説明

癌の治療方法

本発明は、
式Iで示される化合物、および、それらの医薬的に許容される塩、および、プロドラッグを用いて所定の癌を治療するための方法および医薬組成物を提供する:


(式中A、B、W、Y、ZおよびRは本明細書において定義された意味のいずれかを有する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年1月30日付けで出願された米国仮出願第61/148,881号、および、2009年9月9日付けで出願された米国仮出願第61/240,873号に基づく優先権を主張する。これらの仮出願それぞれの全内容は、参照により本明細書に包含させる。
【背景技術】
【0002】
DNAトポイソメラーゼは、細胞核中に存在する酵素であり、これらは、DNA鎖の切断と再結合を触媒して、DNAの位相状態を制御するものである。近年の研究によれば、トポイソメラーゼはまた、RNA転写中のテンプレートのスーパーコイル形成の調節にも関与することが示唆されている。哺乳動物のトポイソメラーゼは、主として2つに分類される。DNAトポイソメラーゼIは、一時的な一本鎖の切断および結合サイクルを行うことによって二本鎖DNAの位相状態における変化を触媒する。それに対して哺乳動物のトポイソメラーゼIIは、一時的に酵素で二本鎖の切断を架橋し、続いて鎖を巻きつけたりゆるめたりすることによってDNAの形態を変化させる。哺乳動物のトポイソメラーゼIIは、さらにIIα型とIIβ型に分類されている。トポイソメラーゼ毒である物質が有する抗腫瘍活性は、それらの切断される可能性がある酵素−DNA複合体を安定化させる能力と関連がある。このような物質によって誘発された切断される可能性がある酵素−DNA複合体の安定化により、酵素は効果的に細胞毒に変換される。
【0003】
臨床で用いられている数種の抗癌剤は、哺乳動物のトポイソメラーゼII毒として有力な活性を有する。このような抗癌剤としては、アドリアマイシン、アクチノマイシンD、ダウノマイシン、VP−16、および、VM−26(テニポシドまたはエピポドフィロトキシン)が挙げられる。トポイソメラーゼII毒として作用する臨床で用いられている薬物および実験薬物の数に対して、トポイソメラーゼI毒と同定されている物質は、現在のところわずかな限られた数しかない。なかでも最も広範囲にわたり研究されているトポイソメラーゼI毒は、カンプトテシンおよびその構造的に関連する類似体である。トポイソメラーゼI毒として、ビおよびターベンズイミダゾール(terbenzimidazole)(Chen et al., Cancer Res. 1993, 53, 1332-1335;Sun et al., J. Med. Chem. 1995, 38, 3638-3644;Kim et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 992-998)、所定のベンゾ[c]フェナントリジンおよびプロトベルベリンアルカロイド、ならびにそれらの合成類似体(Makhey et al., Med. Chem. Res. 1995, 5, 1-12;Janin et al., J. Med. Chem. 1975, 18, 708-713;Makhey et al., Bioorg. & Med. Chem. 1996, 4, 781-791)、加えて、
真菌の代謝産物であるブルガレイン(Fujii et al., J. Biol. Chem. 1993, 268, 13160-13165)、および、サイントピン(Yamashita et al., Biochemistry 1991, 30, 5838-5845)、および、インドロカルバゾール(Yamashita et al., Biochemistry 1992, 31, 12069-12075)が同定されている。その他のトポイソメラーゼ毒も同定されており、例えば、
所定のベンゾ[i]フェナントリジンおよびシンノリン化合物が挙げられる(LaVoie等,米国特許第6,140,328号およびWO01/32631を参照)。これらの化合物は有用であるが、これらは低い溶解性のために何らかの制限がある。
【0004】
食品医薬品局(F.D.A.)によって承認されたトポイソメラーゼI阻害剤は、カンプトテシン誘導体であり、例えばカンプトサール(CAMPTOSAR(R))(イリノテカン)、および、ハイカムチン(HYCAMTIN(R))(トポテカン)がある。カンプトサール(CAMPTOSAR(R))(イリノテカン)は、結腸または直腸の転移性癌を有する患者にとっての、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンを併用した第一選択の治療の構成要素として適応される。またカンプトサール(CAMPTOSAR(R
))(イリノテカン)は、結腸または直腸の転移性癌を有する患者において、病気が再発したか、または、初期のフルオロウラシルベースの治療後も病気が進行している場合のためにも適応される。SN−38は、よく知られているイリノテカンの活性代謝産物である。ハイカムチン(HYCAMTIN(R))(トポテカン)は再発した小細胞肺癌を有する患者を治療するために適応されるものであり、ここで患者は、以前に完全な、または部分的な応答があり、第一選択の化学療法が終わってから少なくとも45日が経っている。上述したように、これらのカンプトテシン誘導体は低い溶解性という欠点がある。
【0005】
従って、癌に対して治療上有効なカンプトテシンベースではないトポイソメラーゼI阻害剤が必要である。
【0006】
国際特許出願番号PCT/US02/36901は、式I:
【0007】
【化1】

【0008】
で示される化合物を考察しており、これは、トポイソメラーゼ阻害活性を有することが報告されている。式Iで示される化合物は非カンプトテシン誘導体であることから、そのようなものとして、カンプトテシンベースの誘導体が有するある種の短所に煩わされることはない。出願人は、式Iで示される化合物は、ある種の特定のタイプの癌(例えば、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫)に対して特に活性であることを発見した。特に好ましい化合物としては、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;および、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;ならびに、医薬的に許容される塩およびそれらのプロドラッグが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,140,328号
【特許文献2】WO01/32631
【特許文献3】PCT/US02/36901
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Chen et al., Cancer Res. 1993, 53, 1332-1335
【非特許文献2】Sun et al., J. Med. Chem. 1995, 38, 3638-3644
【非特許文献3】Kim et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 992-998
【非特許文献4】Makhey et al., Med. Chem. Res. 1995, 5, 1-12
【非特許文献5】Janin et al., J. Med. Chem. 1975, 18, 708-713
【非特許文献6】Makhey et al., Bioorg. & Med. Chem. 1996, 4, 781-791
【非特許文献7】Fujii et al., J. Biol. Chem. 1993, 268, 13160-13165
【非特許文献8】Yamashita et al., Biochemistry 1991, 30, 5838-5845
【非特許文献9】Yamashita et al., Biochemistry 1992, 31, 12069-12075
【発明の概要】
【0011】
従って、一実施態様において、本発明は、哺乳動物における結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫から選択される癌の治療方法を提供するものであり、本方法は、哺乳動物に、有効量の式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む:
【0012】
【化2】

【0013】
式中:
AおよびBは、独立して、NまたはCHであり;
Wは、NまたはCHであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであるか、または、RおよびRは、一緒になって、=O、=S、=NH、または、=N−Rであり;
YおよびZは、独立して、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、置換された(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイルオキシ、置換された(C〜C)アルカノイルオキシ、−O−P(=O)(OH)、または、−O−C(=O)NRであり;または、YおよびZは、それらが結合している環の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子を有するアルキレンジオキシ環を形成する;
は、1個またはそれより多くの可溶化基で置換された−(C〜C)アルキルであり;
は、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;および、
およびRは、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N’−{(C〜C)アルキル}ピペラジノ、ピロリジノ、または、ピペリジノ環を形成し、この環は、任意に1個またはそれより多くのアリール、ヘテロアリールまたは複素環で置換されていてもよい。
【0014】
本発明はまた、癌(例えば、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫)を治療するのための医薬組成物を提供するものであり、本組成物は、式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ、および、医薬的に許容される賦形剤を含む。具体的な実施態様において、式Iで示される化合物は、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−
5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである。
【0015】
本発明はまた、癌(例えば、(例えば、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫)の予防的治療または治療に使用するための、式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0016】
本発明はまた、哺乳動物における癌(例えば、(例えば、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫)の治療に有用な医薬品を製造するための、式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、化合物2のクエン酸塩で処理したマウス、それに対してHCT−116で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【図2】図2は、化合物2のクエン酸塩(腹腔内;1日おきを3回、これを2サイクル)、または、ドセタキセル(静脈内;1日おきを3回)で処理したマウス、それに対してNCI−H460で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【図3】図3は、化合物2のクエン酸塩(腹腔内)またはイリノテカン(腹腔内)で処理したマウス、それに対してNCI−H460で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【図4】図4は、化合物2のクエン酸塩(腹腔内;1日おきを3回、これを2サイクル)、または、イリノテカン(静脈内;4日に1回を3回)で処理したマウス、それに対してHT−29で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【図5】図5は、化合物2のクエン酸塩で処理したマウス(腹腔内)、それに対してNCI−H460中の比較物質で処理したマウス(腹腔内)の平均腫瘍体積を示す。
【図6】図6は、化合物2のクエン酸塩で処理したマウス、それに対してMDA−MB−231ヒト乳房腫瘍中の比較物質で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【図7】図7は、化合物2のクエン酸塩で処理したマウス、それに対してHCT−116ヒト結腸直腸腫瘍で処理したマウスの平均腫瘍体積を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
特に他の説明がない限り、以下の定義を使用する。
【0019】
「(C〜C)アルキル」は、1個またはそれより多くの炭素原子、例えば1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖状および分岐炭素鎖の両方を意味するが、例えば「プロピル」のように個々のラジカルが述べられる場合は、直鎖ラジカルのみを包含し、例えば「イソプロピル」のような分岐鎖異性体は具体的に述べられる。
【0020】
「置換された(C〜C)アルキル」は、上記で定義されたような式(C〜C)アルキルで示されるアルキル基であって、アルキル鎖中の1個またはそれより多くの(例えば1または2個)の炭素原子が、独立して−O−、−S−およびNR−から選択されるヘテロ原子で置換されているアルキル基(ここでRは、水素またはC〜Cアルキルである)であるか、および/または、アルキル基が、独立してシクロアルキル、置換されたシクロアルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(例えば−COMe)、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(=O)、カルボキシ(COOH)、アリールオキシ、ヘテ
ロアリールオキシ、ヘテロシクロオキシ、ニトロ、および、−NRから選択される1〜5個の置換基で置換されているアルキル基であり、ここでRおよびRは、同一でもよいし、または異なっていてもよく、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および、複素環から選択される。置換された(C〜C)アルキル基の例としては、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、2−カルボキシエチル、ヒドロキシル化されたアルキルアミン、例えば2−ヒドロキシアミノエチルような基および類似の基が挙げられる。具体的な置換された(C〜C)アルキル基は、1個またはそれより多くの式−NRで示される基で置換された(C〜C)アルキル基であり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素を含む複素環を形成する。このような複素環の具体的な例としては、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、または、チオモルホリノが挙げられる。その他の具体的な置換された(C〜C)アルキル基は、1個またはそれより多くの炭素と連結した酸素を含む複素環で置換された(C〜C)アルキル基である。このような酸素を含む複素環の具体的な例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、および、類似の基である。
【0021】
「(C〜C)アルコキシ」は、式(C〜C)アルキル−O−で示される基を意味し、ここで(C〜C)アルキルは本明細書において定義した通りである。具体的なアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ、および、類似の基が挙げられる。
【0022】
「置換された(C〜C)アルコキシ」は、置換された(C〜C)アルキル−O−基を意味し、ここで置換された(C〜C)アルキルは、上記で定義された通りである。置換された(C〜C)アルコキシの例としては、例えば、O−CHCH−NR、O−CHCH−CHR、または、O−CH−CHOH−CH−OHのような基および類似の基が挙げられる。具体的な置換された(C〜C)アルコキシ基は、1個またはそれより多くの式−NRで示される基で置換された(C〜C)アルキルであり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、複素環を形成する。このような複素環の具体的な例としては、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、または、チオモルホリノが挙げられる。その他の具体的な置換された(C〜C)アルコキシ基は、1個またはそれより多くの炭素と連結した酸素を含む複素環で置換された(C〜C)アルコキシ基である。具体的な酸素を含む複素環置換基の具体的な例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、および、類似の基である。このような酸素を含む複素環の具体的な例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、および、類似の基である。
【0023】
「(C〜C)アルカノイルオキシ」としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、イソ−プロパノイルオキシ、n−ブタノイルオキシ、tert−ブタノイルオキシ、sec−ブタノイルオキシ、n−ペンタノイルオキシ、n−ヘキサノイルオキシ、1,2−ジメチルブタノイルオキシ、および、類似の基が挙げられる。
【0024】
「置換された(C〜C)アルカノイルオキシ」は、アルキル鎖中の1個またはそれより多くの(例えば、1または2個の)炭素原子が、独立して−O−、−S−およびNR−から選択されるヘテロ原子で置換されている(C〜C)アルカノイルオキシ基(ここでRは、水素、または、C〜Cアルキルである)であるか、および/または、アルキル基が、独立してシクロアルキル、置換されたシクロアルキル、(C〜C)アルコ
キシカルボニル(例えば、−COMe)、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(=O)、カルボキシ(COOH)、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロオキシ、ニトロ、および、−NRから選択される1〜5個の置換基で置換されている(C〜C)アルカノイルオキシ基であり、ここでRおよびRは、同一でもよいし、または異なっていてもよく、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および、複素環から選択される、(C〜C)アルカノイルオキシ基を意味する。置換された(C〜C)アルカノイルオキシの例としては、例えば、−O−C(=O)CH−NR、および、O−C(=O)−CHOH−CH−OHのような基が挙げられる。具体的な置換された(C〜C)アルカノイルオキシ基は、アルキル基が、1個またはそれより多くの窒素および酸素を含む複素環、例えばピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、および、類似の基で置換されている基である。
【0025】
アリールは、フェニルラジカル、または、約9〜10個の環原子を有するオルト位で融合した二環式炭素環ラジカル(ここで少なくとも1つの環が芳香族である)を意味する。アリールの例としては、フェニル、インデニル、および、ナフチルが挙げられる。
【0026】
ヘテロアリールは、炭素からなる5または6個の環原子、および、それぞれ過酸化物ではない酸素、硫黄およびN(X)(ここでXは存在しないか、または、H、O、(C〜C)アルキル、フェニル、または、ベンジルである)からなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含む単環式芳香環の環炭素を介して結合したラジカル、加えて、それらから誘導された約8〜10個の環原子のオルト位で融合した二環式複素環のラジカル、具体的にはベンズ誘導体、または、それらにプロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレンジラジカルを融合させることによって誘導されたラジカルを包含する。ヘテロアリールの例としては、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル、(またはそのN−酸化物)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN−酸化物)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−酸化物)、および、キノリル(またはそのN−酸化物)が挙げられる。
【0027】
用語「複素環」は、少なくとも1つの環内に、窒素(NR、ここでRは、水素、アルキル、または、複素環基の結合点における直接結合である)、硫黄、リンおよび酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む、1価の飽和、または、部分的に不飽和の環状非芳香族基を意味し、このような基は、単環式でもよいし、または、多環式でもよい。このような複素環基は、好ましくは、3〜10個の原子を含む。複素環基の結合点は、炭素でもよいし、または、窒素原子でもよい。またこの用語は、アリールまたはヘテロアリール基に融合した複素環基も含む(ただし結合点は、非芳香族のヘテロ原子を含む環上に存在する)。代表的な複素環基としては、例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、インドリン−3−イル、2−イミダゾリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、キヌクリジニルなどが挙げられる。
【0028】
「アリールオキシ」は、式:アリール−O−で示される基を意味し、ここでアリールは本明細書において定義した通りである。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、および、1−ナフチルオキシが挙げられる。
【0029】
「ヘテロアリールオキシ」は、式:ヘテロアリール−O−で示される基を意味し、ここでヘテロアリールは本明細書において定義した通りである。ヘテロアリールオキシ基の例としては、3−ピペリジルオキシ、3−フリルオキシ、および、4−イミダゾイルオキシ
が挙げられる。
【0030】
「ヘテロシクロオキシ」は、式:複素環−O−で示される基を意味し、ここで複素環は本明細書において定義した通りである。ヘテロシクロオキシ基の例としては、4−モルホリノオキシ、および、3−テトラヒドロフラニルオキシが挙げられる。
【0031】
「アリールアルキル」は、式:アリール−(C〜C)アルキル−で示される基を意味し、ここでアリールおよび(C〜C)アルキルは本明細書において定義した通りである。
【0032】
「ヘテロアリールアルキル」は、式:ヘテロアリール−(C〜C)アルキル−で示される基を意味し、ここでヘテロアリール、および、(C〜C)アルキルは本明細書において定義した通りである。
【0033】
「ヘテロシクロアルキル」は、式:複素環−(C〜C)アルキル−で示される基を意味し、ここで複素環および(C〜C)アルキルは本明細書において定義した通りである。
【0034】
化合物の「有効量」または「治療上有効な量」は、非毒性であるが、ほとんどの患者または個体に望ましい治療または予防的作用を提供するのに十分な量の化合物を意味する。癌を治療することに関して、非毒性の量とは、必ずしも毒物が用いられないことを意味するわけではなく、許容でき、かつ患者または個体に望ましい治療または予防的作用を提供するのに十分な量を投与することを意味する。有効量の薬理学的に活性な化合物は、投与経路に応じて様々であってよく、加えて、薬物または薬理活性物質が投与される個体の年齢、重量および性別に応じても様々であってよい。本発明の開示の利点を示す当業者であれば、本明細書において異なる投与経路に関してさらに開示された単位用量の範囲内で、代謝、生物学的利用率、および、投与後の化合物の血漿濃度に影響を与えるその他の要因を考慮することによって、適切な有効量を容易に決定することが可能である。
【0035】
「治療」または「〜を治療すること」は、状態、障害または病気の症状を改善する、または、別の方法で有利に変更するあらゆる方式を意味する。本明細書において開示された癌の治療に関して、その癌は、発病した状態でもよいし、再発した状態でもよいし、または、難治性であってもよい。このような状態、障害または病気の完全な根絶は必要ではない。ある特定の障害の症状の改善は、永続的であろうと、または、一時的であろうと、本発明の治療用組成物の投与またはそれに対応する方法および併用療法に起因し得る、または、それに関連し得る症状の何らかの軽減を意味する。治療はまた、本明細書において開示された方法による、本組成物の製薬としての使用も包含する。
【0036】
本明細書で用いられる「哺乳動物」は、ヒトを含む。
【0037】
本明細書で用いられる「プロドラッグ」は、生物系に投与されると、自然発生的な化学反応、酵素が触媒する化学反応、光分解および/または代謝化学反応の結果として、医薬物質、すなわち式Iで示される活性成分を生成するあらゆる化合物、または、それらの塩を意味する。従ってプロドラッグは、改変された類似体、または、治療活性を有する化合物の潜在的な形態である。
【0038】
「可溶化基R」は、式Iで示される化合物の水溶性を、それに対応するR置換基が欠失した化合物と比較して高くする置換基である。可溶化基の例としては、独立して、置換された(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル(例えば、−COMe)、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(=O)、カルボキシ(COOH)、アリ
ールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロオキシ、ニトロ、および、−NRから選択される置換基が挙げられ、ここでRおよびRは、同一でもよいし、または異なっていてもよく、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および、複素環から選択される。
【0039】
具体的なR基の例としては、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、2−カルボキシエチル、ヒドロキシル化されたアルキルアミン、例えば2−ヒドロキシアミノエチルのような基および類似の基が挙げられる。その他の具体的なR基は、式:−NRで示される1またはそれより多くの基で置換された(C〜C)アルキル基であり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素を含む複素環、または、1個またはそれより多くの酸素を含む複素環で置換された(C〜C)アルキル基を形成する。このような複素環の具体的な例としては、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、または、チオモルホリノが挙げられる。さらにその他の具体的なR基は、1個またはそれより多くの炭素と連結した酸素を含む複素環で置換された(C〜C)アルキル基である。このような酸素を含む複素環の具体的な例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、および、類似の基である。
【0040】
以下でラジカル、置換基および範囲に関して列挙される特定の値および具体的な値は、単に説明のためであり、これらは、その他の規定による値、または、ラジカルおよび置換基について規定された範囲内のその他の値を排除するものではない。
【0041】
具体的に言えば、(C〜C)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、または、ヘキシルであってもよい。
【0042】
具体的に言えば、(C〜C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、または、ヘキソキシであってもよい。
【0043】
Aに関する具体的な値は、CHである。
【0044】
Aに関するその他の具体的な値は、Nである。
【0045】
Bに関する具体的な値は、Nである。
【0046】
Bに関するその他の具体的な値は、CHである。
【0047】
Wに関する具体的な値は、Nである。
【0048】
Wに関するその他の具体的な値は、CHである。
【0049】
Yに関する具体的な値は、OHである。
【0050】
Yに関するその他の具体的な値は、(C〜C)アルコキシである。
【0051】
Yに関するその他の具体的な値は、−OCHである。
【0052】
Yに関するその他の具体的な値は、置換された(C〜C)アルコキシである。
【0053】
Yに関するその他の具体的な値は、−OCHCHOHである。
【0054】
Yに関するその他の具体的な値は、−OCHCHOCHCHである。
【0055】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−CH−CHOH−CH−OHである。
【0056】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、水素または(C〜C)アルキルである。
【0057】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0058】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−C(=O)CH−NRである。
【0059】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−C(=O)−CHOH−CH−OHである。
【0060】
Yに関するその他の具体的な値は、1個またはそれより多くのテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、1,4−ジオキサニル環で置換された(C〜C)アルキルである。
【0061】
Yに関するその他の具体的な値は、−O−C(=O)CH−NRである。
【0062】
Zに関する具体的な値は、OHである。
【0063】
Zに関するその他の具体的な値は、(C〜C)アルコキシである。
【0064】
Zに関するその他の具体的な値は、OCHである。
【0065】
Zに関するその他の具体的な値は、置換された(C〜C)アルコキシである。
【0066】
Zに関するその他の具体的な値は、−OCHCHOHである。
【0067】
Zに関するその他の具体的な値は、−OCHCHOCHCHである。
【0068】
Zに関するその他の具体的な値は、−O−CH−CHOH−CH−OHである。
【0069】
Zに関するその他の具体的な値は、−O−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、水素または(C〜C)アルキルである。
【0070】
Zに関するその他の具体的な値は、−O−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0071】
Zに関するその他の具体的な値は、−O−C(=O)−CHOH−CH−OHである。
【0072】
Zに関するその他の具体的な値は、1個またはそれより多くのテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、1,4−ジオキサニル環で置換された(C〜C)アルキルである。
【0073】
Zに関するその他の具体的な値は、−O−C(=O)CH−NRである。
【0074】
およびRに関する具体的な値は、Hである。
【0075】
およびRに関するその他の具体的な値は、一緒になって、=Oである。
【0076】
に関するその他の具体的な値、および、Rは、一緒になって、=Sである。
【0077】
に関するその他の具体的な値、および、Rは、一緒になって、=NHである。
【0078】
に関するその他の具体的な値、および、Rは、一緒になって、=N−Rである。
【0079】
に関するその他の具体的な値、および、Rは、一緒になって、=N−Rであり、ここでRは、(C〜C)アルキルである。
【0080】
に関するその他の具体的な値、および、Rは、一緒になって、=N−Rであり、ここでRは、置換された(C〜C)アルキルである。
【0081】
に関するその他の具体的な値は、Hであり、Rは、(C〜C)アルキルである。
【0082】
に関するその他の具体的な値は、Hであり、Rは、置換された(C〜C)アルキルである。
【0083】
に関するその他の具体的な値は、(C〜C)アルキルであり、Rは、置換された(C〜C)アルキルである。
【0084】
およびRに関するその他の具体的な値は、置換された(C〜C)アルキルである。Rに関する具体的な値は、2−ヒドロキシエチルである。
【0085】
に関するその他の具体的な値は、2−アミノエチルである。
【0086】
に関するその他の具体的な値は、2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチルである。
【0087】
に関するその他の具体的な値は、2−(N,N’−ジエチルアミノ)エチルである。
【0088】
に関するその他の具体的な値は、式:−CH−CH−N(−CH−CH−OH)で示される2−(N,N’−ジエタノールアミノ)エチルである。
【0089】
またはRに関するその他の具体的な値は、1個またはそれより多くのヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、アミノ、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、1,4−ジオキサニル基で置換された(C〜C)アルキルである。
【0090】
またはRに関するその他の具体的な値は、2〜4個の炭素原子を有し、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、アミノ、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、1,4−ジオキサニルから選択される1〜2個の基で置換された(C〜C)アルキルである。
【0091】
またはRに関するその他の具体的な値は、−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、水素または(C〜C)アルキルである。
【0092】
またはRに関するその他の具体的な値は、−CHCH−NRであり、ここでRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペラジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0093】
具体的な式(I)で示される化合物は、11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,11−トリアザクリセン−12−オンという化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである。
【0094】
具体的な式Iで示される化合物は、式IIで示される化合物である:
【0095】
【化3】

