る。
【0012】
ウイルス感染はHIVであってもよい。同様に、疾患はAIDSであってもよい。例えば、HIV/AIDS感染をモニターする時、単球:顆粒球の比率は1より大きく、かつウイルス貯蔵庫の増加に従って増加すると予測される。しかしながら、これら2つの亜集団の比率またはこの2つと白血球亜集団との異なった組合せの比率は、結核のような異なる疾患をモニターする場合は変化し得る。
【0013】
アッセイ方法はまた、患者の他の疾患、例えば、他のウイルス、寄生性または細菌感染との重感染をモニターするのにも使用され得る。例えば、もし顆粒球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率がリンパ球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率より小さければ、これはMycobacterium tuberculosisのような重感染のインジケーターとなり得る。この関係はリンパ球集団に対する顆粒球集団の蛍光強度の平均値が<1 (リンパ球の活性/疾患を示す)または>1 (顆粒球の活性/疾患を示す)によっても同様に見受けられる。
【0014】
色素は好ましくはRNAまたはDNAまたはRNAの両者を染色する化合物である。色素はチアゾールオレンジ、SYTO色素、LDS-751およびアクリジン・オレンジよりなる群から選択し得る。
【0015】
フローサイトメーター、血液アナライザーまたは蛍光光度計のような蛍光発光を測定する他の適した装置を使用することで実行できる。
【0016】
アッセイ方法はまた、CD4カウントを取得する工程も含み得る。特に、色素に対する異なる蛍光チャネルで蛍光する抗体は、CD4カウントを取得できるように試料に添加し得る。他の抗体マーカーも利用することができ、例としてCD38のような細胞活性化マーカーまたはCD14 およびCD16またはp24のような特定の亜集団マーカーがある。
【0017】
本発明の第2の具体例によると、HIVまたは他の細菌感染を持つ患者の細胞のウイルス貯蔵庫(負荷)の診断、および/またはモニタする方法が提出され、その方法は蛍光色素で染色されている患者の単球の蛍光強度の平均値を、蛍光色素で同じく染色されている患者の顆粒球および/またはリンパ球の蛍光強度の平均値と比較する工程を含む。
【0018】
この比較は患者のウイルス負荷のマーカーとして使用でき、ゆえに疾患の感染または進行および関連した感染のマーカーとして使用できならびに、患者の治療に対する応答を示すのに利用できる。
【0019】
本発明の第3の具体例によると、前記のアッセイ方法を行うためのキットが提供され、そのキットはRNAまたはDNA および RNA両者を染色する細胞膜透過性色素を含み、色素は典型的には、単一蛍光のものであるが、必ずしもその必要はない。
【0020】
キットはさらに、アッセイ方法またはアッセイ方法の少なくとも一部を行うための1組のコンピューター解読可能な指示書を含み得、特に、以下のための指示書である:
単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの少なくとも2つを同定する;
同定した亜集団各々の蛍光強度を計算する;および/または
少なくとも1つの比率を得るために、1つの亜集団と他のものの蛍光強度を比較する。
【0021】
コンピューター解読可能な指示書はさらに前記で得られた1もしくは複数の比率を解釈し得る。例えば、コンピューター解読可能な指示書はユーザーに患者が低、中または高ウイルス貯蔵庫を持つ、または重感染をしているか否かを示し得る。
【0022】
各亜集団の蛍光強度は蛍光強度の平均値または中央値であってよく、または、その亜集団の領域またはマーカーの限界となり得る。
【0023】
キットはさらに、試料のCD4カウント(または他の細胞マーカー)を決定するための抗体を含み得る。
【0024】
キットはさらに、赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬よりなる群から選択された1以上の試薬を含み得る。
【0025】
キットはさらに、赤血球溶解剤、色素、抗体剤および/またはアッセイ方法で使用する他の試薬を分注する手段を含み得る。
【0026】
キットはさらに、CD38、CD14/CD16またはp24のような表現型検査のための、細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの他の組を含み得る。
【0027】
本発明のさらなる具体例によると、本発明の方法に従ってウイルス感染または疾患を診断し、またはモニターするための命令を含む機械可読媒体が提供され、それは機械によって実行すると、機械が前記のアッセイ方法の全てまたは、少なくともいくつかの工程を実行させる。
【0028】
機械可読媒体はフローサイトメーター、および/または血液アナライザーと併用するように構成され得る。
【0029】
機械可読媒体はインピーダンス、光散乱および蛍光よりなる群から選択された分析方法を行うための命令を含み得る。
【0030】
(図面の簡単な記載)
図1(b)はHIV-検体からの白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒス トグラムであり、(a)はドットプロットで、最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSC (側方散乱を伴うリンパ球)を示す。
【0031】
図2は、各々、3つのHIV+ 試料からの、白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラム(d)、(e) および (f)、ならびに対応するドットプロット(a)、(b) および (c)を示し、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球、B' および D')を通して基準線から右側に移行することで増加する FL1蛍光を伴う、単球 (領域 C')を示す。
【0032】
図3は本発明によって決定したHIV貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) (名称はこのテストでつけた)対、Roche Amplicor 方法によって決定した、患者のARV (抗レトロウイルス薬)からの 血漿ウイルス負荷の対数の例を示す。
【0033】
図4はCD4カウントおよび(b)の本発明の手法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi) 、および(a)のAmplicor方法によって決定した血漿ウイルス負荷の対数間の相関関係を説明する2つのグラフを示す。
【0034】
図5は本発明の方法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi)および細胞内p24 (両者は相対蛍光および単球における細胞陽性のパーセンテージを示す)の相関関係を示す。
【0035】
図6はHIV およびおそらく結核症 (TB)に感染している患者からの白血球試料のドットプロットを示す。顆粒球(領域B) は色素(この場合、チアゾールオレンジ)の蛍光をリンパ球 (領域D)に関連して増加させている。
【0036】
図7はCD4カウントが発生した本発明によるアッセイ方法のドットプロットを示す。
【0037】
図8は計算されたHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVRMI) に加え、CD14/CD16 免疫表現型検査も決定された例のドットプロットを示す。
【0038】
図9は無作為に選択した14のHIV陽性検体について採取されたHIVRMI 指標の最大値に対してプロットした全ての単球のCD14低値/CD16高値細胞のパーセンテージのグラフを示す。
【0039】
図10は、本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi)対Roche Amplicor 方法によって決定した、HIV+ナイーブ患者からのlog 血漿ウイルス負荷の対数の例の図3に類似したグラフを示す。ここではHIVrmiの最大値はRoche血漿ウイルス負荷に対してプロットされる。
【0040】
図11はARV後12週間までの縦に続く3人のHIV+患者のHIVRMIのグラフの1組を示す。左側のプロットのグラフはCD4カウント、血漿ウイルス負荷(RNA、Amplicor分析によって決定した)およびHIVRMIである。右側のプロットはCD4カウントを除く。これらのプロットは、治療中の患者をモニターするのにいかにHIVRMIが有用かを示し、そこでは、HIVRMIはウイルス負荷および/または免疫再構成(CD4カウントによって測定する)に伴う増加または減少を示す。
【0041】
図12は30日齢ないし50日齢の小児患者の集団からのHIVRMIの結果のグラフを示す。HIVRMIのカットオフ値2.0は、ラインより上にいる患者はPCRAmplicorアッセイによってHIV+ であることが確認されることを示し、ラインより下にいる患者はHIV-であることを示す。ドットは10時間齢未満のアッセイで測定された血液試料(■)および、24時間齢未満のアッセイで測定されたもの(◆)を示す。
【0042】
図13はある範囲の年齢の小児患者の2番目の集団からの、HIVRMIの結果のグラフを示す。■はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV- 患者、および ◆はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV+患者である。2つのグラフは2つの年齢のカテゴリーに分割できる: (a)は49日齢未満および (b)は50日齢以上から200日齢未満である。これらのプロットは、幼児における HIV診断における定性分析として、幼児の年齢がHIVRMIに対して有する効果を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0043】
本発明はHIV/AIDSのような、ウイルス感染または疾患を診断しおよび/またはモニターするためのアッセイ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0044】
長い間、CD4 T細胞の死はこれらの細胞において、ウイルスの複製サイクルの厄介な結果になると報告されてきた。文献に現れていることは、CD4 T細胞は局外者であり、CD4+マクロファージがHIV/AIDS発症を起こすのにより重要であり、かつより直接的な役割を持っているという仮説である。
【0045】
マクロファージはHIV および SHIV (サル免疫不全ウイルス/HIV-1キメラ) の主要貯蔵庫であり、CD4 T細胞の枯渇後高ウイルス負荷を維持することが示されている。マクロファージは急性感染中に感染し、感染数は時間とともに徐々に増加しおよび疾患の徴候段階では全身ウイルス負荷への主要な貢献者となる。単球における長期間のHIV の感染はまた、高活性抗レトロウイルス療法を受けている患者にも見受けられる(文献1参照)。
【0046】
ウイルス負荷の評価は血漿RNAに限定されてはならず、末梢血単核細胞におけるHIV DNAおよび RNAのコピー数の変化は同じ焦点となるべきであると認識されている。特に、末梢血液細胞におけるHIV-1 mRNA発現はCD4カウントとは無関係に疾患の進行を予測することが示されている(文献2参照)。
【0047】
出願人はゆえに、白血球における細胞核酸を定量することによってウイルス負荷を測定することは可能であるかどうかを研究することに着手した。手頃な価格および信頼できるウイルスモニタリングアッセイにおける差し迫った必要性があるので、HIV/AIDSはウイルス感染および疾患のふさわしい例としてテストするために選択された。
【0048】
HIV陽性患者の単球は増加した量の核酸を含み、この増加は血漿ウイルス負荷と関係があることが今日では判明している。さらに、出願人は蛍光色素を用いて細胞(全細胞) 核酸(RNAまたは DNA および RNA両者) を定量し、単球における核酸量を顆粒球(好中球) およびリンパ球における核酸量と比較することによって、細胞ウイルス貯蔵庫負荷をモニターすることが可能であることを見い出した。より詳細には、出願人は、単球、リンパ球および顆粒球の蛍光強度の平均値(MFI)の指標(比率)は、HIV/AIDS疾患の進行および関連する感染のマーカーとして利用できることを示した。
【0049】
単球における増加した核酸濃度はおそらくウイルス貯蔵庫 (または感染に対する細胞反応)の尺度となるので、本発明に従って計算された蛍光比の平均値または指標 (MFI)はHIV貯蔵庫モニタリング指標(HIVrmi)と命令した。
【0050】
Mycobacterium tuberculosisは結核感染の病原因子である。この細菌は食細胞中で生存および増殖することができる通性嫌気性菌である。一次感染中、Mycobacterium tuberculosiは肺胞マクロファージに進入し、そこで生存し、組織マクロファージの混成群によって肺から広がる。好中球は結核感染において免疫システムから結核菌を隠すことでトロイの木馬'としての役割を担っていることも示されている。加えて、好中球の機能はHIV/TB感染において損なわれていることが示されており、二次感染に対する感受性の増加という結果をもたらしている。HIVrmiアッセイにおける好中球の蛍光が増加した結核集団からのある患者の群の同定は、HIVrmiを用いた細胞貯蔵庫の同定という付加的な適用を提供する。HIVRMI増大好中球蛍光は細胞内のM. tuberculosis(または感染に対する細胞反応)の指標となる、という仮説は研究中である。
【0051】
他の感染はまた、ビルハルツ住血吸虫または寄生虫のような、寄生生物による感染症であり得る。
【0052】
フローサイトメトリーは抗原発現および細胞計数を測定するためによく用いられている基盤である。この基盤を用いたいくつかの研究はHIV疾患の進行に対する相互関係を発見している。フローサイトメトリーという基盤はHIVを含むウイルスを直接検出および定量するために用いられており、よって本発明のアッセイ方法を行なうために特に適した基盤と判断された。しかしながら、当業者にとっては、このアッセイ方法は過度の実験を必要とすることなく血液アナライザーで、または、蛍光測定によって行うことができるのも明らかであろう。
【0053】
核酸結合色素は、細胞の生存および倍数性解析を測定するアッセイにおいて有核細胞事象から無核細胞事象を識別するために、フローサイトメトリーでよく記載されている。無傷細胞での核酸特異的色素の直接的な尺度は、しかしながら、ほとんどがアポトーシスおよび壊死の研究に適用されており、ウイルス負荷測定におけるウイルスDNAまたは RNAの直接的測定においては相対的に未研究である。
【0054】
この分析で用いるのに適した色素は以下の特性を備えていなければいけない:
- 全細胞の染色
- 細胞浸透性色素 (生体染色)
- DNA および RNAまたはRNAのみに結合する色素
- 色素の励起/発光スペクトルはフローサイトメトリー、血液アナライザーおよび (任意の)蛍光定量法での検出と互換性がなければいけない。
【0055】
フローサイトメトリーにおいて用いると記述されていて、およびこれらの特性を持つ市販の生体プローブ(透過体)のいくつかは、チアゾールオレンジ、SYTO群染色 (Molecular Probesより)、LDS-751、アクリジン・オレンジ、およびHoechst 33342とpyronin Yとの組合せ (SYTO染色のいくつか、SYTO RNA Selectのように, これらもまた細胞膜透過性だがRNAだけを染色し、同じ蛍光の増加を示すことができる)である。
【0056】
アクリジン・オレンジは細胞の固定なしに生体染色として用いることができるが、 DNA および RNAを同時に可視化するために2つの異なる励振源を必要とする。アクリジン・オレンジの吸収は440nmから480nm (青)の範囲で、発光は 520 nm (DNAは緑色) および650nm (RNAはオレンジ色)の範囲である。Hoechst 33342 および pyronin Yの組合せは無傷細胞におけるDNA および RNAの場合において用いるが、2種類の光源を必要とする。
【0057】
前記の例は、現在顕微鏡法、DNA/RNA増幅、およびフローサイトメトリーにおいて用いる場合にまだ引用していない分子検出手法において用いられている、DNA/RNA結合色素は含んでいない。最も一般的なフローサイトメトリー構成は488 nmレーザーの光源を用いるが、異なる色素に適合する異なる波長の他の、光源も存在する。
【0058】
チアゾールオレンジは化学結合をした2つの芳香環から成る非対称のシアニンであって、長期にわたる貯蔵用の適切な希釈を作成するために、溶液中の蛍光は無視できる、リン酸緩衝液または蒸留水に十分可溶性である。チアゾールオレンジと核酸の相互作用は、核酸 (単または二重鎖) の状態に依存する複雑なインターカレーションを介しており (隣接した塩基対間への平面状化合物の挿入)、A-T豊富な配列に対して高親和性を有する。いったん核酸と結合すると、チアゾールオレンジの芳香環は回転が制限されおよび減少するようになり、これは強い蛍光の原因であると考えられている(文献3参照)。チアゾールオレンジはフローサイトメトリーにおいて、マラリア原虫(Plasmodium)が寄生した赤血球を同定し、網状赤血球におけるRNAを染色しおよび全血中での網血小板のパーセンテージを測定するために用いられる。核酸の検出に用いられるチアゾールオレンジ量は通常10-6ないし 10-7 Mのオーダーの遊離した色素であってフローサイトメトリーにおける適量として10-5 Mである。
【0059】
チアゾールオレンジは本発明において用いるのに適切な色素であり、なぜなら膜浸透性であり、標準的なlyse no wash'プロトコルに適しておりおよびFITC (フルオレセインイソチオシアネート)に類似した発光および励起スペクトルを持つからである。これはまた標準青色レーザー光(488nm) のフローサイトメーターにも利用可能である。チアゾールオレンジの商業原価はおよそ1グラムあたりZAR 778.00(~$80)である。このアッセイにおいて必要な濃度までのチアゾールオレンジの希釈はたった1セント(ZAR 0.01)という費用しかかからない、およそ600回テストという結果となるであろう。このような最小限の費用はこの色素を、発展途上国において手に届く価格のHIV/AIDS分析の候補とする。
【0060】
分析は特に下記のように行われる:
【0061】
EDTA中の全末梢血の試料を調製し、赤血球を溶解する。次いで、細胞透過性色素が残りの白血球懸濁液に添加され、色素は細胞内のDNA およびRNAと結合する。結合した色素は蛍光し、懸濁液中の細胞がフローサイトメトリー (チャネルFL1においてチアゾールオレンジを検出する488 nmレーザー装置)によって、蛍光および側角光散乱について分析されるのを可能にする。
【0062】
3種類の白血球の母集団 (顆粒球、単球、リンパ球) は二次元スキャタグラム (SSC対FL1)を用いて同定されるが、単球母集団と、顆粒球およびリンパ球母集団の一方とのみを同定するのも可能である。
【0063】
各ゲーテッド細胞タイプにおける蛍光 (FL1)強度(MFI)の平均値が記録され、顆粒球のMF1に対する単球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値比率、リンパ球のMF1に対する単球のMF1比率、およびリンパ球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値に対する顆粒球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値比率を計算する。
【0064】
異なるチャネルで蛍光する抗体を細胞核酸に用いる色素に添加することによって、CD4 カウントは同チューブおいて同時に決定可能となる。
【0065】
このアッセイは新鮮な(<24時間以内)血液で最良になされる。なぜなら、チアゾールオレンジの蛍光強度 (MFI)の平均値では、全てのリンパ球において、古い血液が一般的に増えていているからである。
【0066】
単球における蛍光強度(MFI)の平均値の増加の正確な原因における予備調査は、チアゾールオレンジは細胞質におけるRNAを測定することを示している。おそらくまた、色素は低いモル濃度で使用されるので、細胞に入りRNAなどの細胞質核酸を染色するだけで十分である。核における細胞複製によるDNAの増加はこれらの低色素濃度において測定することができず、従ってMFI測定についても干渉しない。この増加したRNAはウイルスおよび/またはアップレギュレートされたmRNA (感染に対する細胞応答)であるという仮説はさらに立証されつつあるが、HIVにおける単球の役割が、よりこの仮説を強めている。
【0067】
HIV-1複製は、血漿ウイルス血症を抑制しながらARVを受け入れている患者において継続することが示されている。複製部位は単球を含む細胞貯蔵庫において見い出される。特に、表現型CD14低値/CD16高値の単球の特異的なサブグループは、HIV感染に対してより感受性であり、および組織を通してウイルスを輸送するマクロファージに分化する単球に貢献しているということが示されている。予備調査はこれらのCD14低値/CD16高値単球のパーセンテージがHIVRMI (指標の最大値:TB重感染の可能性がある状態での顆粒球に対する単球またはリンパ球における単球)の増加と関係していること、さらに細胞HIV貯蔵庫の尺度としてHIVRMIが有効であることを示している。図9におけるグラフは14のHIV陽性検体に対してこの関係(r=0.59)を示している。良好な正相関が2つの変数間に存在するが、データの35%だけがこの図に示されている方程式の線で示されている。
【0068】
HIVRMI アッセイは最初、ARVにおけるHIVの成人患者におけるモニタリングツールとして研究された。単一HIVRMI の結果は患者の治療状態の知識なくして、血漿ウイルス負荷値への直接的変換(予測)において有用ではないであろう。HIVRMIは疾患の進行および治療への応答におけるウイルス生成 /細胞活性の初期インジゲーターとしての、長期的なモニタリングにおいては有用であるように思われる。図11は、どのようにして、患者のHIVRMI が、CD4カウントが増加しウイルス負荷および HIVRMIが減少する中で、治療に対する正確な応答を示すかについて説明をしている。これは研究したARV 集団の22%で存在した。第2の患者はCD4カウントおよびHIVRMIにおいては応答を示すが、血漿ウイルス負荷においては変化がない。これは研究した集団の50%で存在した。第3の患者はCD4カウントまたは血漿ウイルス量においては応答がないが、HIVRMIにおける治療に対して応答を示す。これは集団の27.7%で存在した。HIVRMIによって検出された変化が血漿ウイルス負荷において反映されていないことは、CD4カウントにおいて応答がないことを説明し得る。
【0069】
HIVRMIは、しかしながら、またHIVの診断で用いる定性アッセイとして二次的に研究された。これはHIVRMI の値が、成人のモニタリング値特有の値より上回ることが分かった小児患者の集団(30 -50日齢の幼児)において測定される時に、明らかとなった。HIVRMI=2.0 (図12)の値のカットオフを採用することで、HIVRMI はHIV-試料からHIV+を同定でき、PCR HIV DNA Amplicor結果に一致することが示された。200日齢 (図13) までの範囲での幼児の異なる集団における追加分析では、幼児の免疫システムが成熟しおよび活発になるに従って、HIVRMI は定性的なHIV カットオフ値としてはより信頼性はなくなり、モニタリングツールとしてより有用となることが示された。
【0070】
小児患者の集団において見つかったように初期のHIV感染はHIVRMI によって検出できるという事実はまた、HIVRMIアッセイは、血清反応陰性であって感染後2週間未満のウィンドウ期間である成人におけるPHI (一次または急性HIV感染)を検出するのにも有用であるということを意味する。これについては研究中である。
【0071】
前記アッセイを行うためのキットは、本発明においてそれをより簡単になし得ると考えられる。
キットは以下の1以上を含む:
DNA および RNAの両者を染色し、特に単一蛍光である細胞膜透過性色素;
試料の CD4 カウント(または他の細胞マーカー)を決定するための抗体;
CD14/CD16またはp24のような表現型検査のための細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの他のセット;
赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬のような、1以上の試薬;
赤血球溶解剤、色素、抗体剤および/またはアッセイで使用する他の試薬を分注するための手段;
アッセイまたはアッセイの少なくとも一部を行い、特に、少なくとも単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの2つを同定し;同定した亜集団各々の蛍光強度を計算し;および/または
少なくとも1つの比率を得るために、1つの亜集団と他のものの蛍光強度を比較するための1組のコンピューター解読可能な指示書。コンピューター解読可能な指示書はさらに前記で得られた1もしくは複数の比率を解釈し得る。例えば、コンピューター解読可能な指示書はユーザーに患者が低、中または高ウイルス貯蔵庫を持つ、または重感染をしているということを示し得る。
【0072】
機械によって実行すると、機械が前記の発明の全てまたは、少なくともいくつかの工程を行うための命令を含む機械可読媒体が提供されることがさらに考えられる。機械可読媒体はフローサイトメーター、および/または血液アナライザーと併用するように構成でき、インピーダンス、光散乱および蛍光のような分析方法を行うための指示書を含み得る。
【0073】
本願発明はさらに、以下に示す実施例によって説明する。これらの実施例は、しかしながら、決して本発明の精神または範囲を制限すると解釈されるものではない。
【実施例】
【0074】
青色プラスチックチューブ (Beckman Coulter, cat# 2523749)は個々の研究室の番号でラベルされ、50μl ABヒト試薬血清(輸血サービス) を各々のチューブに遮断薬として挿入した。
【0075】
新鮮なEDTA を、各々の患者からの全血の試料と血液揺動機上で室温にて3ないし5分間混合した。各々のEDTA および全血試料の50μlをAB血清の入ったチューブに添加し、チューブの側面に付着している血液がないことを確認するために、余分な血液をピペットチップで吸い取るよう気をつけた。血液および血清を30秒間混合し、およびチューブを15分間室温でインキュベートした。赤血球をそれから自動Q-Prep システム(Beckman Coulter)によって分注されたImmunoprepTM 試薬 (Beckman Coulter) を用いて溶解した。
【0076】
10μM チアゾールオレンジ (Sigma/Aldrich, cat # 39,006-2)メタノール溶液を調製した。1μMをSorenson's Phosphate Buffer (pH adjusted to 7.2) または蒸留水に希釈した。この1μMの希釈したチアゾールオレンジ溶液の40μl量を、赤血球溶解後の各々のチューブに添加し、チューブを室温でさらに20分間暗所でインキュベートした。
【0077】
次いで、試料をXL MCL (Beckman Coulter)フローサイトメトリーで分析し、最小25 000の白血球事象を計測した。全白血球は不均一なゲーティング(SSC対FL1 チアゾールオレンジ)を用いてFL1チャネルにおいて同定した。
【0078】
3つの領域を顆粒球、単球およびリンパ球の周囲に設定し、および各々の領域についてFL1チャネルで蛍光強度の平均値 (MFI)を測定した。顆粒球MFIに対する単球 MFI、リンパ球MFIに対する単球MFIおよびリンパ球に対する顆粒球の比率を、例えば、以下の式を用いて計算した。:
比率(または指標値) = 単球MFI =貯蔵庫モニタリング指標 (RMI)
顆粒球MFIまたはリンパ球MFI
【0079】
HIV陰性試料からの白血球は、図1(b)における単一FL1ヒストグラムにおいて見られたように、類似した蛍光強度の平均値(MFI)を共に持つことが分かった。この分析の再現性は1.54%のCV(変動係数)を持つことが分かった。図 1(a)のドットプロットは、リンパ球における最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSCを示す。
【0080】
しかしながら、HIV陽性患者 (図2)における1.13%CVの再現性の蛍光強度の平均値比率は、HIV陰性患者 (図1)における蛍光強度の平均値比率と異なる。HIV陽性試料の単離した無傷細胞において用いるチアゾールオレンジはHIV感染中において、ある細胞集団では異なる蛍光強度を出すことが明らかになった。HIV陽性患者からの単球はMFIが増加し、図 2 のより広がったヒストグラム (d)、(e) および (f)によって説明されている。ドットプロットは、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球)(図2(a), (b) および(c))を通して基準線から右側に移行することで、FL1蛍光が増加した単球 (領域 C')を示す。
【0081】
前記のように評価した試料は、標準Roche Amplicor Monitor version 1.5アッセイを用いて、血漿ウイルス負荷の対数を決定するために分析をした。正相関が HIVRMI および 血漿ウイルス負荷(VL)間において存在することが示された (表1および図3)。
【0082】
表1の説明:
ウイルス貯蔵庫の指標となる値(列4 および 5)
最大値(単球/顆粒球または単球/リンパ球)を持つHIVRMI は血漿ウイルス負荷と関係する指標となり細胞内ウイルス貯蔵庫量または感染に対するmRNA細胞応答の指標となる。
【0083】
付加的疾患の指標となる値 (TB等) (列6).