【0096】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式IIIで示される化合物である:
【0097】
【化4】

【0098】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式IVで示される化合物である:
【0099】
【化5】

【0100】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式Vで示される化合物である:
【0101】
【化6】

【0102】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式VIで示される化合物である:
【0103】
【化7】

【0104】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式VIIで示される化合物である:
【0105】
【化8】

【0106】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式VIIIで示される化合物である:
【0107】
【化9】

【0108】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、式IXで示される化合物である:
【0109】
【化10】

【0110】
式Iで示されるその他の具体的な化合物は、医薬的に許容される塩としての上記の式II〜IXで示される化合物のいずれかである。癌(例えば、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、乳癌、および、多発性骨髄腫)を治療する方法に有用な具体的な化合物、および、それに対応する本発明の開示の医薬組成物としては、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;および、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;および、医薬的に許容される塩およびそれらのプロドラッグが挙げられる。結腸癌細胞および多発性骨髄腫の細胞に対して特に活性であることが見出された具体的な式Iで示される化合物は、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン(2);または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである。
【0111】
本発明の一実施態様において、癌は、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、子宮頚癌、乳癌、または、多発性骨髄腫である。
【0112】
本発明の一実施態様において、癌は、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、または、結腸直腸癌である。
【0113】
本発明の一実施態様において、癌は、非小細胞肺癌、黒色腫、肺癌、または、腎臓癌である。
【0114】
本発明の一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、子宮頚癌、または、乳癌である。
【0115】
式Iで示される化合物は、国際特許出願番号PCT/US02/36901で説明されているようにして製造してもよい(これらの全内容は、参照により本明細書に包含させる
)。
【0116】
化合物が、安定な非毒性お酸性塩または塩基性塩を形成するのに十分な塩基性または酸性を有する場合において、本化合物の塩としての投与も適切である可能性がある。医薬的に許容される塩の例は、生理学的に許容できるアニオンを形成する酸と形成された有機酸付加塩であり、例えばトシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、および、α−グリセロリン酸塩である。また適切な無機塩が形成されてもよく、このような塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、および、炭酸塩が挙げられる。
【0117】
医薬的に許容される塩は当業界公知の標準的手法を用いて得てもよく、例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を、生理学的に許容できるアニオンを提供する適切な酸と反応させることによって得てもよい。また、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウムもしくはリチウム、または、アルカリ土類金属の塩、例えばカルシウムのカルボン酸塩を製造することもできる。
【0118】
本発明の開示の組成物は、1個またはそれより多くの医薬的に許容されるキャリアーまたは賦形剤を用いた従来の方式で製剤化してもよい。医薬的に許容されるキャリアーは、当業界でよく知られているあらゆるキャリアーが可能であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(マック・パブリッシング社(Mack Publishing Co.),A.R.Gennaro編集,1985)で説明されているものが挙げられる。本明細書において開示された化合物の医薬組成物は、例えば少なくとも1つの本明細書において開示された化合物を医薬的に許容されるキャリアーと混合することを含む当業界でよく知られている従来の手段によって製造してもよい。
【0119】
また本明細書において開示された化合物は、当業者によく知られている方法に従って、持続送達用に製剤化してもよい。このような調合物の例は、米国特許第3,119,742号、3,492,397号、3,538,214号、4,060,598号、および、4,173,626号に見出すことができる。
【0120】
従って、本開示の活性化合物は、経口、頬側、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)、直腸内投与用に、吸入または通気による投与に適した形態で製剤化してもよいし、または、活性化合物は、局所投与用に製剤化されてもよい。
【0121】
従って、本発明の化合物は、不活性希釈剤または消化可能な食用のキャリアーのような医薬的に許容される媒体と組み合わせて、例えば経口的に全身投与してもよい。これらは、ハードまたはソフトシェルゼラチンカプセル内に封入させてもよいし、錠剤に圧縮してもよいし、または、患者の食事の食物中に直接含ませてもよい。経口による治療的投与の場合、活性化合物は1種またはそれより多くの賦形剤と組み合わせてもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェーハなどの形態で用いてもよい。このような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むと予想される。組成物および製剤のパーセンテージは当然ながら様々であってよく、都合のよい形態としては、所定の1回投与量の質量の約2〜約60%であり得る。このような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な用量レベルが達成されると予想されるような量である。
【0122】
このような錠剤、トローチ、丸剤、カプセルなどはまた、以下のものを含んでいてもよい:結合剤、例えばトラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、または、ゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、馬鈴薯デンプン、
アルギン酸など;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および、甘味剤、例えばスクロース、フルクトース、ラクトース、または、アスパルテーム、または、矯味矯臭剤、例えばペパーミント、ウインターグリーン油、または、サクランボ香料が添加されてもよい。1回投与量がカプセルである場合、カプセルは、上記のタイプの材料に加えて、液体キャリアー、例えば植物油、または、ポリエチレングリコールを含んでいてもよい。様々なその他の材料は、コーティングとして存在していてもよいし、または、別の方法で固体の1回投与量の物理的形状を改変するためにして存在していてもよい。例えば錠剤、丸剤またはカプセルは、ゼラチン、ワックス、セラックまたは糖などでコーティングされていてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてスクロースまたはフルクトース、保存剤としてメチルおよびプロピルパラベン、色素、および、香料、例えばサクランボまたはオレンジ風味相乗剤を含んでいてもよい。当然ながら、あらゆる1回投与量の製造で用いられる全ての材料が医薬的に許容されるものであり、用いられる量において実質的に非毒性であると予想される。加えて活性化合物は、持続放出性製剤および装置に包含されていてもよい。
【0123】
また活性化合物は、輸液または注射によって静脈内投与してもよいし、または、腹腔内投与してもよい。活性化合物またはその塩の溶液は、任意に非毒性界面活性剤と混合して水で製造することができる。また分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、および、それらの混合物中で製造することもでき、油中で製造することもできる。通常の貯蔵および使用状態下で、これらの製剤は、微生物の増殖を予防するために保存剤を含む。
【0124】
注射または輸液に適した製薬の投薬形態は、滅菌水溶液または分散液を含んでいてもよいし、または、滅菌された注射用または不溶解性の溶液または分散液の即時調整に適した活性成分を含む滅菌粉末を含んでいてもよいく、これらは任意にリポソーム中にカプセル封入されていてもよい。いずれの場合においても、最終的な投薬形態は、滅菌されており、流体であり、かつ製造および貯蔵条件下で安定でなければならない。液体キャリアーまたは媒体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステルおよび適切なそれらの混合物を含む、溶媒または液体分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、分散媒の場合は要求される粒度の維持、または、界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の予防は、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗菌剤および抗真菌剤によって達成することができる、。多くの場合において、等張剤、例えば、糖類、緩衝液、または、塩化ナトリウムを含むことが好ましいと予想される。注射用組成物の持続的な吸収は、組成物中に、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収を遅らせる物質を使用することによって達成することができる。
【0125】
滅菌注射用溶液は、上記で列挙された様々なその他の成分と共に、適切な溶媒中に活性化合物を必要な量で取り込み、必要に応じてその後フィルター滅菌することによって製造される。滅菌注射用溶液を調整するための滅菌粉末の場合、特別な製造方法として真空乾燥および凍結乾燥技術があり、それにより、活性成分に加えて、予め滅菌ろ過した溶液中に存在するあらゆる追加の望ましい成分を含む粉末が得られる。
【0126】
局所投与の場合、本発明の化合物は、純粋な形態で、すなわちそれらが液状のときに適用してもよい。しかしながら、それらを皮膚に投与する場合は、一般的には、皮膚科学的に許容できるキャリアーと組み合わせた組成物または調合物として投与することが望ましいと予想され、このようなキャリアーは、固体または液体のどちらでもよい。
【0127】
有用な固形キャリアーとしては、微粉化した固体、例えばタルク、粘土、微結晶性セル
ロース、シリカ、アルミナなどが挙げられる。有用な液体キャリアーとしては、任意に非毒性の界面活性剤を用いて、本発明の化合物を、有効なレベルで溶解または分散させることができる、水、アルコール、または、グリコール、または、水−アルコール/グリコールのブレンドが挙げられる。特性を指定された使用に最適化するために、芳香剤のようなアジュバントおよび追加の抗菌剤を添加してもよい。得られた液体組成物を、包帯およびその他の包帯剤に染み込ませるのに用いられる吸収性パッドから適用してもよく、または、罹患した領域にポンプ型の装置またはエアロゾルスプレー装置を用いて噴霧させてもよい。
【0128】
また、液体キャリアーと共に、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩およびエステル、脂肪族アルコール、変性セルロース、または、改変された無機材料のような増粘剤を用いて、使用者の皮膚に直接適用するための塗り広げられるペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成するとができる。
【0129】
皮膚に式Iで示される化合物を送達するのに用いることができる有用な皮膚用組成物の例は当分野で知られている;例えば、Jacquet等(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smith等(米国特許第4,559,157号)、および、Wortzman(米国特許第4,820,508号)を参照。
【0130】
式Iで示される化合物の有用な投与量は、動物モデルでそれらのインビトロでの活性およびインビボでの活性を比較することによって決定することができる。マウスおよびその他の動物における有効投与量からヒトの有効投与量を推測する方法は当分野で知られている;例えば、米国特許第4,938,949号を参照。
【0131】
一般的に、例えばローションのような液体組成物中の式Iで示される化合物の濃度は、約0.1〜25質量%と予想され、好ましくは約0.5〜10質量%である。例えばゲルまたは粉末のような半固体または固体組成物における濃度は、約0.1〜5質量%と予想され、好ましくは約0.5〜2.5質量%である。
【0132】
本化合物またはそれらの活性な塩もしくは誘導体の治療に使用するのに必要な量は、選択された具体的な塩だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、ならびに患者の年齢および状態に応じて様々であると予想され、最終的には担当の医師または臨床家の裁量であると予想される。
【0133】
しかしながら、適切な用量は、一般的には、1日あたり約0.5〜約100mg/kg、例えば、約10〜約75mg/kg体重の範囲であると予想され、例えば1日あたり受容者の体重1キログラムあたり3〜約50mgであり、好ましくは6〜90mg/kg/日の範囲であり、最も好ましくは15〜60mg/kg/日の範囲である。
【0134】
本化合物は、都合のよい形態としては1回投与量で投与してもよく、1回投与量あたり、例えば5〜1000mg、都合のよい形態としては10〜750mg、最も都合のよい形態としては50〜500mgの活性成分を含む。理想的には、活性成分は、約0.5〜約75μM、好ましくは約1〜50μM、最も好ましくは約2〜約30μMの活性化合物のピークの血漿濃度が達成されるように投与されると予想される。これは、例えば、任意に食塩水中において活性成分が0.05〜5%の溶液を静脈注射することによって達成してもよいし、または、活性成分が約1〜100mg含まれるボーラスとして経口投与してもよい。望ましい血中濃度は、約0.01〜5.0mg/kg/時間を提供することができる持続点滴によって維持してもよいし、または、約0.4〜15mg/kgの活性成分を含む断続的な輸液によって維持してもよい。
【0135】
望ましい用量は、都合のよい形態として単回投与中に含まれていてもよいし、または、適切なインターバルで数回に分けた用量として投与してもよく、例えば、1日あたり2回、3回、4回またはそれよりも多くの回数分に分割した用量として投与してもよい。分割した用量それ自身がさらに分割される場合もあり、例えば、複数回の不連続な、おおまかに間隔をあけた投与に分けてもよく;例えば注入器からの複数回の吸入にわけてもよいし、または、目に数滴の液滴を適用してもよい。
【0136】
試験A
化合物の癌細胞増殖を阻害する能力を、国立癌研究所(National Cancer Institute)(米国)におけるDTP抗癌剤開発プログラムの60セルのスクリーニング分析を用いて評価した。以下に、この分析の白血病細胞系RPMI−8266、および、結腸癌細胞系HT29、および、HCT116に関する結果を示す。
【0137】
【表1】