顆粒球/リンパ球 =1は他のバックグラウンドの細胞活性が無いことを示す;
顆粒球/リンパ球 <1はリンパ球活性 のある疾患を示す(おそらく早期または後期段階のリンパ球感染/活性化);
顆粒球/リンパ球 >1は顆粒球活性 (おそらくTB)のある疾患を示す。
【0084】
ARVナイーブ患者におけるHIVRMI および 血漿 PCR ウイルス負荷の関係は最初r=0.677 p<0.0001 (R2=0.357, n=80) (表3)であると示された。
【0085】
試料の生存率を決定し、60%以上の生存率を持つ試料 (n= 80)のみをこの研究に含めた。HIVRMIの最大値はウイルス負荷の対数 (Roche Amplicor) (表2)と比較した。
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
データの35%だけが図10における方程式の線で表されているのにも拘わらず、HIVRMI はウイルス負荷と有意に相関することが示された。制限値はRocheウイルス負荷アッセイの上限値として示された。
【0089】
しかしながら抗レトロウイルス薬(ARV)の時代においては、この相関は図3において見られるように、r=0.244 (R2=0.106, n=20)まで減少した。
【0090】
抗レトロウイルス薬治療(ARV)を受けている患者は感染の異なる段階を経ることになり、および血漿および細胞内ウイルス負荷間において差異が見られ、これがなぜ単一HIVRMIの結果は患者の治療状態の知識なくして、血漿ウイルス負荷の値に対する直接的変換において有用とはならないかの理由である:
段階1:血漿ウイルス負荷の減少:血漿からの遊離したウイルス粒子の除去(t1/2<6時間)および短命感染CD4 T-リンパ球の崩壊(t1/2 1-2日数)。
段階2:感染マクロファージおよびリンパ系組織の単核球からのウイルス貯蔵庫の除去(t1/2 1-4週間)。
段階3:ウイルス複製の持続的検出に伴う潜在貯蔵庫における、ゆるやかなウイルス崩壊。
【0091】
何人かの患者からの試料はまた顆粒球の蛍光強度の増加を示し、単球/顆粒球指標の値が単球/リンパ球指標より少ないという結果になった (表1の列5における強調表示)。これらの患者は結核との重感染が見られ、この関係は従って重感染の同定およびモニタリングのための付加的ツール(TBRMI)として研究されている。この付加的な指標は全般的な患者のモニタリングを援助することができる。
【0092】
図 4 はナイーブ患者におけるCD4カウントに対するHIVRMI および 血漿ウイルス負荷の相関を示す。HIVRMI および CD4カウント間の負の相関は他の研究で立証された血漿PCRウイルス量 および CD4カウント間の消極的な傾向と類似している。
【0093】
図 5はHIVrmi の細胞内 p24 (ウイルスコートタンパク質)との強い相関を示し、これはまたフローサイトメトリーによっても決定される。
【0094】
図6 はHIVrmi およびCD14低値/CD16高値を発現する単球のパーセンテージ間の強い相関を示す。
【0095】
図7は核酸結合チアゾールオレンジ色素をHIVRMIとして同チューブ内でCD4カウントを生成するためにCD4 PE (フェコエリスリン)と共に用いた例を示す。1番目のプロット (a) は光散乱パラメーターを測定する (細胞のサイズ/前方散乱-対-細胞粒度/複雑度/側方散乱)、このプロットはまた単一基盤絶対計数のためのフローカウント(Flow Count)ビーズ(Beckman Coulter)を含む。2番目のプロット(b)は側方散乱-対-FL1 チアゾールオレンジ蛍光を測定し、白血球は領域Aにおいて同定される。3番目のプロット(c)は、領域Aからの全ての白血球の機能として領域Bにおいて同定されたリンパ球のCD4と共に側方散乱-対-CD4PE 蛍光を測定する。
【0096】
図8は算出したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVRMI)に加え、CD14/CD16免疫表現型検査もまた決定した例のドットプロットを示す。HIVRMI は散乱プロット#2から算出され、パーセンテージCD14低値/CD16高値集団はCD14PE および CD16PC5を用いて散乱プロット#5から算出される。
【0097】
ナイーブおよび ARV患者におけるこれらの差異は、ARVによってより容易に除去される循環血漿ウイルスではなく、長期間の細胞貯蔵庫の追跡調査におけるHIVRMIの強みを強調する。これは治療後12週間までの3人の患者の縦に続くデータと共に、 図11に示される。最初の5つの通院の群全体(n=18患者)のウイルス負荷の平均値は3.19 (1.69-5.88) c/mlで、HIVRMI は1.52 (1.04-5.27) およびCD4カウントは 217 (13-573) cells/μlであった。ベースライン時に、4.9 (3.9-5.8) c/mlの血漿ウイルス負荷の平均値は8週目に1.9 (1.69-2.6) c/mlまで減少し、12週目にまだ1.9 (1.69-5.1) c/mlを保った。CD4カウントの平均値は173 (13-270) cells/μl (ベースライン)から4週目に243 (48-573) 細胞数/μlまで増加したが、12週目までは245 (72-399) cells/μlと変化がなかった。HIVRMI の平均値は血漿ウイルス負荷としてベースライン時の1.49(1.2-1.89) から4週目に1.41(1.19-1.7)まで減少したが、8週目には1.45 (1.04-2)、および12週目には 1.76 (1.24-5.27) まで増加した。分析したランダム試料については、血漿ウイルス負荷およびHIVRMI 間には、それらの治療の状態に、n=90 (r=0.107, p=0.314)に拘わらず直接的相関は見られなかった。これは血漿ウイルス負荷において一切変化が検出されないHIVRMI の増加による。通院においてCD4カウントが増加し、ウイルス負荷が減少しHIVRMI が減少したのは、治療に対する応答として期待していたように、患者の22.3%であった。患者の27.7%においては、CD4カウントまたはウイルス負荷において何等かの変化が生じる前に、HIVRMIが増加を示した。患者の50%においては、CD4カウントにおける減少が検出された所でHIVRMIが増加し、ウイルス負荷においては変化がなかった。
【0098】
HIVRMI はまた成人と同様小児患者の疾患モニタリングにも適用することができる。小児患者におけるHIVRMI値は、しかしながら、成人において見られるよりも高い値に達することが見受けられている。表 4は小児患者および成人の集団からのHIVRMI値をリストしている。
【0099】
【表4】
【0100】
この小児患者がより高いHIVRMI値を持つという概念は、HIVRMI アッセイがHIV診断のための定性アッセイとしても用いることができるか否かを決定するために研究された。DNA PCRはルーチン的に6週齢のHIV幼児の診断のために用いられる。HIVRMIの2.0のカットオフ がDNA PCRでもテストされている小児患者集団に適用された時、図12において見られるように、DNA PCR結果との一致が示された。全てのこれらのHIVRMI >2 である検体はDNA PCR が陽性でありおよび全てのこれらのHIVRMI <2 である試料はDNA PCR が陰性であった。これはさらにより大きな集団(n=132)において調べ、幼児は200日齢までの範囲であった(図13)。HIVRMI は表 5にリストしたようにより若い集団において、感度 (陽性であるという可能性) および 特異性(陰性であるという可能性) の増加を示した。
【0101】
【表5】
【0102】
いくつかの研究は、幼児の免疫システムの成熟において起こる変化による、免疫活性化マーカーを用いた感染および非感染幼児間のリンパ球サブセット間の差異の決定の困難さを示している。これと同じ効果がHIVRMIにも適用でき、臍帯血を含む、低年齢の幼児が研究されている。
【0103】
発明者は本発明によるアッセイが、少なくとも以下の理由から有利であると信じている:
- 細胞ウイルス貯蔵庫の測定であって血漿懸濁ウイルス負荷の測定ではなく、従ってウイルス量の増加を血漿で検出可能なよりも速く示すことができる。
- TBのような他の細胞感染を含んだ全体的な疾患のモニターである。
- 分析はサブタイプ特異的ではなく、しばしばPCR手法と関係がある。
- 調製方法は素早くできて手間をかけたものではなく、生物学的有害物質検体の操作はほとんど伴わず、特にlyse no wash'プロトコル (洗浄なし、抽出なし)がある。
- 結果は1時間以内に報告でき、これはどの他の既知のウイルス測定のアッセイよりも短い。
- 現存のフローサイトメトリーの機器を標準フローサイトメトリープロトコルにて用いることができる。
- 少量の血液しか必要とせず (50μl/テスト)、アッセイは従って小児患者検体に適用することができる。
- (ここに引用してその全体を援用するPCT特許出願 PCT/IB02/02725により詳細に記載された)チアゾールオレンジ援助PLG (PanLeucogate)を用いたCD4カウントを同チューブ内で生じさせることができた。この単一のチューブアッセイはまた標準 CD4カウント (~$5.4)よりも費用がかからず(~$4.4)、なぜならCD45 mAB 試薬がもっと安価な在庫' 色素(December 2002)に置き換わるからである。
- アッセイはまた、患者分析に近づく可能性のある、他のより小さな基盤へ移動することができる。
- 分析はまた、疾患の一般的なインジゲーターとして血液アナライザーでも使用でき、一般的血液パラメーターについてテストをした全てのルーチン的血液検体で行われる。
- さらなる研究におけるHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) の適用はおそらく、この疾患および治療モニタリングにおけるマクロファージの関与において価値があることが判明するであろう。
- アッセイはまた、40日齢未満の小児患者および感染2週間以内の血清陰性の成人におけるHIVの診断ツールとして有用となり得る。
【0104】
本発明をその特別な例に関して詳細に記載してきたが、様々な改変、修正および他の変更が本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明に対して行われることは、当業者によって認識されるであろう。従って特許請求の範囲は全てのこのような改変、修飾および/または変更の範囲に渡るまたは包含することを意図している。
【0105】
(参考文献)
文献1.Lambotte, O., et al., Detection of infectious HIV in circulating monocytes from patients on prolonged highly active antiretroviral therapy. J Acquir Immune Defic Syndr, 2000. 23(2): p. 114-9.
文献2.Saksela, K., et al., Human immunodeficiency virus type 1 mRNA expression in peripheral blood cells predicts disease progression independently of the numbers of CD4+ lymphocytes. Proc Natl Acad Sci U S A, 1994. 91(3): p. 1104-8.
文献3.Nygren, J., N. Svanvik, and M. Kubista, The interactions between the fluorescent dye thiazole orange and DNA. Biopolymers, 1998. 46(1): p. 39-51.