【0138】
化合物の癌細胞増殖を阻害する能力はまた、以下の試験Bで説明されているようにして評価することができる。
【0139】
試験B
ヒト腫瘍細胞CFU分析に関して、単分子層として増殖する細胞系、MDA−MB−231、HCT116、HT29、NCI−H460、KB3−1およびKBV−1を、5%ウシ胎児血清(インビトロジェン(Invitrogen)/ギブコ(Gibco),ニューヨーク州グランドアイランド)が補充されたRPMI培地(インビトロジェン/ギブコ,ニューヨーク州グランドアイランド)中で増殖させた。懸濁液中でRPMI−8226細胞系を増殖させた。
【0140】
ヒト腫瘍細胞CFU分析に関して、RPMI−8226細胞を、10%ウシ胎児血清が補充されたDMEM−F12培地中の0.35%寒天中で、10%ウシ胎児血清が補充されたDMEM−F12培地中の0.5%寒天のベース層上に増殖させた。
【0141】
実験のために、ヒト腫瘍細胞(1×10)を、5%または10%ウシ胎児血清が補充された培地中の6ウェルプレートで平板培養した。0.01〜100ナノモルの範囲にわたる濃度で、対数5にわたり対数値が半減するインターバルで化合物を未処理のコントロールウェルと共に試験した。
【0142】
その後の実験の一部のケースにおいて、応答曲線における関心領域に焦点を当てるようにして濃度範囲を絞った。各化合物濃度を二重のウェルで試験した。培養物を、5%二酸化炭素を含む空気の加湿した雰囲気中で、37℃で7〜9日間連続的に化合物に晒した。各実験は、3回の独立した回数で行われた。コロニーを、30個またはそれより多い細胞を含むクラスターと定義した。
【0143】
単層培養の場合、0.41%クリスタルバイオレット、12%エタノールを含む脱イオン水を含む予め配合したクリスタルバイオレット溶液(フィッシャー(Fisher)カタログ番号291−472)で染色することによってコロニーを可視化した。コロニーを可視化するために、培地を取り出した;吸引によって取り出された単分子層をリン酸緩衝
生理食塩水で一回リンスした。3滴のクリスタルバイオレット溶液を各ウェルに添加し、各ウェルの表面がクリスタルバイオレット溶液で覆われるように6ウェルプレートを回転させた。5分間曝露した後、ウェルをリン酸緩衝食塩水で2回リンスし、コロニーを可視化した。
【0144】
各ヒト腫瘍細胞系に関する化合物それぞれのIC50およびIC90値、ならびに95%信頼区間を、上級生物統計学者(Senior Biostatistician)であるXian−Jie Yu(ジェンザイム社の安定性・統計学部門(Stability & Statistics Department,Genzyme Corporation,マサチューセッツ州フラミンガム)によるSASバージョン8.2を用いた非線形回帰分析によって決定した。これらの値を、ナノモル濃度で95%信頼区間の下限および上限と共に平均値として示した。
【0145】
この分析で、以下の化合物1〜4、加えて7−エチル−10−ヒドロキシl−カンプトテシン(SN38、有力なトポイソメラーゼ)、および、トポテカンを評価した。
【0146】
【化11】

【0147】
以下の表で示されるように、化合物1、2、3および4はヒト腫瘍細胞に対する有力な細胞毒性薬であった。これらの化合物に曝露されると、重要な分子標的が有効的に阻害されていることに合致する形で指数関数的な細胞の死滅が起こった。試験された6種全ての化合物について、細胞の50%および90%を死滅させる濃度に容易に達した。以下に、6種の化合物に関するヒト腫瘍細胞のIC50およびIC90値、および、95%信頼区間の上限および下限をナノモル濃度で示す。
【0148】
【表2】

【0149】
【表3】

【0150】
【表4】

【0151】
【表5】

【0152】
以下で説明されているような腫瘍異種移植モデルで代表的な化合物の活性を評価した。
【0153】
HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩
研究の目的:この研究の目的は、HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩および試験化合物の有効性を決定することである。イリノテカンをポジティブコントロールとして利用した。
【0154】
材料および方法
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。ポジティブコントロール物質(イリノテカン)投与溶液を、イリノテカンのストック溶液を適切な体積のD5Wで希釈することによって投与の日ごとに製造した。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0155】
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したHCT−116ヒト結腸腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ4週齢であり、体重は1
8〜20gであった。腫瘍の大きさが220〜235mmになったら(埋め込み後、11日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0156】
用量の投与およびスケジュール:11日目に開始して、8群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、0(媒体コントロール)、1.36、2.72または5.44mg/kg/日(4.1、8.2または16.3mg/m)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で静脈内投与した。その他の8群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、ポジティブコントロールのイリノテカンを、60mg/kg/日の用量で、4日に1回を3回の投与計画で静脈内投与した。
【0157】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0158】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0159】
結果:1.36および2.72mg/kg/日での化合物2のクエン酸塩によって、低い程度および中程度のTGI活性(それぞれT/C=45.0%、および、33.2%)が生じた。第二の評価項目において、低い用量での化合物2のクエン酸塩によって、低いTGD活性(T−C=18日)が生じ、これは、1.6倍のILSに相当する。中程度の用量では、高いTGD活性(TGDは34日以上)が示され、これは2.2倍を超えるILSに相当する。この研究の結論において、62日目でこのマウスの50%が生存していた。高い用量の化合物2のクエン酸塩(5.44mg/kg/日)によって、30%を超える体重減少が起こり、8匹中5匹が毒によって死亡した。
【0160】
イリノテカンは、中程度のTGI活性(T/C%=39.2%)、および、基準に達しない低いTGD活性(T−C=14日)を示し、これは、1.5倍のILSに相当する。この物質は、試験された用量レベルで十分な許容性があった。
【0161】
TGIおよび腫瘍増殖の遅延によって証明されたように、化合物2のクエン酸塩は、HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対して活性を示した。化合物2のクエン酸塩は、コントロールのイリノテカンより優れていた(図1を参照)。
【0162】
NCI−460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩
研究の目的:この研究の目的は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩の有効性を決定することである。ドセタキセルをポジティブコントロールとして利用した。
【0163】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。ポジティブコントロール物質のドセタキセルの重さを量って取り分け、適切な体積のエタノール中に溶解させ、溶液中に一度、適切な体積のクレモフォールELおよび食塩水を添加して、溶液を得た。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0164】
材料および方法
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したNCI−H460ヒト非小細胞腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ4週齢であり、体
重は20〜25gであった。腫瘍の大きさが195〜221mmになったら(埋め込み後、10日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0165】
用量の投与およびスケジュール:10日目に開始して、8群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、0(媒体コントロール)、0.68、1.36または2.72mg/kg(2.0、4.1または1.36mg/m)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で腹腔内投与した。その他の8群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、ドセタキセルを、20mg/kg/日の用量で、1日おきを3回の投与計画で静脈内投与した。
【0166】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0167】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0168】
結果および結論:化合物2のクエン酸塩は、2.72mg/kg/日の用量だけでNCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対して活性を示した。2.72mg/kg/日での化合物2のクエン酸塩は、中程度のTGI活性(T/C=35.1%)、および、高いTGD活性(T−C=24日)を示し、これは2.0倍のILSに一致する。いずれの投与量も十分な許容性を有しており、体重の損失は20%以下であり、毒性による死亡はなかった。
【0169】
ドセタキセルは、ポジティブコントロールとして利用したが、これは、中程度のTGI活性(T/C=22.7%)、および、中程度のTGD活性(T−C=21日間)を示した。20mg/kg/日において、この物質は過剰な体重減少(20%を超える)を引き起こし、25日目に26.4%の最大の体重減少に達した。極端な体重減少にもかかわらず、毒性による死亡はなく、13日以内に動物の体重減少は回復した。
【0170】
この試験化合物は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対して有効であることが証明された。ドセタキセルと比較した場合、化合物2のクエン酸塩は、わずかに優れていることが証明された(図2を参照)。
【0171】
NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルにおける化合物2のクエン酸塩の比較のための投与スケジュールの研究
研究の目的:この研究の目的は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対して3つの投与計画に基づき投与された化合物2のクエン酸塩の有効性を決定することである。イリノテカンをポジティブコントロールとして利用した。
【0172】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。ポジティブコントロール物質のイリノテカンをストック溶液をD5Wで溶かして適切な濃度に調整した。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0173】
材料および方法
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したNCI−H460ヒト非小細胞腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ5週齢であり、体重は22〜25gであった。腫瘍の大きさが207〜219mmになったら(埋め込み後
、10日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0174】
用量の投与およびスケジュール:10日目に開始して、9群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、0(媒体コントロール)、および、2.72mg/kg/日(8.2mg/m/日)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で;3.27mg/kg/日(9.8mg/m/日)の用量で、毎日を5回の投与計画で;または、4.90mg/kg/日(14.7mg/m/日)の用量で、4日に1回を5回の投与計画で腹腔内投与した。その他の9群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、イリノテカンを、60mg/kg/日の用量で、4日に1回を3回、および、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で腹腔内投与した。
【0175】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0176】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0177】
結果および結論:化合物2のクエン酸塩は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対して活性を示した。1週間のうち1日おきを3回を2サイクル、および、毎日を5回の投与計画で投与された化合物2は、中程度のTGI活性(T/C=17.4〜25.8%)、および、高いTGD活性(T−C=29〜42日)を示し、これは、2.5〜3.1倍のILSに相当する。4日に1回を5回のスケジュールで4.90mg/kg/日で投与された化合物2のクエン酸塩以外は、いずれの投与量も許容範囲内であった。この群は、34日目に24.2%の最大の体重減少を示し、これは、実験が終わる時間までに完全には回復しなかった。
【0178】
イリノテカンは、ポジティブコントロールとして利用されたものであり、これは、4日に1回を3回の実験室の標準的なスケジュールで試験され、さらに試験化合物の場合を模擬した1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行うスケジュールで試験された。4日に1回を3回のスケジュールで投与されたイリノテカンは、中程度のTGI活性(T/C=35.8%)、および、中程度のTGD活性(T−C=14日)を示し、これは、1.7倍のILSに相当する。1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行うスケジュールの場合、イリノテカンは、中程度のTGI活性(T/C=19.0%)、および、高いTGD活性(T−C=29日間)を示し、これは、2.5倍のILSに相当する。
【0179】
どちらのスケジュールも、十分な許容性を有していた。
【0180】
TGIおよび腫瘍増殖の遅延によって証明されたように、全ての治療群は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルにおいて優れた抗腫瘍活性を示した。イリノテカンと比較したところ、化合物2のクエン酸塩は、わずかに優れた活性と同等の活性を有していた(図3を参照)。
【0181】
HT−29ヒト結腸腫瘍モデルに対する化合物2のクエン酸塩
研究の目的:この研究の目的は、HT−29ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩およびその他の試験化合物の有効性を決定することである。イリノテカンをポジティブコントロールとして利用した。
【0182】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化
合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。ポジティブコントロール物質のイリノテカンをストック溶液をD5Wで溶かして適切な濃度に調整した。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0183】
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したHT−29ヒト結腸腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ5週齢であり、体重は20〜22gであった。腫瘍の大きさが205〜230mmになったら(埋め込み後、18日目)動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0184】
用量の投与およびスケジュール:18日目に開始して、9群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、および、0(媒体コントロール)、1.36、2.72または4.08mg/kg/日(4.1、8.2、12.2mg/m/日)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で腹腔内投与した。その他の9群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、イリノテカンを、60mg/kg/日の用量で、4日に1回を3回で静脈内投与した。
【0185】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0186】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0187】
結果および結論:化合物2のクエン酸塩は、2.72および4.08mg/kg/日の用量で活性を示した。2.72mg/kg/日で投与された化合物2のクエン酸塩によって、未処理コントロール群と比較したところ、低いTGI活性(T/C=50.1%)および16日のTGDが生じた。この用量によって腫瘍増殖の遅延が生じたが、コントロール群との差は、活性とみなすには実質的に十分ではなかった。4.08mg/kg/日の高い用量によって、中程度のTGI活性(T/C=18.9%)、および、基準に達しない中程度のTGD活性(T−C=31日間)が生じ、これは、1.7倍のILSに相当する。化合物2のクエン酸塩は、試験した用量レベルで十分な許容性を有していた。
【0188】
イリノテカンは低いTGI(T/C=52.7%)を示したが、TGDは観察されなかった。イリノテカンは、試験した用量レベルで十分な許容性を有していた。
【0189】
化合物2のクエン酸塩は、HT−29ヒト結腸異種移植片系に対して有効であった。イリノテカンと比較したところ、化合物2のクエン酸塩は活性の点でわずかに優れていた(図4を参照)。
【0190】
NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩
研究の目的:この研究の目的は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対する化合物2のクエン酸塩の有効性を決定することである。ペメトレキセド、トポテカンおよびシスプラチンをポジティブコントロールとして利用した。
【0191】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。投与1日目に、ペメトレキセドのストックを、食塩水で溶かして調整して、適切なの濃度の投与溶液を得た。投与の日ごとに、トポテカンのバイアルを滅菌注射用水で溶かして調整し、続いて食塩水で適切な濃度に希釈した。投与の日ごとにシスプラチンの重さを量って取
り分け、適切な体積の食塩水中に溶解させた。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0192】
材料および方法
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したNCI−H460ヒト非小細胞腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスをおよそ5〜6週齢、および、体重は22〜25gであった。腫瘍の大きさが248〜270mmになったら(埋め込み後、11日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0193】
用量の投与およびスケジュール:11日目に開始して、8群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、および、0(媒体コントロール)、2.04および2.72mg/kg/日(6.1および8.2mg/mday)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で腹腔内投与し、それに加えて、2.59および3.27mg/kg/日(7.8および9.8mg/m/日)の用量で、毎日を5回の投与計画で腹腔内投与した。追加の8群の雄ヌードマウスに、ペメトレキセドを、100および150mg/kg/日の用量で腹腔内投与し、トポテカンを2および2.5mg/kg/日の用量で腹腔内投与し、シスプラチンを0.75および1.5mg/kg/日の用量で、毎日を5回の投与計画で腹腔内投与した。
【0194】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0195】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0196】
結果および結論:1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で、化合物2のクエン酸塩は、2.04および2.72mg/kg/日で活性であり、低〜中程度のTGI活性(T/C=40.0〜55.2%)、および、高いTGD活性(T−C=24〜31日間)を示し、これは、2.0倍を超えるILSに相当する。2.72mg/kg/日において、この物質は過剰な体重減少(20%を超える)を引き起こし、22日目に22.3%の最大の体重減少に達した。極端な体重減少にもかかわらず、毒性による死亡はなかった。実験の終了時、すなわち53日目には、動物はおよそ12%の体重減少から回復した。53日目に、8匹のうち3匹の動物はまた、研究の評価項目である2000mmを達成していなかった。これらの3匹の動物の平均腫瘍体積は、1583mmであった。
【0197】
毎日を5回の投与計画では、化合物2のクエン酸塩は試験された投与量で活性であり、2.59および3.27mg/kg/日それぞれにおいて中程度のTGI(T/C=30.5%、および、33.5%)を示した。第二の評価項目において、どちらの投与量も高度に活性であり、28日でTGDを示し、これは、2.0倍を超えるILSに相当する。この投与量は、十分な許容性を有し(20%未満の体重損失)、毒性による死亡は起こらなかった。3.27mg/kg/日において、8匹のうち3匹の動物も研究の評価項目である2000mmを達成していなかった。これらの3匹の動物の平均腫瘍体積は、1722mmであった。
【0198】
この研究においてペメトレキセドは活性とはみなされなかった。いずれの投与量も十分な許容性を有し、体重の損失は20%以下であった。この研究においてトポテカンは、30%を超える体重損失を示したことから許容されなかった。シスプラチンだけが高い用量
でも活性であった。この用量では、どちらの評価項目においても低い活性が生じた;いずれの投与量も十分な許容性を有していた。
【0199】
化合物2のクエン酸塩は、NCI−H460ヒト非小細胞肺癌異種移植片モデルに対して有効であることが証明された。標準的な治療と比較したところ、化合物2のクエン酸塩化合物は優れていた。物質間で異なるスケジュールを評価したところ、匹敵する活性を有していた(図5を参照)。
【0200】
MDA−MB−231ヒト乳房腫瘍異種移植片モデルにおける比較物質に対する化合物2のクエン酸塩
研究の目的:この研究の目的は、2つのスケジュールで投与された化合物2のクエン酸塩および試験化合物の、MDA−MB−231ヒト乳房腫瘍異種移植片モデルに対する有効性を決定することである。イリノテカン、nab−パクリタキセル、オキサリプラチン、および、ドキソルビシンをポジティブコントロールとして利用した。
【0201】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:投与の日ごとに、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積のD5W中に溶解させた。イリノテカン投与溶液を、適切な体積のイリノテカンのストック溶液を適切な体積のD5Wに添加することによって製造した。nab−パクリタキセル投与溶液を、適切な量の食塩水を添加することによって製造した。オキサリプラチン投与のためのストック溶液を、適切な体積のオキサリプラチンストックを適切な体積のD5Wに添加することによって製造した。ドキソルビシン投与溶液を、適切な体積のドキソルビシンストックを適切な体積の食塩水に添加することによって製造した。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0202】
材料および方法
異種移植片:雌ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したMDA−MB−231ヒト乳房腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ5〜6週齢であり、体重は22〜25gであった。腫瘍の大きさが223〜263mmになったら(埋め込み後、18日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0203】
用量の投与およびスケジュール:18日目に開始して、8匹の雌ヌード(nu/nu)マウス群に、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、0(食塩水培地コントロール)、0(D5W培地コントロール)、2.04および2.72mg/kg/日(61.2および8.16mg/m/日)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で、および、3.27mg/kg/日の用量で、毎日を5回の投与計画で腹腔内投与した。追加の8群の雄ヌードマウスに、イリノテカンを、60mg/kg/日の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で腹腔内投与し、nab−パクリタキセルを、200および300mg/kg/日の用量で静脈内投与し、オキサリプラチンを、5および6.5mg/kg/日の用量で腹腔内投与し、または、ドキソルビシンを、2.5および3mg/kg/日の用量で、毎日を5回の投与計画で腹腔内投与した。
【0204】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0205】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0206】
結果および結論:1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で、化合物2のクエン酸塩は、2.04および2.72mg/kg/日で活性であり、中程度のTGI活性(T/C=12.5%〜20.9%)を示した。第二の評価項目において、2.04および2.72mg/kg/日においてこの化合物は高度に活性であり、それぞれ52日および58日を超えるTGDを示し、これは、2.0倍を超えるILSに一致する。投与量は十分な許容性を有し、最大の体重損失が7%未満であった。実験の終了時、すなわち90日目には、8匹のうち2匹および8匹のうち4匹の動物はまた、それぞれ2.04および2.72の用量群において研究の評価項目である1500mmを達成していなかった。
【0207】
毎日を5回の投与計画において、3.27mg/kg/日での化合物2のクエン酸塩は、高いTGI活性(T/C=9.5%)および高いTGD活性(T−C=42日)を示し、これは、2.0倍を超えるILSに相当する。この用量は許容できるものであり、最大の体重減少は15.7%であった。90日目には1匹のマウスが生き残った。
【0208】
この研究において、イリノテカンは高いTGI活性(T/C=10%)、および、高いTGD活性(T−C=38日)を示し、これは、2.0倍を超えるILSに相当する。いずれの投与量も十分な許容性を有しており、体重の損失は20%以下であった。
【0209】
どちらの投与量においても、nab−パクリタキセルは、中程度のTGI活性(T−C=14.6〜19.0%)、および、高いTGD活性(T−C=45日間)を示し、それに対応するILSは2.4日であった。200および300mg/kg/日の群において、90日目にそれぞれ8匹のうち1匹および8匹のうち2匹が生き残った。投与量は、十分な許容性を有していた。
【0210】
第一の評価項目においてオキサリプラチンだけが活性であった。どちらの投与量も、低いTGI活性を生じた(T/C=45.1〜47.6%)。13日間の腫瘍増殖の遅延が起こったが、これは、活性みなされるには実質的に十分ではなかった。いずれの投与量も十分な許容性を有していた。
【0211】
この研究においてドキソルビシンは許容されなかった。どちらの投与量においても毒性による死亡があった。
【0212】
化合物2のクエン酸塩は、MDA−MB−231ヒト乳房腫瘍異種移植片モデルに対して有効であることが証明された。標準的な治療と比較したところ、化合物2のクエン酸塩は全ての標準的な物質より優れていた(ただし匹敵する活性を有するイリノテカンは除く)。2種の異なる投与計画における化合物2のクエン酸塩の抗腫瘍活性は類似していた(図6を参照)。
【0213】
HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対する経口投与後の化合物2
研究の目的:この研究の目的は、HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対する化合物2の経口での有効性を決定することである。イリノテカンをポジティブコントロールとして利用した。
【0214】
試験物質およびコントロール物質の調合物の製造:1回/週、試験物質である化合物2のクエン酸塩の重さを量って取り分け、適切な体積の0.5%メトセルロース(methocellulose)に懸濁した。投与の日ごとに、イリノテカン投与溶液を、適切な体積のイリノテカンのストック溶液を適切な体積のD5Wに添加することによって製造した。全ての動物に10mL/kgの用量を投与した。
【0215】
材料および方法
異種移植片:雄ヌード(nu/nu)マウスの腋下領域の皮下に、宿主のヌードマウスの皮下で増殖した腫瘍から回収したのHCT−116ヒト非小細胞腫瘍の切片をトロカールによって埋め込んだ。腫瘍の埋め込みの時点で、このマウスはおよそ7週齢であり、体重は22〜25gであった。腫瘍の大きさが177〜216mmになったら(埋め込み後、14日目)、動物を処理群およびコントロール群の対にした。
【0216】
用量の投与およびスケジュール:14日目に開始して、9群の雄ヌード(nu/nu)マウスに、化合物2のクエン酸塩を、0(未処理コントロール)、0(食塩水培地コントロール)、0(媒体コントロール)、0.68、1.36または2.72mg/kg/日(2.0、4.1または8.2mg/m/日)の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で経口投与し、2.72mg/kg/日の用量で、1週間のうち1日おきを3回を2サイクル行う投与計画で静脈投与した(網脈内投与群は、投与エラーのために評価しなかった)。追加の8群の雄ヌードマウスに、イリノテカンを、60mg/kg/日の用量で、4日に1回を3回行う投与計画で腹腔内投与した。
【0217】
体重:投与の前ごと(単に用量を計算する目的で)、および、週2回、全てのマウスの体重を個々に量った。
【0218】
腫瘍の測定および研究の評価項目:腫瘍の体積を週2回測定した。マウスを、2つの腫瘍増殖の評価項目、すなわりTGI率(T/C%)およびTGD(T−Cの日数)に関して対応するILSと共に評価した。
【0219】
結果および結論:経口投与された化合物2は、1.36および2.72mg/kg/日において低〜中程度の活性を示した。1.36mg/kg/日での投与は低いTGI活性(T/C=57.6%)を示したが、TGDに対する作用はなかった。2.72mg/kg/日において、TGIに関して中程度の活性(T/C=32.2%)、および、低いTGD活性があり(T−C=18日)、これは、1.5倍のILSに相当する。20%未満の体重減少しか示さず、毒性による死亡はなかったことから、投与量は許容できるものであった。
【0220】
イリノテカンは、中程度のTGI活性(T/C=33.8%)、および、中程度のTGD(T−Cは18日以上)を示し、これは、1.5倍を超えるILSに相当する。実験の終了時、すなわち53日目に、9匹のうち8匹の動物が生き残り(平均腫瘍体積=1153mm)、正確なTGDを決定することができなかった。10%未満の体重損失しか生じなかったため、この用量は十分な許容性を有していた。
【0221】
1.36および2.72mg/kg/日で化合物2を経口投与したところ、HCT−116ヒト結腸腫瘍異種移植片モデルに対して有効であることが証明された。これらの投与量は活性であるにもかかわらず、イリノテカンは、わずかに優れた活性を有することが証明された(図7を参照)。
【0222】
試験C:インビトロでの一次的な薬力学的な研究
RPMI8226(多発性骨髄腫)ヒト腫瘍細胞系を化合物2(遊離塩基)(またはここでは全体を通して単に「化合物2」と称する)に4対数の範囲を含むの濃度で(0.1nM〜100nM)晒し、ここで曝露時間は72時間であり、細胞増殖阻害の実験評価項目は、ATP含量に関するセル・タイターグロー(Cell TiterGlo)発光分析(プロメガ(Promega))によって決定した。少なくとも2回の独立した実験を行った。結果をプロットし、傾向線をグラフ化した。IC50濃度値は、3.4nMであることがわかり、IC90濃度値は、30nMであることがわかった。この細胞培養研究
において、化合物2のクエン酸塩を用いた場合のように、化合物2は、これらのヒト腫瘍細胞の有力な増殖阻害剤であることがわかった。化合物2へ曝露することによって、重要な分子標的が有効的に阻害されていることに合致する形で指数関数的な細胞の死滅が起こった。
【0223】
試験D:インビボでの一次的な薬力学的な研究
様々なヒト腫瘍異種移植片モデルに対する化合物2(遊離塩基)の抗腫瘍活性を評価した。以下に、腫瘍の種類、用量および投与、増殖阻害、および、主要な発見などを含む研究のまとめを示す。
【0224】
【表6】