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】図1(b)はHIV-検体からの白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラムであり、および (a)はドットプロットで、最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSC (側方散乱)を伴うリンパ球を示す。
【図2】図2は、各々、3つのHIV+ 試料からの、白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラム(d)、(e) および (f)、ならびに対応するドットプロット (a)、 (b) および (c)を示し、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球、B' および D')を通して基準線から右側に移行することで増加する FL1蛍光を伴う、単球 (領域 C')を示す。
【図3】図3は本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) (名称はこのテストでつけた)対、Roche Amplicor 方法によって決定した、患者のARV (抗レトロウイルス薬)からの血漿ウイルス負荷の対数の例を示す。
【図4】図4はCD4カウントおよび (b) の本発明の手法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi) 、および (a) のAmplicor方法によって決定した血漿ウイルス負荷の対数間の相関関係を説明する2つのグラフを示す。
【図5】図5は本発明の方法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi)および細胞内p24 (両者は相対蛍光および単球における細胞陽性のパーセンテージを示す)の相関関係を示す。
【図6】図6はHIV およびおそらく結核症 (TB)に感染している患者からの白血球試料のドットプロットを示す。顆粒球(領域B) は色素(この場合、チアゾールオレンジ)の蛍光をリンパ球 (領域D)に関連して増加させている。
【図7】図7はCD4カウントが発生した本発明によるアッセイ方法のドットプロットを示す。
【図8】図8は計算されたHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVRMI) に加え、CD14/CD16 免疫表現型検査も決定された例のドットプロットを示す。
【図9】図9は無作為に選択した14のHIV陽性検体について採取されたHIVRMI 指標の最大値に対してプロットした全ての単球のCD14低値/CD16高値細胞のパーセンテージのグラフを示す。
【図10】図10は、本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi)対Roche Amplicor 方法によって決定した、HIV+ナイーブ患者からのlog 血漿ウイルス負荷の対数の例の図3に類似したグラフを示す。ここではHIVrmiの最大値はRoche血漿ウイルス負荷に対してプロットされる。
【図11】図11はARV後12週間までの縦に続く3人のHIV+患者のHIVRMIのグラフの1組を示す。左側のプロットのグラフはCD4カウント、血漿ウイルス負荷(RNA、Amplicor分析によって決定した)およびHIVRMIである。右側のプロットはCD4カウントを除く。これらのプロットは、治療中の患者をモニターするのにいかにHIVRMIが有用かを示し、そこでは、HIVRMIはウイルス負荷および/または免疫再構成(CD4カウントによって測定する)に伴う増加または減少を示す。
【図12】図12は30日齢ないし50日齢の小児患者の集団からのHIVRMIの結果のグラフを示す。HIVRMIのカットオフ値2.0は、ラインより上にいる患者はPCRAmplicorアッセイによってHIV+であることが確認されることを示し、ラインより下にいる患者はHIV-であることを示す。ドットは10時間齢未満のアッセイで測定された血液試料 (■)および、24時間齢未満のアッセイで測定されたもの(◆)を示す。
【図13】図13はある範囲の年齢の小児患者の2番目の集団からの、HIVRMIの結果のグラフを示す。■はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV- 患者、 および ◆はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV+患者である。2つのグラフは2つの年齢のカテゴリーに分割できる: (a)は49日齢未満および (b)は50 日齢以上から200日齢未満である。これらのプロットは、幼児における HIV診断における定性分析として、幼児の年齢がHIVRMIに対して有する効果を示す。
【技術分野】
【0001】
HIV疾患におけるCD4モニタリングおよびHIVウイルス負荷測定は、HIV感染患者の質の高いケアのモニタリングに対する基盤である。HIV疾患においては、ウイルス負荷が経時的な動的変化の最適なマーカーのひとつとなる。ウイルス負荷は疾患の進行についての予測を容易とし、治療への応答を予測し、その治療の効果をモニターするのに重要である。ウイルス負荷アッセイは現在ウイルス負荷のレベル(線形力学範囲)を広範囲に渡って定量し、0.2logの優良な再現性を有する。血漿HIV RNAの定量測定は2通りの方法で表現される: HIV-RNAコピー数/ml血漿(またはIU/ml)を、または対数等価物(log10、ここでは1-logの変化が10倍の変化を意味する)。3倍の変化(0.5log10コピー)はアッセイ内の変動および生物学的変動からなるが、臨床的には10倍 (1-log10) の差異は有意であると見なされる。
【背景技術】
【0002】
HIV血漿ウイルス負荷の検査室尺度は、DNAまたはRNAの標的領域を増幅する核酸増幅技術によって行われる。これは非常に感度が高く、コンタミネイションを防ぐための厳格なプロトコルに忠実である熟練したスタッフが存在する、専用の研究環境が求められる熟練した検査手段である。この手順はまた、費用がかかり、高価なキットおよびテスト用の機材の供給に依存する。現在、臨床管理として受け入れられた、3つのFDAに認可されたHIV RNAアッセイがある 逆転写酵素PCR Roche Amplicor HIV-1モニター(登録商標)テスト、bioMerieux NucliSens(登録商標) HIV-1 QTアッセイ、および Versant(登録商標)HIV-1 RNA 3.0アッセイ (bDNA)。3つ全てのアッセイは高い処理能力で、Amplicor およびNASBAアッセイは標的HIV-RNAを測定可能な量の核酸生成物まで増幅し (標的増幅)、他方bDNAは取り込んだHIV-RNA標的から獲得した信号を増幅する (シグナル増幅)。
【0003】
一回のウイルス負荷テスト(Roche Amplicor)費用はおよそUS$50 からUS$100になる。これは発展途上国においては費用が負担しきれない、または手が届かず (高い処理能力のテストについての実施から実現可能ではない) 、特に患者の追跡調査ではそうである。いくつかの、異なる基盤を用いる代替費用で効果的な手順が研究されている。例として、p24抗原定量ELISAアッセイ (Perkin-Elmer Lifeおよび Analytical Sciences, Turku, Finland) は、主要ウイルスコアタンパク質p24を定量することによって生体でウイルス複製を測定する、高価ではない代替案として次第に人気がでてきている。 血漿から回収した、ExaVir(登録商標)酵素免疫測定法(Cavidi Tech-AB, Uppsala, Sweden)によるELISA形式で測定されたウイルスの逆転写酵素活性の測定もまた代替費用における効果的な分析として開発されてきた。
【0004】
いくつかの他の要因が疾患の進行と関係があることが示されており、調査下の研究における診断測定手段への他の取り組みの基盤を形成している。これらの要因のいくつかの例は以下の通りである:
(i)HIVにおける生存を独立して予測するものとされている可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体の血清中濃度;
(ii)以下に示す可溶性免疫学的因子:
−β2ミクログロブリン血漿中濃度;
−タイプIIの腫瘍壊死因子;
−互いに陽性に関与する可溶性CD27、およびHIV感染におけるCD4+ T細胞の減少に対し適した独立したマーカーであるsCD27;
−HIV感染における可溶性CD40リガンドは治療効果を評価する新しい代理マーカーとしての役目を果たすことが示されている;
−可溶性CD8のレベルもまた、無症状性HIV感染におけるCD38の発現と関与することが示されている;
−刺激下のヒト単球/マクロファージによって生産されたネオプテリンは、細胞免疫活性化および酸化的ストレスの程度を測定するHIV および他の自己免疫疾患のマーカーとして提案されてきた;
−内皮マーカーのレベルもまた、有意に初期のウイルス負荷と相関する;
−ヘモグロビンもまた、HIVの独立した予後インジケーターであることが示されている;
−HIV感染の初期における脂質および急性タンパク質改変もまた、疾患の進行と相関することが判明している。
【0005】
これら全ての代替的なアプローチにも拘わらず、ウイルス負荷はモニタリングにおいて一番重要であり、臨床的に有効な尺度である。それにも拘わらず、未だに開発途上国においてウイルス荷測定へのアクセス性が増加するよう、手頃で、信頼性があり、簡単でかつ堅実であるウイルス負荷モニタリングアッセイまたは代替疾患モニタリングアッセイ、またはテストに対する必要性が存在する。
【0006】
本発明の第1の具体例によると、ウイルス感染または疾患を診断および/またはモニターするアッセイ方法が提供され、そのアッセイ方法は:
・白血球の試料を、白血球内のRNAまたはDNA および RNA両者を染色する蛍光細胞膜透過性色素と混合し;
・単球、顆粒球およびリンパ球よりなる群から選択された白血球の3つの主要な亜集団の少なくとも2つを全白血球から同定し;
・同定された亜集団各々の蛍光強度を決定し; 次いで
・少なくとも2つの細胞の亜集団の蛍光光度をお互いに比較する;
工程を含む。
【0007】
白血球の試料は患者の臍帯血試料を含む血液試料から得ることができ、この場合、アッセイ方法はまた、白血球試料を得るために赤血球を溶解する工程も含み得る。別法として、培養細胞は白血球試料を形成し得る。
【0008】
典型的には、単球、顆粒球およびリンパ球の亜集団は全てアッセイ方法において同定される。
【0009】
各亜集団の蛍光強度は蛍光強度の平均値または中央値から、または各亜集団のマーカーまたは領域境界から決定し得る。
【0010】
1つの亜集団の蛍光強度を他の亜集団の蛍光強度と比較することによって計算できる典型的な比率は以下のものである: 単球:顆粒球、単球:リンパ球および顆粒球:リンパ球。
【0011】
顆粒球集団またはリンパ球集団の蛍光強度の平均値に対する単球集団の蛍光強度の平均値の比率は患者における細胞のウイルス貯蔵庫のインジケーターとなり得る。
【0012】
ウイルス感染はHIVであってもよい。同様に、疾患はAIDSであってもよい。例えば、HIV/AIDS感染をモニターする時、単球:顆粒球の比率は1より大きく、かつウイルス貯蔵庫の増加に従って増加すると予測される。しかしながら、これら2つの亜集団の比率またはこの2つと白血球亜集団との異なった組合せの比率は、結核のような異なる疾患をモニターする場合は変化し得る。
【0013】
アッセイ方法はまた、患者の他の疾患、例えば、他のウイルス、寄生性または細菌感染との重感染をモニターするのにも使用され得る。例えば、もし顆粒球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率がリンパ球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率より小さければ、これはMycobacterium tuberculosisのような重感染のインジケーターとなり得る。この関係はリンパ球集団に対する顆粒球集団の蛍光強度の平均値が<1 (リンパ球の活性/疾患を示す)または>1 (顆粒球の活性/疾患を示す)によっても同様に見受けられる。
【0014】
色素は好ましくはRNAまたはDNAまたはRNAの両者を染色する化合物である。色素はチアゾールオレンジ、SYTO色素、LDS-751およびアクリジン・オレンジよりなる群から選択し得る。
【0015】
フローサイトメーター、血液アナライザーまたは蛍光光度計のような蛍光発光を測定する他の適した装置を使用することで実行できる。
【0016】
アッセイ方法はまた、CD4カウントを取得する工程も含み得る。特に、色素に対する異なる蛍光チャネルで蛍光する抗体は、CD4カウントを取得できるように試料に添加し得る。他の抗体マーカーも利用することができ、例としてCD38のような細胞活性化マーカーまたはCD14 およびCD16またはp24のような特定の亜集団マーカーがある。
【0017】
本発明の第2の具体例によると、HIVまたは他の細菌感染を持つ患者の細胞のウイルス貯蔵庫(負荷)の診断、および/またはモニタする方法が提出され、その方法は蛍光色素で染色されている患者の単球の蛍光強度の平均値を、蛍光色素で同じく染色されている患者の顆粒球および/またはリンパ球の蛍光強度の平均値と比較する工程を含む。
【0018】
この比較は患者のウイルス負荷のマーカーとして使用でき、ゆえに疾患の感染または進行および関連した感染のマーカーとして使用できならびに、患者の治療に対する応答を示すのに利用できる。
【0019】
本発明の第3の具体例によると、前記のアッセイ方法を行うためのキットが提供され、そのキットはRNAまたはDNA および RNA両者を染色する細胞膜透過性色素を含み、色素は典型的には、単一蛍光のものであるが、必ずしもその必要はない。
【0020】
キットはさらに、アッセイ方法またはアッセイ方法の少なくとも一部を行うための1組のコンピューター解読可能な指示書を含み得、特に、以下のための指示書である:
単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの少なくとも2つを同定する;
同定した亜集団各々の蛍光強度を計算する;および/または
少なくとも1つの比率を得るために、1つの亜集団と他のものの蛍光強度を比較する。
【0021】
コンピューター解読可能な指示書はさらに前記で得られた1もしくは複数の比率を解釈し得る。例えば、コンピューター解読可能な指示書はユーザーに患者が低、中または高ウイルス貯蔵庫を持つ、または重感染をしているか否かを示し得る。
【0022】
各亜集団の蛍光強度は蛍光強度の平均値または中央値であってよく、または、その亜集団の領域またはマーカーの限界となり得る。
【0023】
キットはさらに、試料のCD4カウント(または他の細胞マーカー)を決定するための抗体を含み得る。
【0024】
キットはさらに、赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬よりなる群から選択された1以上の試薬を含み得る。
【0025】
キットはさらに、赤血球溶解剤、色素、抗体剤および/またはアッセイ方法で使用する他の試薬を分注する手段を含み得る。
【0026】
キットはさらに、CD38、CD14/CD16またはp24のような表現型検査のための、細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの他の組を含み得る。
【0027】
本発明のさらなる具体例によると、本発明の方法に従ってウイルス感染または疾患を診断し、またはモニターするための命令を含む機械可読媒体が提供され、それは機械によって実行すると、機械が前記のアッセイ方法の全てまたは、少なくともいくつかの工程を実行させる。
【0028】
機械可読媒体はフローサイトメーター、および/または血液アナライザーと併用するように構成され得る。
【0029】
機械可読媒体はインピーダンス、光散乱および蛍光よりなる群から選択された分析方法を行うための命令を含み得る。
【0030】
(図面の簡単な記載)
図1(b)はHIV-検体からの白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒス トグラムであり、(a)はドットプロットで、最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSC (側方散乱を伴うリンパ球)を示す。
【0031】
図2は、各々、3つのHIV+ 試料からの、白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラム(d)、(e) および (f)、ならびに対応するドットプロット(a)、(b) および (c)を示し、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球、B' および D')を通して基準線から右側に移行することで増加する FL1蛍光を伴う、単球 (領域 C')を示す。
【0032】
図3は本発明によって決定したHIV貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) (名称はこのテストでつけた)対、Roche Amplicor 方法によって決定した、患者のARV (抗レトロウイルス薬)からの 血漿ウイルス負荷の対数の例を示す。
【0033】
図4はCD4カウントおよび(b)の本発明の手法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi) 、および(a)のAmplicor方法によって決定した血漿ウイルス負荷の対数間の相関関係を説明する2つのグラフを示す。
【0034】
図5は本発明の方法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi)および細胞内p24 (両者は相対蛍光および単球における細胞陽性のパーセンテージを示す)の相関関係を示す。
【0035】
図6はHIV およびおそらく結核症 (TB)に感染している患者からの白血球試料のドットプロットを示す。顆粒球(領域B) は色素(この場合、チアゾールオレンジ)の蛍光をリンパ球 (領域D)に関連して増加させている。
【0036】
図7はCD4カウントが発生した本発明によるアッセイ方法のドットプロットを示す。
【0037】
図8は計算されたHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVRMI) に加え、CD14/CD16 免疫表現型検査も決定された例のドットプロットを示す。
【0038】
図9は無作為に選択した14のHIV陽性検体について採取されたHIVRMI 指標の最大値に対してプロットした全ての単球のCD14低値/CD16高値細胞のパーセンテージのグラフを示す。
【0039】
図10は、本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi)対Roche Amplicor 方法によって決定した、HIV+ナイーブ患者からのlog 血漿ウイルス負荷の対数の例の図3に類似したグラフを示す。ここではHIVrmiの最大値はRoche血漿ウイルス負荷に対してプロットされる。
【0040】
図11はARV後12週間までの縦に続く3人のHIV+患者のHIVRMIのグラフの1組を示す。左側のプロットのグラフはCD4カウント、血漿ウイルス負荷(RNA、Amplicor分析によって決定した)およびHIVRMIである。右側のプロットはCD4カウントを除く。これらのプロットは、治療中の患者をモニターするのにいかにHIVRMIが有用かを示し、そこでは、HIVRMIはウイルス負荷および/または免疫再構成(CD4カウントによって測定する)に伴う増加または減少を示す。
【0041】
図12は30日齢ないし50日齢の小児患者の集団からのHIVRMIの結果のグラフを示す。HIVRMIのカットオフ値2.0は、ラインより上にいる患者はPCRAmplicorアッセイによってHIV+ であることが確認されることを示し、ラインより下にいる患者はHIV-であることを示す。ドットは10時間齢未満のアッセイで測定された血液試料(■)および、24時間齢未満のアッセイで測定されたもの(◆)を示す。
【0042】
図13はある範囲の年齢の小児患者の2番目の集団からの、HIVRMIの結果のグラフを示す。■はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV- 患者、および ◆はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV+患者である。2つのグラフは2つの年齢のカテゴリーに分割できる: (a)は49日齢未満および (b)は50日齢以上から200日齢未満である。これらのプロットは、幼児における HIV診断における定性分析として、幼児の年齢がHIVRMIに対して有する効果を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0043】
本発明はHIV/AIDSのような、ウイルス感染または疾患を診断しおよび/またはモニターするためのアッセイ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0044】
長い間、CD4 T細胞の死はこれらの細胞において、ウイルスの複製サイクルの厄介な結果になると報告されてきた。文献に現れていることは、CD4 T細胞は局外者であり、CD4+マクロファージがHIV/AIDS発症を起こすのにより重要であり、かつより直接的な役割を持っているという仮説である。
【0045】
マクロファージはHIV および SHIV (サル免疫不全ウイルス/HIV-1キメラ) の主要貯蔵庫であり、CD4 T細胞の枯渇後高ウイルス負荷を維持することが示されている。マクロファージは急性感染中に感染し、感染数は時間とともに徐々に増加しおよび疾患の徴候段階では全身ウイルス負荷への主要な貢献者となる。単球における長期間のHIV の感染はまた、高活性抗レトロウイルス療法を受けている患者にも見受けられる(文献1参照)。
【0046】
ウイルス負荷の評価は血漿RNAに限定されてはならず、末梢血単核細胞におけるHIV DNAおよび RNAのコピー数の変化は同じ焦点となるべきであると認識されている。特に、末梢血液細胞におけるHIV-1 mRNA発現はCD4カウントとは無関係に疾患の進行を予測することが示されている(文献2参照)。
【0047】
出願人はゆえに、白血球における細胞核酸を定量することによってウイルス負荷を測定することは可能であるかどうかを研究することに着手した。手頃な価格および信頼できるウイルスモニタリングアッセイにおける差し迫った必要性があるので、HIV/AIDSはウイルス感染および疾患のふさわしい例としてテストするために選択された。
【0048】
HIV陽性患者の単球は増加した量の核酸を含み、この増加は血漿ウイルス負荷と関係があることが今日では判明している。さらに、出願人は蛍光色素を用いて細胞(全細胞) 核酸(RNAまたは DNA および RNA両者) を定量し、単球における核酸量を顆粒球(好中球) およびリンパ球における核酸量と比較することによって、細胞ウイルス貯蔵庫負荷をモニターすることが可能であることを見い出した。より詳細には、出願人は、単球、リンパ球および顆粒球の蛍光強度の平均値(MFI)の指標(比率)は、HIV/AIDS疾患の進行および関連する感染のマーカーとして利用できることを示した。
【0049】
単球における増加した核酸濃度はおそらくウイルス貯蔵庫 (または感染に対する細胞反応)の尺度となるので、本発明に従って計算された蛍光比の平均値または指標 (MFI)はHIV貯蔵庫モニタリング指標(HIVrmi)と命令した。
【0050】
Mycobacterium tuberculosisは結核感染の病原因子である。この細菌は食細胞中で生存および増殖することができる通性嫌気性菌である。一次感染中、Mycobacterium tuberculosiは肺胞マクロファージに進入し、そこで生存し、組織マクロファージの混成群によって肺から広がる。好中球は結核感染において免疫システムから結核菌を隠すことでトロイの木馬'としての役割を担っていることも示されている。加えて、好中球の機能はHIV/TB感染において損なわれていることが示されており、二次感染に対する感受性の増加という結果をもたらしている。HIVrmiアッセイにおける好中球の蛍光が増加した結核集団からのある患者の群の同定は、HIVrmiを用いた細胞貯蔵庫の同定という付加的な適用を提供する。HIVRMI増大好中球蛍光は細胞内のM. tuberculosis(または感染に対する細胞反応)の指標となる、という仮説は研究中である。
【0051】
他の感染はまた、ビルハルツ住血吸虫または寄生虫のような、寄生生物による感染症であり得る。
【0052】
フローサイトメトリーは抗原発現および細胞計数を測定するためによく用いられている基盤である。この基盤を用いたいくつかの研究はHIV疾患の進行に対する相互関係を発見している。フローサイトメトリーという基盤はHIVを含むウイルスを直接検出および定量するために用いられており、よって本発明のアッセイ方法を行なうために特に適した基盤と判断された。しかしながら、当業者にとっては、このアッセイ方法は過度の実験を必要とすることなく血液アナライザーで、または、蛍光測定によって行うことができるのも明らかであろう。
【0053】
核酸結合色素は、細胞の生存および倍数性解析を測定するアッセイにおいて有核細胞事象から無核細胞事象を識別するために、フローサイトメトリーでよく記載されている。無傷細胞での核酸特異的色素の直接的な尺度は、しかしながら、ほとんどがアポトーシスおよび壊死の研究に適用されており、ウイルス負荷測定におけるウイルスDNAまたは RNAの直接的測定においては相対的に未研究である。
【0054】
この分析で用いるのに適した色素は以下の特性を備えていなければいけない:
- 全細胞の染色
- 細胞浸透性色素 (生体染色)
- DNA および RNAまたはRNAのみに結合する色素
- 色素の励起/発光スペクトルはフローサイトメトリー、血液アナライザーおよび (任意の)蛍光定量法での検出と互換性がなければいけない。
【0055】
フローサイトメトリーにおいて用いると記述されていて、およびこれらの特性を持つ市販の生体プローブ(透過体)のいくつかは、チアゾールオレンジ、SYTO群染色 (Molecular Probesより)、LDS-751、アクリジン・オレンジ、およびHoechst 33342とpyronin Yとの組合せ (SYTO染色のいくつか、SYTO RNA Selectのように, これらもまた細胞膜透過性だがRNAだけを染色し、同じ蛍光の増加を示すことができる)である。
【0056】
アクリジン・オレンジは細胞の固定なしに生体染色として用いることができるが、 DNA および RNAを同時に可視化するために2つの異なる励振源を必要とする。アクリジン・オレンジの吸収は440nmから480nm (青)の範囲で、発光は 520 nm (DNAは緑色) および650nm (RNAはオレンジ色)の範囲である。Hoechst 33342 および pyronin Yの組合せは無傷細胞におけるDNA および RNAの場合において用いるが、2種類の光源を必要とする。
【0057】