【0225】
【表7】

【0226】
【表8】

【0227】
代表的な式Iで示される化合物が、国際特許出願番号PCT/US02/36901の実施例で説明されているようにして製造してもよく、以下でそれを再現した。
【0228】
【化12】

【0229】
実施例1.11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン(E)。4−N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−(2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミン−6,7−メチレンジオキシシンノリン(D、220mg,0.40mmol)、Pd(OAc)(18.0mg,0.08mmol)、P(o−トリル)(48.8mg,0.16mmol)、および、炭酸銀(225mg,0.80mmol)の混合物を、DMF(12mL)中で加熱還流し、窒素下で75分間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈し、セライトのろ過床でろ過した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物を、95:5のクロロホルム:メタノールを用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、表題の化合物を36%の収率で得た(60mg); 1H NMR (CDCl3) δ 2.42(s, 6H), 3.04(t, 2H, J=7.2 Hz), 4.08(s, 3H), 4.17(s, 3H), 4.64(t, 2H, J=7.2 Hz), 6.25(s, 2H), 7.81(s, 1H), 7.84(s, 1H), 8.07(s, 1H), 8.65(s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 45.9, 47.4, 56.4, 56.7, 57.7, 99.4, 102.8, 104.3, 106.6, 107.9, 113.7, 119.6, 129.1, 131.0, 134.4, 149.4, 150.2, 151.5, 154.4, 163.1; HRMS C22H22O5N4Hの計算値: 423.1668; 実測値 423.1653。
【0230】
中間体4−N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−(2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミン−6,7−メチレンジオキシシンノリン(D)を以下のように製造した:
a.4−N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−(2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミン−6,7−メチレンジオキシシンノリン(D)。塩化メチレン中の塩化オキサリルの2.0M溶液(5mL,10.0mmol)を、無水塩化メチレン(45mL)中の2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸(1.50g、4.8mmol)の溶液に添加し、撹拌した混合物を2時間還流した。続いてこの混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮した。この残留物に塩化メチレン(60mL)中のN−(2−ジメチルアミノエチル)−4−アミノ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(3、1.0g,3.84mmol)、および、トリエチルアミン(760mg,7.52mmol)の溶液を添加し
、得られた混合物を窒素下で還流しながら4時間撹拌し、続いて室温に冷却し、一晩撹拌し続けた。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(3×40mL)で洗浄し、乾燥させ(無水MgSO)、真空中で濃縮した。粗生成物を90:10のクロロホルム:メタノールを用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけ、化合物Dを75%の収率で得た(1.59g); 1H NMR (CDCl3) δ 2.27(s, 6H), 2.53(m, 2H), 3.43(s, 3H), 3.75(s, 3H), 3.97(m, 1H), 4.44(m, 1H), 6.24(s, 1H), 6.25(s, 1H), 6.43(s, 1H), 7.02(s, 1H), 7.43(s, 1H), 7.68(s, 1H), 9.18(s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 45.5, 47.1, 55.7, 56.1, 56.7, 82.8, 96.7, 102.9, 105.4, 110.6, 121.9, 123.2, 133.1, 136.0, 144.8, 148.2, 149.9, 150.9, 151.7, 152.4, 169.8; HRMS C22H23O5N4IHの計算値: 551.0791; 実測値 551.0795。
【0231】
b.N−(2−ジメチルアミノエチル)−4−アミノ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(C)。N,N−ジメチルエチレンジアミン(3.75g,42.6mmol)中の4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(350mg,1.7mmol)、および、銅粉末(100mg,1.6mmol)を、105℃、窒素下で3時間撹拌した。過量のN,N−ジメチルエチレンジアミンを回転蒸発させることによって除去し、残留物を、クロロホルム(50mL)に溶解させ、水で洗浄し(3×30mL)、乾燥させ(無水MgSO)、真空中で濃縮し、化合物Cを74%の収率で得た(324mg); 1H NMR (CDCl3) δ 2.33 (s, 6H), 2.70 (t, 2H), 3.38 (dt, 2H), 6.15 (s, 2H), 7.03 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.53 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 39.5, 45.1, 57.0, 94.7, 102.1, 105.3, 112.7, 128.8, 139.8, 147.8, 149.5, 150.7; HRMS C13H16O2N4の計算値: 260.1273; 実測値 260.1267。
【0232】
c.4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(B)。4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(A、1.0g,5.3mmol)を、五塩化リン(1.4g,6.7mmol)、および、オキシ塩化リン(4mL,6.6mmol)の撹拌した混合物に室温で少量ずつ添加した。反応フラスコを80℃で1時間加熱し、続いて室温に冷却し、50gの砕いた氷上に注いだ。この溶液を固体酢酸ナトリウムで中和させた後、沈殿をろ過によって除去し、エタノールから再結晶させ、800mgの4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン、化合物Bを73%の収率で得た; 1H NMR (CDCl3) δ 6.25 (s, 2H), 7.39 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 9.14 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 97.8, 102.9, 105.1, 124.2, 133.4, 144.0, 150.0, 152.3, 152.7; HRMS C9H5O2N2Clの
計算値: 208.0040; 実測値 208.0042。
【0233】
d.4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(A)。濃塩酸(92mL)および水(13mL)中の6’−アミノ−3’,4’−(メチレンジオキシ)アセトフェノン(2.4g,13.4mmol)を−5℃に冷却し、水(4mL)中の亜硝酸ナトリウム(0.925g,13.4mmol)溶液を一滴ずつ添加することによってジアゾ化した。−5℃でさらに1時間撹拌した後、この混合物を75℃で予熱した槽に移し、この温度で一晩そのまま撹拌し続けた。この反応混合物を5℃に冷却し、生成物をその塩酸塩の形態で完全に結晶化させた。この物質をろ過し、続いて10%NaOH水溶液(100mL)に添加したところ、遊離塩基が生成し、これを再度ろ過し、真空中で乾燥させ、2.37gのヒドロキシシンノリン、化合物1を93%の収率で得た;1H NMR (d6-DMSO)
δ 6.21(s, 2H), 6.97 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.63 (s, 1H); 13C NMR (d6-DMSO) δ 94.9, 100.29, 103.3, 120.1, 139.7, 139.9, 147.4, 153.5, 169.4; HRMS C9H6O3N2の計算値: 190.0378; 実測値 190.0372。
【0234】
実施例2〜6
実施例2〜6で代表的な本発明の化合物を以下の一般的な方法を用いて、以下の対応させて番号付けした下位パートで製造された中間体から製造した。
【0235】
必須の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシシンノリンo−ヨードベンズアミド誘導体(1.0mmol当量)、Pd(OAc)(0.2mmol当量)、P(o−トリル)(0.4mmol当量)、および、AgCO(2.0mmol当量)の混合物を、DMF(30mL/mmol当量)中で撹拌しながら加熱還流した。この反応混合物をそのまま室温に冷却させ、CHClで希釈し、セライトを通過させてろ過した。セライト(sicciate)をCHCl中の10%CHOHで徹底的に洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、残留物をクロロホルム:メタノールを用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、表題の化合物を得た。
【0236】
実施例2:2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジエチルアミノ)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−(N,N−ジエチルアミノエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド(578mg,1.0mmol)から製造した;(18%収率);反応時間25分;融点245〜247℃(度);IR(CHCl)1652; 1H NMR (CDCl3) δ 1.08 (t, 6H, J=7.0), 2.67 (q, 4H, J=7.0), 3.14 (t, 2H, J=7.1), 4.08 (s, 3H), 4.17 (s, 3H), 4.64 (t, 2H, J=7.1), 6.25 (s, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.63 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3)
δ 11.8, 47.7, 48.0, 51.5, 56.4, 56.6, 99.7, 102.7, 104.3, 106.4, 108.0, 113.7,
119.7, 129.1, 131.1, 134.4, 149.4, 150.3, 151.2, 151.5, 154.4, 163.2; HRMS C24H26O5N4Hの計算値: 451.1952; 実測値: 451.1960。
【0237】
実施例3:2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド(100mg,0.18mmol)から製造した;(28%収率);反応時間2時間;融点235〜36℃;IR(KBr)1659: 1H NMR (CDCl3) δ 1.93 (d, 3H, J=8.2), 1.97 (s, 3H), 2.74 (dd, 1H, J=5.8,13.6), 3.27 (dd, 1H, J=7.4,12.8), 4.07 (s, 3H), 4.15 (s, 3H), 4.80 (m, 1H), 6.24 (s,2H), 7.74 (s,1H), 7.81 (s,1H), 8.57 (s,1H); 13C (CDCl3) δ 19.4, 45.6, 56.3, 58.6, 63.0, 99.0, 102.6, 104.1, 106.2, 107.9, 114.2, 120.8, 125.6, 128.6, 131.0, 132.5, 132.8, 135.1, 149.2, 150.3, 150.6, 151.3, 154.2, 164.0; HRMS C23H24N4O5Hの計算値: 436.1747; 実測値 436.1832。
【0238】
実施例4:2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−(2−テトラヒドロフラニル)メチル−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド(140mg,0.25mmol)から製造した;(22%収率);反応時間45分;融点300〜303℃(度);IR(CHCl)1653; 1H NMR (CDCl3) δ 1.79 (m, 1H), 2.00 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 3.87 (m, 2H), 4.09 (s, 3H), 4.18 (s, 3H), 4.65 (m, 3H), 6.25 (s, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.63 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.7, 30.8, 53.0, 56.4, 56.7, 68.4, 77.8, 100.0, 102.7, 104.3, 106.3, 108.0, 114.1, 119.7, 129.1, 131.4, 134.5, 149.5, 150.2, 150.8, 151.4, 154.4, 163.7; HRMS C23H21O6N3の計算値: 435.1430; 実測値: 435.1427。
【0239】
実施例5:2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン:これは、反応時間30分で、N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[(2−ピロリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミ
ド(150mg,0.2mmol)から製造した(24%収率);融点229℃;IR(KBr)1644; 1H NMR (CDCl3) δ 1.83 (m, 4H), 2.71 (m, 4H), 3.23 (t, 2H, J = 7), 4.06 (s, 3H), 4.61 (s, 3H), 4.63 (t, 2H, J = 7), 6.23 (s, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.80 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 23.7, 54.0, 54.2, 56.3, 56.6, 99.4, 102.7, 104.2, 106.3, 107.7, 113.5, 119.4, 129.0, 134.1, 140.2, 150.2, 151.4, 154.3, 154.3, 163.0; HRMS C24H24N4O5Hの計算値: 449.1825; 実測値 449.1822。
【0240】
実施例6:2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシ−4−シノリン−4−イル)−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド(295mg,0.5mmol)から製造した;(32.4%収率);反応時間30分;融点294〜95℃;IR(KBr)1662; 1HNMR (CDCl3) δ 1.59 (s, 6H), 2.51 (s, 4H), 3.02 (t, 2H, J=6.6), 4.08 (s, 3H), 4.17 (s, 3H), 4.64 (t, 2H, J= 6.6), 6.26 (s, 2H), 7.81 (s,1H), 7.85 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.65 (s, 1H); 13C (CDCl3) δ 24.3, 26.0, 47.5, 55.0, 56.3, 56.6, 57.4, 99.9, 102.7, 104.2, 106.3, 107.9, 113.7, 119.6, 129.0, 131.1, 134.3, 149.3, 150.2, 151.1, 151.4, 154.3, 163.1; HRMS C25H26N4O5H の計算値463.1981 ; 実測値 463.1986。
【0241】
実施例2.a〜6.a
実施例2〜6で用いられた中間体4−アミノ−6,7−メチレンジオキシシンノリンo−ヨードベンズアミド誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0242】
CHCl中の塩化オキサリルの2.0M溶液(1.3当量)を、無水CHCl(安息香酸10mmolあたり約60mL)中の2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸(1.0当量)の溶液に添加し、この溶液を還流下で3時間撹拌した。この混合物をそのまま冷却させ、続いて乾燥するまで真空中で濃縮した。残留物に、CHCl(アミノキノリン4mmolあたり約60mL)中の必須の4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン(1.0当量)、トリエチルアミン(2当量)の溶液を添加した。続いてこの反応混合物を、窒素下で、還流下で、撹拌した。この反応混合物を冷却し、飽和NaHCOで洗浄し、3%HClで抽出した。水層を20%NaOHで中和し、CHClで抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。
【0243】
実施例2.a:N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−(N,N−ジエチルアミノエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド:これは、N’−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(640mg,2.2mmol)から製造した;(87%収率);反応時間16時間;IR(CHCl)1656; 1H NMR (CDCl3) δ 0.92 (t, 6H, J=7.0), 2.50 (q, 4H, J=7.0), 2.80 (t, 2H, J=6.8), 3.39 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.94 (m,
1H), 4.41 (m, 1H), 6.21 (d, 2H, J=1.4), 6.39 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 9.11 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 11.6, 46.9, 47.8, 51.1, 55.7, 56.1, 82.9, 96.9, 102.9, 105.5, 110.9, 122.1, 122.9, 133.0, 136.5, 144.9, 148.3,
150.1, 150.9, 151.7, 152.3, 169.8; HRMS C24H27O5N4IHの計算値: 579.1105; 実測値:
579.1105。
【0244】
実施例3.a:N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド:これは、N−(6,7−ジフルオロシンノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,2−ジアミン(240mg,0.87mmol)から製造した;(83%収率);反応時間16時間、融点110〜111℃;1H NMR (CDCl3)は、アトロ
プ異性体の混合物であった:δ異性体番号1 1.03〜1.36 (m, 3H), 2.21-2.37 (m, 6H), 2.74-3.07 (m, 1H), 3.43-3.65 (m, 6H), 3.84-3.91 (m, 1H), 5.15 (m, 1H), 6.18 (s, 2H), 6.59 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 9.34 (s, 1H) 異性体
番号2 1.03-1.36 (m, 3H), 2.31-2.37 (m, 6H), 2.74-3.07 (m, 1H), 3.43-3.65 (m, 6H), 3.84-3.91 (m,1H), 5.15 (m, 1H), 6.18 (s, 2H), 6.59 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 7.56
(s, 1H), 8.04 (s, 1H), 9.34 (s, 1H); HRMS C23H25O5N4IHの計算値: 565.0870; 実測
値: 565.0926。
【0245】
実施例4.a:N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド:これは、2−[[[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]メチル]テトラヒドロフラン(400mg,1.5mmol)から製造した;(34%収率);反応時間16時間;;IR(CHCl)1654;1H NMR, アトロプ異
性体の混合物(CDCl3) δ異性体番号1 1.94 (m, 4H), 3.70 (m, 4H), 3.73 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 4.34 (m, 1H) 6.23 (s, 2H), 7.00 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 9.31 (s, 1H), 異性体番号2 1.94 (m, 4H), 3.70 (m, 4H), 3.73 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 4.34 (m, 1H) 6.46 (s, 2H), 7.36 (s, H), 7.49 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 9.17 (s, 1H); HRMS C23H22O6N3IHの計算値: 564.0632; 実測値: 564.0650。
【0246】
実施例5.a:N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N−[(2−ピロリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド:これは、1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]エチルピロリジン(400mg,0.4mmol)から、4.1mmolの塩化オキサリル、および、1.6mmolの2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から50℃で4時間の反応時間で42%収率で製造した。化合物8fは、以下の通り:IR(KBr)1655; 1H NMR (CDCl3) δ 1.60 (m, 4H), 2.40 (m, 4H), 2.67 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 4.32 (m, 1H), 6.11 (d, 2H, J = 2.2),6.32 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.50 (s 1H), 9.04 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 23.6, 29.7, 47.6, 52.9, 53.9, 55.7, 56.0, 56.4, 82.8, 96.7, 102.9, 105.4, 110.6, 121.9, 123.1, 132.8, 135.9, 144.7, 148.2, 149.9, 150.9, 151.7, 152.4, 169.9。
【0247】
実施例6.a:N−(6,7−メチレンジオキシ−4−シノリン−4−イル)−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド:これは、1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]エチルピペリジン(500mg,1.66mmol)から製造した;(85.4%収率);反応時間は50℃で一晩。融点93〜94℃;IR(KBr)1655; 1HNMR (CDCl3) δ 1.43 (m, 6H), 2.35 (m, 4H), 2.50-2.71 (m, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.78-3.93 (m, 1H), 4.32.4.42 (m, 1H), 6.22 (d, 2H, J = 1.6), 6.42 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 9.19 (s, 1H); 13C (CDCl3) δ 24.3, 25.9, 46.0, 46.4, 54.5, 55.6, 56.0, 56.4, 82.9, 97.0, 102.8, 105.3, 110.8, 122.0, 113.7, 123.2, 133.1, 136.3, 145.0, 148.2, 149.9, 150.8, 151.6, 152.1, 169.8 HRMS C23H25IN4O5Hの計算値: 591.1105; 実測値 591.1108。
【0248】
実施例2.b〜6.b
実施例2.a〜6.aで用いられた中間体4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0249】
適切な第一アミン(1.0mol当量)を撹拌しながら4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリンに添加した(上記の実施例1を参照)。続いてこの反応液をそのまま
100℃で数時間撹拌し、クーゲルロール蒸留装置によってフェノールを減圧下で除去した。残留物をCHClと10%NaOHとの間で分配した。水層を、CHClで再度分離した。全てのCHCl溶液(最初に分配された部分および抽出物)を合わせ、乾燥させた(MgSO)。
【0250】
実施例2.b:N’−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン:これは、4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(1.0g,4.8mmol)から製造した;(70%収率);反応時間3時間;融点230〜232℃; 1H NMR (CDCl3) δ 1.10 (t, 6H, J=7.2), 2.63 (q, 4H, J=7.2), 2.84 (t, 2H, J=5.7), 3.35 (q, 2H, J=5.7), 5.78 (br, 1H), 6.15 (s, 2H), 6.96
(s, 1H), 7.57 (s, 1H), 8.52 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 12.2, 39.5, 46.6, 50.8,
94.4, 102.0, 105.4, 112.8, 129.0, 139.8, 147.8, 149.5, 150.7; HRMS C15H20O2N4の計算値: 288.1586; 実測値: 288.1575。
【0251】
実施例3.b:N−(6,7−ジフルオロシンノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,2−ジアミン:これは、4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(0.52g,2.5mmol)から製造した;(42%収率)、反応時間4時間、融点196〜197℃; 1H NMR (CD3OD) δ 1.31 (d, 3H, J=6.6), 2.33 (s, 6H), 2.45 (dd, 1H, J=5.4, 12.8), 2.74 (dd, 1H, J= 8.2, 12.6), 4.12 (dd, 1H, J=5.8, 13.8), 6.19 (s, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.51 (s, 1H); 13C NMR (CD3OD) δ 17.1, 44.0, 45.3, 63.5, 95.1, 101.6, 102.0, 112.6, 126.7, 140.8, 149.3, 151.2; HRMS C14H18O2N4の計算値: 274.1430; 実測値: 274.1429。