前記の例は、現在顕微鏡法、DNA/RNA増幅、およびフローサイトメトリーにおいて用いる場合にまだ引用していない分子検出手法において用いられている、DNA/RNA結合色素は含んでいない。最も一般的なフローサイトメトリー構成は488 nmレーザーの光源を用いるが、異なる色素に適合する異なる波長の他の、光源も存在する。
【0058】
チアゾールオレンジは化学結合をした2つの芳香環から成る非対称のシアニンであって、長期にわたる貯蔵用の適切な希釈を作成するために、溶液中の蛍光は無視できる、リン酸緩衝液または蒸留水に十分可溶性である。チアゾールオレンジと核酸の相互作用は、核酸 (単または二重鎖) の状態に依存する複雑なインターカレーションを介しており (隣接した塩基対間への平面状化合物の挿入)、A-T豊富な配列に対して高親和性を有する。いったん核酸と結合すると、チアゾールオレンジの芳香環は回転が制限されおよび減少するようになり、これは強い蛍光の原因であると考えられている(文献3参照)。チアゾールオレンジはフローサイトメトリーにおいて、マラリア原虫(Plasmodium)が寄生した赤血球を同定し、網状赤血球におけるRNAを染色しおよび全血中での網血小板のパーセンテージを測定するために用いられる。核酸の検出に用いられるチアゾールオレンジ量は通常10-6ないし 10-7 Mのオーダーの遊離した色素であってフローサイトメトリーにおける適量として10-5 Mである。
【0059】
チアゾールオレンジは本発明において用いるのに適切な色素であり、なぜなら膜浸透性であり、標準的なlyse no wash'プロトコルに適しておりおよびFITC (フルオレセインイソチオシアネート)に類似した発光および励起スペクトルを持つからである。これはまた標準青色レーザー光(488nm) のフローサイトメーターにも利用可能である。チアゾールオレンジの商業原価はおよそ1グラムあたりZAR 778.00(~$80)である。このアッセイにおいて必要な濃度までのチアゾールオレンジの希釈はたった1セント(ZAR 0.01)という費用しかかからない、およそ600回テストという結果となるであろう。このような最小限の費用はこの色素を、発展途上国において手に届く価格のHIV/AIDS分析の候補とする。
【0060】
分析は特に下記のように行われる:
【0061】
EDTA中の全末梢血の試料を調製し、赤血球を溶解する。次いで、細胞透過性色素が残りの白血球懸濁液に添加され、色素は細胞内のDNA およびRNAと結合する。結合した色素は蛍光し、懸濁液中の細胞がフローサイトメトリー (チャネルFL1においてチアゾールオレンジを検出する488 nmレーザー装置)によって、蛍光および側角光散乱について分析されるのを可能にする。
【0062】
3種類の白血球の母集団 (顆粒球、単球、リンパ球) は二次元スキャタグラム (SSC対FL1)を用いて同定されるが、単球母集団と、顆粒球およびリンパ球母集団の一方とのみを同定するのも可能である。
【0063】
各ゲーテッド細胞タイプにおける蛍光 (FL1)強度(MFI)の平均値が記録され、顆粒球のMF1に対する単球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値比率、リンパ球のMF1に対する単球のMF1比率、およびリンパ球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値に対する顆粒球の蛍光(FL1)強度(MFI)の平均値比率を計算する。
【0064】
異なるチャネルで蛍光する抗体を細胞核酸に用いる色素に添加することによって、CD4 カウントは同チューブおいて同時に決定可能となる。
【0065】
このアッセイは新鮮な(<24時間以内)血液で最良になされる。なぜなら、チアゾールオレンジの蛍光強度 (MFI)の平均値では、全てのリンパ球において、古い血液が一般的に増えていているからである。
【0066】
単球における蛍光強度(MFI)の平均値の増加の正確な原因における予備調査は、チアゾールオレンジは細胞質におけるRNAを測定することを示している。おそらくまた、色素は低いモル濃度で使用されるので、細胞に入りRNAなどの細胞質核酸を染色するだけで十分である。核における細胞複製によるDNAの増加はこれらの低色素濃度において測定することができず、従ってMFI測定についても干渉しない。この増加したRNAはウイルスおよび/またはアップレギュレートされたmRNA (感染に対する細胞応答)であるという仮説はさらに立証されつつあるが、HIVにおける単球の役割が、よりこの仮説を強めている。
【0067】
HIV-1複製は、血漿ウイルス血症を抑制しながらARVを受け入れている患者において継続することが示されている。複製部位は単球を含む細胞貯蔵庫において見い出される。特に、表現型CD14低値/CD16高値の単球の特異的なサブグループは、HIV感染に対してより感受性であり、および組織を通してウイルスを輸送するマクロファージに分化する単球に貢献しているということが示されている。予備調査はこれらのCD14低値/CD16高値単球のパーセンテージがHIVRMI (指標の最大値:TB重感染の可能性がある状態での顆粒球に対する単球またはリンパ球における単球)の増加と関係していること、さらに細胞HIV貯蔵庫の尺度としてHIVRMIが有効であることを示している。図9におけるグラフは14のHIV陽性検体に対してこの関係(r=0.59)を示している。良好な正相関が2つの変数間に存在するが、データの35%だけがこの図に示されている方程式の線で示されている。
【0068】
HIVRMI アッセイは最初、ARVにおけるHIVの成人患者におけるモニタリングツールとして研究された。単一HIVRMI の結果は患者の治療状態の知識なくして、血漿ウイルス負荷値への直接的変換(予測)において有用ではないであろう。HIVRMIは疾患の進行および治療への応答におけるウイルス生成 /細胞活性の初期インジゲーターとしての、長期的なモニタリングにおいては有用であるように思われる。図11は、どのようにして、患者のHIVRMI が、CD4カウントが増加しウイルス負荷および HIVRMIが減少する中で、治療に対する正確な応答を示すかについて説明をしている。これは研究したARV 集団の22%で存在した。第2の患者はCD4カウントおよびHIVRMIにおいては応答を示すが、血漿ウイルス負荷においては変化がない。これは研究した集団の50%で存在した。第3の患者はCD4カウントまたは血漿ウイルス量においては応答がないが、HIVRMIにおける治療に対して応答を示す。これは集団の27.7%で存在した。HIVRMIによって検出された変化が血漿ウイルス負荷において反映されていないことは、CD4カウントにおいて応答がないことを説明し得る。
【0069】
HIVRMIは、しかしながら、またHIVの診断で用いる定性アッセイとして二次的に研究された。これはHIVRMI の値が、成人のモニタリング値特有の値より上回ることが分かった小児患者の集団(30 -50日齢の幼児)において測定される時に、明らかとなった。HIVRMI=2.0 (図12)の値のカットオフを採用することで、HIVRMI はHIV-試料からHIV+を同定でき、PCR HIV DNA Amplicor結果に一致することが示された。200日齢 (図13) までの範囲での幼児の異なる集団における追加分析では、幼児の免疫システムが成熟しおよび活発になるに従って、HIVRMI は定性的なHIV カットオフ値としてはより信頼性はなくなり、モニタリングツールとしてより有用となることが示された。
【0070】
小児患者の集団において見つかったように初期のHIV感染はHIVRMI によって検出できるという事実はまた、HIVRMIアッセイは、血清反応陰性であって感染後2週間未満のウィンドウ期間である成人におけるPHI (一次または急性HIV感染)を検出するのにも有用であるということを意味する。これについては研究中である。
【0071】
前記アッセイを行うためのキットは、本発明においてそれをより簡単になし得ると考えられる。
キットは以下の1以上を含む:
DNA および RNAの両者を染色し、特に単一蛍光である細胞膜透過性色素;
試料の CD4 カウント(または他の細胞マーカー)を決定するための抗体;
CD14/CD16またはp24のような表現型検査のための細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの他のセット;
赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬のような、1以上の試薬;
赤血球溶解剤、色素、抗体剤および/またはアッセイで使用する他の試薬を分注するための手段;
アッセイまたはアッセイの少なくとも一部を行い、特に、少なくとも単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの2つを同定し;同定した亜集団各々の蛍光強度を計算し;および/または
少なくとも1つの比率を得るために、1つの亜集団と他のものの蛍光強度を比較するための1組のコンピューター解読可能な指示書。コンピューター解読可能な指示書はさらに前記で得られた1もしくは複数の比率を解釈し得る。例えば、コンピューター解読可能な指示書はユーザーに患者が低、中または高ウイルス貯蔵庫を持つ、または重感染をしているということを示し得る。
【0072】
機械によって実行すると、機械が前記の発明の全てまたは、少なくともいくつかの工程を行うための命令を含む機械可読媒体が提供されることがさらに考えられる。機械可読媒体はフローサイトメーター、および/または血液アナライザーと併用するように構成でき、インピーダンス、光散乱および蛍光のような分析方法を行うための指示書を含み得る。
【0073】
本願発明はさらに、以下に示す実施例によって説明する。これらの実施例は、しかしながら、決して本発明の精神または範囲を制限すると解釈されるものではない。
【実施例】
【0074】
青色プラスチックチューブ (Beckman Coulter, cat# 2523749)は個々の研究室の番号でラベルされ、50μl ABヒト試薬血清(輸血サービス) を各々のチューブに遮断薬として挿入した。
【0075】
新鮮なEDTA を、各々の患者からの全血の試料と血液揺動機上で室温にて3ないし5分間混合した。各々のEDTA および全血試料の50μlをAB血清の入ったチューブに添加し、チューブの側面に付着している血液がないことを確認するために、余分な血液をピペットチップで吸い取るよう気をつけた。血液および血清を30秒間混合し、およびチューブを15分間室温でインキュベートした。赤血球をそれから自動Q-Prep システム(Beckman Coulter)によって分注されたImmunoprepTM 試薬 (Beckman Coulter) を用いて溶解した。
【0076】
10μM チアゾールオレンジ (Sigma/Aldrich, cat # 39,006-2)メタノール溶液を調製した。1μMをSorenson's Phosphate Buffer (pH adjusted to 7.2) または蒸留水に希釈した。この1μMの希釈したチアゾールオレンジ溶液の40μl量を、赤血球溶解後の各々のチューブに添加し、チューブを室温でさらに20分間暗所でインキュベートした。
【0077】
次いで、試料をXL MCL (Beckman Coulter)フローサイトメトリーで分析し、最小25 000の白血球事象を計測した。全白血球は不均一なゲーティング(SSC対FL1 チアゾールオレンジ)を用いてFL1チャネルにおいて同定した。
【0078】
3つの領域を顆粒球、単球およびリンパ球の周囲に設定し、および各々の領域についてFL1チャネルで蛍光強度の平均値 (MFI)を測定した。顆粒球MFIに対する単球 MFI、リンパ球MFIに対する単球MFIおよびリンパ球に対する顆粒球の比率を、例えば、以下の式を用いて計算した。:
比率(または指標値) = 単球MFI =貯蔵庫モニタリング指標 (RMI)
顆粒球MFIまたはリンパ球MFI
【0079】
HIV陰性試料からの白血球は、図1(b)における単一FL1ヒストグラムにおいて見られたように、類似した蛍光強度の平均値(MFI)を共に持つことが分かった。この分析の再現性は1.54%のCV(変動係数)を持つことが分かった。図 1(a)のドットプロットは、リンパ球における最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSCを示す。
【0080】
しかしながら、HIV陽性患者 (図2)における1.13%CVの再現性の蛍光強度の平均値比率は、HIV陰性患者 (図1)における蛍光強度の平均値比率と異なる。HIV陽性試料の単離した無傷細胞において用いるチアゾールオレンジはHIV感染中において、ある細胞集団では異なる蛍光強度を出すことが明らかになった。HIV陽性患者からの単球はMFIが増加し、図 2 のより広がったヒストグラム (d)、(e) および (f)によって説明されている。ドットプロットは、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球)(図2(a), (b) および(c))を通して基準線から右側に移行することで、FL1蛍光が増加した単球 (領域 C')を示す。
【0081】
前記のように評価した試料は、標準Roche Amplicor Monitor version 1.5アッセイを用いて、血漿ウイルス負荷の対数を決定するために分析をした。正相関が HIVRMI および 血漿ウイルス負荷(VL)間において存在することが示された (表1および図3)。
【0082】
表1の説明:
ウイルス貯蔵庫の指標となる値(列4 および 5)
最大値(単球/顆粒球または単球/リンパ球)を持つHIVRMI は血漿ウイルス負荷と関係する指標となり細胞内ウイルス貯蔵庫量または感染に対するmRNA細胞応答の指標となる。
【0083】
付加的疾患の指標となる値 (TB等) (列6).