【0252】
実施例4.b:2−[[[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]メチル]テトラヒドロフラン:これは、4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(500mg,2.4mmol)から製造した;(78%収率);反応時間2時間;融点196〜198℃; 1H NMR (CDCl3) δ 1.74 (m, 1H), 2.11 (m, 3H), 3.30 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.92 (m, 2H), 4.29 (m, 1H), 5.22 (br, 1H), 6.12 (s, 2H), 6.98 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 8.54 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.9, 29.2, 46.9, 68.4, 76.9, 94.4, 102.2, 105.2, 112.8, 128.7, 139.8, 147.9, 149.6, 150.8; HRMS C14H15O3N3の計算値: 273.1130; 実測値: 273.1130。
【0253】
実施例5.b:1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]エチルピロリジン:これは、4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(750mg,3.5mmol)、1−(2−アミノエチル)ピロリジン(3ml)、および、銅粉末(300mg)から75%の収率で製造した;反応時間は90℃で18時間;融点215℃(度); 1H NMR (CDCl3) δ 1.85 (m, 4H), 2.63 (m, 4H), 2.90 (t, 2H, J = 6), 3.42 (t, 2H, J = 6), 5.63 (s, 1H), 6.14 (s, 2H), 7.04 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 8.53 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 23.9, 42.0, 54.5, 54.7, 97.0, 102.9,
104.4, 112.7, 126.8, 140.8, 149.3, 151.0; HRMS C15H18N4O2の計算値: 293.1590; 実測値 293.1579。
【0254】
実施例6.b:1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシシンノリン−4−イル)]アミノ]エチルピペリジン:これは、4−クロロ−6,7−メチレンジオキシシンノリン(1.04g,5.0mmol)から製造された;(37%収率);反応時間2時間;融点238〜239℃; 1H NMR (CD3OD) δ 1.56 (d, 2H, J=5.2), 1.70 (d, 2H, J=4.6), 2.87 (t, 2H, J=7), 3.65 (t, 2H, J=6.6), 6.20 (s, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.46 (s, 1H); 13C (CD3OD) δ 23.1, 24.7, 38.5, 53.6, 56.1, 94.7, 101.7, 102.1, 112.4, 126.6, 141.1, 14.7, 149.4, 151.2 (CDCl3);HRMS C16H20N4O2Hの計算値: 300.1586; 実測値 300.1586。
【0255】
実施例7〜12
実施例7〜12における代表的な本発明の化合物を以下の一般的な方法を用いて、以下の対応させて番号付けした下位パートで製造された中間体から製造した。
【0256】
必須の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリンo−ヨードベンズアミド誘導体(1.0mmol当量)、Pd(OAc)(0.2mmol当量)、P(o−トリル)3(0.4mmol当量)、および、AgCO(2.0mmol当量)の混合物を、DMF(30mL/mmol当量)中で撹拌しながら加熱還流した。この反応混合物をそのまま室温に冷却させ、CHClで希釈し、セライトを通過させてろ過した。セライト(sicciate)をCHCl中の10%CHOHで徹底的に洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、残留物をクロロホルム:メタノールを用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。
【0257】
実施例7:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(41%収率);反応時間25分;融点283〜285℃(度);IR(CHCl)1653; 1H NMR (CDCl3) δ 2.33 (s, 6H), 3.04 (t, 2H, J = 7.2), 4.07 (s, 3H), 4.14 (s,
3H), 4.64 (t, 2H, J = 7.2), 6.18 (s, 2H), 7.47 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.89 (s, 2H), 9.37 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 45.9, 49.2, 56.3, 56.3, 57.9, 101.2, 102.0, 102.3, 107.1, 108.8, 111.7, 114.8, 119.3, 127.6, 140.9, 143.5, 147.3, 147.7, 149.9, 150.3, 154.2, 164.1; HRMS C23H23N3O5Hの計算値: 422.1716; 実測値 422.1710。
【0258】
実施例8:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(30.4%収率);反応時間30分;融点186〜187℃;IR(KBr)1649; 1H NMR (CDCl3); δ 1.95-1.98 (m, 9H), 2.77 (dd, 1H,
J = 12.0, 8.0), 3.21 (dd, 1H, J = 12.0, 8.0), 4.06 (s, 3H), 4.13 (s, 3H), 4.84-4.92 (m, 1H), 6.17 (s, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 9.35 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 19.7, 45.5, 56.2, 56.3, 59.5, 63.1, 100.9, 101.9, 102.1, 107.0, 108.7, 112.4, 115.2, 120.5, 127.3, 142.6, 143.3, 147.0, 147.3, 149.9, 150.1, 154.0, 164.9; HRMS C24H25N3O5Hの計算値: 436.1794; 実測値 436.1863。
【0259】
実施例9:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2−ピロリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(36%収率);反応時間30分;融点255〜257℃(度);IR(CHCl)1653; 1H NMR (CDCl3) δ 1.79 (m, 4H), 2.64 (m, 4H), 3.20 (t, 2H, J = 7.1), 4.07
(s, 3H), 4.14 (s, 3H), 4.69 (t, 2H, J = 7.1), 6.18 (s, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 9.37 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 23.7, 49.6, 54.3, 56.3, 56.4, 56.4, 101.3, 102.0, 102.3, 107.0, 108.7, 111.7, 114.8, 119.3, 127.7, 140.9, 143.4, 147.3, 147.8, 150.0, 150.3, 154.2, 164.2; HRMS C25H25N3O5Hの計算値: 448.1872; 実測値 448.1872。
【0260】
実施例10:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(18%収率);反応時間25分;融点244〜246℃;IR(CHCl)1651; 1H NMR (CDCl3) δ 2.27 (s, 3H), 2.51 (m, 8H), 2.95 (t, 2H, J = 6.2), 4.07 (s, 3H), 4.15 (s, 3H), 4.69 (t, 2H, J = 6.2), 6.19 (s, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.91 (s, 2H), 7.92 (s, 1H), 9.39 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3)
δ 29.8, 45.9, 48.6, 53.0, 55.0, 56.4, 56.4, 101.2, 102.0, 102.2, 107.1, 108.9,
112.0, 115.0, 119.5, 127.6, 141.2, 143.4, 147.4, 147.2, 150.0, 150.3, 154.1, 164.4; HRMS C26H28N4O5Hの計算値: 477.2138; 実測値 477.2139。
【0261】
実施例11:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン):これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(45%収率);反応時間30分;融点262〜264℃(度);IR(CHCl)1648; 1H NMR (CDCl3) δ 2.29 (m, 8H), 2.45 (m, 2H), 4.07 (s, 3H), 4.14 (s, 3H), 4.53 (t, 2H, J = 7.4), 6.19 (s, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 9.40 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.9, 45.3, 49.2, 56.3, 56.4, 56.9, 100.8, 101.9, 102.3, 107.1, 108.7, 111.6, 114.9, 119.4, 127.5, 141.0, 143.6, 147.2, 147.7, 149.9, 150.3, 154.1, 164.1; HRMS C24H25N3O5Hの計算値: 436.1872; 実測値 436.1878。
【0262】
実施例12:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−テトラヒドロフラニル)メチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(22%収率);反応時間30分;融点270〜273℃;IR(CHCl)1648; 1H NMR (CDCl3) δ 1.87 (m, 4H), 3.72 (m, 2H), 4.07 (s, 3H), 4.14 (s, 3H),
4.68 (m, 3H), 6.18 (s, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 9.39 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.6, 30.3, 54.7, 56.3, 56.4, 68.1, 77.3, 101.7, 102.2, 102.3, 107.0, 109.0, 112.1, 115.2, 119.5, 127.7, 141.2, 143.5, 147.2, 147.4, 149.9, 150.3, 154.2, 164.6; HRMS C24H22N2O6H の計算値: 435.1556; 実測値 435.1566。
【0263】
実施例7.a〜12.a
実施例7〜12で用いられる中間体4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリンo−ヨードベンズアミド誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0264】
CHCl(1.3当量)中の塩化オキサリルの2.0M溶液を、無水CHCl(安息香酸10mmolあたり約60mL)中の2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸(1.0当量)の溶液に添加し、この溶液を還流下で3時間撹拌した。この混合物をそのまま冷却させ、続いて乾燥するまで真空中で濃縮した。残留物に、CHCl(アミノキノリン4mmolあたり約60mL)中の適切な4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン(1.0当量)、トリエチルアミン(2当量)の溶液を添加した。続いてこの反応混合物を、窒素下で、還流下で、撹拌した。それらの構造中にアルキルアミンが包含されている誘導体の場合、残留物をCHClと10%NaOHとの間で分配した。水層を、CHClで再度分離した。全てのCHCl溶液(最初に分配された部分および抽出物)を合わせ、乾燥させた(MgSO)。水層を20%NaOHで中和し、CHCl
抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。
【0265】
実施例7.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(1.0g,3.84mmol)から、3時間の反応時間で、10mmolの塩化オキサリル、および、4.8mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から71%収率で製造した。化合物7aは、以下の通り:IR(CHCl)1652; 1H NMR (CDCl3) δ 2.74 (s, 6H), 2.66 (t, 2.H, J = 7.0),
3.33 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.96 (m, 1H), 4.49, (m, 1H), 6.15 (s, 2H), 6.41 (s,
1H), 7.03 (s, 1H), 7.34 (d, 1H, J = 4.8), 7.37 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 8.56 (d, 1H, J = 4.8); 13C NMR (CDCl3) δ 45.7, 46.9, 55.5, 56.1, 56.6, 82.7, 98.5, 102.2, 106.7, 110.2, 120.2, 121.5, 122.9, 121.5, 122.9, 133.8, 145.9, 148.0, 148.3, 148.5, 149.0, 149.6, 151.0, 170.0; HRMS C23H24IN3O5Hの計算値: 550.0839; 実測値 550.0823。
【0266】
実施例8.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル)−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,2−ジアミン(273mg,1.0mol)から、12時間の反応時間で、4.8mmolの塩化オキサリル、および、1.2mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から60.4%収率で製造した。化合物7bは、以下の通り:融点82〜84℃;IR(KBr)1648、3415; HRMS C24H26IN3O5Hの計算値: 564.0917; 実測値564.0997。
【0267】
実施例9.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2−ピロリジン−1−イル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エチルピロリジン(285mg,1.0mmol)から、87%の収率で、12時間の反応時間で、4mmolの塩化オキサリル、および、1.36mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物7cは、以下の通り:IR(CHCl)1650; 1H NMR (CDCl3) δ 1.78 (m, 4H), 2.22 (m, 1H), 2.59 (m, 3H), 2.83 (t, 2H, J = 6.6), 3.33 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.96 (d, 1H, J = 4), 4.54 (m, 1H), 6.15 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.34 (d, 1H, J = 4.8), 7.36 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 8.55 (d, 1H, J = 4.8); 13C NMR (CDCl3) δ 23.7, 47.7, 52.9, 54.1, 55.5, 56.1, 82.7, 98.4, 102.2, 106.7, 106.7, 120.1, 121.5, 122.9, 133.7, 145.9, 148.0, 148.3, 148.4, 149.0, 149.6, 151.0, 170.0; HRMS C25H26IN3O5Hの計算値: 576.0995; 実測値 576.1003。
【0268】
実施例10.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エチル−4−メチルピペラジン(290mg,0.9mmol)から、50%収率で、12時間の反応時間で、4.0mmolの塩化オキサリル、および、1.8mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物7dは、以下の通り:IR(CHCl)1649; 1H NMR (CDCl3) δ 2.29 (s, 3H), 2.51 (m, 10H), 3.35 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.95 (m, 1H), 4.46 (m, 1H), 6.15
(s, 1H), 6.42 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.35 (d, 1H, J = 4.6), 7.36 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 8.57 (d, 1H, J = 4.6); 13C NMR (CDCl3) δ 46.0, 46.2, 53.1, 55.2, 55.5,
55.5, 56.0, 82.7, 98.7, 102.2, 106.7, 110.4, 120.3, 121.6, 123.0, 133.7, 146.0,
148.0, 148.4, 148.4, 148.9, 149.6, 151.0, 170.0; HRMS C26H29IN4O5Hの計算値: 605.1261; 実測値 605.1261。
【0269】
実施例11.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(273mg,1.0mmol)から、79%の収率で、12時間の反応時間で、4.0mmolの塩化オキサリル、および、1.36mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物7eは、以下の通り:IR(CHCl)1650; 1H NMR (CDCl3) δ 1.93 (m, 1H),
2.16 (m, 1H), 2.34 (s, 6H), 2.58 (m, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.47 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.95 (m, 1H,), 4.55, (m, 1H), 6.16 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.28 (d, 1H, J = 5.0), 7.31 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 8.56 (d, 1h, J = 5.0); 13C NMR (CDCl3) δ 25.8, 45.1, 47.2, 55.5, 56.1, 26.9, 82.7, 98.1, 102.3, 107.0, 110.1, 120.1, 121.5, 122.5, 133.5, 145.5, 148.1, 148.4, 148.6, 149.2, 149.7, 151.1, 170.1; HRMS C24H26IN3O5Hの計算値: 564.0995; 実測値 564.0990。
【0270】
実施例12.a:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、2−[[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]メチル]テトラヒドロフラン(272mg,1.0mol)から、36%収率で、16時間の反応時間で、4.0mmolの塩化オキサリル、および、1.36mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物7gは、以下の通り:IR(CHCl)1652;HRMS C24H23N2O6IHの計算値: 563.0679; 実測値563.0703。
【0271】
実施例7.b〜12.b
実施例7.a〜12.aで用いられる中間体4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0272】
4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリンを還流させたフェノール中で(5.5mol当量)2.5時間撹拌した。温度を100℃に低め、第一アミン(1.0mol当量)を撹拌しながら添加した。続いてこの反応液を100℃で数時間そのまま撹拌し、クーゲルロール蒸留装置によってフェノールを減圧下で除去した。それらの構造中にアルキルアミンが包含されている誘導体の場合、残留物をCHClと10%NaOHとの間で分配した。水層を、CHClで再度分離した。全てのCHCl溶液(最初に分配された部分および抽出物)を合わせ、乾燥させた(MgSO)。その他の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0273】
実施例7.b:N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミンを、N,N−ジメチルエチレンジアミン(2.55g,29mmol)から、24時間の反応時間で、54%収率で製造した。化合物6aは、以下の通り:融点193〜194℃; 1H NMR (CDCl3) δ 2.32 (s, 6H), 2.70 (t, 2H, J = 6.6), 3.29 (m, 2H), 5.62 (br, 1H), 6.10 (s, 2H), 6.36 (d, 1H, J = 5.3), 7.10 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 8.40 (d, 1H, J = 5.3); 13C NMR (CDCl3) δ 40.1, 45.2, 57.2, 96.3, 98.9, 101.6, 106.5, 114.4, 145.2, 146.8, 148.9, 149.7, 150.1; HRMS C14H17N3O2の計算値: 260.1399; 実測値 260.1377。
【0274】
実施例8.b:N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,2−ジアミンを、2−メチル−2−(N,N−ジメチルアミノ)エ
チルアミン(2.55g,29mmol)から、30.7%収率で、24時間の反応時間で製造した。化合物6bは、以下の通り:融点71〜72℃; 1H NMR (CD3OD); δ 1.26
(d, 3H, J = 5.6), 3.22 (s, 6H), 2.41 (dd, 1H, J = 6.2, 12), 2.65 (dd, 1H, J = 5.8, 12.2), 3.82-3.86 (m, 1H), 6.16 (s, 2H), 6.46 (d, 1H, J = 5.8), 7.16 (s, 1H),
7.45 s,1H), 8.20 (d, 1H, J = 6.0); 13C NMR δ 17.1, 44.0, 45.4, 63.6, 96.6, 97.3, 101.3, 101.8, 113.9, 144.8, 146.3, 146.8, 149.7, 150.0; HRMS C15H19N3O2Hの計
算値: 273.1484; 実測値 273.1477。
【0275】
実施例9.b:1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エチルピロリジンを、1−(2−アミノエチル)ピロリジン(1.14g,10.0mmol)から、31%収率で、20時間の反応時間で製造した。化合物6cは、以下の通り:融点179〜182℃; 1H NMR (CDCl3) δ 1.83 (m, 4H), 2.60(m, 4H), 2.87 (t, 2H, J = 5.9), 3.33 (m, 2H), 5.58 (br, 1H), 6.08 (s, 2H), 6.34 (d, 1H, J =
5.1), 7.08 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 8.40 (d, 1H, J = 5.1); 13C NMR (CDCl3) δ 23.7, 41.4, 53.9, 54.0, 96.3, 98.9, 101.6, 106.6, 114.4, 146.4, 146.7, 149.1, 149.6, 150.0; HRMS C16H19N3O2の計算値: 285.1477; 実測値 285.1468。
【0276】
実施例10.b:1−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エチル−4−メチルピペラジンを、2−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチルアミン(1.43g,10.0mmol)から、20%収率で、24時間の反応時間で製造した。化合物6dは、以下の通り:融点159〜161℃; 1H NMR (CDCl3) δ
2.34 (s, 3H), 2.54 (m, 10H), 2.80 (t, 2H, J = 5.9), 5.62 (br, 1H), 6.11 (s, 2H), 6.38 (d, 1H, J = 5.2), 7.05 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 8.41 (d, 1H, J = 5.2); 13C NMR (CDCl3) δ 39.1, 46.2, 52.7, 55.4, 55.7, 96.0, 99.0, 101.6, 106.6, 114.3, 146.8, 146.8, 149.0, 149.5, 150.0; HRMS C17H22N4O2の計算値: 314.1743; 実測値 314.1738。
【0277】
実施例11.b:N’−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミンを、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(1.0g,10.0mmol)から、25%収率で、20時間の反応時間で製造した。化合物6eは、以下の通り:融点178〜181℃; 1H NMR (CDCl3) δ 1.92 (m, 2H),
2.39 (s, 6H), 2.58 (t, 2H, J = 5.5), 3.39 (m, 2H), 6.08 (s, 2H), 6.29 (d, 1H, J
= 5.6), 6.95 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.52 (br s, 1H), 8.37 (d, 1H, J = 5.6); 13C
NMR (CDCl3) δ 24.6, 44.4, 45.7, 59.7, 96.6, 98.0, 101.5, 106.4, 114.5, 146.2, 146.6, 148.9, 149.9, 150.5.; HRMS C15H19N3O2の計算値: 273.1477; 実測値 273.1473