顆粒球/リンパ球 =1は他のバックグラウンドの細胞活性が無いことを示す;
顆粒球/リンパ球 <1はリンパ球活性 のある疾患を示す(おそらく早期または後期段階のリンパ球感染/活性化);
顆粒球/リンパ球 >1は顆粒球活性 (おそらくTB)のある疾患を示す。
【0084】
ARVナイーブ患者におけるHIVRMI および 血漿 PCR ウイルス負荷の関係は最初r=0.677 p<0.0001 (R2=0.357, n=80) (表3)であると示された。
【0085】
試料の生存率を決定し、60%以上の生存率を持つ試料 (n= 80)のみをこの研究に含めた。HIVRMIの最大値はウイルス負荷の対数 (Roche Amplicor) (表2)と比較した。
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
データの35%だけが図10における方程式の線で表されているのにも拘わらず、HIVRMI はウイルス負荷と有意に相関することが示された。制限値はRocheウイルス負荷アッセイの上限値として示された。
【0089】
しかしながら抗レトロウイルス薬(ARV)の時代においては、この相関は図3において見られるように、r=0.244 (R2=0.106, n=20)まで減少した。
【0090】
抗レトロウイルス薬治療(ARV)を受けている患者は感染の異なる段階を経ることになり、および血漿および細胞内ウイルス負荷間において差異が見られ、これがなぜ単一HIVRMIの結果は患者の治療状態の知識なくして、血漿ウイルス負荷の値に対する直接的変換において有用とはならないかの理由である:
段階1:血漿ウイルス負荷の減少:血漿からの遊離したウイルス粒子の除去(t1/2<6時間)および短命感染CD4 T-リンパ球の崩壊(t1/2 1-2日数)。
段階2:感染マクロファージおよびリンパ系組織の単核球からのウイルス貯蔵庫の除去(t1/2 1-4週間)。
段階3:ウイルス複製の持続的検出に伴う潜在貯蔵庫における、ゆるやかなウイルス崩壊。
【0091】
何人かの患者からの試料はまた顆粒球の蛍光強度の増加を示し、単球/顆粒球指標の値が単球/リンパ球指標より少ないという結果になった (表1の列5における強調表示)。これらの患者は結核との重感染が見られ、この関係は従って重感染の同定およびモニタリングのための付加的ツール(TBRMI)として研究されている。この付加的な指標は全般的な患者のモニタリングを援助することができる。
【0092】
図 4 はナイーブ患者におけるCD4カウントに対するHIVRMI および 血漿ウイルス負荷の相関を示す。HIVRMI および CD4カウント間の負の相関は他の研究で立証された血漿PCRウイルス量 および CD4カウント間の消極的な傾向と類似している。
【0093】
図 5はHIVrmi の細胞内 p24 (ウイルスコートタンパク質)との強い相関を示し、これはまたフローサイトメトリーによっても決定される。
【0094】
図6 はHIVrmi およびCD14低値/CD16高値を発現する単球のパーセンテージ間の強い相関を示す。
【0095】
図7は核酸結合チアゾールオレンジ色素をHIVRMIとして同チューブ内でCD4カウントを生成するためにCD4 PE (フェコエリスリン)と共に用いた例を示す。1番目のプロット (a) は光散乱パラメーターを測定する (細胞のサイズ/前方散乱-対-細胞粒度/複雑度/側方散乱)、このプロットはまた単一基盤絶対計数のためのフローカウント(Flow Count)ビーズ(Beckman Coulter)を含む。2番目のプロット(b)は側方散乱-対-FL1 チアゾールオレンジ蛍光を測定し、白血球は領域Aにおいて同定される。3番目のプロット(c)は、領域Aからの全ての白血球の機能として領域Bにおいて同定されたリンパ球のCD4と共に側方散乱-対-CD4PE 蛍光を測定する。
【0096】
図8は算出したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVRMI)に加え、CD14/CD16免疫表現型検査もまた決定した例のドットプロットを示す。HIVRMI は散乱プロット#2から算出され、パーセンテージCD14低値/CD16高値集団はCD14PE および CD16PC5を用いて散乱プロット#5から算出される。
【0097】
ナイーブおよび ARV患者におけるこれらの差異は、ARVによってより容易に除去される循環血漿ウイルスではなく、長期間の細胞貯蔵庫の追跡調査におけるHIVRMIの強みを強調する。これは治療後12週間までの3人の患者の縦に続くデータと共に、 図11に示される。最初の5つの通院の群全体(n=18患者)のウイルス負荷の平均値は3.19 (1.69-5.88) c/mlで、HIVRMI は1.52 (1.04-5.27) およびCD4カウントは 217 (13-573) cells/μlであった。ベースライン時に、4.9 (3.9-5.8) c/mlの血漿ウイルス負荷の平均値は8週目に1.9 (1.69-2.6) c/mlまで減少し、12週目にまだ1.9 (1.69-5.1) c/mlを保った。CD4カウントの平均値は173 (13-270) cells/μl (ベースライン)から4週目に243 (48-573) 細胞数/μlまで増加したが、12週目までは245 (72-399) cells/μlと変化がなかった。HIVRMI の平均値は血漿ウイルス負荷としてベースライン時の1.49(1.2-1.89) から4週目に1.41(1.19-1.7)まで減少したが、8週目には1.45 (1.04-2)、および12週目には 1.76 (1.24-5.27) まで増加した。分析したランダム試料については、血漿ウイルス負荷およびHIVRMI 間には、それらの治療の状態に、n=90 (r=0.107, p=0.314)に拘わらず直接的相関は見られなかった。これは血漿ウイルス負荷において一切変化が検出されないHIVRMI の増加による。通院においてCD4カウントが増加し、ウイルス負荷が減少しHIVRMI が減少したのは、治療に対する応答として期待していたように、患者の22.3%であった。患者の27.7%においては、CD4カウントまたはウイルス負荷において何等かの変化が生じる前に、HIVRMIが増加を示した。患者の50%においては、CD4カウントにおける減少が検出された所でHIVRMIが増加し、ウイルス負荷においては変化がなかった。
【0098】
HIVRMI はまた成人と同様小児患者の疾患モニタリングにも適用することができる。小児患者におけるHIVRMI値は、しかしながら、成人において見られるよりも高い値に達することが見受けられている。表 4は小児患者および成人の集団からのHIVRMI値をリストしている。
【0099】
【表4】
【0100】
この小児患者がより高いHIVRMI値を持つという概念は、HIVRMI アッセイがHIV診断のための定性アッセイとしても用いることができるか否かを決定するために研究された。DNA PCRはルーチン的に6週齢のHIV幼児の診断のために用いられる。HIVRMIの2.0のカットオフ がDNA PCRでもテストされている小児患者集団に適用された時、図12において見られるように、DNA PCR結果との一致が示された。全てのこれらのHIVRMI >2 である検体はDNA PCR が陽性でありおよび全てのこれらのHIVRMI <2 である試料はDNA PCR が陰性であった。これはさらにより大きな集団(n=132)において調べ、幼児は200日齢までの範囲であった(図13)。HIVRMI は表 5にリストしたようにより若い集団において、感度 (陽性であるという可能性) および 特異性(陰性であるという可能性) の増加を示した。
【0101】
【表5】
【0102】
いくつかの研究は、幼児の免疫システムの成熟において起こる変化による、免疫活性化マーカーを用いた感染および非感染幼児間のリンパ球サブセット間の差異の決定の困難さを示している。これと同じ効果がHIVRMIにも適用でき、臍帯血を含む、低年齢の幼児が研究されている。
【0103】
発明者は本発明によるアッセイが、少なくとも以下の理由から有利であると信じている:
- 細胞ウイルス貯蔵庫の測定であって血漿懸濁ウイルス負荷の測定ではなく、従ってウイルス量の増加を血漿で検出可能なよりも速く示すことができる。
- TBのような他の細胞感染を含んだ全体的な疾患のモニターである。
- 分析はサブタイプ特異的ではなく、しばしばPCR手法と関係がある。
- 調製方法は素早くできて手間をかけたものではなく、生物学的有害物質検体の操作はほとんど伴わず、特にlyse no wash'プロトコル (洗浄なし、抽出なし)がある。
- 結果は1時間以内に報告でき、これはどの他の既知のウイルス測定のアッセイよりも短い。
- 現存のフローサイトメトリーの機器を標準フローサイトメトリープロトコルにて用いることができる。
- 少量の血液しか必要とせず (50μl/テスト)、アッセイは従って小児患者検体に適用することができる。
- (ここに引用してその全体を援用するPCT特許出願 PCT/IB02/02725により詳細に記載された)チアゾールオレンジ援助PLG (PanLeucogate)を用いたCD4カウントを同チューブ内で生じさせることができた。この単一のチューブアッセイはまた標準 CD4カウント (~$5.4)よりも費用がかからず(~$4.4)、なぜならCD45 mAB 試薬がもっと安価な在庫' 色素(December 2002)に置き換わるからである。
- アッセイはまた、患者分析に近づく可能性のある、他のより小さな基盤へ移動することができる。
- 分析はまた、疾患の一般的なインジゲーターとして血液アナライザーでも使用でき、一般的血液パラメーターについてテストをした全てのルーチン的血液検体で行われる。
- さらなる研究におけるHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) の適用はおそらく、この疾患および治療モニタリングにおけるマクロファージの関与において価値があることが判明するであろう。
- アッセイはまた、40日齢未満の小児患者および感染2週間以内の血清陰性の成人におけるHIVの診断ツールとして有用となり得る。
【0104】
本発明をその特別な例に関して詳細に記載してきたが、様々な改変、修正および他の変更が本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明に対して行われることは、当業者によって認識されるであろう。従って特許請求の範囲は全てのこのような改変、修飾および/または変更の範囲に渡るまたは包含することを意図している。
【0105】
(参考文献)
文献1.Lambotte, O., et al., Detection of infectious HIV in circulating monocytes from patients on prolonged highly active antiretroviral therapy. J Acquir Immune Defic Syndr, 2000. 23(2): p. 114-9.
文献2.Saksela, K., et al., Human immunodeficiency virus type 1 mRNA expression in peripheral blood cells predicts disease progression independently of the numbers of CD4+ lymphocytes. Proc Natl Acad Sci U S A, 1994. 91(3): p. 1104-8.
文献3.Nygren, J., N. Svanvik, and M. Kubista, The interactions between the fluorescent dye thiazole orange and DNA. Biopolymers, 1998. 46(1): p. 39-51.
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】図1(b)はHIV-検体からの白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラムであり、および (a)はドットプロットで、最低側方散乱(垂直軸での複雑さを表す)と、続いて単球および顆粒球における最大SSC (側方散乱)を伴うリンパ球を示す。
【図2】図2は、各々、3つのHIV+ 試料からの、白血球を同定するために使用するチアゾールオレンジのヒストグラム(d)、(e) および (f)、ならびに対応するドットプロット (a)、 (b) および (c)を示し、バックグラウンド細胞集団(リンパ球および顆粒球、B' および D')を通して基準線から右側に移行することで増加する FL1蛍光を伴う、単球 (領域 C')を示す。
【図3】図3は本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi) (名称はこのテストでつけた)対、Roche Amplicor 方法によって決定した、患者のARV (抗レトロウイルス薬)からの血漿ウイルス負荷の対数の例を示す。
【図4】図4はCD4カウントおよび (b) の本発明の手法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi) 、および (a) のAmplicor方法によって決定した血漿ウイルス負荷の対数間の相関関係を説明する2つのグラフを示す。
【図5】図5は本発明の方法によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVrmi)および細胞内p24 (両者は相対蛍光および単球における細胞陽性のパーセンテージを示す)の相関関係を示す。
【図6】図6はHIV およびおそらく結核症 (TB)に感染している患者からの白血球試料のドットプロットを示す。顆粒球(領域B) は色素(この場合、チアゾールオレンジ)の蛍光をリンパ球 (領域D)に関連して増加させている。
【図7】図7はCD4カウントが発生した本発明によるアッセイ方法のドットプロットを示す。
【図8】図8は計算されたHIV 貯蔵庫モニタリング(HIVRMI) に加え、CD14/CD16 免疫表現型検査も決定された例のドットプロットを示す。
【図9】図9は無作為に選択した14のHIV陽性検体について採取されたHIVRMI 指標の最大値に対してプロットした全ての単球のCD14低値/CD16高値細胞のパーセンテージのグラフを示す。
【図10】図10は、本発明によって決定したHIV 貯蔵庫モニタリング (HIVrmi)対Roche Amplicor 方法によって決定した、HIV+ナイーブ患者からのlog 血漿ウイルス負荷の対数の例の図3に類似したグラフを示す。ここではHIVrmiの最大値はRoche血漿ウイルス負荷に対してプロットされる。
【図11】図11はARV後12週間までの縦に続く3人のHIV+患者のHIVRMIのグラフの1組を示す。左側のプロットのグラフはCD4カウント、血漿ウイルス負荷(RNA、Amplicor分析によって決定した)およびHIVRMIである。右側のプロットはCD4カウントを除く。これらのプロットは、治療中の患者をモニターするのにいかにHIVRMIが有用かを示し、そこでは、HIVRMIはウイルス負荷および/または免疫再構成(CD4カウントによって測定する)に伴う増加または減少を示す。
【図12】図12は30日齢ないし50日齢の小児患者の集団からのHIVRMIの結果のグラフを示す。HIVRMIのカットオフ値2.0は、ラインより上にいる患者はPCRAmplicorアッセイによってHIV+であることが確認されることを示し、ラインより下にいる患者はHIV-であることを示す。ドットは10時間齢未満のアッセイで測定された血液試料 (■)および、24時間齢未満のアッセイで測定されたもの(◆)を示す。
【図13】図13はある範囲の年齢の小児患者の2番目の集団からの、HIVRMIの結果のグラフを示す。■はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV- 患者、 および ◆はDNA PCR、Amplicorテストによって決定したHIV+患者である。2つのグラフは2つの年齢のカテゴリーに分割できる: (a)は49日齢未満および (b)は50 日齢以上から200日齢未満である。これらのプロットは、幼児における HIV診断における定性分析として、幼児の年齢がHIVRMIに対して有する効果を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血球の試料を、白血球内のRNAを染色する蛍光細胞膜透過性色素と混合し;
単球、顆粒球およびリンパ球よりなる群から選択された白血球の3つの主要な亜集団のうち少なくとも2つを全白血球から同定し;
同定された亜集団の各々の蛍光強度を決定し; 次いで
少なくとも2つの細胞の亜集団の蛍光強度をお互いに比較する;
工程を含む、患者におけるウイルス感染または疾患を診断しまたはモニターするアッセイ方法。
【請求項2】
白血球の試料が患者の血液試料由来である、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項3】
血液試料の赤血球を溶解させて白血球試料を得る、請求項2記載のアッセイ方法。
【請求項4】
培養細胞が白血球細胞を形成する、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項5】
単球、顆粒球およびリンパ球亜集団が全て同定される、請求項1から4のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項6】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の平均値から決定される請求項1から5のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項7】
各亜母集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の中央値から決定される、請求項1から5のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項8】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団のマーカーまたは領域境界から決定される、請求項1ないし5いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項9】