【0278】
実施例12.b:2−[[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]メチル]テトラヒドロフランを、テトラヒドロフルフリルアミン(1.01g,10.0mmol)から、84%収率で、20時間の反応時間で製造した。化合物6gは、以下の通り:融点276〜278℃; 1H NMR (CD3OD) δ 1.77 (m, 1H), 2.07 (m, 3H), 3.61 (m, 2H), 3.86 (m, 2H), 4.26 (m, 1H), 6.28 (s, 2H), 6.90 (d, 1H, J = 7.1), 7.19 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.21 (d, 1H, J =7.1); 13C NMR (CDCl3) δ 24.7, 28.1, 46.6, 67.3, 76.7, 96.5, 97.6, 97.8, 103.1, 112.2, 135.8, 138.6, 148.3, 153.2,
155.1; HRMS C15H16N2O3の計算値: 272.1161; 実測値 272.1172。
【0279】
中間体4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリンを以下のように製造した。
【0280】
マロン酸ジエチル3,4−メチレンジオキシアニリノメチレン。3,4−メチレンジオキシアニリン(41.0g,0.3mmol)、および、エトキシメチレンマロン酸ジエ
チル(64.8g、0.3mmol)をベンゼン中で3.5時間還流した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を、石油エーテルで洗浄し、88.3gを光沢のある灰色〜茶色の固体として得た(収率96%);融点99.5〜101.0℃(文献上の融点221,融点102℃); 1H NMR (CDCl3) δ 1.34 (t, 3H, J=7.0), 1.40 (t, 3H, J=7.0) 4.25 (q,
2H, J=7.0), 4.31 (q, 2H, J=7.0), 6.01 (s, 2H), 6.60 (dd, 1H, J=8.5, J=2.2), 6.71 (d, 1H, J=2.2), 6.81 (d, 1H, J=8.5), 8.41 (d, 1H, J=14.0); 13C NMR (CDCl3) δ 14.4, 14.6, 60.1, 60.4, 92.9, 99.4, 101.8, 108.9, 110.9, 134.3, 145.3, 148.9, 152.6, 165.8, 169.3。
【0281】
4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル。マロン酸ジエチル3,4−メチレンジオキシアニリノメチレン(80.0g,0.261mol)を、ポリリン酸エステル(PPE)(250g,0.528mol)中で、120℃で、機械式撹拌器で2時間撹拌した。この反応混合物を氷水(700mL)に注入し、均質になるまで撹拌した。続いてこの混合物を水酸化アンモニウムで中和し(pH8)、沈殿をろ過し、水で十分に洗浄し、乾燥させ、54.7gを茶色の固体として得た(収率80%);融点277〜278℃; 1H NMR (DMSO-d6) δ 1.26 (t, 3H, J=7.0), 4.16 (q, 2H, J=7.0), 6.09 (s, 2H), 7.02 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 8.48 (s, 1H)。
【0282】
4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシ−3−キノリンカルボン酸。4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル(45.0g,0.172mol)を、エタノール(500mL)中のKOH(16.8g,0.258mol)溶液に添加し、この混合物を撹拌しながら20時間加熱還流した。続いてこの反応フラスコを冷却し、エタノールを減圧下で蒸発させた。続いて800mLの水を撹拌しながら添加し、カリウム塩を完全に溶解させ、この溶液をろ過して、あらゆる不純物を除去した。濃塩酸を添加してこの混合物をpHにして、遊離酸をろ過して除き、真空中で乾燥させ、33.9gをベージュ色の固体として得た(84%);融点>300℃(文献上の融点221,融点>290℃);1H NMR (DMSO-d6) δ 6.27 (s, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 8.72 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 98.5, 101.8, 103.8, 107.9, 120.8, 137.9, 143.5, 148.1, 153.7, 167.4, 177.4。
【0283】
6,7−メチレンジオキシ−4−キノロン。ジフェニルエーテル(320mL)中の4−ヒドロキシ−6,7−メチレンジオキシ−3−キノリンカルボン酸(30g,0.129mol)の懸濁液を力強く撹拌しながら加熱還流した。この反応液が透明になるまで(約1.5時間)慎重にモニターし、続いて即座に熱を除去した。この時点で、全ての出発原料が溶解していたが、黒いタール状の残留物が残った。この溶液をデカントし、冷却し、そのまま生成物を沈殿させた。この物質をろ過し、エチルエーテルで洗浄して、微量のフェニルエーテルを全て除去した。タール状の残留物をエタノール(16×250mL)で徹底的に洗浄し、ろ過し、エタノールを蒸発させ、エチルエーテルで物質をリンスすることによって第二の収穫物を得た。合計の収率は、薄黄色の固体として14.9gであった(61%);融点285〜289℃(文献上の融点221,融点276℃); 1H NMR (DMSO-d6) δ 5.95 (d, 1H, J=7.3), 6.13 (s, 2H), 6.97 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.77
(d, 1H, J=7.3); 13C NMR (DMSO-d6) δ 97.5, 102.1, 102.6, 108.7, 119.4, 122.0, 130.8, 138.7, 145.8, 151.7。
【0284】
4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリン。6,7−メチレンジオキシ−4−キノロン(5.0g,26.5mmol)を、POCl(75mL)中で45分間沸騰させ、続いて冷却した。過量の塩化ホスホリルを減圧下で除去し、氷水(100mL)を、に添加し、全ての残留した塩化ホスホリルを加水分解した。この混合物を水酸化アンモニウムで塩基性にし(pH9)、固形の沈殿をろ過した。この物質をエチルエーテル中に抽出し(8×100mL)、このエーテル溶液を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、4
.55gを白色の固体として得た(83%);融点127.5〜128℃(文献上の融点129℃); 1H NMR (CDCl3) δ 6.15 (s, 2H), 7.35 (d, 1H, J=4.7), 7.39 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.56 (d, 1H, J=4.7); 13C NMR (CDCl3) δ 99.8, 102.2, 106.1, 119.9,
123.7, 129.8, 141.2, 147.7, 149.1, 151.4。
【0285】
実施例13〜16
実施例13〜16における代表的な本発明の化合物を、以下で説明されているように、それに対応するtert−ブチルジメチルシリルエーテル(13〜15)、または、それに対応するアセタールの脱保護によって製造した。
【0286】
実施例13:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ヒドロキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、それに対応するtert−ブチルジメチルシリルエーテル(実施例13.a)から、AcOH、THF、HO(3:1:1)で室温で処理することによって製造した;(84%収率);反応時間48時間;融点285〜286℃;IR(KBr);1653、3448;1H NMR (DMSO-d6); δ 3.91 (s, 3H), 4.04 (s, 3H), 4.54 (t, 2H, J = 4.4), 4.96 (t, 2H, J = 4), 6.26 (s, 2H), 7.44 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 9.64 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6); δ 52.6, 56.4, 57.0, 59.5, 101.9, 103.0, 104.0, 106.8, 108.8, 111.9, 114.8, 119.1, 128.0, 141.2, 144.9, 147.4, 147.7, 150.2, 150.5, 154.6, 163.7; HRMS (M+-OH) C21H17O5N2の計算値377.1137; 実測値 377.1121。
【0287】
実施例14:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、それに対応するtert−ブチルジメチルシリルエーテル(実施例14.a)から、AcOH、THF、HO(3:1:1)で室温で処理することによって製造した;(76%収率);反応時間18時間;融点235℃;IR(KBr)1654; 1H NMR (CDCl3); δ 3.61 (t, 2H, J = 5.2), 3.73 (t, 2H, J = 5.2), 4.07 (s, 3H), 4.14 (
s,3H), 4.22 (t, 2H, J = 5.6), 4.71 (t, 2H, J = 5.6), 6.2 (s, 2H), 7.53 (s, 1H),
7.69 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 8.05 (s,1H), 9.39 (s, 1H)。HRMS C23H22N2O7Hの計算値: 439.1506; 実測値 439.1499。
【0288】
実施例15:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−N,N−ジメチルアミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、それに対応するtert−ブチルジメチルシリルエーテル(実施例15.a)から、イソプロパノール中の5NのHClで室温で30分処理することによって製造した;(57%収率);反応時間30分;融点132℃;IR(KBr)1647; 1H NMR (CDCl3); δ 2.00 (s, 6H), 2.72-2.81 (m, 1H), 3.16-3.26 (m,
1H), 4.05 (s, 3H), 4.12 (s, 3H), 4.20-4.28 (m, 1H), 4.65-4.73 (m, 1H), 4.98 (m,
1H), 6.17 (q, 2H, J = 1.2), 7.44 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.82 (s, 1H); 9.33 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ: 45.6, 56.2, 56.3, 60.0,, 64.1, 65.2, 100.9, 101.8, 102.3,, 106.6, 108.5, 112.5, 115.0, 119.6, 127.5, 141.1,
143.0, 147.1, 147.5, 149.9, 150.0, 154.1, 165.0。
【0289】
実施例16:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2,3−ジヒドロキシ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン:これは、それに対応するアセタール(実施例16.a)から80%AcOHで還流下で2時間処理することによって製造した。反応混合物をそのまま冷却させ、続いて真空中で濃縮した。未精製の残留物をクロロホルム(1.5mL)で粉砕し、ろ過し、追加のクロロホルム(10mL)で洗浄し、16.5mgの純粋な材料を60%の収率で得た;融点272
〜274℃(度);IR(KBr)1631、3407; 1H NMR (DMSO-d6) δ 3.31 (d, 2H, J = 8.0), 3.95 (s, 3H), 4.07 (s, 3H), 4.63 (m, 3H), 6.33 (s, 2H), 7.55 (s,
1H), 7.72 (s, 1H), 8.06 (s, 2H), 8.21 (s, 1H), 9.79 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 54.4, 56.5, 57.3, 64.9, 68.8, 103.2, 103.8, 104.6, 108.9, 109.0, 112.6, 115.5, 119.3, 127.3, 138.5, 140.6, 148.2, 151.0, 151.3, 151.8, 154.8, 163.9; HRMS C22H20N2O7Hの計算値: 425.1350; 実測値 425.1359。
【0290】
実施例13.a〜16.a
実施例13.b〜16.bの中間体のヨード化合物を以下の一般的な方法を用いて環化した。
【0291】
必須の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリンo−ヨードベンズアミド誘導体(1.0mmol当量)、Pd(OAc)(0.2mmol当量)、P(o−トリル)3(0.4mmol当量)、および、AgCO(2.0mmol当量)の混合物を、DMF(30mL/mmol当量)中で撹拌しながら加熱還流した。この反応混合物をそのまま室温に冷却させ、CHClで希釈し、セライトを通過させてろ過した。セライト(sicciate)をCHCl中の10%CHOHで徹底的に洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、残留物をクロロホルム:メタノールを用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。
【0292】
実施例13.a:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した(36.4%収率);反応時間30分;融点271〜273℃;IR(KBr)1658; 1H NMR (CDCl3) δ 0.00 (s, 6H), 0.68 (s, 9H),
4.04 (s, 3H), 4.12 (s, 3H), 4.24 (t, 2H, J = 8), 4.65 (t, 2H, J = 8), 6.18 (s, 2H), 7.44 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 9.29 (s, 1H); HRMS C27H33ISiN2O6Hの計算値: 637.1153; 実測値 637.1212。
【0293】
実施例14.a:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した;(75%収率);反応時間18時間;融点238℃(度);IR(KBr):1639;1H NMR (CDCl3); δ 0.00 (s, 6H), 0.85 (s, 9H), 3.54 (t, 2H, J = 5.2), 3.70 (t, 2H, J = 5.2), 4.07 (s, 3H), 4.14 (s,3H), 4.16 (t, 2H, J = 6.0), 4.71 (t, 2H, J = 6.0), 6.17 (s, 2H), 7.48 (s, 1H) 7.70 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 9.39 (s, 1H); HRMS C23H23N2O7Hの計算値: 439.1505; 実
測値 439.1506。
【0294】
実施例15.a:これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[1−[(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−メチル]−N−2−ジメチルアミノエチル]]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミドから製造した(95%収率);反応時間45分;1H NMR (CDCl3); δ −0.13 (6H), 069 (s, 9H), 1.97(s, 6H), 1.92
(s, 6H), 2.52 (m, 1H), 2.80 (m, 1H) 3.20 (m, 1H), 4.01 (s, 3H), 4.09(s, 3H), 4.50 (m, 1H), 4.90 (m, 1H), 6.11 (m,2H), 7.30 (s, 1H), 7.61 (s, 1H) , 7.79 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 9.32 (s, 1H)。
【0295】
実施例16.a:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン−4−イル]メチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンを、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2,3−ジヒドロキシ)プロピル]−2−ヨード−5,6−ジメトキシベンズアミドから製造した(22%収率);反応時間45分間);融点241〜244℃(度);
IR(CHCl)1652; 1H NMR (CDCl3) δ 1.34 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 3.95 (m, 2H), 4.08 (s, 3H), 4.14 (s, 3H), 4.35 (m, 1H), 4.55 (m, 1H), 4.77 (m, 1H), 6.19 (s, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.87 (s, 2H), 8.05 (s, 1H), 9.40 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.5, 26.5, 54.0, 56.3, 56.4, 69.4, 75.5, 101.6, 102.1, 102.3, 107.0, 108.7, 109.7, 111.8, 114.9, 119.1, 127.8, 141.1, 143.5, 147.4, 147.7, 150.1, 150.4, 154.4, 164.6; HRMS C25H24N2O7Hの計算値: 465.1662; 実測値 435.1677。
【0296】
また、化合物8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン−4−イル]メチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンも本発明の化合物である。
【0297】
実施例13.b.〜16.b
実施例13.a〜16.aで用いられる中間体4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリンo−ヨードベンズアミド誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0298】
CHCl(1.3当量)中の塩化オキサリルの2.0M溶液を、無水CHCl(安息香酸10mmolあたり約60mL)中の2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸(1.0当量)の溶液に添加し、この溶液を還流下で3時間撹拌した。この混合物をそのまま冷却させ、続いて乾燥するまで真空中で濃縮した。残留物に、CHCl(アミノキノリン4mmolあたり約60mL)中の適切な4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン(1.0当量)、トリエチルアミン(2当量)の溶液を添加した。続いてこの反応混合物を、窒素下で、還流下で、撹拌した。それらの構造中にアルキルアミンが包含されている誘導体の場合、残留物をCHClと10%NaOHとの間で分配した。水層を、CHClで再度分離した。全てのCHCl溶液(最初に分配された部分および抽出物)を合わせ、乾燥させた(MgSO)。水層を20%NaOHで中和し、CHClで抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。
【0299】
実施例13.b:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、4−[N−[2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)]エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン(400mg,1.15mmol)から、51.7%収率で、12時間の反応時間で、5.0mmolの塩化オキサリル、および、1.38mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物8hは、以下の通り:融点79〜80℃;IR(KBr);1653: 1H NMR (CDCl3); δ 0.004 (d, 3H, J = 4.2Hz), 0.82 (s, 9H), 3.26 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.84-4.02 (m, 4H), 6.13 (d, 2H, J = 4Hz), 6.40 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 7.33 (d, 1H, J = 4.2Hz), 7.36 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 8.52 (d, 1H, J = 4Hz); HRMS C27H33ISiN2O6Hの計算値: 637.1232; 観察された値 637.1212。
【0300】
実施例14.b:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、4−[N−[2−[2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]エチル]エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン(354mg,9.0mmol)から、60%収率で、24時間の反応時間で、4.5mmolの塩化オキサリル、および、1.8mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物8iの性質は以下の通り:1H NMR (CDCl3); δ 0.006 (s, 6H), 0.83 (s, 9H), 3.27 (s, 3H), 3.48 (t, 2H, J = 4.6), 3.67 (t, 2H, J = 5.6), 3.69 (s, 3H), 3.76-4.55 (m, 4H), 6.10 (s, 2H), 6.36 (s, 1H),
6.99 (s, 1H), 7.30-7.32 (3つの一重項, 3H), 8.52 (d, 1H, J = 4.8)。
【0301】
実施例15.b:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[1−[(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−メチル]−N−2−ジメチルアミノエチル]]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。これは、4−[N−4−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−[(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)メチル]−エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン(0.48mg,1.2mol)から、55%収率で、18時間の反応時間で、5.9mmolの塩化オキサリル、および、2.4mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。化合物8jは、以下の通り:IR(CHCl)1656; 1H NMR (CDCl3) [
未解析のアトロプ異性体,見かけの比率は室温で57:43] 主要なアトロプ異性体δ 0.01 (s, 6H), 0.84 (s, 9H), 2.34 (s, 6H), 2.55 (m, 1H), 2.85 (m, 1H); 3.43 (s, 3H), 3.71(s, 3H) 3.86- 4.04 (m, 3H), 6.12 (s, 2H), 6.56 (s, 1H), 7.29-7.31 (s, 1H), 7.67 (d, 1H, J = 5.0), 8.00 (s, 1H), 8.59 (d, 1H, J = 4.4); 比率が少ないほうのアト
ロプ異性体δ 0.17 (s, 6H), 0.96 (s, 9H), 2.15 (s, 6H), 2.55 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.72 (s, 3H) 3.86- 4.04 (m, 3H), 6.13 (s, 2H), 6.53(s, 1H), 7.00 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.51 (d, 1H, J = 4.8), 8.25 (s, 1H), 8.55 (d, 1H, J = 5.2)。
【0302】
実施例16.b;N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[(2,3−ジヒドロキシ)プロピル]−2−ヨード−5,6−ジメトキシベンズアミド。これは、4−[N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)メチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン(290mg,0.9mmol)から、47%収率で、12時間の反応時間で、30mmolの塩化オキサリル、および、13mmolの2−ヨード−5,6−ジメトキシ安息香酸を用いて製造した酸塩化物から製造した。この酸塩化物は、トリエチルアミン(3.04g,30.1mmol)を含むDME(125mL)中の7kの溶液に、塩化メチレン溶液として添加された。化合物8kは、以下の通り:IR(CHCl)1653; 1H NMR (CDCl3) δ 1.21 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.94 (m, 3H), 4.61 (m, 2H), 6.18 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.31 (d, 1H, J = 4.8), 7.46 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.61 (d, 1H,
J = 4.8); 13C NMR (CDCl3) δ 25.6, 26.9, 55.6, 56.1, 56.4, 68.2, 73.2, 82.8, 98.2, 98.7, 102.4, 106.1, 110.3, 120.7, 121.7, 124.1, 133.3, 147.5, 148.0, 148.8, 149.5, 150.0, 151.5, 152.3, 167.8; HRMS C25H25N2O7IHの計算値: 593.0785; 実測値 593.0802。
【0303】
実施例13.c〜15.c
以下の一般的な方法を用いて、実施例13.d〜15.dからの中間体アルコールをそれらの対応するシリルエーテルに変換した。
【0304】
DMF(15mL/mmol当量)中の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン誘導体(1.0mmole当量)、イミダゾール(1.1mmol当量)、および、t−ブチルジメチルシリル塩化物(1.2mmol当量)の混合物を室温で6時間撹拌した。DMFを真空中で除去し、残留物に水を添加し、固体をろ過し、乾燥させた。
【0305】
実施例13.c:4−[N−[2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)]エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン。これは、N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)エタノールアミンから収率48.7%で製造した;融点215〜216℃; 1H NMR (DMSO-d6) δ 0.01 (s, 6H), 0.85 (s, 9H), 3.39 (dd, 2H, J = 6, 12), 3.80 (t, 2H, J = 6.2), 6.14 (s, 2H), 6.42 (d, 1H, J = 5.4), 7.12 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 4.8)。
【0306】
実施例14.c:4−[N−[2−[2−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]エチル]エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン。これは、2−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エトキシエタノールから39%の収率で製造した(5からの合計収率); 1H NMR (CDCl3) δ 0.1 (s, 6H), 0.92 (s, 9H), 3.64-3.69 (m, 4H), 3.84 (d, 2H, J = 5.2,), 3.93 (d, 2H, J = 5.2), 6.15 (s, 2H), 6.56 (d, 1H, J = 6.4), 7.42 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 6.4)。
【0307】
実施例15.c:4−[N−4−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−[(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)メチル]−エチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン。これは、2−[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロパノールから25%の収率で製造した(5からの合計収率); 1H NMR (CDCl3) [未解析のアトロプ異性体,見かけの比率は室温で57:43] 主要なアトロプ異性体δ 0.07(s, 6H), 0.92-0.94 (s, 9H), 2.24 (s, 6H), 2.45-2.55 (m, 2H), 3.60- 4.05 (m, 3H), 5.40 (d, 1H), 6.09 (s, 2H), 6.45 (d, 1H, J = 6.4), 7.02 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 6.4); 比率が少ないほうのアトロプ異性体δ 0.09 (s, 6H), 0.94 (s, 9H), 2.30 (s, 6H), 2.45-2.55 (m, 2H), 3.60- 4.05
(m, 3H), 5.40 (d, 1H), 6.0 (s, 2H), 6.45 (d, 1H, J = 6.4), 7.02 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 6.4)。
【0308】
実施例16.c:4−[N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)メチル]アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン。DMF(20mL)、および、2,2−ジメトキシプロパン(5mL)中の3−[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]−1,2−プロパンジオール(500mg,1.9mmol)、p−トルエンスルホン酸(5mg,0.02mg)の混合物を80℃に加熱し、この温度で18時間撹拌した。この冷却された溶液に1mLのピリジンを添加し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を96:4のクロロホルム−メタノールを用いてクロマトグラフィーにかけ、466mgのアセトニドを81%の収率で得た;融点219〜221℃; 1H NMR (CD3OD) δ 1.35 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 3.74 (m, 3H), 4.19 (m, 1H), 4.49 (m, 1H), 6.28 (s, 2H), 6.94 (d, 1H, J = 7.2), 7.20 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.24
(d, 1H, J = 7.2); 13C NMR (CD3OD) δ 23.5, 25.1, 45.0, 66.0, 73.6, 96.5, 97.7, 97.8, 103.1, 109.1, 112.2, 135.8, 138.6, 148.4, 153.3, 155.3; HRMS C16H18N2O4
計算値: 302.1267; 実測値 302.1267。
【0309】
実施例13.d〜16.d
実施例13.c〜16.cで用いられる中間体4−アミノ−6,7−ジメトキシキノリン誘導体を以下の一般的な方法を用いて製造した。
【0310】
4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリンを還流させたフェノール中で(5.5mol当量)2.5時間撹拌した。温度を100℃に低め、第一アミン(1.0mol当量)を撹拌しながら添加した。続いてこの反応液を100℃で数時間そのまま撹拌し、クーゲルロール蒸留装置によってフェノールを減圧下で除去した。それらの構造中にアルキルアミンが包含されている誘導体の場合、残留物をCHClと10%NaOHとの間で分配した。水層を、CHClで再度分離した。全てのCHCl溶液(最初に分配された部分および抽出物)を合わせ、乾燥させた(MgSO)。その他の4−アミノ−6,7−メチレンジオキシキノリン誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0311】
実施例13.d:N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)エタノールアミンを、エタノールアミン(0.6g,10mmol)から、24時間の反応時間で、収率53.9%で製造した:融点233〜234℃; 1H NMR (DMSO-d6); δ 3.51 (dd, 2H
, J = 10.4, 6.), 3.69 (t, 2H, J = 6.0), 6.27 (s, 2H), 6.72 (d, 1H, J = 7.0), 7.37 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.29 (d, 1H, J = 7.0); 13C NMR (DMSO-d6); 46.5, 59.5, 98.6, 98.8, 100.3, 103.8, 113.2, 137.6, 141.0, 148.2, 152.8, 155.0 ; HRMS C12H12N2O3Hの計算値: 232.0848; 実測値 232.0881。
【0312】
実施例14.d:2−[2−[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]エトキシエタノールを、2−[2−(ヒドロキシエチル)エトキシ]エチルアミン(0.76g,7.2mmol)から18時間の反応時間で製造した。この化合物を、上記実施例14.cにおけるそのt−ブチルジメチルシラニルオキシ誘導体に直接変換した。
【0313】
実施例15.d:2−[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロパノールを、1−(ヒドロキシメチル)−2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン(1.13g,9.6mmol)から48時間の反応時間で製造した。この化合物を、上記の実施例15.cにおけるそのt−ブチルジメチルシラニルオキシ誘導体に直接変換した。
【0314】
実施例16.d:3−[[N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)]アミノ]−1,2−プロパンジオールを、3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.32g,14.5mmol)から、24時間の反応時間で、34%収率で製造した:融点213〜217℃(度); 1H NMR (CD3OD) δ 3.67 (m, 5H), 6.26 (s, 2H), 6.87 (d, 1H, J = 7.2), 7.19 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 8.21 (d, 1H, J = 7.2); 13C NMR (CD3OD)
δ 45.7, 63.1, 69.4, 96.8, 97.4, 97.8, 103.0, 112.3, 136.1, 138.9, 148.2, 153.0,
155.0; HRMS C9H7N3O2の計算値: 262.0954; 実測値 262.0954。
【0315】
実施例17:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン(4a):THF(650mL)中の8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン(160mg,0.38mmol)の溶液にLiAlH(75mg,2.0mmol)を添加し、この混合物を窒素下で還流しながら撹拌した。2時間後、追加の2.0mmolのLiAlHを再度添加した。この反応液を追加の3時間還流し、続いてをそのまま室温に冷却させた。この反応液を、連続的に水(5滴)、10%NaOH(5滴)および水(5滴)を添加することによってクエンチした。この混合物をセライトを通過させてろ過し、蒸発させ、粗生成物混合物を、98:2のクロロホルム−メタノールを用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけ、132mgの還元した生成物を85%の収率で得た;融点271〜273℃(度); 1H NMR (CDCl3) δ 2.24 (s, 6H), 2.58 (t, 2H, J = 6.8), 3.12 (t, 2H, J = 6.8), 3.97 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 4.27 (s, 2H), 6.13 (s, 2H), 6.79 (s, 1H), 7.38 (s, 2H), 7.61 (s, 1H), 9.05 (s, 1H);
13C NMR (CDCl3) δ 46.0, 50.6, 51.2, 56.2, 26.3, 58.4, 99.6, 101.7, 105.7, 106.6, 110.0, 120.7, 123.1, 124.8, 131.1, 144.1, 146.9, 148.0, 149.0, 149.4, 149.8, 150.2; HRMS C23H25N3O4の計算値: 407.1845; 実測値 407.1848。
【0316】
実施例18:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン。表題の化合物を以下のように製造した。THF(150mL)中の8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン(80mg,0.18mmol;実施例7)をLiAlH(50mg,1.3mmol)に添加し、この混合物を窒素下で還流下で4時間撹拌した。この反応液を、連続的に水(5滴
)、10%NaOH(5滴)および水(5滴)を添加することによってクエンチした。この混合物をセライトを通過させてろ過し、蒸発させ、粗生成物混合物を、クロロホルム中の1.0%メタノールを用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけ、35mgの還元した生成物を収率45.4%で得た;融点153〜154℃; 1H NMR (CDCl3) δ 1.16 (d, 3H, J = 8), 2.38 (dd, 2H, J = 12.2, 8.0), 3.68-3.80 (m, 1), 3.88 (s, 3H), 4.24
(s, 2H), 6.16 (s, 2H), 6.64 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.40 (s, 2H), 7.62 (s, 1H), 8.88 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ : 17.7, 45.6, 46.0, 56.2, 56.4, 57.8, 64.2, 100.1, 101.7, 105.8, 106.4, 108.5, 120.5, 120.6, 123.6, 126.9, 143.4, 146.6, 147.7,
148.9, 149.5, 149.6, 150.0 ; HRMS C24H27N3O4Hの計算値:422.2002; 実測値 422.2081。
【0317】
実施例19:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン
N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド(577mg,1.0mmol)、Pd(OAc)(45、0.2mmol)、P(o−トリル)(122mg,0.4mmol)、および、炭酸銀(550mg,2.0mmol)の混合物を、DMF(30mL)中で加熱還流し、窒素下で30分間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈し、セライトのろ過床でろ過した。フィルターを90:10のクロロホルム−メタノールでよく洗浄した。続いて溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物を、99:1のクロロホルム−メタノールを用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、環化した化合物(250mg)を、白色の固体として56%の収率で得た;融点221〜223℃(度);IR(CHCl)3029、3009、2971、2939、2910、1648、1611、1570、1523、1497、1467、1386、1310、1267、1248、1217、1213、1166、1040; 1H NMR (CDCl3) δ 0.95 (t, 6H, J=7.0), 2.80 (1, 4H, J=7.0), 3.04 (t, 2H, J=6.7), 4.06 (s, 3H), 4.13 (s, 3H), 4.63 (t, 2H, J=6.7), 6.17 (s, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 9.37 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 12.0, 47.6, 49.6, 51.7, 56.3, 101.4, 102.0, 102.2, 107.0, 108.9, 111.8, 115.0, 119.5, 127.7, 141.1, 143.5, 147.3, 147.7, 149.9, 150.3, 154.2, 164.2; HRMS C25H27O5N3Hの
計算値: 450.2030; 実測値: 450.2032。
【0318】
a.4−[[2−(ジエチルアミノエチル)エチル]アミノ]−6,7−メチレンジオキシキノリン。4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリン(1.0g,4.83mmol)を沸騰したフェノール中で2.5時間撹拌した。続いてこの混合物を140℃に冷却し、N,N−ジエチルエチレンジアミン(1.16g,10.0mmol)を添加した。この反応混合物をこの温度で18時間撹拌し、続いてフェノールをクーゲルロールで除去した。未精製の残留物を、希塩酸(100mL)とクロロホルム(100mL)との間で分配し、有機相を希塩酸(100mL)で抽出した。合わせた水相をクロロホルム(100mL)で洗浄し、続いて30%NaOHで塩基性にし、クロロホルム(3×100mL)に抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、793mgを白色の固体として58%の収率で得た;融点201〜202℃;IR(CHCl)3364、2967、2936、2907、2875、1620、1546、1466、1295、1222、1218、1210、1152、1041; 1H NMR (CDCl3) δ 1.09 (t, 6H, J=7.2), 2.61 (q, 4H, J=7.2), 2.82 (t, 2H, J=5.8), 3.26 (m, 2H), 5.71 (br, 1H), 6.08 (d, 2H), 6.35 (d, 1H, J=5.2), 7.03 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 8.40 (d, 1H, J=5.2); 13C NMR
(CDCl3) δ 12.2, 40.1, 46.7, 51.0, 96.1, 99.0, 101.5, 106.7, 114.5, 146.5, 146.7, 149.1, 149.6, 149.9; HRMS C16H21O2N3の計算値: 287.1634; 実測値: 287.1631。
【0319】
b.N−(6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル)−N−[2−(N,N−ジ
エチルアミノ)エチル]−2−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアミド。塩化オキサリル(1.12g、8.8mmol)を、2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸(820mg,2.6mmol;上記を参照)の無水塩化メチレン(40mL)の溶液に添加し、撹拌した混合物を4時間還流した。続いてこの混合物を乾燥するまで減圧下で濃縮した。この酸塩化物を40mLの塩化メチレンに溶解させ、塩化メチレン(50mL)中の4−[[2−(ジエチルアミノエチル)エチル]アミノ]−6,7−メチレンジオキシキノリン(640mg,2.2mmol)、および、トリエチルアミン(2.2g、22mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を窒素下で還流しながら2時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(3×75mL)で洗浄し、希塩酸(4×100mL)に抽出した。続いてこの水性抽出物を30%NaOHで中和し、CHCl(4×100mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、1.1gを、粘性の半固体ののり状物質として、86%の収率で得た; 1H NMR (CDCl3) δ 0.96 (t, 6H, J=7.2), 2.54 (q, 4H, J=7.2), 2.82 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.92 (m, 1H), 4.46 (m, 1H), 6.12 (s, 2H), 6.37 (s, 1H),
7.00 (s, 1H), 7.27 (d, 1H, J=4.8), 7.33 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 8.52 (d, 1H, J=4.8); 13C NMR (CDCl3) δ 11.8, 47.1, 47.5, 50.7, 55.5, 56.1, 82.7, 98.5, 102.2, 106.7, 110.6, 120.1, 121.8, 122.7, 133.7, 146.3, 148.1, 148.3, 148.5, 149.0, 149.7, 151.0, 170.0; HRMS C25H28O5N3IHの計算値: 578.1153; 実測値: 578.1153。
【0320】
中間体4−クロロ−6,7−メチレンジオキシキノリンを上述のようにして製造した。
【0321】
中間体2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸を以下のように製造した。
【0322】
c.2−ヨード−4,5−ジメトキシ安息香酸。水(100mL)および濃硫酸(14mL)中の2−アミノ−4,5−ジメトキシ安息香酸(10.0g,50mmol)の混合物を5℃に冷却し、NaNO(3.5g)の水溶液(12.5mL)を0〜5℃の温度を維持しながら一滴ずつ添加した。添加し終わったら、この混合物をこの温度でさらに30分間撹拌した。続いて水(20.5mL)および濃硫酸(4.4mL)中のKI(13.0g,78.3mmol)の溶液を迅速に添加し、フラスコを105℃に予熱したオイルバスに移した。この混合物を還流を始めてから30分間撹拌した。続いてフラスコを冷却し、クロロホルム(3×300mL)に抽出し、水(3×200mL)、希塩酸(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、続いて溶媒を乾燥させ(NaSO)、蒸発させ、残留物をクロロホルムを用いたクロマトグラフィーにかけ、13.1gを白色の固体として84%の収率で得た;融点162.0〜163.5℃(文献上の融点159〜160℃); 1H NMR (CDCl3) δ 3.93 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 7.46 (s, 1H),
7.65 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ56.1, 56.4, 85.8, 114.8, 124.3, 124.5, 148.8, 152.7, 170.5。
【0323】
実施例20:上述の手法に類似した手法を用いて、化合物2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オンも製造した。
【0324】
実施例21:上述の手法に類似した手法を用いて、以下の本発明の化合物も製造した:8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−ピペリジノエチル)−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−ホルミルメチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;および、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン

【0325】
実施例22:化合物2およびその代謝産物のうち2種(化合物5および化合物6)のインビトロおよびインビボでの活性を調査し、カンプトテシンTop1阻害剤活性と比較した。マウス、ラット、イヌおよびヒトにおけるインビトロで、化合物2は、高い代謝的安定性、88〜93%の血漿結合を示し、さらに、濃度依存性の赤血球への分配を示した。インビボにおいて、化合物2は、マウス、ラット、および、イヌにおいて大きい分布容積、および、低〜中程度のクリアランスを有していた。ヌードマウスにおいて、化合物2のt1/2は3.6時間(経口)、10.4時間(腹腔内)、および、5.1時間(静脈内)であり、腫瘍を有するマウスではそれよりも長かった。ヒトHCT−116結腸癌、HT−29結腸癌、および、NCI−H460NSCLC細胞において、化合物2、化合物5および化合物6の濃度応答性は同じであった。細胞を化合物2、化合物5、および、化合物6に72時間曝露させたところ、IC50濃度は0.5〜0.65nMであり、IC90濃度は1.8〜2nMであった。化合物2の抗腫瘍活性を数種の承認された抗癌剤と比較してさらに評価するために、6種の異種移植片モデル、すなわちLOX−IMVI黒色腫、DLD−1、および、HCT−15結腸、MDA−MB−231乳房、NCI−H292およびNCI−H1299肺癌で化合物2を試験した。また、化合物2をその代謝産物のうち2種とも比較したところ、化合物5および化合物6は、HCT−116結腸癌において化合物5と同等の活性を示した。化合物2を、1日おきを3回のスケジュールを2サイクルで静脈内投与した。以下の表に、各研究に関する腫瘍増殖遅延、TGD、(T−C)、および、寿命の延長、ILS、(T/C)を列挙した。
【0326】
【表9】