以下の比率の少なくとも1つがある亜集団の蛍光強度を他の亜集団の蛍光強度と比較することによって計算される、請求項1から8のいずれか1記載のアッセイ方法:
単球:顆粒球;
単球:リンパ球;および
顆粒球:リンパ球
【請求項10】
顆粒球集団またはリンパ球集団の蛍光強度の平均値に対する単球集団の蛍光強度の平均値の比率を、患者における細胞のウイルス貯蔵庫のインジケーターとする、請求項1ないし9いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項11】
ウイルス感染はHIVである、請求項1ないし10いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項12】
疾患はAIDSである、請求項1ないし11いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項13】
単球:顆粒球の比率は1より大きく、かつウイルス貯蔵庫の増加と共に増加する、請求項11または12記載のアッセイ方法。
【請求項14】
付加的に他の疾患を持つ患者の重感染をモニターする、請求項1ないし13のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項15】
他の疾患がウイルス、寄生虫または細菌感染である、請求項14記載のアッセイ方法。
【請求項16】
他の疾患が結核である、請求項14または15記載のアッセイ方法。
【請求項17】
顆粒球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率が、リンパ球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率未満である時は重感染を示す、請求項14ないし16のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項18】
色素がDNAおよびRNAの両者を染色する化合物である、前記請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項19】
フローサイトメーターを用いて行われる、前記請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項20】
血液アナライザーを用いて行われる、請求項1ないし18のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項21】
蛍光光度計を用いて行われる、請求項1ないし18のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項22】
さらにCD4カウントを得るための工程を含む、前記の請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項23】
CD4カウントは、色素に対する異なる蛍光チャネルで蛍光する抗体試料に添加することによって得られる、請求項22記載のアッセイ方法。
【請求項24】
細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの少なくとも1つのセットが表現型検査のために用いられる、請求項22記載のアッセイ方法。
【請求項25】
細胞活性マーカーがCD38、CD14/CD16 またはp24である、請求項24記載のアッセイ方法。
【請求項26】
ウイルス、寄生虫、または細菌感染を持つ患者内において細胞貯蔵庫を診断またはモニターする方法であって、蛍光色素で染色されている患者の単球の蛍光強度の平均値を、同じく蛍光色素で染色されている患者の顆粒球および/またはリンパ球の蛍光強度の平均値と比較する工程を含む方法。
【請求項27】
ウイルス感染がHIVである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
該方法によって得られた比較が患者のウイルス負荷のマーカー、疾患の診断、疾患の進行のマーカー、および/または重感染のインジケーターとして用いられる、請求項26または27記載の方法。
【請求項29】
該方法によって得られた比較が患者の治療に対する応答を示すために用いられる、請求項26ないし28のいずれか1記載の方法。
【請求項30】
少なくともRNAを染色する細胞膜透過性色素を含む、請求項1ないし25のいずれか1記載のアッセイ方法を行う。
【請求項31】
該色素がDNAおよびRNAの両者を蛍光染色する、請求項30記載のキット。
【請求項32】
該アッセイ方法または該アッセイ方法の少なくとも一部を行うための1組のコンピューター解読可能な指示書をさらに含む、請求項30または31記載のキット。
【請求項33】
単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの少なくとも2つを同定し;
各々の同定した亜集団の蛍光強度を計算し;次いで /または
1つの亜集団と他の亜集団の蛍光強度を比較して少なくとも1つの比率を得る;
ためのコンピューター解読可能な指示書を含む請求項32記載のキット。
【請求項34】
コンピューター解読可能な指示書が、得られた比率複数比率を解釈して、患者が低、中または高ウイルス、寄生虫または貯蔵庫を有しているか否か、または重感染をしているか否かを示す、請求項33記載のキット。
【請求項35】
各亜集団の蛍光強度が各々の亜集団の蛍光強度の平均値である、請求項33または34記載のキット。
【請求項36】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の中央値である、請求項33または34記載のキット。
【請求項37】
各亜集団の蛍光強度が各々の亜集団の領域またはマーカーの境界である、請求項33または34記載のキット。
【請求項38】
試料のCD4カウントを決定するための抗体を含む、請求項30ないし37のいずれか1記載のキット。
【請求項39】
表現型検査のための細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの少なくとも一組を含む、請求項30ないし37のいずれか1記載のキット。
【請求項40】
マーカーがCD38、CD14/CD16またはp24である、請求項39記載のキット。
【請求項41】
赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬よりなる群から選択される1以上の試薬を含む、請求項30ないし40のいずれか1記載のキット。
【請求項42】
赤血球溶解剤、色素、抗体試薬および/またはアッセイ方法で使用する他の試薬を分注する手段を含む、請求項41記載のキット。
【請求項43】
請求項26ないし29のいずれか1記載の方法に従って患者の細胞のウイルス、寄生虫または細菌貯蔵庫の診断またはモニターするための命令を含む機械可読媒体であって、機械によって実行すると、機械が請求項ないし25のいずれかに記載のアッセイ方法の全てまたは、少なくともいくつかの工程を実行させる機械可読媒体。
【請求項44】
フローサイトメーターおよび/または血液アナライザーと併用するように構成された、請求項43記載の機械可読媒体。
【請求項45】
インピーダンス、光散乱および蛍光よりなる群から選択される分析方法を行うための命令を含む、請求項45または44記載の機械可読媒体。
【請求項46】
説明のための実例のいずれかを参照にしてここに詳述した、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項47】
説明のための実例のいずれかを参照にしてここに詳述した、請求項26記載の方法。
【請求項1】
白血球の試料を、白血球内のRNAを染色する蛍光細胞膜透過性色素と混合し;
単球、顆粒球およびリンパ球よりなる群から選択された白血球の3つの主要な亜集団のうち少なくとも2つを全白血球から同定し;
同定された亜集団の各々の蛍光強度を決定し; 次いで
少なくとも2つの細胞の亜集団の蛍光強度をお互いに比較する;
工程を含む、患者におけるウイルス感染または疾患を診断しまたはモニターするアッセイ方法。
【請求項2】
白血球の試料が患者の血液試料由来である、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項3】
血液試料の赤血球を溶解させて白血球試料を得る、請求項2記載のアッセイ方法。
【請求項4】
培養細胞が白血球細胞を形成する、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項5】
単球、顆粒球およびリンパ球亜集団が全て同定される、請求項1から4のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項6】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の平均値から決定される請求項1から5のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項7】
各亜母集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の中央値から決定される、請求項1から5のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項8】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団のマーカーまたは領域境界から決定される、請求項1ないし5いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項9】
以下の比率の少なくとも1つがある亜集団の蛍光強度を他の亜集団の蛍光強度と比較することによって計算される、請求項1から8のいずれか1記載のアッセイ方法:
単球:顆粒球;
単球:リンパ球;および
顆粒球:リンパ球
【請求項10】
顆粒球集団またはリンパ球集団の蛍光強度の平均値に対する単球集団の蛍光強度の平均値の比率を、患者における細胞のウイルス貯蔵庫のインジケーターとする、請求項1ないし9いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項11】
ウイルス感染はHIVである、請求項1ないし10いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項12】
疾患はAIDSである、請求項1ないし11いずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項13】
単球:顆粒球の比率は1より大きく、かつウイルス貯蔵庫の増加と共に増加する、請求項11または12記載のアッセイ方法。
【請求項14】
付加的に他の疾患を持つ患者の重感染をモニターする、請求項1ないし13のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項15】
他の疾患がウイルス、寄生虫または細菌感染である、請求項14記載のアッセイ方法。
【請求項16】
他の疾患が結核である、請求項14または15記載のアッセイ方法。
【請求項17】
顆粒球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率が、リンパ球の蛍光強度の平均値に対する単球の蛍光強度の平均値の比率未満である時は重感染を示す、請求項14ないし16のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項18】
色素がDNAおよびRNAの両者を染色する化合物である、前記請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項19】
フローサイトメーターを用いて行われる、前記請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項20】
血液アナライザーを用いて行われる、請求項1ないし18のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項21】
蛍光光度計を用いて行われる、請求項1ないし18のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項22】
さらにCD4カウントを得るための工程を含む、前記の請求項のいずれか1記載のアッセイ方法。
【請求項23】
CD4カウントは、色素に対する異なる蛍光チャネルで蛍光する抗体試料に添加することによって得られる、請求項22記載のアッセイ方法。
【請求項24】
細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの少なくとも1つのセットが表現型検査のために用いられる、請求項22記載のアッセイ方法。
【請求項25】
細胞活性マーカーがCD38、CD14/CD16 またはp24である、請求項24記載のアッセイ方法。
【請求項26】
ウイルス、寄生虫、または細菌感染を持つ患者内において細胞貯蔵庫を診断またはモニターする方法であって、蛍光色素で染色されている患者の単球の蛍光強度の平均値を、同じく蛍光色素で染色されている患者の顆粒球および/またはリンパ球の蛍光強度の平均値と比較する工程を含む方法。
【請求項27】
ウイルス感染がHIVである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
該方法によって得られた比較が患者のウイルス負荷のマーカー、疾患の診断、疾患の進行のマーカー、および/または重感染のインジケーターとして用いられる、請求項26または27記載の方法。
【請求項29】
該方法によって得られた比較が患者の治療に対する応答を示すために用いられる、請求項26ないし28のいずれか1記載の方法。
【請求項30】
少なくともRNAを染色する細胞膜透過性色素を含む、請求項1ないし25のいずれか1記載のアッセイ方法を行う。
【請求項31】
該色素がDNAおよびRNAの両者を蛍光染色する、請求項30記載のキット。
【請求項32】
該アッセイ方法または該アッセイ方法の少なくとも一部を行うための1組のコンピューター解読可能な指示書をさらに含む、請求項30または31記載のキット。
【請求項33】
単球、顆粒球および/またはリンパ球亜集団のうちの少なくとも2つを同定し;
各々の同定した亜集団の蛍光強度を計算し;次いで /または
1つの亜集団と他の亜集団の蛍光強度を比較して少なくとも1つの比率を得る;
ためのコンピューター解読可能な指示書を含む請求項32記載のキット。
【請求項34】
コンピューター解読可能な指示書が、得られた比率複数比率を解釈して、患者が低、中または高ウイルス、寄生虫または貯蔵庫を有しているか否か、または重感染をしているか否かを示す、請求項33記載のキット。
【請求項35】
各亜集団の蛍光強度が各々の亜集団の蛍光強度の平均値である、請求項33または34記載のキット。
【請求項36】
各亜集団の蛍光強度が、各々の亜集団の蛍光強度の中央値である、請求項33または34記載のキット。
【請求項37】
各亜集団の蛍光強度が各々の亜集団の領域またはマーカーの境界である、請求項33または34記載のキット。
【請求項38】
試料のCD4カウントを決定するための抗体を含む、請求項30ないし37のいずれか1記載のキット。
【請求項39】
表現型検査のための細胞膜マーカーまたは細胞内マーカーの少なくとも一組を含む、請求項30ないし37のいずれか1記載のキット。
【請求項40】
マーカーがCD38、CD14/CD16またはp24である、請求項39記載のキット。
【請求項41】
赤血球溶解剤、安定化剤、固定剤、対照細胞、培地およびビーズ試薬よりなる群から選択される1以上の試薬を含む、請求項30ないし40のいずれか1記載のキット。
【請求項42】
赤血球溶解剤、色素、抗体試薬および/またはアッセイ方法で使用する他の試薬を分注する手段を含む、請求項41記載のキット。
【請求項43】
請求項26ないし29のいずれか1記載の方法に従って患者の細胞のウイルス、寄生虫または細菌貯蔵庫の診断またはモニターするための命令を含む機械可読媒体であって、機械によって実行すると、機械が請求項ないし25のいずれかに記載のアッセイ方法の全てまたは、少なくともいくつかの工程を実行させる機械可読媒体。
【請求項44】
フローサイトメーターおよび/または血液アナライザーと併用するように構成された、請求項43記載の機械可読媒体。
【請求項45】
インピーダンス、光散乱および蛍光よりなる群から選択される分析方法を行うための命令を含む、請求項45または44記載の機械可読媒体。
【請求項46】
説明のための実例のいずれかを参照にしてここに詳述した、請求項1記載のアッセイ方法。
【請求項47】
説明のための実例のいずれかを参照にしてここに詳述した、請求項26記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−523407(P2008−523407A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546215(P2007−546215)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003738
【国際公開番号】WO2006/067572
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507198875)ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルク (7)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND, JOHANNESBURG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003738
【国際公開番号】WO2006/067572
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507198875)ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルク (7)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND, JOHANNESBURG
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]