【0327】
化合物2の投与量はいずれも十分な許容性を有しており、最大の体重損失は20%以下であったが、HCT−15およびNCI−H292においては高い投与量であり、最大の体重損失はそれぞれ25.7および20.9%であった。
【0328】
【化13】

【0329】
全ての公報、特許および特許文書は参照により本明細書に包含させ、個々に参照により本明細書に包含させたのと同じこととする。様々な具体的で好ましい実施態様および技術を参照しながら本発明を説明した。しかし当然のことながら、本発明の本質および範囲から逸脱することなく多くのバリエーションおよび改変が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における結腸癌または多発性骨髄腫を治療する医薬品を製造するための、式I:
【化1】

[式中:
AおよびBは、独立して、NまたはCHであり;
Wは、NまたはCHであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであるか、または、RおよびRは、一緒になって、=O、=S、=NH、または、=N−Rであり;
YおよびZは、独立して、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、置換された(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイルオキシ、置換された(C〜C)アルカノイルオキシ、−O−P(=O)(OH)、または、−O−C(=O)NRであり;または、YおよびZは、それらが結合している環の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子を有するアルキレンジオキシ環を形成する;
は、1個またはそれより多くの可溶化基Rで置換された−(C〜C)アルキルであり;
は、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;および、
およびRは、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N’−{(C〜C)アルキル}ピペラジノ、ピロリジノ、または、ピペリジノ環を形成し、この環は、任意に1個またはそれより多くのアリール、ヘテロアリールまたは複素環で置換されていてもよい]
で示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項2】
Aは、CHである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Bは、CHである、請求項1〜2のいずれか一項に記載の使用。
【請求項4】
Yは、−OCHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
Zは、OCHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
R1は、1個またはそれより多くのNR基で置換された(C1〜C6)アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
R3およびR4は、一緒になって、=Oである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
Wは、CHである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物が、11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
式Iで示される化合物が、式VIII:
【化2】

で示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
式Iで示される化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
式Iで示される化合物が、以下の通りである、請求項1に記載の使用:
11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン(E);
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジエチルアミノ)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−(2−テトラヒドロフラニル)メチル−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン);
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−テトラヒドロフラニル)メチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ヒドロキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−N,N−ジメチルアミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2,3−ジヒドロキシ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−ピペリジノエチル)−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−ホルミルメチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
前記癌が、結腸癌である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記癌が、多発性骨髄腫である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項1、13または14に記載の使用。
【請求項16】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンである、請求項1、13または14に記載の使用。
【請求項17】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンのクエン酸塩である、請求項1、13または14に記載の使用。
【請求項18】
結腸癌または多発性骨髄腫の予防的または治療的処置に使用するための、請求項1〜12および15〜17のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項19】
癌を治療するための医薬組成物であって、該組成物は、例えば、治療上有効な量の式I:
【化3】

[式中:
AおよびBは、独立して、NまたはCHであり;
Wは、NまたはCHであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであるか、または、RおよびRは、一緒になって、=O、=S、=NH、または、=N−Rであり;
YおよびZは、独立して、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、置換された(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイルオキシ、置換された(C〜C)アルカノイルオキシ、−O−P(=O)(OH)、または、−O−C(=O)NRであり;または、YおよびZは、それらが結合している環の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子を有するアルキレンジオキシ環を形成する;
は、1個またはそれより多くの可溶化基Rで置換された−(C〜C)アルキルであり;
は、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;および、
およびRは、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N’−{(C〜C)アルキル}ピペラジノ、ピロリジノ、または、ピペリジノ環を形成し、この環は、任意に1個またはそれより多くのアリール、ヘテロアリールまたは複素環で置換されていてもよい]
で示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ;および、
医薬的に許容される賦形剤、
を含む、上記組成物。
【請求項20】
式Iで示される化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記癌が、結腸癌である、請求項19〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記癌が、多発性骨髄腫である、請求項19〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、NCI−H292肺癌、腎臓癌、H1299肺癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、または、乳癌である、請求項19〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項19〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンである、請求項19〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンのクエン酸塩である、請求項19〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
哺乳動物における非小細胞肺癌、黒色腫、肺癌、腎臓癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、または、乳癌を治療する医薬品を製造するための、式I:
【化4】

[式中:
AおよびBは、独立して、NまたはCHであり;
Wは、NまたはCHであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであるか、または、RおよびRは、一緒になって、=O、=S、=NH、または、=N−Rであり;
YおよびZは、独立して、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、置換された(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイルオキシ、置換された(C〜C)アルカノイルオキシ、−O−P(=O)(OH)、または、−O−C(=O)NRであり;または、YおよびZは、それらが結合している環の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子を有するアルキレンジオキシ環を形成する;
は、1個またはそれより多くの可溶化基Rで置換された−(C〜C)アルキルであり;
は、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;および、
およびRは、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、または、置換された(C〜C)アルキルであり;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N’−{(C〜C)アルキル}ピペラジノ、ピロリジノ、または、ピペリジノ環を形成し、この環は、任意に1個またはそれより多くのアリール、ヘテロアリールまたは複素環で置換されていてもよい]
で示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項28】
Aが、CHである、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
Bが、CHである、請求項27〜28のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
Yが、−OCHである、請求項27〜29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
Zが、OCHである、請求項27〜30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
が、1個またはそれより多くのNR基で置換された(C〜C)アルキルである、請求項27〜31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
およびRが、一緒になって、=Oである、請求項27〜32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
Wが、CHである、請求項27〜33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記化合物が、11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項27に記載の使用。
【請求項36】
式Iで示される化合物が、式VIII:
【化5】

で示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項27に記載の使用。
【請求項37】
式Iで示される化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項27に記載の使用。
【請求項38】
式Iで示される化合物が、以下の通りである、請求項27に記載の使用:
11,12−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン(E);
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジエチルアミノ)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[(2−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−(2−テトラヒドロフラニル
)メチル−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン);
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−テトラヒドロフラニル)メチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(ヒドロキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−N,N−ジメチルアミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2,3−ジヒドロキシ)プロピル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−メチルエチル]−5,6−ジヒドロ−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−11−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−11H−5,6,11−トリアザクリセン−12−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−(2−ピペリジノエチル)−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−ホルミルメチル−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;
または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項39】
前記癌が、非小細胞肺癌、黒色腫、肺癌、または、腎臓癌である、請求項27〜38のいずれか一項に記載の使用。
【請求項40】
前記癌が、結腸直腸癌、子宮頚癌、または、乳癌である、請求項27〜38のいずれか
一項に記載の使用。
【請求項41】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オン;または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項27、39または40に記載の使用。
【請求項42】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンである、請求項27、39または40に記載の使用。
【請求項43】
前記化合物が、8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシ−5−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5H−ジベンゾ[c,h]1,6−ナフチリジン−6−オンのクエン酸塩である、請求項27、39または40に記載の使用。
【請求項44】
非小細胞肺癌、黒色腫、肺癌、腎臓癌、結腸直腸癌、子宮頚癌、または、乳癌の予防的または治療的処置に使用するための、請求項27〜38および41〜43のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、または、それらの医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−516849(P2012−516849A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548351(P2011−548351)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/022625
【国際公開番号】WO2010/088544
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(504303344)ラットガーズ,ザ・ステート・ユニバーシティ・オブ・ニュージャージー (3)
【出願人】(391018536)ジェンザイム・コーポレーション (13)
【氏名又は名称原語表記】GENZYME CORPORATION
【Fターム(参考)】